JP2018036633A - 回折光学素子、光照射装置 - Google Patents

回折光学素子、光照射装置 Download PDF

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【課題】光の利用効率をさらに高めたり、不要な出光を抑えたりすることができる回折光学素子、光照射装置を提供する。【解決手段】回折光学素子は、断面形状において複数の凸部11aが並んで配置されている高屈折率部11と、高屈折率部11よりも屈折率が低く、少なくとも凸部11aの間に形成されている凹部12を含む低屈折率部14と、を有する回折層15を備え、凸部11aは、その側面形状の少なくとも一方側に、高さの異なる複数の段部を備えた多段階形状を有しており、凸部11aの先端を含んで計数した段部の段数をP、光の波長をλ、高屈折率部11の屈折率をn、1を越える係数をFとしたときに、段部の一段当たりの段差Lは、L=Fλ/(P(n−1))を満たす値に構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、回折光学素子、光照射装置に関するものである。
ネットワークの普及によるセキュリティリスク回避のための個人認証へのニーズや、自動車の自動運転化の流れ、又は、いわゆる「モノのインターネット」の普及等、近年、センサシステムを必要とする局面が増大している。センサには色々な種類があり、検出する情報も様々であるが、その中の1つの手段として、光源から対象物に対して光を照射し、反射してきた光から情報を得るというものがある。例えば、パターン認証センサや赤外線レーダ等はその一例である。
これらのセンサの光源は、用途に応じた波長分布や明るさ、広がりをもったものが使用される。光の波長は、可視光〜赤外線がよく用いられ、特に赤外線は外光の影響を受けにくく、不可視であり、対象物のやや内部を観察することも可能という特徴があるため、広く用いられている。また、光源の種類としては、LED光源やレーザ光源等が多く用いられる。例えば、遠いところを検知するには光の広がりが少ないレーザ光源が好適に用いられ、比較的近いところを検知する場合や、ある程度の広がりを持った領域を照射するにはLED光源が好適に用いられる。
ところで、対象とする照射領域の大きさや形状は、必ずしも光源からの光の広がり(プロファイル)と一致しているとは限らず、その場合には拡散板やレンズ、遮蔽板等により光を整形する必要がある。最近では、Light Shaping Diffuser(LSD)という、光の形状をある程度整形できる拡散板が開発されている。
また、光を整形する別の手段として、回折光学素子(Diffractive Optical Element :DOE)が挙げられる。これは異なる屈折率を持った材料が周期性を持って配列している場所を光が通過する際の回折現象を応用したものである。DOEは、基本的に単一波長の光に対して設計されるものであるが、理論的には、ほぼ任意の形状に光を整形することが可能である。また、前述のLSDにおいては、照射領域内の光強度がガウシアン分布となるのに対し、DOEでは、照射領域内の光分布の均一性を制御することが可能である。DOEのこのような特性は、不要な領域への照射を抑えることによる高効率化や、光源数の削減等による装置の小型化等の点で有利となる(例えば、特許文献1参照)。
また、DOEは、レーザの様な平行光源や、LEDの様な拡散光源のいずれにも対応可能であり、また、紫外光から可視光、赤外線までの広い範囲の波長に対して適用可能である。
DOEは、nmオーダーでの微細加工が必要となり、特に長波長の光を回折するためには、高アスペクト比の微細形状を形成する必要があった。そのため、DOEの製造には、従来、電子線を用いた電子線リソグラフィ技術が用いられている。例えば、紫外線〜近赤外線領域で透明である石英板に、ハードマスクやレジストを成膜後、電子線を用いてレジストに所定の形状を描画し、レジスト現像、ハードマスクのドライエッチング、石英のドライエッチングを順次行って、石英板表面にパターンを形成した後、ハードマスクを除去することで所望のDOEを得ることができる。
DOEでは、高さの異なる複数の段部を備えた多段階形状により出光効率を高めることが行われている。
従来、多段階形状の段部の段数をP、光の波長をλ、DOEの素材の屈折率をnとしたときに、段部の一段当たりの段差Lは、以下の式を満たすと、出光効率が最もよいとされていた。
L=λ/(P(n−1))
特開2015−170320号公報 特開2000−199813号公報
しかし、DOEの段部の一段当たりの段差は、上記式により一義的に決めるだけではなく、段差の寸法を変更することにより、さらに効率を高めることができたり、不要な出光(例えば、0次光)を減少することができたりする場合あることを見いだした。
本発明の課題は、光の利用効率をさらに高めたり、不要な出光を抑えたりすることができる回折光学素子、光照射装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、光を整形する回折光学素子(10)であって、断面形状において複数の凸部(11a)が並んで配置されている高屈折率部(11)と、前記高屈折率部(11)よりも屈折率が低く、少なくとも前記凸部(11a)の間に形成されている凹部(12)を含む低屈折率部(14)と、を有する回折層(15)を備え、前記凸部(11a)は、その側面形状の少なくとも一方側に、高さの異なる複数の段部(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4)を備えた多段階形状を有しており、前記凸部(11a)の先端を含んで計数した段部(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4)の段数をP、光の波長をλ、前記高屈折率部(11)の屈折率をn、1を越える係数をFとしたときに、前記段部(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4)の一段当たりの段差Lは、L=Fλ/(P(n−1))を満たす値に構成されている回折光学素子(10)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の回折光学素子(10)において、前記係数Fは、1.2以下の値であること、を特徴とする回折光学素子(10)である。
第3の発明は、光源部(210)と、前記光源部(210)からの光が入射する位置に配置され、前記光源部(210)からの光を成形する回折光学素子(10)と、を備え、前記回折光学素子(10)は、断面形状において複数の凸部(11a)が並んで配置されている高屈折率部(11)と、前記高屈折率部(11)よりも屈折率が低く、少なくとも前記凸部(11a)の間に形成されている凹部(12)を含む低屈折率部(14)と、を有する回折層(15)を備え、前記凸部(11a)は、その側面形状の少なくとも一方側に、高さの異なる複数の段部(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4)を備えた多段階形状を有しており、前記凸部(11a)の先端を含んで計数した段部(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4)の段数をP、光の波長をλ、前記高屈折率部(11)の屈折率をn、1を越える係数をFとしたときに、前記段部(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4)の一段当たりの段差Lは、L=Fλ/(P(n−1))を満たす値に構成されている光照射装置である。
第4の発明は、第3の発明に記載の光照射装置において、前記係数Fは、1.2以下の値であること、を特徴とする光照射装置である。
本発明によれば、光の利用効率をさらに高めたり、不要な出光を抑えたりすることができる回折光学素子、光照射装置を提供することができる。
本発明による回折光学素子の実施形態を示す平面図である。 図1の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を示す斜視図である。 図2中の矢印G−G’の位置で回折光学素子を切断した断面図である。 回折光学素子を説明する図である。 本実施形態の回折光学素子10を、従来の回折光学素子100と並べて各段部の高さの違いを示した図である。 波長λ=500nmにおいて、比較例のシミュレーション結果と、本実施形態のシミュレーション結果とをまとめて示した図である。 波長λ=500nmにおいて、計数F=1.025の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=500nmにおいて、計数F=1.05の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=500nmにおいて、計数F=1.1の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=500nmにおいて、計数F=1.2の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=500nmにおいて、計数F=1.3の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=850nmにおいて、比較例のシミュレーション結果と、本実施形態のシミュレーション結果とをまとめて示した図である。波長λ=850nmについては、−1次回折光の結果は省略した。 波長λ=850nmにおいて、計数F=1.025の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=850nmにおいて、計数F=1.05の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=850nmにおいて、計数F=1.1の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=850nmにおいて、計数F=1.2の場合の差分値を示したグラフである。 波長λ=850nmにおいて、計数F=1.3の場合の差分値を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明による回折光学素子の実施形態を示す平面図である。
図2は、図1の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を示す斜視図である。
図3は、図2中の矢印G−G’の位置で回折光学素子を切断した断面図である。
図4は、回折光学素子を説明する図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
なお、本発明において用いる、形状や幾何学的条件、及び、それらの程度を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
また、本発明において「光を整形する」とは、光の進行方向を制御することにより、対象物又は対象領域に投影された光の形状(照射領域)が任意の形状となるようにすることをいう。例えば、図4の例に示されるように、平面形状のスクリーン200に直接投影した場合に照射領域202が円形となる光201(図4(b))を発光する光源部210を用意する。この光201を、本発明の回折光学素子10を透過させることにより、照射領域204を正方形(図4(a))や、長方形、円形(図示せず)等、目的の形状とすることを、「光を整形する」いう。
なお、光源部210と、光源部210が発光する光が通過する位置に少なくとも1つ配置された、本実施形態の回折光学素子10とを組み合わせることにより、光を成形した状態で照射可能な光照射装置とすることができる。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
第1実施形態の回折光学素子10は、光を整形する回折光学素子(DOE)である。回折光学素子10は、例えば、波長が500nmの光を発光する光源部210からの光に対して十文字形状、具体的には、例えば、±50度に、幅が±3.3度で広がる光の帯が2本公差した形状に光を広げるように設計されている。
第1実施形態の回折光学素子10は、図1に示したA,B,C,Dのそれぞれの位置において深さが異なっている。すなわち、回折光学素子10は、4段階の高さの異なる多段階形状により構成されている。そして、回折光学素子10は、通常、異なる周期構造を持つ複数の領域(部分周期構造:例えば、図1のE,F領域)を有している。図2では、部分周期構造の一例を抽出して示している。
回折光学素子10は、図3に示すように、断面形状において複数の凸部11aが並んで配置されている高屈折率部11を備えている。この高屈折率部11は、同じ断面形状を維持したまま、断面の奥行き方向に延在している。
高屈折率部11は、例えば、クオーツ(SiO、合成石英)をエッチング処理により形状を加工されて作られたものであってもよい。また、高屈折率部11は、クオーツを加工した物から型取りを行って成形型を作成し、この成形型を利用して電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化したものであってもよい。電離放射線硬化性樹脂組成物を用いてこのような周期構造の物を製造する方法は、様々な手法が公知であり、回折光学素子10の高屈折率部11は、それら公知の手法を利用して、適宜作製することができる。
また、凸部11aの間に形成されている凹部12及び凸部11aの頂部付近の空間13を含む図3の上方の部分は、空気が存在しており、高屈折率部11よりも屈折率が低い低屈折率部14となっている。これら高屈折率部11及び低屈折率部14が交互に並んで配置された周期構造により、光を整形する作用を備える回折層15が構成されている。
凸部11aは、側面形状の一方側(図3では、左側)に、高さの異なる4つの段部を備えた多段階形状を有している。具体的には、凸部11aは、最も突出したレベル1段部11a−1と、レベル1段部11a−1よりも一段低いレベル2段部11a−2と、レベル2段部11a−2よりもさらに一段低いレベル3段部11a−3と、レベル3段部11a−3よりもさらに一段低いレベル4段部11a−4とを一側面側に有している。また、凸部11aの側面形状の他方側(図3では、右側)は、レベル1段部11a−1からレベル4段部11a−4まで直線上につながる側壁部11bとなっている。
ここで、レベル1段部11a−1とレベル2段部11a−2との段差、レベル2段部11a−2とレベル3段部11a−3との段差、レベル3段部11a−3とレベル4段部11a−4との段差の3箇所の段差L(図5参照)は、以下の式により得られる値としている。
L=Fλ/(P(n−1))
上記式において、凸部11aの先端を含んで計数した段部の段数をP、光の波長をλ、高屈折率部11の屈折率をn、1を越える係数をFとする。
なお、計数Fは、1を越える値であることが必要であるが、1.2以下であることが望ましい。これは、Fが1.2を越えると、一次回折光の出光が低下して、光の利用効率が下がるからである。
本実施形態では、P=4、λ=500nm、n=1.5、F=1.025であり、L=0.76875nmを一段分の段差としている。
この値は、従来から知られている以下の式に、計数Fを乗じたものである。
L0=λ/(P(n−1))
この従来の値に、P=4、λ=500nm、n=1.5を代入すると、L0=0.75nmであり、本実施形態の回折光学素子10の場合よりも小さな値となる。従来の回折光学素子では、このL0の値を一段当たりの段差として用いていた。
図5は、本実施形態の回折光学素子10を、従来の回折光学素子100と並べて各段部の高さの違いを示した図である。
図5に示すように、本実施形態の回折光学素子10は、従来の回折光学素子100と比べて、各段部の一段当たりの段差が計数Fの分だけ一様に長くなっている。
次に、本実施形態の回折光学素子10と従来の回折光学素子100とについて、シミュレーションを行った結果を示し、出光効率と不要光とについて説明する。
回折効率の解析シミュレーションには、厳密結合波理論(RCWA(rigorous coupled−wave analysis)に基づいた演算を用いた。RCWAは、数学的には、行列の固有値問題と一次方程式を解くことに帰着されるので、原理的な困難さはない。また、このRCWAに基づいた電磁場解析のシミュレーション結果と現実とでは、現物における形状エラー等を除けば、基本的に合致する。
シミュレーションは、以下の条件により行った。
波長λ:500nm及び850nm
高屈折率部の屈折率n:1.5
低屈折率部の屈折率:1.0
ピッチ:2λ、3λ、4λ、6λ、8λ、10λの6種
多段階のレベル数P:4
各段部の一段当たりの段差は、以下のように本実施形態の回折光学素子10と従来の回折光学素子100との間に違いを係数Fにより設けている。
本実施形態:L=Fλ/(P(n−1))
従来:L0=λ/(P(n−1))
また、本実施形態については、計数Fを、1.025、1.05、1.1の3種類とした。
以上の条件により、シミュレーションを行った結果について説明する。
図6は、波長λ=500nmにおいて、比較例のシミュレーション結果と、本実施形態のシミュレーション結果とをまとめて示した図である。
図6のシミュレーション出光値とは、入力光を1としたときの、各方向における出光値を示している。
図6中の0th、1st、−1stは、それぞれ、0次回折光、1次回折光、−1次回折光をそれぞれ示す。通常の利用方法では、1次回折光が大きい方が望ましく、また、0次回折光及び−1次回折光が少ない方が望ましい。
また、図6中には、比較例と本実施形態との差異が明確になるように、これらの間の差分値を示している。差分値は,本実施形態の数値から比較例の数値を差し引いて求めた値を示しており、したがって、1次回折光でみれば数値が大きくなるほど良好な結果であり、0次回折光及び−1次回折光でみれば数値が小さくなるほど良好な結果と判断できる。
この差分値をより分かりやすくするために、グラフ化して示した図を、図7から図9に示す。
図7は、波長λ=500nmにおいて、計数F=1.025の場合の差分値を示したグラフである。
図8は、波長λ=500nmにおいて、計数F=1.05の場合の差分値を示したグラフである。
図9は、波長λ=500nmにおいて、計数F=1.1の場合の差分値を示したグラフである。
図10は、波長λ=500nmにおいて、計数F=1.2の場合の差分値を示したグラフである。
図11は、波長λ=500nmにおいて、計数F=1.3の場合の差分値を示したグラフである。
図12は、波長λ=850nmにおいて、比較例のシミュレーション結果と、本実施形態のシミュレーション結果とをまとめて示した図である。波長λ=850nmについては、−1次回折光の結果は省略した。
図13は、波長λ=850nmにおいて、計数F=1.025の場合の差分値を示したグラフである。
図14は、波長λ=850nmにおいて、計数F=1.05の場合の差分値を示したグラフである。
図15は、波長λ=850nmにおいて、計数F=1.1の場合の差分値を示したグラフである。
図16は、波長λ=850nmにおいて、計数F=1.2の場合の差分値を示したグラフである。
図17は、波長λ=850nmにおいて、計数F=1.3の場合の差分値を示したグラフである。
図7から図11を見ると、1次回折光は、大部分において、本実施形態について改善がみられないが、計数F=1.025の場合のピッチが7λを越える範囲において、一次回折光が増加(差分値がプラス)しており、この範囲で使用することにより、1次回折光について、効率の向上が可能である。
また、0次回折光及び−1次回折光については、ピッチが3λ以上の範囲において、いずれの計数Fについても従来よりも出光値が減少(差分値がマイナス)しており、これら不要光を減らすためには有効であることがわかる。
さらに、係数Fが1.2を越えると、1次回折光の出光値が大幅に低下してしまうことがわかる。よって、1次回折光の出光効率を維持する観点から、係数Fは、1.2以下とすることが望ましい。
また、波長λ=850nmにおいては、係数Fが1.2を越えると、0次回折光が増加(差分値がプラス)となってしまい望ましくない。よって、波長λ=850nmにおいても、係数Fは、1.2以下とすることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来から知られている一段当たりの段差よりもさらに段差を大きく設定した。これにより、特定の条件下においては、光の利用効率をさらに高めたり、不要な出光を抑えたりすることができる。これは、従来から知られている設計セオリーでは到底得られないものである。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、回折光学素子は、高屈折率部のみで構成されている簡単な形態として示した。これに限らず例えば、高屈折率部を形成するための透明基材を設けてもよいし、低屈折率部14を樹脂により構成してもよいし、回折層を被覆する被覆層を設けてもよい。
(2)実施形態において、回折光学素子は、波長が500nmの光を回折するように設計されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、回折光学素子は、波長780nm以上の赤外線を回折するものであってもよいし、赤外光に限らず、可視光等、どのような波長の光を回折するものに本発明を適用してもよい。
(3)各実施形態において、光照射装置は、波長が500nmの光を回折するように設計されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、光源部が波長780nm以上の赤外光を発光するものとしてもよいし、赤外光に限らず、可視光等、どのような波長の光を発光する光源部を光照射装置に適用してもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
10 回折光学素子
11 高屈折率部
11a 凸部
11a−1 レベル1段部
11a−2 レベル2段部
11a−3 レベル3段部
11a−4 レベル4段部
11b 側壁部
12 凹部
13 空間
14 低屈折率部
15 回折層
100 回折光学素子
200 スクリーン
201 光
202 照射領域
204 照射領域
210 光源部

Claims (4)

  1. 光を整形する回折光学素子であって、
    断面形状において複数の凸部が並んで配置されている高屈折率部と、
    前記高屈折率部よりも屈折率が低く、少なくとも前記凸部の間に形成されている凹部を含む低屈折率部と、
    を有する回折層を備え、
    前記凸部は、その側面形状の少なくとも一方側に、高さの異なる複数の段部を備えた多段階形状を有しており、
    前記凸部の先端を含んで計数した段部の段数をP、光の波長をλ、前記高屈折率部の屈折率をn、1を越える係数をFとしたときに、前記段部の一段当たりの段差Lは、
    L=Fλ/(P(n−1))
    を満たす値に構成されている回折光学素子。
  2. 請求項1に記載の回折光学素子において、
    前記係数Fは、1.2以下の値であること、
    を特徴とする回折光学素子。
  3. 光源部と、
    前記光源部からの光が入射する位置に配置され、前記光源部からの光を成形する回折光学素子と、
    を備え、
    前記回折光学素子は、
    断面形状において複数の凸部が並んで配置されている高屈折率部と、
    前記高屈折率部よりも屈折率が低く、少なくとも前記凸部の間に形成されている凹部を含む低屈折率部と、
    を有する回折層を備え、
    前記凸部は、その側面形状の少なくとも一方側に、高さの異なる複数の段部を備えた多段階形状を有しており、
    前記凸部の先端を含んで計数した段部の段数をP、光の波長をλ、前記高屈折率部の屈折率をn、1を越える係数をFとしたときに、前記段部の一段当たりの段差Lは、
    L=Fλ/(P(n−1))
    を満たす値に構成されている光照射装置。
  4. 請求項3に記載の光照射装置において、
    前記係数Fは、1.2以下の値であること、
    を特徴とする光照射装置。
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