JP2018025714A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
Description
表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比率C/(Si+C)を0.80以上とし、表面層における水素原子の原子数(H)とケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する水素原子の原子数(H)の比率H/(Si+C+H)を0.30以上0.40以下とし、炭素元素のsp3結合数(sp3)と炭素元素のsp2結合数(sp2)の和に対する炭素元素のsp3結合数(sp3)の比率sp3/(sp3+sp2)を0.30以上とし、表面層のイオン化ポテンシャルを5.50eV以上とする。
本発明の感光体は、導電性支持体上に水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)で構成されている光導電層と、水素化アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC:H)または水素化アモルファスカーボン(a−C:H)で構成されている表面層をこの順に積層した構成を有し、表面層に特徴がある。
[表面層]
本発明の感光体では、表面層をa−SiC:Hまたはa−C:Hで構成する。表面層を構成するケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比率C/(Si+C)を0.80以上とする。本発明の感光体を負帯電で用いると、負帯電で感光体表面に飛来する酸素原子を含む負イオンによって陽極酸化を生じ酸化膜SiOxが形成される。表面層の構成原子であるケイ素原子の含有量が多くなると酸化膜SiOxの成長速度が速くなり、実際の使用環境下でも顕在化しやすくなるため、酸化を抑制する観点ではC/(Si+C)は低い方が好ましい。検討の結果、C/(Si+C)を0.80以上とすることで、実際の使用環境下でも顕在化しにくいことを見出した。
以後、負イオンが表面層を透過しない場合をバリア性があるとも記し、負イオンが表面層を透過してしまう場合をバリア性がないとも記す。
検討の結果、炭素元素のsp3結合数(sp3)と炭素元素のsp2結合数(sp2)の和に対する炭素元素のsp3結合数(sp3)の比率sp3/(sp3+sp2)を0.30以上に維持した状態で、H/(Si+C+H)を0.40以下とすることで、バリア性が得られることを見出した。
本発明の感光体は、負帯電プロセスに適応しているため、表面層と光導電層との間に上部電荷注入阻止層(以下、単に「上部阻止層」とも記す)を設けることが好ましい。本発明の感光体は、表面層をa−C:Hまたはa−SiC:Hで構成し、光導電層をa−Si:Hで構成しているので、上部阻止層はa−SiC:Hで構成することが好ましい。電荷注入阻止能を向上させるためには、a−SiC:H上部阻止層に周期表第13族に属する原子を含有させることが有効である。周期表第13族に属する原子の中でも、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましい。
本発明の感光体では、光導電層をa−Si:Hで構成する。水素原子(H)の含有量は、ケイ素原子(Si)と水素原子(H)との和(Si+H)に対して10原子%以上であることが好ましく、15原子%以上であることがより好ましい。一方、水素原子(H)の含有量は、ケイ素原子(Si)と水素原子(H)との和(Si+H)に対して30原子%以下であることが好ましく、25原子%以下であることがより好ましい。
光導電層の膜厚が60μm以下であれば、a−Siの異常成長部位(例えば、水平方向で50μm以上150μm以下、高さ方向で5μm以上20μm以下の部位。)が大きくなりにくく、表面を摺擦する部材へのダメージが抑えられ、画像欠陥の発生が抑えられる。
本発明においては、導電性支持体(基体)と光導電層との間に、基体側からの電荷注入を阻止する働きを有する下部電荷注入阻止層(以下、単に「下部阻止層」とも記す)を設けることが好ましい。下部阻止層は、感光体の表面が一定極性の帯電処理を受けた際、基体から光導電層への電荷の注入を阻止する機能を有する層である。このような機能を付与するために、下部阻止層は、光導電層を構成する材料をベースとしたうえで、伝導性を制御するための原子を光導電層に比べて比較的多く含有させる。
伝導性を制御するために下部阻止層に含有させる原子としては、周期表第15族に属する原子を用いることができる。周期表第15族に属する原子の中でも、リン原子、ヒ素原子が好ましい。
下部阻止層に含有される炭素原子、窒素原子および酸素原子のうちの少なくとも1種の原子は、下部阻止層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよい。また、膜厚方向には均一に含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。いずれの場合にも、伝導性を制御するための原子が基体の表面に対して平行面内方向に均一な分布で電荷注入阻止層に含有されることが、特性の均一化を図る上からも好ましい。
導電性支持体としての円筒状基体(以下、単に「基体」とも記す)は導電性を有し、表面に形成される光導電層および表面層を保持しうるものであれば特に制限はない。基体の材質としては、例えば、アルミニウム、鉄などの金属や、これらの合金などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、前述した規定を満足する層を形成できるものであればいずれの方法であってもよい。具体的には、プラズマCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。これらの中でも、原料供給の容易さなどの点で、プラズマCVD法が好ましい。
図3は、本発明のa−Si感光体を作製するための高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。
この堆積装置は、大別すると、反応容器3110を有する堆積装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
すべての堆積膜形成が終わった後、メインバルブ3118を閉じ、反応容器3110内に不活性ガスを導入し、大気圧に戻した後、基体3112を取り出す。
[表面層]
本発明の電子写真感光体に適した表面層の特性を得るための形成条件について説明する。本発明では表面層をa−SiC:Hまたはa−C:Hで形成する。ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、例えば、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)などのシラン類が好適に使用できる。また、炭素原子供給用の原料ガスとしては、例えば、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)、エチレン(C2H6)、アセチレン(C2H4)などのガスが好適に使用できる。それらの原料ガスの混合比を調整することによって、a−SiCの(C/(Si+C))を調整できる。
上部電荷注入阻止層の形成は、表面層を形成する場合と同様の方法を採用することができる。そして、反応容器に供給する原料ガスなどの量、高周波電力、反応圧力、基体の温度などの条件を、必要に応じて設定することで形成される。なお、上部阻止層に電荷注入阻止能を付与するには、帯電極性に応じて周期表第13族または第15族に属する原子を含有する原料ガスを添加して形成すれば良いが、本発明の感光体は負帯電用として用いることが前提であるので、周期表第13族に属する原子を含有する原料ガスを添加して形成する。周期表第13族に属する原子を含有する原料ガスとしては、ジボラン(B2H6)が挙げられる。
光導電層の形成においては、ケイ素原子供給用の原料ガスとして、例えば、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)などのシラン類が好適に使用できる。また、水素原子供給用の原料ガスとしては、上記シラン類に加えて、例えば、水素(H2)も好適に使用できる。
また、上述のハロゲン原子、伝導性を制御するための原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子などを光導電層に含有させる場合には、それぞれの原子を含むガス状または容易にガス化しうる物質を材料として適宜使用すればよい。
本発明の電子写真感光体を搭載した電子写真装置の一例を図2に示す。この電子写真装置を使用した画像形成方法を以下説明する。
図2に示す電子写真装置は、フィルム状の誘電体ベルトからなる中間転写ベルト206を用いて転写を行う電子写真プロセスを利用したカラー電子写真装置(複写機またはレーザービームプリンタ)の一例である。
まず、図2に矢印で示すように、感光体201が、反時計方向(X)に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写ベルト206が、時計方向に、感光体201と同じ周速度で回転駆動される。
本実施例および比較例では、図3に示したプラズマCVD装置を用い、基体として直径84mm、長さ370mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、図1に示した層構成の電子写真感光体を各2本作製した。下部阻止層、光導電層、上部阻止層は表1の条件として堆積膜を作製し、表面層は表2の条件で堆積膜を作製した。本実施例および比較例1−1,1−2では表面層形成時の原料ガスであるCH4の供給量を種々変更した。比較例1−3は比較例1−2に対して反応圧力を変更した。比較例1−4、1−5は比較例1−2に対して水素による希釈ガス流量を変更した。
表面層物性として、C/(Si+C)、H/(H+Si+C)、sp3/(sp3+sp2)、イオン化ポテンシャル、の4項目について評価した。
C/(Si+C)、H/(H+Si+C)はRBS(ラザフォード後方散乱法)およびHFS(水素前方散乱法)により測定した。作製した感光体を測定可能な大きさに切りだし、RBS、HFS測定装置(National Electrostatics Corporation製 Pelletron 3SDH)に設置した。そして、RBSの測定面積における炭素原子とケイ素原子の原子数を測定した。RBSと同時にHFSの測定を行い、HFSの測定面積における水素原子の原子数を測定した。そして、測定した炭素原子、ケイ素原子、および、水素原子の原子数から、H/(H+Si+C)を求めた。
RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He++、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:22nA、入射ビーム経:2mmである。また、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mm、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitで測定を行った。
sp3/(sp3+sp2)はX線光電子分光法(XPS)で測定される炭素原子の結合エネルギーに対応したピークの波形分離から求めた。
作製した感光体から評価サンプルとして、10mm×10mmの大きさに切り出す。このサンプルを、XPS装置(アルバックファイ製VersaProbeII)内の測定ポジションに導入する。その後、X線を照射し、それに伴って放出される励起電子を、検出器で受け取り、受け取られた単位時間あたりの励起電子数の、結合エネルギースペクトルから、表面層に含有される炭素原子の電子の軌道状態の比率を算出する。
このとき、sp2結合数をとる炭素原子は、1s軌道からの励起電子が結合エネルギー284.5eVにピークをとる一方で、sp3結合数をとる炭素原子は、1s軌道からの励起電子が結合エネルギー285.4eVにピークをとる。このことから、結合エネルギー284.5eVおよび285.4eVでピークを有する分布関数の重ね合わせによって、実際に測定された炭素原子1s軌道からの励起電子の結合エネルギースペクトルをフィッティング(波形分離)する。それぞれの分布関数は、ローレンツ分布関数とガウス分布関数とをコンボリューションした分布関数を用いた。そして、フィッティングされたsp2結合数およびsp3結合数に対応する分布関数の各々の、結合エネルギーに対する積分値(面積)から、sp3比率(sp3/(sp2+sp3))を算出した。
これは、X線によって励起される電子が、数nmといった極最表層の領域からしか放出されないため、表面層全体のsp3比率(sp3/(sp2+sp3))を求めるために行うものである。
イオン化ポテンシャルは、大気中光電子分光法で測定した。作製した感光体を20mm×20mmの大きさに切りだし、大気中光電子分光法装置(理研計器社製 AC−3)で測定した。測定のエネルギー範囲は4.0〜7.0eVとし、測定ステップは0.1eVとした。照射光エネルギーに対する光電子放出数の0.3乗をプロットし、光電子放出が生じていない低エネルギー側でベースラインを定義し、光電子放出が生じる高エネルギー側のデーターを直線近似して、ベースラインとの交点からイオン化ポテンシャルを求めた。
本発明の効果確認として、表面層の酸化、表面層のバリア性、現像工程による電位低下、の3項目について評価した。
(評価サンプル準備)
感光体の表面に向けてコロトロン帯電器(帯電幅50mm)と光源を設置し、光を当てながらコロトロン帯電器の帯電ワイヤーに一定電流(−50μA)を供給して、コロナ放電に曝露する。コロナ放電による曝露を5時間行った後、感光体の曝露箇所からサンプルを切りだす。
このサンプルを、XPS(X線光電子分光法)(アルバックファイ製VersaProbeII)内の測定ポジションに導入する。その後、X線を照射し、それに伴って放出される励起電子を、検出器で受け取り、受け取られた単位時間あたりの励起電子数の、結合エネルギースペクトルから、感光体に含有される原子数比率を算出する。
具体的には、感光体に含有されると想定される原子からの励起電子がとりうる結合エネルギー範囲に限定して、結合エネルギースペクトル測定する。そうすることで現実的な測定時間内で、分解能の高いスペクトルデータを得ることができる。すなわち、炭素原子の1s軌道(278eV以上298eV以下)、酸素原子の1s軌道(523eV以上543eV以下)、珪素原子の2p軌道(94eV以上114eV以下)に限定して測定する。
そして、各原子それぞれについて、励起電子の単位時間あたりの検出数の、結合エネルギーに対する積分値(面積)から、含有酸素比率を算出する。
算出された酸素含有率からケイ素原子に対する酸素原子の量が1.0倍未満の場合をAとし、1.0以上1.80未満の場合をB、1.80以上の場合をCとして評価した。
ついで、アルゴンスパッタを行うことで、感光体の表面層から、その下地層である上部阻止層(第二中間層)の一部までをすこしずつ削りながら、上述の測定を繰り返すことで、含有酸素比率O/(C+O+Si)の膜厚方向分布が得られる。
表面層のバリア性がない場合、前述のコロナ放電による曝露によって、酸素を含む放電生成物が表面層を透過し、その下地層である上部阻止層に到達し、上部阻止層の主成分である珪素が酸化される。それによって、含有酸素比率O/(C+O+Si)の膜厚方向分布において、上部阻止層の界面近傍から、含有酸素比率O/(C+O+Si)が増大する。つまり、この上部阻止層の界面近傍からの含有酸素比率O/(C+O+Si)の増大があったとき、表面層のバリア性がないと判定できる。
上記判定により、バリア性がある場合をAとし、バリア性がない場合をCとして評価した。
感光体を図2に示す装置に設置し、現像器の下流に表面電位計を設置し、現像ローラを離間した状態で、感光体表面を−500Vに帯電した。続いて、現像ローラの心金に−300Vのバイアスを印加しながら、現像ローラを感光体に接触させ、その時の電位絶対値の低下を測定した。電位の絶対値の低下が15V未満の場合をA、15V以上30V未満の場合をB、30V以上の場合をCとした。なお、以下で作製した液体現像剤を用いた。
(トナー粒子の作製)
セパラブルフラスコ中に、ニュクレルN1525(エチレン−メタクリル酸樹脂/三井デュポンポリケミカル株式会社製)25質量部とドデシルビニルエーテル75質量部を投入した。そして、スリーワンモーターを用いて200rpmで撹拌しながら、オイルバス中で130℃まで1時間かけて昇温した。130℃で1時間保持した後、1時間あたり−15℃の速度で徐冷し、トナー粒子前駆体を作成した。得られたトナー粒子前駆体は、白色のペースト状であった。当該トナー粒子前駆体を59.40質量部、顔料としてピグメントブルー15:3を4.95質量部、荷電補助剤としてトリステアリン酸アルミニウムを0.2質量部、及びドデシルビニルエーテル35.45質量部を、直径0.5mmのジルコニアビーズとともに遊星式ビーズミル(クラシックラインP−6/フリッチュ社)に充填した。そして、室温で200rpmにて4時間粉砕して、トナー粒子分散体(固形分20質量%)を得た。得られたトナー粒子分散体に含有されるトナー粒子は個数平均粒径が0.70μmであった(日機装株式会社製ナノトラック150にて測定した)。
前述のトナー粒子分散体10.0質量部に、重合性液状モノマーとしてジプロピレングリコールジビニルエーテル(例示化合物B−19)を89.7質量部、光重合開始剤として例示化合物A−3を0.2質量部加え、帯電制御剤として水素添加レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ株式会社製)を用い、入れ量を調整して液体現像剤の抵抗率を1×1010Ωcmに調整した。
感光体をキヤノン製imageRUNNER ADVANCE C7270の改造機に設置した。改造機は、一次帯電器の一次電流とグリット電圧を外部制御可能にした点である。この改造機を用いて、現像器の下流に表面電位計を設置し、現像器を取り外した状態で、全面白画像を出力し、感光体表面が−500Vになるように一次電流とグリット電圧を調整した。続いて、現像器を取り付けた状態で現像ローラの芯金に現像バイアスを印加した際の感光体の表面電位を測定した。現像器を設置した時の電位絶対値の低下を測定した。電位の絶対値の低下が15V未満の場合をA、15V以上30V未満の場合をB、30V以上の場合をCとした。なお、上記で作製した液体現像剤を用いた。
なお、imageRUNNER ADVANCE C7270の現像剤に用いられる磁性キャリアの2×105V/m印加時における体積抵抗は5.0×107〜1.0×108Ωcmの範囲であった
以上、感光体特性の3項目の結果の全てがB以上の時に本発明の効果が得られていると判定した。
本実施例および比較例では、図3に示したプラズマCVD装置を用い、表面層を表4の条件で堆積膜を形成した以外は実施例1−1と同様の方法で、図1に示した層構成の電子写真感光体を各2本作製した。本実施例および比較例では表面層形成時の基体温度を種々変更した。
本実施例および比較例では、図3に示したプラズマCVD装置を用い、表面層を表6の条件で堆積膜を形成した以外は実施例1−1と同様の方法で、図1に示した層構成の電子写真感光体を各2本作製した。本実施例および比較例では表面層形成時の原料ガスCH4とSiH4の比率を種々変更した。
本実施例および比較例では、図3に示したプラズマCVD装置を用い、表面層を表8の条件で堆積膜を形成した以外は実施例1−1と同様の方法で、図1に示した層構成の電子写真感光体を各2本作製した。本実施例および比較例では表面層形成時の基体温度を種々変更した。
本実施例では実施例1−1で作製した感光体を用いた。現像剤の調整において、帯電制御剤として水素添加レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ株式会社製)の入れ量を調整して液体現像剤の抵抗率を5×109〜1×1011Ωcmに調整し、感光体特性として電位低下について評価(現像工程における電位低下の評価1)を行った。評価結果を表10に示す。
102‥‥下部電荷注入阻止層(第一中間層)
103‥‥光導電層
104‥‥上部電荷注入阻止層(第二中間層)
105‥‥表面層
201‥‥電子写真感光体
202‥‥スコロトロン帯電器
203‥‥画像露光光
204‥‥現像器
205‥‥一次転写ローラ
206‥‥中間転写ベルト
207‥‥クリーニングユニット
208‥‥除電手段
209‥‥二次転写ローラ
210‥‥記録材
211‥‥定着器
Claims (3)
- 導電性支持体上に水素化アモルファスシリコンで構成されている光導電層と、水素化アモルファスシリコンカーバイドまたは水素化アモルファスカーボンで構成されている表面層をこの順に積層した電子写真感光体において、
前記表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比率C/(Si+C)が、0.80以上であり、
前記表面層における水素原子の原子数(H)とケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する水素原子の原子数(H)の比率H/(Si+C+H)が、0.30以上0.40以下であり、
炭素元素のsp3結合数(sp3)と炭素元素のsp2結合数(sp2)の和に対する炭素元素のsp3結合数(sp3)の比率sp3/(sp3+sp2)が0.30以上であり、
前記表面層のイオン化ポテンシャルが5.50eV以上である
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記電子写真感光体が、さらに、前記表面層と前記光導電層との間に、上部電荷注入阻止層を有する、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記上部電荷注入阻止層が、周期表第13族に属する原子を含む水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成されている、請求項2に記載の電子写真感光体。
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