JP7342641B2 - 回折光学素子、回折光学素子の設計方法 - Google Patents
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Description
これは異なる屈折率を持った材料が周期性を持って配列している場所を光が通過する際の回折現象を応用したものである。DOEは、基本的に単一波長の光に対して設計されるが、理論的には、ほぼ任意の形状に光を整形することが可能である。また、DOEでは、照射領域内の光分布の均一性を制御することが可能である。DOEのこのような特性は、不要な領域への照射を抑えることによる高効率化、光源数の削減等による装置の小型化等の点で有利となる。
DOEでは、低次回折光を高角度に回折させる場合には、0次光を低く抑えることが難しかった。一方、高次回折光を含めたDOEでは、高次回折光を高角度に回折させる場合には、0次光を低く抑えることができるが、目的とする高次回折光の回折効率が低下してしまい、高次回折光が少なくなってしまっていた。
しかし、特許文献1に開示されている手法では、D=u1/(u1+u2)として、凸部の比率が規定されているが、特許文献1の図3に示されるように、回折格子の形状は、特に軸を持っているわけではなく、凸部及び凹部の長さを規定することができない。したがって、特許文献1に開示されている凸部の比率については、当業者にとって実質的に技術的意味を持たず、具体的な回折格子の形状を特定することができなかった。
図1は、本発明による回折光学素子の実施形態を示す斜視図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
なお、本発明において「光を整形する」とは、光の進行方向を制御することにより、対象物又は対象領域に投影された光の形状(照射パターン)が任意の形状となるようにしたり、照射パターン内の強度分布を平坦化したり、全体的に又は部分的に任意の強度分布になるようにしたりすることをいう。
図2は、回折光学素子10の照射パターンを示す図である。
例えば、回折光学素子10は、図2に示すように、回折角度が狭いスポットS1を4カ所と、回折角度が広いスポットS2を4カ所の、合計8カ所に回折光を照射することができる。
先にも説明したように、従来、回折光学素子(DOE)の設計には、反復フーリエ変換法によって得られた凹凸パターンを利用し、かつ、凸部の高さL(又は、凹部の深さ)は、回折対象の光の波長をλ、凸部11の屈折率をnとして、L=λ/2×(n-1)、(2レベル回折格子の場合)によって得られる高さとすることによって、狙いの配光特性に近い回折光を出射できるようにしていた。しかし、高次回折光を高角度に回折させて0次光を低く抑える場合には、高次回折光の回折効率の低下が発生してしまっていた。本実施形態の回折光学素子10では、上記従来の手法によって得られた回折格子形状の標準的な(従来の)設計形状を補正して最適化することによって、この課題を解決した。
図3において、破線で示した凹凸形状は、補正を行う前の標準値の設計形状を示している。この場合の凸部11の幅をWP0とし、凹部12の幅をWN0とする。また、図3において、実線で示した凹凸形状は、破線で示した標準の設計形状を補正した後の最適化された設計形状を示している。この場合の凸部11の幅をWPとし、凹部12の幅をWNとする。
この図4の例は、回折対象の光の波長λ=940nmの例であることから、凹部12の標準の設計値は、凸部11の屈折率n=1.5として、L=0.94μm/2×(1.5-1)=0.94μmであるので、深さH=0.9μmは、略標準の設計値の深さである。また、サイジング量とは、標準の設計形状における凸部11の幅WP0を細くする補正における片側のシフト量である。よって、例えば、サイジング量が0.15μmの場合には、凸部11の幅WP=WP0-2×0.15μmである。また、凸部11のアスペクト比arPは、arP=H/WPである。
図5は、凹部12の深さ(H)と凸部11の幅のサイジング量との組み合わせによるシミュレーション条件としての凹部12のアスペクト比arNの一部を例示する図である。
凹部12のアスペクト比arNは、arN=H/WNである。
図6は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの8次光と20次光の回折光強度を示す図である。
図7は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの0次光の回折光強度を示す図である。
図8は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凸部のアスペクト比の最小値(arPmin)と最大値(arPmax)を示す図である。
図9は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凹部のアスペクト比の最小値(arNmin)と最大値(arNmax)を示す図である。
なお、図6から図9は、いずれも、8次光及び20次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。なお、8次光及び20次光の2乗和とは、(8次光の回折光強度)2+(20次光の回折光強度)2である。
図11は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比の最小値(arPmin、arNmin)と最大値(arPmax、arNmax)とを示す図である。
図10及び図11についても、8次光及び20次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。
ここで、0次光の最大値は、0.03(3%)未満とすることを狙いとし、また、8次光及び20次光の最小値は、0.005(0.5%)より大きいことを狙いとする。
図10及び図11に示した8次光及び20次光の回折光の強い上位30サンプルについては、0次光の回折光が弱く抑えられていることがわかる。よって、この8次光及び20次光の回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比であれば、必要な回折光の強度が強く、かつ、0次光の強度を弱く抑えることができると言える。
なお、補正処理(凸部の幅を細くするサイジング処理及び凹部の深さを深くする処理)を行わない場合には、0次光の強度は、0.191であり、8次光の強度は、0.073であり、20次光の強度は、0.082であった。よって、図10及び図11に示す上位30サンプルでは、0次光強度を大幅に改善できており、かつ、8次光及び20次光の強度を狙いのレベルに維持することができている。
凸部のアスペクト比の最小値arPminの平均値:4.2
凸部のアスペクト比の最大値arPmaxの平均値:5.6
凹部のアスペクト比の最小値arNminの平均値:2.2
凹部のアスペクト比の最大値arNmaxの平均値:3.1
よって、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果からは、以下のアスペクト比の範囲が望ましいと言える。
4.2≦arP≦5.6・・・(式1)
2.2≦arN≦3.1・・・(式2)
図12は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの6次光と19次光の回折光強度を示す図である。
図13は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの0次光の回折光強度を示す図である。
図14は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凸部のアスペクト比の最小値(arPmin)と最大値(arPmax)を示す図である。
図15は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凹部のアスペクト比の最小値(arNmin)と最大値(arNmax)を示す図である。
なお、図12から図15は、いずれも、6次光及び19次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。なお、6次光及び19次光の2乗和とは、(6次光の回折光強度)2+(19次光の回折光強度)2である。
図17は、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比の最小値(arPmin、arNmin)と最大値(arPmax、arNmax)とを示す図である。
図16及び図17についても、6次光及び19次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。
ここで、0次光の最大値は、0.03(3%)未満とすることを狙いとし、また、6次光及び19次光の最小値は、0.005(0.5%)より大きいことを狙いとする。
図16及び図17に示した6次光及び19次光の回折光の強い上位30サンプルについては、0次光の回折光が弱く抑えられていることがわかる。よって、この6次光及び19次光の回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比であれば、必要な回折光の強度が強く、かつ、0次光の強度を弱く抑えることができると言える。
なお、補正処理(凸部の幅を細くするサイジング処理及び凹部の深さを深くする処理)を行わない場合には、0次光の強度は、0.108であり、6次光の強度は、0.096であり、19次光の強度は、0.087であった。よって、図16及び図17に示す上位30サンプルでは、0次光強度を大幅に改善できており、かつ、6次光及び19次光の強度を狙いのレベルに維持することができている。
凸部のアスペクト比の最小値arPminの平均値:3.8
凸部のアスペクト比の最大値arPmaxの平均値:5.2
凹部のアスペクト比の最小値arNminの平均値:2.2
凹部のアスペクト比の最大値arNmaxの平均値:2.9
よって、回折対象の光の波長λ=940nmの条件1のシミュレーション結果からは、以下のアスペクト比の範囲が望ましいと言える。
3.8≦arP≦5.2・・・(式3)
2.2≦arN≦2.9・・・(式4)
図18は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの8次光と20次光の回折光強度を示す図である。
図19は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの0次光の回折光強度を示す図である。
図20は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凸部のアスペクト比の最小値(arPmin)と最大値(arPmax)を示す図である。
図21は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凹部のアスペクト比の最小値(arNmin)と最大値(arNmax)を示す図である。
なお、図18から図21は、いずれも、8次光及び20次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。なお、8次光及び20次光の2乗和とは、(8次光の回折光強度)2+(20次光の回折光強度)2である。
図23は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比の最小値(arPmin、arNmin)と最大値(arPmax、arNmax)とを示す図である。
図22及び図23についても、8次光及び20次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。
ここで、0次光の最大値は、0.04(4%)未満とすることを狙いとし、また、8次光及び20次光の最小値は、0.004(0.4%)より大きいことを狙いとする。
図22及び図23に示した8次光及び20次光の回折光の強い上位30サンプルについては、0次光の回折光が弱く抑えられていることがわかる。よって、この8次光及び20次光の回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比であれば、必要な回折光の強度が強く、かつ、0次光の強度を弱く抑えることができると言える。
なお、補正処理(凸部の幅を細くするサイジング処理及び凹部の深さを深くする処理)を行わない場合には、0次光の強度は、0.196であり、8次光の強度は、0.073であり、20次光の強度は、0.080であった。よって、図22及び図23に示す上位30サンプルでは、0次光強度を大幅に改善できており、かつ、8次光及び20次光の強度を狙いのレベルに維持することができている。
凸部のアスペクト比の最小値arPminの平均値:4.4
凸部のアスペクト比の最大値arPmaxの平均値:5.6
凹部のアスペクト比の最小値arNminの平均値:2.3
凹部のアスペクト比の最大値arNmaxの平均値:3.0
よって、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果からは、以下のアスペクト比の範囲が望ましいと言える。
4.4≦arP≦5.6・・・(式5)
2.3≦arN≦3.0・・・(式6)
図24は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの6次光と19次光の回折光強度を示す図である。
図25は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの0次光の回折光強度を示す図である。
図26は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凸部のアスペクト比の最小値(arPmin)と最大値(arPmax)を示す図である。
図27は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件2のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位300サンプルの凹部のアスペクト比の最小値(arNmin)と最大値(arNmax)を示す図である。
なお、図24から図27は、いずれも、6次光及び19次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。なお、6次光及び19次光の2乗和とは、(6次光の回折光強度)2+(19次光の回折光強度)2である。
図29は、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果であって、回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比の最小値(arPmin、arNmin)と最大値(arPmax、arNmax)とを示す図である。
図28及び図29についても、6次光及び19次光の2乗和が大きいサンプルがグラフの横軸左側となるように並べ替えて示している。
ここで、0次光の最大値は、0.04(4%)未満とすることを狙いとし、また、6次光及び19次光の最小値は、0.004(0.4%)より大きいことを狙いとする。
図28及び図29に示した6次光及び19次光の回折光の強い上位30サンプルについては、0次光の回折光が弱く抑えられていることがわかる。よって、この6次光及び19次光の回折光の強い上位30サンプルの凸部及び凹部のアスペクト比であれば、必要な回折光の強度が強く、かつ、0次光の強度を弱く抑えることができると言える。
なお、補正処理(凸部の幅を細くするサイジング処理及び凹部の深さを深くする処理)を行わない場合には、0次光の強度は、0.112であり、6次光の強度は、0.097であり、19次光の強度は、0.085であった。よって、図28及び図29に示す上位30サンプルでは、0次光強度を大幅に改善できており、かつ、6次光及び19次光の強度を狙いのレベルに維持することができている。
凸部のアスペクト比の最小値arPminの平均値:4.5
凸部のアスペクト比の最大値arPmaxの平均値:5.6
凹部のアスペクト比の最小値arNminの平均値:2.3
凹部のアスペクト比の最大値arNmaxの平均値:3.0
よって、回折対象の光の波長λ=450nmの条件1のシミュレーション結果からは、以下のアスペクト比の範囲が望ましいと言える。
4.5≦arP≦5.6・・・(式7)
2.3≦arN≦3.0・・・(式8)
3.8<arP<5.6・・・(式9)
2.2<arN<3.1・・・(式10)
4.5<arP<5.2・・・(式11)
2.3<arN<2.9・・・(式12)
図30は、回折光学素子10を平面視した状態に、カットラインの設定方法の説明に必要な情報を追加した図である。
まず、回折光学素子10の平面視において、仮想の任意の円と、この円領域に内接する仮想の正方形領域を配置する。これら円、及び、正方形領域の大きさ、及び、正方形領域の向きは、任意でよい。
次に、正方形領域を量子化するためのj×jの行列領域に分割し、正方形領域の1辺に沿った1行の全列、すなわちj行分について、凸部の有無を量子化して計数し、j行の計数値をnjとして、ヒストグラムデータとして、f(θi)={n1,n2,・・・nj}を求める。図30中では、矢印で示した向きに凸部の有無を1つの矢印に沿って計数を行い、さらに、矢印の位置をずらしながら順次計数を行う。θiは、正方形領域の向きを示す角度であり、本実施形態では、図30に示すように回折光学素子10の1辺とのなす角度とした。
ここで、正方形領域を量子化するための行列領域の分割数jは、任意であるが、小さすぎると適切な量子化ができないことから望ましくない。本実施形態では、jを0.55um刻みとした。これは、回折光学素子10を最高画素数で撮影した撮影結果において、正方形領域を構成している画素毎に計数をしたものである。
A(θi)=(n1-n2)2+(n2-n3)2+・・・+(nj-1-nj)2
を求め、他の向きについても評価値A(θi)を求め、評価値A(θi)が最大となる向きθiの向きをカットラインが延在する向きとする。なお、θiについては、本実施形態では、0°から90°まで1°刻みとした。
本実施形態では、このA(θi)を求めると、θi=0°において、A(θi)が最大値となり、θi=0°の向きにカットラインを設定するとよいことがわかる。
図31に示すように、方向によって計数結果に大きな差が生じている。
図32は、0°から90°についての計数値を用いて、上記差分の2乗和と差分の絶対値の和とを求めた結果を示す図である。
絶対値の和で評価してしまうと、θi=1°のところで最大値となってしまい、適切なカットラインを求めることができないことが示されている。一方、差分の2乗和であれば、0°と90°で最大値となっており、適切なカットラインを求めることができている。
よって、A(θi)=(n1-n2)2+(n2-n3)2+・・・+(nj-1-nj)2に示す差分の2乗和を評価値とすることが望ましい。
また、本実施形態の回折光学素子10は、反復フーリエ変換法により得られる基礎回折格子パターンとL=λ/2×(n-1)によって求められる基礎回折格子深さLとを補正することにより設計可能であることから、容易に設計を行うことができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
11 凸部
12 凹部
15 回折層
Claims (3)
- 凸部を有する高屈折率部と、前記凸部よりも屈折率が低い凹部を有する低屈折率部とを備える凹凸形状が形成された面の法線方向から見て前記凸部と前記凹部との境界が曲線と複数の線分を繋げた折れ線との少なくとも一方を含むパターンを有する回折格子を有する回折光学素子であって、
前記凸部の高さをHとし、前記凸部の幅をWPとし、前記凸部のアスペクト比をarP=H/WPとすると、
3.8<arP<5.6
の関係を満たし、かつ、
前記凹部の幅をWNとし、前記凹部のアスペクト比をarN=H/WNとすると、
2.2<arN<3.1
の関係を満たす、
ここで、
前記凸部のアスペクト比arP及び前記凹部のアスペクト比arNは、
当該回折光学素子の表面の法線方向から前記パターンを見た状態において、
前記パターン上に仮想の正方形領域を任意の大きさ及び1辺の向きを任意の向きθiで設定し、
前記正方形領域を量子化するためのj×jの行列領域に分割し、
前記正方形領域の前記1辺に沿った1行の全列について、前記凸部の有無を量子化して計数し、j行の計数値をn j として、ヒストグラムデータとして、
f(θi)={n 1 ,n 2 ,・・・n j }
を求め、さらに、この向きθiにおける評価値A(θi)として、
A(θi)=(n 1 -n 2 ) 2 +(n 2 -n 3 ) 2 +・・・+(n j-1 -n j ) 2
を求め、他の向きについても評価値A(θi)を求め、評価値A(θi)が最大となる向きθiの向きにおいて特定される前記凸部の幅WP及び前記凹部の幅WNにより求められるものである、回折光学素子。 - 請求項1に記載の回折光学素子において、
4.5<arP<5.2
の関係を満たし、かつ、
2.3<arN<2.9
の関係を満たすこと、
を特徴とする回折光学素子。 - 凹凸形状が形成された面の法線方向から見て凸部と凹部との境界が曲線と複数の線分を繋げた折れ線との少なくとも一方を含むパターンを有する回折格子を有する回折光学素子の設計方法であって、
反復フーリエ変換法により得られる基礎回折格子パターンを求めるステップと、
回折対象の光の波長をλとし、前記凸部を構成する材料の屈折率をnとしたときに、
L=λ/2×(n-1)
によって求められる基礎回折格子深さLを求めるステップと、
前記基礎回折格子パターンの前記凸部に相当するパターンの幅を狭くするサイジング処理を行うステップと、
前記基礎回折格子深さLをさらに深くする補正を行うステップと、
を行う回折光学素子の設計方法であって、
前記サイジング処理を行うステップでは、前記凸部に相当するパターンの幅を狭くし、
前記基礎回折格子深さLをさらに深くする補正を行うステップでは、前記基礎回折格子深さLをさらに深くする補正を行い、
前記サイジング処理を行うステップと前記基礎回折格子深さLをさらに深くする補正を行うステップとを行った後の前記凸部の高さをHとし、前記凸部の幅をWPとし、前記凸部のアスペクト比をarP=H/WPとすると、
3.8<arP<5.6
の関係を満たし、かつ、
前記凹部の幅をWNとし、前記凹部のアスペクト比をarN=H/WNとすると、
2.2<arN<3.1
の関係を満たす、
ここで、
前記凸部のアスペクト比arP及び前記凹部のアスペクト比arNは、
前記回折光学素子の表面の法線方向から前記パターンを見た状態において、
前記パターン上に仮想の正方形領域を任意の大きさ及び1辺の向きを任意の向きθiで設定し、
前記正方形領域を量子化するためのj×jの行列領域に分割し、
前記正方形領域の前記1辺に沿った1行の全列について、前記凸部の有無を量子化して計数し、j行の計数値をn j として、ヒストグラムデータとして、
f(θi)={n 1 ,n 2 ,・・・n j }
を求め、さらに、この向きθiにおける評価値A(θi)として、
A(θi)=(n 1 -n 2 ) 2 +(n 2 -n 3 ) 2 +・・・+(n j-1 -n j ) 2
を求め、他の向きについても評価値A(θi)を求め、評価値A(θi)が最大となる向きθiの向きにおいて特定される前記凸部の幅WP及び前記凹部の幅WNにより求められるものである、回折光学素子の設計方法。
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