JP7035303B2 - 回折光学素子、光照射装置、回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子、光照射装置、回折光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回折光学素子、光照射装置、回折光学素子の製造方法に関するものである。
ネットワークの普及によるセキュリティリスク回避のための個人認証へのニーズや、自動車の自動運転化の流れ、又は、いわゆる「モノのインターネット」の普及等、近年、センサシステムを必要とする局面が増大している。センサには色々な種類があり、検出する情報も様々であるが、その中の1つの手段として、光源から対象物に対して光を照射し、反射してきた光から情報を得るというものがある。例えば、パターン認証センサや赤外線レーダ等はその一例である。
これらのセンサの光源は、用途に応じた波長分布や明るさ、広がりをもったものが使用される。光の波長は、可視光~赤外線がよく用いられ、特に赤外線は外光の影響を受けにくく、不可視であり、対象物のやや内部を観察することも可能という特徴があるため、広く用いられている。また、光源の種類としては、LED光源やレーザ光源等が多く用いられる。例えば、遠いところを検知するには光の広がりが少ないレーザ光源が好適に用いられ、比較的近いところを検知する場合や、ある程度の広がりを持った領域を照射するにはLED光源が好適に用いられる。
ところで、対象とする照射領域の大きさや形状は、必ずしも光源からの光の広がり(プロファイル)と一致しているとは限らず、その場合には拡散板やレンズ、遮蔽板等により光を整形する必要がある。最近では、Light Shaping Diffuser(LSD)という、光の形状をある程度整形できる拡散板が開発されている。
また、光を整形する別の手段として、回折光学素子(Diffractive Optical Element :DOE)が挙げられる。これは異なる屈折率を持った材料が周期性を持って配列している場所を光が通過する際の回折現象を応用したものである。DOEは、基本的に単一波長の光に対して設計されるものであるが、理論的には、ほぼ任意の形状に光を整形することが可能である。また、前述のLSDにおいては、照射領域内の光強度がガウシアン分布となるのに対し、DOEでは、照射領域内の光分布の均一性を制御することが可能である。DOEのこのような特性は、不要な領域への照射を抑えることによる高効率化や、光源数の削減等による装置の小型化等の点で有利となる(例えば、特許文献1参照)。
また、DOEは、レーザの様な平行光源や、LEDの様な拡散光源のいずれにも対応可能であり、また、紫外光から可視光、赤外線までの広い範囲の波長に対して適用可能である。
DOEは、nmオーダーでの微細加工が必要となり、特に長波長の光を回折するためには、高アスペクト比の微細形状を形成する必要があった。そのため、DOEの製造には、従来、電子線を用いた電子線リソグラフィ技術が用いられている。例えば、紫外線~近赤外線領域で透明である石英板に、ハードマスクやレジストを成膜後、電子線を用いてレジストに所定の形状を描画し、レジスト現像、ハードマスクのドライエッチング、石英のドライエッチングを順次行って、石英板表面にパターンを形成した後、ハードマスクを除去することで所望のDOEを得ることができる。
特開2015-170320号公報
DOEは、光を効率よく整形することが可能であるが、DOEの配光効率を向上するために、断面形状を多段階形状に形成する場合がある。これは、光の回折の方向を制御することにより配光精度を上げるものである。この多段階形状は、いわゆるブレーズ形状を多段階の形状で近似したものである。したがって、多段階の段数を多くすれば、より理想的なブレーズ形状に近づくが、製造工程が複雑になってしまう。製造を簡単にするために多段階の段数を少なくした多段階形状のDOEでは、特に、理想的なブレーズ形状と比べると、光の利用効率が低くなる傾向にあり、簡単に製造が可能な形態で、より効率を高くしたいという要求があった。
本発明の課題は、簡単な構造で、光の利用効率が高い、回折光学素子、光照射装置、回折光学素子の製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、光を整形する回折光学素子(10,20)であって、断面形状において複数の凸部(11a)が並んで配置されている高屈折率部(11)と、前記高屈折率部(11)よりも屈折率が低く、少なくとも前記凸部(11a)の間に形成されている凹部(12)を含む低屈折率部(14)と、を有する回折層(15)を備え、前記凸部(11a)は、その側面形状の少なくとも一方側に、高さの異なる複数の段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)を備えた多段階形状を有しており、前記段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)の前記低屈折率部(14)側の面の少なくとも1つには、前記低屈折率部(14)側から前記高屈折率部(11)側へ向けて凹んで形成された溝部(11c,11d,11e,11f,11g,11h)が設けられている回折光学素子(10,20)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の回折光学素子(10)において、前記溝部(11c,11d,11e)は、高さが異なる段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)の境界となる隅部に設けられていること、を特徴とする回折光学素子(10)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の回折光学素子(20)において、前記溝部(11f,11g,11h)は、前記段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)の前記低屈折率部(14)側の面にあって、隅部及び角部から離れた位置に配置されていること、を特徴とする回折光学素子(20)である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれか1項に記載の回折光学素子(10,20)において、前記溝部(11c,11d,11e,11f,11g,11h)の深さは、隣り合う前記段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)の高低差の半分以下であること、を特徴とする回折光学素子(10,20)である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれか1項に記載の回折光学素子(10,20)において、前記高屈折率部(11)は、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化したものであること、を特徴とする回折光学素子(10,20)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれか1項に記載の回折光学素子(10,20)において、前記低屈折率部(14)は、空気であること、を特徴とする回折光学素子(10,20)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれか1項に記載の回折光学素子(10,20)において、透明基材(61)と、前記回折層(15)と、前記回折層(15)を被覆する被覆層(62,63)とが、この順番で積層されていること、を特徴とする回折光学素子(10,20)である。
第8の発明は、光源(210)と、前記光源(210)が発光する光が通過する位置に少なくとも1つ配置された、第1の発明から第7の発明までのいずれか1項に記載の回折光学素子(10,20)と、を備える光照射装置である。
第9の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれか1項に記載の回折光学素子(10,20)を製造する製造方法であって、前記段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)を形成する段部形成工程と、前記段部(11a-1,11a-2,11a-3,11a-4)を形成する段部形成工程とは別に設けられた工程であって、前記溝部(11c,11d,11e,11f,11g,11h)を形成する溝部形成工程と、を備える回折光学素子(10,20)の製造方法である。
本発明によれば、簡単な構造で、光の利用効率が高い、回折光学素子、光照射装置、回折光学素子の製造方法を提供することができる。
本発明による回折光学素子の第1実施形態を示す平面図である。 図1の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を示す斜視図である。 図2中の矢印G-G’の位置で回折光学素子を切断した断面図である。 回折光学素子を説明する図である。 本実施形態の回折光学素子10を直接描画方式で製造する過程を工程順に並べて示した図である。 本実施形態の回折光学素子10を直接描画方式で製造する過程を工程順に並べて示した図である。 本実施形態の回折光学素子10をフォトマスクを用いて製造する過程を工程順に並べて示した図である。 本実施形態の回折光学素子10をフォトマスクを用いて製造する過程を工程順に並べて示した図である。 上述の製造方法により製造された回折光学素子10の一例を示すSEM写真である。 比較例の回折光学素子100を図3と同様な断面として示した図である。 シミュレーションを行った矩形形状の溝形状を説明する図である。 略V字形状に相当する横長疑似三角形形状を示す図である。 略V字形状に相当する縦長疑似三角形形状を示す図である。 比較例のシミュレーション結果と、溝部11c、11d、11eの溝形状が矩形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。 溝部11c、11d、11eの溝形状が25nm角(断面積が625nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。 溝部11c、11d、11eの溝形状が50nm角(断面積が2500nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。 溝部11c、11d、11eの溝形状が100nm角(断面積が10000nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。 比較例のシミュレーション結果と、溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。 溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形であって断面積が625nmの場合の差分値を示したグラフである。 溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形であって断面積が2500nmの場合の差分値を示したグラフである。 溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形であって断面積が10000nmの場合の差分値を示したグラフである。 比較例のシミュレーション結果と、溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。 溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形であって断面積が625nmの場合の差分値を示したグラフである。 溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形であって断面積が2500nmの場合の差分値を示したグラフである。 溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形であって断面積が10000nmの場合の差分値を示したグラフである。 第2実施形態の回折光学素子20を図3と同様な断面で示した図である。 比較例のシミュレーション結果と、溝部11f、11g、11hの溝形状が矩形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。 溝部11f、11g、11hの溝形状が25nm角(断面積が625nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。 溝部11f、11g、11hの溝形状が50nm角(断面積が2500nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。 溝部11f、11g、11hの溝形状が100nm角(断面積が10000nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。 回折光学素子の変形形態として、透明基材を設けている例、及び、被覆層を設けている例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による回折光学素子の第1実施形態を示す平面図である。
図2は、図1の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を示す斜視図である。
図3は、図2中の矢印G-G’の位置で回折光学素子を切断した断面図である。
図4は、回折光学素子を説明する図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
なお、本発明において用いる、形状や幾何学的条件、及び、それらの程度を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、この明細書における「平面視」とは、回折光学素子の板面に対し垂直方向であって、微細形状が形成されている側から視認することを意味する。すなわち、回折光学素子の回折層を有する面に対して垂直方向から視認することに相当する(図2中のZ軸のプラス側から視認した状態であって、図1のような平面図が視認されることになる)。
また、本発明において「光を整形する」とは、光の進行方向を制御することにより、対象物又は対象領域に投影された光の形状(照射領域)が任意の形状となるようにすることをいう。例えば、図4の例に示されるように、平面形状のスクリーン200に直接投影した場合に照射領域202が円形となる光201(図4(b))を発光する光源210を用意する。この光201を、本発明の回折光学素子10を透過させることにより、照射領域204を正方形(図4(a))や、長方形、円形(図示せず)等、目的の形状とすることを、「光を整形する」いう。
なお、光源210と、光源210が発光する光が通過する位置に少なくとも1つ配置された、本実施形態の回折光学素子10とを組み合わせることにより、光を成形した状態で照射可能な光照射装置とすることができる。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
第1実施形態の回折光学素子10は、光を整形する回折光学素子(DOE)である。
第1実施形態の回折光学素子10は、図1に示したA,B,C,Dのそれぞれの位置において深さが異なっている。すなわち、回折光学素子10は、4段階の高さの異なる多段階形状により構成されている。そして、回折光学素子10は、通常、異なる周期構造を持つ複数の領域(部分周期構造:例えば、図1のE,F領域)を有している。図2では、部分周期構造の一例を抽出して示している。
回折光学素子10は、図3に示すように、断面形状において複数の凸部11aが並んで配置されている高屈折率部11を備えている。この高屈折率部11は、同じ断面形状を維持したまま、断面の奥行き方向に延在している。
高屈折率部11は、例えば、クオーツ(SiO、合成石英)をエッチング処理により形状を加工されて作られたものであってもよい。また、高屈折率部11は、クオーツを加工した物から型取りを行って成形型を作成し、この成形型を利用して電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化したものであってもよい。電離放射線硬化性樹脂組成物を用いてこのような周期構造の物を製造する方法は、様々な手法が公知であり、それら公知の手法を利用して、適宜作成することができる。
また、凸部11aの間に形成されている凹部12及び凸部11aの頂部付近の空間13を含む図3の上方の部分は、空気が存在しており、高屈折率部11よりも屈折率が低い低屈折率部14となっている。これら高屈折率部11及び低屈折率部14が交互に並んで配置された周期構造により、光を整形する作用を備える回折層15が構成されている。
凸部11aは、側面形状の一方側(図3では、左側)に、高さの異なる4つの段部を備えた多段階形状を有している。具体的には、凸部11aは、最も突出したレベル1段部11a-1と、レベル1段部11a-1よりも一段低いレベル2段部11a-2と、レベル2段部11a-2よりもさらに一段低いレベル3段部11a-3と、レベル3段部11a-3よりもさらに一段低いレベル4段部11a-4とを一側面側に有している。また、凸部11aの側面形状の他方側(図3では、右側)は、レベル1段部11a-1からレベル4段部11a-4まで直線上につながる側壁部11bとなっている。
本実施形態の回折光学素子10には、レベル2段部11a-2と、レベル3段部11a-3と、レベル4段部11a-4とのそれぞれの、高さが異なる段部の境界となる隅部に、低屈折率部14側から高屈折率部11側へ向けて凹んで形成された溝部11cと、溝部11dと、溝部11eとが設けられている。
より詳しく説明すると、溝部11cは、レベル1段部11a-1とレベル2段部11a-2との境界となる隅部であって、レベル2段部11a-2上に設けられている。
溝部11dは、レベル2段部11a-2とレベル3段部11a-3との境界となる隅部であって、レベル3段部11a-3上に設けられている。
溝部11eは、レベル3段部11a-3とレベル4段部11a-4との境界となる隅部であって、レベル4段部11a-4上に設けられている。
これら溝部11cと、溝部11dと、溝部11eとは、図3では、いずれも矩形形状で示されているが、完全な矩形形状である必要はなく、図3の断面形状において三角形形状であったり、半楕円形状であったりしてもよい。
また、これら溝部11cと、溝部11dと、溝部11eとの深さは、適宜変更可能であるが、隣り合う段部の高低差の半分以下であることが望ましい。
次に、本実施形態の回折光学素子10の製造方法について説明する。
本実施形態の回折光学素子10は、直接描画(直描)方式を用いたリソグラフィ、又は、フォトマスクを用いたリソグラフィにより製造することができる。
図5及び図6は、本実施形態の回折光学素子10を直接描画方式で製造する過程を工程順に並べて示した図である。この図5及び図6の製造工程は、図5(a)から図6(s)まで矢印の順に進められる。なお、図5及び図6では、理解を容易にするために1つの凹部形状のみを彫り込む図として示しているが、実際には、彫り込む形状が多数並んでおり、それらの加工が同時に進められる。
先ず、合成石英基板51の上に、例えばスパッタリングによってクロムを用いて構成されるハードマスク52を成膜し、さらにその上に、レジスト層53をコートする(図5(a))。
次に、電子線、又は、レーザを用いて、レジスト層53上に直接描画を行い(図5(b))、描画後に現像を行って、描画された部位のレジスト層53を除去する(図5(c))。レジスト層53が除去された部位を通してハードマスク52のエッチングを行い(図5(d))、さらに合成石英のエッチングを行う(図5(e))。
ここで、一端レジスト層53を剥離し(図5(f))、再度レジスト層53を塗布する(図5(g))。
次に、電子線、又は、レーザを用いて、レジスト層53上に、先の図5(b)の工程とは異なる位置に直接描画を行い(図5(h))、描画後に現像を行って、描画された部位のレジスト層53を除去する(図5(i))。レジスト層53が除去された部位を通してハードマスク52のエッチングを行い(図5(j))、さらに合成石英のエッチングを行う(図5(k))。
ここで、レジスト層53及びハードマスク52の剥離を行うと、溝部11c、11d、11eを備えていない従来の回折光学素子が得られる(図5(l))。したがって、ここまでの製造工程は、4レベルの段部を形成する段部形成工程であって、従来公知のものである。
次に、段部形成工程とは別に設けられた工程であって、溝部11c、11d、11eを形成する溝部形成工程を説明する。
溝部11c、11d、11eを備えていない従来の回折光学素子(図5(l))が得られた工程に続いて、溝部11c、11d、11eを形成する工程を行う。図5(l)の状態の合成石英上にハードマスク52を成膜し(図6(m))、さらにその上にレジスト層53を形成する(図6(n))。そして、溝部11c、11d、11eを設ける位置に対して電子線、又は、レーザを用いて、レジスト層53上に直接描画を行い(図6(o))、描画後に現像を行って、描画された部位のレジスト層53を除去する(図6(p))。レジスト層53が除去された部位を通してハードマスク52のエッチングを行い(図6(q))、さらに合成石英のエッチングを行う(図6(r))。最後に、レジスト層53及びハードマスク52の剥離を行うと、溝部11c、11d、11eを備えた回折光学素子10が得られる(図6(s))。
図7及び図8は、本実施形態の回折光学素子10をフォトマスクを用いて製造する過程を工程順に並べて示した図である。この図7及び図8の製造工程は、図7(a)から図8(s)まで矢印の順に進められる。なお、図7及び図8では、理解を容易にするために1つの凹部形状のみを彫り込む図として示しているが、実際には、彫り込む形状が多数並んでおり、それらの加工が同時に進められる。
先ず、合成石英基板51の上に、例えばスパッタリングによってクロムを用いて構成されるハードマスク52を成膜し、さらにその上に、レジスト層53をコートする(図7(a))。
次に、別途用意したフォトマスクMを重ねて露光を行い(図7(b))、露光後に現像を行って、露光された部位のレジスト層53を除去する(図7(c))。レジスト層53が除去された部位を通してハードマスク52のエッチングを行い(図7(d))、さらに合成石英のエッチングを行う(図7(e))。
ここで、一端レジスト層53を剥離し(図7(f))、再度レジスト層53を塗布する(図7(g))。
次に、先の図7(b)の工程とは異なるフォトマスクMを重ねて露光を行い(図7(h))、露光後に現像を行って、露光された部位のレジスト層53を除去する(図7(i))。レジスト層53が除去された部位を通してハードマスク52のエッチングを行い(図7(j))、さらに合成石英のエッチングを行う(図7(k))。
ここで、レジスト層53及びハードマスク52の剥離を行うと、溝部11c、11d、11eを備えていない従来の回折光学素子が得られる(図7(l))。したがって、ここまでの製造工程は、4レベルの段部を形成する段部形成工程であって、従来公知のものである。
次に、段部形成工程とは別に設けられた工程であって、溝部11c、11d、11eを形成する溝部形成工程を説明する。
溝部11c、11d、11eを備えていない従来の回折光学素子(図7(l))が得られた工程に続いて、溝部11c、11d、11eを形成する工程を行う。図7(l)の状態の合成石英上にハードマスク52を成膜し(図8(m))、さらにその上にレジスト層53を形成する(図8(n))。そして、溝部11c、11d、11eを設ける位置に対したフォトマスクMを重ねて露光を行い(図8(o))、露光後に現像を行って、露光された部位のレジスト層53を除去する(図8(p))。レジスト層53が除去された部位を通してハードマスク52のエッチングを行い(図8(q))、さらに合成石英のエッチングを行う(図8(r))。最後に、レジスト層53及びハードマスク52の剥離を行うと、溝部11c、11d、11eを備えた回折光学素子10が得られる(図8(s))。
図9は、上述の製造方法により製造された回折光学素子10の一例を示すSEM写真である。
以上のようにして得られた合成石英を素材とした回折光学素子は、そのままDOEとして利用することができる。また、この合成石英製の回折光学素子を成形型として利用して、反転型を作成し、その反転型を用いて、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、回折光学素子として用いてもよい。なお、反転型を利用して、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させる製造方法については、従来から公知の各種製造方法を利用することが可能であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の回折光学素子10が溝部11c、11d、11eを備えることによる効果について、シミュレーション結果を用いて比較例との比較をしながら説明する。
図10は、比較例の回折光学素子100を図3と同様な断面として示した図である。比較例の回折光学素子100は、溝部11c、11d、11eを備えていない他は、本実施形態の回折光学素子10と同様な形状とした。この図10に示す形態を比較例としてシミュレーションを行った。
また、溝部11c、11d、11eは、図3に示したような完全な矩形形状になるとは限らず、図9に示したように、略V字形状に形成される場合もある。そこで、溝部11c、11d、11eについて、全ての溝部が矩形形状である形態を1種類と、略V字形状に相当する疑似三角形形状に全ての溝部が形成されている形態を2種類の、合計3種類の溝形状についてシミュレーションを行った。
図11は、シミュレーションを行った矩形形状の溝形状を説明する図である。
図11の溝形状部分を3×3=9個のさらに細かい矩形形状に仮想的に分割を行い、この分割された領域を並べ替えることにより、略V字形状に相当する断面積が矩形の溝部の場合と同一の疑似三角形形状を2種類用意した。
図12は、略V字形状に相当する横長疑似三角形形状を示す図である。
図13は、略V字形状に相当する縦長疑似三角形形状を示す図である。
図11から図13のいずれの溝形状も、溝形状の違いによる影響を確認するために、その断面積が同じになるようにしてシミュレーションを行った。
ここで、溝の大きさ(断面積)についても、3種類の形態を用意し、それぞれについてシミュレーションを行った。具体的には、矩形形状で25nm角、すなわち、断面積が625nmの溝形状と、矩形形状で50nm角、すなわち、断面積が2500nmの溝形状と、矩形形状で100nm角、すなわち、断面積が10000nmの溝形状との、合計3種類を用意し、それぞれについてシミュレーションを行った。
ここで、回折効率の解析シミュレーションには、厳密結合波理論(RCWA(rigorous coupled-wave analysis)に基づいた演算を用いた。RCWAは、数学的には、行列の固有値問題と一次方程式を解くことに帰着されるので、原理的な困難さはない。また、このRCWAに基づいた電磁場解析のシミュレーション結果と現実とでは、現物における形状エラー等を除けば、基本的に合致する。
また、シミュレーション条件としては、以下の条件により行った。
波長λ:500nm
高屈折率部の屈折率n:1.5
低屈折率部の屈折率:1.0
ピッチ:2λ、3λ、4λ、6λ、8λ、10λの6種
多段階のレベル数P:4
なお、理想の溝深さは、ピッチによらず一定であり、以下の式により求めた値とした。
1段深さ=(P-1)/(P)×波長/(n-1)
P:レベル数 n:屈折率
また、回折角度は、以下の式により得られる。
回折角度=asin(波長/ピッチ)
以上の条件により、シミュレーションを行った結果について説明する。
図14は、比較例のシミュレーション結果と、溝部11c、11d、11eの溝形状が矩形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。
図14のシミュレーション出光値とは、入力光を1としたときの、各方向における出光値を示している。
図14中の0th、1st、-1stは、それぞれ、0次回折光、1次回折光、-1次回折光をそれぞれ示す。通常の利用方法では、1次回折光が大きい方が望ましく、また、0次回折光及び-1次回折光が少ない方が望ましい。
また、図14中には、比較例と本実施形態との差異が明確になるように、これらの間の差分値を示している。差分値は,本実施形態の数値から比較例の数値を差し引いて求めた値を示しており、したがって、1次回折光でみれば数値が大きくなるほど良好な結果であり、0次回折光及び-1次回折光でみれば数値が小さくなるほど良好な結果と判断できる。
この差分値をより分かりやすくするために、グラフ化して示した図を、図15から図17に示す。
図15は、溝部11c、11d、11eの溝形状が25nm角(断面積が625nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。
図16は、溝部11c、11d、11eの溝形状が50nm角(断面積が2500nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。
図17は、溝部11c、11d、11eの溝形状が100nm角(断面積が10000nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。
図15から図17を見て明らかなように、溝形状が矩形の場合、ピッチが比較的小さい領域では、溝部11c、11d、11eを設けることにより、1次回折光の効率を大幅に向上することができている。また、1次回折光の効率向上とともに、0次回折光を減少させることが可能となっている。
次に、溝形状が横長疑似三角形の場合のシミュレーション結果について、上述の矩形の場合と同様にして図に示した。
図18は、比較例のシミュレーション結果と、溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。
図19は、溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形であって断面積が625nmの場合の差分値を示したグラフである。
図20は、溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形であって断面積が2500nmの場合の差分値を示したグラフである。
図21は、溝部11c、11d、11eの溝形状が横長疑似三角形であって断面積が10000nmの場合の差分値を示したグラフである。
図19から図21を見て明らかなように、溝形状が横長疑似三角形の場合も、矩形の場合と同様に、ピッチが比較的小さい領域では、溝部11c、11d、11eを設けることにより、1次回折光の効率を大幅に向上することができている。また、1次回折光の効率向上とともに、0次回折光を減少させることが可能となっている。
次に、溝形状が縦長疑似三角形の場合のシミュレーション結果について、上述の矩形の場合と同様にして図に示した。
図22は、比較例のシミュレーション結果と、溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。
図23は、溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形であって断面積が625nmの場合の差分値を示したグラフである。
図24は、溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形であって断面積が2500nmの場合の差分値を示したグラフである。
図25は、溝部11c、11d、11eの溝形状が縦長疑似三角形であって断面積が10000nmの場合の差分値を示したグラフである。
図23から図25を見て明らかなように、溝形状が縦長疑似三角形の場合も、矩形の場合と同様に、ピッチが比較的小さい領域では、溝部11c、11d、11eを設けることにより、1次回折光の効率を大幅に向上することができている。また、1次回折光の効率向上とともに、0次回折光を減少させることが可能となっている。
また、溝形状が矩形、横長疑似三角形、縦長疑似三角形のいずれについても、溝部の断面積が同じであれば、略同様な結果が得られている。そして、溝形状によらずに、溝部の断面積が大きくなるほど、効率を高めることができている。したがって、溝形状の違いは、効率に大きな影響を与えず、溝の大きさ(断面積)が大きくなるほど、効率向上を期待できるといえる。
したがって、第1実施形態の回折光学素子10のように、隅部に溝部を形成することにより、ピッチが特定の範囲においては、回折光の利用効率を高めることが可能である。なお、このピッチの特定の範囲(回折光の利用効率を高めることができる範囲)については、回折光学素子の具体的な形状によって、変化する。しかし、適宜シミュレーションを行うことにより、効率を高める効果の高いピッチの範囲を簡単に求めることが可能であり、したがって、溝部を設けることにより効率を高める設計を簡単に行うことができる。
以上説明したように、第1実施形態の回折光学素子10には、レベル2段部11a-2と、レベル3段部11a-3と、レベル4段部11a-4とのそれぞれの、高さが異なる段部の境界となる隅部に、低屈折率部14側から高屈折率部11側へ向けて凹んで形成された溝部11cと、溝部11dと、溝部11eとが設けられている。第1実施形態の回折光学素子10は、このような簡単な形状の溝部を設けるだけで、溝部を備えていない形態と比較して、特にピッチの狭い形状において、1次回折光の効率を高めることができ、0次回折光を減少させることができる。
(第2実施形態)
図26は、第2実施形態の回折光学素子20を図3と同様な断面で示した図である。
第2実施形態の回折光学素子20は、溝部11f,11g,11hの位置が、第1実施形態の回折光学素子10と異なる他は、第1実施形態の回折光学素子10と同様な形態をしている。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の回折光学素子20には、レベル2段部11a-2と、レベル3段部11a-3と、レベル4段部11a-4とのそれぞれの、隅部及び角部から離れた位置に、低屈折率部14側から高屈折率部11側へ向けて凹んで形成された溝部11cと、溝部11dと、溝部11eとが設けられている。
より詳しく説明すると、溝部11fは、レベル1段部11a-1とレベル2段部11a-2との境界となる隅部と、レベル2段部11a-2とレベル3段部11a-3との境界となる角部との間であって、これら隅部及び角部から離れた位置のレベル2段部11a-2上に設けられている。
溝部11gは、レベル2段部11a-2とレベル3段部11a-3との境界となる隅部と、レベル3段部11a-3とレベル4段部11a-4との境界となる角部との間であって、これら隅部及び角部から離れた位置のレベル3段部11a-3上に設けられている。
溝部11hは、レベル3段部11a-3とレベル4段部11a-4との境界となる隅部と、レベル4段部11a-4と隣(図26では、左隣)のレベル1段部11a-1との境界となる隅部との間であって、これら両隅部から離れた位置のレベル4段部11a-4上に設けられている。
これら溝部11fと、溝部11gと、溝部11hとは、図26では、いずれも矩形形状で示されているが、完全な矩形形状である必要はなく、図26の断面形状において三角形形状であったり、半楕円形状であったりしてもよい。
また、これら溝部11fと、溝部11gと、溝部11hとの深さは、適宜変更可能であるが、隣り合う段部の高低差の半分以下であることが望ましい。
第2実施形態の回折光学素子20は、溝部11fと、溝部11gと、溝部11hとを形成するときの描画位置、又は、マスク形状が異なる他は、第1実施形態の回折光学素子10と同様にして製造することができる。
次に、第2実施形態の回折光学素子20についても、第1実施形態と同様に、溝部11fと、溝部11gと、溝部11hとを形成することによる効果を確認するために、シミュレーションを行った。比較例は、第1実施形態と同様である。また、溝部の位置が異なる他は、第1実施形態の回折光学素子10の溝形状が矩形の場合と同様である。なお、第1実施形態における比較検討によって、溝部の形状自体は、効率に大きな影響を与えないことが分かっているので、第2実施形態では、溝形状が矩形の場合についてのみ、シミュレーションを行った。
図27は、比較例のシミュレーション結果と、溝部11f、11g、11hの溝形状が矩形の場合の本実施形態のシミュレーション結果をまとめて示した図である。
図28は、溝部11f、11g、11hの溝形状が25nm角(断面積が625nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。
図29は、溝部11f、11g、11hの溝形状が50nm角(断面積が2500nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。
図30は、溝部11f、11g、11hの溝形状が100nm角(断面積が10000nm)の矩形の場合の差分値を示したグラフである。
図28から図30を見て明らかなように、第2実施形態では、ピッチが比較的広い(大きい)領域において、溝部11f、11g、11hを設けることにより、1次回折光の効率を大幅に向上することができている。また、ピッチが比較的狭い(小さい)領域において、0次回折光及び-1次回折光を減少させることが可能となっている。また、これらの効果は、溝部の形状が大きい(断面積が大きい)ほど、より高い効果を得ることができている。
以上説明したように、第2実施形態の回折光学素子20には、レベル2段部11a-2と、レベル3段部11a-3と、レベル4段部11a-4とのそれぞれの、隅部及び角部から離れた位置に、低屈折率部14側から高屈折率部11側へ向けて凹んで形成された溝部11cと、溝部11dと、溝部11eとが設けられている。第2実施形態の回折光学素子20は、このような簡単な形状の溝部を設けるだけで、溝部を備えていない形態と比較して、特にピッチの大きい形状において、1次回折光の効率を高めることができ、また、ピッチの小さい形状において、0次回折光及び-1次回折光を減少させることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、溝部は、いずれも同じ形状及び同じ大きさで設けられている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、高さの異なる段部で大きさや形を変えるようにしてもよい。
(2)各実施形態において、回折光学素子は、高屈折率部のみで構成されている簡単な形態として示した。これに限らず例えば、高屈折率部を形成するための透明基材を設けてもよいし、回折層を被覆する被覆層を設けてもよい。
図31は、回折光学素子の変形形態として、透明基材を設けている例、及び、被覆層を設けている例を示す図である。
図31(a)では、透明基材61の上に、第1実施形態で示した回折光学素子10が形成されており、この全体が回折光学素子として構成されている。このように、透明基材61を設けることにより、樹脂賦型を利用した製造方法を用いることができ、製造を容易に行える。
図31(b)では、図31(a)の形態に加えて、被覆層62をそのまま積層した形態とし、この全体が回折光学素子として構成されている。このような形態とすることにより、被覆層62を設けたことにより、凸形状を保護することができる。
図31(c)では、図31(a)の形態に加えて、凹部にまで入り込む透明樹脂により被覆層63を形成し、この全体が回折光学素子として構成されている。この場合、被覆層63を形成する透明樹脂は、低屈折率部とするために、高屈折率部よりも屈折率の低い樹脂を用いる。このような形態とすることにより、凸形状をより効果的に保護することができる。
(3)各実施形態において、回折光学素子は、波長が500nmの光を回折するように設計されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、回折光学素子は、紫外光を回折するものであってもよいし、赤外光を回折するものであってもよく、さらに、可視光等、どのような波長の光を回折するものに本発明を適用してもよい。
なお、第1実施形態、第2実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
10 回折光学素子
11 高屈折率部
11a 凸部
11a-1 レベル1段部
11a-2 レベル2段部
11a-3 レベル3段部
11a-4 レベル4段部
11b 側壁部
11c,11d,11e 溝部
11f,11g,11h 溝部
12 凹部
13 空間
14 低屈折率部
15 回折層
20 回折光学素子
51 合成石英基板
52 ハードマスク
53 レジスト層
61 透明基材
62 被覆層
63 被覆層
100 回折光学素子(比較例)
200 スクリーン
201 光
202,204 照射領域
210 光源

Claims (6)

  1. 光を整形する回折光学素子であって、
    断面形状において複数の同じ形状の凸部が一定ピッチで周期的に並んで配置されている高屈折率部と、
    前記高屈折率部よりも屈折率が低く、少なくとも前記凸部の間に形成されている凹部を含む低屈折率部と、
    を有する回折層を備え、
    前記凸部は、その側面形状の一方側にのみ、前記高屈折率部側にある裏面から前記低屈折率部側の表面までの高さの異なる複数の段部を備えた階段状の多段階形状を有しており、
    前記多段階形状は、nを3以上の整数としてn段階の高低差が等しい階段形状となっており、
    前記段部の前記低屈折率部側の面上の高さが異なる前記段部の境界となる隅部のうち、前記階段形状の最も高い段部と最も低い段部との境界となる隅部を除く全てには、前記低屈折率部側から前記高屈折率部側へ向けて前記段部の表面が部分的に凹んで形成された溝部が設けられており、
    前記溝部の深さは、前記n段階の階段形状の等しい高低差の半分以下であり、
    前記凸部が同じ断面形状を維持したまま延在する方向に直交する断面における前記溝部1つの断面積は、10000nm以下である回折光学素子。
  2. 請求項1に記載の回折光学素子において、
    前記高屈折率部は、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化したものであること、
    を特徴とする回折光学素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の回折光学素子において、
    前記低屈折率部は、空気であること、
    を特徴とする回折光学素子。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回折光学素子において、
    透明基材と、前記回折層と、前記回折層を被覆する被覆層とが、この順番で積層されていること、
    を特徴とする回折光学素子。
  5. 光源と、
    前記光源が発光する光が通過する位置に少なくとも1つ配置された、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の回折光学素子と、
    を備える光照射装置。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の回折光学素子を製造する製造方法であって、
    前記段部を形成する段部形成工程と、
    前記段部を形成する段部形成工程の後に設けられた工程であって、前記溝部を形成する溝部形成工程と、
    を備える回折光学素子の製造方法。
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