JP7356924B2 - 研磨用砥粒分散液 - Google Patents
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Description
異形粒子といっても、その粒子径分布は多種多様であるが、通常、粒子径が比較的大きな粒子は研磨速度が高いため、高い研磨速度が要求される場合は、できるだけ平均粒子径が大きい異形粒子が用いられる。しかし、平均粒子径が比較的大きな異形粒子の場合、粒子径分布の裾が大粒子径側に大きく広がる傾向にあるので、平均粒子径に比して粗大な粒子を微量ながら含むことが多い。そして、このような粗大な粒子に起因して、研磨基板にスクラッチが生じたり、基板の表面粗さやうねりが悪化したりする傾向にある。そのため、高い研磨速度が要求される研磨に使用する砥粒として、平均粒子径が比較的大きく、且つ粗粒や過剰な大粒子(これらは総称して「粗大粒子」と呼ばれる)が極めて少ない異形粒子が望まれる。
したがって、高い研磨速度と高い面精度を両立する好適な化学機械的研磨を実現するために、比較的大きな異形粒子を含む砥粒であって、質量当たりの砥粒個数が多く、研磨性能を低下させるような粗大粒子をできるだけ含まず、更に砥粒残りの原因となるような比較的小さい粒子をできるだけ含まない砥粒が望まれる。
このような研磨用砥粒分散液は、比較的大きな異形粒子を含むが粒子の沈降性および再分散性が優れるため、より実用性が高い。
本発明は以下の(1)~(10)である。
(1)異形シリカ系粒子および非異形シリカ系粒子からなるシリカ系粒子群を含むシリカ系粒子分散液に、ポリカルボン酸塩からなる分散剤が分散してなる研磨用砥粒分散液であって、前記異形シリカ系粒子は、内部に複数の細孔を有するコアおよびそれを被覆する被覆シリカ層を有し、さらに下記[1]~[5]を満たす研磨用砥粒分散液。
[1]前記シリカ系粒子群の重量平均粒子径(D1)が100~600nmであり、比表面積換算粒子径(D2)が30~300nmであること。
[2]前記シリカ系粒子群の重量平均粒子径(D1)と投影面積相当粒子径(D3)との比で表される異形度D(D=D1/D3)が1.1~5.0の範囲にあること。
[3]前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を波形分離すると、分離ピークが3つ以上検出される多峰分布となること。
[4]前記ポリカルボン酸塩は、重量平均分子量が20,000~140,000の範囲にあり、カルボニル炭素に直接結合する炭素原子の個数をm、カルボニル炭素に直接結合しない炭素原子の個数をnとしたとき、m/(m+n)×100の値が40~50%の範囲にあること。
[5]前記シリカ系粒子群と、前記ポリカルボン酸塩の質量比が100:0.1~100:10の範囲にあること。
(2)前記分散剤がポリアクリル酸塩からなることを特徴とする、上記(1)に記載の研磨用砥粒分散液。
(3)前記コアの内部細孔の平均細孔径が20nm以下であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の研磨用砥粒分散液。
(4)前記被覆シリカ層が、平均厚さ1~50nmの範囲で、シリカを主成分とすることを特徴とする、上記(1)~(3)のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
(5)前記シリカ系粒子群が、その体積基準粒子径分布において、歪度が-20~20の範囲にあることを特徴とする、上記(1)~(4)のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
(6)前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を波形分離した結果得られた分離ピークのうち、最大粒子成分の体積割合が75%以下であることを特徴とする、上記(1)~(5)のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
(7)前記シリカ系粒子群のSEM画像解析により得られる個数基準粒子径分布において、小粒子側成分のアスペクト比が1.05~5.0の範囲にあることを特徴とする、上記(1)~(6)のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
(8)前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布の粒子径の変動係数が30%以上であることを特徴とする、上記(1)~(7)の何れかに記載の研磨用砥粒分散液。
(9)前記シリカ系粒子群における、画像解析法による平均面積(S1)に対する画像解析法による平均外周長と等価な円の面積(S2)の比であらわされる平滑度S(S=S2/S1)が1.1~5.0の範囲にあることを特徴とする、上記(1)~(8)のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
(10)前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布において、全体積(Q1)に対する0.7μm以上の粒子の体積(Q2)の割合Q(Q=Q2/Q1)が1.2%以下であることを特徴とする、上記(1)~(9)のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
また、本発明の研磨用砥粒分散液に含まれるシリカ系粒子群は、その表面が平滑でなく、微小な突起を有しており、多孔質であるため、研磨時に発生する研磨屑やイオン成分、オリゴマー成分、有機物等を吸着するスカベンジャー効果も備えている。そのため、研磨基板へのこれらの成分の再付着を防止でき、残渣の少ない研磨表面を達成することができる。
本発明のシリカ系粒子群の重量平均粒子径(D1)は100~600nmであり、110~400nmが好ましく、120~300nmであることが最も好ましい。重量平均粒子径(D1)が100~600nmの範囲にあるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、高い研磨速度を得ることができ、且つスクラッチが発生しにくい。なお、重量平均粒子径(D1)が100nm未満であるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、必要な研磨速度が得にくく、さらに小さな粒子が研磨後の基板に残留しやすい傾向にある。また、重量平均粒子径(D1)が600nm超であるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、スクラッチが発生しやすい傾向にあり、また重量平均粒子径をこれ以上大きくしても質量当たりの砥粒個数が減少するため、研磨速度が向上しない場合がある。
本発明のシリカ系粒子群の比表面積換算粒子径(D2)は30~300nmであり、40~250nmが好ましく、50~200nmであることがより好ましく、60~150nmであることが最も好ましい。比表面積換算粒子径(D2)が30~300nmの範囲にあるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、高い研磨速度を得ることができ、且つスクラッチが発生しにくい。なお、比表面積換算粒子径(D2)が30nm未満であるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、必要な研磨速度が得にくく、さらに小さな粒子が研磨後の基板に残留しやすい傾向にある。また、比表面積換算粒子径(D2)が300nm超であるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、スクラッチが発生したり研磨後の基板の表面粗さが悪化したりする傾向にある。さらに、比表面積換算粒子径(D2)をこれ以上大きくしても、質量当たりの砥粒個数が減少するため、逆に研磨速度が低下する傾向にある。
ここでBET法とは、次のような方法である。
初めに、測定対象であるシリカゾル(研磨用砥粒分散液)50mlを硝酸によりpHを3.5に調整し、これに1-プロパノールを40ml加えて110℃で16時間乾燥した試料について、乳鉢で粉砕後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成して測定用試料とする。そして、公知の比表面積測定装置(例えばユアサアイオニクス製、型番マルチソーブ12など)を使用し、窒素吸着法(BET法)を用いて窒素の吸着量からBET1点法により比表面積を算出する。比表面積測定装置では、焼成後の試料0.5gを測定セルに取り、窒素30vol%/ヘリウム70vol%混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次いで、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により試料中のシリカ微粒子の比表面積(SA)を算出する。
ここでタイトレーション法とは、次のような方法である。
まず初めに、SiO2として1.5gに相当する試料をビーカーに採取してから、恒温反応槽(25℃)に移し、純水を加えて液量を90mlにする(以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行う)。次に、pH3.6になるように0.1モル/L塩酸水溶液をここに加える。さらに、塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mlに希釈し、10分間攪拌する。そして、pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液を滴下してpH4.0に調整する。さらに、pH4.0に調整した試料を0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pH8.7~9.3の範囲での滴定量とpH値を4点以上記録して、0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量をX軸、その時のpH値をY軸として、検量線を作る。そして、V=(A×f×100×1.5)/(W×C)の式からSiO21.5g当たりのpH4.0~9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の消費量V(ml)を求め、これを用いて、SA=29.0V-28の式に従って比表面積を求める。
なお、上記式中において、AはSiO21.5g当たりpH4.0~9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)、fは0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の力価、Cは試料のSiO2濃度(%)、Wは試料採取量(g)を意味する。
異形度は、前述の重量平均粒子径(D1)を、投影面積相当粒子径(D3)で割ることによって表わされる。なお、投影面積相当粒子径(D3)とは、次のような方法により測定、算出されたものである。まず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、シリカ系粒子表面の任意の箇所を、倍率3000倍で1視野当たり1.1×10-3mm2の面積で15視野撮影する。そして、この各視野において撮影された個々の画像に含まれる全てのシリカ微粒子について、画像解析システムを用いた画像解析法によって個々の粒子の投影面積を測定し、この測定された各面積に相当する円形の粒子の粒子径(円の直径)を算出し、これらの個数平均(算術平均径)を投影面積相当粒子径(D3)とする。
なお、ここでアスペクト比は粒子が内接する長方形(正方形を含む)の中で最も面積が小さいものにおける、長辺と短辺の比(長辺/短辺)を意味する。また、平均アスペクト比は、50個以上の粒子のアスペクト比の単純平均値を意味する。
なお、アスペクト比が1.1以上である異形シリカ系粒子の個数割合の測定方法は、後述する実施例に示す通りである。
本発明のシリカ系粒子群の体積基準粒子径分布における尖度は-20~20であることが好ましく、-10~10がより好ましく、-5~3が最も好ましい。尖度がこの範囲であるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、より高い研磨速度を得ることができ、且つ研磨後においてより平滑な(表面粗さ(Ra)が小さく、基板のうねり(Wa)も小さく、スクラッチが少ない)表面の基板を得ることができる。
本発明のシリカ系粒子群の体積基準粒子径分布における歪度は-20~20であることが好ましく、-15~15がより好ましく、-10~10が最も好ましい。歪度がこの範囲であるシリカ系粒子群を砥粒として用いた場合は、より高い研磨速度を得ることができ、且つ研磨後においてより平滑な(表面粗さ(Ra)が小さく、基板のうねり(Wa)も小さく、スクラッチが少ない)表面の基板を得ることができる。
本発明では、シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を遠心沈降法によって測定する。例えば、シリカ系粒子分散液を0.05質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、固形分濃度で2質量%に調整し、公知のディスク遠心式粒子径分布測定装置(例えば、CPS Instriment社製など)を用いて体積基準粒子径分布を測定することができる。
このようにして得られた体積基準粒子径分布の平均値や標準偏差等から従来公知の式によって尖度および歪度を算出する。例えば、SAS Institute Japan社製JMP Ver.13.2を用いて尖度および歪度を算出できる。なお、体積基準粒子径粒度分布において、まれに所定の粒子径の頻度が負の値を取る事があるが、そのような場合は頻度をゼロとして算出する。
本発明のシリカ系粒子群の体積基準粒子径分布は、下記の方法で波形分離すると、分離ピークが3つ以上検出される多峰分布となる。単峰分布となる粒子群の場合は、粒子径に応じた研磨速度とうねりが発生し、粒子径が大きい場合は研磨速度は高いがうねりが大きくなり、粒子径が小さい場合はうねりは良化するが研磨速度は低くなる。これに対して多峰分布となる粒子群の場合は、それぞれの成分の粒子径に応じた研磨痕を残しながら研磨が進行し、これらの総和がうねりおよび研磨速度となる。従って、大粒子成分と同時に、小粒子成分が十分な研磨速度を示すような分布(小粒子も大粒子も多く含まれているような、例えば台形の分布で、波形分離すると多峰となる分布)であれば、研磨速度とうねりが両立できる。
条件1:算出されたそれぞれのピークが元の分布より大きい値を取らないこと。
条件2:算出されたそれぞれのピークが負の値を取らないこと。
具体的には、波形分離した最大粒子成分の体積割合が、全体の体積のうち75%以下である事が望ましい。最大粒子成分の体積割合が75%以下の場合は、分布がブロードになり、波形分離した場合、分離ピークが3以上の多峰分布となる傾向にあるからである。
この最大ピークの体積割合が75%超の場合は、実質的に単峰分布に近い分布であり、このような体積基準粒子径分布を波形分離しても、分離ピークは3未満となる傾向にある。
本発明のシリカ系粒子群は、SEM画像解析の結果、得られる個数基準粒子径分布において、小粒子側成分のアスペクト比が1.05~5.0の範囲にあることが好ましく、1.05~3.0の範囲にあることがより好ましく、1.05~2.0の範囲にあることがより好ましく、1.05~1.5の範囲にあることが更に好ましい。なお、SEM画像解析により得られる個数基準粒子径分布における小粒子側成分のアスペクト比とは、以下のような方法により測定、算出されたものである。まず、公知の走査型電子顕微鏡(SEM)および公知の画像解析システムを用いて、倍率3000倍で1視野当たり1.1×10-3mm2の面積で15視野撮影し、シリカ系粒子群の総粒子数をカウントする。また、各粒子の面積を、その面積と等しい面積の円の直径を求め、それを粒子径とする。そして、得られた粒子径をサイズ順にならべ、小さい側から数えて粒子個数の1/3までの粒子を小粒子側成分とし、小粒子側成分の粒子の各々についてアスペクト比(最小内接四角の長径/短径比)を求め、それらの単純平均値を「小粒子側成分のアスペクト比」とする。
本発明に係るシリカ系粒子群の体積基準粒子径分布の粒子径の変動係数は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。前記変動係数を所定の範囲とすることで、体積基準粒子径分布がブロードとなり、つまり幅広い粒子径分布を有するシリカ系粒子群となり、より好適な研磨性能を発揮する。なお、本発明において「変動係数(CV値)」とは、その標準偏差を平均値で割った値を百分率で示したものであり、相対的なばらつきを示している。
なお、本発明のCV値は、ディスク遠心式粒子径分布測定装置(CPS Instriment社製)を用いた体積基準粒子径分布から求めたものとする。
本発明のシリカ系粒子群における、画像解析法による平均面積(S1)に対する画像解析法による平均外周長と等価な円の面積(S2)の比であらわされる平滑度S(S=S2/S1)は、1.1~5.0の範囲であることが好ましく、1.3~4.0の範囲であることがより好ましい。S値が1.0よりも高い場合は、シリカ系粒子群に含まれる異形シリカ系粒子の表面が平滑でなく微小な凹凸を有した形状であることを示している。これは異形シード粒子が一次粒子の集合体であり、多孔質であるため、このシード粒子の表面も微小な突起を有しており、このシード粒子を粒子成長させた異形シリカ系粒子は、微小な突起が維持された形状となるからである。さらに異形シリカ系粒子表面に適度な微小突起を有する異形シリカ系粒子を含むシリカ系粒子群を研磨砥粒として用いた場合、突起部に研磨圧力が集中するため、高い研磨速度が得られる。なお、粒子表面の突起が過剰な場合は、研磨後の基板表面の表面粗さやうねりは悪化しないが、砥粒が摩耗し易く、研磨速度が低下する傾向にある。
これらは、以下のような方法で測定、算出されたものである。初めに、公知の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、粒子表面の任意の箇所を、倍率3000倍で1視野当たり1.1×10-3mm2の面積で15視野撮影する。この各視野において撮影された個々の画像に含まれる全てのシリカ微粒子について、公知の画像解析システムを用いて各粒子の面積および外周長を測定し、この測定された各面積および各外周長データから平均面積(S1)(単純平均値)および平均外周長(単純平均値)を算出し、さらにこの平均外周長から、平均外周長と等価な円(平均外周長と同じ円周である円)の面積(S2)を算出する。
本発明のシリカ系粒子群は、その体積基準粒子径分布において、全体積(Q1)に対する0.7μm以上の粒子の体積(Q2)の割合Q(Q=Q2/Q1、百分率により表示)が1.2%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。このようなシリカ系粒子群は、粗大粒子の割合が少ないことにより、研磨時においてスクラッチなどのディフェクトがより発生しにくく、研磨基板の表面粗さをより小さくすることができる。
本発明のシリカ系粒子群に含まれる異形シリカ系粒子は、異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子をシード粒子として用い、珪酸液を用いてこのシード粒子を成長させることにより得る。この粒子成長の際に、シード粒子中の一次粒子間のネック部が優先的に珪酸によって埋められるが、その一部の細孔は残存する。そのため、本発明の異形シリカ系粒子は、その粒子内部(コア)に微小な複数の内部細孔を有しており、内部が密なシリカ系粒子よりも粒子密度は低いが、その割には強度が高い。この内部細孔の平均細孔径は、20nm以下であることが好ましい。この内部細孔径が大きくなりすぎると、粒子の強度が低下する傾向があるからである。
さらに、被覆シリカ層が無いあるいは1nmより薄い場合には、強度が弱く研磨時に粒子が崩壊するため、研磨速度は向上しにくく、また繰り返し研磨を行った場合に、研磨速度のばらつきが大きくなる傾向にある。
試料(異形シリカ系粒子および非異形シリカ系粒子からなるシリカ系粒子群を含むシリカ系粒子分散液(シリカ濃度30質量%))1~2gをルツボに取り、500℃-1Hr焼成後、ガラスセルに約0.03g測りとり、300℃で2時間真空脱気する。その後、マイクロトラックベル社製のBELSORP-miniにセットし、試料にN2を吸着させ吸着等温線を得た。相対圧(P/P0):0.990の時の値を細孔容積とした。
初めに、透過型電子顕微鏡(TEM)によって本発明の異形シリカ系粒子を20万倍で観察し、1つの粒子の最大径を長軸とし、その長軸上において長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線がこの粒子の外縁と交わる2点を求め、この2点間を短軸とする。そして、この長軸及び短軸の両側の被覆シリカ層の厚さを求め、これらを単純平均してこの粒子1つの被覆シリカ層の平均厚さとする。同様に任意の20個の粒子について被覆シリカ層の厚みを求め、これらを単純平均したものを異形シリカ系粒子における被覆シリカ層の平均厚さとする。
さらに、長軸および短軸上に存在する細孔径を求め、その平均を粒子1つの平均細孔径とする。同様に任意の20個の粒子について細孔径を求め、これらを単純平均したものを異形シリカ系粒子における平均細孔径とする。
係る特定のポリカルボン酸塩からなる分散剤は、重量平均分子量が20,000~140,000の範囲にある。
また、係るポリカルボン酸における、カルボニル炭素に直接結合する炭素原子の個数をm、カルボニル炭素に直接結合しない炭素原子の個数をnとしたとき、m/(m+n)×100の値が40~50%の範囲にあり、45~49%の範囲にあることが好ましい。このような範囲内であると、本発明の研磨用砥粒分散液の沈降率、再分散率、残存率がより優れたものとなる。
なお、m、nの測定方法は後述する。
ポリカルボン酸塩の重量平均分子量が20,000未満の場合は、ポリカルボン酸塩の界面活性剤としての性質が発現し、研磨用砥粒分散液の液面で発泡が発生するため、研磨スラリーとして適さない。同じく重量平均分子量が140,000を超える場合は、ポリカルボン酸塩の分子の長さが長くなり、シリカ粒子間で、ある種の架橋構造が形成されため、見かけ上の粒子径大きくなるため、より沈降性が悪化する。
係る重量平均分子量は、70,000~110,000の範囲が更に好ましい。
シリカ系粒子群100質量部に対し0.1質量部未満では、カルボン酸塩が過少のため、分散剤添加による沈降率、再分散率、残存率などの効果が見られない。他方、同じく10質量部を超えると、カルボン酸塩が過剰となり、塩濃度の上昇のため、粒子が凝集する問題が生じ易くなる。
本発明の研磨用砥粒分散液における前記シリカ系粒子群と、前記ポリカルボン酸塩の質量比は、好ましくは100:0.5~100:2の範囲が推奨される。
なお、界面活性剤および/または親水性化合物の含有量は、充分な効果を得る上で、研磨用砥粒分散液の1L中、0.001g以上が好ましく、研磨速度低下防止の点から10g以下が好ましい。
特に、磁気ディスクを研磨するために好ましく用いることができる。さらに、SiO2絶縁膜が形成された半導体基板の平坦化用の研磨用砥粒分散液として好適に使用することができる。また、研磨性能を制御するためにケミカル成分を添加し、研磨スラリーとしても好適に用いることができる。
本発明の研磨用砥粒分散液に、被研磨材の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の研磨促進剤を添加することで研磨スラリーとして、使用することができる。この様な例としては、過酸化水素、過酢酸、過酸化尿素など及びこれらの混合物を挙げることができる。このような過酸化水素等の研磨促進剤を含む研磨材組成物を用いると、被研磨材が金属の場合には効果的に研磨速度を向上させることができる。
本発明の研磨用砥粒分散液は、前記の特定のカルボン酸塩を含むので、それ以外に分散性向上を目的とした分散剤の添加は不要であるが、研磨用砥粒分散液の適用用途あるいは研磨用砥粒分散液に更に他の成分を添加した場合等においては、本発明の研磨用砥粒分散液の性能を低下させない範囲で、他の公知の分散剤(カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤または親水性化合物等)を添加することができる。
本発明の研磨用砥粒分散液については、被研磨基材に金属が含まれる場合に、金属に不動態層または溶解抑制層を形成させて、被研磨基材の侵食を抑制する目的で、複素環化合物を含有させても構わない。ここで、「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、または水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、およびホウ素原子などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。複素環化合物の例として、イミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾールなどを用いることができる。より具体的には、1,2,3,4-テトラゾール、5-アミノ-1,2,3,4-テトラゾール、5-メチル-1,2,3,4-テトラゾール、1,2,3-トリアゾール、4-アミノ-1,2,3-トリアゾール、4,5-ジアミノ-1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記各添加剤の効果を高めるためなどに必要に応じて酸または塩基およびそれらの塩類化合物を添加して研磨用組成物のpHを調節することができる。
本発明の研磨用砥粒分散液のpH値を一定に保持するために、pH緩衝剤を使用しても構わない。pH緩衝剤としては、例えば、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、4ホウ酸アンモ四水和水などのリン酸塩およびホウ酸塩または有機酸塩などを使用することができる。
本発明の研磨用砥粒分散液は、沈降を抑制し、仮に沈降した場合であって易分散化させる目的で沈降抑制剤を添加しても構わない。沈降抑制剤としては特に制限はないが、ポリカルボン酸系界面活性剤、陰イオン系高分子界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボン酸系共重合体ナトリウム塩、カルボン酸系共重合体アンモニウム塩、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸、スルホン酸系共重合体ナトリウム塩、脂肪酸塩、α-スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩エステル、アルキル硫酸トリエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジウムクロリド、アルキルカルボキシベタイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン結合物、カルボキシメチルセルロース、オレフィン・無水マレイン酸共重合物、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロック、ポリマーでんぷん、ポリエチレンイミン、アミノアルキルアクリレート共重合体、ポリビニルイミダソリン、サトキンサンなどが挙げられる。
なお、本発明の研磨用砥粒分散液に沈降抑制剤を配合する場合の含有量については、総量として、研磨用砥粒分散液の1L中、0.001~10gとすることが好ましく、0.01~5gとすることがより好ましく、0.1~3gとすることが特に好ましい。この含有量は、充分な効果を得る上で、研磨用砥粒分散液の1L中、0.001g以上が好ましく、研磨速度低下防止の点から10g以下が好ましい。
次に、本発明の研磨用砥粒分散液の製造方法を具体的に説明する。
この工程は、出発原料として多孔質シリカ系ゲルを用いる。多孔質シリカ系ゲルは、多孔質なシリカ系のゲルであれば、シリカゲルだけでなく、シリカ・アルミナゲル、シリカ・チタニアゲル、シリカ・ジルコニアゲルなどの複合体ゲルであっても構わない。またゲルの状態は、ヒドロゲルであってもキセロゲルであっても、オルガノゲルであっても構わない。そして、このような多孔質なシリカ系ゲルをアルカリ性下で湿式解砕して、異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子を含む溶液にする工程である。多孔質シリカ系ゲルを粉砕してシード粒子として使用することによって、このシード粒子も多孔質となり、また、このシード粒子は真球状のものがほとんど得られず、異形粒子となる。この傾向は、粉砕により粒子径の大きいシード粒子を調製した場合に顕著で、シードサイズが小さくなるように粉砕すると異形度は低くなる傾向にある。そして、後の工程bにおいて、添加する珪酸液が異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子(シード粒子)のシリカ表面および内部数十nm程度に侵入しながら沈積し、溶解度差によって、粒子径に関与しない細孔と珪酸が優先的に反応して該細孔が埋められながら、粒子外表面にシリカが沈着して、粒子の成長を促す(以下の説明において、これをビルドアップという)。このビルドアップによって、粒子外表面の凸部はより外径の増加に寄与し、凹部は外形への寄与が小さいので、成長粒子の強度が高くなると共に粒子の異形が崩れるのが抑制され、粒子径の大きな異形シリカ系粒子を製造することができる。なお、粒子径の大きなシード粒子(例えば粒子径が100nm以上のシード粒子)をビルドアップすると、珪酸液は数十nm程度しか細孔内に侵入できないため、表面の数十nmを埋めた後は、シリカが粒外表面に沈着するだけになり、内部に細孔が残存することになる。そして、粒子径が大きなシード粒子は、異形度が高く、ビルドアップにより、内部に複数の細孔を有するコアおよびそれを被覆する被覆シリカ層を有した構造の異形シリカ系粒子を形成する。一方、粒子径の小さいシード粒子をビルドアップした場合は、一次粒子間の細孔がほとんどシリカで埋まり、密なシリカ系粒子に近い状態となる傾向が強い。
また多孔質シリカ系ゲルのサイズ(粒子径)は、1μm~10mmの範囲が望ましい。
なお、ここでpHを調整する方法は特に限定されない。例えば水酸化ナトリウムなどを添加して調整することができる。
この工程は、異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子を含む溶液にアルカリ性下で珪酸液を添加して加温し、異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子の一次粒子間の細孔を珪酸との反応によって埋めると共に異形のまま粒子を成長させるビルドアップ工程である。前記異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子を含む溶液のSiO2濃度は、1~10質量%の範囲が好ましい。異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子を含む溶液のSiO2濃度が1質量%より少ないと、異形シリカ系粒子を製造する効率が低下する傾向がある。また、SiO2濃度が10質量%より多いと、微小シリカ核が発生し、異形性が保てず、異形シリカ系粒子の粒子成長が不均一になりやすい傾向がある。
なお、この工程bは、異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子を水熱処理しながら珪酸液を添加する方法で行ってもよい。この方法では、添加した珪酸液によって過飽和となり、さらに粒子の一部の溶解も生じながら、シリカが沈着して粒子成長するが、一次粒子間のネック部は溶解よりも沈着速度が早いため、一次粒子間の細孔が優先的に埋まっていく。
また、珪酸液は連続的または断続的に添加することが望ましい。
なお、異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子の比表面積は、後記の実施例の「比表面積の測定」に記したとおり、BET法によって測定する。
ここで異形シリカ系粒子の重量平均粒子径は、前述のシリカ系粒子群の重量平均粒子径(D1)と同様の方法によって測定して得た値を意味するものとする。
この工程は、成長した異形シリカ系粒子を含むシリカ系粒子群を濃縮し、回収する工程である。具体的には、例えば、成長した異形シリカ系粒子を含む溶液を室温~40℃程度に冷却し、限外ろ過膜などを用いて濃縮し、エバポレータなどを用いてさらに濃縮して残ったシリカ系粒子群を回収すればよい。さらに粗大な粒子を除去するために、遠心分離をしてもよい。乾燥による粗大な凝集塊が生じ難いという観点から、濃縮は、限外ろ過膜による濃縮が好ましい。
前工程で得られたシリカ系粒子群を含むシリカ系粒子分散液に、前記の特定のカルボン酸塩からなる分散剤を添加し攪拌して本発明の研磨用砥粒分散液を得ることができる。ここで攪拌条件としては、室温で卓上撹拌装置を使用して、1時間ほど撹拌する程度で構わない。
研磨用砥粒分散液の沈降性を沈降率(%)で評価した。沈降率は全スラリー量(g)に対する沈降量(g)の割合である。
各実施例および比較例において得られた研磨用砥粒分散液500gを入れた500ml容器を1か月静置し、その後、上澄みを除去した。そして、残余を沈降分(沈降成分A)として計量し、沈降率を算出した。
沈降率算出時に除去した上澄みを500ml容器に戻し、超音波処理を1時間行い、再分散させた。そして、容器の上下を逆さとした状態で1分間静置した後、再び上澄み成分を除去した。
そして、残余を再分散できなかった沈降分(沈降成分B)として計量し、以下の式より、再分散率を求めた。
また、超音波処理後も再分散できなかった沈降分(沈降成分B)を残存固形分とし、最初に導入した全スラリー量で除して、以下の式より残存率を求めた。
・再分散率=(沈降成分A-沈降成分B)/沈降成分A
・残存率=沈降成分B/500g(全スラリー量)
ポリカルボン酸塩からなる分散剤の重量平均分子量は、GPC測定にて求めた。測定条件は以下の通りとした。
・分析方法:GPC測定
・装置:Water社製、2695 HPLC
・カラム:Water Ultrahydrogen 500 + Water Ultrahydrogen 120 カラム温度40℃
・試料注入量:20μml
・移動相:50mlリン酸ナトリウム水溶液(pH=7):アセトニトリル=9:1、流量0.8mL/min
・検出器:Water社製 2410RI
・標準物質:ポリエチレングリコール
このようにして求めたm、nを用いて、m/(m+n)×100を算出した。
実施例1~2、および比較例1~5については、工程aにおいて投入する多孔質シリカゲルおよび工程bにおいて得られる異形シリカ系粒子の比表面積をBET法により測定、算出した。具体的には、測定対象物の50mlを硝酸によりpHを3.5に調整し、これに1-プロパノールを40ml加えて110℃で16時間乾燥した試料について、乳鉢で粉砕後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成して測定用試料とした。そして、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、型番マルチソーブ12)を使用し、窒素吸着法(BET法)を用いて窒素の吸着量からBET1点法により比表面積を算出した。
比表面積測定装置では、焼成後の試料0.5gを測定セルに取り、窒素30v%/ヘリウム70v%混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させた。次いで、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により試料中のシリカ微粒子の比表面積を算出した。
上記のBET法によって測定した比表面積(SA)と、粒子の密度(ρ=2.2)を用い、D2=6000/(SA×ρ)の式から、シリカ系粒子群の比表面積換算粒子径(D2)を算出した。
シリカ系粒子分散液を0.05質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、固形分濃度で2質量%としたものを、ディスク遠心式粒子径分布測定装置(型番:DC24000UHR、CPS instruments社製)に、0.1mlをシリンジで注入して、8~24質量%のショ糖の密度勾配溶液中で18000rpmの条件で重量平均粒子径(D1)の測定を行った。多孔質シリカ系ゲルの解砕品(異形多孔質シリカ系ゲルからなる粒子)についても、同様の方法で測定を行った。
シリカ系粒子群における投影面積相当粒子径(D3)の測定・算出は、画像解析法により行った。具体的には、まず走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、シリカ系粒子表面の任意の箇所を、倍率3000倍で1視野当たり1.1×10-3mm2の面積で15視野撮影した。そして、この各視野において撮影された個々の画像に含まれる全てのシリカ微粒子について、画像解析システムを用いた画像解析法によって個々の粒子の投影面積を測定し、この測定された各面積に相当する円形の粒子の粒子径(円の直径)を算出し、これらの個数平均を投影面積相当粒子径(D3)とした。
前述のディスク遠心式粒子径分布測定装置を用いた方法により、体積基準粒子径分布も測定した。そして、得られた体積基準粒子径分布データを使用して、SAS Institute Japan社製JMP Ver.13.2を用いて尖度および歪度を算出した。なお、体積基準粒子径粒度分布において、所定の粒子径の頻度が負の値の場合は、頻度をゼロとして算出した。
前述の体積基準粒子径分布測定データを、グラフ作成・データ解析ソフト Origin(OriginLab Corporation社製)のピークアナライザを使用して解析した。まず、基線を0、ピークタイプをGaussianに設定し、粒度分布の極大点をピーク位置として選択して、重み付けなしでピークフィッティングを行い、算出されたピークが以下の条件1および2から逸脱していないことを確認し、逸脱している場合は、下記条件1および2を満たすまでピーク位置を分布範囲内の任意の位置にずらしてピークフィッティングを繰り返した。その後、補正R二乗値が0.99以下である場合は分布範囲内の任意の位置にピークを追加し、補正R二乗値が0.99超になるまでピークフィッティングを繰り返した。このときの分離されたピークの数をピークの個数とした。
条件1:算出されたそれぞれのピークが元の分布より大きい値を取らないこと。
条件2:算出されたそれぞれのピークが負の値を取らないこと。
シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布における全体積(Q1)、これを波形分離した結果得られた分離ピークの各成分の体積割合、最大粒子成分の体積割合および0.7μm以上の粒子の体積(Q2)は、前述のディスク遠心式粒子径分布測定装置を用いて測定した。
小粒子側成分のアスペクト比は、初めに、走査型電子顕微鏡(SEM)および画像解析システムを用いてシリカ系粒子群の総粒子数をカウントし、また、各粒子の面積を算出し、その面積と等しい面積の円の直径を求め、それを粒子径とした。そして、得られた粒子径をサイズ順にならべ、小さい側から数えて粒子個数の1/3までの粒子を小粒子側成分とし、そのアスペクト比(最小内接四角の長径/短径比)の平均値を「小粒子側成分のアスペクト比」とした。
シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を波形分離して得られた分離ピークの各成分の体積割合の変動係数、および体積基準粒子径分布の粒子径の変動係数は、前述の体積基準粒子径分布測定データからそれぞれの標準偏差および平均値を算出し、この標準偏差を前記平均値で割り、これを百分率で示すことにより算出した。
シリカ系粒子群における平均面積(S1)および平均外周長と等価な円の面積(S2)の測定は、画像解析法により行った。具体的には、まず走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、シリカ系粒子表面の任意の箇所を、倍率3000倍で1視野当たり1.1×10-3mm2の面積で15視野撮影した。そして、この各視野において撮影された個々の画像に含まれる全てのシリカ微粒子について、画像解析システムを用いた画像解析法によってそれぞれ面積および外周長を測定し、この測定された各面積および各外周長データから平均面積(S1)および平均外周長(単純平均値)を算出し、さらにこの平均外周長から、平均外周長と等価な円(平均外周長と同じ円周である円)の面積(S2)を算出した。
異形シリカ系粒子のコア内部細孔の平均細孔径、および被覆シリカ層の平均厚さ測定・算出は、次のように行った。初めに、透過型電子顕微鏡(TEM)によって異形シリカ系粒子を20万倍で観察し、この粒子の最大径を長軸とし、その長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、この2点間を短軸とした。そして、この長軸及び短軸の両側の被覆シリカ層の厚さを求め、これらを単純平均してこの粒子1つの被覆シリカ層の平均厚みとした。同様に任意の20個の粒子についてシリカ層の厚みを求め、これらを単純平均したものを異形シリカ系粒子における被覆シリカ層の平均厚さとした。
さらに、長軸および短軸上に存在する細孔径を求め、その平均を粒子1つの平均細孔径とした。同様に任意の20個の粒子について細孔径を求め、これらを単純平均したものを異形シリカ系粒子における平均細孔径とした。
多孔質シリカ系ゲルのサイズ測定は、HORIBA社製 LA-950を用いて、以下の測定条件により行った。
LA-950V2のバージョンは7.02、アルゴリズムオプションは標準演算、固体の屈折率1.450、溶媒(純水)の屈折率1.333、反復回数は15回、サンプル投入バスの循環速度は5、撹拌速度は2とし、あらかじめこれらを設定した測定シーケンスを使用して測定を行った。そして、測定サンプルをスポイトを使用して原液のまま装置のサンプル投入口に投入した。ここで、透過率(R)の数値が90%になるように投入した。そして、透過率(R)の数値が安定した後、超音波を5分間照射し粒子径の測定を行った。
電子顕微鏡(日立製作所社製、型番「S-5500」)により、シリカ系粒子分散液を倍率25万倍(ないしは50万倍)で写真撮影して得られる写真投影図において、任意の100個の粒子について、それぞれのアスペクト比(最小内接四角の長径/短径比)を求めた。ここでアスペクトが1.1以上であった粒子が異形シリカ系粒子である。そして、アスペクト比が1.1以上の粒子の個数と、測定した粒子の個数(100個)から、前記異形シリカ系粒子の割合を求めた。
被研磨基板
被研磨基板として、ハードディスク用ニッケルメッキをコーティングしたアルミ基板(東洋鋼鈑社製ニッケルメッキサブストレート)を使用した。本基板はドーナツ形状の基板である(外径95mmφ、内径25mmφ、厚さ1.27mm)。
研磨試験
各実施例および比較例について、9質量%の研磨用砥粒分散液344gを作製し、これに31質量%過酸化水素水を5.65g加えた後に10質量%硝酸にてpHを1.5に調整して研磨スラリーを作製した。
上記被研磨基板を研磨装置(ナノファクター社製:NF300)にセットし、研磨パッド(FILWEL社製「ベラトリックスNO178」)を使用し、基板荷重0.05MPa、定盤回転数50rpm、ヘッド回転数50rpmで、研磨スラリーを40g/分の速度で供給しながら1μm研磨を行った。
研磨速度
研磨前後の研磨基板の重量差と研磨時間より研磨速度を算出した。
うねり
研磨したドーナツ状のアルミ基板において、その外円と内円を2等分する任意の箇所についてうねり波長数十~数百μmでの微少な凹凸の振幅を測定した。
次にその測定箇所とドーナツ状のアルミ基板における中心点とを結ぶ直線上であって、その中心点がその測定箇所との2等分点となる箇所においても、同様にうねり波長数十~数百μmでの微少な凹凸の振幅を測定した。そして、これら2つの値の平均値をうねりの測定値とした。測定条件は下記の通りである。
機器:ZygoNewView7200
レンズ:2.5倍
ズーム比:1.0
フィルター:50~500μm
測定エリア:3.75mm×2.81mm
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた500ml四口丸底フラスコに、n-ヘキサン228mlを採り、ついで、これに界面活性剤としてソルビタンモノステアレ-ト1.8gを添加して溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
別に、三角フラスコ中にアクリル酸を30g採り、冷却しながら、水26g及び48%化成ソーダ26gを加え、アクリル酸ナトリウム塩水溶液を調製した。
この水溶液に過硫酸ナトリウム0.1gを溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液中に存在する酸素を除去した。
このようにして得られたアクリル酸ナトリウム塩水溶液を、前記の界面活性剤を溶解したn-ヘキサン中に加えて分散させ、窒素ガスを少しずつ導入しながら、65℃で6時間撹拌して重合を行った。
得られたポリアクリル酸ナトリウム塩(A1)は直鎖状で、重量平均分子量が84,000であった。また、カルボキシル基のカルボニル炭素原子に直結結合した炭素原子の割合(m/(m+n)×100の値)は47%であった。
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた500ml四口丸底フラスコに、n-ヘキサン228mlを採り、ついで、これに界面活性剤としてソルビタンモノステアレ-ト1.8gを添加して溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
別に、三角フラスコ中にアクリル酸を30g採り、冷却しながら、水26g及び29%アンモニア水18.3gを加えアクリル酸アンモニウム塩水溶液を調製した。
この水溶液に過硫酸ナトリウム0.08gを溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液中に存在する酸素を除去した。
このようにして得られたアクリル酸アンモニウム塩水溶液を、前記の界面活性剤を溶解したn-ヘキサン中に加えて分散させ、窒素ガスを少しずつ導入しながら、65℃で6時間撹拌して重合を行った。
得られたポリアクリル酸アンモニウム塩(A2)は直鎖状で、重量平均分子量:100,000であった。また、カルボキシル基のカルボニル炭素原子に直結結合した炭素原子の割合(m/(m+n)×100の値)は48%であった。
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた500ml四口丸底フラスコに、n-ヘキサン228mlを採り、ついで、これに界面活性剤としてソルビタンモノステアレ-ト1.8gを添加して溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
別に、三角フラスコ中にアクリル酸を30g採り、冷却しながら、水26g及び48%化成ソーダ26gを加えアクリル酸ナトリウム塩水溶液を調製した。
この水溶液に過硫酸ナトリウム1.0gを溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液中に存在する酸素を除去した。
このようにして得られたアクリル酸ナトリウム塩水溶液を、前記の界面活性剤を溶解したn-ヘキサン中に加えて分散させ、窒素ガスを少しずつ導入しながら、65℃で6時間撹拌して重合を行った。
得られたポリアクリル酸ナトリウム塩(B2)は直鎖状で、重量平均分子量が13,000であった。また、カルボキシル基のカルボニル炭素原子に直結結合した炭素原子の割合(m/(m+n)×100の値)は47%であった。
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた500ml四口丸底フラスコに、n-ヘキサン228mlを採り、ついで、これに界面活性剤としてソルビタンモノステアレ-ト1.8gを添加して溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
別に、三角フラスコ中にアクリル酸を30g採り、冷却しながら、水26g及び28%アンモニア水溶液19gを加えアクリル酸アンモニウム塩水溶液を調製した。
この水溶液に過硫酸ナトリウム0.05gを溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液中に存在する酸素を除去した。
このようにして得られたアクリル酸アンモニウム塩水溶液を、前記の界面活性剤を溶解したn-ヘキサン中に加えて分散させ、窒素ガスを少しずつ導入しながら、65℃で6時間撹拌して重合を行った。
得られたポリアクリル酸アンモニウム塩(B3)は直鎖状で、重量平均分子量が150,000であった。また、カルボキシル基のカルボニル炭素原子に直結結合した炭素原子の割合(m/(m+n)×100の値)は48%であった。
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた500ml四口丸底フラスコに、n-ヘキサン228mlを採り、ついで、これに界面活性剤としてソルビタンモノステアレ-ト1.8g、架橋剤としてメタクリル酸グリンジル10gを添加して溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
別に、三角フラスコ中にアクリル酸を30g採り、冷却しながら、水26g及び48%化成ソーダ26gを加えアクリル酸ナトリウム塩水溶液を調製した。
この水溶液に過硫酸ナトリウム1.0gを溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液中に存在する酸素を除去した。
このようにして得られたアクリル酸ナトリウム塩水溶液を、前記の界面活性剤を溶解したn-ヘキサン中に加えて分散させ、窒素ガスを少しずつ導入しながら、65℃で6時間撹拌して重合を行った。
得られたポリアクリル酸ナトリウム塩(B4)は直鎖状で、重量平均分子量が200,000であった。また、カルボキシル基のカルボニル炭素原子に直結結合した炭素原子の割合(m/(m+n)×100の値)は34%であった。
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた500ml四口丸底フラスコに、n-ヘキサン228mlを採り、ついで、これに界面活性剤としてソルビタンモノステアレ-ト1.8gを添加して溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
別に、三角フラスコ中にアクリル酸を30g採り、冷却しながら、水26g及び48%化成ソーダ26gを加え、アクリル酸ナトリウム塩水溶液を調製した。
この水溶液に過硫酸ナトリウム1.1gを溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液中に存在する酸素を除去した。
このようにして得られたアクリル酸ナトリウム塩水溶液を、前記の界面活性剤を溶解したn-ヘキサン中に加えて分散させ、窒素ガスを少しずつ導入しながら、65℃で6時間撹拌して重合を行った。
得られたポリアクリル酸ナトリウム塩(B5)は直鎖状で、重量平均分子量が12,000であった。また、カルボキシル基のカルボニル炭素原子に直結結合した炭素原子の割合(m/(m+n)×100の値)は53%であった。
精製シリカヒドロゲルの調整
珪酸ナトリウム462.5gに純水を加え、SiO2換算で24質量%の珪酸ナトリウム水溶液を調製し、pHが4.5となるように25質量%の硫酸を添加してシリカヒドロゲルを含む溶液を得た。このシリカヒドロゲル溶液を、恒温槽で21℃の温度に維持し、5.75時間静置して熟成を行ったのち、シリカヒドロゲルに含まれるSiO2に対し、硫酸ナトリウムの含有量が0.05質量%となるまで純水で洗浄して精製シリカヒドロゲル(多孔質シリカ系ゲル)を得た。この精製シリカヒドロゲルの濃度は、SiO2濃度が5.0質量%であり、また比表面積は600m2/gで、サイズは84μmであった。
<異形多孔質シリカ系ゲル微粒子分散液(1)>
2Lのガラスビーカーに前記SiO2濃度5.0質量%の精製シリカヒドロゲル500gを加え、4.8質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9.8に調整した。これに1.0mmφのジルコニアメジアを2390g加え、サンドミル粉砕機にかけて、重量平均粒子径が530nmになるまで解砕を行い(1段目粉砕)、SiO2濃度4.0質量%の異形多孔質シリカ系ゲル微粒子分散液(1)を得た。
次に、異形シリカ多孔質シリカ系ゲル微粒子分散液(1)に0.25mmφのガラスメジアを1135g加えて、重量平均粒子径が248nmになるまで解砕を行い(2段目粉砕)、SiO2濃度3.5質量%の異形多孔質シリカ系ゲル微粒子分散液(2)1900gを得た。
得られた異形多孔質シリカ系ゲル微粒子分散液(2)にイオン交換水を添加してSiO2濃度2.76質量%の溶液2716gを得た。次に、4.8質量%の水酸化ナトリウム水溶液とイオン交換水を加え、pHが10.7でSiO2濃度2.5質量%の溶液に調整した。ついで98℃に昇温して30分間98℃に保持した。次に温度を98℃に保持したまま4.6質量%の酸性珪酸液5573.1gを20時間かけて添加し、更に温度を98℃に保持したまま1時間攪拌を継続した。この時の固形分の比表面積は30m2/gであった。
この調合液を室温まで冷却後に、限外濾過膜(旭化成社製SIP-1013)でSiO2濃度12質量%まで濃縮した。更にロータリーエバポレーターで30質量%まで濃縮し、異形シリカ系粒子および非異形シリカ系粒子からなるシリカ系粒子群が水に分散してなるシリカ系粒子分散液(1)を得た。ここで、これに含まれるシリカ系粒子群の重量平均粒子径は261nmであった。
また、上記のようにして、シリカ系微粒子分散液(1)を得る過程における各種性状等を、第2表に示す。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度:30質量%)150gに、ポリアクリル酸ナトリウム塩(A1)0.45g(シリカ100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム塩1質量部相当)を添加し、室温にて60分間攪拌することによって研磨用砥粒分散液A1を調製した。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度:30質量%)150gに、ポリアクリル酸アンモニウム塩(A2)0.45g(シリカ100質量部に対し、ポリアクリル酸アンモニウム塩1質量部相当)を添加し、室温にて60分間攪拌することによって研磨用砥粒分散液A2を調製した。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度:30質量%)150gを、研磨用砥粒分散液B1とした。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度:30質量%)150gに、ポリアクリル酸ナトリウム塩(B2)0.45g(シリカ100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム塩1質量部相当)を添加し、室温にて60分間攪拌することによって研磨用砥粒分散液B2を調製した。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度:30質量%)150gに、ポリアクリル酸アンモニウム塩(B3)0.45g(シリカ100質量部に対し、ポリアクリル酸アンモニウム塩1質量部相当)を添加し、室温にて60分間攪拌することによって研磨用砥粒分散液B3を調製した。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度:30質量%)150gに、ポリアクリル酸ナトリウム塩(B4)0.45g(シリカ100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム塩1質量部相当)を添加し、室温にて60分間攪拌することによって研磨用砥粒分散液B4を調製した。
研磨用砥粒分散液の調製
上記のようにして得たシリカ系粒子分散液(1)(SiO2濃度30質量%)150kgにポリアクリル酸ナトリウム塩(BX)0.45g(シリカ100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム塩1質量部相当)を添加し、室温にて60分間攪拌することに研磨用砥粒分散液B5を調製した。
Claims (10)
- 異形シリカ系粒子および非異形シリカ系粒子からなるシリカ系粒子群を含むシリカ系粒子分散液に、ポリカルボン酸塩からなる分散剤が分散してなる研磨用砥粒分散液であって、前記異形シリカ系粒子は、内部に複数の細孔を有するコアおよびそれを被覆する被覆シリカ層を有し、さらに下記[1]~[5]を満たす研磨用砥粒分散液(ただし、セリア粒子を含まない)。
[1]前記シリカ系粒子群の重量平均粒子径(D1)が100~600nmであり、比表面積換算粒子径(D2)が30~300nmであること。
[2]前記シリカ系粒子群の重量平均粒子径(D1)と投影面積相当粒子径(D3)との比で表される異形度D(D=D1/D3)が1.1~5.0の範囲にあること。
[3]前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を波形分離すると、分離ピークが3つ以上検出される多峰分布となること。
[4]前記ポリカルボン酸塩は、重量平均分子量が70,000~110,000の範囲にあり、カルボニル炭素に直接結合する炭素原子の個数をm、カルボニル炭素に直接結合しない炭素原子の個数をnとしたとき、m/(m+n)×100の値が45~49%の範囲にあること。
[5]前記シリカ系粒子群と、前記ポリカルボン酸塩の質量比が100:0.1~100:10の範囲にあること。 - 前記分散剤がポリアクリル酸塩からなることを特徴とする、請求項1に記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記コアの内部細孔の平均細孔径が20nm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記被覆シリカ層が、平均厚さ1~50nmの範囲で、シリカを主成分とすることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記シリカ系粒子群が、その体積基準粒子径分布において、歪度が-20~20の範囲にあることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布を波形分離した結果得られた分離ピークのうち、最大粒子成分の体積割合が75%以下であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記シリカ系粒子群のSEM画像解析により得られる個数基準粒子径分布において、小粒子側成分のアスペクト比が1.05~5.0の範囲にあることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布の粒子径の変動係数が30%以上であることを特徴とする、請求項1~7の何れかに記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記シリカ系粒子群における、画像解析法による平均面積(S1)に対する画像解析法による平均外周長と等価な円の面積(S2)の比であらわされる平滑度S(S=S2/S1)が1.1~5.0の範囲にあることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
- 前記シリカ系粒子群の体積基準粒子径分布において、全体積(Q1)に対する0.7μm以上の粒子の体積(Q2)の割合Q(Q=Q2/Q1)が1.2%以下であることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の研磨用砥粒分散液。
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