JP2018035438A - Cu−Ni−Si系銅合金板材および製造法 - Google Patents

Cu−Ni−Si系銅合金板材および製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチング加工面の表面平滑性に優れる高強度Cu−Ni−Si系銅合金板材を提供する。
【解決手段】質量%で、Ni:1.0〜4.5%、Si:0.1〜1.2%、Mg:0〜0.3%、Cr:0〜0.2%、Co:0〜2.0%、P:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Mn:0〜0.2%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.2%、Al:0〜0.2%、Fe:0〜0.3%、Zn:0〜1.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有し、板面に平行な観察面において、長径1.0μm以上の粗大第二相粒子個数密度が4.0×103個/mm2以下であり、かつEBSDにより、結晶方位差15°以上の境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒内における、ステップサイズ0.5μmで測定したKAM値が3.20以上である銅合金板材。
【選択図】なし

Description

本発明は、幅の狭い高精度なピンをフォトエッチングにより形成するリードフレーム用の素材として好適な高強度Cu−Ni−Si系銅合金板材、およびその製造法に関する。本明細書でいう「Cu−Ni−Si系銅合金」には、Coを添加したタイプのCu−Ni−Si系銅合金も含まれる。
高精細なリードフレームを作製するためには、10μmオーダーの精密エッチングが必要とされる。そのような精密エッチングにより直線性の良いピンを形成するためには、できるだけ表面凹凸の少ない(表面平滑性の良好な)エッチング面が得られる素材であることが要求される。また、半導体パッケージの小型・薄肉化に対応するためには、リードフレームのピンにも細径化が要求される。ピンの細径化を実現するためにはリードフレーム用素材の高強度化が重要となる。さらに、寸法精度の高いリードフレームに加工するためには、素材である板材の形状が、加工前の段階で極めてフラットであることが有利となる。
リードフレーム用素材には、強度と導電性の特性バランスに優れた金属材料が選択される。そのような金属材料として、Cu−Ni−Si系銅合金(いわゆるコルソン合金)や、それにCoを添加したタイプの銅合金がある。これらの合金系では比較的高い導電率(35〜60%IACS)を維持しながら0.2%耐力800MPa以上の高強度に調整することができる。特許文献1〜7には、高強度Cu−Ni−Si系銅合金の強度や曲げ加工性の改善に関する種々の技術が開示されている。
これらの文献の技術によれば、強度、導電性、曲げ加工性の改善効果は認められる。しかし、上記のような高精細なリードフレームを高い寸法精度で製造するためには、エッチング面の表面平滑性の点で、満足できる結果は得られない。また、素材である板材の形状についても改善の余地がある。
特開2012−126934号公報 特開2012−211355号公報 特開2010−7174号公報 特開2011−38126号公報 特開2011−162848号公報 特開2012−126930号公報 特開2012−177153号公報
本発明は、Cu−Ni−Si系銅合金板材において、高強度であり、かつエッチング加工面の表面平滑性に優れるものを提供することを目的とする。さらに、切り板においても優れた平坦性が維持される板材を得ることを目的とする。
発明者らの研究によれば、以下のことがわかった。
(a)Cu−Ni−Si系銅合金板材においてエッチング面の表面平滑性を高めるためには、EBSD(電子線後方散乱回折法)により求まるKAM値が大きい組織状態とすることが極めて有効である。
(b)KAM値を高めるには、溶体化処理と時効処理の間で適度な冷間圧延ひずみを加えること、および最終的な低温焼鈍において、昇温速度が速くなりすぎないようにコントロールすることが極めて有効である。
(c)切り板とした場合にも優れた平坦性を有する板材を実現するためには、(i)時効処理後に行う仕上冷間圧延のワークロールを太径のものとし、その最終パスでの圧下率を制限すること、(ii)テンションレベラーで形状矯正する際、過大な加工が付与されないように伸び率を厳密にコントロールすること、(iii)最終的な低温焼鈍で板に付与される張力を一定範囲に厳しくコントロールするとともに、冷却速度が過大とならないように最大冷却速度を厳しく管理すること、が極めて有効である。
本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明では、質量%で、Ni:1.0〜4.5%、Si:0.1〜1.2%、Mg:0〜0.3%、Cr:0〜0.2%、Co:0〜2.0%、P:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Mn:0〜0.2%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.2%、Al:0〜0.2%、Fe:0〜0.3%、Zn:0〜1.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有し、板面(圧延面)に平行な観察面において、長径1.0μm以上の粗大第二相粒子個数密度が4.0×103個/mm2以下であり、かつEBSD(電子線後方散乱回折法)により、結晶方位差15°以上の境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒内における、ステップサイズ0.5μmで測定したKAM値が3.20以上である銅合金板材が提供される。
上記合金元素のうち、Mg、Cr、Co、P、B、Mn、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Znは任意添加元素である。「第二相」はマトリックス(金属素地)中に存在する化合物相である。主にNi2Si、あるいは、(Ni,Co)2Siを主体とする化合物相が挙げられる。ある第二相粒子の長径は、観察画像平面上でその粒子を取り囲む最小円の直径として定まる。粗大第二相粒子個数密度は以下のようにして求めることができる。
〔粗大第二相粒子個数密度の求め方〕
板面(圧延面)を電解研磨してCu素地のみを溶解させて、第二相粒子を露出させた観察面を調製し、その観察面をSEMにより観察し、SEM画像上に観測される長径1.0μm以上の第二相粒子の総個数を観察総面積(mm2)で除した値を粗大第二相粒子個数密度(個/mm2)とする。ただし、観察総面積は、無作為に設定した重複しない複数の観察視野により合計0.01mm2以上とする。観察視野から一部がはみ出している第二相粒子は、観察視野内に現れている部分の長径が1.0μm以上であればカウント対象とする。
KAM(Kernel Average Misorientation)値は以下のようにして求めることができる。
〔KAM値の求め方〕
板面(圧延面)をバフ研磨およびイオンミリングにより調製した観察面をFE−SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)により観察し、50μm×50μmの測定領域について、EBSD(電子線後方散乱回折法)により測定ピッチ0.5μmにて方位差15°以上の境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒内におけるKAM値を測定する。この測定を無作為に選んだ重複しない5箇所の測定領域について行い、各測定領域で得られたKAM値の平均値を、当該板材についてのKAM値として採用する。
上記各測定領域で定まるKAM値は、0.5μmピッチで配置された電子線照射スポットについて、隣接するスポット間の結晶方位差(以下これを「隣接スポット方位差」という。)をすべて測定し、15°未満である隣接スポット方位差の測定値のみを抽出して、それらの平均値を求めたものに相当する。すなわち、KAM値は結晶粒内の格子ひずみの量を表す指標であり、この値が大きいほど結晶格子のひずみが大きい材料であると評価することができる。
上記銅合金板材において、下記(A)に定義する板厚方向の平均結晶粒径が2.0μm以下であることが好ましい。
(A)圧延方向に垂直な断面(C断面)を観察したSEM画像上に、板厚方向の直線を無作為に引き、その直線によって切断される結晶粒の平均切断長を板厚方向の平均結晶粒径とする。ただし、直線によって切断される結晶粒の総数が100個以上となるように、1つまたは複数の観察視野中に、同一結晶粒を重複して切断しない複数の直線を無作為に設定する。
また、圧延直角方向の板幅をW0(mm)とするとき、下記(B)に定義する最大クロスボウqMAXが100μm以下であることが好ましい。
(B)当該銅合金板材から圧延方向長さが50mm、圧延直角方向長さが板幅W0(mm)である長方形の切り板Pを採取し、その切り板Pをさらに圧延直角方向50mmピッチで裁断し、その際、圧延直角方向長さが50mmに満たない小片が切り板Pの圧延直角方向端部に発生したときはその小片を除き、n個(nは板幅W0/50の整数部分)の50mm角の正方形サンプルを用意する。各正方形サンプルごとに、日本伸銅協会技術規格JCBA T320:2003に規定の三次元測定装置による測定方法(ただし、w=50mmとする)に従い、水平盤上に置いたときのクロスボウqを、両面(両側の板面)について圧延直角方向に測定し、各面のqの絶対値|q|の最大値を当該正方形サンプルのクロスボウqi(iは1〜n)とする。n個の正方形サンプルのクロスボウq1〜qnのうちの最大値を最大クロスボウqMAXとする。
また、下記(C)に定義するI−unitが5.0以下であるであることが好ましい。
(C)当該銅合金板材から圧延方向長さが400mmであり、圧延直角方向長さが板幅W0(mm)である長方形の切り板Qを採取し、水平盤上に置く。切り板Qを鉛直方向に見た投影表面(以下、単に「投影表面」という)の中に圧延方向長さ400mm、圧延直角方向長さW0の長方形領域Xを定め、その長方形領域Xをさらに圧延直角方向10mmピッチで短冊状領域に分割し、その際、圧延直角方向長さが10mmに満たない狭幅の短冊状領域が長方形領域Xの圧延直角方向端部に発生したときはその狭幅の短冊状領域を除き、隣接するn箇所(nは板幅W0/10の整数部分)の短冊状領域(長さ400mm、幅10mm)を設定する。各短冊状領域ごとに、幅中央部の表面高さを圧延方向長さ400mmにわたって測定し、最大高さhMAXと最小高さhMINの差hMAX−hMINの値を波高さhとし、下記(1)式により求まる伸び差率eを当該短冊状領域の伸び差率ei(iは1〜n)とする。n箇所の短冊状領域の伸び差率e1〜enのうちの最大値をI−unitとする。
e=(π/2×h/L)2 …(1)
ただし、Lは基準長さ400mm
板幅W0は50mm以上であることが必要である。150mm以上であるものがより好適な対象となる。板厚は例えば0.06〜0.30mmとすることができ、0.08mm以上、0.20mm以下としてもよい。
上記銅合金板材の特性として、圧延方向の0.2%耐力が800MPa以上、導電率が35%IACS以上であるものが好適な対象となる。
上記銅合金板材は、前記化学組成を有する中間製品板材に、850〜950℃で10〜50秒保持する熱処理を施す工程(溶体化処理工程)、
圧延率30〜90%の冷間圧延を施す工程(中間冷間圧延工程)、
400〜500℃で7〜15時間保持したのち、300℃までの最大冷却速度を50℃/h以下として冷却する工程(時効処理工程)、
直径65mm以上のワークロールを用いて圧延率30〜99%、最終パスの圧下率10%以下の冷間圧延を施す工程(仕上冷間圧延工程)、
テンションレベラーにより伸び率0.10〜1.50%の変形を生じさせる通板条件で連続繰り返し曲げ加工を施す工程(形状矯正工程)、
400〜550℃の範囲内の最高到達温度まで最大昇温速度150℃/s以下で昇温し、少なくとも最高到達温度では板の圧延方向に40〜70N/mm2の張力を付与し、その後、最大冷却速度100℃/s以下で常温まで冷却する熱処理を施す工程(低温焼鈍工程)、
を上記の順に有する製造法によって得ることができる。
ここで、溶体化処理に供する中間製品板材として、熱間圧延を終えた板材、あるいはその後に冷間圧延を受けて板厚を減じた板材を挙げることができる。
ある板厚t0(mm)からある板厚t1(mm)までの圧延率は、下記(2)式により求まる。
圧延率(%)=(t0−t1)/t0×100 …(2)
ある圧延パスにおける1パスでの圧延率を本明細書では特に「圧下率」と呼んでいる。
本発明によれば、Cu−Ni−Si系銅合金の板材において、エッチング加工面の表面平滑性に優れ、かつ、高強度および良好な導電性を具備するものが実現できた。この板材は、精密部品に加工した際の寸法精度に優れるので、QFNパッケージ用の多ピン化されたリードフレームなど、高精細なエッチングによって形成される部品の素材として極めて有用である。
〔化学組成〕
本発明では、Cu−Ni−Si系銅合金を採用する。以下、合金成分に関する「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
Niは、Ni−Si系析出物を形成する。添加元素としてCoを含有する場合はNi−Co−Si系析出物を形成する。これらの析出物は銅合金板材の強度と導電性を向上させる。Ni−Si系析出物はNi2Siを主体とする化合物、Ni−Co−Si系析出物は(Ni,Co)2Siを主体とする化合物であると考えられる。これらの化合物は本明細書でいう「第二相」に該当する。強度向上に有効な微細な析出物粒子を十分に分散させるためには、Ni含有量を1.0%以上とする必要があり、1.5%以上とすることがより好ましい。一方、Niが過剰であると粗大な析出物が生成しやすく、熱間圧延時に割れやすい。Ni含有量は4.5%以下に制限される。4.0%未満に管理してもよい。
Siは、Ni−Si系析出物を生成する。添加元素としてCoを含有する場合はNi−Co−Si系析出物を形成する。強度向上に有効な微細な析出物粒子を十分に分散させるためには、Si含有量を0.1%以上とする必要があり、0.4%以上とすることがより好ましい。一方、Siが過剰であると粗大な析出物が生成しやすく、熱間圧延時に割れやすい。Si含有量は1.2%以下に制限される。1.0%未満に管理してもよい。
Coは、Ni−Co−Si系の析出物を形成して、銅合金板材の強度と導電性を向上させるので、必要に応じて添加することができる。強度向上に有効な微細な析出物を十分に分散させるためには、Co含有量を0.1%以上とすることがより効果的である。ただし、Co含有量が多くなると粗大な析出物が生成しやすいので、Coを添加する場合は2.0%以下の範囲で行う。1.5%未満に管理してもよい。
その他の元素として、必要に応じてMg、Cr、P、B、Mn、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Zn等を含有させることができる。これらの元素の含有量範囲は、Mg:0〜0.3%、Cr:0〜0.2%、P:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Mn:0〜0.2%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.2%、Al:0〜0.2%、Fe:0〜0.3%、Zn:0〜1.0%とすることが好ましい。
Cr、P、B、Mn、Ti、Zr、Alは合金強度を更に高め、かつ応力緩和を小さくする作用を有する。Sn、Mgは耐応力緩和性の向上に有効である。Znは銅合金板材のはんだ付け性および鋳造性を改善する。Fe、Cr、Zr、Ti、Mnは不可避的不純物として存在するS、Pbなどと高融点化合物を形成しやすく、また、B、P、Zr、Tiは鋳造組織の微細化効果を有し、熱間加工性の改善に寄与しうる。
Mg、Cr、P、B、Mn、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Znの1種または2種以上を含有させる場合は、それらの合計含有量を0.01%以上とすることがより効果的である。ただし、多量に含有させると、熱間または冷間加工性に悪影響を与え、かつコスト的にも不利となる。これら任意添加元素の総量は1.0%以下とすることがより望ましい。
〔粗大第二相粒子個数密度〕
Cu−Ni−Si系銅合金では、Ni2Si、あるいは、(Ni,Co)2Siを主体とする第二相の微細析出を利用して高強度化を図る。本発明では更に、微細第二相粒子を分散させることで高いKAM値を実現し、エッチング面の表面平滑化を狙う。第二相粒子のうち粗大なものは強化やKAM値の上昇に寄与しない。Ni、Si、Co等の第二相形成元素が粗大な第二相の形成に多量に消費されると、微細第二相の析出量が不足して、高強度化とエッチング面の表面平滑化が不十分となる。種々検討の結果、上記の化学組成を有する時効処理済みの銅合金において、板面(圧延面)を電解研磨した観察面で、長径1.0μm以上の粗大第二相粒子個数密度が4.0×103個/mm2以下に抑えられていることが、高強度化とエッチング面の表面平滑化を達成するために必要である。粗大第二相粒子個数密度は、溶体化処理条件、時効処理条件、仕上冷間圧延条件によってコントロールすることができる。
〔KAM値〕
発明者らは、銅合金板材のKAM値が、エッチング面の表面平滑性に影響を及ぼすことを発見した。そのメカニズムについては現時点で未解明であるが、以下のように推察している。すなわち、KAM値は結晶粒内の転位密度と相関のあるパラメータである。KAM値が大きい場合には結晶粒内の平均的な転位密度が高く、しかも、転位密度の場所的なバラツキが小さいと考えられる。一方、エッチングに関しては、転位密度の高いところが優先的にエッチング(腐食)されると考えられる。KAM値が高い材料では、材料内の全体が均一的に転位密度の高い状態となっているので、エッチングによる腐食が迅速に進行し、かつ局所的な腐食の進行が生じにくい。そのような腐食の進行形態が、凹凸の少ないエッチング面の形成に有利に作用するのではないかと推察される。その結果、リードフレームのピンを形成する際には、直線性の良い高精細なピンを得ることが可能となる。
詳細な検討の結果、EBSD(電子線後方散乱回折法)により、結晶方位差15°以上の境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒内における、ステップサイズ0.5μmで測定したKAM値(上述)が3.00より大きいときに、エッチング面の表面平滑性が顕著に改善されることがわかった。当該KAM値が3.20以上であることがより好ましい。KAM値の上限については特に規定しないが、例えば5.0以下のKAM値に調整すればよい。KAM値は、化学組成、溶体化処理条件、中間冷間圧延条件、仕上冷間圧延条件、低温焼鈍条件によってコントロールすることができる。
〔平均結晶粒径〕
圧延方向に垂直な断面(C断面)における平均結晶粒径が小さいことも、凹凸の少ないエッチング面の形成に有利となる。検討の結果、上述(A)で定義されるC断面の平均結晶粒径が2.0μm以下であることが好ましい。過度に微細化する必要はない。例えば上記の平均結晶粒径が0.10μm以上、あるいは0.50μm以上の範囲で調整すればよい。当該平均結晶粒径は、主として溶体化処理条件によってコントロールすることができる。
〔板材の形状〕
Cu−Ni−Si系銅合金板材の形状、すなわち平坦性は、それを加工して得られる精密通電部品の形状(寸法精度)に大きく影響する。種々検討の結果、板材を実際に小片に切断したときに顕在化する圧延直角方向の湾曲(反り)が非常に小さいことが、部品の寸法精度を安定して向上させるために極めて重要である。具体的には前記(B)に定義する最大クロスボウqMAXが100μm以下であるCu−Ni−Si系銅合金板材は、圧延直角方向の板幅W0のどの部分に由来する部品においても、精密通電部品としての寸法精度を安定して高く保つことができる加工性を具備している。最大クロスボウqMAXが50μm以下であることがより好ましい。さらに前記(C)に定義するI−unitが2.0以下であることが好ましく、1.0以下であることが一層好ましい。
〔強度・導電性〕
Cu−Ni−Si系銅合金板材をリードフレーム等の通電部品の素材に用いるためには、圧延平行方向(LD)の0.2%耐力が800MPa以上の強度レベルが望まれる。一方、通電部品の薄肉化のためには、導電性が良好であることも重要な要件となる。具体的には、導電率35%IACS以上であることが望ましく、40%IACS以上であることがより好ましい。
〔製造方法〕
以上説明した銅合金板材は、例えば以下のような製造工程により作ることができる。
溶解・鋳造→熱間圧延→(冷間圧延)→溶体化処理→中間冷間圧延→時効処理→仕上冷間圧延→形状矯正→低温焼鈍
なお、上記工程中には記載していないが、熱間圧延後には必要に応じて面削が行われ、各熱処理後には必要に応じて酸洗、研磨、あるいは更に脱脂が行われる。以下、各工程について説明する。
〔溶解・鋳造〕
連続鋳造、半連続鋳造等により鋳片を製造すればよい。Siなどの酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気または真空溶解炉で行うのがよい。
〔熱間圧延〕
熱間圧延は通常の手法に従えばよい。熱間圧延前の鋳片加熱は例えば900〜1000℃で1〜5hとすることができる。トータルの熱間圧延率は例えば70〜97%とすればよい。最終パスの圧延温度は700℃以上とすることが好ましい。熱間圧延終了後には、水冷などにより急冷することが好ましい。
次工程の溶体化処理の前には、必要に応じて板厚調整のために冷間圧延を施すことができる。
〔溶体化処理〕
溶体化処理は第二相を十分に固溶させることが主目的であるが、本発明では最終製品における板厚方向の平均結晶粒径を調整するためにも重要な工程である。溶体化処理条件は、加熱温度(材料の最高到達温度)を850〜950℃、その温度域での保持時間(材料温度がその温度域にある時間)を10〜50秒とする。加熱温度が低すぎる場合や、保持時間が短すぎる場合は、溶体化が不十分となって最終的に満足できる高強度が得られない。加熱温度が高すぎる場合や、保持時間が長すぎる場合は、最終的に高いKAM値が得られない。結晶粒も粗大化しやすい。冷却速度は、一般的な連続焼鈍ラインで実現できる程度の急冷とすればよい。例えば、530℃から300℃までの平均冷却速度を100℃/s以上とすることが望ましい。
〔中間冷間圧延〕
時効処理前の冷間圧延により、板厚の減少およびひずみエネルギー(転位)の導入を図る。この段階での冷間圧延を本明細書では「中間冷間圧延」と呼んでいる。ひずみエネルギーが導入された状態の板材に対して、時効処理を施すことが、最終製品でのKAM値を高めるために有効であることがわかった。その効果を十分に発揮させるために、中間冷間圧延での圧延率を30%以上とすることが好ましく、35%以上とすることがより好ましい。ただし、この段階で板厚を過度に減じると、後述の仕上冷間圧延で必要な圧延率を確保することが難しくなる場合がある。そのため、中間冷間圧延での圧延率は90%以下の範囲で設定することが好ましく、75%以下に管理してもよい。
〔時効処理〕
次いで時効処理を行い、強度に寄与する微細な析出物粒子を析出させる。この析出は、前述の中間冷間圧延によるひずみが導入されている状態で進行する。冷間圧延ひずみが導入された状態で析出を生じさせると、最終的なKAM値を高めるために効果的である。そのメカニズムについては必ずしも明確ではないが、ひずみエネルギーを利用して析出を促進させると、微細析出物がより均一に生成するためではないかと推察される。合金組成に応じて時効で硬さがピークになる温度、時間を予め調整して条件を決めるのが好ましい。ただし、ここでは時効処理の加熱温度を500℃以下に制限する。それより高温になると過時効となりやすく、所定の高強度に安定して調整することが難しくなる。一方、加熱温度が400℃より低い場合は析出が不十分となって、強度不足や導電性低下を招く要因となる。400〜500℃での保持時間は7〜15時間の範囲で設定することができる。
時効処理の冷却過程では、300℃までの最大冷却速度を50℃/h以下として冷却することが重要である。すなわち、上記加熱後に、少なくとも300℃に降温するまでは、50℃/hを超える冷却速度とならないようにする。この冷却中には、降温に伴って徐々に溶解度を減じていく第二相が更に析出する。冷却速度を50℃/h以下に遅くすることによって、高強度化に有効な微細な第二相粒子を多く形成させることができる。300℃までの冷却速度が50℃/hより大きいと、その温度域で析出する第二相は粗大な粒子を形成しやすくなることがわかった。300℃より低温の領域では強度に寄与する析出は生じにくいので、300℃以上の温度域の最大冷却速度を規制すれば十分である。300℃までの最大冷却速度が過剰に遅くすることは生産性の低下につながる。通常、300℃までの最大冷却速度は10℃/h以上の範囲で設定すればよい。
〔仕上冷間圧延〕
時効処理後に行う最終的な冷間圧延を本明細書では「仕上冷間圧延」と呼んでいる。仕上冷間圧延は強度レベル(特に0.2%耐力)およびKAM値の向上に有効である。仕上冷間圧延率は20%以上とすることが効果的であり25%以上とすることがより効果的である。仕上冷間圧延率が過大になると低温焼鈍時に強度が低下しやすいので85%以下の圧延率とすることが好ましく、80%以下の範囲に管理してもよい。最終的な板厚としては、例えば0.06〜0.30mm程度の範囲で設定することができる。
通常、冷間圧延での圧下率を増大させるためには径の小さいワークロールを使用することが有利である。しかし、板形状の平坦性を向上させるためには、直径65mm以上の大径ワークロールを使用することが極めて有効である。それより小径のワークロールではロールベンディングの影響によって板形状の平坦性が悪化しやすい。一方、ワークロール径が過大であると板厚が薄くなるに従って圧下率を十分に確保するために必要なミルパワーが増大し、所定の板厚に仕上げるうえで不利となる。冷間圧延機のミルパワーおよび目標板厚に応じて、使用する大径ワークロール設定上限を定めることができる。例えば、仕上冷間圧延率を30%以上として上記板厚範囲の板材を得る場合、直径100mm以下のワークロールを使用することが好ましく、85mm以下のものを使用することがより効率的である。
また、板形状の平坦性を向上させるために、仕上冷間圧延の最終パスにおける圧下率を15%以下とすることが極めて有効である。10%以下とすることがより好ましい。ただし、最終パスでの圧下率が低すぎると生産性の低下に繋がるので、2%以上の圧下率を確保することが望ましい。
〔形状矯正〕
仕上冷間圧延を終えた板材に対して、最終的な低温焼鈍を施す前に、テンションレベラーによる形状矯正を施しておく。テンションレベラーは圧延方向に張力を付与しながら板材を複数の形状矯正ロールによって曲げ伸ばす装置である。本発明では板形状の平坦性を改善するために、テンションレベラーに通板することにより板材に付与される変形を厳しく制限する。具体的には、テンションレベラーにより伸び率0.1〜1.5%の変形を生じさせる通板条件で連続繰り返し曲げ加工を施す。伸び率が0.1%未満だと形状矯正効果が不十分となり所望の平坦性を達成することが難しい。逆に伸び率が1.5%を超える場合は形状矯正によって生じた塑性変形の影響により所望の平坦性が得られない。伸び率1.2%以下の範囲で形状矯正を行うことがより好ましい。
〔低温焼鈍〕
仕上冷間圧延後には、通常、板条材の残留応力の低減や曲げ加工性の向上、空孔やすべり面上の転位の低減による耐応力緩和性向上を目的として低温焼鈍が施される。本発明では、KAM値向上効果と形状矯正効果を得るためにもこの低温焼鈍を利用する。それらの効果を十分に得るために、最終的な熱処理である低温焼鈍の条件を厳しく制限する必要がある。
第1に、低温焼鈍の加熱温度(最高到達温度)を400〜500℃とする。この温度域では転位の再配列が起こり、溶質原子がコットレル雰囲気を形成して、結晶格子にひずみ場を形成する。この格子ひずみがKAM値の向上させる要因になると考えられる。通常の低温焼鈍でよく利用される250〜375℃の低温焼鈍では、後述の張力付与によって形状矯正効果は得られるものの、これまでの検討ではKAM値の顕著な向上効果は認められていない。一方、加熱温度が500℃を超えると軟化により強度、KAM値とも低下するようになる。400〜500℃での保持時間は5〜600秒の範囲で設定すればよい。
第2に、少なくとも材料温度が400〜500℃の間に設定した最高到達温度にあるときには、板の圧延方向に40〜70N/mm2の張力が付与されるようにする。張力が低すぎると特に高強度材では形状矯正効果が不足し、高い平坦性を安定して実現することが難しくなる。張力が高すぎると張力に対して板面直角方向(圧延直角方向)のひずみ量分布が不均一となりやすく、この場合も高い平坦性を得ることが難しい。前記張力が付与される時間は1秒以上を確保することが望ましい。材料温度が400〜500℃の範囲にある全時間にわたって前記張力を付与し続けても構わない。
第3に、上記の最高到達温度まで最大昇温速度150℃/s以下で昇温する。すなわち、昇温過程で150℃/sを超える昇温速度とならないように最高到達温度まで昇温させる。昇温速度がこれより大きくなると、昇温過程で転位の消滅が起こりやすくなり、KAM値が低下することがわかった。100℃/s以下とすることがより効果的である。ただし、昇温速度を過度に遅くすると生産性が低下する。最高到達温度まで最大昇温速度は例えば20℃/s以上の範囲で設定することが好ましい。
第4に、最大冷却速度100℃/s以下で常温まで冷却する。すなわち、上記加熱後に100℃/sを超える冷却速度とならないように常温(5〜35℃)まで降温させる。最大冷却速度が100℃/sを超えると、冷却時の通板方向に対して板面直角方向(圧延直角方向)の温度分布が不均一になり、十分な平坦性が得られない。ただし、冷却速度を過度に遅くすると生産性が低下する。当該最大冷却速度は10℃/s以上の範囲で設定すればよい。
表1に示す化学組成の銅合金を溶製し、縦型半連続鋳造機を用いて鋳造した。得られた鋳片を1000℃で3時間加熱したのち抽出して、厚さ14mmまで熱間圧延を施し、水冷した。トータルの熱間圧延率は90〜95%である。熱間圧延後、表層の酸化層を機械研磨により除去(面削)し、80〜98%の冷間圧延を施して溶体化処理に供するための中間製品板材とした。各中間製品板材に表2、表3に示す条件で溶体化処理、中間冷間圧延、時効処理、仕上冷間圧延、テンションレベラーによる形状矯正、および低温焼鈍を施した。一部の比較例(No.34)では、熱間圧延後に面削した板材に90%の冷間圧延を施し、それを中間製品板材として溶体化処理に供し、中間冷間圧延は省略した。低温焼鈍後の板材をスリッターでスリット加工して板厚0.10〜0.15mm、圧延直角方向の板幅W0が510mmの板材製品(供試材)を得た。
表2、表3において、溶体化処理の温度は最高到達温度を表示した。溶体化処理の時間は材料温度が850℃以上最高到達温度以下の範囲にある時間を示した。ただし、最高到達温度が850℃未満であった例については最高到達温度での保持時間を示した。時効処理の冷却過程では炉温を一定の冷却速度で降温させた。表2、表3に示した時効処理の最大冷却速度は、加熱温度(表2、表3に記載の最高到達温度)から300℃までの、上記の「一定の冷却速度」に相当する。
低温焼鈍はカテナリー炉を連続通板したのち、空冷する方法で行った。表2、表3に示した低温焼鈍の温度は最高到達温度である。炉内を通板中の板材に、表2、表3に記載の圧延方向の張力が付与されるようにした。張力は、炉内を通板中の材料のカテナリー曲線(炉内通板方向両端部および中央部の板の高さ位置、並びに炉内長)から算出できる。材料温度が400℃以上最高到達温度以下の範囲にある時間(最高到達温度が400℃未満の例では材料温度が概ね最高到達温度に保持される時間)は10〜90秒であった。少なくともこの時間中は、前記の張力が板に負荷される。昇温中および冷却中の板表面の温度を通板方向の種々の位置で測定することにより、横軸に時間、縦軸に温度をとった昇温曲線および冷却曲線を求めた。1つの供試材においては通板中の板の全長にわたって同じ条件でそれぞれ昇温および冷却を行っているので、この昇温曲線および冷却曲線の最大勾配をそれぞれ当該供試材の最大昇温速度および最大冷却速度として採用した。昇温速度および冷却速度は、昇温ゾーンおよび冷却ゾーンの雰囲気ガス温度、ファン回転数などを調整することによってコントロールした。
Figure 2018035438
Figure 2018035438
Figure 2018035438
各供試材について以下の調査を行った。
〔粗大第二相粒子の個数密度〕
前掲の「粗大第二相粒子個数密度の求め方」に従い、板面(圧延面)を電解研磨した観察面をSEMにより観察し、長径1.0μm以上の第二相粒子の個数密度を求めた。観察面調製のための電解研磨液として蒸留水、リン酸、エタノール、2−プロパノールを2:1:1:1で混合した液を使用した。電解研磨は、BUEHLER社製の電解研磨装置(ELECTROPOLISHER POWER SUPPLUY、ELECTROPOLISHER CELL MODULE)を用いて、電圧15V、時間20sの条件で行った。
〔KAM値〕
前掲の「KAM値の求め方」に従い、圧延面からの除去深さが板厚の1/10である観察面について、EBSD分析システムを備えるFE−SEM(日本電子株式会社製;JSM−7001)を用いて測定した。電子線照射の加速電圧は15kV、照射電流は5×10-8Aとした。EBSD解析ソフトウエアはTSLソリューションズ社製;OIM Analysisを使用した。
〔板厚方向の平均結晶粒径〕
圧延方向に垂直な断面(C断面)をエッチングして結晶粒界を現出させた観察面をSEMで観察し、前記(A)に定義される板厚方向の平均結晶粒径を求めた。
〔導電率〕
JIS H0505に従って各供試材の導電率を測定した。リードフレーム用途を考慮して、35%IACS以上のものを合格(導電性;良好)と判定した。
〔圧延方向の0.2%耐力〕
各供試材から圧延方向(LD)の引張試験片(JIS 5号)を採取し、試験数n=3でJIS Z2241に準拠した引張試験行い、0.2%耐力を測定した。n=3の平均値を当該供試材の成績値とした。リードフレーム用途を考慮し、0.2%耐力が800Pa以上のものを合格(高強度特性;良好)と判定した。
〔エッチング面の表面粗さ〕
エッチング液として、塩化第二鉄42ボーメを用意した。供試材の片側表面を板厚が半減するまでエッチングした。得られたエッチング面について、レーザー式表面粗さ計にて圧延直角方向の表面粗さを測定し、JIS B0601:2013に従う算術平均粗さRaを求めた。このエッチング試験によるRaが0.15μm以下であれば、従来のCu−Ni−Si系銅合金板材と比べ、エッチング面の表面平滑性は顕著に改善されていると評価できる。すなわち、高精細なリードフレームの作製において、直線性の良いピンを精度良く形成することができるエッチング性を有している。従って、上記Raが0.15μm以下のものを合格(エッチング性;良好)と判定した。
〔I−unit〕
各供試材から圧延方向長さが400mm、圧延直角方向長さが板幅W0(mm)である長方形の切り板Qを採取し、上述(C)に定義されるI−unitを求めた。
〔最大クロスボウqMAX
各供試材について上述(B)に定義される最大クロスボウqMAXを求めた。
上記I−unitが5.0以下、かつ最大クロスボウqMAXが100μm以下であるものを、板形状に関し合格と判定した。
これらの結果を表4に示す。
Figure 2018035438
化学組成および製造条件を上述の規定に従って厳密にコントロールした本発明例のものはいずれも、高いKAM値が得られ、板厚方向の結晶粒径も微細化していた。その結果、エッチング面の表面平滑性に優れた。また、粗大第二相粒子の個数密度も低く抑えられ、導電性および強度も良好であった。さらに、板形状についても良好であった。
これに対し、比較例No.31は仕上冷間圧延を省略したので、KAM値が低く、板厚方向の結晶粒径が大きかった。その結果、エッチング面の表面平滑性に劣った。No.32は溶体化処理温度が高いので、KAM値が低く、板厚方向の結晶粒径が大きかった。その結果、エッチング面の表面平滑性に劣った。No.33は溶体化処理温度が低いので粗大第二相粒子が多くなり、強度に劣った。またテンションレベラーでの伸び率が不十分であったので板形状にも劣った。No.34は中間冷間圧延を省略したのでKAM値が低くなり、エッチング面の表面平滑性に劣った。No.35は時効処理温度が低いので粗大第二相粒子が多くなり、強度および導電性に劣った。No.36は時効処理温度が高いので粗大第二相粒子が多くなり、強度が低かった。また低温焼鈍での張力が低いので板形状に劣った。No.37はNi含有量が高いので導電性が低く、またKAM値が低くなってエッチング面の表面平滑性に劣った。No.38はNi含有量が低いことに起因して粗大第二相粒子が多く、強度が低かった。No.39はSi含有量が高いので導電性に劣り、またKAM値が低くなってエッチング面の表面平滑性に劣った。No.40はSi含有量が低いことに起因して粗大第二相粒子が多く、強度が低かった。No.41は時効処理時間が短いので粗大第二相粒子が多くなり、強度および導電性に劣った。また低温焼鈍での最大冷却速度が大きいので板形状に劣った。No.42は時効処理時間が長いので粗大第二相粒子が多くなり、強度が低かった。また仕上冷間圧延での最終パスの圧下率が高いので板形状に劣った。No.43は時効処理での最大冷却速度が大きいので粗大第二相粒子が多くなり、強度および導電性に劣った。また仕上冷間圧延で使用したワークロールの直径が小さいので板形状に劣った。No.44は低温焼鈍での最大昇温速度が大きく、また低温焼鈍の加熱温度が低いのでKAM値が低くなり、エッチング面の表面平滑性に劣った。さらに低温焼鈍の加熱温度が低いので板形状にも劣った。No.45は溶体化処理の時間が短いので粗大第二相粒子が多くなり、強度が低かった。またテンションレベラーでの伸び率が高いので板形状に劣った。No.46は溶体化処理の時間が長いのでKAM値が低く、板厚方向の結晶粒径が大きかった。その結果、エッチング面の表面平滑性に劣った。また低温焼鈍での張力が高いので板形状に劣った。No.47は中間冷間圧延を省略したのでKAM値が低くなり、エッチング面の表面平滑性に劣った。

Claims (6)

  1. 質量%で、Ni:1.0〜4.5%、Si:0.1〜1.2%、Mg:0〜0.3%、Cr:0〜0.2%、Co:0〜2.0%、P:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Mn:0〜0.2%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.2%、Al:0〜0.2%、Fe:0〜0.3%、Zn:0〜1.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有し、板面(圧延面)に平行な観察面において、長径1.0μm以上の粗大第二相粒子個数密度が4.0×103個/mm2以下であり、かつEBSD(電子線後方散乱回折法)により、結晶方位差15°以上の境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒内における、ステップサイズ0.5μmで測定したKAM値が3.20以上である銅合金板材。
  2. 下記(A)に定義する板厚方向の平均結晶粒径が2.0μm以下である、請求項1に記載の銅合金板材。
    (A)圧延方向に垂直な断面(C断面)を観察したSEM画像上に、板厚方向の直線を無作為に引き、その直線によって切断される結晶粒の平均切断長を板厚方向の平均結晶粒径とする。ただし、直線によって切断される結晶粒の総数が100個以上となるように、1つまたは複数の観察視野中に、同一結晶粒を重複して切断しない複数の直線を無作為に設定する。
  3. 圧延方向の0.2%耐力が800MPa以上、導電率が35%IACS以上である請求項1または2に記載の銅合金板材。
  4. 板厚が0.06〜0.30mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金板材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリードフレーム用銅合金板材。
  6. 質量%で、Ni:1.0〜4.5%、Si:0.1〜1.2%、Mg:0〜0.3%、Cr:0〜0.2%、Co:0〜2.0%、P:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Mn:0〜0.2%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.5%、Zr:0〜0.2%、Al:0〜0.2%、Fe:0〜0.3%、Zn:0〜1.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる化学組成を有する中間製品板材に、850〜950℃で10〜50秒保持する熱処理を施す工程(溶体化処理工程)、
    圧延率30〜90%の冷間圧延を施す工程(中間冷間圧延工程)、
    400〜500℃で7〜15時間保持したのち、300℃までの最大冷却速度を50℃/h以下として冷却する工程(時効処理工程)、
    直径65mm以上のワークロールを用いて圧延率30〜99%、最終パスの圧下率10%以下の冷間圧延を施す工程(仕上冷間圧延工程)、
    テンションレベラーにより伸び率0.10〜1.50%の変形を生じさせる通板条件で連続繰り返し曲げ加工を施す工程(形状矯正工程)、
    400〜550℃の範囲内の最高到達温度まで最大昇温速度150℃/s以下で昇温し、少なくとも最高到達温度では板の圧延方向に40〜70N/mm2の張力を付与し、その後、最大冷却速度100℃/s以下で常温まで冷却する熱処理を施す工程(低温焼鈍工程)、
    を上記の順に有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅合金板材の製造法。
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