以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本実施の形態におけるオープン型のショーケース1は、商品が陳列される陳列室2に冷気を供給するように構成されている。図1および図2に示すように、オープン型のショーケース1(以下、単にショーケース1と記す)は、陳列室2の下方に設けられた基台3と、陳列室2の後方に設けられ、基台3から起立した後壁4と、陳列室2の上方に設けられた天井部5と、陳列室2の前方から見た場合の左右方向両側に設けられた一対の側壁6と、を備えている。このうち基台3は、陳列室底板7を有している。これらの基台3、後壁4、天井部5および一対の側壁6によって、陳列室2が画定されている。
図2に示すように、基台3は、陳列室2から基台3の内部に空気を吸引する吸引口8を有している。基台3の内部には、吸引口8によって吸引された空気を冷却して陳列室2に冷気を供給する冷気供給部9が設けられている。この冷気供給部9は、ファン10と冷却器11とを有しており、ファン10によって吸引口8から吸引された空気が冷却器11に送られ、冷却器11によって空気が冷却されて冷気となる。冷気は、冷却器11から後述するダクト等を介して陳列室2に供給され、冷気(空気)が循環するようになっている。
陳列室2には、複数の陳列棚20が設けられている。複数の陳列棚20は、互いに異なる高さ位置に配置されている。各陳列棚20は、棚取付用後壁12(図4参照)に取り付けられていて、後壁4および棚取付用後壁12から前方に延びている。棚取付用後壁12は、前方から見たときに後壁4の両側に設けられており、後壁4と一対の側壁6との間に配置されている。後壁4と棚取付用後壁12とは、これらの間に隙間が形成されないように互いに接触していてもよく、あるいは、これらの間に微小な隙間が形成されていてもよい。
本実施の形態では、陳列棚20は、棚取付用後壁12に着脱可能に取り付けられている。より具体的には、図4に示すように、棚取付用後壁12に、陳列棚20を取付可能な複数の棚取付部30A〜30Eが設けられている。複数の棚取付部30A〜30Eは、互いに異なる高さ位置に配置されている。本実施の形態では、異なる高さ位置に5つの棚取付部30A〜30Eが設けられており、上から順に、棚取付部30A、棚取付部30B、棚取付部30C、棚取付部30Dおよび棚取付部30Eが設けられている。図2に示す形態では、このうちの3つの棚取付部(より詳細には、最上位の棚取付部30Aと、真ん中の棚取付部30Cと、最下位の棚取付部30E)に、陳列棚20がそれぞれ取り付けられている。別の形態として、図3に示す形態では、5つの棚取付部30A〜30Eのうちの2つの棚取付部(より詳細には、2番目に高い位置の棚取付部30Bと、2番目に低い位置の棚取付部30D)に、陳列棚20がそれぞれ取り付けられている。このように、陳列棚20が棚取付用後壁12に対して着脱可能であることにより、陳列棚20の取り付け高さを変えて陳列棚20上の陳列スペースを変えることができ、陳列棚20に陳列する商品の大きさに柔軟に対応可能なショーケース1を得ることができる。なお、棚取付用後壁12に設けられる棚取付部の個数は、5つであることに限られることはなく、任意である。
陳列棚20を着脱可能に取り付ける構成について、図4乃至図6を用いてより詳細に説明する。各棚取付部30A〜30Eは、4つの棚取付孔30aを含んでいる。棚取付孔30aは、互いに異なる高さ位置に2箇所形成されるとともに、前方から見たときに、対応する陳列棚20の両側に形成されている。
一方、図5に示すように、陳列棚20は、棚本体21と、棚本体21の後部に設けられた4つの棚被取付部22と、を有している。4つの棚被取付部22は、4つの棚取付孔30aのいずれかに対応する位置に配置されている。図5では、図面を明瞭にするために、片側の2つの棚被取付部22が示されている。また、図5では、代表的に、棚取付部30Eに陳列棚20を取り付ける例を示している(後述する図6も同様)。
図6に示すように、棚被取付部22は、棚本体21から後方に突出する棚突出部22aと、棚突出部22aに設けられた棚スリット部22bと、を含んでいる。このうち棚突出部22aは、対応する棚取付孔30aに挿入可能になっている。棚スリット部22bは、上下方向に延びて下方に開口している。一方、棚取付部30Eは、棚取付孔30aの下方に設けられた、棚スリット部22bに挿入される棚支持部30bを含んでいる。この棚支持部30bが、棚スリット部22bに挿入されて棚突出部22aに当接することで、陳列棚20が棚取付用後壁12に取り付けられて支持される。この際、陳列棚20の前後方向移動は、棚スリット部22bに挿入された棚支持部30bによって規制され、陳列棚20が前後方向に移動することを抑制している。また、陳列棚20の側方移動(前方から見た場合の左右方向移動)は、棚取付孔30aによって規制され、陳列棚20が側方に移動することを抑制している。ここで、規制とは、所定の方向へ全く移動させないことを意味することに限られることはなく、ある程度の移動は許容しながらも実質的には移動させないことを含むものとして用いている。このようにして、陳列棚20は、ビスやボルトなどの締結部材を用いることなく、棚取付用後壁12に着脱可能に取り付けられている。
図2に示すように、陳列棚20は、棚本体21に設けられた、冷気供給部9から供給された冷気を陳列室2に放出する棚冷気放出部23と、棚本体21の内部に設けられた棚ダクト24と、を更に有している。このうち棚ダクト24は、棚取付用後壁12に設けられた対応する後壁開口部(31A〜31Eのいずれか、後述)を介して供給される冷気を、棚冷気放出部23に供給する。このようにして、後壁開口部を通過した冷気が、棚ダクト24を通過して棚冷気放出部23にスムースに達し、陳列室2に放出される。棚ダクト24を通過する冷気は、前方に向かって流れるが、棚冷気放出部23において、斜め下方に流れの向きを変え、当該陳列棚20の下方の空間に向かって斜め下方に放出される。
棚冷気放出部23よりも前方には、棚照明装置25が設けられている。棚照明装置25は、当該陳列棚20の下方に配置された商品を照明するためのものである。この棚照明装置25の前方には、カード差し部26が設けられている。棚照明装置25およびカード差し部26は、棚本体21に取り付けられている。カード差し部26は、商品の値札などが挿入可能に構成されている。
図5に示すように、陳列棚20は、棚取付部(30A〜30Eのいずれか)に取り付けられた場合に、当該棚取付部に対応する開閉部材(後述)を押圧して、対応する後壁開口部(後述)を開放する押圧部27を有している。押圧部27についての詳細は、後述する。
図4に示すように、後壁4には、上述した5つの棚取付部30A〜30Eに対応して設けられた複数の後壁開口部31A〜31Eが設けられている。各後壁開口部31A〜31Eは、冷気供給部9から陳列棚20の棚冷気放出部23に向かう冷気が通過可能に構成されている。複数の後壁開口部31A〜31Eは、互いに異なる高さ位置に配置されており、より具体的には、各後壁開口部31A〜31Eは、対応する棚取付部30A〜30Eと同様の高さ位置に配置されている。すなわち、棚取付部30Aと同様の高さ位置に後壁開口部31Aが設けられ、棚取付部30Bと同様の高さ位置に後壁開口部31Bが設けられている。棚取付部30Cと同様の高さ位置に後壁開口部31Cが設けられ、棚取付部30Dと同様の高さ位置に後壁開口部31Dが設けられ、棚取付部30Eと同様の高さ位置に後壁開口部31Eが設けられている。各後壁開口部31A〜31Eは、対応する棚取付部30A〜30Eに陳列棚20が取り付けられた場合に、当該陳列棚20の棚ダクト24に連通するようになっている。
後壁開口部31A〜31Eは、対応する棚取付部30A〜30Eに陳列棚20が取り付けられた場合に、冷気供給部9から当該陳列棚20の棚冷気放出部23に向かう冷気が通過可能になっている。この場合、冷気供給部9からの冷気が、後壁開口部31A〜31Eおよび棚ダクト24を通過して棚冷気放出部23に流れる。本実施の形態においては、後壁開口部31A〜31Eに開閉部材70A〜70E(図2参照、後述)が設けられており、この開閉部材70A〜70Eが、対応する後壁開口部31A〜31Eを開閉可能に構成されている。陳列棚20が対応する棚取付部(30A〜30Eのいずれか)に取り付けられた場合に、当該棚取付部に対応する後壁開口部(31A〜31Eのいずれか)が開放される。この場合、冷気供給部9からの冷気が、当該後壁開口部および棚ダクト24を介して、陳列棚20の棚冷気放出部23に供給される。
図7に示すように、後壁4よりも上方に天井側後壁13が設けられている。この天井側後壁13は、後壁4と天井部5との間に配置されている。天井側後壁13は、最上位の陳列棚20(天井部5に対向する陳列棚20)よりも上方に設けられた、第1後壁冷気放出部32と、第1後壁冷気放出部32よりも下方に設けられた第2後壁冷気放出部33と、を有している。第1後壁冷気放出部32および第2後壁冷気放出部33は、冷気供給部9から供給された冷気を、陳列室2(より詳細には、天井部5と最上位の陳列棚20との間の空間)に放出する。第1後壁冷気放出部32および第2後壁冷気放出部33は、天井部5と最上位の陳列棚20との間の高さ位置に配置され、第2後壁冷気放出部33は、第1後壁冷気放出部32よりも下方に配置されている。第2後壁冷気放出部33は、後壁4と天井側後壁13との間に形成されている。
図7に示すように、天井部5は、天板40と、天板40よりも下方に設けられた天井ダクト41と、最上位の陳列棚20を照明する第1天井照明装置42と、冷気供給部9から供給された冷気を陳列室2に放出する天井冷気放出部43と、を有している。このうち第1天井照明装置42は、天井ダクト41よりも下方に配置されている。天井冷気放出部43は、第1天井照明装置42よりも前方に配置されている。また、天井冷気放出部43は、天井ダクト41に連通し、天井ダクト41を通過した冷気を放出するように構成されている。
天板40は、透明性を有する部分を含んでいる。すなわち、天板40は、天井冷気放出部43よりも上方に設けられており、天板40のうち、少なくとも天井冷気放出部43よりも前方の部分は、透明性を有しており、消費者が最上位の陳列棚20に陳列された商品を天板40越しに視認可能になっている。天板40には、第2天井照明装置44が設けられている。第2天井照明装置44は、天井冷気放出部43よりも前方に配置されており、最上位の陳列棚20の前端部を照明可能になっている。また、第2天井照明装置44は、天井冷気放出部43とは離間している。このことにより、最上位の陳列棚20に陳列された商品を、天井冷気放出部43と第2天井照明装置44との間の領域から視認可能になっている。
天井ダクト41は、後述する第2上部ダクト68と天井冷気放出部43とを連通している。このようにして、後述する第1後壁ダクト60および第2上部ダクト68を通過した冷気が、天井ダクト41を通過して天井冷気放出部43にスムースに達し、陳列室2に放出される。天井ダクト41を通過する冷気は、前方に向かって流れるが、天井冷気放出部43において、斜め下方に流れの向きを変え、天井部5と、最上位の陳列棚20との間の空間に向かって斜め下方に放出される。より好適には、天井冷気放出部43は、最上位の陳列棚20の前端部に向かって冷気を放出する。このことにより、天井冷気放出部43から放出される冷気の流れを、天井部5と最上位の陳列棚20との間の空間に対するエアカーテンとして機能させることができる。当該冷気の流れは、吸引口8に向かって流れるため、天井部5と最上位の陳列棚20との空間だけでなく、陳列室2全体のエアカーテンとしても機能することができる。
図2に示すように、後壁4の後方に、冷気供給部9と後壁開口部31A〜31Eとを連通した複数の後壁ダクト60〜63が設けられている。より具体的には、後壁4の後方に、基台3から起立したフレーム50が設けられている。後壁4とフレーム50との間に複数の後壁ダクト60〜63が形成されている。各後壁ダクト60〜63は、冷気供給部9から陳列室2に向かう冷気が通過するように構成されている。
本実施の形態においては、図8に示すように、後壁4は、フレーム50に着脱可能に取り付けられている。フレーム50は、後壁4を下方から支持する後壁支持部51を有している。後壁4は、後壁支持部51に支持された状態(組立状態)においては、後壁支持部51に対して上方に移動可能になっているが、後壁4の前後方向移動が後壁支持部51によって規制されている。前方から見た場合の左右方向両側に、一対の後壁支持部51が設けられていることが好適であるが、これに限られることはなく、左右方向に異なる位置に3つ以上の後壁支持部51が設けられていてもよい。
より具体的には、図9Aに示すように(図17にも示す)、後壁支持部51は、後壁支持部本体51aと、後壁支持部本体51aから前方に突出する後壁支持突出部51bと、後壁支持突出部51bに設けられた後壁支持スリット部51cと、を含んでいる。このうち、後壁支持突出部51bは、後壁4の後壁取付孔36に挿入可能になっている。後壁支持スリット部51cは、上下方向に延びて上方に開口している。一方、後壁4は、上述した棚取付部30A〜30Eおよび後壁開口部31A〜31Eが設けられた後壁本体34(図4および図8参照)と、後壁本体34よりも後方に設けられた後壁被支持部35と、を含んでいる。後壁被支持部35は、後壁取付孔36の上方に設けられており、後壁支持スリット部51cに挿入される。この後壁被支持部35が、後壁支持スリット部51cに挿入されて後壁支持突出部51bに当接することで、後壁4が後壁支持部51に支持される。この際、後壁4の前後方向移動は、後壁支持スリット部51cに挿入された後壁被支持部35によって規制される。なお、本実施の形態では、後壁支持突出部51bは、異なる高さ位置に4つ設けられている。そして、後壁4が、上下方向に2つに分割されており、上側の2つの後壁支持突出部51bによって上側の後壁4が支持され、下側の2つの後壁支持突出部51bによって下側の後壁4が支持されている。
また、後壁4は、図9Bに示すように、後壁本体34と後壁被支持部35との間に設けられた一対の後壁側面部37を有している。一対の後壁側面部37は、前方から見た場合の左右方向両側に設けられている。前方から見た場合の左側の後壁側面部37が、左側の後壁支持部51の後壁支持突出部51bの左側面よりも左側に配置されて、当該左側面に当接または近接している。右側の後壁側面部37が、右側の後壁支持部51の後壁支持突出部51bの右側面よりも右側に配置されて、当該右側面に当接または近接している。このことにより、後壁4の側方移動を規制している。
図8に示すように、複数の後壁ダクト60〜63は、最も後方に設けられた第1後壁ダクト60と、第1後壁ダクト60よりも前方に設けられた第2後壁ダクト61と、第2後壁ダクト61よりも前方に設けられた第3後壁ダクト62と、第3後壁ダクト62よりも前方に設けられた第3後壁ダクト62と、を含んでいる。第1後壁ダクト60は、冷気供給部9と、天井冷気放出部43、第1後壁冷気放出部32および第2後壁冷気放出部33とを連通している。第2後壁ダクト61は、冷気供給部9と、後壁開口部31Aおよび後壁開口部31Bとを連通している。第3後壁ダクト62は、冷気供給部9と、後壁開口部31Cとを連通し、第4後壁ダクト63は、冷気供給部9と、後壁開口部31Dおよび後壁開口部31Eとを連通している。このように、複数の後壁ダクト60〜63を用いることにより、各部への冷気の供給量を確保している。
第1後壁ダクト60と第2後壁ダクト61とは、第1ダクト区画板64によって区画されている。第2後壁ダクト61と第3後壁ダクト62とは、第2ダクト区画板65によって区画され、第3後壁ダクト62と第4後壁ダクト63とは、第3ダクト区画板66によって区画されている。
第1ダクト区画板64は、フレーム50に着脱可能に取り付けられている。
すなわち、フレーム50は、第1ダクト区画板64を下方から支持する区画板支持部52を有している。区画板支持部52は、フレーム50の下端部に設けられている。第1ダクト区画板64は、区画板支持部52に支持された状態(組立状態)においては、区画板支持部52に対して上方に移動可能になっている。前方から見た場合の左右方向両側に、一対の区画板支持部52が設けられていることが好適である。
より具体的には、図10に示すように、区画板支持部52は、区画板支持部本体53と、区画板支持部本体53にV字状に形成された第1区画板支持溝54と、を含んでいる。第1区画板支持溝54は、上下方向に延びて上方に開口しており、下方に向かって先細状に形成されている。すなわち、第1区画板支持溝54は、側方から見た場合において(図8のように見た場合)、後方に形成された第1溝画定線54aと、第1溝画定線54aよりも前方に形成された第2溝画定線54bと、を含んでいる。このようにして形成された第1区画板支持溝54に、第1ダクト区画板64の下端部が挿入されて、第1ダクト区画板64の下端が区画板支持部本体53に当接し、第1ダクト区画板64が区画板支持部52に支持される。本実施の形態では、第1溝画定線54aは、上下方向に延び、第2溝画定線54bは、第1溝画定線54aに対して前方に傾斜している。このことにより、第1ダクト区画板64を第1区画板支持溝54から取り出す場合に、第1ダクト区画板64の上端を前方に傾斜させるようにして取り出すことができ、第1ダクト区画板64の取り出し作業性を向上させることができる。また、第1ダクト区画板64を第1区画板支持溝54に挿入する場合には、第1ダクト区画板64を同様に傾斜させることができ、第1ダクト区画板64の挿入作業性を向上させることができる。
また、図8に示すように、フレーム50は、第1ダクト区画板64の前後方向移動を規制する区画板係止部57を有している。
より具体的には、図11Aに示すように、第1ダクト区画板64は、区画板本体64aと、区画板本体64aから後方に突出する区画板被係止部64bと、区画板被係止部64bに設けられた区画板スリット部64cと、を含んでいる。このうち、区画板被係止部64bは、第1ダクト区画板64の上端部に設けられている。区画板スリット部64cは、上下方向に延びて下方に開口している。一方、フレーム50の区画板係止部57は、区画板スリット部64cに挿入可能に構成されている。このことにより、区画板係止部57が区画板スリット部64cに挿入されて区画板被係止部64bを係止し、第1ダクト区画板64(とりわけ第1ダクト区画板64の上端部)の前後方向移動が、区画板スリット部64cに挿入された区画板係止部57によって規制され、第1ダクト区画板64が前後方向に移動することを抑制している。
また、図11Bに示すように、区画板係止部57の左右方向両側の端部から後方に係止側面部58が延びている。すなわち、区画板係止部57とフレーム50のフレーム本体50aとの間に一対の係止側面部58が形成されており、上方から見た場合に区画板被係止部64bが挿入可能な係止開口部59が形成されている。前方から見た場合の左側の区画板被係止部64bが、係止開口部59内の左端に配置される。すなわち、左側の区画板被係止部64bが、左側の係止側面部58の右側面よりも右側に配置されて、当該右側面に当接または近接している。右側の区画板被係止部64bが、係止開口部59内の右端に配置される。すなわち、右側の区画板被係止部64bが、右側の係止側面部58の左側面よりも左側に配置されて、当該左側面に当接または近接している。このことにより、第1ダクト区画板64の側方移動は、この係止開口部59によって規制され、第1ダクト区画板64が側方に移動することを抑制している。係止開口部59は、冷気供給部9から供給された冷気が通過可能になっている。
図8に示すように、第2ダクト区画板65は、第1ダクト区画板64に着脱可能に取り付けられている。
すなわち、第2ダクト区画板65は、上述した第1ダクト区画板64と同様に、上述した区画板支持部52によって下方から支持されている。第2ダクト区画板65は、区画板支持部52に支持された状態(組立状態)においては、区画板支持部52に対して上方に移動可能になっている。
図10に示すように、区画板支持部52には、第2ダクト区画板65が挿入される第2区画板支持溝55が形成されている。この第2区画板支持溝55は、第1区画板支持溝54と同様の形状を有していてもよいが、第1区画板支持溝54よりも溝深さが浅い方が好ましい。この場合、第2ダクト区画板65の下端を、第1ダクト区画板64の下端よりも高い位置に配置させることができ、第2ダクト区画板65によって区画されている第2後壁ダクト61への冷気の流量と第3後壁ダクト62への冷気の流量とのバランスを確保することができる。
また、図8に示すように、第2ダクト区画板65は、第1ダクト区画板64によって、前後方向移動および側方移動を規制されるように構成されている。すなわち、第2ダクト区画板65は、上述した区画板被係止部64bと同様な区画板被係止部65aを含み、第1ダクト区画板64は、上述した区画板係止部57と同様な区画板係止部64dを含んでおり、第1ダクト区画板64が第2ダクト区画板65の前後方向移動および側方移動を規制し、第2ダクト区画板65の前後方向移動および側方移動を抑制している。ここでは、詳細な説明は省略する。
第3ダクト区画板66は、第2ダクト区画板65に着脱可能に取り付けられている。
すなわち、第3ダクト区画板66は、上述した第1ダクト区画板64と同様に、上述した区画板支持部52によって下方から支持されている。第3ダクト区画板66は、区画板支持部52に支持された状態(組立状態)においては、区画板支持部52に対して上方に移動可能になっている。
図10に示すように、区画板支持部52には、第3ダクト区画板66が挿入される第3区画板支持溝56が形成されている。この第3区画板支持溝56は、第2区画板支持溝55と同様の形状を有していてもよいが、第2区画板支持溝55よりも溝深さが浅い方が好ましい。この場合、第3ダクト区画板66の下端を、第2ダクト区画板65の下端よりも高い位置に配置させることができ、第3ダクト区画板66によって区画されている第3後壁ダクト62への冷気の流量と第4後壁ダクト63への冷気の流量とのバランスを確保することができる。
なお、第3ダクト区画板66の下端に、冷気供給部9の側(冷気の上流側、図10における左側))に延びる延長部66aが設けられていてもよい。この延長部66aは、前方から見たときの左右方向において区画板支持部52に干渉しない位置で、第3ダクト区画板66の下端を折り曲げるようにして形成することができる。この延長部66aによって、第3後壁ダクト62への冷気の流量と第4後壁ダクト63への冷気の流量とのバランスをより一層向上させることが可能になる。
また、図8に示すように、第3ダクト区画板66は、第2ダクト区画板65によって、前後方向移動および側方移動を規制されるように構成されている。すなわち、第3ダクト区画板66は、上述した区画板被係止部64bと同様な区画板被係止部66bを含み、第2ダクト区画板65は、上述した区画板係止部57と同様な区画板係止部65bを含んでおり、第2ダクト区画板65が第3ダクト区画板66の前後方向移動および側方移動を規制し、第3ダクト区画板66の前後方向移動および側方移動を抑制している。ここでは、詳細な説明は省略する。
上述した後壁4、第1ダクト区画板64、第2ダクト区画板65および第3ダクト区画板66は、上述のようにしてフレーム50に取付可能に構成されている。このため、後壁4およびダクト区画板64〜66は、ビスやボルトなどの締結部材を用いることなく、フレーム50に着脱可能に取り付けられている。このため、後壁4およびダクト区画板64〜66をフレーム50から取り外す場合に、締結部材が、フレーム50内で落下する可能性を排除することができる。
ところで、上述した後壁開口部31A〜31Eの各々に、図2に示すように、後壁開口部31A〜31Eを開閉可能な開閉部材70A〜70Eが設けられている。図12に示すように、開閉部材70A〜70Eは、ヒンジ部71(付勢部材)を介して後壁4に揺動可能に取り付けられており、閉塞位置と開放位置との間で揺動する。図12では、代表的に、後壁開口部31Dおよび31Eに設けられた開閉部材70Dおよび70Eを示している。図12において示す上側の開閉部材70Dは、閉塞位置に位置づけられており、下側の開閉部材70Eは、開放位置に位置づけられている。本実施の形態によるヒンジ部71は、スプリング機能を有したスプリング蝶番であり、開閉部材70A〜70Eを、対応する後壁開口部31A〜31Eを閉塞する方向に付勢している。このようにして、開閉部材70A〜70Eは、ヒンジ部71によって対応する後壁開口部31A〜31Eを閉塞する方向に付勢されている。
図2に示すように、各開閉部材70A〜70Eは、後壁ダクト60〜63内に配置されている。より具体的には、後壁開口部31Aを閉塞する開閉部材70Aと、後壁開口部31Bを閉塞する開閉部材70Bは、上述した第2後壁ダクト61内に配置されている。後壁開口部31Cを閉塞する開閉部材70Cは、上述した第3後壁ダクト62内に配置されている。後壁開口部31Dを閉塞する開閉部材70Dと、後壁開口部31Eを閉塞する開閉部材70Eは、上述した第4後壁ダクト63内に配置されている。開閉部材70A〜70Eが後壁ダクト60〜63内に配置されることにより、開閉部材70A〜70Eが陳列室2内に配置されることを回避でき、陳列スペースを確保することができるとともに、意匠性を確保することができる。
開閉部材70A〜70Eの詳細について、第4後壁ダクト63内に配置された開閉部材70D、70Eを例にとって図12を用いて説明する。
開閉部材70D、70Eは、陳列棚20によって、閉塞位置と開放位置との間で揺動するように構成されている。すなわち、開閉部材70D、70Eは、対応する棚取付部30D、30Eに陳列棚20が取り付けられた場合に、当該陳列棚20の押圧部27によって押圧されて、開放位置に位置づけられ、対応する後壁開口部31D、31Eが開放される。
より具体的には、開閉部材70D、70Eは、押圧部27が当接する被当接面70aを含んでおり、陳列棚20の押圧部27は、開閉部材70D、70Eの被当接面70aに当接する当接面27aを含んでいる。押圧部27の当接面27aは、開閉部材70D、70Eが対応する後壁開口部31D、31Eを開放している場合(開放位置に位置づけられている場合)、開閉部材70D、70Eの被当接面70aに平行になっている。このことにより、開閉部材70D、70Eが開放位置に位置づけられている場合に、押圧部27の当接面27aを安定的に開閉部材70D、70Eの被当接面70aに当接させることができる。なお、本実施の形態では、押圧部27が板金部品として製作されているため、当接面27aは、押圧部27を構成する板部材の端面(開閉部材70D、70Eの側の端面)に相当している。
また、第4後壁ダクト63内に配置された複数の開閉部材70D、70Eのうち開閉部材70Dよりも下方に配置された開閉部材70Eは、対応する棚取付部30Eに陳列棚20が取り付けられた場合に、開閉部材70Dに対応する後壁開口部31Dへの冷気の供給を遮断する。すなわち、開閉部材70Eは、開放位置に位置づけられた場合に、後壁開口部31Dへの冷気の供給を遮断する。この場合、開閉部材70Eは、後壁開口部31Dへの冷気の流路を遮断可能なように、開閉部材70Eの先端が、第3ダクト区画板66に当接するようにしてもよい。この場合、当該先端と第3ダクト区画板66との間に微少な隙間が形成されるようにしてもよい。ここで、遮断とは、冷気の流路を完全に塞ぐことを意味することに限られることはなく、冷気の流路を実質的に塞ぐことを含むものとして用いている。なお、本実施の形態では、第4ダクト内に開閉部材70Dよりも上方に配置された開閉部材は設けられていないが、開閉部材70Dは開閉部材70Eと同様の形状を有しており、部品の共通化を図っている。
一方、開閉部材70D、70Eは、対応する棚取付部30D、30Eに陳列棚20が取り付けられていない場合には、ヒンジ部71の付勢力によって、閉塞位置に位置づけられて、対応する後壁開口部31D、31Eが閉じる。例えば、第4後壁ダクト63内に配置された開閉部材70Eは、対応する棚取付部30Eに陳列棚20が取り付けられていない場合には、閉塞位置に位置づけられて、対応する後壁開口部31Eが閉じる。
図7に示すように、天井側後壁13の後方には、第1上部ダクト67および第2上部ダクト68が設けられている。第1上部ダクト67および第2上部ダクト68は、第1後壁ダクト60よりも上方に設けられている。このうち第1上部ダクト67は、冷気供給部9と、第1後壁冷気放出部32および第2後壁冷気放出部33とを連通している。第2上部ダクト68は、冷気供給部9と、天井冷気放出部43とを連通している。このようにして、第1後壁冷気放出部32、第2後壁冷気放出部33および天井冷気放出部43に供給される冷気を整流し、天井冷気放出部43への冷気の供給量を確保している。
第1上部ダクト67は、上部区画板67aを介して区画された第1ダクト部分67bおよび第2ダクト部分67cを有している。これら2つのダクト部分67b、67cは、第1後壁冷気放出部32の側において上下方向に互いに区画されており、第1ダクト部分67bが第2ダクト部分67cよりも上方に配置されている。第1ダクト部分67bおよび第2ダクト部分67cはいずれも第1後壁冷気放出部32に連通しており、2つのダクト部分67b、67cを通過した冷気が、第1後壁冷気放出部32から陳列室2(より詳細には、天井部5と最上位の陳列棚20との間の空間)に放出されるようになっている。この場合、第1後壁冷気放出部32から放出される冷気が、2つのダクト部分67b、67cによって整流され、天井部5と最上位の陳列棚20との間の空間に向かって斜め下方に放出される。
本実施の形態では、第1上部ダクト67は、第3ダクト部分67dを更に有している。第3ダクト部分67dは、第2後壁冷気放出部33の側において第2ダクト部分67cよりも下方に配置されており、第2後壁冷気放出部33に連通している。
第2上部ダクト68は、第1上部ダクト67よりも後方側の領域と上側の領域とを通るように形成されており、天井ダクト41を介して天井冷気放出部43に連通している。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、まず、棚取付用後壁12に陳列棚20を取り付ける方法について説明する。
まず、棚取付用後壁12の棚取付部30Eに陳列棚20が取り付けられる。
この場合、まず、図5および図6に示すように、陳列棚20の各棚突出部22aが、棚取付用後壁12に設けられた棚取付部30Eに対応する棚取付孔30aに挿入される。続いて、陳列棚20を下降させ、棚スリット部22bに棚取付用後壁12の対応する棚支持部30bが挿入され、棚支持部30bが棚突出部22aに当接する。このことにより、陳列棚20が、棚取付部30Eに取り付けられる。
この際、図12に示すように、陳列棚20の押圧部27が、開閉部材70Eを押圧する。このことにより、ヒンジ部71の付勢力に抗して開閉部材70Eが押圧されて、開放位置に位置づけられ、後壁開口部31Eが開放される。このため、冷気供給部9から第4後壁ダクト63を通過した冷気が、後壁開口部31Eを通って棚ダクト24に供給される。棚ダクト24に供給された冷気は、図2に示すように、棚冷気放出部23から、当該陳列棚20と、基台3の陳列室底板7との間の空間に向かって斜め下方に放出される。放出された冷気の流れは当該空間に対するエアカーテンとして機能し、当該空間に外気が流入することを抑制する。なお、図12に示すように、開閉部材70Eが開放位置に位置づけられると、後壁開口部31Dへの冷気の供給が遮断され、第4後壁ダクト63からの冷気は、スムースに棚ダクト24に流入することができる。
棚取付部30Eに陳列棚20が取り付けられた後、棚取付部30C(図3参照)に、他の陳列棚20(好適には、前後方向長さが棚取付部30Eに取り付けられた陳列棚20よりも短い陳列棚20)が取り付けられる。この場合の陳列棚20の取付手順は、上述した棚取付部30Eに対する陳列棚20の取付手順と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。棚取付部30Cに陳列棚20が取り付けられると、開閉部材70Cが開き、冷気供給部9から第3後壁ダクト62(図8参照)を通過した冷気が、後壁開口部31Cを通って棚ダクト24に供給される。棚ダクト24に供給された冷気は、棚冷気放出部23から、当該陳列棚20と、棚取付部30Eに取り付けられた陳列棚20との間の空間に向かって斜め下方に放出される。放出された冷気の流れは当該空間に対するエアカーテンとして機能し、当該空間に外気が流入することを抑制する。
棚取付部30Cに陳列棚20が取り付けられた後、棚取付部30Aに、他の陳列棚20(好適には、前後方向長さが棚取付部30Cに取り付けられた陳列棚20よりも短い陳列棚20)が取り付けられる。この場合の陳列棚20の取付手順は、上述した棚取付部30Eに対する陳列棚20の取付手順と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。棚取付部30Aに陳列棚20が取り付けられると、開閉部材70Aが開き、冷気供給部9から第2後壁ダクト61を通過した冷気が、後壁開口部31Aを通過して棚ダクト24に供給される。棚ダクト24に供給された冷気は、棚冷気放出部23から、当該陳列棚20と、棚取付部30Cに取り付けられた陳列棚20との間の空間に向かって斜め下方に放出される。放出された冷気の流れは当該空間に対するエアカーテンとして機能し、当該空間に外気が流入することを抑制する。
このようにして、図1および図2に示すようなショーケース1を得ることができる。なお、棚取付用後壁12への陳列棚20の取付の順番は、上述した順番に限られることはなく、任意である。また、各棚取付部30A、C、Eから陳列棚20を取り外す場合には、上述した手順と逆の手順を踏めばよい。
図1および図2に示す形態においては、各陳列棚20の棚冷気放出部23から冷気が放出されるとともに、天井冷気放出部43からも冷気が放出される。すなわち、冷気供給部9から第1後壁ダクト60および第2上部ダクト68を通過して天井ダクト41に供給される。天井ダクト41に供給された冷気は、天井冷気放出部43から、天井部5と最上位の陳列棚20(棚取付部30Aに取り付けられた陳列棚20)との間の空間に向かって斜め下方に放出される。放出された冷気の流れは当該空間に対するエアカーテンとして機能し、当該空間に外気が流入することを抑制する。また、当該空間には、第1後壁冷気放出部32および第2後壁冷気放出部33から、第1後壁ダクト60および第1上部ダクト67を通過して冷気が放出される。
次に、後壁4およびダクト区画板64〜66の分解方法について図13乃至図17を用いて説明する。
まず、棚取付用後壁12に取り付けられていた陳列棚20が取り外される。続いて、図13に示すように、基台3の陳列室底板7が取り外される。
陳列室底板7が取り外された後、後壁4がフレーム50から取り外される。図13では、上下方向に2つに分割された後壁4が、フレーム50から取り外される例を示している。なお、ここでは、棚取付用後壁12および天井側後壁13は取り外されない例について説明するが、これに限られることはない。
この場合、まず、後壁4を上方に移動させ、各後壁支持スリット部51cから、対応する後壁被支持部35が取り出される。このことにより、後壁4の前後方向移動および側方移動の規制が解除される。後壁4の上方への移動は、天井側後壁13と後壁4との間に形成された第2後壁冷気放出部33の開口高さ寸法分を利用して行うことができる。また、後壁4は、例えば、開閉部材70A〜70Eを押圧して現れる後壁開口部31A〜31Eを把持部として利用することができる。続いて、後壁4を前方に移動させて陳列室2から取り出される。このようにして、後壁4をフレーム50から取り外すことができる。なお、後壁4をフレーム50に取り付ける場合には、この手順と逆の手順を踏めばよい。
後壁4が取り外された後、図14に示すように、第3ダクト区画板66が第2ダクト区画板65から取り外される。
この場合、まず、第3ダクト区画板66を上方に移動させ、第2ダクト区画板65の各区画板係止部65bが、対応する区画板被係止部66bの区画板スリット部(図示せず)から取り出される。このことにより、第3ダクト区画板66の前後方向移動および側方移動の規制が解除される。また、第3ダクト区画板66を上方に移動させることにより、区画板支持部52の第3区画板支持溝56から第3ダクト区画板66の下端部が取り出される。続いて、第3ダクト区画板66を前方に移動させて、第3ダクト区画板66が陳列室2から取り出される。このようにして、第3ダクト区画板66を第2ダクト区画板65から取り外すことができる。なお、第3ダクト区画板66を第2ダクト区画板65に取り付ける場合には、この手順と逆の手順を踏めばよい。
第3ダクト区画板66が取り外された後、図15に示すように、第2ダクト区画板65が第1ダクト区画板64から取り外される。
この場合、まず、第2ダクト区画板65を上方に移動させ、第1ダクト区画板64の各区画板係止部64dが、対応する区画板被係止部65aの区画板スリット部(図示せず)から取り出される。このことにより、第2ダクト区画板65の前後方向移動および側方移動の規制が解除される。また、第2ダクト区画板65を上方に移動させることにより、区画板支持部52の第2区画板支持溝55から第2ダクト区画板65の下端部が取り出される。続いて、第2ダクト区画板65を前方に移動させて、第2ダクト区画板65が陳列室2から取り出される。このようにして、第2ダクト区画板65を第1ダクト区画板64から取り外すことができる。なお、第2ダクト区画板65を第1ダクト区画板64に取り付ける場合には、この手順と逆の手順を踏めばよい。
第2ダクト区画板65が取り外された後、図16に示すように、第1ダクト区画板64がフレーム50から取り外される。
この場合、まず、第1ダクト区画板64を上方に移動させ、フレーム50の各区画板係止部57が、対応する区画板被係止部64bの区画板スリット部64cから取り出される。このことにより、第1ダクト区画板64の前後方向移動および側方移動の規制が解除される。また、第1ダクト区画板64を上方に移動させることにより、区画板支持部52の第1区画板支持溝54から第1ダクト区画板64の下端部が取り出される。続いて、第1ダクト区画板64を前方に移動させて、第1ダクト区画板64が陳列室2から取り出される。このようにして、第1ダクト区画板64をフレーム50から取り外すことができる。なお、第1ダクト区画板64をフレーム50に取り付ける場合には、この手順と逆の手順を踏めばよい。
このようにして、図17に示すように、後壁4、第3ダクト区画板66、第2ダクト区画板65および第1ダクト区画板64が、フレーム50から取り外される。このため、後壁ダクト60〜63が存在していた領域に容易にアクセスすることができ、ダクトの清掃を容易に行うことができる。また、取り外された後壁4、各ダクト区画板64〜66の清掃も容易に行うことができる。
このように本実施の形態によれば、陳列棚20が、棚取付用後壁12に着脱可能に取り付けられている。このことにより、陳列棚20に陳列する商品の大きさに応じて、陳列棚20の取付高さを変えることができ、陳列棚20上の陳列スペースを変えることができる。このため、商品の大きさに柔軟に対応可能なショーケース1を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、陳列棚20が棚取付用後壁12に取り付けられた場合に、後壁開口部31A〜31Eに開閉可能に設けられた開閉部材70A〜70Eが、当該陳列棚20の押圧部27によって押圧されて後壁開口部31A〜31Eが開放される。このことにより、後壁開口部31A〜31Eを開放することができ、冷気供給部9からの冷気を、陳列棚20の棚冷気放出部23から放出させることができる。放出された冷気の流れは、当該陳列棚20の下方の空間に対してエアカーテンとして機能することができ、当該空間に外気が流入することを抑制できる。すなわち、各陳列棚20に商品が陳列される空間の前方に冷気のエアカーテンをそれぞれ形成することができ、各空間に外気が流入することを抑制できる。このため、図18に示すような従来のショーケースにおいて、陳列室2の前方に天井部5から吸引口8にわたるエアカーテンを形成することを不要にできる。この場合、このようなエアカーテンを形成するために天井部5の前方まで延びるダクトを不要にすることができる。このことにより、天板40越しに最上位の陳列棚20に陳列された商品を視認可能にすることができ、陳列棚20に陳列された商品を見やすくすることができる。
また、本実施の形態によれば、陳列棚20が取り付けられていない場合には、後壁開口部31A〜31Eは、ヒンジ部71によって付勢された開閉部材70A〜70Eによって閉じられる。このことにより、冷気供給部9からの冷気が、陳列棚20が取り付けられていない後壁開口部31A〜31Eから陳列室2に放出されることを抑制できる。このため、陳列棚20の棚冷気放出部23からの冷気の放出量を確保することができ、放出される冷気が形成するエアカーテンによって、外気が流入することをより一層抑制できる。また、ヒンジ部71が付勢部材として構成されていることにより、開閉部材70A〜70Eの取り付け構造を簡素化することができる。
また、本実施の形態によれば、後壁4とフレーム50との間に、冷気供給部9から陳列室2に向かう冷気が通過する後壁ダクト60〜63が設けられ、後壁4が、このフレーム50に着脱可能に取り付けられている。このことにより、後壁4をフレーム50から容易に取り外すことができ、後壁4の内面(後壁ダクト60〜63の側の面)の清掃を容易に行うことができる。また、後壁4が取り外されたことにより、ダクトに容易にアクセすることができ、ダクトの清掃を容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、第1後壁ダクト60と第2後壁ダクト61を区画する第1ダクト区画板64が、フレーム50に着脱可能に設けられている。このことにより、第1ダクト区画板64をフレーム50から容易に取り外すことができ、第1ダクト区画板64の清掃を容易に行うことができる。また、第1ダクト区画板64が取り外されたことにより、ダクトの清掃を容易に行うことができる。さらに、本実施の形態によれば、第2ダクト区画板65を第1ダクト区画板64から容易に取り外すことができ、第3ダクト区画板66を第2ダクト区画板65から容易に取り外すことができる。このため、ダクトの清掃をより一層容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、天井部5に、冷気を陳列室2に放出する天井冷気放出部43が設けられ、天井冷気放出部43が、最上位の陳列棚20を照明する第1天井照明装置42よりも前方に配置されている。このことにより、天井冷気放出部43から放出される冷気の流れは、天井部5と最上位の陳列棚20との間の空間に対するエアカーテンとして機能することができ、当該空間に外気が流入することを抑制できる。このため、図18に示すような従来のショーケースにおいて、陳列室2の前方に天井部5から吸引口8にわたるエアカーテンを形成することを不要にできる。この場合、このようなエアカーテンを形成するために天井部5の前方まで延びるダクトを不要にすることができる。このことにより、天板40越しに最上位の陳列棚20に陳列された商品を視認可能にすることができ、陳列棚20に陳列された商品を見やすくすることができる。とりわけ、天井冷気放出部43が、第1天井照明装置42よりも前方に配置されているため、天井部5の前方(とりわけ天板40の前方)に結露が発生することを抑制でき、天板40越しに最上位の陳列棚20に陳列された商品を見やすくすることができる。
また、本実施の形態によれば、天井側後壁13に、冷気を陳列室2に放出する第1後壁冷気放出部32が設けられている。このことにより、天井部5と最上位の陳列棚20との間の空間に、上述した天井冷気放出部43とは前後方向に異なる位置から冷気を放出することができる。このため、当該空間に陳列されている商品に直接的に冷気を供給することができ、商品を効果的に冷却することができる。とりわけ、本実施の形態によれば、天井側後壁13には、第2後壁冷気放出部33が設けられていることにより、当該空間に陳列されている商品に供給される冷気の流量を増大させることができ、商品をより一層確実に冷却することができる。
本発明は上述した本実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
なお、上述した本実施の形態においては、図1および図2に示すように、全体的に陳列棚20が3段構成であるショーケース、または、図3に示すように、全体的に陳列棚20が2段構成であるショーケースの例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、前方から見たときに、陳列棚20が2列以上の構成を有していてもよい。例えば左半分と右半分とで陳列棚20が別々に取り付けられて、左側の陳列棚20の列が3段構成になり、右側の陳列棚20の列が2段構成になるようなショーケースであってもよい。この場合、左側の陳列棚20の列に対応して左側の後壁4が設けられるとともに、右側の陳列棚20の列に対応して右側の後壁4が設けられる。そして、左側の後壁4の左右方向両側に、上述した棚取付用後壁12が設けられるとともに、右側の後壁4の左右方向両側に、上述した棚取付用後壁12が設けられるようにし、左側の後壁4と右側の後壁4との間に2つの棚取付用後壁12(一体でも可)が介在されるようにしてもよい。また、陳列棚20を2列以上の構成とする場合、いずれかの陳列棚20の列が、他の陳列棚20の列に対して斜めに配置されていてもよい。より具体的には、いずれかの陳列棚20の列に対応する後壁4が、他の陳列棚20の列に対応する後壁4に対して上方から見た場合に斜めに配置され、前方だけでなく、斜め前方からもショーケースに消費者が容易にアクセス可能になっていてもよい。このようなショーケースも本発明の適用範囲内である。
また、上述した本実施の形態においては、後壁4に、後壁開口部31A〜31Eとは別に冷気を陳列室2に放出する放出孔(図示せず)が設けられていてもよい。棚取付用後壁12および天井側後壁13についても同様である。