JPWO2005124400A1 - 回折型拡散素子及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
薄膜2の屈折率をn、厚さをdとするとき、薄膜2が完全に残っている部分では屈折率がnの物質で厚さがd、薄膜2が完全に除去された部分では屈折率が1の物質で厚さがd、その他の部分では、円柱の直径と薄膜2の厚さdによって決まる屈折率を有する物質で厚さdの、それぞれの物質が、基板1の上に形成されているとみなすことができる。実際には、回折型拡散素子は、9個でなく多数の領域に区分されており、各部分が図に示したような構造を有していて、各部分の有効屈折率が異なるようになっている。そして、この異なる有効屈折率の存在比を変えることにより、目的の特性を有する拡散型素子とすることができる。
Description
本発明は回折効果により入射光を所望の強度分布に拡散させて利用する拡散素子、およびこれを用いた照明装置に関するものである。
入射した光を拡散光に変換する拡散素子(拡散板等)は、平行光線などの入射光から、物体を一様に照明する照明光を作り出す等の目的のため広く使用されている。
拡散板を作成する手法としては、砂ずり等により平面板を削ってランダムな凹凸構造を作成し、入射光を拡散させるという方法が長年使われてきた。しかし、この方法で作成した拡散板には、拡散せずに直進する0次回折光が多いという問題があり、かつ、円形状以外の強度分布を持つ拡散光を作り出すことが困難である。また、拡散光にスペックルが生じやすいなどの欠点がある。
このような欠点を克服した拡散板として、近年は回折型の拡散板が使用されるようになってきている。回折型の拡散板は、主として基盤に段差を設けることにより、透過光に位相分布を作り出し、回折効果によって、出射角の強度分布を作りだそうというものである。
図11に、2段BOE(binary optical element)で拡散板を構成する場合の模式図を示す。図11においては、基板21に凸部22と凹部23が所定の配列で形成されており、凸部22を透過する光と凹部23を透過する光の間には、基板21の屈折率と、凸部22、凹部23の段差によって決定される位相差が発生する。この位相差と、凸部22、凹部23の分布を制御することにより、直進光(0次回折光)を除去することができる。
さらに、透過光の位相分布のフーリエ変換が遠方での回折角強度分布になるため、所望の回折角強度分布を生成することのできる形状を比較的容易に作成することができる。
しかしながら、回折型の素子においては、回折効果の波長に対する依存性が大きいため、設計波長においては性能が出せても、他の波長においては性能が劣化してしまうという問題点があった。
その原因は、第一には設計波長以外では0次回折光を除去する条件を満たさないために0次回折光が相当な量生じてしまうこと、第二には回折角は波長にほぼ比例するため、長波長成分は短波長成分と比べて回折角が大きくなってしまうということ、などである。後者に関しては、素子から十分に離れた場所で使用するのであれば余分な回折角に対応する部分を絞りなどにより除去することもできるが、光量のロスとなるため、好ましくない。
このような理由から、回折型の拡散素子を使用できるのは単色あるいは波長幅の狭い光源を対象とする場合のみであった。
拡散板を作成する手法としては、砂ずり等により平面板を削ってランダムな凹凸構造を作成し、入射光を拡散させるという方法が長年使われてきた。しかし、この方法で作成した拡散板には、拡散せずに直進する0次回折光が多いという問題があり、かつ、円形状以外の強度分布を持つ拡散光を作り出すことが困難である。また、拡散光にスペックルが生じやすいなどの欠点がある。
このような欠点を克服した拡散板として、近年は回折型の拡散板が使用されるようになってきている。回折型の拡散板は、主として基盤に段差を設けることにより、透過光に位相分布を作り出し、回折効果によって、出射角の強度分布を作りだそうというものである。
図11に、2段BOE(binary optical element)で拡散板を構成する場合の模式図を示す。図11においては、基板21に凸部22と凹部23が所定の配列で形成されており、凸部22を透過する光と凹部23を透過する光の間には、基板21の屈折率と、凸部22、凹部23の段差によって決定される位相差が発生する。この位相差と、凸部22、凹部23の分布を制御することにより、直進光(0次回折光)を除去することができる。
さらに、透過光の位相分布のフーリエ変換が遠方での回折角強度分布になるため、所望の回折角強度分布を生成することのできる形状を比較的容易に作成することができる。
しかしながら、回折型の素子においては、回折効果の波長に対する依存性が大きいため、設計波長においては性能が出せても、他の波長においては性能が劣化してしまうという問題点があった。
その原因は、第一には設計波長以外では0次回折光を除去する条件を満たさないために0次回折光が相当な量生じてしまうこと、第二には回折角は波長にほぼ比例するため、長波長成分は短波長成分と比べて回折角が大きくなってしまうということ、などである。後者に関しては、素子から十分に離れた場所で使用するのであれば余分な回折角に対応する部分を絞りなどにより除去することもできるが、光量のロスとなるため、好ましくない。
このような理由から、回折型の拡散素子を使用できるのは単色あるいは波長幅の狭い光源を対象とする場合のみであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、0次回折光成分が複数の波長で抑制することが可能であると共に、0次回折光以外の拡散光の分布を、複数の波長で目的のものにすることが可能な回折型光学素子、及びこの回折型光学素子を使用した照明装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための第1の発明は、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造を設け、当該凹凸構造に入射した光が、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつけることによって所望の回折光強度分布を有する光とする回折型拡散素子であって、当該回折型拡散素子を出射した前記光の光路長の差の最大値をL、前記回折型拡散素子の対象波長範囲をλ0±Δλとしたときに、
Δλ/λ0≧0.1
であり、かつ
L≧1.5λ0
であることを特徴とする回折型拡散素子である。
回折型拡散素子中を透過する光に対して、透過する部分に対応する位相差を発生させることにより、0次回折光が所望の複数の波長に対して小さくなるようにすることができる。本発明においては、このような手法を用いているので、結果として、所定波長範囲に亘って0次回折光を小さくすることが可能となり、広帯域の波長の光に対して使用可能な拡散素子とすることができる。
さらに、回折型拡散素子を出射する際に与えられる光路長の差の最大値Lを、対象とする光の中心波長の1.5倍以上としている。通常の回折型拡散素子では、当該回折型拡散素子透過時の光路長の差の最大値が波長と同程度以下である。位相は、φ=2πL/λ0(φ=λ0における位相)で決定されるので、このような素子においては、波長帯域内でのある波長での透過時の位相分布を設定した場合、他の波長では位相分布は一意に決まってしまう。回折強度分布は位相分布によって決定されるため、このような条件では、複数波長での回折強度分布を制御することは困難である。
これに対して、本発明においては、同一の透過位相を与える光路長が複数存在することになる。このような場合には、ある波長での透過位相分布を設定した場合でも光路長の分布には自由度が残り、これを他の波長での回折強度分布の制御に利用することができる。よって、複数の波長において、0次回折光を抑制しながら、回折強度分布を目的とするものにすることが可能となる。
このような効果は、光路長の差の最大値が大きいほど大きくなるが、回折強度分布をある程度操作するには、光路長の差Lを、最低でも対象とする光の中心波長の1.5倍以上とすることが必要である。また、元々の使用帯域が狭い場合には、本発明を用いる必要は薄いので、本発明で用いられる波長の範囲を、Δλ/λ0≧0.1の範囲に限定している。通常の回折素子では、Δλ/λ0=0.1である場合、波長帯の端では中心と比べて回折角で10%、相対強度分布で20%程度の差ができることになり、本発明は波長帯の範囲がこれ以上である場合に有効である。
前記目的を達成するための第2の発明は、前記第1の発明であって、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつける方法が、前記基板表面又は前記薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が前記対象波長以下である凹凸構造を設けることによってその部分の有効屈折率を変化させる方法であることを特徴とするものである。
回折型光学素子において、各部分を透過する光に位相差をつける方法は、基板や薄膜の各部分の厚さを変化させる方法と、基板や薄膜の各部分の有効屈折率を変化させる方法がある。このうち前者の方法では、光路長差を大きくとると、凹凸の角部分での不要な回折効果が多く生じ、素子性能が低下してしまうという問題点が発生する。
そこで、本発明においては、後者の方法を採用しているが、有効屈折率を変化させる方法として、基板又は薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が対象波長以下である凹凸構造を設ける方法を採用している。
寸法が対象波長以下である凹凸構造を設けると、2次元フォトニック結晶の性質が現れ、凹凸構造に対応して有効屈折率が変化する。このような凹凸構造はリソグラフィを使用して形成することができるので、製造が容易である。
前記目的を達成するための第3の発明は、前記第2の発明であって、前記凹凸構造によって形成される前記基板又は薄膜の厚さが、2段階とされていることを特徴とするものである。
基板又は薄膜の厚さが、2段階とされているとは、基板又は薄膜の表面を凸部又は凹部とするとき、それに対応してそれぞれ凹部又は凸部が設けられ、設けられた凹部又は凸部の深さ又は凸部の高さが一定であることを意味する。このような凹凸構造は、リソグラフィ工程により、一度のエッチングのみで形成できるので、製造工程の短縮及び高精度化に有利である。
前記目的を達成するための第4の発明は、前記第1の発明から第3の発明のいずれかを2個用いて形成された回折型拡散素子であって、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造が設られ、前記凹凸構造が設けられた面と反対側の面が平面である基板2枚を、前記凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合してなるものであることを特徴とするものである。
前記第1の発明から第3の発明においては、透過する波長に大きな位相差を設ける必要があるために、前記凹凸構造の深さや高さが大きくなる場合がある。そして、凹凸構造の断面寸法が小さい場合(例えば光の波長以下の場合)には、このように断面積が小さくて高さの高い構造(凹部の場合には、対応する凸部の寸法も小さくなる)は、破損しやすい。そこで、本発明では、基板又は薄膜の片面が平面とされ他の面に凹凸構造が設けられた2つの基板又は薄膜を、凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合して一つの回折型拡散素子としている。これにより、構造的に強く、透過する波長に大きな位相差を設けた回折型拡散素子を構成することができる。
前記目的を達成するための第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明のいずれかであって、前記凹凸構造が、複数の前記対象波長における回折光強度分布が共に最適となるように形成されていることを特徴とするものである。
前記第1の発明から第4の発明は、広い波長帯域での回折分布を制御する機能を有するので、単色での設計ではなく、複数の波長で同時に分布を最適化するような設計を行うことができ、このようにすることが好ましい。
前記目的を達成するための第6の発明は、前記第1の発明であって、前記基板と前記薄膜の間に反射層が構成されていることを特徴とするものである。
前記目的を達成するための第7の発明は、前記第1の発明の前記凹凸構造が形成されている面と、表面に反射層が形成された別の基板の反射層が形成されている面とを対向させて配置してなることを特徴とする回折型拡散素子である。
前記目的を達成するための第8の発明は、前記第1の発明から請求項1から請求項7発明のうちいずれかの回折型拡散素子を用いていることを特徴とする照明装置である。
本発明においては、シンプルな構造で、かつ、広波長帯域においてでかつ損失の少ない、高効率な拡散照明を行うことができる。
前記目的を達成するための第1の発明は、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造を設け、当該凹凸構造に入射した光が、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつけることによって所望の回折光強度分布を有する光とする回折型拡散素子であって、当該回折型拡散素子を出射した前記光の光路長の差の最大値をL、前記回折型拡散素子の対象波長範囲をλ0±Δλとしたときに、
Δλ/λ0≧0.1
であり、かつ
L≧1.5λ0
であることを特徴とする回折型拡散素子である。
回折型拡散素子中を透過する光に対して、透過する部分に対応する位相差を発生させることにより、0次回折光が所望の複数の波長に対して小さくなるようにすることができる。本発明においては、このような手法を用いているので、結果として、所定波長範囲に亘って0次回折光を小さくすることが可能となり、広帯域の波長の光に対して使用可能な拡散素子とすることができる。
さらに、回折型拡散素子を出射する際に与えられる光路長の差の最大値Lを、対象とする光の中心波長の1.5倍以上としている。通常の回折型拡散素子では、当該回折型拡散素子透過時の光路長の差の最大値が波長と同程度以下である。位相は、φ=2πL/λ0(φ=λ0における位相)で決定されるので、このような素子においては、波長帯域内でのある波長での透過時の位相分布を設定した場合、他の波長では位相分布は一意に決まってしまう。回折強度分布は位相分布によって決定されるため、このような条件では、複数波長での回折強度分布を制御することは困難である。
これに対して、本発明においては、同一の透過位相を与える光路長が複数存在することになる。このような場合には、ある波長での透過位相分布を設定した場合でも光路長の分布には自由度が残り、これを他の波長での回折強度分布の制御に利用することができる。よって、複数の波長において、0次回折光を抑制しながら、回折強度分布を目的とするものにすることが可能となる。
このような効果は、光路長の差の最大値が大きいほど大きくなるが、回折強度分布をある程度操作するには、光路長の差Lを、最低でも対象とする光の中心波長の1.5倍以上とすることが必要である。また、元々の使用帯域が狭い場合には、本発明を用いる必要は薄いので、本発明で用いられる波長の範囲を、Δλ/λ0≧0.1の範囲に限定している。通常の回折素子では、Δλ/λ0=0.1である場合、波長帯の端では中心と比べて回折角で10%、相対強度分布で20%程度の差ができることになり、本発明は波長帯の範囲がこれ以上である場合に有効である。
前記目的を達成するための第2の発明は、前記第1の発明であって、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつける方法が、前記基板表面又は前記薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が前記対象波長以下である凹凸構造を設けることによってその部分の有効屈折率を変化させる方法であることを特徴とするものである。
回折型光学素子において、各部分を透過する光に位相差をつける方法は、基板や薄膜の各部分の厚さを変化させる方法と、基板や薄膜の各部分の有効屈折率を変化させる方法がある。このうち前者の方法では、光路長差を大きくとると、凹凸の角部分での不要な回折効果が多く生じ、素子性能が低下してしまうという問題点が発生する。
そこで、本発明においては、後者の方法を採用しているが、有効屈折率を変化させる方法として、基板又は薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が対象波長以下である凹凸構造を設ける方法を採用している。
寸法が対象波長以下である凹凸構造を設けると、2次元フォトニック結晶の性質が現れ、凹凸構造に対応して有効屈折率が変化する。このような凹凸構造はリソグラフィを使用して形成することができるので、製造が容易である。
前記目的を達成するための第3の発明は、前記第2の発明であって、前記凹凸構造によって形成される前記基板又は薄膜の厚さが、2段階とされていることを特徴とするものである。
基板又は薄膜の厚さが、2段階とされているとは、基板又は薄膜の表面を凸部又は凹部とするとき、それに対応してそれぞれ凹部又は凸部が設けられ、設けられた凹部又は凸部の深さ又は凸部の高さが一定であることを意味する。このような凹凸構造は、リソグラフィ工程により、一度のエッチングのみで形成できるので、製造工程の短縮及び高精度化に有利である。
前記目的を達成するための第4の発明は、前記第1の発明から第3の発明のいずれかを2個用いて形成された回折型拡散素子であって、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造が設られ、前記凹凸構造が設けられた面と反対側の面が平面である基板2枚を、前記凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合してなるものであることを特徴とするものである。
前記第1の発明から第3の発明においては、透過する波長に大きな位相差を設ける必要があるために、前記凹凸構造の深さや高さが大きくなる場合がある。そして、凹凸構造の断面寸法が小さい場合(例えば光の波長以下の場合)には、このように断面積が小さくて高さの高い構造(凹部の場合には、対応する凸部の寸法も小さくなる)は、破損しやすい。そこで、本発明では、基板又は薄膜の片面が平面とされ他の面に凹凸構造が設けられた2つの基板又は薄膜を、凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合して一つの回折型拡散素子としている。これにより、構造的に強く、透過する波長に大きな位相差を設けた回折型拡散素子を構成することができる。
前記目的を達成するための第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明のいずれかであって、前記凹凸構造が、複数の前記対象波長における回折光強度分布が共に最適となるように形成されていることを特徴とするものである。
前記第1の発明から第4の発明は、広い波長帯域での回折分布を制御する機能を有するので、単色での設計ではなく、複数の波長で同時に分布を最適化するような設計を行うことができ、このようにすることが好ましい。
前記目的を達成するための第6の発明は、前記第1の発明であって、前記基板と前記薄膜の間に反射層が構成されていることを特徴とするものである。
前記目的を達成するための第7の発明は、前記第1の発明の前記凹凸構造が形成されている面と、表面に反射層が形成された別の基板の反射層が形成されている面とを対向させて配置してなることを特徴とする回折型拡散素子である。
前記目的を達成するための第8の発明は、前記第1の発明から請求項1から請求項7発明のうちいずれかの回折型拡散素子を用いていることを特徴とする照明装置である。
本発明においては、シンプルな構造で、かつ、広波長帯域においてでかつ損失の少ない、高効率な拡散照明を行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態の1例である回折型拡散素子の構造を示す模式図である。
図2は、FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態における0次回折光比率を2段、4段のBOE拡散素子の場合と比較して示した図である。
図4は、アニーリング法により設計した、本発明の実施の形態である回折型拡散素子の形状例を示す平面図である。
図5は、図4に示す回折型拡散素子に、平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を示す図である。
図6は、図4の回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図5を、回折角に対する強度分布の観点から示した図である。
図7は、最大光路長差を0.55μmとして設計した回折型拡散素子に、平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を示す図である。
図8は、最大光路長差を2.2μmとして設計した回折型拡散素子に、平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を示す図である。
図9Aは、最大光路長差を0.55μmで設計した回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図7を回折角に対する強度分布の観点から示した図である。
図9Bは、最大光路長差を2.2μmで設計した回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図8を回折角に対する強度分布の観点から示した図である。
図10は、本発明の実施の形態の他の例である回折型拡散素子の構造を示した模式図である。
図11は、2段BOE(binary optical element)で拡散板を構成する場合の模式図である。
図2は、FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態における0次回折光比率を2段、4段のBOE拡散素子の場合と比較して示した図である。
図4は、アニーリング法により設計した、本発明の実施の形態である回折型拡散素子の形状例を示す平面図である。
図5は、図4に示す回折型拡散素子に、平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を示す図である。
図6は、図4の回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図5を、回折角に対する強度分布の観点から示した図である。
図7は、最大光路長差を0.55μmとして設計した回折型拡散素子に、平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を示す図である。
図8は、最大光路長差を2.2μmとして設計した回折型拡散素子に、平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を示す図である。
図9Aは、最大光路長差を0.55μmで設計した回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図7を回折角に対する強度分布の観点から示した図である。
図9Bは、最大光路長差を2.2μmで設計した回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図8を回折角に対する強度分布の観点から示した図である。
図10は、本発明の実施の形態の他の例である回折型拡散素子の構造を示した模式図である。
図11は、2段BOE(binary optical element)で拡散板を構成する場合の模式図である。
以下本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である回折型拡散素子の構造を示す模式図である。この回折型拡散素子は、基板1の上に薄膜2を成膜し、フォトリソグラフィ工程により薄膜2の一部を除去することにより、凹凸形状を形成したものである。又、後に述べるように、フォトリソグラフィ工程により型を製造し、その型を樹脂に押し付けたり、射出成型を使用したりすることにより、樹脂基板の表面に凹凸構造を設けることもできる。
図では、回折型拡散素子は9つの部分に分かれ、そのうち2つの部分には、形成されたままの薄膜2が、エッチングされずに元のまま残っている。1つの部分では、薄膜2が完全に除去されている。残りの6つの部分には、円柱状の凸部が16個ずつ形成されているが、この円柱の太さは各部分で異なっている。円柱のピッチは、使用される波長より短いものとなっている。
このような構造の回折型拡散素子においては、薄膜2の屈折率をn、厚さをdとするとき、薄膜2が完全残っている部分では屈折率がnの物質で厚さがd、薄膜2が完全に除去された部分では屈折率が1の物質で厚さがd、その他の部分では、円柱の直径と薄膜2の厚さdによって決まる屈折率を有する物質で厚さdの、それぞれの物質が、基板1の上に形成されているとみなすことができる。
実際には、後に述べるように、回折型拡散素子は、9個でなく多数の領域に区分されており、各部分が図1に示したような構造を有していて、各部分の有効屈折率が異なるようになっている。そして、後に述べるように、この異なる有効屈折率の存在比を変えることにより、目的の特性を有する回折拡散素子とすることができる。
以下、具体的なシミュレーションの例について説明する。ここでは、可視光の多くを占める波長460〜660nmで使用できる回折型拡散板を構成する。
構成材質(薄膜2に相当)は屈折率1.55の樹脂、微細構造のピッチ(円柱状の凸部のピッチに相当)は280nmで、ここに微細な円柱構造を設ける。透過光路長差の最大値は中心波長560nmのほぼ2倍である1.1μmとする。この樹脂と空気による最大屈折率差は0.55であるから、この構造の高さは2.0μm以上が必要となる。
2.0μmの高さの構造を作成することは困難であることから、ここでは高さ1.0μmの構造を表面に有する基板を2つ作成し、構造面同士を密着させることにより、高さ2.0μmの構造を作成するものとする。各々の有効屈折率領域のサイズ(表面形状)は、一辺1.96μmの正方形であるものとし、ここではこれを64×64並べておよそ125μm×125μmの回折型拡散素子を構成することとする。
FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係を図2に示す。図2において、横軸は2r/a(rは円柱の半径、aは円柱構造のピッチ)を示し、縦軸は有効屈折率を示す。
ここでは、円柱形として0(すなわち樹脂がエッチングされて完全になくなった状態)、170nm、220nm、237nm、∞(すなわち、樹脂がエッチングされずに残った状態)の5段階の有効屈折率を採用するものとする。各円柱径と有効屈折率との関係を表1に示す。
前述のように、このような構造体を2つ密着させて回折型拡散素子としているので、組み合わせ計算により、表2に示すような0〜1.10μmの15種類の異なる光路長の領域を作成することができる。これを表2に示すような構成比で組み合わせて素子を構成するものとする。
このように構成比を決定することにより、直進光(0次回折光)を波長帯域全体で抑制することができる。この構成による0次回折光比率を2段、4段のBOE拡散素子の場合と比較したものを図3に示す。図3において、横軸は波長であり、縦軸は0次回折光の強さである。2段、4段のBOE拡散素子においては、560nmの波長において0次光を無くすような設計となっているが、使用波長がこの設計波長からずれるに従って、0次回折光の割合が大きくなっている。それに対し、本実施の形態である回折型拡散素子(図3で実施例として示されている)においては、460〜660nmの使用波長領域全域に亘って、0次光はほぼ0に抑えられている。
このような回折型拡散素子を作成するには、まず、Si等の基盤にパターニングおよびエッチングを行い、円孔が配列した構造を生成する。これは、ArF光源の露光装置およびドライエッチングにより作成可能である。続いて、これを樹脂に転写することにより、所望の構造を作成することができる。構造の密着は、微細構造のピッチである280nmではなく、単位領域サイズの1.96μmを基準に行えば良いので、特に困難ではない。
これらの領域を並び替えることにより、回折強度分布を変化させることができる。実際の素子の設計には、複数波長での回折分布を最適化する必要があるが、そのための方法の一例としてはアニーリング法がある。
例えば、R,G,Bの3色での回折強度分布の理想値からのずれの自乗和を最適化のパラメータとして使用する。素子表面を等間隔のグリッドに区切り、初期条件としては各光路長領域の構成比を所定の通りに配置する。続いて、素子上で2つの領域を交換し、交換前後でのパラメータ値の変化をみる。交換した場合のパラメータ値が増加(悪化)している場合、パラメータの変化量ΔEに応じて、
P=1−exp(−ΔE/T)
の確率で交換した領域を元に戻す。ここで、Tは最適化制御用の変数である。このような操作を繰り返し、Tの値を徐々に小さくしていくことにより、最適化パラメータの値は減少し、回折強度分布が理想値に近付くように最適化した構造を得ることができる。
なお、この設計例のように透過位相の種類が多い場合には、各領域での位相変化の効果が打ち消し合うことになるため、波長の微小な変化によって分布が大きく変化することはあまりない。したがって、本実施例でのパラメータの場合では、R,G,Bの3色程度で最適化を行えば、中間の波長領域でも分布はほとんど変化しない。
このようにして設計した回折型拡散素子の形状例を図4に示す。ここでは、光路長差の面内分布を、色により表現している。続いて、この回折型拡散素子に平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を図5に示す。この図5は有効屈折率を利用してFresnel回折計算によって求めたものである。R,G,Bはそれぞれ波長630nm,545nm,480nmでの分布である。なお、以下の図5、図7、図8において、各円は、左からR,G,Bを示している。
理想的には、各R,G,Bにおいて強度分布が一様の円形であり、かつ、拡散角に対応するビーム径がR,G,Bにおいて等しいことである。図7においては、ビーム形状は各波長で円形に整形されている。また、ビーム径も、Gではやや小さいものの、RとBはほぼ等しくなっている。各波長において輝度のばらつきは見られるが、これは拡散素子としての性能上問題となる程度のものではない。
これと比較するために、光路長差の最大値を0.55μmおよび2.2μmとしたうえで、同様な方法で設計をした。光路差長の最大値を0.55μmとした場合の、各光路差に対応する領域の構成比を表3に示す。
この例での直進光の比率も図4に示している(図4で、光路長0.55μmとして示されている)。最大光路長1.1μmの場合より0次回折光が増えているが、波長帯全域で直進光が抑制されている。
図6は、図4の回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図5を、回折角に対する強度分布の観点から示した図である。回折角に対する強度は、素子面上に分布する同一回折角の回折強度の平均値である。
図6から本実施形態の回折型拡散素子は、3つの波長間の回折角に対する強度分布のバラツキが小さく、広波長帯域において拡散角の制御ができていることがわかる。
最大光路長差0.55μmおよび2.2μmの場合の回折強度分布例をそれぞれ図7、図8に示す。図7を見ると分かるように、最大光路長差が0.55μmの場合の例では回折分布がほとんど制御できていないため、分布の径は波長にほぼ比例して広がっている。すなわち、先願発明の効果により、図3に示すように0次回折光を使用波長域に亘って低減させることはできるが、本発明の条件を満たしていないために、使用波長によって拡散角が異なっていることを示している。
一方、図8を見ると分かるように、最大光路長差が2.2μmの例では、設計の自由度が大きいために、拡散角のはR,G,B全てでほぼ一致するようになっている。このように、使用中心波長よりも大きな(使用中心波長の1.5倍以上)光路長差をつけることにより、回折分布を制御することが可能となる。
以上の例においては、フォトニック結晶的な構造を用いているが、フォトニック結晶的な構造を用いなくても、従来のBOEと同じような手法を用いて、基板の厚さを部分的に多段階に変化させることにより、光路長変化を持たせるようにしても、本発明に係る回折型拡散素子が製造可能であることは言うまでもない。
本発明の実施の形態である照明装置においては、例えば白色LEDから放出される光をレンズ系で平行光にして、本発明の回折型拡散素子に入射させる。そのことによって、0次光の少ない、かつ使用波長によって拡散角の変わらないような拡散光が得られる。このような光源は、照明される面において色分布が少ない、一様照明光源として使用することができる。
図9A、9Bは、回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図7、8を回折角に対する強度分布の観点から示した図であり、図9Aは、最大光路長差を0.55μmで設計した回折型拡散素子のもの、図9Bは最大光路長差を2.2μmで設計した回折型拡散素子のものである。
次に本発明の実施形態の他の例である回折型拡散素子について説明する。
図10は、本発明の実施形態の他の例である回折型拡散素子の構造を示すもので模式図である。この回折型拡散素子は、基板3上に金属膜(例えばAl等)又は誘電体多層反射膜4、透明薄膜(例えば樹脂)5を順次形成し、フォトリソグラフィ工程によりその透明薄膜の一部を除去することにより凹凸を形成したものである。また、透明基板上に透明薄膜(例えば樹脂)を成膜してフォトリソグラフィ工程によりその薄膜の一部を除去することにより凹凸を形成するとともに、金属膜又は誘電体多層反射膜が形成された基板を用意し、凹凸面と金属膜等を対向させて接合したもの等でもよい。
前者は凹凸構造が形成された面から光を入射させ、凹凸構造を通過後、金属膜又は誘電体多層反射膜において反射させて使用する。後者は、透明基板面から光を入射させ、凹凸構造を通過後、金属膜又は誘電体多層反射膜において反射させて使用する。
なお、光は金属膜又は誘電体多層膜によって反射され、往復することになるが、往路と復路とが同じ箇所を通過するようにするために、凹凸構造と反射面はできる限り近接して配置するようにする。
前述したように、実際の回折型拡散素子は多数の領域に区分され、円柱の凸部も多数形成されている。
以下、具体的な例について説明する。ここでは、前述した実施の形態と同様に、波長460nm〜660nmで使用できる回折型拡散板を構成する。
前述と同様に構成材質(薄膜5)は屈折率1.55、微細構造のピッチ(円柱状の凸部のピッチに相当)は280nmで、ここに微細な円柱構造を設ける。反射光路長差の最大値は中心波長560nmのほぼ2倍である1.1μmとする。この薄膜5と空気による最大屈折率差は0.55であるから、この構造の高さは2.0μm以上が必要となる。
前述した透過用としての回折型拡散素子の場合は、高さ1.0μmの構造を形成した基板を2つ作成し、その構造面同士を向かい合わせて密着させることにより、高さ2.0μmの構造を形成しているが、反射用回折型拡散素子の場合は、光が素子を2回通過するので、円柱の高さが1.0μmでも高さ2.0μmの構造を透過したのと同じ性能を実現できる。ただし、後述するように透過用回折型拡散素子と実質的に同様の性能を確保するためには、基板上に15種類の有効屈折率領域を形成しておく必要がある。
各々の有効屈折率領域のサイズ(表面形状)は、一辺1.96μmの正方形であるものとし、ここではこれを64×64並べておよそ125μm×125μmの回折型拡散素子を構成することとする。
FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係は、図2に示すとおりであり、ここでは、円柱径として0、120、153、168、171、196、208、220、228、232、237、260、279、290、∞の15段階の有効屈折率を採用するものとする。
この回折型拡散素子は反射用として用いられるので、入射光は素子を2回通過することになることを考慮すると、表4に示すような0〜1.1μmの15種類の異なる光路長の領域及びその構成比の素子となる。
なお、凹凸構造(隣接する円柱間の距離)のピッチは280nmなので、凹凸構造を上面からみた場合、円柱径が280nmのときは、隣接円が接した状態となっており、280nmを超える円柱径のときは、隣接円の一部が重なりあった状態となっている。
有効屈折率分布の領域を並べ替えることにより、回折強度分布を変化させる手法は前述と同様な手法を用いることができる。
このような構成にすることにより反射用回折型拡散素子を作成すれば、前述した透過用回折型拡散素子と同様な結果(効果)が得られることは言うまでもない。
図では、回折型拡散素子は9つの部分に分かれ、そのうち2つの部分には、形成されたままの薄膜2が、エッチングされずに元のまま残っている。1つの部分では、薄膜2が完全に除去されている。残りの6つの部分には、円柱状の凸部が16個ずつ形成されているが、この円柱の太さは各部分で異なっている。円柱のピッチは、使用される波長より短いものとなっている。
このような構造の回折型拡散素子においては、薄膜2の屈折率をn、厚さをdとするとき、薄膜2が完全残っている部分では屈折率がnの物質で厚さがd、薄膜2が完全に除去された部分では屈折率が1の物質で厚さがd、その他の部分では、円柱の直径と薄膜2の厚さdによって決まる屈折率を有する物質で厚さdの、それぞれの物質が、基板1の上に形成されているとみなすことができる。
実際には、後に述べるように、回折型拡散素子は、9個でなく多数の領域に区分されており、各部分が図1に示したような構造を有していて、各部分の有効屈折率が異なるようになっている。そして、後に述べるように、この異なる有効屈折率の存在比を変えることにより、目的の特性を有する回折拡散素子とすることができる。
以下、具体的なシミュレーションの例について説明する。ここでは、可視光の多くを占める波長460〜660nmで使用できる回折型拡散板を構成する。
構成材質(薄膜2に相当)は屈折率1.55の樹脂、微細構造のピッチ(円柱状の凸部のピッチに相当)は280nmで、ここに微細な円柱構造を設ける。透過光路長差の最大値は中心波長560nmのほぼ2倍である1.1μmとする。この樹脂と空気による最大屈折率差は0.55であるから、この構造の高さは2.0μm以上が必要となる。
2.0μmの高さの構造を作成することは困難であることから、ここでは高さ1.0μmの構造を表面に有する基板を2つ作成し、構造面同士を密着させることにより、高さ2.0μmの構造を作成するものとする。各々の有効屈折率領域のサイズ(表面形状)は、一辺1.96μmの正方形であるものとし、ここではこれを64×64並べておよそ125μm×125μmの回折型拡散素子を構成することとする。
FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係を図2に示す。図2において、横軸は2r/a(rは円柱の半径、aは円柱構造のピッチ)を示し、縦軸は有効屈折率を示す。
ここでは、円柱形として0(すなわち樹脂がエッチングされて完全になくなった状態)、170nm、220nm、237nm、∞(すなわち、樹脂がエッチングされずに残った状態)の5段階の有効屈折率を採用するものとする。各円柱径と有効屈折率との関係を表1に示す。
このような回折型拡散素子を作成するには、まず、Si等の基盤にパターニングおよびエッチングを行い、円孔が配列した構造を生成する。これは、ArF光源の露光装置およびドライエッチングにより作成可能である。続いて、これを樹脂に転写することにより、所望の構造を作成することができる。構造の密着は、微細構造のピッチである280nmではなく、単位領域サイズの1.96μmを基準に行えば良いので、特に困難ではない。
これらの領域を並び替えることにより、回折強度分布を変化させることができる。実際の素子の設計には、複数波長での回折分布を最適化する必要があるが、そのための方法の一例としてはアニーリング法がある。
例えば、R,G,Bの3色での回折強度分布の理想値からのずれの自乗和を最適化のパラメータとして使用する。素子表面を等間隔のグリッドに区切り、初期条件としては各光路長領域の構成比を所定の通りに配置する。続いて、素子上で2つの領域を交換し、交換前後でのパラメータ値の変化をみる。交換した場合のパラメータ値が増加(悪化)している場合、パラメータの変化量ΔEに応じて、
P=1−exp(−ΔE/T)
の確率で交換した領域を元に戻す。ここで、Tは最適化制御用の変数である。このような操作を繰り返し、Tの値を徐々に小さくしていくことにより、最適化パラメータの値は減少し、回折強度分布が理想値に近付くように最適化した構造を得ることができる。
なお、この設計例のように透過位相の種類が多い場合には、各領域での位相変化の効果が打ち消し合うことになるため、波長の微小な変化によって分布が大きく変化することはあまりない。したがって、本実施例でのパラメータの場合では、R,G,Bの3色程度で最適化を行えば、中間の波長領域でも分布はほとんど変化しない。
このようにして設計した回折型拡散素子の形状例を図4に示す。ここでは、光路長差の面内分布を、色により表現している。続いて、この回折型拡散素子に平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を図5に示す。この図5は有効屈折率を利用してFresnel回折計算によって求めたものである。R,G,Bはそれぞれ波長630nm,545nm,480nmでの分布である。なお、以下の図5、図7、図8において、各円は、左からR,G,Bを示している。
理想的には、各R,G,Bにおいて強度分布が一様の円形であり、かつ、拡散角に対応するビーム径がR,G,Bにおいて等しいことである。図7においては、ビーム形状は各波長で円形に整形されている。また、ビーム径も、Gではやや小さいものの、RとBはほぼ等しくなっている。各波長において輝度のばらつきは見られるが、これは拡散素子としての性能上問題となる程度のものではない。
これと比較するために、光路長差の最大値を0.55μmおよび2.2μmとしたうえで、同様な方法で設計をした。光路差長の最大値を0.55μmとした場合の、各光路差に対応する領域の構成比を表3に示す。
図6は、図4の回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図5を、回折角に対する強度分布の観点から示した図である。回折角に対する強度は、素子面上に分布する同一回折角の回折強度の平均値である。
図6から本実施形態の回折型拡散素子は、3つの波長間の回折角に対する強度分布のバラツキが小さく、広波長帯域において拡散角の制御ができていることがわかる。
最大光路長差0.55μmおよび2.2μmの場合の回折強度分布例をそれぞれ図7、図8に示す。図7を見ると分かるように、最大光路長差が0.55μmの場合の例では回折分布がほとんど制御できていないため、分布の径は波長にほぼ比例して広がっている。すなわち、先願発明の効果により、図3に示すように0次回折光を使用波長域に亘って低減させることはできるが、本発明の条件を満たしていないために、使用波長によって拡散角が異なっていることを示している。
一方、図8を見ると分かるように、最大光路長差が2.2μmの例では、設計の自由度が大きいために、拡散角のはR,G,B全てでほぼ一致するようになっている。このように、使用中心波長よりも大きな(使用中心波長の1.5倍以上)光路長差をつけることにより、回折分布を制御することが可能となる。
以上の例においては、フォトニック結晶的な構造を用いているが、フォトニック結晶的な構造を用いなくても、従来のBOEと同じような手法を用いて、基板の厚さを部分的に多段階に変化させることにより、光路長変化を持たせるようにしても、本発明に係る回折型拡散素子が製造可能であることは言うまでもない。
本発明の実施の形態である照明装置においては、例えば白色LEDから放出される光をレンズ系で平行光にして、本発明の回折型拡散素子に入射させる。そのことによって、0次光の少ない、かつ使用波長によって拡散角の変わらないような拡散光が得られる。このような光源は、照明される面において色分布が少ない、一様照明光源として使用することができる。
図9A、9Bは、回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図7、8を回折角に対する強度分布の観点から示した図であり、図9Aは、最大光路長差を0.55μmで設計した回折型拡散素子のもの、図9Bは最大光路長差を2.2μmで設計した回折型拡散素子のものである。
次に本発明の実施形態の他の例である回折型拡散素子について説明する。
図10は、本発明の実施形態の他の例である回折型拡散素子の構造を示すもので模式図である。この回折型拡散素子は、基板3上に金属膜(例えばAl等)又は誘電体多層反射膜4、透明薄膜(例えば樹脂)5を順次形成し、フォトリソグラフィ工程によりその透明薄膜の一部を除去することにより凹凸を形成したものである。また、透明基板上に透明薄膜(例えば樹脂)を成膜してフォトリソグラフィ工程によりその薄膜の一部を除去することにより凹凸を形成するとともに、金属膜又は誘電体多層反射膜が形成された基板を用意し、凹凸面と金属膜等を対向させて接合したもの等でもよい。
前者は凹凸構造が形成された面から光を入射させ、凹凸構造を通過後、金属膜又は誘電体多層反射膜において反射させて使用する。後者は、透明基板面から光を入射させ、凹凸構造を通過後、金属膜又は誘電体多層反射膜において反射させて使用する。
なお、光は金属膜又は誘電体多層膜によって反射され、往復することになるが、往路と復路とが同じ箇所を通過するようにするために、凹凸構造と反射面はできる限り近接して配置するようにする。
前述したように、実際の回折型拡散素子は多数の領域に区分され、円柱の凸部も多数形成されている。
以下、具体的な例について説明する。ここでは、前述した実施の形態と同様に、波長460nm〜660nmで使用できる回折型拡散板を構成する。
前述と同様に構成材質(薄膜5)は屈折率1.55、微細構造のピッチ(円柱状の凸部のピッチに相当)は280nmで、ここに微細な円柱構造を設ける。反射光路長差の最大値は中心波長560nmのほぼ2倍である1.1μmとする。この薄膜5と空気による最大屈折率差は0.55であるから、この構造の高さは2.0μm以上が必要となる。
前述した透過用としての回折型拡散素子の場合は、高さ1.0μmの構造を形成した基板を2つ作成し、その構造面同士を向かい合わせて密着させることにより、高さ2.0μmの構造を形成しているが、反射用回折型拡散素子の場合は、光が素子を2回通過するので、円柱の高さが1.0μmでも高さ2.0μmの構造を透過したのと同じ性能を実現できる。ただし、後述するように透過用回折型拡散素子と実質的に同様の性能を確保するためには、基板上に15種類の有効屈折率領域を形成しておく必要がある。
各々の有効屈折率領域のサイズ(表面形状)は、一辺1.96μmの正方形であるものとし、ここではこれを64×64並べておよそ125μm×125μmの回折型拡散素子を構成することとする。
FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係は、図2に示すとおりであり、ここでは、円柱径として0、120、153、168、171、196、208、220、228、232、237、260、279、290、∞の15段階の有効屈折率を採用するものとする。
この回折型拡散素子は反射用として用いられるので、入射光は素子を2回通過することになることを考慮すると、表4に示すような0〜1.1μmの15種類の異なる光路長の領域及びその構成比の素子となる。
有効屈折率分布の領域を並べ替えることにより、回折強度分布を変化させる手法は前述と同様な手法を用いることができる。
このような構成にすることにより反射用回折型拡散素子を作成すれば、前述した透過用回折型拡散素子と同様な結果(効果)が得られることは言うまでもない。
本発明は回折効果により入射光を所望の強度分布に拡散させて利用する拡散素子、およびこれを用いた照明装置に関するものである。
入射した光を拡散光に変換する拡散素子(拡散板等)は、平行光線などの入射光から、物体を一様に照明する照明光を作り出す等の目的のため広く使用されている。
拡散板を作成する手法としては、砂ずり等により平面板を削ってランダムな凹凸構造を作成し、入射光を拡散させるという方法が長年使われてきた。しかし、この方法で作成した拡散板には、拡散せずに直進する0次回折光が多いという問題があり、かつ、円形状以外の強度分布を持つ拡散光を作り出すことが困難である。また、拡散光にスペックルが生じやすいなどの欠点がある。
このような欠点を克服した拡散板として、近年は回折型の拡散板が使用されるようになってきている。回折型の拡散板は、主として基盤に段差を設けることにより、透過光に位相分布を作り出し、回折効果によって、出射角の強度分布を作りだそうというものである。
図11に、2段BOE(binary optical element)で拡散板を構成する場合の模式図を示す。図11においては、基板21に凸部22と凹部23が所定の配列で形成されており、凸部22を透過する光と凹部23を透過する光の間には、基板21の屈折率と、凸部22、凹部23の段差によって決定される位相差が発生する。この位相差と、凸部22、凹部23の分布を制御することにより、直進光(0次回折光)を除去することができる。
さらに、透過光の位相分布のフーリエ変換が遠方での回折角強度分布になるため、所望の回折角強度分布を生成することのできる形状を比較的容易に作成することができる。
しかしながら、回折型の素子においては、回折効果の波長に対する依存性が大きいため、設計波長においては性能が出せても、他の波長においては性能が劣化してしまうという問題点があった。
その原因は、第一には設計波長以外では0次回折光を除去する条件を満たさないために0次回折光が相当な量生じてしまうこと、第二には回折角は波長にほぼ比例するため、長波長成分は短波長成分と比べて回折角が大きくなってしまうということ、などである。後者に関しては、素子から十分に離れた場所で使用するのであれば余分な回折角に対応する部分を絞りなどにより除去することもできるが、光量のロスとなるため、好ましくない。
このような理由から、回折型の拡散素子を使用できるのは単色あるいは波長幅の狭い光源を対象とする場合のみであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、0次回折光成分が複数の波長で抑制することが可能であると共に、0次回折光以外の拡散光の分布を、複数の波長で目的のものにすることが可能な回折型光学素子、及びこの回折型光学素子を使用した照明装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための第1の発明は、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造を設け、当該凹凸構造に入射した光が、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつけることによって所望の回折光強度分布を有する光とする回折型拡散素子であって、当該回折型拡散素子を出射した前記光の光路長の差の最大値をL、前記回折型拡散素子の対象波長範囲をλ0±Δλとしたときに、
Δλ/λ0≧0.1
であり、かつ
L≧1.5λ0
であることを特徴とする回折型拡散素子である。
Δλ/λ0≧0.1
であり、かつ
L≧1.5λ0
であることを特徴とする回折型拡散素子である。
回折型拡散素子中を透過する光に対して、透過する部分に対応する位相差を発生させることにより、0次回折光が所望の複数の波長に対して小さくなるようにすることができる。本発明においては、このような手法を用いているので、結果として、所定波長範囲に亘って0次回折光を小さくすることが可能となり、広帯域の波長の光に対して使用可能な拡散素子とすることができる。
さらに、回折型拡散素子を出射する際に与えられる光路長の差の最大値Lを、対象とする光の中心波長の1.5倍以上としている。通常の回折型拡散素子では、当該回折型拡散素子透過時の光路長の差の最大値が波長と同程度以下である。位相は、φ=2πL/λ0(φ=λ0における位相)で決定されるので、このような素子においては、波長帯域内でのある波長での透過時の位相分布を設定した場合、他の波長では位相分布は一意に決まってしまう。回折強度分布は位相分布によって決定されるため、このような条件では、複数波長での回折強度分布を制御することは困難である。
これに対して、本発明においては、同一の透過位相を与える光路長が複数存在することになる。このような場合には、ある波長での透過位相分布を設定した場合でも光路長の分布には自由度が残り、これを他の波長での回折強度分布の制御に利用することができる。よって、複数の波長において、0次回折光を抑制しながら、回折強度分布を目的とするものにすることが可能となる。
このような効果は、光路長の差の最大値が大きいほど大きくなるが、回折強度分布をある程度操作するには、光路長の差Lを、最低でも対象とする光の中心波長の1.5倍以上とすることが必要である。また、元々の使用帯域が狭い場合には、本発明を用いる必要は薄いので、本発明で用いられる波長の範囲を、Δλ/λ0≧0.1の範囲に限定している。通常の回折素子では、Δλ/λ0=0.1である場合、波長帯の端では中心と比べて回折角で10%、相対強度分布で20%程度の差ができることになり、本発明は波長帯の範囲がこれ以上である場合に有効である。
前記目的を達成するための第2の発明は、前記第1の発明であって、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつける方法が、前記基板表面又は前記薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が前記対象波長以下である凹凸構造を設けることによってその部分の有効屈折率を変化させる方法であることを特徴とするものである。
回折型光学素子において、各部分を透過する光に位相差をつける方法は、基板や薄膜の各部分の厚さを変化させる方法と、基板や薄膜の各部分の有効屈折率を変化させる方法がある。このうち前者の方法では、光路長差を大きくとると、凹凸の角部分での不要な回折効果が多く生じ、素子性能が低下してしまうという問題点が発生する。
そこで、本発明においては、後者の方法を採用しているが、有効屈折率を変化させる方法として、基板又は薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が対象波長以下である凹凸構造を設ける方法を採用している。
寸法が対象波長以下である凹凸構造を設けると、2次元フォトニック結晶の性質が現れ、凹凸構造に対応して有効屈折率が変化する。このような凹凸構造はリソグラフィを使用して形成することができるので、製造が容易である。
前記目的を達成するための第3の発明は、前記第2の発明であって、前記凹凸構造によって形成される前記基板又は薄膜の厚さが、2段階とされていることを特徴とするものである。
基板又は薄膜の厚さが、2段階とされているとは、基板又は薄膜の表面を凸部又は凹部とするとき、それに対応してそれぞれ凹部又は凸部が設けられ、設けられた凹部又は凸部の深さ又は凸部の高さが一定であることを意味する。このような凹凸構造は、リソグラフィ工程により、一度のエッチングのみで形成できるので、製造工程の短縮及び高精度化に有利である。
前記目的を達成するための第4の発明は、前記第1の発明から第3の発明のいずれかを2個用いて形成された回折型拡散素子であって、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造が設けられ、前記凹凸構造が設けられた面と反対側の面が平面である基板2枚を、前記凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合してなるものであることを特徴とするものである。
前記第1の発明から第3の発明においては、透過する波長に大きな位相差を設ける必要があるために、前記凹凸構造の深さや高さが大きくなる場合がある。そして、凹凸構造の断面寸法が小さい場合(例えば光の波長以下の場合)には、このように断面積が小さくて高さの高い構造(凹部の場合には、対応する凸部の寸法も小さくなる)は、破損しやすい。そこで、本発明では、基板又は薄膜の片面が平面とされ他の面に凹凸構造が設けられた2つの基板又は薄膜を、凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合して一つの回折型拡散素子としている。これにより、構造的に強く、透過する波長に大きな位相差を設けた回折型拡散素子を構成することができる。
前記目的を達成するための第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明のいずれかであって、前記凹凸構造が、複数の前記対象波長における回折光強度分布が共に最適となるように形成されていることを特徴とするものである。
前記第1の発明から第4の発明は、広い波長帯域での回折分布を制御する機能を有するので、単色での設計ではなく、複数の波長で同時に分布を最適化するような設計を行うことができ、このようにすることが好ましい。
前記目的を達成するための第6の発明は、前記第1の発明であって、前記基板と前記薄膜の間に反射層が構成されていることを特徴とするものである。
前記目的を達成するための第7の発明は、前記第1の発明の前記凹凸構造が形成されている面と、表面に反射層が形成された別の基板の反射層が形成されている面とを対向させて配置してなることを特徴とする回折型拡散素子である。
前記目的を達成するための第8の発明は、前記第1の発明から請求項1から請求項7発明のうちいずれかの回折型拡散素子を用いていることを特徴とする照明装置である。
本発明においては、シンプルな構造で、かつ、広波長帯域においてでかつ損失の少ない、高効率な拡散照明を行うことができる。
本発明によれば、0次回折光成分が複数の波長で抑制することが可能であると共に、0次回折光以外の拡散光の分布を、複数の波長で目的のものにすることが可能な回折型光学素子、及びこの回折型光学素子を使用した照明装置を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である回折型拡散素子の構造を示す模式図である。この回折型拡散素子は、基板1の上に薄膜2を成膜し、フォトリソグラフィ工程により薄膜2の一部を除去することにより、凹凸形状を形成したものである。又、後に述べるように、フォトリソグラフィ工程により型を製造し、その型を樹脂に押し付けたり、射出成型を使用したりすることにより、樹脂基板の表面に凹凸構造を設けることもできる。
図では、回折型拡散素子は9つの部分に分かれ、そのうち2つの部分には、形成されたままの薄膜2が、エッチングされずに元のまま残っている。1つの部分では、薄膜2が完全に除去されている。残りの6つの部分には、円柱状の凸部が16個ずつ形成されているが、この円柱の太さは各部分で異なっている。円柱のピッチは、使用される波長より短いものとなっている。
このような構造の回折型拡散素子においては、薄膜2の屈折率をn、厚さをdとするとき、薄膜2が完全残っている部分では屈折率がnの物質で厚さがd、薄膜2が完全に除去された部分では屈折率が1の物質で厚さがd、その他の部分では、円柱の直径と薄膜2の厚さdによって決まる屈折率を有する物質で厚さdの、それぞれの物質が、基板1の上に形成されているとみなすことができる。
実際には、後に述べるように、回折型拡散素子は、9個でなく多数の領域に区分されており、各部分が図1に示したような構造を有していて、各部分の有効屈折率が異なるようになっている。そして、後に述べるように、この異なる有効屈折率の存在比を変えることにより、目的の特性を有する回折拡散素子とすることができる。
以下、具体的なシミュレーションの例について説明する。ここでは、可視光の多くを占める波長460〜660nmで使用できる回折型拡散板を構成する。
構成材質(薄膜2に相当)は屈折率1.55の樹脂、微細構造のピッチ(円柱状の凸部のピッチに相当)は280nmで、ここに微細な円柱構造を設ける。透過光路長差の最大値は中心波長560nmのほぼ2倍である1.1μmとする。この樹脂と空気による最大屈折率差は0.55であるから、この構造の高さは2.0μm以上が必要となる。
2.0μmの高さの構造を作成することは困難であることから、ここでは高さ1.0μmの構造を表面に有する基板を2つ作成し、構造面同士を密着させることにより、高さ2.0μmの構造を作成するものとする。各々の有効屈折率領域のサイズ(表面形状)は、一辺1.96μmの正方形であるものとし、ここではこれを64×64並べておよそ125μm×125μmの回折型拡散素子を構成することとする。
FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係を図2に示す。図2において、横軸は2r/a(rは円柱の半径、aは円柱構造のピッチ)を示し、縦軸は有効屈折率を示す。
ここでは、円柱形として0(すなわち樹脂がエッチングされて完全になくなった状態)、170nm、220nm、237nm、∞(すなわち、樹脂がエッチングされずに残った状態)の5段階の有効屈折率を採用するものとする。各円柱径と有効屈折率との関係を表1に示す。
前述のように、このような構造体を2つ密着させて回折型拡散素子としているので、組み合わせ計算により、表2に示すような0〜1.10μmの15種類の異なる光路長の領域を作成することができる。これを表2に示すような構成比で組み合わせて素子を構成するものとする。
このように構成比を決定することにより、直進光(0次回折光)を波長帯域全体で抑制することができる。この構成による0次回折光比率を2段、4段のBOE拡散素子の場合と比較したものを図3に示す。図3において、横軸は波長であり、縦軸は0次回折光の強さである。2段、4段のBOE拡散素子においては、560nmの波長において0次光を無くすような設計となっているが、使用波長がこの設計波長からずれるに従って、0次回折光の割合が大きくなっている。それに対し、本実施の形態である回折型拡散素子(図3で実施例として示されている)においては、460〜660nmの使用波長領域全域に亘って、0次光はほぼ0に抑えられている。
このような回折型拡散素子を作成するには、まず、Si等の基盤にパターニングおよびエッチングを行い、円孔が配列した構造を生成する。これは、ArF光源の露光装置およびドライエッチングにより作成可能である。続いて、これを樹脂に転写することにより、所望の構造を作成することができる。構造の密着は、微細構造のピッチである280nmではなく、単位領域サイズの1.96μmを基準に行えば良いので、特に困難ではない。
これらの領域を並び替えることにより、回折強度分布を変化させることができる。実際の素子の設計には、複数波長での回折分布を最適化する必要があるが、そのための方法の一例としてはアニーリング法がある。
例えば、R,G,Bの3色での回折強度分布の理想値からのずれの自乗和を最適化のパラメータとして使用する。素子表面を等間隔のグリッドに区切り、初期条件としては各光路長領域の構成比を所定の通りに配置する。続いて、素子上で2つの領域を交換し、交換前後でのパラメータ値の変化をみる。交換した場合のパラメータ値が増加(悪化)している場合、パラメータの変化量ΔEに応じて、
P=1−exp(−ΔE/T)
の確率で交換した領域を元に戻す。ここで、Tは最適化制御用の変数である。このような操作を繰り返し、Tの値を徐々に小さくしていくことにより、最適化パラメータの値は減少し、回折強度分布が理想値に近付くように最適化した構造を得ることができる。
P=1−exp(−ΔE/T)
の確率で交換した領域を元に戻す。ここで、Tは最適化制御用の変数である。このような操作を繰り返し、Tの値を徐々に小さくしていくことにより、最適化パラメータの値は減少し、回折強度分布が理想値に近付くように最適化した構造を得ることができる。
なお、この設計例のように透過位相の種類が多い場合には、各領域での位相変化の効果が打ち消し合うことになるため、波長の微小な変化によって分布が大きく変化することはあまりない。したがって、本実施例でのパラメータの場合では、R,G,Bの3色程度で最適化を行えば、中間の波長領域でも分布はほとんど変化しない。
このようにして設計した回折型拡散素子の形状例を図4に示す。ここでは、光路長差の面内分布を、色により表現している。続いて、この回折型拡散素子に平面波を入射させた場合の素子後方40cmの距離での回折強度分布を図5に示す。この図5は有効屈折率を利用してFresnel回折計算によって求めたものである。R,G,Bはそれぞれ波長630nm, 545nm, 480nmでの分布である。なお、以下の図5、図7、図8において、各円は、左からR,G,Bを示している。
理想的には、各R,G,Bにおいて強度分布が一様の円形であり、かつ、拡散角に対応するビーム径がR,G,Bにおいて等しいことである。図7においては、ビーム形状は各波長で円形に整形されている。また、ビーム径も、Gではやや小さいものの、RとBはほぼ等しくなっている。各波長において輝度のばらつきは見られるが、これは拡散素子としての性能上問題となる程度のものではない。
この例での直進光の比率も図4に示している(図4で、光路長0.55μmとして示されている)。最大光路長1.1μmの場合より0次回折光が増えているが、波長帯全域で直進光が抑制されている。
図6は、図4の回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図5を、回折角に対する強度分布の観点から示した図である。回折角に対する強度は、素子面上に分布する同一回折角の回折強度の平均値である。
図6から本実施形態の回折型拡散素子は、3つの波長間の回折角に対する強度分布のバラツキが小さく、広波長帯域において拡散角の制御ができていることがわかる。
最大光路長差0.55μmおよび2.2μmの場合の回折強度分布例をそれぞれ図7、図8に示す。図7を見ると分かるように、最大光路長差が0.55μmの場合の例では回折分布がほとんど制御できていないため、分布の径は波長にほぼ比例して広がっている。すなわち、先願発明の効果により、図3に示すように0次回折光を使用波長域に亘って低減させることはできるが、本発明の条件を満たしていないために、使用波長によって拡散角が異なっていることを示している。
一方、図8を見ると分かるように、最大光路長差が2.2μmの例では、設計の自由度が大きいために、拡散角はR,G,B全てでほぼ一致するようになっている。このように、使用中心波長よりも大きな(使用中心波長の1.5倍以上)光路長差をつけることにより、回折分布を制御することが可能となる。
以上の例においては、フォトニック結晶的な構造を用いているが、フォトニック結晶的な構造を用いなくても、従来のBOEと同じような手法を用いて、基板の厚さを部分的に多段階に変化させることにより、光路長変化を持たせるようにしても、本発明に係る回折型拡散素子が製造可能であることは言うまでもない。
本発明の実施の形態である照明装置においては、例えば白色LEDから放出される光をレンズ系で平行光にして、本発明の回折型拡散素子に入射させる。そのことによって、0次光の少ない、かつ使用波長によって拡散角の変わらないような拡散光が得られる。このような光源は、照明される面において色分布が少ない、一様照明光源として使用することができる。
図9A、9Bは、回折型拡散素子の回折強度分布を素子面上の回折光分布と輝度で示した図7、8を回折角に対する強度分布の観点から示した図であり、図9Aは、最大光路長差を0.55μmで設計した回折型拡散素子のもの、図9Bは最大光路長差を2.2μmで設計した回折型拡散素子のものである。
次に本発明の実施形態の他の例である回折型拡散素子について説明する。
図10は、本発明の実施形態の他の例である回折型拡散素子の構造を示すもので模式図である。この回折型拡散素子は、基板3上に金属膜(例えばAl等)又は誘電体多層反射膜4、透明薄膜(例えば樹脂)5を順次形成し、フォトリソグラフィ工程によりその透明薄膜の一部を除去することにより凹凸を形成したものである。また、透明基板上に透明薄膜(例えば樹脂)を成膜してフォトリソグラフィ工程によりその薄膜の一部を除去することにより凹凸を形成するとともに、金属膜又は誘電体多層反射膜が形成された基板を用意し、凹凸面と金属膜等を対向させて接合したもの等でもよい。
前者は凹凸構造が形成された面から光を入射させ、凹凸構造を通過後、金属膜又は誘電体多層反射膜において反射させて使用する。後者は、透明基板面から光を入射させ、凹凸構造を通過後、金属膜又は誘電体多層反射膜において反射させて使用する。
なお、光は金属膜又は誘電体多層膜によって反射され、往復することになるが、往路と復路とが同じ箇所を通過するようにするために、凹凸構造と反射面はできる限り近接して配置するようにする。
前述したように、実際の回折型拡散素子は多数の領域に区分され、円柱の凸部も多数形成されている。
以下、具体的な例について説明する。ここでは、前述した実施の形態と同様に、波長460nm〜660nmで使用できる回折型拡散板を構成する。
前述と同様に構成材質(薄膜5)は屈折率1.55、微細構造のピッチ(円柱状の凸部のピッチに相当)は280nmで、ここに微細な円柱構造を設ける。反射光路長差の最大値は中心波長560nmのほぼ2倍である1.1μmとする。この薄膜5と空気による最大屈折率差は0.55であるから、この構造の高さは2.0μm以上が必要となる。
前述した透過用としての回折型拡散素子の場合は、高さ1.0μmの構造を形成した基板を2つ作成し、その構造面同士を向かい合わせて密着させることにより、高さ2.0μmの構造を形成しているが、反射用回折型拡散素子の場合は、光が素子を2回通過するので、円柱の高さが1.0μmでも高さ2.0μmの構造を透過したのと同じ性能を実現できる。ただし、後述するように透過用回折型拡散素子と実質的に同様の性能を確保するためには、基板上に15種類の有効屈折率領域を形成しておく必要がある。
各々の有効屈折率領域のサイズ(表面形状)は、一辺1.96μmの正方形であるものとし、ここではこれを64×64並べておよそ125μm×125μmの回折型拡散素子を構成することとする。
FDTD法によって計算したこの構造における円柱径と有効屈折率の関係は、図2に示すとおりであり、ここでは、円柱径として0、120、153、168、171、196、208、220、228、232、237、260、279、290、∞の15段階の有効屈折率を採用するものとする。
この回折型拡散素子は反射用として用いられるので、入射光は素子を2回通過することになることを考慮すると、表4に示すような0〜1.1μmの15種類の異なる光路長の領域及びその構成比の素子となる。
なお、凹凸構造(隣接する円柱間の距離)のピッチは280nmなので、凹凸構造を上面からみた場合、円柱径が280nmのときは、隣接円が接した状態となっており、280nmを超える円柱径のときは、隣接円の一部が重なりあった状態となっている。
有効屈折率分布の領域を並べ替えることにより、回折強度分布を変化させる手法は前述と同様な手法を用いることができる。
このような構成にすることにより反射用回折型拡散素子を作成すれば、前述した透過用回折型拡散素子と同様な結果(効果)が得られることは言うまでもない。
1…基板、2…薄膜
Claims (9)
- 基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造を設け、当該凹凸構造に入射した光が、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつけることによって所望の回折光強度分布を有する光とする回折型拡散素子であって、当該回折型拡散素子を出射した前記光の光路長の差の最大値をL、前記回折型拡散素子の対象波長範囲をλ0±Δλとしたときに、
Δλ/λ0≧0.1
であり、かつ
L≧1.5λ0
であることを特徴とする回折型拡散素子。 - 請求の範囲第1項に記載の回折型拡散素子であって、前記凹凸構造を通過するときに、前記光の波面に位相差をつける方法が、前記基板表面又は前記薄膜に、光が通過する方向と直交する方向の寸法が前記対象波長以下である凹凸構造を設けることによってその部分の有効屈折率を変化させる方法であることを特徴とする回折型拡散素子。
- 請求の範囲第2項に記載の回折型拡散素子であって、前記凹凸構造によって形成される前記基板又は薄膜の厚さが、2段階とされていることを特徴とする回折型拡散素子。
- 請求の範囲第1項に記載の回折型拡散素子を2個用いて形成された回折型拡散素子であって、基板表面又は基板に形成された薄膜に凹凸構造が設られ、前記凹凸構造が設けられた面と反対側の面が平面である基板2枚を、前記凹凸構造が設けられた面同士を対向させて接合してなるものであることを特徴とする回折型拡散素子。
- 請求の範囲第1項に記載の回折型拡散素子であって、前記凹凸構造が、複数の前記対象波長における回折光強度分布が共に最適となるように形成されていることを特徴とする回折型拡散素子。
- 請求の範囲第1に記載の回折型拡散素子であって、前記基板と前記薄膜の間に反射層が構成されていることを特徴とする回折型拡散素子。
- 請求項1に記載の回折型拡散素子の前記凹凸構造が形成されている面と、表面に反射層が形成された別の基板の反射層が形成されている面とを対向させて配置してなることを特徴とする回折型拡散素子。
- 請求の範囲第1項に記載の回折型拡散素子を用いていることを特徴とする照明装置。
- 請求の範囲第7項に記載の拡散素子を用いていることを特徴とする照明装置。
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