JP2015125792A - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非球状シリカ粒子を砥粒に用いる粗研磨において、生産性を損なうことなく、長周期欠陥の除去率の向上が可能となる研磨液組成物の提供。【解決手段】 シリカ粒子、酸、酸化剤及び水を含有し、該シリカ粒子は、体積平均粒径(D1)が120.0nm以上300.0nm未満である非球状シリカ粒子Aと、体積平均粒径(D1)が6.0nm以上40.0nm以下である球状シリカ粒子Bとを含み、シリカ粒子A及びBの質量比(A/B)が80/20以上99/1以下となるように混合され、シリカ粒子全体に対するシリカ粒子A及びBの合計の質量比が98.0質量%を超え、前記非球状シリカ粒子Aの比(D1/D2)が、2.00以上4.00以下であり、前記非球状シリカ粒子A及び前記球状シリカ粒子Bそれぞれの動的光散乱法による体積粒度分布の重なり頻度の合計が、0%以上40%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、磁気ディスク基板用研磨液組成物、研磨方法、及び磁気ディスク基板の製造方法に関する。
近年、磁気ディスクドライブは小型化・大容量化が進み、高記録密度化が求められている。そこで、高記録密度磁気信号の検出感度を向上させる必要があり、磁気ヘッドの浮上高さをより低くし、単位記録面積を縮小する技術開発が進められている。磁気ディスク基板は、磁気ヘッドの低浮上化と記録面積の確保に対応するため、平滑性及び平坦性の向上(表面粗さ、うねり、端面ダレの低減)や表面欠陥低減(残留砥粒、スクラッチ、突起、ピット等の低減)が厳しく要求されている。
このような要求に対して、より平滑で、傷が少ないといった表面品質向上と生産性の向上を両立させる観点から、ハードディスク基板の製造方法においては、2段階以上の研磨工程を有する多段研磨方式が採用されることが多い。一般に、多段研磨方式の最終研磨工程、即ち、仕上げ研磨工程では、表面粗さの低減、スクラッチ、突起、ピット等の傷の低減という要求を満たすために、コロイダルシリカ粒子を含む仕上げ用研磨液組成物が使用され、仕上げ研磨工程より前の研磨工程(粗研磨工程ともいう)では、生産性向上の観点から、アルミナ粒子を含む研磨液組成物が使用される。しかしながら、アルミナ粒子を砥粒として使用した場合、アルミナ粒子の基板への突き刺さりに起因するテクスチャースクラッチによって、メディアの欠陥を引き起こすことがある。
アルミナを使用する限りはアルミナ粒子の基板への突き刺さりはゼロにはならないため、最近では、粗研磨工程においてアルミナ砥粒を使用することなく、第1の研磨盤を用いて粉砕シリカ砥粒を含む研磨液を供給しながら研磨する粗研磨工程と、第2の研磨盤を用いてコロイダルシリカ砥粒を含む研磨液を供給しながら研磨する仕上げ研磨工程を有する磁気記録媒体用基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、一般的にシリカ粒子を用いた場合、アルミナ粒子と比較して研磨速度が低いことが知られている。シリカ粒子の研磨速度を向上する手段として、シリカ粒子の形状の制御(例えば、特許文献2及び3)、シリカ粒子の混合(例えば、特許文献4)などが検討されている。一方で、異なった形状のシリカ粒子を複数組み合わせた研磨液組成物も開示される(例えば、特許文献5,6,7)。
特開2012−155785号公報 特開2012−054281号公報 特開2013−121631号公報 特開2002−30274号公報 特開2006−080406号公報 特開2013−171856号公報 特開2011−104694号公報
磁気ディスクドライブの大容量化に伴い、基板の表面品質に対する要求特性はさらに厳しくなっており、粗研磨工程において使用する砥粒の基板への残留(例えば、アルミナ付着、アルミナ突き刺さり)をさらに低減できる研磨液組成物の開発が求められている。粗研磨工程由来の砥粒の突き刺さりを低減する手段として、粉砕シリカ砥粒を使用することで大幅に砥粒の突き刺さりが低減できるが(例えば、特許文献1)、完全にゼロにすることは達成できておらず未だ不十分である。加えて、アルミナ粒子に換えてシリカ粒子で粗研磨工程を行う場合、長周期欠陥が除去できないという問題が新たに発生することが見出された。なお、アルミナ粒子で粗研磨工程を行う場合には、一般に、長周期欠陥の問題は起らない。
この問題に対して、所定のパラメータで規定される非球状シリカ粒子を砥粒として粗研磨を行えば、実質的にアルミナ粒子を含まない場合であっても、粗研磨の研磨時間を大幅に長期化することなく粗研磨後の長周期欠陥を低減できるという知見が見出された(特願2012−267314、特願2012−267313)。しかしながら、粉砕処理工程を用いずに製造したシリカ粒子は一般的に粉砕砥粒に比べて切削力が弱いため長周期欠陥の除去率は低い傾向にある。そこで、長周期欠陥の除去率は基板収率と相関性が高いため、粗研磨において長周期欠陥の除去率のより一層の向上が望まれる。
そこで、本開示は、一態様において、非球状シリカ粒子を砥粒に用いる粗研磨において、生産性を損なうことなく(すなわち、研磨速度を損なうことなく)、長周期欠陥の除去率の向上が可能となる研磨液組成物を提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、シリカ粒子、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、シリカ粒子は、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が120.0nm以上300.0nm未満である非球状シリカ粒子Aと、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が6.0nm以上40.0nm以下である球状シリカ粒子Bとを含み、研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの質量比(A/B)が80/20以上99/1以下となるように混合され、研磨液組成物におけるシリカ粒子全体に対する非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの合計の質量比が、98.0質量%を超え、前記非球状シリカ粒子Aは、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、2.00以上4.00以下であり、前記非球状シリカ粒子A及び前記球状シリカ粒子Bそれぞれの動的光散乱法による体積粒度分布の重なり頻度の合計が、0%以上40%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、(1)本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)工程(2)で得られた基板をシリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行い、前記被研磨基板が、磁気ディスク基板を製造するための基板である研磨方法に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、(1)本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)工程(2)で得られた基板をシリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行う磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本開示に係る磁気ディスク基板用研磨液組成物は、アルミナ粒子を使用しないから粗研磨後及び仕上げ研磨後の突起欠陥を大幅に低減できる。また、本開示に係る磁気ディスク基板用研磨液組成物によれば、生産性を損なうことなく、長周期欠陥の除去率の向上を可能にできるという効果が奏されうる。
図1は、異形型シリカ粒子A(砥粒a)の電子顕微鏡(TEM)観察写真の一例である。 図2は、砥粒a、砥粒d、及び砥粒eの動的光散乱法による体積粒度分布を示すグラフである。
磁気ディスク基板の研磨工程においてアルミナ代替として粒子成長法により製造したシリカ粒子を砥粒とした研磨液組成物で粗研磨工程を行うと、突起欠陥を著しく低減できるが、長周期欠陥の除去率が低下するという問題がある。この問題は、所定のパラメータで規定される非球状シリカ粒子、酸、及び酸化剤を含有した研磨液組成物を用いて粗研磨工程を行うことである程度の解決が可能である。本開示は、該非球状シリカに所定の大きさと割合の球状シリカを混合することで、生産性を損なうことなく(すなわち、研磨速度を損なうことなく)、粗研磨における長周期欠陥の除去率をより一層向上できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は一態様において、シリカ粒子、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、シリカ粒子は、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が120.0nm以上300.0nm未満である非球状シリカ粒子Aと、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が6.0nm以上40.0nm以下である球状シリカ粒子Bとを含み、研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの質量比(A/B)が80/20以上99/1以下となるように混合され、研磨液組成物におけるシリカ粒子全体に対する非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの合計の質量比が98.0質量%を超え、前記非球状シリカ粒子Aは、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、2.00以上4.00以下であり、前記非球状シリカ粒子A及び前記球状シリカ粒子Bそれぞれの動的光散乱法による体積粒度分布の重なり頻度の合計が、0%以上40%以下である磁気ディスク基板用研磨液組成物(以下、「本開示に係る研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示に係る研磨液組成物により生産性を損なうことなく、粗研磨における長周期欠陥の除去率をより一層向上できることの詳細なメカニズムは明らかではないが、以下のように考えられる。非球状シリカはその表面形状から、充填された状態では球状シリカに比べて空隙が多い。この空隙に入る特定の大きさの粒子を配合すれば、混合系ではより砥粒の充填率が高まり、研磨時の非球状シリカ特有の摩擦抵抗を緩和する効果を付与できるため、長周期欠陥の除去率を向上できると推定される。また、砥粒の充填率が高まることで基板への切削面積の向上、もしくは研磨時に印加された荷重をより基板に伝えやすくなるといった効果も付与されるため研磨速度を維持、あるいは向上できると考えられる。充填された非球状シリカの空隙に入る特定の大きさの粒子の形状は限定されないが、一般に非球状シリカはその製造方法から40nm以下の粒径に制御するのが困難なため、非球状シリカの空隙に入る粒子は球状シリカが好ましいと考えられる。この際、非球状シリカに対して非球状シリカの空隙に入る特定の大きさの球状シリカの混合比率が高すぎると、逆に研磨時の摩擦抵抗の悪化を及ぼすことがあるので、非球状シリカと非球状シリカの空隙に入る球状シリカの混合比率には最適な範囲が存在する。そのため、所定の粒径の非球状シリカと球状シリカを、所定の混合比率にすることで、生産性を損なうことなく研磨時の摩擦抵抗を緩和することで良好な長周期欠陥の除去率を達成できると考えられる。但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において「長周期欠陥」とは、NiPめっきアルミ基板の製造工程で発生するグラインド傷及びPED(polish enhanced defect)を含む。グラインド傷は、めっき前のアルミ基板をグラインドする工程(グラインド工程)におけると砥石の削り痕をいう。また、PEDは、アルミナ基板にめっき成膜する工程におけるアニール工程で、基板表面に付着した水や異物に起因するアニール不足の部分をいう。長周期欠陥及びその除去率は、一又は複数の実施形態において、実施例に記載の測定器を用いて測定できる。
本開示において、「突起欠陥」は、主に、粗研磨工程後及び仕上げ研磨後の残留砥粒、砥粒付着、及び砥粒突き刺さりに由来すると考えられる基板表面の欠陥のことをいう。基板表面の突起欠陥は、例えば、研磨後に得られる基板表面の顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察等、表面欠陥検査装置により評価することができ、具体的には実施例に記載した方法で評価できる。
[非球状シリカ粒子A]
本開示に係る研磨液組成物は、砥粒として非球状シリカ粒子Aを含有する。一又は複数の実施形態において、非球状シリカ粒子Aは、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられる。研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上並びに突起欠陥の低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。
本開示において「非球状シリカ粒子」は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、2つ以上の粒子が凝集又は融着したような形状の粒子である。非球状シリカ粒子Aは、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、金平糖型のシリカ粒子A1、異形型のシリカ粒子A2、及び異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3からなる群から選択される少なくとも1種類のシリカ粒子であることが好ましい。
本開示において、金平糖型のシリカ粒子A1は、球状の粒子表面に特異な疣状突起を有するシリカ粒子をいう。シリカ粒子A1は、一又は複数の実施形態において、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が5倍以上異なる2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状である。好ましくは該小さい粒子が該大きな粒子に一部埋没した状態である。なお、前記粒径は、電子顕微鏡(TEMなど)観察画像において1つの粒子内で測定される円相当径、すなわち、粒子の投影面積と同じ面積の等価円の長径として求められうる。シリカ粒子A2及びシリカ粒子A3における粒径も同様に求めることができる。
本開示において、異形型のシリカ粒子A2は、2つ以上の粒子、好ましくは2〜10個の粒子が凝集又は融着した形状のシリカ粒子をいう。シリカ粒子A2は、一又は複数の実施形態において、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状である。
本開示において、異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3は、2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状の粒子いう。シリカ粒子A3は、一又は複数の実施形態において、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した粒子に、さらに、凝集又は融着した前記粒子の小さいシリカ粒子の粒径を基準にして粒径が1/5以下の小さな粒子が凝集又は融着した形状である。
非球状シリカ粒子Aは、一又は複数の実施形態において、シリカ粒子A1、A2、A3のいずれか1つ、シリカ粒子A1、A2、A3のいずれか2つ、又は、シリカ粒子A1、A2、及びA3のすべてを含む。シリカ粒子Aにおけるシリカ粒子A1、A2、及びA3の合計が占める割合(質量比)は、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上である。
非球状シリカ粒子Aがシリカ粒子A1及びA2を含む場合、A1/A2の質量比率は、一又は複数の実施形態において、好ましくは5/95以上95/5以下の範囲である。研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、A1/A2の質量比率は、より好ましくは20/80以上80/20以下であり、さらに好ましくは20/80以上60/40以下であり、さらにより好ましくは20/80以上40/60以下であり、さらにより好ましくは20/80以上30/70以下である。
[非球状シリカ粒子AのΔCV値]
非球状シリカ粒子Aは、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、ΔCV値が0.0%より上であることが好ましく、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上、さらにより好ましくは0.4%以上である。また、非球状シリカ粒子Aは、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、ΔCV値が10.0%未満であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは7.0%以下、さらにより好ましくは4.0%以下である。また、非球状シリカ粒子Aは、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、0.0%より上10.0%未満が好ましく、より好ましくは0.2%以上8.0%以下、さらにこのましくは0.3%以上7.0%以下、さらにより好ましくは0.4%以上4.0%以下である。
本開示においてシリカ粒子のΔCV値は、動的光散乱法により検出角30°(前方散乱)の散乱強度分布に基づき測定される粒径の標準偏差を、動的光散乱により検出角30°の散乱強度分布に基づき測定される平均粒径で除して100を掛けた変動係数(CV)の値(CV30)と、動的光散乱法により検出角90°(側方散乱)の散乱強度分布に基づき測定される粒径の標準偏差を、動的光散乱により検出角90°の散乱強度分布に基づき測定される平均粒径で除して100を掛けた変動係数(CV)の値(CV90)との差(ΔCV=CV30−CV90)をいい、動的光散乱法により測定される散乱強度分布の角度依存性を示す値をいう。ΔCV値は、具体的に実試例に記載の方法により測定することができる。
本発明者は、非球状シリカ粒子の特徴を示す方法として上記記載の平均粒径(D1)、及び動的光散乱法によって測定された平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)との比(D1/D2)を用いて表す従来の見方だけでは、そのシリカ粒子の研磨性能を表すことはできないと考えた。本発明者のさらなる検討によれば、非球状シリカ粒子の系全体(バルク)での状態を知る手段としてΔCV値が有効であり、これらのパラメータに着目することで、従来では知りえなかった研磨速度の低下を抑制し、長周期欠陥の除去率が向上し、突起欠陥を低減できる非球状シリカの範囲を正確に規定することができることを見出した。すなわち、非球状シリカ粒子は、その異形度によってΔCV値が異なり、ΔCV値は、非球状シリカ粒子の異形度を示す指標となりうる。例えば、非球状シリカ粒子の異形度が高くなると擬似的な多重散乱(自己散乱)が起きやすくなり、動的光散乱法により測定される散乱強度分布の角度依存性が小さくなりΔCV値が小さくなる。
本開示において「散乱強度分布」とは、動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)又は準弾性光散乱(QLS:Quasielastic Light Scattering)により求められるサブミクロン以下の粒子の3つの粒度分布(散乱強度、体積換算、個数換算)のうち散乱強度の粒径分布のことをいう。通常、サブミクロン以下の粒子は溶媒中でブラウン運動をしており、レーザー光を照射すると散乱光強度が時間的に変化する(ゆらぐ)。この散乱光強度のゆらぎを、例えば、光子相関法(JIS Z 8826)を用いて自己相関係数(D)を算出して、さらにアインシュタイン・ストークスの式を用い、平均粒径(d:流体力学的径)を求めることができる。また、粒径分布解析は、キュムラント法による多分散性指数(Polydispersity Index, PI)のほかに、ヒストグラム法(Marquardt法)、ラプラス逆変換法(CONTIN法)、非負最小2乗法(NNLS法)等がある。動的光散乱法の粒径分布解析では、通常、キュムラント法による多分散性指数(Polydispersity Index, PI)が広く用いられている。しかしながら、粒子分散液中に存在する非球状粒子の検出を可能とする検出方法においては、ヒストグラム法(Marquardt法)や、ラプラス逆変換法(CONTIN法)による粒径分布解析から平均粒径(d50;D1)と標準偏差を求め、CV値(Coefficient of variation:標準偏差を平均粒径で割って100をかけた数値)を算出し、その角度依存性(ΔCV値)を用いることが好ましい。
本開示において「粒子分散液の散乱強度分布の角度依存性」とは、動的光散乱法により異なる検出角で前記粒子分散液の散乱強度分布を測定した場合の、散乱角度に応じた散乱強度分布の変動の大きさをいう。例えば、検出角30°と検出角90°とでの散乱強度分布の差が大きければ、その粒子分散液の散乱強度分布の角度依存性は大きいといえる。よって、本開示において、散乱強度分布の角度依存性の測定は、異なる2つの検出角で測定した散乱強度分布に基づく測定値の差(ΔCV値)を求めることを含む。
散乱強度分布の角度依存性の測定で用いる2つの検出角の組合せとしては、非球状粒子の検出の確度向上の点からは、前方散乱と側方もしくは後方散乱との組合せが好ましい。前記前方散乱の検出角としては、同様に、0〜80°が好ましく、0〜60°がより好ましく、10〜50°がさらにより好ましく、20〜40°がさらにより好ましい。前記側方もしくは後方散乱の検出角としては、同様に、80〜180°が好ましく、85〜175°がより好ましい。本開示においては、ΔCV値を求める2つの検出角として30°と90°を使用している。
[非球状シリカ粒子Aの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)]
非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)は、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、120.0nm以上300.0nm未満である。非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、120.0nm以上であって、150.0nm以上が好ましく、より好ましくは160.0nm以上、さらに好ましくは170.0nm以上、さらにより好ましくは180.0nm以上、さらにより好ましくは190.0nm以上であり、さらにより好ましくは200.0nm以上である。非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、300.0nm未満であって、好ましくは260.0nm未満、より好ましくは250.0nm未満、さらにより好ましくは220.0nm未満、さらにより好ましくは210.0nm未満である。また、非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、150.0nm以上260.0nm未満であって、好ましくは160.0nm以上260.0nm未満、より好ましくは170.0nm以上260.0nm未満、さらにより好ましくは180.0nm以上250.0nm未満、さらにより好ましくは190.0nm以上220.0nm未満、さらにより好ましくは200.0nm以上210.0nm未満である。
本開示においてシリカ粒子の体積平均粒径(D1)は、動的光散乱法により測定される散乱強度分布に基づく平均粒径をいい、特に言及のない場合、シリカ粒子の平均粒径とは、動的光散乱法において検出角90°で測定される散乱強度分布に基づく平均粒径をいう。本開示におけるシリカ粒子の体積平均粒径(D1)は、具体的には実施例に記載の方法により得ることができる。
[非球状シリカ粒子Aの粒径比(D1/D2)]
非球状シリカ粒子Aの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、2.00以上が好ましく、より好ましくは2.50以上、さらに好ましくは3.00以上、さらにより好ましくは3.50以上である。粒径比(D1/D2)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、4.00以下が好ましく、より好ましくは3.90以下、さらに好ましくは3.80以下である。また、非球状シリカ粒子Aの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、2.00以上4.00以下が好ましく、より好ましくは2.50以上3.90以下、さらに好ましくは3.00以上3.90以下、さらにより好ましくは3.50以上3.80以下である。
なお、本開示においてシリカ粒子の比表面積換算粒径(D2)は、窒素吸着法(BET法)により測定された比表面積Sm2/gからD2=2720/S[nm]の式によって与えられる。
動的光散乱法によって測定された体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)との比(D1/D2)は、シリカ粒子Aの異形度合いを意味し得る。一般的に動的光散乱法によって測定された体積平均粒径(D1)は、異形粒子の場合、長方向での光散乱を検出して処理を行うため、長方向と短方向の長さを考慮して異形度合いが大きいほど大きな数値となり、BET法による比表面積換算粒径(D2)は、求まる粒子の体積をベースとして球換算で表されるため、D1に比べると小さな数値となる。研磨速度の観点から比(D1/D2)は、上述の範囲のなかでも大きいことが好ましい。
[非球状シリカ粒子AのCV90]
非球状シリカ粒子AのCV90は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、20.0%以上が好ましく、より好ましくは25.0%以上、さらに好ましくは27.0%以上であり、及び/又は、同様に、40.0%以下が好ましく、より好ましくは38.0%以下、さらに好ましくは35.0%以下、さらにより好ましくは32.0%以下である。また、非球状シリカ粒子AのCV90は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、20.0%以上40.0%以下であって、好ましくは25.0%以上38.0%以下、より好ましくは21.0%以上35.0%以下、さらに好ましくは27.0%以上32.0%以下である。
本開示においてシリカ粒子のCV90は、動的光散乱法において散乱強度分布に基づく標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値であって、検出角90°(側方散乱)で測定されるCV値をいう。シリカ粒子AのCV90は、具体的には実施例に記載の方法により得ることができる。
[研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aの含有量]
研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がさらにより好ましい。また、該含有量は、経済性の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がさらにより好ましい。研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点並びに経済性の観点から、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上25質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、2質量%以上15質量%以下がさらにより好ましい。
[非球状シリカ粒子Aの製造方法]
シリカ粒子Aは、粗研磨における研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率並びに粗研磨及び仕上げ研磨後の突起欠陥低減の観点から、火炎溶融法やゾルゲル法、及び粉砕法で製造されたものでなく、珪酸アルカリ水溶液を出発原料とする粒子成長法により製造されたシリカ粒子であることが好ましい。なお、非球状シリカ粒子Aの使用形態としては、スラリー状であることが好ましい。
シリカ粒子は、通常、1)10質量%未満の3号珪酸ソーダと種粒子(小粒径シリカ)の混合液(シード液)を反応槽に入れ、60℃以上に加熱し、2)そこに3号珪酸ソーダを陽イオン交換樹脂に通した酸性の活性珪酸水溶液とアルカリ(アルカリ金属または第4級アンモニウム)とを滴下してpHを一定にして球状の粒子を成長させ、3)熟成後に蒸発法や限外ろ過法で濃縮することで得られる(特開昭47−1964、特公平1−23412、特公平4−55125、特公平4−55127)。しかし、同じ製造プロセスで少し工程を変えると非球状シリカ粒子Aの製造が可能であることが多く報告されている。たとえば、活性珪酸は非常に不安定なため意図的にCaやMgなどの多価金属イオンを添加すると細長い形状のシリカゾルを製造できる。さらに、反応物の温度(水の沸点を越えると蒸発し気液界面でシリカが乾燥)、反応物のpH(9以下ではシリカ粒子の連結が起きやすい)、反応物のSiO2/M2O(Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム)、及びモル比(30〜60で非球状シリカを選択的に生成)などを変えることで非球状シリカが製造できる(特公平8−5657、特許2803134、特開2003−133267、特開2006−80406、特開2007−153671、特開2009−137791、特開2009−149493、特開2011−16702)。ただし、シリカ粒子Aの製造方法はこれらに限定されて解釈されない。
また、非球状シリカ粒子Aの粒径分布を調整する方法は、特に限定されないが、その製造段階における粒子の成長過程で新たな核となる粒子を加えることにより所望の粒径分布を持たせる方法や、異なる粒径分布を有する2種類以上のシリカ粒子を混合して所望の粒径分布を持たせる方法等が挙げられる。
[球状シリカ粒子B]
本開示に係る研磨液組成物は、砥粒としてさらに球状シリカ粒子Bを含有する。一又は複数の実施形態において、球状シリカ粒子Bは、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられる。研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上並びに突起欠陥の低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。
本開示において「球状シリカ粒子」は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、真球に近い球形状の粒子を用いうるが、球形度が0.9〜1.1ならば十分使用できる。「球状シリカ粒子」は、一又は複数の実施形態において、一般的に市販されているコロイダルシリカが該当し得る。
球状シリカ粒子Bは、一又は複数の実施形態において、1種類の球状シリカ粒子であってもよく、2種類又はそれ以上の球状シリカ粒子の組み合わせであってもよい。球状シリカ粒子Bが、2種類又はそれ以上の球状シリカ粒子の組み合わせの場合、一又は複数の実施形態において、それぞれの球状シリカ粒子は、本開示に記載される「球状シリカ粒子B」の要件を満たす。球状シリカ粒子Bは、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、粒径が異なる2種又はそれ以上の粒子を用いることが好ましい。
[球状シリカ粒子Bの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)]
球状シリカ粒子Bの体積平均粒径(D1)は、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から6.0nm以上40.0nm以下である。非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、6.0nm以上であって、好ましくは7.0nm以上である。球状シリカ粒子Bの体積平均粒径(D1)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、40.0nm以下であって、好ましくは35.0nm以下、より好ましくは30.0nm以下である。また、球状シリカ粒子Bの体積平均粒径(D1)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、6.0nm以上40.0nm以下であって、好ましくは60.0nm以上35.0nm以下、より好ましくは7.0nm以上30.0nm以下である。
[球状シリカ粒子Bの粒径比(D1/D2)]
球状シリカ粒子Bの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、1.00以上が好ましく、より好ましくは1.10以上、さらに好ましくは1.15以上である。球状シリカ粒子Bの粒径比(D1/D2)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、1.50以下が好ましく、より好ましくは1.40以下、さらに好ましくは1.30以下である。また、球状シリカ粒子Bの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、1.00以上1.50以下であって、好ましくは1.10以上1.40以下、より好ましくは1.15以上1.30以下である。
[研磨液組成物中の球状シリカ粒子Bの含有量]
研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子Aの含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がさらにより好ましい。また、該含有量は、経済性の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がさらにより好ましい。
[球状シリカ粒子Bの製造方法]
球状シリカ粒子Bは、粗研磨における研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率並びに粗研磨及び仕上げ研磨後の突起欠陥低減の観点から、火炎溶融法やゾルゲル法、及び粉砕法で製造されたものでなく、珪酸アルカリ水溶液を出発原料とする粒子成長法により製造されたシリカ粒子であることが好ましい。なお、球状シリカ粒子Bの使用形態としては、スラリー状であることが好ましい。
[非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの体積粒度分布の重なり頻度]
本開示に係る研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの体積粒度分布の重なり頻度の合計は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、0%以上40%以下が好ましく、より好ましくは10%以上38%以下、さらに好ましくは15%以上36%以下、さらにより好ましくは20%以上35%以下である。なお、非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの体積粒度分布の重なり頻度は、具体的には実施例に記載の方法により得ることができる。
[研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの質量比]
本開示に係る研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの含有量の質量比(A/B)は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、80/20以上であって、好ましくは85/15以上、より好ましくは90/10以上である。非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの含有量の質量比(A/B)は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、99/1以下であって、好ましくは95/5以下、より好ましくは96/4以下である。なお、球状シリカ粒子Bが2種類又はそれ以上の球状シリカ粒子の組み合わせの場合、球状シリカ粒子Bの含有量はそれらの合計の含有量をいう。非球状シリカ粒子Aの含有量も同様である。
[研磨液組成物中のその他のシリカ粒子の含有量]
本開示に係る研磨液組成物の一又は複数の実施形態において、研磨液組成物が非球状シリカ粒子A及び球状シリカ粒子B以外にシリカ粒子を含有する場合、研磨液組成物におけるシリカ粒子全体に対する非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの合計の質量比は、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、98.0質量%を超え、好ましくは98.5質量%以上、よりこのましくは99.0質量%以上、さらに好ましくは99.5質量%以上、さらにより好ましくは99.8質量%以上である。
[酸]
研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、酸を含有する。研磨液組成物における酸の使用は、酸及び又はその塩の使用を含む。使用される酸としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩がより好ましく、硫酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩がさらに好ましく、硫酸がさらにより好ましい。
これらの酸及びその塩は単独で又は2種以上を混合して用いてもよいが、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、2種以上を混合して用いることが好ましく、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)からなる群から選択される2種以上の酸を混合して用いることがさらに好ましい。
これらの酸の塩を用いる場合は、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等が挙げられる。上記金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、1A族に属する金属又はアンモニウムとの塩が好ましい。
研磨液組成物中における前記酸の含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらにより好ましくは0.1質量%以上であり、5.0質量%以下が好ましく、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下、さらにより好ましくは2.0質量%以下である。
[酸化剤]
前記研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、酸化剤を含有する。使用される酸化剤は、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩、並びに過ヨウ素酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。また、その他の過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩等を含んでもよい。過ヨウ素酸は、メタ過ヨウ酸であってもよく、オルト過ヨウ酸であってもよい。これらの酸化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
研磨液組成物中における酸化剤の含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、好ましくは4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
[水]
研磨液組成物は、媒体として水を含有する。水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取扱いが容易になるため、55質量%以上99.98質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以上98質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上97質量%以下、さらにより好ましくは85質量%以上97質量%以下である。
[その他の成分]
研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、緩衝剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤、高分子化合物等が挙げられる。研磨液組成物中のこれら他の任意成分の含有量は、本開示の効果を損なわない範囲で配合されることが好ましく、0質量%以上10質量%以下が好ましく、0質量%以上5質量%以下がより好ましい。
[研磨液組成物のpH]
研磨液組成物のpHは、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、前述の酸や公知のpH調整剤を用いて、pH0.5以上6.0以下に調整することが好ましく、より好ましくはpH0.7以上、さらに好ましくはpH0.8以上、さらにより好ましくはpH0.9以上であり、より好ましくはpH4.0以下、さらに好ましくはpH3.0以下、さらにより好ましくはpH2.0以下である。なお、上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、電極を研磨液組成物に浸漬した後4分後の数値である。
[研磨液組成物の調製方法]
本開示に係る研磨液組成物は、例えば、非球状シリカ粒子A、球状シリカ粒子B、酸、酸化剤及び水と、さらに所望により、他の成分とを公知の方法で混合することにより調製できる。その他の態様として、研磨液組成物を濃縮物として調製してもよい。前記混合は、特に制限されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。
したがって、本開示は、一態様において、非球状シリカ粒子A、球状シリカ粒子B、酸、酸化剤及び水を混合することを含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物の製造方法に関する。非球状シリカ粒子A、球状シリカ粒子B、及びこれらの混合割合は上述のとおりである。
[磁気ディスク基板の製造方法]
一般に、磁気ディスクは、精研削工程を経たガラス基板やNi−Pメッキ工程を経たアルミニウム合金基板を、粗研磨工程及び仕上げ研磨工程にて研磨した後、記録部形成工程にて磁気ディスク化することにより製造される。本開示は、一態様において、下記(1)〜(3)の工程を有する磁気ディスク基板の製造方法に関する。
(1)本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
(3)工程(2)で得られた基板を、シリカ粒子を含有する研磨液組成物Bを用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、
前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行う。
本開示に係る磁気ディスク基板の製造方法は、一又は複数の実施形態において、下記(1)〜(3)の工程を有する磁気ディスク基板の製造方法である。
(1)本開示に係る研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして前記研磨対象面を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程。
(3)シリカ粒子及び水を含有する研磨液組成物Bを工程(2)で得られた基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして前記研磨対象面を研磨する工程。
[工程(1):粗研磨工程]
工程(1)は、本開示に係る研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして前記研磨対象面を研磨する工程である。工程(1)で使用される研磨機としては、特に限定されず、磁気ディスク基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。研磨機による研磨方法としては、限定されない一実施形態において、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、研磨液組成物を研磨対象面に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する方法が挙げられる。
[工程(1):被研磨基板]
工程(1)で粗研磨される被研磨基板は、磁気ディスク基板又は磁気ディスク基板に用いられる基板であり、例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板や、珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板が挙げられる。中でも、本開示で使用される被研磨基板としては、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板が好ましい。上記被研磨基板の形状には特に制限はなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状であればよい。中でも、ディスク状の被研磨基板が適している。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば2〜95mm程度であり、その厚みは例えば0.5〜2mm程度である。
[工程(1):研磨パッド]
工程(1)の粗研磨工程で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができるが、研磨速度の低下抑制の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。スエードタイプの研磨パッドは、ベース層とベース層に垂直な紡錘状気孔を有する発泡層から構成される。ベース層の材質としては、綿等の天然繊維や合成繊維からなる不織布、スチレンブタジエンゴム等のゴム状物質を充填して得られるベース層等があげられるが、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、ポリエステルフィルムが好ましく、高硬度な樹脂フィルムが得られるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがより好ましい。また、発泡層の材質としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルや、天然ゴム、合成ゴム等があげられるが、圧縮率等の物性のコントロール性や、研磨時の耐摩耗性向上の観点から、ポリウレタンが好ましく、ポリウレタンエラストマーがより好ましい。
また、工程(1)で使用される研磨パッドの平均気孔径は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、10μm以上が好ましく、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上、さらにより好ましくは35μm以上であり、また、100μm以下が好ましく、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは55μm以下である。
[工程(1):研磨荷重]
本開示において、研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。工程(1)における研磨荷重は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、30.0kPa以下が好ましく、より好ましくは20.0kPa以下、さらに好ましくは14.0kPa以下である。また、前記研磨荷重は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、3.0kPa以上が好ましく、より好ましくは7.0kPa以上、さらに好ましくは9.0kPa以上である。前記研磨荷重の調整は、定盤や基板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。
[工程(1):研磨量]
工程(1)における、被研磨基板の単位面積(1cm2)あたりかつ研磨時間1分あたりの研磨量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、0.05mg/(cm2・分)以上が好ましく、より好ましくは0.10mg/(cm2・分)以上、さらに好ましくは0.12mg/(cm2・分)以上である。一方、粗研磨の研磨時間の大幅な長期化を回避する観点、及び、一又は複数の実施形態において、研磨速度の低下抑制及び長周期欠陥除去率の向上の観点から、0.50mg/(cm2・分)以下が好ましく、より好ましくは0.30mg/(cm2・分)以下、さらに好ましくは0.25mg/(cm2・分)以下である。
[工程(2):洗浄工程]
工程(2)は、工程(1)で得られた基板を洗浄する工程である。工程(2)は、一又は複数の実施形態において、工程(1)の粗研磨が施された基板を、洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程である。工程(2)における洗浄方法は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、工程(1)で得られた基板を洗浄剤組成物に浸漬する方法(洗浄方法a)、及び、洗浄剤組成物を射出して工程(1)で得られた基板の表面上に洗浄剤組成物を供給する方法(洗浄方法b)が挙げられる。
[工程(2):洗浄方法a]
前記洗浄方法aにおいて、基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物の温度は、安全性及び操業性の観点から20℃以上100℃以下であると好ましく、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性と生産効率の観点から10秒以上30分以下であると好ましい。また、残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、好ましくは20kHz以上2000kHz以下、より好ましくは40kHz以上2000kHz以下、さらに好ましくは40kHz以上1500kHz以下である。
[工程(2):洗浄方法b]
前記洗浄方法bでは、残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
[工程(2):洗浄剤組成物]
工程(2)の洗浄剤組成物としては、一又は複数の実施形態において、アルカリ剤、水、及び必要に応じて各種添加剤を含有するものが使用できる。
[工程(2):洗浄剤組成物中のアルカリ剤]
前記洗浄剤組成物で使用されるアルカリ剤は、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリンからなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。洗浄剤組成物の基板上の残留物の分散性の向上、保存安定性の向上の観点から、前記アルカリ剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
[工程(3):仕上げ研磨工程]
工程(3)は、シリカ粒子及び水を含有する研磨液組成物Bを工程(2)で得られた基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして前記研磨対象面を研磨する工程である。工程(3)で使用される研磨機は、仕上げ研磨後の突起欠陥の低減の観点及びその他の表面欠陥を効率よく低減するため粗研磨とポア径の異なるパッドを使用する観点から、工程(1)で用いた研磨機とは別の研磨機である。研磨機による研磨方法としては、限定されない一実施形態において、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、研磨液組成物Bを研磨対象面に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する方法が挙げられる。工程(3)で使用される研磨液組成物Bの供給速度、研磨液組成物Bを研磨機へ供給する方法は、前述した研磨液組成物の場合と同様とすることができる。
本開示の磁気ディスク基板の製造方法は、工程(1)の粗研磨工程、工程(2)の洗浄工程、及び、工程(3)の仕上げ研磨工程を含むことにより、研磨後の長周期欠陥の除去率が向上し、突起欠陥が低減された基板を効率的に製造することができる。
[工程(3):研磨液組成物B]
工程(3)で使用される研磨液組成物Bは、突起欠陥低減の観点から砥粒としてシリカ粒子を含有する。使用されるシリカ粒子は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、好ましくはコロイダルシリカである。また、研磨液組成物Bは、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、アルミナ粒子を含有しないことが好ましい。
[工程(3):研磨液組成物Bのシリカ粒子の動的光散乱法による体積平均粒径(D1)]
研磨液組成物Bのシリカ粒子の体積平均粒径(D1)は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、1.0nm以上が好ましく、より好ましくは5.0nm以上、さらに好ましくは10.0nm以上であり、40.0nm以下が好ましく、より好ましくは37.0nm以下、さらに好ましくは35.0nm以下である。また、研磨液組成物Bのシリカ粒子の体積平均粒径(D1)は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)より小さいことが好ましい。なお、該平均粒子径は、実施例に記載の方法により求めることができる。
[研磨液組成物B中のシリカ粒子の含有量]
研磨液組成物Bに含まれるシリカ粒子の含有量は、仕上げ研磨における研磨速度を向上させる観点、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上がさらに好ましく、4.0質量%以上がさらにより好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下がさらにより好ましい。
[工程(3):研磨液組成物BのpH]
研磨液組成物BのpHは、仕上げ研磨における研磨速度を向上させる観点、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、前述の酸や公知のpH調整剤を用いて、pH0.5以上3.0以下に調整することが好ましく、より好ましくはpH1.0以上、さらに好ましくはpH2.5以下、さらにより好ましくはpH2.0以下である。なお、上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、電極を研磨液組成物に浸漬した後4分後の数値である。
研磨液組成物Bは、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、複素環芳香族化合物、多価アミン化合物、及びアニオン性基を有する高分子から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、2種以上含有することがより好ましく、複素環芳香族化合物、多価アミン化合物、及びアニオン性基を有する高分子を含有することがさらに好ましい。
研磨液組成物Bは、研磨速度を向上する観点から、酸、酸化剤を含有することが好ましい。酸の好ましい使用態様については、前述の研磨液組成物の場合と同様である。また、研磨液組成物Bに用いられる水、研磨液組成物Bの調製方法については、前述の研磨液組成物の場合と同様である。
[工程(3):研磨パッド]
工程(3)で使用される研磨パッドは、工程(1)で使用される研磨パッドと同種の研磨パッドが使用されうる。工程(3)で使用される研磨パッドの平均気孔径は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、1μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上40μm以下、さらに好ましくは3μm以上30μm以下である。
[工程(3):研磨荷重]
工程(3)における研磨荷重は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、16.0kPa以下が好ましく、より好ましくは14.0kPa以下、さらに好ましくは10.0kPa以下、さらにより好ましくは8.0kPa以下である。仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、6.0kPa以上が好ましく、より好ましくは7.0kPa以上、さらに好ましくは7.5kPa以上である。
[工程(3):研磨量]
工程(3)における、被研磨基板の単位面積(1cm2)あたりかつ研磨時間1分あたりの研磨量は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、0.02mg/(cm2・分)以上が好ましく、より好ましくは0.03mg/(cm2・分)以上、さらに好ましくは0.04mg/(cm2・分)以上である。また、生産性向上の観点からは、0.15mg/(cm2・分)以下が好ましく、より好ましくは0.12mg/(cm2・分)以下、さらに好ましくは0.10mg/(cm2・分)以下である。
本開示の製造方法によれば、長周期欠陥除去率が向上し、突起欠陥が低減された磁気ディスク基板を生産性よく提供できる。
[研磨方法]
本開示は、その他の態様として、上述した工程(1)、工程(2)、工程(3)を有する研磨方法に関する。すなわち、本開示は、(1)本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)工程(2)で得られた基板をシリカ粒子を含有する研磨液組成物Bを用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行い、前記被研磨基板が、磁気ディスク基板を製造するための基板である、研磨方法に関する。工程(1)〜(3)における被研磨基板、研磨パッド、研磨液組成物B、研磨方法及び条件、洗浄剤組成物、並びに洗浄方法については、上述の本開示の磁気ディスク基板の製造方法と同様とすることができる。
上述した実施形態に関し、本開示はさらに以下の一又は複数の実施形態にかかる組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1> シリカ粒子、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子は、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が120.0nm以上300.0nm未満である非球状シリカ粒子Aと、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が6.0nm以上40.0nm以下である球状シリカ粒子Bとを含み、研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの質量比(A/B)が80/20以上99/1以下となるように混合され、研磨液組成物におけるシリカ粒子全体に対する非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの合計の質量比が98.0質量%を超え、前記非球状シリカ粒子Aは、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が2.00以上4.00以下であり、前記非球状シリカ粒子A及び前記球状シリカ粒子Bそれぞれの動的光散乱法による体積粒度分布の重なり頻度の合計が0%以上40%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<2> 前記非球状シリカ粒子Aは、ΔCV値が0.0%より上であることが好ましく、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上、さらにより好ましくは0.4%以上である、<1>記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<3> 前記非球状シリカ粒子Aは、ΔCV値が10.0%未満であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは7.0%以下、さらにより好ましくは4.0%以下である、<1>又は<2>に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<4> 前記非球状シリカ粒子Aは、ΔCV値が0.0%より上10.0%未満が好ましく、より好ましくは0.2%以上8.0%以下、さらにこのましくは0.3%以上7.0%以下、さらにより好ましくは0.4%以上4.0%以下である、<1>から<3>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<5> 前記非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)が、120.0nm以上であって、150.0nm以上が好ましく、より好ましくは160.0nm以上、さらに好ましくは170.0nm以上、さらにより好ましくは180.0nm以上、さらにより好ましくは190.0nm以上であり、さらにより好ましくは200.0nm以上である、<1>から<4>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<6> 前記非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)が、300.0nm未満であって、好ましくは260.0nm未満、より好ましくは250.0nm未満、さらにより好ましくは220.0nm未満、さらにより好ましくは210.0nm未満である、<1>から<5>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<7> 前記非球状シリカ粒子Aの体積平均粒径(D1)が、好ましくは150.0nm以上260.0nm未満であって、より好ましくは160.0nm以上260.0nm未満、さらに好ましくは170.0nm以上260.0nm未満、さらにより好ましくは180.0nm以上250.0nm未満、さらにより好ましくは190.0nm以上220.0nm未満、さらにより好ましくは200.0nm以上210.0nm未満である、<1>から<6>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<8> 前記非球状シリカ粒子Aの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、好ましくは2.00以上、より好ましくは2.50以上、さらに好ましくは3.00以上、さらにより好ましくは3.50以上である、<1>から<7>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<9> 前記非球状シリカ粒子Aの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、4.00以下が好ましく、より好ましくは3.90以下、さらに好ましくは3.80以下である、<1>から<8>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<10> 前記非球状シリカ粒子Aの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、好ましくは2.50以上3.90以下、より好ましくは3.00以上3.90以下、さらに好ましくは3.50以上3.80以下である、<1>から<9>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<11> 非球状シリカ粒子AのCV90は、好ましくは20.0%以上、より好ましくは25.0%以上、さらに好ましくは27.0%以上である、<1>から<10>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<12> 非球状シリカ粒子AのCV90は、40.0%以下が好ましく、より好ましくは38.0%以下、さらに好ましくは35.0%以下、さらにより好ましくは32.0%以下である、<1>から<11>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<13> 非球状シリカ粒子AのCV90が、好ましくは20.0%以上40.0%以下、より好ましくは25.0%以上38.0%以下、さらに好ましくは21.0%以上35.0%以下、さらにより好ましくは27.0%以上32.0%以下である、<1>から<12>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<14> 研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子Aの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上がさらに好ましく、さらに好ましくは2質量%以上である、<1>から<13>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<15> 研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子Aの含有量が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以下である、<1>から<14>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<16> 研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子Aの含有量が、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上20質量%以下、さらにより好ましくは2質量%以上15質量%以下である、<1>から<15>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<17> 前記球状シリカ粒子Bの体積平均粒径(D1)が、6.0nm以上が好ましく、より好ましくは7.0nm以上である、<1>から<16>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<18> 前記球状シリカ粒子Bの体積平均粒径(D1)が、好ましくは40.0nm以下、より好ましくは35.0nm以下、さらに好ましくは30.0nm以下である、<1>から<17>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<19> 前記球状シリカ粒子Bの体積平均粒径(D1)が、6.0nm以上40.0nm以下が好ましく、より好ましくは60.0nm以上35.0nm以下、さらに好ましくは7.0nm以上30.0nm以下である、<1>から<18>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<20> 前記球状シリカ粒子Bの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、好ましくは1.00以上、より好ましくは1.10以上、さらに好ましくは1.15以上である、<1>から<19>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<21> 前記球状シリカ粒子Bの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.40以下、さらに好ましくは1.30以下である、<1>から<20>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<22> 前記球状シリカ粒子Bの動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、好ましくは1.00以上1.50以下、より好ましくは1.10以上1.40以下、さらに好ましくは1.15以上1.30以下である、<1>から<21>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<23> 研磨液組成物に含まれる球状シリカ粒子Bの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらにより好ましくは1質量%以上、さらにより好ましくは2質量%以上である、<1>から<22>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<24> 研磨液組成物に含まれる球状シリカ粒子Bの含有量が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以下である、<1>から<23>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<25> 研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの体積粒度分布の重なり頻度の合計が、好ましくは10%以上38%以下、より好ましくは15%以上36%以下、さらに好ましくは20%以上35%以下である、<1>から<24>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<26> 非球状シリカ粒子A及び/又は球状シリカ粒子Bが、水ガラスを原料とする粒子成長法により製造されたシリカ粒子である、<1>から<25>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<27> 研磨液組成物が、アルミナ砥粒を実質的に含まない、<1>から<26>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<28> 前記研磨液組成物のpHが、好ましくは0.5以上6.0以下である、<1>から<27>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<29> 前記研磨液組成物のpHが、好ましくはpH0.7以上、より好ましくはpH0.8以上、さらにより好ましくはpH0.9以上である、<1>から<28>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<30> 前記研磨液組成物のpHが、好ましくはpH4.0以下、より好ましくはpH3.0以下、さらに好ましくはpH2.0以下、<1>から<29>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<31> 研磨対象の被研磨基板が、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板である、<1>から<30>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<32> (1)<1>から<31>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
(3)工程(2)で得られた基板を、シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、
前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行い、
前記被研磨基板が、磁気ディスク基板を製造するための基板である、研磨方法。
<33> (1)<1>から<3>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
(3)工程(2)で得られた基板を、シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、
前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の製造方法。
<34> <32>記載の研磨方法又は、<33>記載の磁気ディスク基板の製造方法における、<1>から<31>のいずれかに記載の研磨液組成物の使用。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
下記のとおりに研磨液組成物A及びBを調製し、下記の条件で工程(1)〜(3)を含む被研磨基板の研磨を行った。研磨液組成物の調製方法、各パラメータの測定方法、研磨条件(研磨方法)及び評価方法は以下のとおりである。
1.研磨液組成物Aの調製
表1−1の砥粒(砥粒a〜k)、硫酸、酸化剤、及び水を用い、研磨液組成物Aを調製した(実施例1〜8、参考例1、比較例1〜10、表2)。研磨液組成物A中における各成分の含有量は、砥粒:6質量%、硫酸:0.5〜1.0質量%、過酸化水素:0.7〜1.0質量%とした。研磨液組成物AのpHは1.0〜1.6であった。
表1−1のシリカ砥粒のタイプの「異形型シリカ粒子」とは、一又は複数の実施形態において、2つ以上の粒子が凝集又は融着したような形状の粒子をいう。また、「球状シリカ粒子」とは、真球又は真球に近い球形状の粒子をいう。一般に市販されているコロイダルシリカが該当する。なお、「粉砕シリカ」とは、粒子成長法ではなく、原料を粉砕加工して得られたシリカ粒子をいう。
なお、表1−1のシリカ粒子(砥粒a〜h)は、それぞれ、珪酸アルカリ水溶液を出発原料とする粒子成長法により製造されたシリカ粒子である。
表1−1の砥粒aの異形型非球状シリカの電子顕微鏡(TEM)観察写真の一例を図1に示す。
2.研磨液組成物Bの調製
下記表1−2のコロイダルシリカ砥粒(砥粒l)、硫酸、過酸化水素、及び水を用い、研磨液組成物Bを調製した。研磨液組成物Bにおける各成分の含有量は、コロイダルシリカ粒子(砥粒l):5.0質量%、硫酸:0.4質量%、過酸化水素:0.4質量%とした。研磨液組成物BのpHは1.4であった。
3.各パラメータの測定方法
[動的光散乱法で測定される砥粒a〜hの体積平均粒径(D1)、及びCV90]
砥粒、硫酸、過酸化水素をイオン交換水に添加し、これらを混合することにより、標準試料を作製した。標準試料中における砥粒A〜L、p、硫酸、過酸化水素の含有量は、それぞれ0.1〜5.0質量%、0.2〜0.4質量%、0.2〜0.4質量%であり、用いるシリカ砥粒のタイプに合わせて適宜調整を行った。この標準試料を大塚電子社製動的光散乱装置DLS−6500により、同メーカーが添付した説明書に従って、200回積算した際の検出角90°におけるMarquardt法によって得られる散乱強度分布の面積が全体の50%となる粒径を求め、シリカ粒子の体積平均粒径(D1)とした。また、検出角90°におけるシリカ粒子のCV値(CV90)を、上記測定法に従って測定した散乱強度分布における標準偏差を前記体積平均粒径で除して100をかけた値として算出した。
[ΔCV値]
上記CV90の測定法と同様に、検出角30°におけるシリカ粒子のCV値(CV30)を測定し、CV30からCV90を引いた値を求め、シリカ粒子A又はBのΔCV値とした。
(DLS−6500の測定条件)
検出角90°
Sampling time :2−10(μm)で適宜調整
Correlation Channel :256−512(ch)で適宜調整
Correlation Method :TI
Sampling temprature :25.0℃
検出角30°
Sampling time :4−20(μm)で適宜調整
Correlation Channel :512−2048(ch)で適宜調整
Correlation Method :TI
Sampling temprature :25℃
[砥粒a〜hのBET法による比表面積換算粒径(D2)の測定]
砥粒の比表面積は、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」(島津製作所製))を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の砥粒を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過する。
(e)フィルター上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルターをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルター屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
[砥粒i〜kの平均二次粒子径の測定]
0.5%「ポイズ530」(ポリカルボン酸型高分子活性剤、花王社製)水溶液を分散媒として、下記測定装置内に投入し、続いて透過率が75〜95%になるようにサンプルを投入し、その後、5分間超音波を掛けた後、粒径を測定した。
測定機器 :堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 LA920
循環強度 :4
超音波強度:4
[シリカ粒子(砥粒)の体積平均粒子径(D50)、D10及びD90]
シリカ粒子をイオン交換水で1%分散液に希釈し、下記測定装置内に投入し、レーザー回折・散乱法により体積平均粒子径(D50)、D10及びD90並びに粒子径の標準偏差を測定した。
測定機器 :マルバーン ゼータサイザー ナノ「Nano S」
測定条件 :サンプル量 1.5mL
:レーザー He-Ne、3.0mW、633nm
:散乱光検出角 173°
得られた体積分布粒径の累積体積頻度が50%となる粒径をシリカ粒子の体積平均粒子径(D50)とし、累積体積頻度が10%及び90%となる粒径をそれぞれD10及びD90とした。
[シリカ粒子の体積粒度分布の重なり頻度の合計]
体積平均粒子径(D50)、D10及びD90と同様の測定法により得られたシリカ粒子成分(砥粒a〜h)のそれぞれの体積粒度分布を得た。実施例2〜8及び比較例1〜7で使用する砥粒の組み合わせ(表2)において重なった粒径範囲の累積体積頻度の合計を全シリカ粒子成分の累積体積頻度(2成分混合系では200、3成分混合系では300)で除して100をかけた値を重なり頻度[%]として算出した。実施例3〜6及び比較例1における砥粒の組み合わせ(砥粒a、d、e)の体積粒度分布を重ねたグラフの一例を図2に示す。
4.研磨条件
工程(1)〜(3)を含む被研磨基板の研磨を行った。各工程の条件を以下に示す。なお、工程(1)を同一の研磨機で行い、工程(3)を前記研磨機とは別個の研磨機で行った。
[被研磨基板]
被研磨基板は、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板を用いた。なお、この被研磨基板は、厚み1.27mm、直径95mmであった。
[工程(1):粗研磨]
研磨機:両面研磨機(9B型両面研磨機、スピードファム社製)
研磨液:研磨液組成物A
研磨パッド:スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー)、厚み1.04mm、平均気孔径43μm(FILWEL社製)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:9.8kPa(設定値)
研磨液供給量:100mL/分(基板面積当たり0.076mL/(cm2・分))
研磨時間:4.0〜16.5分(表3の実施例及び比較例)
研磨量:0.1〜0.32mg/(cm2・分)
投入した基板の枚数:10枚
[工程(2):洗浄]
工程(2)で得られた基板を、下記条件で洗浄した。
1. 0.1質量%のKOH水溶液からなるpH12のアルカリ性洗浄剤組成物の入った槽内に、工程(2)で得られた基板を5分間浸漬する。
2. 浸漬後の基板を、イオン交換水で20秒間すすぎを行う。
3. すすぎ後の基板を洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニットに移送し洗浄する。
[工程(3):仕上げ研磨]
研磨機:両面研磨機(9B型両面研磨機、スピードファム社製)、工程(1)で使用した研磨機とは別個の研磨機
研磨液:研磨液組成物B
研磨パッド:スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー)、厚み1.0mm、平均気孔径5μm(FILWEL社製)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:7.9kPa(設定値)
研磨液供給量:100mL/分(0.076mL/(cm2・分))
研磨時間:2〜6分
研磨量:0.04〜0.10mg/(cm2・分)
投入した基板の枚数:10枚
工程(3)後に、洗浄を行った。洗浄条件は、前記工程(2)と同条件で行った。
5.評価方法
[工程(1)の研磨速度の測定方法]
〔研磨速度の測定方法〕
以下のように求めた研磨量を研磨時間(分)で除して研磨速度(μm/分)を算出した。その結果を、下記表2に、参考例1を100とした相対値として示す。また、該相対値に対してA,B,C,Dの4段階で評価を付けた。A=115以上、B=100〜114、C=86〜99、D=85以下。
研磨前後の各基板の重さを計り(Sartorius社製、「BP−210S」)を用いて測定し、下記式に導入することにより、研磨量を求めた。
重量減少量(g)={研磨前の重量(g)−研磨後の重量(g)}
研磨量(μm)=重量減少量(g)/基板片面面積(mm2)/2/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積は、6597mm2、Ni−Pメッキ密度8.4g/cm3として算出)
[工程(1)後の基板表面の長周期欠陥の評価方法]
工程(1)後研磨後の10枚の基板から任意に3枚を選択し、選択した各基板の両面(計6点)について、下記の条件で測定した。その6点の基板全面の長波長うねりの値の平均値を基板の長周期欠陥率の相対値として算出した。その結果を、下記表2に、参考例1を75%とした相対値として示す。また、該相対値に対して5,4,3,2,1の5段階で評価を付けた。5=90%以上、4=80%〜89%、3=70%〜79%、2=50%〜69%、1=49%以下。すなわち、値が大きいほど長周期欠陥が少ないことを意味する。
機器 :OptiFLATIII(KLA Tencor社製)
Radius Inside/Out:14.87mm/47.83mm
Center X/Y:55.44mm/53.38mm
Low Cutoff:2.5mm
Inner Mask:18.50mm、Outer Mask:45.5mm
Long Period:2.5mm、Wa Correction:0.9、Rn Correction:1.0
No Zernike Terms:8
[工程(3)後の突起欠陥の評価方法]
測定機器:OSA7100(KLA Tencor社製)
評価:研磨液組成物Bを用いて研磨を行い、その後、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射して砥粒突き刺さり数を測定した。その4枚の基板の各々両面にある砥粒突き刺さり数(個)の合計を8で除して、基板面当たりの砥粒突き刺さり数(突起欠陥数)(相対値)を算出した。下記表2に、参考例1を100とした相対値として示す。また、該相対値に対してA,B,C,Dの4段階で評価を付けた。A=94以下、B=95〜109、C=110〜120、D=121以上。
表2に示すとおり、実施例1〜8では、参考例1に比べて、研磨速度が維持もしくは向上し、かつ、同等以上の長周期欠陥の除去率が示され、また、突起欠陥も大きく悪化することはなかった。また、実施例1〜8は、比較例1〜7に比べて高い研磨速度と高い長周期欠陥除去率が得られ、同等以上の突起欠陥の低減が得られた。また、実施例1〜8は、比較例8〜10に比べて、研磨速度及び長周期欠陥除去率を大きく損なうことなく突起欠陥を著しく低減できることが示された。

Claims (9)

  1. シリカ粒子、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、
    シリカ粒子は、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が120.0nm以上300.0nm未満である非球状シリカ粒子Aと、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)が6.0nm以上40.0nm以下である球状シリカ粒子Bとを含み、
    研磨液組成物中の非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの質量比(A/B)が80/20以上99/1以下となるように混合され、
    研磨液組成物におけるシリカ粒子全体に対する非球状シリカ粒子Aと球状シリカ粒子Bの合計の質量比が、98.0質量%を超え、
    前記非球状シリカ粒子Aは、動的光散乱法による体積平均粒径(D1)とBET法による比表面積換算粒径(D2)の比(D1/D2)が、2.00以上4.00以下であり、
    前記非球状シリカ粒子A及び前記球状シリカ粒子Bそれぞれの動的光散乱法による体積粒度分布の重なり頻度の合計が、0%以上40%以下である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  2. 非球状シリカ粒子AのΔCV値が0.0%より上10.0%未満である、請求項1記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  3. 非球状シリカ粒子AのCV90が、20.0%以上40.0%以下である、請求項1又は2に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  4. 非球状シリカ粒子A及び/又は球状シリカ粒子Bが、水ガラスを原料とする粒子成長法により製造されたシリカ粒子である、請求項1から3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  5. 研磨液組成物が、アルミナ砥粒を実質的に含まない、請求項1から4のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  6. 前記研磨液組成物のpHが、0.5以上6.0以下である、請求項1から5のいずれかに記載された磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  7. 研磨対象の被研磨基板が、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板である、請求項1から6のいずれかに記載された磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  8. (1)請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
    (2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
    (3)工程(2)で得られた基板を、シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、
    前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行い、
    前記被研磨基板が、磁気ディスク基板を製造するための基板である、研磨方法。
  9. (1)請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
    (2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
    (3)工程(2)で得られた基板を、シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて研磨対象面を研磨する工程を有し、
    前記工程(1)と(3)を別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の製造方法。
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