JP2018014911A - からすみの加工方法、および、からすみの加工品 - Google Patents
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Abstract
Description
乾燥工程を経て製造されるからすみを、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む漬け込み液に、漬け込む工程、
を備える。
また、軟質からすみは、加工前のからすみに比べて、皮がむけやすくなっている。したがって、皮をむいて舌当たりのよい食感を楽しむことができる。また、皮をむくことで、他の食材となじみやすくなり、様々な料理に適用することが容易になる。
ただし、上記の構成において、「醸造酒」には、日本酒、ワイン、ビール、等が含まれる。また、「蒸留酒」は、醸造酒を蒸留して得られる所謂スピリッツと呼ばれる酒であり、ウィスキー、ブランデー、焼酎、泡盛、ウォッカ、テキーラ、ジン、ラム、等がこれに含まれる。また、「うまみ成分」には、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、等が含まれ、「うまみ成分を含む食材あるいは調味料」の一例として、グルタミン酸を含む食材である昆布やいわし、イノシン酸を含む食材である鰹節や煮干し、グアニル酸を含む食材であるしいたけ、これらのうまみ成分を含む化学調味料、等が挙げられる。
以下において、乾燥されているからすみを上記の漬け込み液に漬け込んで軟質からすみにすることを「戻す」ともいう。
前記うまみ成分を含む食材が、昆布である。
ただし、上記の構成において、「昆布」は、利尻昆布であることが特に好ましい。利尻昆布を用いれば、漬け込み液に過度の粘りが出てからすみの皮が浮腫むことが抑制され、からすみを姿よく戻すことができる。もっとも、加工条件等によっては、利尻昆布以外の昆布(例えば、真昆布、日高昆布、ラウス昆布、三石昆布、等)を用いてもよい。
前記漬け込み液において、
前記水と前記煮切り酒との体積比が、7:3であり、
前記蒸留酒の量が、体積比にして、前記水と前記煮切り酒との混合液の0.3〜1.1%である。
前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む工程が、5℃以上かつ7℃以下の温度条件下で行われる。
前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む時間が、5日以上かつ14日以下である。
前記からすみが、
ボラ、サワラ、ブリ、および、サバのうちから選択される魚の卵巣を血抜きする工程と、血抜きした前記魚の卵巣を塩漬けにする工程と、塩漬けした前記魚の卵巣をアルコールに漬け込んで塩を抜く工程と、塩を抜いた前記魚の卵巣を乾燥させる工程と、を含む製造工程により製造されたものである。
乾燥工程を経て製造されるからすみが、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む液体を吸収することによって軟質化した、軟質からすみである。
また、軟質からすみは、からすみに比べて、皮がむけやすくなっている。したがって、皮をむいて舌当たりのよい食感を楽しむことができる。
からすみの加工工程について説明する前に、からすみの製造工程について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1には、当該製造工程の流れが示されている。図1〜図6には、製造工程の各段階におけるボラの卵巣の状態が示されている。
次に、からすみの加工工程について、図1、図7〜図10を参照しながら説明する。図1には、当該加工工程の流れが示されている。図7〜図10には、加工工程の各段階におけるからすみの状態が示されている。
この「戻し用の漬け込み液」は、以下のa)〜d)を混合したものである。
a)水と煮切り酒を混合した混合液(以下、「希釈煮切り酒」ともいう)
b)蒸留酒
c)うまみ成分を含む食材あるいは調味料、具体的には昆布(好ましくは、利尻昆布)
d)塩
ただし、上記の「煮切り酒」は、醸造酒を煮切ったものである。また、この「醸造酒」として、日本酒、ワイン、ビール、等を用いることができる。アルコール度数が12度程度の醸造酒を用いることが特に好ましい。また、日本酒を用いることも特に好ましい。
また、上記の「蒸留酒」として、ウィスキー、ブランデー、焼酎、泡盛、ウォッカ、テキーラ、ジン、ラム、等を用いることができる。アルコール度数が40度程度の蒸留酒を用いることが特に好ましい。また、ウィスキー、あるいは、ブランデーを用いることも特に好ましい。
また、上記の「うまみ成分」には、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、等が含まれる。「うまみ成分を含む食材あるいは調味料」として、ここではグルタミン酸を含む食材である昆布を用いるが、これに代えて、グルタミン酸を含む食材であるいわし、イノシン酸を含む食材である鰹節や煮干し、グアニル酸を含む食材であるしいたけ、これらのうまみ成分を含む化学調味料、等を用いてもよい。
例えば300gのからすみを戻す場合、以下のレシピで戻し用の漬け込み液を作成することができる。
a)希釈煮切り酒を1リットル
b)蒸留酒を5〜9cc
c)昆布を8〜10g
d)塩を15g
この漬け込みは、5〜7℃程度の冷蔵庫内で行う。戻し用の漬け込み液に漬け込まれたからすみは、戻し用の漬け込み液を吸収して徐々に柔らかくなっていく。好みの柔らかさになったときに、からすみを戻し用の漬け込み液から引き上げればよいが、一般的な漬け込みの好適期間は、5〜14日程度である。このような漬け込み期間であれば、からすみを、その本来の味と形を損なわずに、多くの人に好まれる柔らかさに戻すことができる。
ただし、戻し用の漬け込み液に入れる昆布の種類によってはからすみが姿よく戻りにくい場合がある。発明者らの試作と検討の結果、最適な昆布の種類は、利尻昆布であることがわかった。すなわち、利尻昆布を用いれば、戻し用の漬け込み液にぬめりが出にくいため、からすみの皮が浮腫みにくい。したがって、からすみを姿よく戻すことができる。
図11〜図13には、製造工程S1〜S6で製造されたからすみ(自家製からすみ)を加工工程S101〜S103で加工して得られる軟質からすみが示されている。図11には、軟質からすみの皮をむいた状態が示されている。図12、図13には、軟質からすみの断面が示されている。
上記の通り、加工工程S101〜S103は、自家製からすみ、市販からすみのどちらの加工にも有効であるが、自家製からすみを加工して軟質からすみを得ることが特に好ましい。
図14には、上段に、自家製からすみを加工工程S101〜S103で加工して得られる軟質からすみ(以下、「自家製軟質からすみ」ともいう)が、下段に、市販されているからすみ(市販からすみ)を加工工程S101〜S103で加工して得られる軟質からすみ(以下、「比較用軟質からすみ」ともいう)が、それぞれ示されている。図15には、上段に、自家製軟質からすみの断面が、下段に、比較用軟質からすみの断面が、それぞれ示されている。ここでは、市販からすみとして、台湾製のからすみを用いた。図16には、自家製軟質からすみの断面が示されている。図17には、比較用軟質からすみの断面が示されている。
この比較官能試験の結果からわかるように、色合い、香り、塩見、うまみ、食感、の全項目に亘って、自家製軟質からすみの方が、比較用軟質からすみよりも高い評価を得ており、自家製軟質からすみが後者の比較用軟質からすみよりも好ましいと評価した人が圧倒的に多かった。
上記の実施形態に係る戻し用の漬け込み液において、希釈煮切り酒に代えて、水と醸造酒の混合液(希釈醸造酒)を用いてもよい。例えば、希釈煮切り酒に代えて、玉酒(同量の水と日本酒を混合したもの)を用いてもよい。
S101〜S104…からすみの加工工程を加工して得られる軟質からすみ
Claims (7)
- 乾燥工程を経て製造されるからすみを、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む漬け込み液に、漬け込む工程、
を備える、からすみの加工方法。 - 請求項1に記載のからすみの加工方法であって、
前記うまみ成分を含む食材が、昆布である、
からすみの加工方法。 - 請求項1または2に記載のからすみの加工方法であって、
前記漬け込み液において、
前記水と前記煮切り酒との体積比が、7:3であり、
前記蒸留酒の量が、体積比にして、前記水と前記煮切り酒との混合液の0.3〜1.1%である、
からすみの加工方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のからすみの加工方法であって、
前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む工程が、5℃以上かつ7℃以下の温度条件下で行われる、
からすみの加工方法。 - 請求項1から4のいずれかに記載のからすみの加工方法であって、
前記からすみを前記漬け込み液に漬け込む時間が、5日以上かつ14日以下である、
からすみの加工方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載のからすみの加工方法であって、
前記からすみが、
ボラ、サワラ、ブリ、および、サバのうちから選択される魚の卵巣を血抜きする工程と、血抜きした前記魚の卵巣を塩漬けにする工程と、塩漬けした前記魚の卵巣をアルコールに漬け込んで塩を抜く工程と、塩を抜いた前記魚の卵巣を乾燥させる工程と、を含む製造工程により製造されたものである、
からすみの加工方法。 - 乾燥工程を経て製造されるからすみが、水と、醸造酒あるいは醸造酒を煮切った煮切り酒と、蒸留酒と、うまみ成分を含む食材あるいは調味料と、塩と、を含む液体を吸収することによって軟質化した、軟質からすみである、
からすみの加工品。
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JP2016146705A JP2018014911A (ja) | 2016-07-26 | 2016-07-26 | からすみの加工方法、および、からすみの加工品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102225136B1 (ko) * | 2020-11-16 | 2021-03-08 | 목포해양대학교 산학협력단 | 함초 참숭어 반건정 및 이의 제조방법 |
CN114246304A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-03-29 | 宁德师范学院 | 一种大黄鱼鱼籽酱的加工方法及应用 |
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2016
- 2016-07-26 JP JP2016146705A patent/JP2018014911A/ja active Pending
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