JP2018014911A - からすみの加工方法、および、からすみの加工品 - Google Patents

からすみの加工方法、および、からすみの加工品 Download PDF

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Abstract

【課題】からすみを、その本来の形と味を損なうことなく、その固さやぱさつきが苦手な人であっても好んで食べることができるように加工する方法、及びそのような加工品の提供。【解決手段】乾燥工程を経て製造されるからすみS101を、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む漬け込み液に漬け込む工程S103を備える、からすみの加工方法。【選択図】図1

Description

本発明は、魚の卵巣の塩干し品であるからすみの加工方法、および、からすみの加工品に関する。
からすみは、ボラ、サワラ、ブリ、サバ、等といった魚の卵巣を、塩漬けし、塩抜き後、天日干し等で乾燥させた食品であり、高級珍味として世界中で珍重されている。
からすみは長期間の天日干し等によって乾燥された食品であるため、人によっては、固い、あるいは、ぱさついていると感じて、苦手意識をもつ場合がある。また、製造過程において乾燥され過ぎたり、製造後の保管状態が悪かった場合等に、からすみが特に固くぱさついたものとなってしまっている場合もある。
からすみを食べやすくする方法として、特許文献1には、からすみの卵膜を剥ぎ、それをフードプロセッサにより粉砕して、ここに調味料等を加えて練り込むことによって、からすみを食べやすい状態に加工することが記載されている。
特開2008−131926号公報
特許文献1の方法によると、からすみがペースト状にされているので、からすみの固さやぱさつきが気になる人であっても、からすみの風味を楽しむことができる。しかしながら、ここでは、からすみが原形を全く留めていないため、食べた人が「からすみを食べた」という満足感を得ることが難しい。また、からすみに調味料等が練り込まれるので、その調合によっては、からすみ本来の味からかけ離れた味になってしまう可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、からすみを、その本来の形と味を損なうことなく、その固さやぱさつきが苦手な人であっても好んで食べることができるように加工する方法、あるいは、そのような加工品を提案することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、からすみの加工方法であって、
乾燥工程を経て製造されるからすみを、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む漬け込み液に、漬け込む工程、
を備える。
乾燥工程を経て製造されるからすみを、上記の漬け込み液に漬け込むことによって、からすみが柔らかくしっとりとなめらかな食感となる。その一方で、この漬け込み液に漬け込むことによってからすみ本来の形と味が損なわれることはない。したがって、この加工工程で加工されたからすみ(以下「軟質からすみ」とも呼ぶ)であれば、加工前のからすみの固さやぱさつきが苦手な人であっても、好んで食べることができるとともに、食べた人は「からすみを食べた」という満足感を得ることができる。また、軟質からすみは柔らかくしっとりとなめらかな状態になっているので、これを様々な料理に適用することで料理の幅を広げることができる。例えば、軟質からすみを、他の食材と和えて和え物にする、パスタにからめる、寿司飯とともに握って寿司にする、等といったように使用することができる。
また、軟質からすみは、加工前のからすみに比べて、皮がむけやすくなっている。したがって、皮をむいて舌当たりのよい食感を楽しむことができる。また、皮をむくことで、他の食材となじみやすくなり、様々な料理に適用することが容易になる。
ただし、上記の構成において、「醸造酒」には、日本酒、ワイン、ビール、等が含まれる。また、「蒸留酒」は、醸造酒を蒸留して得られる所謂スピリッツと呼ばれる酒であり、ウィスキー、ブランデー、焼酎、泡盛、ウォッカ、テキーラ、ジン、ラム、等がこれに含まれる。また、「うまみ成分」には、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、等が含まれ、「うまみ成分を含む食材あるいは調味料」の一例として、グルタミン酸を含む食材である昆布やいわし、イノシン酸を含む食材である鰹節や煮干し、グアニル酸を含む食材であるしいたけ、これらのうまみ成分を含む化学調味料、等が挙げられる。
以下において、乾燥されているからすみを上記の漬け込み液に漬け込んで軟質からすみにすることを「戻す」ともいう。
好ましくは、
前記うまみ成分を含む食材が、昆布である。
この構成によると、からすみを風味よく戻すことができる。
ただし、上記の構成において、「昆布」は、利尻昆布であることが特に好ましい。利尻昆布を用いれば、漬け込み液に過度の粘りが出てからすみの皮が浮腫むことが抑制され、からすみを姿よく戻すことができる。もっとも、加工条件等によっては、利尻昆布以外の昆布(例えば、真昆布、日高昆布、ラウス昆布、三石昆布、等)を用いてもよい。
好ましくは、
前記漬け込み液において、
前記水と前記煮切り酒との体積比が、7:3であり、
前記蒸留酒の量が、体積比にして、前記水と前記煮切り酒との混合液の0.3〜1.1%である。
この構成によると、からすみを、臭みを出さずに戻すことができる。また、からすみ本来の風味を損なわずに、十分なうまみとバランスのよい酸味を与えることができる。
好ましくは、
前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む工程が、5℃以上かつ7℃以下の温度条件下で行われる。
からすみを7℃以下の温度条件下で漬け込むことで、からすみを、皮を浮腫ませることなく姿よく戻すことができる。また、からすみを5℃以上の温度条件下で漬け込むことで、からすみを均一に戻すことができる。
好ましくは、
前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む時間が、5日以上かつ14日以下である。
この構成によると、からすみを、その本来の味と形を損なわずに、十分に柔らかくしっとりとなめらかな食感に戻すことができる。
好ましくは、
前記からすみが、
ボラ、サワラ、ブリ、および、サバのうちから選択される魚の卵巣を血抜きする工程と、血抜きした前記魚の卵巣を塩漬けにする工程と、塩漬けした前記魚の卵巣をアルコールに漬け込んで塩を抜く工程と、塩を抜いた前記魚の卵巣を乾燥させる工程と、を含む製造工程により製造されたものである。
このような製造工程により製造されたからすみを上記の加工工程で加工して得られる軟質からすみは、特に柔らかく、しっとりとなめらかな食感のものとなる。また、当該軟質からすみは、その皮が特にむけやすくなっている。また、当該軟質からすみは、その色合いが、生の魚の卵巣の色合い(明るく黄みがかった色合い)に近いものになり、見栄えがよい。
本発明は、からすみの加工品も対象としている。この加工品は、
乾燥工程を経て製造されるからすみが、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む液体を吸収することによって軟質化した、軟質からすみである。
この軟質からすみは、柔らかくしっとりとなめらかな食感となっている。その一方で、この軟質からすみにおいては、からすみ本来の形と味が損なわれていない。したがって、この軟質からすみであれば、からすみの固さやぱさつきが苦手な人であっても、好んで食べることができるとともに、食べた人は「からすみを食べた」という満足感を得ることができる。
また、軟質からすみは、からすみに比べて、皮がむけやすくなっている。したがって、皮をむいて舌当たりのよい食感を楽しむことができる。
本発明の軟質からすみは、からすみに比べて、柔らかくしっとりとなめらかな食感である。その一方で、軟質からすみにおいては、からすみ本来の形と味が損なわれていない。したがって、軟質からすみであれば、からすみの固さやぱさつきが苦手な人であっても、好んで食べることができるとともに、食べた人は「からすみを食べた」という満足感を得ることができる。
からすみの製造工程および加工工程の流れを示す図である。 ボラの生の卵巣の様子を示す図である。 血抜き後のボラの卵巣の様子を示す図である。 ボラの卵巣を塩漬けしている様子を示す図である。 ボラの卵巣を塩漬けしている様子を示す図である。 風干し後に真空パックされたからすみの様子を示す図である。 からすみを戻し用の漬け込み液に漬けて戻している様子を示す図である。 からすみを戻し用の漬け込み液に漬けて戻している様子を示す図である。 からすみを戻し用の漬け込み液に漬けて戻している様子を示す図である。 真空パックされた軟質からすみの様子を示す図である。 軟質からすみの皮をむいた状態を示す図である。 軟質からすみの断面を示す図である。 軟質からすみの断面を拡大して示す図である。 上段に自家製軟質からすみを、下段に比較用軟質からすみをそれぞれ示す図である。 上段に自家製軟質からすみの断面を、下段に比較用軟質からすみの断面をそれぞれ示す図である。 自家製軟質からすみの断面を示す図である。 比較用軟質からすみの断面を示す図である。 比較官能試験の結果をまとめた表を示す図である。 からすみを常温で戻した場合の様子を示す図である。
<1.からすみの製造工程>
からすみの加工工程について説明する前に、からすみの製造工程について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1には、当該製造工程の流れが示されている。図1〜図6には、製造工程の各段階におけるボラの卵巣の状態が示されている。
工程S1:材料となる魚(ここでは例えば、ボラ)の生の卵巣を準備する(図2)。
工程S2:ボラの卵巣の血抜きを行う(図3)。
工程S3:血抜きしたボラの卵巣を塩漬けにする。具体的には例えば、容器にペーパータオル等を敷いて適量の食塩をふり、その上に、血抜きしたボラの卵巣を並べて(図4)、さらにその上を食塩で覆う(図5)。この状態で数日間(例えば、2〜3日程度)おく。塩漬けが進むと、ボラの卵巣が、明るく黄みがかった色合いから赤みがかった茶色に変色していくので、その変色の度合いを見ながら、塩漬けの終了タイミングを判断すればよい。
工程S4:塩漬けしたボラの卵巣の塩抜きを行う。具体的には、塩漬けしたボラの卵巣を、表面の塩を取ってから、塩抜き用の漬け込み液の中に重ならないように浮かして、数日間(例えば、2〜3日程度)漬け込んで、塩を抜く。ここで、「塩抜き用の漬け込み液」は、アルコールであり、具体的には例えば、ホワイトリカー(好ましくは例えば、アルコール度数が35度であり、原材料が糖蜜であるホワイトリカー)、焼酎、等である。
工程S5:塩抜きが完了すると、塩抜き用の漬け込み液からボラの卵巣を引き上げて、これを数日間(例えば、4〜9日間程度)風干しすることによって、十分に乾燥させる。好ましい風干しの季節は、11月の中旬から下旬にかけてである。また、風干し中は、例えば3日おきに、ボラの卵巣の裏表をひっくり返す作業を行うことが好ましい。目安として、ボラの卵巣が光で透けるようになると、乾燥が十分に進んだと判断することができる。
工程S6:ボラの卵巣が十分に乾燥されると、これを真空パックにして、5〜8℃程度の冷蔵庫内で、数週間(例えば、2週間程度)以上寝かせて、味をなじませる。
以上の工程S1〜S6で、からすみが完成する(図6)。
<2.からすみの加工工程>
次に、からすみの加工工程について、図1、図7〜図10を参照しながら説明する。図1には、当該加工工程の流れが示されている。図7〜図10には、加工工程の各段階におけるからすみの状態が示されている。
工程S101:からすみを準備する。からすみは、上記に説明した製造工程S1〜S6で製造したもの(図6)であってもよいし、市販されているものであってもよい。
工程S102:戻し用の漬け込み液を準備する。
この「戻し用の漬け込み液」は、以下のa)〜d)を混合したものである。
a)水と煮切り酒を混合した混合液(以下、「希釈煮切り酒」ともいう)
b)蒸留酒
c)うまみ成分を含む食材あるいは調味料、具体的には昆布(好ましくは、利尻昆布)
d)塩
ただし、上記の「煮切り酒」は、醸造酒を煮切ったものである。また、この「醸造酒」として、日本酒、ワイン、ビール、等を用いることができる。アルコール度数が12度程度の醸造酒を用いることが特に好ましい。また、日本酒を用いることも特に好ましい。
また、上記の「蒸留酒」として、ウィスキー、ブランデー、焼酎、泡盛、ウォッカ、テキーラ、ジン、ラム、等を用いることができる。アルコール度数が40度程度の蒸留酒を用いることが特に好ましい。また、ウィスキー、あるいは、ブランデーを用いることも特に好ましい。
また、上記の「うまみ成分」には、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、等が含まれる。「うまみ成分を含む食材あるいは調味料」として、ここではグルタミン酸を含む食材である昆布を用いるが、これに代えて、グルタミン酸を含む食材であるいわし、イノシン酸を含む食材である鰹節や煮干し、グアニル酸を含む食材であるしいたけ、これらのうまみ成分を含む化学調味料、等を用いてもよい。
戻し用の漬け込み液において、希釈煮切り酒は、水と煮切り酒が、好ましくは7:3の体積比で混合されたものである。また、蒸留酒の量は、体積比にして、希釈煮切り酒の0.3〜1.1%であることが好ましい。また、昆布の量は、重量比にして、希釈煮切り酒の0.3〜1.5%であることが好ましい。また、塩の量は、重量比にして、希釈煮切り酒の1.0〜2.0%であることが好ましい。
例えば300gのからすみを戻す場合、以下のレシピで戻し用の漬け込み液を作成することができる。
a)希釈煮切り酒を1リットル
b)蒸留酒を5〜9cc
c)昆布を8〜10g
d)塩を15g
工程S103:工程S101で準備したからすみを、工程S102で準備した戻し用の漬け込み液の中に入れて漬け込む。図7には漬け込み1日目の状態が、図8には漬け込み2日目の状態が、図9には漬け込み4日目の状態が、それぞれ示されている。
この漬け込みは、5〜7℃程度の冷蔵庫内で行う。戻し用の漬け込み液に漬け込まれたからすみは、戻し用の漬け込み液を吸収して徐々に柔らかくなっていく。好みの柔らかさになったときに、からすみを戻し用の漬け込み液から引き上げればよいが、一般的な漬け込みの好適期間は、5〜14日程度である。このような漬け込み期間であれば、からすみを、その本来の味と形を損なわずに、多くの人に好まれる柔らかさに戻すことができる。
以上の工程S101〜S103で、からすみの加工が完了する。加工されたからすみは、戻し用の漬け込み液に漬け込まれてこれを吸収することによって、柔らかくしっとりとなめらかな食感となる。以下、加工後のからすみを「軟質からすみ」とも呼ぶ。軟質からすみは、加工後すぐに食べても良いが、図10に示すように、真空パックにして、しばらく置いた後に食べることも好ましい。
上記の加工工程においては、からすみの漬け込みを、5〜7℃程度の冷蔵庫内で行っている。仮に、この漬け込みを室温で行ったとすると、図19に示すように、昆布からの粘りが強くでるために、からすみの皮が浮腫んでしまってからすみが姿よく戻らない。また、からすみからアクが出て、臭みがきつくなり、酸味も強くなってしまう。一方、この漬け込みを5℃よりも低い温度で行ったとすると、からすみが均一に戻らない。ここでは、5〜7℃程度の冷蔵庫内で漬け込みを行うので、からすみの皮を浮腫ませることなく姿よく戻すことができるとともに、からすみを全体的に均一に戻すことができる。
また、上記の加工工程においては、戻し用の漬け込み液に、希釈煮切り酒と、蒸留酒とが含まれている。希釈煮切り酒と蒸留酒との混合液に代えて、アルコール度数が25度のホワイトリカー(甲類焼酎)を用いた場合、からすみを戻す際にアルコール分が抜けず臭みが出てしまう。これに対し、希釈煮切り酒と蒸留酒との混合液を用いることによって、臭みを出さずにからすみを戻すことができる。
また、上記の加工工程においては、戻し用の漬け込み液に含まれる希釈煮切り酒が、水と煮切り酒とが7:3の比率で混合されたものである。また、戻し用の漬け込み液において、希釈煮切り酒と蒸留酒が、100:0.3〜1.1の体積比で混合されている。これらの混合比率が変わると、得られる軟質からすみの味(うまみ、酸味)も変わってくるところ、上記の混合比率の戻し用の漬け込み液によると、からすみの本来の風味を損なわずに、十分なうまみとバランスのよい酸味を与えることができる。また、上記の混合比率の戻し用の漬け込み液によると、からすみを、臭みを出さずに戻すことができる。
また、上記の加工工程においては、戻し用の漬け込み液に昆布が入れられている。これによって、からすみを風味よく戻すことができる。
ただし、戻し用の漬け込み液に入れる昆布の種類によってはからすみが姿よく戻りにくい場合がある。発明者らの試作と検討の結果、最適な昆布の種類は、利尻昆布であることがわかった。すなわち、利尻昆布を用いれば、戻し用の漬け込み液にぬめりが出にくいため、からすみの皮が浮腫みにくい。したがって、からすみを姿よく戻すことができる。
<3.軟質からすみ>
図11〜図13には、製造工程S1〜S6で製造されたからすみ(自家製からすみ)を加工工程S101〜S103で加工して得られる軟質からすみが示されている。図11には、軟質からすみの皮をむいた状態が示されている。図12、図13には、軟質からすみの断面が示されている。
軟質からすみは、加工前のからすみに比べて、柔らかくしっとりとなめらかな食感になっている。その一方で、軟質からすみにおいては、からすみの本来の形と味が損なわれていない。したがって、軟質からすみであれば、からすみの固さやぱさつきが苦手な人であっても、好んで食べることができるとともに、食べた人は「からすみを食べた」という満足感を得ることができる。また、軟質からすみは柔らかくしっとりとなめらかな状態になっているので、これを様々な料理に適用することで料理の幅を広げることができる。例えば、軟質からすみを、他の食材と和えて和え物にする、パスタにからめる、寿司飯とともに握って寿司にする、等といったように使用することができる。
また、軟質からすみは、からすみに比べて、皮がむけやすい。したがって、軟質からすみにおいては、皮をむいて舌当たりのよい食感を楽しむことができる。また、皮をむくことで、他の食材となじみやすくなり、様々な料理に適用することが容易になる。
軟質からすみは、加工後すぐに食べても良いが、真空パックにして、しばらく置いた後に食べることも好ましい。軟質からすみを真空パックしてしばらく置くと、味がなじんでまろやかになる。また、真空パックにすることで軟質からすみの皮がさらにむけやすくなり、スライスもしやすくなる。
<4.自家製からすみの加工品と市販からすみの加工品の比較>
上記の通り、加工工程S101〜S103は、自家製からすみ、市販からすみのどちらの加工にも有効であるが、自家製からすみを加工して軟質からすみを得ることが特に好ましい。
図14には、上段に、自家製からすみを加工工程S101〜S103で加工して得られる軟質からすみ(以下、「自家製軟質からすみ」ともいう)が、下段に、市販されているからすみ(市販からすみ)を加工工程S101〜S103で加工して得られる軟質からすみ(以下、「比較用軟質からすみ」ともいう)が、それぞれ示されている。図15には、上段に、自家製軟質からすみの断面が、下段に、比較用軟質からすみの断面が、それぞれ示されている。ここでは、市販からすみとして、台湾製のからすみを用いた。図16には、自家製軟質からすみの断面が示されている。図17には、比較用軟質からすみの断面が示されている。
自家製軟質からすみは、比較用軟質からすみに比べて、より柔らかく、よりしっとりとなめらかな食感のものとなる。特に、自家製軟質からすみは、比較用軟質からすみに比べて、卵のツブツブ感が低減されて、なめらかな食感が増している。また、自家製軟質からすみは、その皮が特にむけやすくなっている。また、自家製軟質からすみは、その色合いが、生の魚の卵巣の色合い(明るく黄みがかった色合い)に近いものになり、見栄えがよい。
図18には、自家製軟質からすみと、比較用軟質からすみとの比較官能試験の結果が示されている。この比較官能試験は、料理学校関係者(日本料理:6名、フランス料理:4名、イタリア料理:6名、座学:2名、事務職:7名、の計25名)に、これら二種類の軟質からすみを食べ比べてもらって、色合い、香り、塩味、うまみ、食感、好み、の各項目について、どちらが優位であるかを回答してもらったアンケートの結果を集計したものである。
この比較官能試験の結果からわかるように、色合い、香り、塩見、うまみ、食感、の全項目に亘って、自家製軟質からすみの方が、比較用軟質からすみよりも高い評価を得ており、自家製軟質からすみが後者の比較用軟質からすみよりも好ましいと評価した人が圧倒的に多かった。
<5.変形例>
上記の実施形態に係る戻し用の漬け込み液において、希釈煮切り酒に代えて、水と醸造酒の混合液(希釈醸造酒)を用いてもよい。例えば、希釈煮切り酒に代えて、玉酒(同量の水と日本酒を混合したもの)を用いてもよい。
上記の実施形態において、戻し用の漬け込み液に含まれる昆布は、利尻昆布以外の昆布(例えば、真昆布、日高昆布、ラウス昆布、三石昆布、等)であってもよいし、2種類以上の昆布が併用されてもよい。
上記の実施形態においては、からすみを製造するにあたって、ボラの卵巣を用いていたが、ボラ以外の魚(例えば、サワラ、ブリ、サバ等)の卵巣を用いてもよい。
S1〜S5…からすみの製造工程
S101〜S104…からすみの加工工程を加工して得られる軟質からすみ

Claims (7)

  1. 乾燥工程を経て製造されるからすみを、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む漬け込み液に、漬け込む工程、
    を備える、からすみの加工方法。
  2. 請求項1に記載のからすみの加工方法であって、
    前記うまみ成分を含む食材が、昆布である、
    からすみの加工方法。
  3. 請求項1または2に記載のからすみの加工方法であって、
    前記漬け込み液において、
    前記水と前記煮切り酒との体積比が、7:3であり、
    前記蒸留酒の量が、体積比にして、前記水と前記煮切り酒との混合液の0.3〜1.1%である、
    からすみの加工方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のからすみの加工方法であって、
    前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む工程が、5℃以上かつ7℃以下の温度条件下で行われる、
    からすみの加工方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のからすみの加工方法であって、
    前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む時間が、5日以上かつ14日以下である、
    からすみの加工方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のからすみの加工方法であって、
    前記からすみが、
    ボラ、サワラ、ブリ、および、サバのうちから選択される魚の卵巣を血抜きする工程と、血抜きした前記魚の卵巣を塩漬けにする工程と、塩漬けした前記魚の卵巣をアルコールに漬け込んで塩を抜く工程と、塩を抜いた前記魚の卵巣を乾燥させる工程と、を含む製造工程により製造されたものである、
    からすみの加工方法。
  7. 乾燥工程を経て製造されるからすみが、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む液体を吸収することによって軟質化した、軟質からすみである、
    からすみの加工品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102225136B1 (ko) * 2020-11-16 2021-03-08 목포해양대학교 산학협력단 함초 참숭어 반건정 및 이의 제조방법
CN114246304A (zh) * 2021-12-31 2022-03-29 宁德师范学院 一种大黄鱼鱼籽酱的加工方法及应用

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