JP2018032450A - 磁気ディスク基板用研磨剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨後の基板のスクラッチを低減するための磁気ディスク基板用研磨剤組成物を提供する。
【解決手段】磁気ディスク基板用研磨剤組成物は、コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含む。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が20,000〜10,000,000であり、濃度が0.0001〜2.0質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハードディスクといった磁気記録媒体などの電子部品の研磨に使用される研磨剤組成物に関する。特に、ガラス磁気ディスク基板やアルミニウム磁気ディスク基板などの磁気記録媒体用基板の表面研磨に使用される磁気ディスク基板用研磨剤組成物に関する。さらには、アルミニウム合金製の基板表面に無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した磁気記録媒体用アルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨に好ましく使用される磁気ディスク基板用研磨剤組成物に関する。
従来、アルミニウム磁気ディスク基板の無電解ニッケル−リンめっき皮膜表面を研磨するための研磨剤組成物として、磁気記録密度向上を目的として、種々の研磨特性向上が求められている。例えば、スクラッチについてはスクラッチ部分が書き込みや読み込みのエラー原因となったり、スクラッチの周りに生じたバリの部分でヘッドの衝突等の原因となったりすることもある。
そこで、スクラッチ低減の観点から、研磨剤組成物の機械研磨を担う砥粒成分として、コロイダルシリカがアルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨に使用されるようになってきている。その際、工業的な研磨においては、研磨剤組成物の機械研磨を担う砥粒成分と、化学研磨を担う薬剤成分とが、実際の研磨の直前に混合して使用されることが多い。
しかし、砥粒成分としてのコロイダルシリカと薬剤成分とが混合されると、コロイダルシリカは凝集傾向になる。この対策として、粗大粒子や凝集粒子を除去したり、粒子の形状を調整したり、研磨剤の腐食性を調整することでスクラッチを低減する試みがなされている。例えば、研磨剤の腐食性の調整(特許文献1)、粒子の形状の調整(特許文献2)、凝集粒子の含有量の調整(特許文献3)などの提案がなされている。
特開2009−120850号公報 特開2009−172709号公報 特開2010−170650号公報
しかしながら、改善をもとめられているスクラッチのレベルがより小さく、浅くなってきており、前述の対策では不十分となっている。
本発明の課題は、研磨後の基板のスクラッチを低減するための磁気ディスク基板用研磨剤組成物を提供することにある。さらに多数回研磨において、研磨パッド等の汚れなどにより研磨速度が低下していくため、生産性が低下していくという問題についても改良することを目的としている。
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、以下の磁気ディスク基板用研磨剤組成物を用いることにより、スクラッチ低減と多数回研磨時の研磨速度低下の抑制を実現し、本発明に到達した。
[1]コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含み、前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が20,000〜10,000,000であり、濃度が0.0001〜2.0質量%である磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[2]前記コロイダルシリカの平均粒子径(D50)が1〜100nmであり、組成物中の濃度が1〜50質量%である前記[1]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[3]前記水溶性高分子化合物が、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の2種の構成単位を含有し、前記2種の構成単位の量比が、mol比で95:5〜5:95の範囲にある共重合体である前記[1]または[2]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[4]前記不飽和アミドがN−アルキルアクリルアミドまたはN−アルキルメタクリルアミドのいずれかである前記[3]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[5]前記共重合体がアクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの共重合体、アクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの共重合体、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの共重合体、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの共重合体からなる群より選ばれる前記[3]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[6]前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が50,000〜5,000,000である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[7]前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が100,000〜1,000,000である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[8]前記研磨剤組成物のpH値(25℃)が0.1〜4.0の範囲にある前記[1]〜[7]のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[9]さらに有機ホスホン酸および/またはその塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有する前記[1]〜[8]のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[10]前記有機ホスホン酸および/またはその塩が、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である前記[9]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[11]さらに、分子中に繰り返し単位とスルホン酸(塩)基とを有し、繰り返し単位の主鎖中に芳香族基を有する界面活性剤を含有する前記[1]〜[10]のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[12]前記界面活性剤がナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記[11]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[13]前記ナフタレンスルホン酸系化合物が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[12]に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
本発明の磁気ディスク基板用研磨剤組成物は、研磨効率を向上させ、研磨後のスクラッチを低減できる。さらに多数回研磨の際に研磨速度の低下が起こりにくくなる効果もある。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない範囲において、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.研磨剤組成物
本発明の磁気ディスク基板用研磨剤組成物は、コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水と、を含むものである。
(1)水溶性高分子化合物
本発明で使用される水溶性高分子化合物は、重量平均分子量が20,000〜10,000,000であり、好ましくは不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位とを含有する共重合体である。ここで、水溶性高分子化合物は、不飽和脂肪族カルボン酸および/またはその塩と、不飽和アミドとを必須単量体として共重合された高分子化合物であることが好ましい。
(1−1)不飽和脂肪族カルボン酸
不飽和脂肪族カルボン酸およびその塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの塩などが挙げられる。
不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位は、水溶性高分子化合物中、その少なくとも一部がカルボン酸の塩として含有されていても良い。カルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
水溶性高分子化合物中、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を、カルボン酸として含有させるには、不飽和脂肪族カルボン酸を単量体として重合しても良いし、不飽和脂肪族カルボン酸の塩を単量体として重合した後、陽イオン交換することによりカルボン酸へと変換しても良い。また、水溶性高分子化合物中、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位をカルボン酸の塩として含有させるには、不飽和脂肪族カルボン酸の塩を単量体として重合しても良いし、不飽和脂肪族カルボン酸を単量体として重合した後、塩基で中和することによりカルボン酸の塩を形成しても良い。
水溶性高分子化合物中、カルボン酸として含有される構成単位と、カルボン酸の塩として含有される構成単位との割合を評価するには、水溶性高分子化合物のpH値を用いることができる。水溶性高分子化合物のpH値が低い場合には、カルボン酸として含有される構成単位の割合が高いと評価できる。一方、水溶性高分子化合物のpHが高い場合には、カルボン酸の塩として含有される構成単位の割合が高いと評価できる。本発明においては、例えば、濃度10質量%の水溶性高分子化合物水溶液におけるpH値(25℃)が1〜13の範囲の水溶性高分子化合物を用いることができる。
(1−2)不飽和アミド
不飽和アミドとしては、α,β−エチレン性不飽和アミドを用いることが好ましい。より具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミドなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミドが挙げられる。
さらに好ましくは、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミドなどが挙げられる。N−アルキルアミド、N−アルキルメタクリルアミドなどの好ましい具体例としては、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−iso−プロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−sec−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミドなどが挙げられる。なかでも、N−n−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−sec−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミドなどが好ましい。
(1−3)共重合体
本発明で使用される水溶性高分子化合物は、これらの単量体成分を組み合わせて重合することにより、共重合体とすることが好ましい。共重合の組み合わせとしては、アクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの組み合わせ、アクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの組み合わせ、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの組み合わせ、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの組み合わせが好ましく用いられる。なかでもN−アルキルアクリルアミドまたはN−アルキルメタクリルアミドのアルキル基が、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基からなる群より選択される少なくとも1つであるものが特に好ましく用いられる。
水溶性高分子化合物中の不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の割合は、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位との2種の構成単位の量比として、mol比で95:5〜5:95の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、mol比で90:10〜10:90の範囲である。mol比が95:5〜5:95の範囲外になると、単量体成分のバランスが崩れ、水溶性高分子の水への溶解性に影響を与えることが考えられる。
(1−4)水溶性高分子化合物の製造方法
水溶性高分子化合物製造方法は特に制限されないが、水溶液重合法が好ましい。水溶液重合によれば、均一な溶液として水溶性高分子化合物を得ることができる。
上記水溶液重合の重合溶媒としては、水性の溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。また、上記単量体成分の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えても良い。上記有機溶媒としては、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に、上記水性溶媒を用いた水溶性高分子化合物の製造方法を説明する。重合反応では公知の重合開始剤を使用できるが、特にラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、過酸化水素等の水溶性過酸化物、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等の油溶性の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等のアゾ化合物が挙げられる。これらの過酸化物系のラジカル重合開始剤は、1種類のみ使用しても又は2種類以上を併用しても良い。
上述した過酸化物系のラジカル重合開始剤の中でも、生成する水溶性高分子化合物の分子量の制御が容易に行えることから、過硫酸塩やアゾ化合物が好ましく、アゾビスイソブチロニトリルが特に好ましい。
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、水溶性高分子化合物の全単量体合計質量に基づいて、0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%の割合で使用することが好ましい。この割合を0.1質量%以上にすることにより共重合率を向上させることができ、15質量%以下とすることにより、水溶性高分子化合物の安定性を向上させることができる。
また、場合によっては、水溶性高分子化合物は、水溶性レドックス系重合開始剤を使用して製造しても良い。レドックス系重合開始剤としては、酸化剤(例えば上記の過酸化物)と、重硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、ハイドロサルファイトナトリウム等の還元剤や、鉄明礬、カリ明礬等の組み合わせを挙げることができる。
水溶性高分子化合物の製造において、分子量を調整するために、連鎖移動剤を重合系に適宜添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール及びチオフェノール等が挙げられる。
水溶性高分子化合物を製造する際の重合温度は、特に制限されないが、重合温度は60〜100℃で行うのが好ましい。重合温度を60℃以上にすることで、重合反応が円滑に進行し、かつ生産性に優れるものとなり、100℃以下とすることで、着色を抑制することができる。
また、重合反応は、加圧又は減圧下で行うことも可能であるが、加圧あるいは減圧反応用の設備にするためのコストが必要になるので、常圧で行うことが好ましい。重合時間は2〜20時間、特に3〜10時間程度で行うことが好ましい。
重合反応後、必要に応じて塩基性化合物で中和を行う。中和に使用する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類等が挙げられる。中でも、アンモニア水が、生成した水溶性高分子化合物の分散性と研磨対象基板の汚染を避ける点から好ましい。中和後のpH値(25℃)は、水溶性高分子化合物濃度が10質量%の水溶液の場合、1〜13が好ましい。
(1−5)重量平均分子量
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、20,000〜10,000,000であり、好ましくは、50,000〜5,000,000である。さらに好ましくは、100,000〜1,000,000である。尚、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリアクリル酸換算で測定したものである。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が、20,000未満の場合は、スクラッチが悪化する。また、10,000,000を超える場合には、水溶液の粘度が高くなり取扱いが困難になる。
(1−6)濃度
水溶性高分子化合物の研磨剤組成物中の濃度は、固形分換算で、0.0001質量%以上、2.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%以上、1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.005質量%以上、0.5質量%以下である。水溶性高分子化合物の濃度が、0.0001質量%より少ない場合には、水溶性高分子化合物の添加効果が十分に得られず、2.0質量%より多い場合には、水溶性高分子化合物の添加効果は頭打ちとなり、必要以上の水溶性高分子化合物を添加することで経済的でない。
(2)コロイダルシリカ
本発明で使用されるコロイダルシリカは、平均粒子径(D50)が1〜100nmであることが好ましい。より好ましくは、2〜80nmである。コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリ金属塩を原料とし、当該原料を水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法で得られる。またはテトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、当該原料をアルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で、酸またはアルカリでの加水分解による縮合反応によって粒子を成長させるアルコキシシラン法でも得られる。
コロイダルシリカは球状、鎖状、金平糖型、異形型などの形状が知られており、水中に一次粒子が単分散してコロイド状をなしている。本発明で使用されるコロイダルシリカとしては、球状または球状に近いコロイダルシリカが特に好ましい。球状、または球状に近いコロイダルシリカを用いることでスクラッチを少なくできる。
研磨剤組成物中のコロイダルシリカの濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、2〜40質量%である。
(3)酸および/またはその塩
本発明では、pH調整のために、または任意成分として酸および/またはその塩を使用することができる。使用される酸および/またはその塩としては、無機酸および/またはその塩と有機酸および/またはその塩が挙げられる。
無機酸および/またはその塩としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホスホン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等の無機酸および/またはこれらの塩が挙げられる。
有機酸および/またはその塩としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸および/またはこれらの塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸等のカルボン酸および/またはこれらの塩、有機ホスホン酸および/またはその塩などが挙げられる。これらの酸および/またはその塩は、1種あるいは2種以上を用いることができる。
有機ホスホン酸および/またはその塩としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。
上記の化合物は2種以上を組み合わせて使用することも好ましい実施態様であり、具体的にはリン酸と有機ホスホン酸の組み合わせ、またはリン酸と有機ホスホン酸塩との組み合わせなどが挙げられる。
(4)酸化剤
本発明では、研磨促進剤として酸化剤を使用することができる。使用される酸化剤としては、過酸化物、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、ハロゲンオキソ酸またはその塩、酸素酸またはその塩、それらの酸化剤を2種以上混合したもの、等を用いることができる。
具体的には、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸の金属塩、ジクロム酸の金属塩、過硫酸、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ペルオキソリン酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、等が挙げられる。中でも過酸化水素、過硫酸およびその塩、次亜塩素酸及びその塩などが好ましく、さらに好ましくは過酸化水素である。
研磨剤組成物中の酸化剤含有量は、0.01〜10.0質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5.0質量%である。
(5)その他の成分
本発明においては、さらに分子中に繰り返し単位とスルホン酸(塩)基とを有し、繰り返し単位の主鎖中に芳香族基を有する界面活性剤を研磨剤組成物中に含有することができる。
界面活性剤の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物などのナフタレンスルホン酸系化合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸、変性リグニンスルホン酸などのリグニンスルホン酸系化合物、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物などの芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩などが挙げられる。これらの中でも、ナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩が好ましい。
また、それぞれ塩とした場合の対イオンとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミンなどの一級アミン塩、ジエタノールアミンなどの二級アミン塩、トリエタノールアミンなどの三級アミン塩、テトラメチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩等が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩としては、酸および上述のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミンなどの三級アミン塩、テトラメチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩等の塩が挙げられる。中でもナフタレンスルホン酸系化合物の塩が好ましく、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物等が好ましく用いられる。
研磨剤組成物中のこれらの界面活性剤の含有量は0.0001質量%以上、2.0質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.001質量%以上、1.0質量%以下である。
2.物性
本発明の研磨剤組成物のpH値(25℃)は、好ましくは0.1〜4.0である。さらに好ましくは0.5〜3.0である。研磨剤組成物のpH値(25℃)が0.1以上であることにより、表面平滑性の悪化を抑制することができる。研磨剤組成物のpH値(25℃)が4.0以下であることにより、研磨速度の低下を抑制することができる。
本発明の研磨剤組成物は、ハードディスクといった磁気記録媒体などの種々の電子部品の研磨に使用することができる。特に、アルミニウム磁気ディスク基板の研磨に好適に用いることができる。さらに好適には、無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板の研磨に用いることができる。無電解ニッケル−リンめっきは、通常pH値(25℃)が4.0〜6.0の条件下でめっきされる。pH値(25℃)が4.0未満の条件ではニッケルが溶解傾向に向かうため、めっきが進行しにくくなる。一方、研磨においては、例えば、pH値(25℃)が4.0未満の条件でニッケルが溶解傾向となるため、本発明の研磨剤組成物を用いることにより、研磨速度を高めることができる。
3.磁気ディスク基板の研磨方法
本発明の研磨剤組成物は、アルミニウム磁気ディスクやガラス磁気ディスク基板等の磁気ディスク基板の研磨での使用に適している。特に、無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨での使用に適している。
本発明の研磨剤組成物を適用することが可能な研磨方法としては、例えば、研磨機の定盤に研磨パッドを貼り付け、研磨対象物の研磨する表面または研磨パッドに研磨剤組成物を供給し、研磨する表面を研磨パッドで擦り付ける方法がある。例えば、アルミニウム磁気ディスク基板のおもて面と裏面を同時に研磨する場合には、上定盤および下定盤それぞれに研磨パッドを貼り付けた両面研磨機を用いる方法がある。この方法では、上定盤および下定盤に貼り付けた研磨パッドでアルミニウム磁気ディスク基板を挟み込み、研磨面と研磨パッドの間に研磨剤組成物を供給し、2つの研磨パッドを同時に回転させることによって、アルミニウム磁気ディスク基板のおもて面と裏面を研磨する。研磨パッドは、ウレタンタイプ、スウエードタイプ、不織布タイプ、その他いずれのタイプも使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の各実施例、各比較例の研磨においては、あらかじめ粗研磨された無電解ニッケル−リンめっきアルミニウム合金基板を100枚用意して、1枚目から100枚目まで連続して研磨を実施した。この連続仕上げ研磨における途中の10枚目と50枚目、および最後の100枚目の基板について、仕上げ研磨した際の研磨速度とスクラッチの評価結果を表2に示し、各実施例および比較例における、仕上げ研磨工程の研磨速度とスクラッチの推移を比較した。以下、具体的に説明する。
[研磨剤組成物の調製方法]
実施例1〜16、比較例1〜4で使用した研磨剤組成物は、表1に記載の材料を、表1に記載の含有量または添加量で含んだ研磨剤組成物である。
Figure 2018032450
コロイダルシリカIは、平均粒子径(D50)が21nmの市販品である。コロイダルシリカIIは、平均粒子径(D50)が29nmの市販品である。
硫酸は、研磨剤組成物のpH値(25℃)が1.2になるような量として、0.8質量%含有させた。
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸は、有機ホスホン酸であり、以下ではHEDPと略す。酸化剤として、過酸化水素を用いた。
アクリルポリマーIは、アクリル酸/N−tert−ブチルアクリルアミドが86/14(mol比)の共重合体で、重量平均分子量が60,000であった。アクリルポリマーIの10質量%水溶液のpH値(25℃)は通常2.2である。アクリルポリマーIIは、アクリル酸/N−tert−ブチルアクリルアミドが86/14(mol比)の共重合体で、重量平均分子量が120,000であった。アクリルポリマーIIの10質量%水溶液のpH値(25℃)は通常2.2である。アクリルポリマーIIIは、アクリル酸/N−tert−ブチルアクリルアミドが86/14(mol比)の共重合体で、重量平均分子量が340,000であった。アクリルポリマーIIIの10質量%水溶液のpH値(25℃)は通常2.2である。アクリルポリマーIVは、ポリアクリル酸ナトリウム塩で、重量平均分子量が300,000であった。アクリルポリマーIVの10質量%pH値(25℃)は通常7.0である。アクリルポリマーVは、ポリアクリル酸ナトリウム塩で、重量平均分子量が6,000であった。アクリルポリマーVの10質量%pH値(25℃)は通常7.0である。
アクリルポリマーI、II、IIIは、重量平均分子量が60,000と120,000と340,000の、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位とを含有する共重合体である。アクリルポリマーIV、Vは重量平均分子量が300,000と、6,000のアクリル酸(塩)の単独重合体である。
なお、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリアクリル酸換算で測定したものであり、以下にGPC測定条件を示す。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL(東ソー(株)製)+G2500PWXL(東ソー(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/アセトニトリル=9/1(容量比)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
検出:210nm(UV)
サンプル:濃度5mg/ml(注入量100μl)
検量線用ポリマー:ポリアクリル酸 分子量(ピークトップ分子量:Mp)11.5万、2.8万、4100、1250(創和科学(株)、American Polymer Standards Corp.)
界面活性剤として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物であるラベリンFM−45(第一工業製薬(株)製)を用いた。
[コロイダルシリカの粒子径]
コロイダルシリカの粒子径(Heywood径)は、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子(株)製、透過型電子顕微鏡 JEM2000FX(200kV))を用いて倍率10万倍の視野を撮影し、この写真を解析ソフト(マウンテック(株)製、Mac−View Ver.4.0)を用いて解析することによりHeywood径(投射面積円相当径)として測定した。コロイダルシリカの平均粒子径は前述の方法で2000個程度のコロイダルシリカの粒子径を解析し、小粒径側からの積算粒径分布(累積体積基準)が50%となる粒子径を上記解析ソフト(マウンテック(株)製、Mac−View Ver. 4.0)を用いて算出した平均粒子径(D50)である。
[研磨条件]
無電解ニッケル−リンめっきされた外径95mmのアルミニウム磁気ディスク基板を粗研磨したものを研磨対象として研磨を行った。
研磨機:スピードファム(株)製、9B両面研磨機
研磨パッド:(株)FILWEL社製 P2用パッド
定盤回転数:上定盤 −8.3min−1
下定盤 25.0min−1
研磨剤組成物供給量: 100ml/min
研磨時間: 300秒
加工圧力: 11kPa
各成分を混合して研磨剤組成物を調製した後、目開き0.45μmのフィルターを通して研磨機に導入し、研磨試験を実施した。
[研磨したディスク表面の評価]
[研磨速度比]
研磨速度は、研磨後に減少したアルミニウム磁気ディスク基板の質量を測定し、下記式に基づいて計算した。
研磨速度(μm/min)=アルミニウム磁気ディスク基板の質量減少(g)/研磨時間(min)/アルミニウム磁気ディスク基板の片面の面積(cm)/無電解ニッケル−リンめっき皮膜の密度(g/cm)/2×10
(ただし、上記式中、アルミニウム磁気ディスク基板の片面の面積は65.9cm,無電解ニッケル−リンめっき皮膜の密度は8.0g/cm
研磨速度比は、比較例1で10枚目の基板を研磨した時に上記式を用いて求めた研磨速度を1(基準)とした場合の相対値である。尚、比較例1で10枚目の基板を研磨した時の研磨速度は0.1052μm/minであった。
[スクラッチ比]
スクラッチ本数は、(有)ビジョンサイテック製のMicroMAX VMX−4100を用いて、基板にあるスクラッチの本数を、測定条件:チルト角−5°、倍率20倍で測定した。スクラッチ比は、比較例1で10枚目の基板を研磨した時のスクラッチ本数を1(基準)とした場合の相対値である。
Figure 2018032450
[考察]
比較例1と比較例3の対比、および比較例2と比較例4の対比から、重量平均分子量が6,000のアクリル酸(塩)の単独重合体添加(アクリルポリマーV)により、研磨速度は向上するものの、スクラッチが悪化することがわかる。これに対して、実施例15と比較例1の対比、および実施例16と比較例2の対比から、重量平均分子量が300,000のアクリル酸(塩)の単独重合体添加(アクリルポリマーIV)により、研磨速度が向上し、スクラッチも改善されることがわかる。
さらに、実施例1と比較例1の対比、および実施例2と比較例2の対比から、重量平均分子量が60,000のアクリル酸(塩)と不飽和アミドの共重合体添加(アクリルポリマーI)の場合には、初期研磨速度の向上のみならず、多数回研磨時の研磨速度低下が抑制され、さらにスクラッチも大幅に改善されることがわかる。
実施例1および実施例2に対して、アクリル酸(塩)と不飽和アミドの共重合体の重量平均分子量を大きくしたもの(アクリルポリマーII、重量平均分子量が120,000)が実施例3および実施例4であり、スクラッチ改善効果がより顕著になっている。
実施例1および実施例2に対して、さらに有機ホスホン酸(塩)(HEDP)を添加することにより、研磨速度がさらに向上し、スクラッチもさらに改善されることがわかる(実施例11と実施例1の対比、および実施例12と実施例2の対比から)。
さらにスクラッチ改善を目的として、実施例11および実施例12の研磨剤組成物に、それぞれナフタレンスルホン酸系化合物(塩)(ラベリンFM−45)を添加したものが実施例13および実施例14であり、添加前に比べてスクラッチが大幅に改善されていることがわかる。
以上のことから、本発明の研磨剤組成物を用いることにより、研磨後のスクラッチを低減でき、さらに多数回研磨の際に研磨速度の低下が抑制されることがわかる。
本発明の研磨剤組成物は、半導体、ハードディスクといった磁気記録媒体などの電子部品の研磨に使用することができる。特にガラス磁気ディスク基板やアルミニウム磁気ディスク基板などの磁気記録媒体用基板の表面研磨に使用することができる。さらには、アルミニウム合金製の基板表面に無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した磁気記録媒体用アルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨に使用することができる。

Claims (13)

  1. コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含み、前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が20,000〜10,000,000であり、濃度が0.0001〜2.0質量%である磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  2. 前記コロイダルシリカの平均粒子径(D50)が1〜100nmであり、組成物中の濃度が1〜50質量%である請求項1に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  3. 前記水溶性高分子化合物が、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の2種の構成単位を含有し、前記2種の構成単位の量比が、mol比で95:5〜5:95の範囲にある共重合体である請求項1または2に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  4. 前記不飽和アミドがN−アルキルアクリルアミドまたはN−アルキルメタクリルアミドのいずれかである請求項3に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  5. 前記共重合体がアクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの共重合体、アクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの共重合体、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの共重合体、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの共重合体からなる群より選ばれる請求項3に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  6. 前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が50,000〜5,000,000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  7. 前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が100,000〜1,000,000である請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  8. 前記研磨剤組成物のpH値(25℃)が0.1〜4.0の範囲にある請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  9. さらに有機ホスホン酸および/またはその塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  10. 前記有機ホスホン酸および/またはその塩が、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項9に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  11. さらに、分子中に繰り返し単位とスルホン酸(塩)基とを有し、繰り返し単位の主鎖中に芳香族基を有する界面活性剤を含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  12. 前記界面活性剤がナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項11に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  13. 前記ナフタレンスルホン酸系化合物が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項12に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
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