JP2018017155A - 車両の排気系装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の排気系装置1は、エンジン2よりも車両後方に設けられた排気浄化装置18と、排気浄化装置18よりも下流側からEGRガスを吸気通路11に導入するためのEGR通路を有する排気再循環装置22と、を備え、EGR通路上には、空冷式のEGRガス冷却部23と、EGRガス冷却部23の下流側に配置された水冷式の第1EGRクーラ24と、を備え、EGRガス冷却部23は、車両100の前方から見て、ダッシュパネル106のフロアトンネル領域114内に配設されている。
【選択図】図1
Description
EGRクーラの冷却能力は、内部の熱伝達率すなわち冷却水通水量、熱交換面積、及び通水される冷却水とEGRガスとの温度差に左右される。EGRクーラの冷却能力を上げるために冷却水とEGRガスとの温度差を広げようとすると、冷却水を冷却するためのラジエータの大型化が必要になる。一方で、冷却水通水量や熱交換面積を大きくしようとすると、EGRクーラ自体の大型化が必要になる。このように、EGRクーラの冷却能力の向上が望まれているものの、実現には様々な問題がある。
また、特許文献2に記載の排ガス循環装置では、排気ガス循環用の戻り管に第1EGR冷却器と第2EGR冷却器とを有し、第2EGR冷却器は、車両の前面に配置されている。この特許文献2に記載の排ガス循環装置では、第2EGR冷却器を車両の前面に配置することによって、車両の走行時に流れる空気で排気ガスを効率よく冷却しようとしている。
また、後方排気のエンジンの配置の場合において、特許文献2に記載の排ガス循環装置のように車両の前方にEGR冷却器を配置しようとすると、排気浄化装置側から車両前方側まで戻り管を配設しなければならず、戻り管の経路が長くなる。このため、EGR制御のレスポンスが悪くなる。また、戻り管の経路が長くなると、エンジン本体と戻り管との共振の問題に対応しなくてはならない可能性がある。特に、排気浄化装置の下流側からEGRガスを取り出す場合には、より上流側でEGRガスを取り出す場合に比べて戻り管の経路がより長くなるため、この問題がより顕著となる。
また、EGRガス冷却部が、車両の前方から見て、ダッシュパネルのフロアトンネル領域内に配設されているので、車両の衝突時にエンジン等の部品が後方に下がった場合でも、EGRガス冷却部がフロアトンネル領域内に収納されるから、乗員の安全が確保されるとともに、EGRガス冷却部の損傷が防止される。
このように構成された本発明においては、EGRガス冷却部に下流側に水冷式のEGRクーラが設けられているので、空冷式のEGRガス冷却部がコンパクトになる。また、空冷式のEGRガス冷却部で粗熱がとれるので、下流側の水冷式EGRクーラの大型化が抑制される。
このように構成された本発明においては、EGRガス冷却部が、外周から外方に延びるとともに中心軸方向に沿って並んだ複数のフィンを有するとともに、EGRガス冷却部の少なくとも一部において、中心軸がフロアトンネル領域の中心軸と交わる方向に配置されているので、フロアトンネル領域を通る空気が、EGRガス冷却部の少なくとも一部における各フィンに当たりやすくなる。これにより、EGRガスの冷却がより効率的に行われる。
このように構成された本発明においては、EGRガス冷却部の少なくとも一部が、フロアトンネル領域の車両前方側端部に配設されているので、EGRガス冷却部がフロアトンネル領域の車両後方側に配設される場合に比べて、EGR通路が短くなる。よってEGR制御のレスポンスが良好となる。
図1には、本発明の一実施形態に係る車両の排気系装置1の平面図を示し、図2には、本発明の一実施形態に係る車両の排気系装置1の側面図を示し、図3には、本発明の一実施形態に係る車両の排気系装置1の側面図であって一部を破断した図を示し、図4には、本発明の一実施形態に係る車両の排気系装置1の底面図を示す。なお、図1は、車両の排気系装置1を上方から見た図であるが、この図において左右方向が車両の前後方向を示し、左側が車両の前方向、右側が車両の後ろ方向を示す。また、この図において、上下方向が車両の車幅方向を示し、上側が車両の右方向、下側が車両の左方向を示す。
下流側部分34は、上流側部分32に一体的に形成された略筒状部分であり、その中心軸(長手方向軸線)が上流側部分32の中心軸に対して略直角に配置されている。また、下流側部分34の中心軸は、車両100の前後方向に延びており、下流側部分34の上流端が下流端よりも上方に位置するように、すなわち、下流側部分34の上流端から下流端に向かうにしたがって下方に傾斜するように配置されている。下流側部分34には、GPF(Gasoline Particulate Filter)が内蔵されている。
第1EGRクーラ本体36は、略直方体に形成されており、その長手方向軸線が、排気浄化装置18の下流側部分34の中心軸とほぼ平行に配置され、その一側面が下流側部分34の外周面に隣接して配置されている。
また、第1EGRクーラ本体36の上面には、第1EGRクーラ本体36の側面から排気浄化装置18の方へ突出するブラケット42が設けられており、このブラケット42を排気浄化装置18の下流側部分34の側面にボルト止めや溶接等で固定することにより、第1EGRクーラ24の外面が、排気浄化装置18の外面に固定されている。したがって、第1EGRクーラ24は、EGRガス冷却部23を介して排気浄化装置18に接続されているのとは別の箇所において、互いに固定され取り付けられている。
また、第1EGRクーラ24は、側面視において、排気浄化装置18の下流側部分34の上下方向寸法内に収まっており、第1EGRクーラ24は、側面視において、排気浄化装置18の上方向及び下方向に突出しない。
第2EGRクーラ本体46は、略直方体に形成されており、その長手方向軸線が、車両100の前後方向に沿って配置され、その一側面がエンジン2のシリンダブロック4の左側面に隣接して配置されている。
また、第2EGRクーラ本体46の上面及び下面には、第2EGRクーラ本体46の上面から上方に、または下面から下方に突出するブラケット52が設けられており、これらのブラケット52をシリンダブロック4の左側面にボルト止めや溶接等で固定することにより、第2EGRクーラ26の外面が、シリンダブロック4の外面に固定され取り付けられている。
第2EGRガス流出部50は、第2EGRクーラ本体46より車両前方に位置して管状に形成され、第2EGRクーラ本体46側の一端50Aで第2EGRクーラ本体46に一体的に連結している。第2EGRガス流出部50の他端は、車両100の前方に向かって開口し、第2EGRクーラ26の第2EGRガス流出口50Bとなっている。第2EGRガス流出口50Bは、第2EGR配管30の一端と連結している。
第2EGR配管30は、第2EGRクーラ26の第2EGRガス流出部50と、吸気通路11とを連通する管状部材である。第2EGR配管30は、車両100の前方方向に沿って延び吸気通路11下側で上方に向かって曲がって延び、EGRバルブ10に下側から連結している。
図2〜図4に示すように、エンジン2及び排気系装置1は、車両100のエンジンルーム102に配置されており、エンジンルーム102の後方には、車室104が形成されている。エンジンルーム102と車室104は、ダッシュパネル106によって区切られている。ダッシュパネル106は、車室104下部に配置されたロアダッシュパネル108と、ロアダッシュパネル108の前端に連結されるとともに、車室104の前部に車幅方向に延びるアッパダッシュパネル110とを有する。
まず、エンジン2から排出された排気ガスは、排気マニホールド12の排気管14を通って混合管16で合流し、下方向に向かって流れて排気浄化装置導入路17に流入する。排気浄化装置導入路17に流入した排気ガスは、下方向から車幅方向左方向に向きを変えて排気浄化装置18に入る。排気浄化装置18では、排気ガスは、上流側部分32の触媒装置を左方向に向かって通り、下流側部分34のGPFを車両100の後方に向かって通り、浄化される。下流側部分34を通った後の排気ガスの一部は、排気出口18Aから出てフレキシブルパイプ20を通り、その後図示しないマフラ等を通って車外に排出される。
排気浄化装置18の下流側に空冷式のEGRガス冷却部23が設けられ、EGRガス冷却部23が、車両100の前方から見て、フロアトンネル領域114内に配置されている。ここで、フロアトンネル領域114は、車両100の走行時、前方から入った空気が流れ込む領域である。したがって、このフロアトンネル領域内に空冷式のEGRガス冷却部23を配置することにより、フロアトンネル領域114内を流れる空気によってEGRガスを効率よく冷却することができる。よって、後方排気のエンジン配置においても、EGRガスを効率よく冷却することができる。
また、EGRガス冷却部23が車両100の前方から見て、フロアトンネル領域114内に配置されているので、車両100の衝突時にエンジン2等の部品が後方に移動した場合、EGRガス冷却部23は、フロアトンネル領域114内で後方に移動する。したがって、乗員の安全を確保することができるとともに、EGRガス冷却部23の損傷を防止することができる。
前述の実施形態では、EGRガス冷却部23は、排気浄化装置18の下流側のフレキシブルパイプ20の上流端に接続されていたが、これに限らず、例えばEGRガス冷却部は、排気浄化装置の下流部に接続して、排気浄化装置の下流部から取り出したEGRガスを冷却するようにしてもよい。
EGRガス冷却部のフィンの形状や配置は、前述の実施形態のものに限らず、EGRガスを効率よく冷却することができるように、他の部品の配置等にしたがって任意に設定することができる。例えば、前述の実施形態では各フィン23Aは、EGRガス冷却部23の中心軸方向に沿って整列していたが、これに限らず、各フィンがEGRガス冷却部の中心軸方向に沿って互い違いに、千鳥状に配置されていてもよく、要するに、フィンは、EGRガス冷却部の中心軸方向に沿って並んでいればよい。
EGRガス冷却部は、管状部材の外周にワイヤ状部材でフィンを形成した構造のものに限らず、例えば、空冷式のEGRクーラの外皮を除去したものを使用してもよい。
EGRガス冷却部は、前述の実施形態では、上流側の一部がフロアトンネル領域114の車両前方側の端部に配置されていたが、これに限らず、例えば下流側の一部分がフロアトンネル領域114の車両前方側の端部に配置されていてもよいし、またEGRガス冷却部の前部が、フロアトンネル領域114の車両前方側の端部に配置されていてもよい。要するに、EGRガス冷却部の少なくとも一部が、フロアトンネル領域の車両前方側端部に配設されていればよい。
また、前述の実施形態では、第1EGRクーラ24及び第2EGRクーラ26の冷却水回路は直列に連結されていたが、これに限らず、異なる冷却性能を持たせるために第1EGRクーラ及び第2EGRクーラがそれぞれ異なる冷却水回路上に設けられていてもよい。 更に、EGRガス冷却部の下流側のEGRクーラは、必ずしも2つ設けられている必要はなく、少なくとも水冷式のEGRクーラが1つ設けられていてもよいし、また、EGRガス冷却部の下流側にEGRクーラが設けられていなくてもよい。
2 エンジン
11 吸気通路
18 排気浄化装置
22 排気再循環装置
23 EGRガス冷却部
23A フィン
24 第1EGRクーラ
26 第2EGRクーラ
28 第1EGR配管
30 第2EGR配管
32 上流側部分
34 下流側部分
100 車両
Claims (4)
- エンジンよりも車両後方に設けられた排気浄化装置と、
前記排気浄化装置の下流部または前記排気浄化装置よりも下流側からEGRガスを吸気通路に導入するためのEGR通路を有する排気再循環装置と、を備え、
前記EGR通路上には、空冷式のEGRガス冷却部と、を備え、
前記EGRガス冷却部は、車両の前方から見て、ダッシュパネルのフロアトンネル領域内に配設されている、
ことを特徴とする車両の排気系装置。 - 前記EGRガス冷却部の下流側には、水冷式のEGRクーラが設けられている、
請求項1に記載の車両の排気系装置。 - 前記EGRガス冷却部は管状に形成され、外周に、外方に延びるとともに前記EGRガス冷却部の中心軸方向に沿って並んだ複数のフィンを有し、
前記EGRガス冷却部の少なくとも一部は、車両の上方から見て、その中心軸が前記フロアトンネル領域の中心軸と交わる方向に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の車両の排気系装置。 - 前記EGRガス冷却部は、その少なくとも一部が、前記フロアトンネル領域の車両前方側端部に配設されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の排気系装置。
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