JP2007333275A - ショーケース - Google Patents
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Abstract
【課題】 2温度冷却を可能としたショーケースを提供する。
【解決手段】 第1吹出温度センサ117で検出された第1吹出温度Tc1が第1冷却領域CR1に陳列さ れる商品に合わせて予め設定された第1目標吹出温度Tcs1に近付き且つ第2吹出温度センサ118で検出された第2吹出温度Tc2が第2冷却領域CR2に陳列される商品に合わせて予め設定された第2目標吹出温度Tcs2に近付くように、電子膨張弁120の開度変化により蒸発器115に流れる冷媒量を調整し且つ送風機116の風量を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1吹出温度センサ117で検出された第1吹出温度Tc1が第1冷却領域CR1に陳列さ れる商品に合わせて予め設定された第1目標吹出温度Tcs1に近付き且つ第2吹出温度センサ118で検出された第2吹出温度Tc2が第2冷却領域CR2に陳列される商品に合わせて予め設定された第2目標吹出温度Tcs2に近付くように、電子膨張弁120の開度変化により蒸発器115に流れる冷媒量を調整し且つ送風機116の風量を調整する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、前面開口の商品陳列室を備えたショーケースに関する。
前面開口の商品陳列室を備えたショーケースは、商品陳列室に上下方向に間隔をおいて配置された複数の陳列棚を有しており、要冷却の商品を陳列棚に陳列して所定温度に冷却して販売に供している。この種のショーケースにおける冷却は基本的には単一温度冷却であるため、適正冷却温度が異なる商品、例えば適正冷却温度が10℃前後の野菜類と適正冷却温度が0℃前後の肉類とを1台のショーケースに陳列することはできない。要加温の商品を電熱ヒータ内蔵の一部の陳列棚に陳列して所定温度に加温し、要冷却の商品を残部の陳列棚に陳列して所定温度に冷却するショーケースも存在するが、該ショーケースにあってもその冷却は単一温度冷却である。
特開2006−3021号公報
要冷却の商品の種類は嗜好の多様化に伴って増加する傾向にあり、この種類増加に対応するには先に述べた単一温度冷却のショーケースの台数を増加する必要がある。しかし、売場面積が限られているスーパーマーケットやコンビニエンスストア等においてショーケースの台数増加は極めて難しい。また、前記の種類増加は量の増加ではないため、ショーケースの台数増加が可能であっても陳列した商品の売れ残り等の不具合を生じる。
つまり、要冷却の商品の種類増加に対応するには少なくとも2温度冷却を可能としたショーケース、例えば適正冷却温度が10℃前後の野菜類と適正冷却温度が0℃前後の肉類とを1台のショーケースに陳列できるショーケースが必要となる。
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、2温度冷却を可能としたショーケースを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、前面開口の商品陳列室を備えたショーケースであって、商品陳列室に設けられ適正冷却温度が異なる商品を別々に陳列するための第1冷却領域及び第2冷却領域と、第1冷却領域に対応して設けられた第1通風路及び第2冷却領域に対応して設けられた第2通風路と、一部が第1通風路に露出し且つ他部が第2通風路に露出するように設けられた共用の蒸発器と、蒸発器に流れる冷媒量を調整する冷媒量調整手段と、第1通風路及び第1冷却領域を循環する空気の流れを形成し且つ第2通風路及び第2冷却領域を循環する空気の流れを形成する共用の送風機と、第1通風路を通じて第1冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第1吹出温度センサ及び第2通風路を通じて第2冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第2吹出温度センサと、第1吹出温度センサで検出された第1吹出温度が第1冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第1目標吹出温度に近付き且つ第2吹出温度センサで検出された第2吹出温度が第2冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第2目標吹出温度に近付くように、冷媒量調整手段によって蒸発器に流れる冷媒量を調整し且つ送風機の風量を調整する冷却制御手段とを備える、ことをその特徴とする。
また、本発明は、前面開口の商品陳列室を備えたショーケースであって、商品陳列室に設けられ適正冷却温度が異なる商品を別々に陳列するための第1冷却領域及び第2冷却領域と、第1冷却領域に対応して設けられた第1通風路及び第2冷却領域に対応して設けられた第2通風路と、一部が第1通風路に露出し且つ他部が第2通風路に露出するように設けられた共用の蒸発器と、蒸発器に流れる冷媒量を調整する冷媒量調整手段と、第1通風路及び第1冷却領域を循環する空気の流れを形成する第1送風機及び第2通風路及び第2冷却領域を循環する空気の流れを形成する第2送風機と、第1通風路を通じて第1冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第1吹出温度センサ及び第2通風路を通じて第2冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第2吹出温度センサと、第1吹出温度センサで検出された第1吹出温度が第1冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第1目標吹出温度に近付き且つ第2吹出温度センサで検出された第2吹出温度が第2冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第2目標吹出温度に近付くように、冷媒量調整手段によって蒸発器に流れる冷媒量を調整し且つ第1送風機及び第2送風機の風量を調整する冷却制御手段とを備える、ことをその特徴とする。
本発明によれば、適正冷却温度が異なる商品を1台のショーケースに陳列して、各商品をそれぞれの適正冷却温度で冷却して販売に供することができる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
[第1実施形態]
図1〜図6は本発明の第1実施形態を示す。
図1〜図6は本発明の第1実施形態を示す。
まず、図1及び図2を参照して、ショーケースのメカニズムについて説明する。ここでの説明では図1の左側を前、右側を後と表記する。
図1に示したショーケースは、前面開口の商品陳列室108を画成する背面板102,天板103及び底板104を有する箱形のハウジング101を備える。図示を省略してあるが、少なくともハウジング101の内面には断熱材が付設されている。
ハウジング101と、背面板102,天板103及び底板104との間には、縦断面形がコ字形を成す通風路105が形成されていて、天板103の前端には通風路105に通じる吹出口106が設けられ、底板104の前端には通風路105に通じる吸込口107が設けられている。
背面板102には、図2に示すように、後述の第1ダクト板112及び第2ダクト板113の差し込みと抜き出しを許容する横長の挿入孔102aが上下方向に間隔をおいて複数設けられている。また、各挿入孔102aの後側には、各挿入孔102aの閉塞と開放を行う複数の横長の開閉板102bが各挿入孔102aに対応して設けられている。因みに、各開閉板102bは開放状態から閉塞状態への自重による自動復帰を可能としており、開閉板102bと背面板102には相互吸着によって閉塞板102bの閉塞状態を維持するための永久磁石(図示省略)が設けられている。
商品陳列室108には2つの第1陳列棚109と3つの第2陳列棚110と1つの第3陳列棚111が上から順に且つ上下方向に間隔をおいて設けられている。
第1陳列棚109は、図2に示すように、左右1対の支持板109aと、棚板109bと、棚板109bの周囲を囲む壁板109cと、両支持板109aの内面に設けられたダクト挿入ガイド109dと、棚板109aに内蔵された電熱ヒータ109eと、加温温度(棚板温度)Twを検出する加温温度センサ109fとを有する。この第1陳列棚109は左右1対の支持板109aの後端に設けられたL字形フック(図示省略)を背面板102の両側に設けられた取付孔(図示省略)に挿入し掛合することによって該背面板102の所定位置に取り付けられている。
第2陳列棚110は、図2に示すように、左右1対の支持板110aと、棚板110bと、棚板110bの周囲を囲む壁板110cと、両支持板110aの内面に設けられたダクト挿入ガイド110dとを有する。この第2陳列棚110は左右1対の支持板110aの後端に設けられたL字形フック(図示省略)を背面板102の両側に設けられた取付孔(図示省略)に挿入し掛合することによって該背面板102の所定位置に取り付けられている。
第3陳列棚111は、図1に示すように、左右1対の支持板111aと、棚板111bと、棚板111bの周囲を囲む壁板111cとを有する。この第3陳列棚111は左右1対の支持板111aの後端に設けられたL字形フック(図示省略)を背面板102の両側に設けられた取付孔(図示省略)に挿入し掛合することによって該背面板102の最下位に取り付けられている。
第1ダクト板112は扁平箱形を成し、図2に示すように、下面後部に横長の入口112aを有し、下面前部に横長の出口112bを有し、後端に合成ゴム製のシール材112cを有する。この第1ダクト板112は、第1陳列棚109の左右のダクト挿入ガイド109dにその両側部分を差し込んだ後に後方に押し込んで開閉板102bを押し退け且つシール材112cをハウジング101に当接させることによって、2つの第1陳列棚109のうちの下側の第1陳列棚109に取り付けられている。
第2ダクト板113は第1ダクト板112よりも前後長が短い扁平箱形を成し、図2に示すように、下面後部に横長の入口113aを有し、下面前部に横長の出口113bを有し、後端に合成ゴム製のシール材113cを有する。この第2ダクト板113は、第2陳列棚110の左右のダクト挿入ガイド110dにその両側部分を差し込んだ後に後方に押し込んで開閉板102bを押し退け且つシール材113cを後述の仕切り板114に当接させることによって、3つの第2陳列棚110のうちの中央の第2陳列棚110に取り付けられている。
通風路105にはその背面側下部を前後に2分する仕切り板114が設けられており、仕切り板114の後側に形成された第1分岐通風路105aと仕切り板114の前側に形成された第2分岐通風路105bには、一部が第1分岐通風路105aに露出し且つ他部が第2分岐通風路105bに露出するように共用の蒸発器115が設けられている。また、通風路105の仕切り板114よりも前側部分には共用の送風機116が設けられている。
先に述べた第1ダクト板112の出口112b近傍位置には、図2に示すように、該出口112bから第1冷却領域CR1に吹き込まれる空気の温度(第1吹出温度Tc1)を検出する第1吹出温度センサ117が設けられおり、また、第2ダクト板113の出口113b近傍位置には、図2に示すように、該出口113bから第2冷却領域CR2に吹き込まれる空気の温度(第2吹出温度Tc2)を検出する第2吹出温度センサ118が設けられている。また、通風路105の吸込口107近傍位置には、図1に示すように、第1冷却領域CR1及び第2冷却領域CR2から吸込口107に吸い込まれる空気の温度(吸込温度Ti)を検出する吸込温度センサ119が設けられている。
図1に示したショーケースにあっては、第1ダクト板112及び第2ダクト板113の取付位置と電熱ヒータ内蔵の第1陳列棚109の使用によって、前面開口の商品陳列室108は上から順に加温領域WRと第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2に区分されている。
次に、図3を参照して、図1に示したショーケースの冷凍回路について説明する。
図3(A)は圧縮機を内蔵したタイプのショーケースの冷凍回路を示すもので、蒸発器115の入口には開度調整可能な電子膨張弁120の出口が接続され、電子膨張弁120の入口には凝縮器121の出口が接続され、凝縮器121の入口には圧縮機122の吐出口が接続され、圧縮機122の吸入口には蒸発器115の出口が接続されている。
図3(B)は圧縮機を内蔵しないタイプのショーケース、換言すれば凝縮器及び圧縮機を内蔵した共用冷凍機(図示省略)から冷媒を取り込むタイプのショーケースの冷凍回路を示すもので、蒸発器115の入口には開度調整可能な電子膨張弁120の出口が接続されている。
次に、図4を参照して、図1に示したショーケースのコントロールシステムについて説明する。
このシステムは、マイクロコンピュータを内蔵したコントローラ123と、送風機116用の第1ドライバ124と、2つの第1陳列棚109に設けられた各電熱ヒータ109e用の第2ドライバ125と、電子膨張弁120用の第3ドライバ126とを備える。
コントローラ123のメモリには後述の冷却制御並びに風量補正に係るプログラムと制御に必要な各種データ等が格納されている。2つの第1陳列棚109に設けられた各加温温度センサ109fの検知信号と、第1吹出温度センサ117の検知信号と、第2吹出温度センサ118の検知信号と、吸込温度センサ119の検知信号は、コントローラ123にそれぞれ入力される。
加温制御のフローの図示を省略したが、加温領域WRに存する2つの第1陳列棚109に陳列された商品の加温は、加温温度(棚板温度)Twが予め定めた目標加温温度Twsに近付くように第2ドライバ125によって各電熱ヒータ109eをオンオフすることによって行われる。
次に、図5を参照して、図1に示したショーケースの冷却制御のフローについて説明する。
図1に示したショーケースで適正冷却温度が異なる商品を冷却するときには、第1冷却領域CR1に存する2つの第2陳列棚110に適正冷却温度が高い商品を陳列し且つ第2冷却領域CR2に存する1つの第2陳列棚110と1つの第3陳列棚111に適正冷却温度が低い商品を陳列して、第1冷却領域CR1に対応する第1目標吹出温度Tcs1と第2冷却領域CR2に対応する第2目標吹出温度Tcs2を各領域CR1,CR2に陳列される商品の適正冷却温度に合わせて設定する。
例えば、適正冷却温度が10℃前後の野菜類と適正冷却温度が0℃前後の肉類を陳列する場合には、適正冷却温度が高い野菜類を第1冷却領域CR1に陳列し、適正冷却温度が低い肉類を第2冷却領域CR2に陳列する。この場合、第1冷却領域CR1に対応する第1目標吹出温度Tcs1は10℃前後に設定し、第2冷却領域CR2に対応する第2目標吹出温度Tcs2は0℃前後に設定する。
第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2に陳列された商品を冷却する際の制御は、第1吹出温度Tc1が第1目標吹出温度Tcs1に近付き且つ第2吹出温度Tc2が第2目標吹出温度Tcs2に近付くように、膨張弁120の開度を変化させて蒸発器115に流れる冷媒量を調整し且つ送風機116の風量を調整することによって行われる。送風機116はその風量を調整されるものの停止することはないため、該送風機116の作動によって、第1分岐通風路105a,第1ダクト板112及び第1冷却領域CR1を循環する空気の流れが形成されると共に、第2分岐通風路105b,第2ダクト板113及び第2冷却領域CR2を循環する空気の流れが形成される。
具体的には、冷却制御時には、第1吹出温度センサ117で検出された第1吹出温度Tc1と第1目標吹出温度Tcs1との関係と、第2吹出温度センサ118で検出された第2吹出温度Tc2と第2目標吹出温度Tcs2との関係を、それぞれ判別する(図5のステップST1〜ST3参照)。
前記判別の結果、第1吹出温度Tc1>第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2>第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120の開度を予め定めた大開度として蒸発器115に流れる冷媒量を増加させると共に、送風機116の風量を予め定めた中風量(標準風量)とする(図5のステップST4,ST5参照)。つまり、このときには冷却能力を第1冷却領域CR1に陳列された商品の冷却と第2冷却領域CR2に陳列された商品の冷却の両方に見合ったものにして双方の商品の冷却が行えるようにする。
また、第1吹出温度Tc1>第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2≦第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120の開度を予め定めた小開度として蒸発器115に流れる冷媒量を減少させると共に、送風機116の風量を予め定めた大風量とする(図5のステップST6,ST7参照)。つまり、このときには、冷却能力を第1冷却領域CR1に陳列された商品の冷却に見合ったものにして該商品の冷却が主として行えるようにし、第2冷却領域CR2に陳列された商品に対しては該商品の温度維持が行えるようにする。
さらに、第1吹出温度Tc1≦第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2>第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120の開度を予め定めた大開度として蒸発器115に流れる冷媒量を増加させると共に、送風機116の風量を予め定めた小風量とする(図5のステップST8,ST9参照)。つまり、このときには、冷却能力を第2冷却領域CR2に陳列された商品の冷却に見合ったものにして該商品の冷却が主として行えるようにし、第1冷却領域CR1に陳列された商品に対しては該商品の温度維持が行えるようにする。
さらに、第1吹出温度Tc1≦第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2≦第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120を閉じて蒸発器115への冷媒取り込みを停止すると共に、送風機116の風量を予め定めた中風量(標準風量)とする(図5のステップST10,ST11参照)。
以上の冷却制御により、適正冷却温度が異なる商品を1台のショーケースに陳列して、各商品をそれぞれの適正冷却温度で冷却して販売に供することができる。
前述のショーケースによれば、第1目標吹出温度Tcs1での冷却を可能とした第1冷却領域CR1と第1目標吹出温度Tcs1よりも低い第2目標吹出温度Tcs2での冷却を可能とした第2冷却領域CR2を商品陳列室108に設けてあるので、第1目標吹出温度Tcs1と第2目標吹出温度Tcs2を各領域CR1,CR2に陳列される商品の適正冷却温度に合わせて予め設定すれば、適正冷却温度が異なる商品を1台のショーケースに陳列して、各商品をそれぞれの適正冷却温度で冷却して販売に供することができる。
また、電熱ヒータ内蔵の第1陳列棚109の使用数と第2陳列棚110の使用数と第1ダクト板112及び第2ダクト板113の取付位置を変えることにより、加温領域WRと第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2の大きさを任意に変更することができ、この場合でも冷却に係る前記作用効果を同様に得ることができる。
前述の冷却制御では、膨張弁120の開度変化により蒸発器115に流れる冷媒量を調整し且つ送風機116の風量を調整することによって所期の冷却を行うものと示したが、冷却状態に応じて調整後の送風機116の風量を補正するようにしてもよい。以下に、この風量補正について図6を参照して説明する。
前記冷却制御時には、第1吹出温度センサ117で検出された第1吹出温度Tc1と吸込温度センサ119で検出された吸込温度Tiとの関係と、第2吹出温度センサ118で検出された第2吹出温度Tc2と吸込温度センサ119で検出された吸込温度Tiとの関係を、それぞれ判別する(図6のステップSP1〜SP3参照)。
前記判別の結果、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1>第1判断基準値BT1で且つ吸込温度Ti−第2吹出温度Tc2>第2判断基準値BT2のときには、第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2の前側に形成されるエアカーテンの強化を図るために送風機116の風量を予め定めたΔf1増加する(図6のステップSP4参照)。
また、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1>第1判断基準値BT1で且つ吸込温度Ti−第2吹出温度Tc2≦第2判断基準値BT2のときには、主に第1冷却領域CR1の前側に形成されるエアカーテンの強化を図るために送風機116の風量を予め定めたΔf2増加する(図6のステップSP5参照)。このときの風量増加分Δf2は前記風量増加分Δf1よりも小さい。
さらに、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1≦第1判断基準値BT1で且つ吸込温度Ti−第2吹出温度Tc2>第2判断基準値BT2のときには、主に第2冷却領域CR2の前側に形成されるエアカーテンの強化を図るために送風機116の風量を予め定めたΔf3増加する(図6のステップSP6参照)。このときの風量増加分Δf3は前記風量増加分Δf2よりも小さい。
さらに、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1≦第1判断基準値BT1で且つ吸込温度Ti−第2吹出温度Tc2≦第2判断基準値BT2のときには、送風機116の風量補正は行わない(図6のステップSP7参照)。
以上の風量補正を前記冷却制御に併せて行えば、前記冷却制御をより的確且つ効率的に行うことができる。
尚、前述の第1実施形態では、前面開口の商品陳列室108に加温領域WRと第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2を形成したが、電熱ヒータ内蔵の第1陳列棚109を第2陳列棚110に置換して第1ダクト板112を排除すると共に、第1吹出温度センサ117を吹出口106近傍位置に第1吹出温度センサ117を設ければ、第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2のみを有するショーケースも構成できる。
また、前述の第1実施形態では、冷凍回路の膨張手段として開度調整可能な電子膨張弁(120)を用いたが、蒸発器の入口に膨張弁の出口を接続し該膨張弁の入口に電磁弁の出口を接続した構成を電子膨張弁の代わりに用いて、該電磁弁の開閉によって蒸発器に流れる冷媒量を調整するようにしてもよい。
[第2実施形態]
図7〜図10は本発明の第2実施形態を示す。
図7〜図10は本発明の第2実施形態を示す。
まず、図7を参照して、ショーケースのメカニズムについて説明する。
図7に示したショーケースが、図1に示した第1実施形態のショーケースと異なるところは、仕切り板114の下端を前側に延長(符号114a)して該延長部分114aによって通風路105の下側後部を上下に2分した点と、第1分岐通風路105aの上流側に第1送風機116aを配し、第2分岐通風路105bの上流側に第2送風機116bを配した点にある。他の構成は図1に示したショーケースと同じであるのでその説明を省略する。
次に、図8を参照して、図7に示したショーケースのコントロールシステムについて説明する。
図8に示したシステムが、図4に示した第1実施形態のシステムと異なるところは、第1ドライバ124によって第1送風機116aと第2送風機116bの動作をコントロールするようにした点にある。他の構成は図4に示したシステムと同じであるのでその説明を省略する。
次に、図9を参照して、図7に示したショーケースの冷却制御のフローについて説明する。
図7に示したショーケースで適正冷却温度が異なる商品を冷却するときには、第1冷却領域CR1に存する2つの第2陳列棚110に適正冷却温度が高い商品を陳列し且つ第2冷却領域CR2に存する1つの第2陳列棚110と1つの第3陳列棚111に適正冷却温度が低い商品を陳列して、第1冷却領域CR1に対応する第1目標吹出温度Tcs1と第2冷却領域CR2に対応する第2目標吹出温度Tcs2を各領域CR1,CR2に陳列される商品の適正冷却温度に合わせて設定する。
例えば、適正冷却温度が10℃前後の野菜類と適正冷却温度が0℃前後の肉類を陳列する場合には、適正冷却温度が高い野菜類を第1冷却領域CR1に陳列し、適正冷却温度が低い肉類を第2冷却領域CR2に陳列する。この場合、第1冷却領域CR1に対応する第1目標吹出温度Tcs1は10℃前後に設定し、第2冷却領域CR2に対応する第2目標吹出温度Tcs2は0℃前後に設定する。
第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2に陳列された商品を冷却する際の制御は、第1吹出温度Tc1が第1目標吹出温度Tcs1に近付き且つ第2吹出温度Tc2が第2目標吹出温度Tcs2に近付くように、膨張弁120の開度を変化させて蒸発器115に流れる冷媒量を調整し且つ第1送風機116a及び第2送風機116bの風量を調整することによって行われる。第1送風機116a及び第2送風機116bは各々の風量を調整されるものの停止することはないため、該第1送風機116a及び第2送風機116bの作動によって、第1分岐通風路105a,第1ダクト板112及び第1冷却領域CR1を循環する空気の流れが形成されると共に、第2分岐通風路105b,第2ダクト板113及び第2冷却領域CR2を循環する空気の流れが形成される。
具体的には、冷却制御時には、第1吹出温度センサ117で検出された第1吹出温度Tc1と第1目標吹出温度Tcs1との関係と、第2吹出温度センサ118で検出された第2吹出温度Tc2と第2目標吹出温度Tcs2との関係を、それぞれ判別する(図9のステップSE1〜SE3参照)。
前記判別の結果、第1吹出温度Tc1>第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2>第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120の開度を予め定めた大開度として蒸発器115に流れる冷媒量を増加させると共に、第1送風機116aの風量を予め定めた中風量(標準風量)とし第2送風機116bの風量を予め定めた中風量(標準風量)とする(図9のステップSE4〜SE6参照)。つまり、このときには冷却能力を第1冷却領域CR1に陳列された商品の冷却と第2冷却領域CR2に陳列された商品の冷却の両方に見合ったものにして双方の商品の冷却が行えるようにする。また、このときの第1送風機116aの風量と第2送風機116bの風量は共に中風量(標準風量)となるが、2重エアカーテンを効果的に形成するために第1送風機116aの風量を第2送風機116bの風量よりも若干大きくすることが望ましい。
また、第1吹出温度Tc1>第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2≦第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120の開度を予め定めた小開度として蒸発器115に流れる冷媒量を減少させると共に、第1送風機116aの風量を予め定めた大風量とし第2送風機116bの風量を予め定めた大風量とする(図9のステップSE7〜SE9参照)。つまり、このときには、冷却能力を第1冷却領域CR1に陳列された商品の冷却に見合ったものにして該商品の冷却が主として行えるようにし、第2冷却領域CR2に陳列された商品に対しては該商品の温度維持が行えるようにする。また、このときの第1送風機116aの風量と第2送風機116bの風量は共に大風量となるが、2重エアカーテンを効果的に形成するために第1送風機116aの風量を第2送風機116bの風量よりも若干大きくすることが望ましい。
さらに、第1吹出温度Tc1≦第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2>第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120の開度を予め定めた大開度として蒸発器115に流れる冷媒量を増加させると共に、第1送風機116aの風量を予め定めた小風量とし第2送風機116bの風量を小風量とする(図9のステップSE10〜SE12参照)。つまり、このときには、冷却能力を第2冷却領域CR2に陳列された商品の冷却に見合ったものにして該商品の冷却が主として行えるようにし、第1冷却領域CR1に陳列された商品に対しては該商品の温度維持が行えるようにする。また、このときの第1送風機116aの風量と第2送風機116bの風量は共に小風量となるが、2重エアカーテンを効果的に形成するために第1送風機116aの風量を第2送風機116bの風量よりも若干大きくすることが望ましい。
さらに、第1吹出温度Tc1≦第1目標吹出温度Tcs1で且つ第2吹出温度Tc2≦第2目標吹出温度Tcs2のときには、膨張弁120を閉じて蒸発器115への冷媒取り込みを停止すると共に、第1送風機116aの風量を予め定めた中風量(標準風量)とし第2送風機116bの風量を予め定めた中風量(標準風量)とする(図9のステップSE13〜SE15参照)。このときの第1送風機116aの風量と第2送風機116bの風量は共に中風量(標準風量)となるが、2重エアカーテンを効果的に形成するために第1送風機116aの風量を第2送風機116bの風量よりも若干大きくすることが望ましい。
以上の冷却制御により、適正冷却温度が異なる商品を1台のショーケースに陳列して、各商品をそれぞれの適正冷却温度で冷却して販売に供することができる。
前述のショーケースによれば、第1目標吹出温度Tcs1での冷却を可能とした第1冷却領域CR1と第1目標吹出温度Tcs1よりも低い第2目標吹出温度Tcs2での冷却を可能とした第2冷却領域CR2を商品陳列室108に設けてあるので、第1目標吹出温度Tcs1と第2目標吹出温度Tcs2を各領域CR1,CR2に陳列される商品の適正冷却温度に合わせて予め設定すれば、適正冷却温度が異なる商品を1台のショーケースに陳列して、各商品をそれぞれの適正冷却温度で冷却して販売に供することができる。
また、電熱ヒータ内蔵の第1陳列棚109の使用数と第2陳列棚110の使用数と第1ダクト板112及び第2ダクト板113の取付位置を変えることにより、加温領域WRと第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2の大きさを任意に変更することができ、この場合でも冷却に係る前記作用効果を同様に得ることができる。
前述の冷却制御では、膨張弁120の開度変化により蒸発器115に流れる冷媒量を調整し且つ第1送風機116a及び第2送風機116bの風量を調整することによって所期の冷却を行うものと示したが、冷却状態に応じて調整後の第1送風機116aの風量と調整後の第2送風機116bの風量を補正するようにしてもよい。以下に、この風量補正について図10を参照して説明する。
前記冷却制御時には、第1吹出温度センサ117で検出された第1吹出温度Tc1と吸込温度センサ119で検出された吸込温度Tiとの関係と、第2吹出温度センサ118で検出された第2吹出温度Tc2と吸込温度センサ119で検出された吸込温度Tiとの関係を、それぞれ判別する(図10のステップSS1,SS2参照)。
前記判別の結果、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1>第1判断基準値BT3のときには、主に第1冷却領域CR1の前側に形成されるエアカーテンの強化を図るために第1送風機116aの風量を予め定めたΔf4増加し第2送風機116bの風量を予め定めたΔf4増加する(図10のステップSS3,SS4参照)。
また、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1≦第1判断基準値BT3で且つ吸込温度Ti−第2吹出温度Tc2>第2判断基準値BT4のときには、主に第2冷却領域CR2の前側に形成されるエアカーテンの強化を図るために第1送風機116aの風量を予め定めたΔf5増加し第2送風機116bの風量を予め定めたΔf5増加する(図10のステップSS5,SS6参照)。このときの風量増加分Δf5は前記風量増加分Δf4よりも小さい。
さらに、吸込温度Ti−第1吹出温度Tc1≦第1判断基準値BT1で且つ吸込温度Ti−第2吹出温度Tc2≦第2判断基準値BT2のときには、第1送風機116a及び第2送風機116bの風量補正は行わない(図10のステップSS7,SS8参照)。
以上の風量補正を前記冷却制御に併せて行えば、前記冷却制御をより的確且つ効率的に行うことができる。
尚、前述の第2実施形態では、前面開口の商品陳列室108に加温領域WRと第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2を形成したものを示したが、電熱ヒータ内蔵の第1陳列棚109を第2陳列棚110に置換し第1ダクト板112を排除すると共に第1吹出温度センサ117を吹出口106近傍位置に第1吹出温度センサ117を設ければ、第1冷却領域CR1と第2冷却領域CR2のみを有するショーケースも構成できる。
また、前述の第2実施形態では、冷凍回路の膨張手段として開度調整可能な電子膨張弁(120)を用いたが、蒸発器の入口に膨張弁の出口を接続し該膨張弁の入口に電磁弁の出口を接続した構成を電子膨張弁の代わりに用いて、該電磁弁の開閉によって蒸発器に流れる冷媒量を調整するようにしてもよい。
105…通風路、105a…第1分岐通風路、105b…第2分岐通風路、108…商品陳列室、CR1…第1冷却領域、CR2…第2冷却領域、115…蒸発器、116…送風機、116a…第1送風機、116b…第2送風機、117…第1吹出温度センサ、118…第2吹出温度センサ、119…吸込温度センサ、120…電子膨張弁、123…コントローラ。
Claims (4)
- 前面開口の商品陳列室を備えたショーケースであって、
商品陳列室に設けられ適正冷却温度が異なる商品を別々に陳列するための第1冷却領域及び第2冷却領域と、
第1冷却領域に対応して設けられた第1通風路及び第2冷却領域に対応して設けられた第2通風路と、
一部が第1通風路に露出し且つ他部が第2通風路に露出するように設けられた共用の蒸発器と、
蒸発器に流れる冷媒量を調整する冷媒量調整手段と、
第1通風路及び第1冷却領域を循環する空気の流れを形成し且つ第2通風路及び第2冷却領域を循環する空気の流れを形成する共用の送風機と、
第1通風路を通じて第1冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第1吹出温度センサ及び第2通風路を通じて第2冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第2吹出温度センサと、
第1吹出温度センサで検出された第1吹出温度が第1冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第1目標吹出温度に近付き且つ第2吹出温度センサで検出された第2吹出温度が第2冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第2目標吹出温度に近付くように、冷媒量調整手段によって蒸発器に流れる冷媒量を調整し且つ送風機の風量を調整する冷却制御手段とを備える、
ことを特徴とするショーケース。 - 第1冷却領域及び第2冷却領域を通じて第1通風路及び第2通風路に吸い込まれる空気の温度を検出する共用の吸込温度センサと、
第1吹出温度と吸込温度との偏差及び第2吹出温度と吸込温度との偏差に基づいて調整後の送風機の風量を補正する風量補正手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。 - 前面開口の商品陳列室を備えたショーケースであって、
商品陳列室に設けられ適正冷却温度が異なる商品を別々に陳列するための第1冷却領域及び第2冷却領域と、
第1冷却領域に対応して設けられた第1通風路及び第2冷却領域に対応して設けられた第2通風路と、
一部が第1通風路に露出し且つ他部が第2通風路に露出するように設けられた共用の蒸発器と、
蒸発器に流れる冷媒量を調整する冷媒量調整手段と、
第1通風路及び第1冷却領域を循環する空気の流れを形成する第1送風機及び第2通風路及び第2冷却領域を循環する空気の流れを形成する第2送風機と、
第1通風路を通じて第1冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第1吹出温度センサ及び第2通風路を通じて第2冷却領域に吹き込まれる空気の温度を検出する第2吹出温度センサと、
第1吹出温度センサで検出された第1吹出温度が第1冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第1目標吹出温度に近付き且つ第2吹出温度センサで検出された第2吹出温度が第2冷却領域に陳列される商品に合わせて予め設定された第2目標吹出温度に近付くように、冷媒量調整手段によって蒸発器に流れる冷媒量を調整し且つ第1送風機及び第2送風機の風量を調整する冷却制御手段とを備える、
ことを特徴とするショーケース。 - 第1冷却領域及び第2冷却領域を通じて第1通風路及び第2通風路に吸い込まれる空気の温度を検出する共用の吸込温度センサと、
第1吹出温度と吸込温度との偏差に基づいて調整後の第1送風機の風量を補正する第1風量補正手段と、
第2吹出温度と吸込温度との偏差に基づいて調整後の第2送風機の風量を補正する第2風量補正手段とを備える、
ことを特徴とする請求項3に記載のショーケース。
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-
2006
- 2006-06-14 JP JP2006164450A patent/JP2007333275A/ja active Pending
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