JP2008135427A - チップ形固体電解コンデンサの製造方法及びチップ形固体電解コンデンサ - Google Patents

チップ形固体電解コンデンサの製造方法及びチップ形固体電解コンデンサ Download PDF

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勝久 石▲崎▼
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Abstract

【課題】各種電子機器に使用されるチップ形固体電解コンデンサに関し、モールド成形の寸法精度を高めて小型大容量化を図ることを目的とする。
【解決手段】コンデンサ素子1を作製する工程、コンデンサ素子1を複数枚積層して陽極コム端子5と陰極コム端子6上に接合する工程、これらをモールド成形金型内に配置して陽極コム端子5と陰極コム端子6の一部を除き外装樹脂12で一体に被覆する工程を有し、上記モールド成形金型に陰極コム端子6の下面に当接して位置決めするスライドピン10を設け、モールド成形金型内に溶融状態の外装樹脂12を射出し、硬化後にスライドピン10を抜き取る方法により、溶融状態の外装樹脂12を高圧で射出してもコンデンサ素子1や陰極コム端子6が変形することが無くなって寸法精度が高いモールド成形ができるため、小型大容量化が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器に使用されるコンデンサの中で、導電性高分子を固体電解質に用いたチップ形固体電解コンデンサの製造方法及びチップ形固体電解コンデンサに関するものである。
電子機器の高周波化に伴って電子部品の一つであるコンデンサにも従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められてきており、このような要求に応えるために電気伝導度の高い導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている。
図4はこの種の従来のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図、図5は同チップ形固体電解コンデンサに使用されるコンデンサ素子の構成を示した一部切り欠き斜視図であり、図4と図5において、20はコンデンサ素子であり、このコンデンサ素子20は、エッチングにより表面を粗面化したアルミニウムからなる電極体21を化成処理して表面に誘電体酸化皮膜層22を形成した後、ポリイミド製の粘着テープ23を表裏面側から貼り付けることにより陽極部24と陰極部25とに分離し、この陰極部25に導電性高分子からなる固体電解質層26を形成した後、カーボン層27、銀ペースト層28の陰極層を形成することにより構成されたものである。
そして、このように構成されたコンデンサ素子20を複数枚積層し、積層したコンデンサ素子20の陽極部24の全てをリードフレーム29の段差を有したチリトリ状の曲げ加工部の折り曲げ部30aと接するように電気的に接続し、また、積層したコンデンサ素子20の陰極部25の全てをリードフレーム29の段差を有したチリトリ状の曲げ加工部の折り曲げ部31aと接するように電気的に接続して、上記コンデンサ素子20とリードフレーム29とをリードフレーム29の一部が外装樹脂32から外部に露出するようにエポキシ樹脂からなる外装樹脂32でトランスファーモールドによりモールド成形して、その後、外部リード部分の端子加工を行って構成されたものである。
このように構成された従来のチップ形固体電解コンデンサは、コンデンサ素子を積層したときの陽極部及び陰極部の夫々の全体の内部抵抗を低減することができるので、低ESRの優れたチップ形固体電解コンデンサを得ることができるというものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−45753号公報
しかしながら上記従来のチップ形固体電解コンデンサでは、リードフレーム29上に複数枚のコンデンサ素子20を積層してモールド成形する際に、図6に示すように、外装樹脂32を射出する際の圧力によりコンデンサ素子20が下方に押し付けられ、リードフレーム29が変形するといった問題が発生し、この問題は同一体積の外装樹脂32内に被覆されるコンデンサ素子20を大きくして大容量化を図ろうとすればする程顕著になり、最悪の場合にはリードフレーム29の先端(陰極部25側)が実装面となる外装樹脂32の下面から突出し、基板への実装時に基板に形成された回路が機能しない恐れがあるという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、リードフレームが外装樹脂から突出することがなく、寸法精度を高めて小型大容量化を図ることが可能なチップ形固体電解コンデンサの製造方法及びチップ形固体電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、導電性高分子を固体電解質に用いたコンデンサ素子を作製する工程と、このコンデンサ素子を陽極コム端子ならびに陰極コム端子上に複数枚積層して接合する工程と、この陽極コム端子ならびに陰極コム端子が接合された複数枚のコンデンサ素子をモールド成形金型内に配置して陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部を除いて絶縁性の外装樹脂で一体に被覆する工程と、この外装樹脂から表出した陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部を夫々外装樹脂に沿って折り曲げることにより実装面となる下面に陽極端子部ならびに陰極端子部を配設する工程とを有したチップ形固体電解コンデンサの製造方法において、上記モールド成形金型に陰極コム端子の下面に当接して陰極コム端子を位置決めするスライドピンを設け、モールド成形金型内に溶融状態の外装樹脂を射出し、樹脂が硬化した後に上記スライドピンを外装樹脂から抜き取るようにした方法のものである。
以上のように本発明によるチップ形固体電解コンデンサの製造方法は、モールド成形金型に陰極コム端子の下面に当接して陰極コム端子を位置決めするスライドピンを設けることにより、モールド成形金型内に溶融状態の外装樹脂を高圧で射出してもコンデンサ素子ならびに陰極コム端子が上記射出圧力によって変形することが無くなるため、寸法精度が高いモールド成形を行うことができるようになり、小型大容量化が実現できるという効果が得られるものである。
(実施の形態)
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明する。
図1は本発明の一実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示したモールド成形金型の要部断面図、図2は同製造方法により得られたチップ形固体電解コンデンサを示した断面図であり、図1と図2において、1は導電性高分子を固体電解質に用いたコンデンサ素子であり、このコンデンサ素子1は背景技術の項で説明した公知の技術により作製されたものであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
4は上記コンデンサ素子1を複数枚(本実施の形態においては5枚)積層した素子積層体、5と6はこの素子積層体4の陽極電極部2と陰極電極部3を夫々上面に接合した陽極コム端子と陰極コム端子であり、この陽極コム端子5と素子積層体4の陽極電極部2の接合は抵抗溶接等の手段によって行われ、また、陰極コム端子6と素子積層体4の陰極電極部3の接合は導電性接着剤7等の手段によって行われているものである。
8はモールド成形金型の上型、9は同じくモールド成形金型の下型、10はモールド成形金型の下型9に組み込まれて上下方向にスライドし、上記陰極コム端子6の下面に当接して陰極コム端子6を位置決めするためのスライドピン、11はモールド成形金型内に形成されたキャビティ部である。
このように構成されたモールド成形金型を用いて本発明によるチップ型固体電解コンデンサを製造する方法を説明すると、まず、公知の方法により導電性高分子を固体電解質に用いたコンデンサ素子1を作製し、このコンデンサ素子1を複数枚積層して素子積層体4を作製する。
続いて、この素子積層体4の陽極電極部2を陽極コム端子5上に搭載し、抵抗溶接により陽極電極部2を陽極コム端子5に接合すると共に、素子積層体4の陰極電極部3を陰極コム端子6上に搭載し、導電性接着剤7により陰極電極部3を陰極コム端子6に接合する。
次に、このようにして陽極コム端子5と陰極コム端子6が接合された素子積層体4をモールド成形金型内に設けられたキャビティ部11内に配置し、陽極コム端子5と陰極コム端子6の一部をモールド成形金型を閉じることにより上型8と下型9でクランプすると共に、スライドピン10を上昇させて陰極コム端子6の下面に当接させる。
この状態で、上記キャビティ部11内に図示しないゲートから溶融状態の外装樹脂12を射出し、この射出された外装樹脂12が硬化した後、モールド成形金型を開くと共に、上記スライドピン10を下降させて外装樹脂12から抜き取り、モールド成形品を取り出すことにより、このモールド成形品の実装面となる下面側の外装樹脂12の一部に陰極コム端子6が露呈する穴12aが設けられた形状となるものである。
その後、取り出したモールド成形品の外装樹脂12から表出した陽極コム端子5と陰極コム端子6の一部を夫々外装樹脂12の表面に沿って側面から底面へと折り曲げることにより、実装面となる下面の対向する位置に一対の陽極端子部5aと陰極端子部6aが配設された面実装用のチップ形固体電解コンデンサが構成されるものである。
このようにして製造された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、モールド成形金型に陰極コム端子6の下面に当接して陰極コム端子6を位置決めするスライドピン10を設けることにより、モールド成形金型内に溶融状態の外装樹脂12を高圧で射出してもコンデンサ素子1ならびに陰極コム端子6が上記射出圧力によって変形することが無くなるため、寸法精度が高いモールド成形を行うことができるようになり、小型大容量化が実現できるという格別の効果を奏するものである。
また、図3(a)〜(c)は上記陰極コム端子6を位置決めするために設けたスライドピン10の先端部形状の例を示したものであり、(a)は台形円柱状、(b)は円錐状、(c)はドーム状に形成したものであるが、これらの形状はコンデンサ素子1の大きさや射出成形圧力、スライドピン10が陰極コム端子6に当接した部分の露出面積等により適宜選択すれば良いものであり、また、これらの形状以外のものにしても構わないものである。
さらに、このように先端形状を変化させたスライドピン10のいずれを用いた場合でも、このスライドピン10を抜き取った後に、スライドピン跡として形成される穴12aが発生するため、この穴12aが大きすぎる場合にはチップ形固体電解コンデンサの耐湿性に影響を与える可能性も考えられるため、このような場合には上記穴12aをエポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂で埋めることによって解決することができるものである。
本発明によるチップ形固体電解コンデンサの製造方法及びチップ形固体電解コンデンサは、寸法精度が高いモールド成形を行うことができるという効果を有し、特に小型大容量化が要望される分野のコンデンサ等として有用である。
本発明の一実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示したモールド成形金型の要部断面図 同製造方法により得られたチップ形固体電解コンデンサを示した断面図 (a)〜(c)同モールド成形金型に設けたスライドピンの先端部形状の例を示した断面図 従来のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図 同チップ形固体電解コンデンサに使用されるコンデンサ素子の構成を示した一部切り欠き斜視図 従来のチップ形固体電解コンデンサの問題発生状態を示した断面図
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 陽極電極部
3 陰極電極部
4 素子積層体
5 陽極コム端子
5a 陽極端子部
6 陰極コム端子
6a 陰極端子部
7 導電性接着剤
8 上型
9 下型
10 スライドピン
11 キャビティ部
12 外装樹脂
12a 穴

Claims (4)

  1. 表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属箔からなる陽極体の所定の位置に絶縁部を設けて陽極電極部と陰極形成部に分離し、この陰極形成部に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボン層と銀ペースト層からなる陰極層を順次積層形成することにより陰極電極部を形成したコンデンサ素子を作製する工程と、このコンデンサ素子を陽極コム端子ならびに陰極コム端子上に複数枚積層して接合する工程と、この陽極コム端子ならびに陰極コム端子が接合された複数枚のコンデンサ素子をモールド成形金型内に配置して陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部を除いて絶縁性の外装樹脂で一体に被覆する工程と、この外装樹脂から表出した陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部を夫々外装樹脂に沿って折り曲げることにより実装面となる下面に陽極端子部ならびに陰極端子部を配設する工程とを有したチップ形固体電解コンデンサの製造方法において、上記モールド成形金型に陰極コム端子の下面に当接して陰極コム端子を位置決めするスライドピンを設け、モールド成形金型内に溶融状態の外装樹脂を射出し、樹脂が硬化した後に上記スライドピンを外装樹脂から抜き取るようにしたチップ形固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 陰極コム端子の下面に当接して陰極コム端子を位置決めするスライドピンの先端を台形円柱状、円錐状、ドーム状のいずれかにした請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 陰極コム端子の下面に当接して陰極コム端子を位置決めするスライドピンを抜き取った後、上記スライドピン跡として形成された穴を絶縁性の樹脂で埋めるようにした請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属箔からなる陽極体の所定の位置に絶縁部を設けて陽極電極部と陰極形成部に分離し、この陰極形成部に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボン層と銀ペースト層からなる陰極層を順次積層形成することにより陰極電極部が形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を同方向に複数枚積層した素子積層体と、この素子積層体の陽極電極部を上面に接合した陽極コム端子と、同じく素子積層体の陰極電極部を上面に接合した陰極コム端子と、上記陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部が夫々実装面となる下面の一部に表出する状態で上記素子積層体を被覆した絶縁性の外装樹脂からなるチップ形固体電解コンデンサにおいて、上記実装面となる下面側の外装樹脂の一部に上記陰極コム端子が露呈する穴を設けたチップ形固体電解コンデンサ。
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