JP2018012467A - 開閉扉の制御システム及び送信機及び開閉扉の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両周囲の環境の影響を受けることなく高い精度で車両の乗降扉の開閉状態を検出して開閉扉を制御することのできる開閉扉の制御システム及び該開閉扉の制御システムに用いられる送信機及び開閉扉の制御方法を提供する。
【解決手段】開閉扉の制御システムは、連節バス20が停止する停車場BSに設けられる。開閉扉の制御システムは、連節バス20の乗降扉25に設けられて乗降扉25の開閉動作を検出する開閉動作検出部31と、連節バス20の乗降扉25に設けられて開閉動作検出部31が検出した乗降扉25の開閉動作に基づく開閉動作信号Sを送信する送信部32と、停車場BSの開閉扉12に設けられて送信部32から送信された開閉動作信号Sを受信する受信部13と、停車場BSの開閉扉12に設けられて受信部13が受信した開閉動作信号Sに応じて開閉扉12の駆動を制御する制御部14とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】開閉扉の制御システムは、連節バス20が停止する停車場BSに設けられる。開閉扉の制御システムは、連節バス20の乗降扉25に設けられて乗降扉25の開閉動作を検出する開閉動作検出部31と、連節バス20の乗降扉25に設けられて開閉動作検出部31が検出した乗降扉25の開閉動作に基づく開閉動作信号Sを送信する送信部32と、停車場BSの開閉扉12に設けられて送信部32から送信された開閉動作信号Sを受信する受信部13と、停車場BSの開閉扉12に設けられて受信部13が受信した開閉動作信号Sに応じて開閉扉12の駆動を制御する制御部14とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御システム及び該開閉扉の制御システムに用いられる送信機及び開閉扉の制御方法に関する。
近年、電車やバス等の車両の停車場に採用されるシステムとして、利用者の安全のために車両と乗降場所とを仕切る安全柵を設け、この安全柵に開閉扉を設けた開閉扉の制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシステムでは、車両の乗降扉の開閉状態を検出する扉開閉状態検出センサが停車場(プラットホーム)に設けられ、この扉開閉状態検出センサの出力信号に基づいて制御手段がプラットホームの開閉扉を開閉する。なお、扉開閉状態検出センサとしては、プラットホームから車両の乗降扉の開閉状態を検出する光学式センサや、超音波センサ、渦電流式変位センサなどが用いられる。
ところで、上記特許文献1に記載のシステムでは、扉開閉状態検出センサとしていずれも、プラットホームに設置されたセンサを用いて車両の乗降扉の開閉状態を検出しているため、雨や風等をはじめとする周囲環境による影響を受けやすく、検出精度においてなお改良の余地を残すものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両周囲の環境の影響を受けることなく高い精度で車両の乗降扉の開閉状態を検出して開閉扉を制御することのできる開閉扉の制御システム及び該開閉扉の制御システムに用いられる送信機及び開閉扉の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決する開閉扉の制御システムは、車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御システムであって、前記車両の乗降扉に設けられて当該乗降扉の開閉動作を検出する開閉動作検出部と、前記車両の乗降扉に設けられて前記開閉動作検出部が検出した前記乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信する送信部と、前記停車場の開閉扉に設けられて前記送信部から送信された前記開閉動作信号を受信する受信部と、前記停車場の開閉扉に設けられて前記受信部が受信した前記開閉動作信号に応じて当該開閉扉の駆動を制御する制御部と、を備えることをその要旨としている。
上記構成によれば、車両の乗降扉に設けられる開閉動作検出部が乗降扉の開閉動作を直接検出するため、雨や風等の環境の影響を受けることなく、乗降扉の開閉動作を高い精度で検出することができる。そして、開閉動作検出部が検出した乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信部から送信し、受信部が受信した開閉動作信号に応じて制御部が開閉扉の駆動を制御する。すなわち、車両の乗降扉に開閉動作検出部と送信部とを設けるだけで、車両の大幅な改造を伴うことなく、停車場に設けられた開閉扉を車両の乗降扉の開閉動作に応じて開閉させることができるようになる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記開閉動作検出部は、前記乗降扉の加速度又は角加速度によって前記乗降扉の開閉動作を検出することが好ましい。
上記構成によるように、加速度又は角加速度によって乗降扉の開閉動作を検出することで、2点間の変位や速度等を検出するものに比べ、開閉動作検出部の取付状態による影響を受け難くすることができ、ひいては乗降扉の開閉動作の検出精度を高めることができる。
上記構成によるように、加速度又は角加速度によって乗降扉の開閉動作を検出することで、2点間の変位や速度等を検出するものに比べ、開閉動作検出部の取付状態による影響を受け難くすることができ、ひいては乗降扉の開閉動作の検出精度を高めることができる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記開閉動作検出部は、前記乗降扉の開位置から閉位置への動き出しと、前記乗降扉の閉位置から開位置への動き出しとを前記乗降扉の開閉動作として検出することが好ましい。
上記構成によるように、乗降扉の開閉動作のうち、特に開動作の動きだしを開動作として検出し、閉動作の動き出しを閉動作として検出することで、乗降扉が開き出した又は閉じ出した段階で停車場の開閉扉の駆動を制御することができる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記開閉動作検出部は、前記乗降扉の車内側ガラス面又は車内側ドア面に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、乗降扉の車内側ガラス面又は車内側ドア面に開閉動作検出部が設けられるため、特に雨や風等の環境を受けることなく、乗降扉の開閉動作を検出することができる。
上記構成によれば、乗降扉の車内側ガラス面又は車内側ドア面に開閉動作検出部が設けられるため、特に雨や風等の環境を受けることなく、乗降扉の開閉動作を検出することができる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記送信部は、前記乗降扉の車内側ガラス面又は当該車内側ガラス面近傍の車内側ドア面に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、乗降扉の車内側ガラス面又は当該車内側ガラス面近傍の車内側ドア面に送信部が設けられるため、雨や風等に対する環境対策はもとより、乗降扉のガラス部分を通して受信部との安定した無線通信を行うことが可能となる。
上記構成によれば、乗降扉の車内側ガラス面又は当該車内側ガラス面近傍の車内側ドア面に送信部が設けられるため、雨や風等に対する環境対策はもとより、乗降扉のガラス部分を通して受信部との安定した無線通信を行うことが可能となる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記送信部は、前記乗降扉の車外側ガラス面又は車外側ドア面に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、乗降扉の車外側ガラス面又は車外側ドア面に送信部が設けられるため、車両のボディを構成する構造物による通信障害の影響を抑制することができ、送信部が受信部との安定した無線通信を行うことが可能となる。
上記構成によれば、乗降扉の車外側ガラス面又は車外側ドア面に送信部が設けられるため、車両のボディを構成する構造物による通信障害の影響を抑制することができ、送信部が受信部との安定した無線通信を行うことが可能となる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記送信部は、前記開閉動作検出部を作動させ、且つ前記開閉動作信号を送信するための電力を前記受信部からワイヤレス給電にて取得することが好ましい。
上記構成によれば、開閉動作検出部を作動させ、且つ開閉動作信号を送信するための電力がワイヤレス給電によって受信部から送信部に供給されるため、送信部や開閉動作検出部に給電するための配線が不要となり、車両の大幅な改造を行うことなく、開閉扉への送信部や開閉動作検出部の取り付けが容易となる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記開閉動作検出部及び前記送信部は、前記車両の複数ある乗降扉にそれぞれ設けられ、前記停車場の開閉扉は、前記車両の複数の乗降扉にそれぞれ対応して複数設けられ、前記制御部及び前記受信部は、前記停車場の複数ある開閉扉にそれぞれ設けられ、前記制御部の各々は、各開閉扉と対向する各乗降扉に設けられた送信部から送信された開閉動作信号に応じて、それぞれ対となる開閉扉の駆動を制御することが好ましい。
上記構成によれば、車両の複数ある乗降扉に開閉動作検出部及び送信部がそれぞれ設けられ、車両の各乗降扉に対となる同じく複数ある開閉扉に制御部と受信部がそれぞれ設けられる。このため、停車場に停止した車両の各乗降扉の開閉動作に合わせて、それぞれ乗降扉と対向する開閉扉の駆動を各開閉扉の制御部によって制御することができる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記停車場の開閉扉は、複数設けられ、前記送信部は、前記車両に関する車両情報を、前記開閉動作信号とともに前記受信部に送信し、前記制御部は、前記受信部が受信した前記車両情報に基づいて前記駆動する開閉扉を選択することが好ましい。
上記構成によれば、車両の送信部から送信された車両情報に基づいて開閉扉を選択制御することができるため、例えば車両の編成や長さの違い等を示す車両情報に合わせて開閉扉の駆動を適正に制御することができるようになる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記停車場に設けられて前記車両が定位置にあるか否かを検出する定位置検出部を備え、前記制御部は、前記定位置検出部による検出結果と前記送信される開閉動作信号とに基づいて前記開閉扉の駆動を制御することが好ましい。
上記構成によれば、定位置検出部が検出した検出結果と開閉動作信号とに基づいて開閉扉の駆動が制御されるため、例えば車両が定位置にあるときだけ開閉扉を開くような制御を行うこともできる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記制御部は、前記車両が定位置に停止したことを前記定位置検出部が検出した後、前記車両の乗降扉が閉じられることなく前記車両が定位置に停止していないことが前記定位置検出部により検出されると、前記停車場の開閉扉を閉駆動するように制御することが好ましい。
上記構成によれば、車両が乗降扉を閉めずに出発したとしても、開閉扉は閉じるように制御されるため、車両がいないにも関わらず、開閉扉が開いたままとなることを防ぐことができる。すなわち、開閉扉側についてはその安全を確保することができる。
上記開閉扉の制御システムについて、前記制御部は、前記開閉扉が設置された停車場に関する停車場情報を有し、該停車場情報に基づいて前記開閉扉の駆動を制御することが好ましい。
上記構成によれば、停車場情報に合わせて開閉扉の開閉動作を制御することができるため、例えば開閉扉を複数設けた場合などに、停車場の長さや構造等に合わせて開閉扉の駆動を適正に制御することができるようになる。
上記課題を解決する送信機は、車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御システムに用いられる送信機であって、前記車両の乗降扉に設けられて前記乗降扉の開閉動作を検出する開閉動作検出部と、前記乗降扉に設けられて前記開閉動作検出部が検出した前記乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信する送信部と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、車両の乗降扉に設けられる開閉動作検出部が乗降扉の開閉動作を直接検出するため、雨や風等の環境の影響を受けることなく、乗降扉の開閉動作を高い精度で検出することができる。そして、開閉動作検出部が検出した乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信部から送信する。すなわち、車両の乗降扉に開閉動作検出部と送信部とを設けるだけで、車両の大幅な改造を伴うことなく、車両の乗降扉の開閉動作を外部に送信することができるようになる。
上記課題を解決する開閉扉の制御方法は、車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御方法であって、前記車両の乗降扉に設けられる開閉動作検出部によって前記乗降扉の開閉動作を検出し、前記車両の乗降扉に設けられる送信部によって前記開閉動作検出部が検出した前記乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信し、前記停車場の開閉扉に設けられる受信部によって前記送信部から送信された前記開閉動作信号を受信し、前記停車場の開閉扉に設けられる制御部によって前記受信部が受信した前記開閉動作信号に応じて当該開閉扉の駆動を制御することが好ましい。
上記構成によれば、車両の乗降扉に設けられる開閉動作検出部が乗降扉の開閉動作を直接検出するため、雨や風等の環境の影響を受けることなく、乗降扉の開閉動作を高い精度で検出することができる。そして、開閉動作検出部が検出した乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信部から送信し、受信部が受信した開閉動作信号に応じて制御部が開閉扉の駆動を制御する。すなわち、車両の乗降扉に開閉動作検出部と送信部とを設けるだけで、車両の大幅な改造を伴うことなく、停車場に設けられた開閉扉を車両の乗降扉の開閉動作に応じて開閉させることができるようになる。
本発明によれば、車両周囲の環境の影響を受けることなく高い精度で車両の乗降扉の開閉状態を検出して開閉扉を制御することができる。
(第1の実施形態)
以下、図1〜図9を参照して、開閉扉の制御システムをバス高速輸送システム(BRT:Bus Rapid Transit)に具体化した第1の実施形態について説明する。本実施形態における車両は、BRTに用いられる連節バスである。
以下、図1〜図9を参照して、開閉扉の制御システムをバス高速輸送システム(BRT:Bus Rapid Transit)に具体化した第1の実施形態について説明する。本実施形態における車両は、BRTに用いられる連節バスである。
<停車場及び連節バスの構成>
図1に示されるように、連節バス20が停止する停車場BSは、連節バス20が走行する道路Rに付随して設置されている。停車場BSには、連節バス20に対する利用者の乗り降りを容易にするため、段差が少なくなるようにかさ上げされたプラットホームPFが設けられている。そして、停車場BSのプラットホームPFには、道路RとプラットホームPFとを仕切るホーム柵10が設置されている。このホーム柵10には、開口部11が3箇所設けられている。これらホーム柵10の開口部11には、開口部11を開閉する開閉扉12がそれぞれ設けられている。
図1に示されるように、連節バス20が停止する停車場BSは、連節バス20が走行する道路Rに付随して設置されている。停車場BSには、連節バス20に対する利用者の乗り降りを容易にするため、段差が少なくなるようにかさ上げされたプラットホームPFが設けられている。そして、停車場BSのプラットホームPFには、道路RとプラットホームPFとを仕切るホーム柵10が設置されている。このホーム柵10には、開口部11が3箇所設けられている。これらホーム柵10の開口部11には、開口部11を開閉する開閉扉12がそれぞれ設けられている。
連節バス20には、利用者が乗降する乗降口24が3箇所設けられている。連節バス20の乗降口24には、乗降口24を開閉する乗降扉25がそれぞれ設けられている。詳しくは、連節バス20の連節部23よりも前側車体21に2個の乗降口24及び乗降扉25が設けられ、連節バス20の連節部23よりも後側車体22に1個の乗降口24及び乗降扉25が設けられている。ここで、連節バス20の乗降口24を前側から第1乗降口24a、第2乗降口24b、第3乗降口24cとする。また、連節バス20の乗降扉25を前側から第1乗降扉25a、第2乗降扉25b、第3乗降扉25cとする。
ホーム柵10の開口部11は、停車場BSのプラットホームPFに対して定位置FPに停止した連節バス20の乗降口24に対向する位置となるようにそれぞれ設けられている。なお、4個以上の乗降扉を有する連節バスと、3個の乗降扉25を有する連節バス20とが同じ停車場BSに停止する形態で運行されるここでの例のような場合には、ホーム柵10にも4個以上の開口部11及び開閉扉12を設置するようにしてもよい。
本実施形態では、図2(a)に示されるように、連節バス20の乗降扉25が閉じているときには、ホーム柵10の開閉扉12も閉じている。この状態ではホーム柵10の開口部11が閉じられているので、プラットホームPFにいる利用者はプラットホームPFから道路R側へホーム柵10を通過することができない。
また図2(b)に示されるように、連節バス20の乗降扉25が開いているときには、ホーム柵10の開閉扉12も開いている。この状態ではホーム柵10の開口部11が開いているので、プラットホームPFにいる利用者はプラットホームPFから道路R側へホーム柵10を通過して連節バス20に乗り込むことができる。また連節バス20に乗っている利用者は連節バス20からホーム柵10を通過してプラットホームPFへ降りることができる。
<開閉扉の制御システムの構成>
図3に示すように、連節バス20の各乗降扉25には、送信機30が取り付けられている。送信機30は、取り付けられた乗降扉25の開閉動作を検出する開閉動作検出部31と、開閉動作検出部31が検出した乗降扉25の開閉動作に基づく開閉動作信号Sを送信する送信部32とを備えている。すなわち、開閉動作検出部31及び送信部32を有する送信機30は、連節バス20の複数ある乗降扉25にそれぞれ設けられている。
図3に示すように、連節バス20の各乗降扉25には、送信機30が取り付けられている。送信機30は、取り付けられた乗降扉25の開閉動作を検出する開閉動作検出部31と、開閉動作検出部31が検出した乗降扉25の開閉動作に基づく開閉動作信号Sを送信する送信部32とを備えている。すなわち、開閉動作検出部31及び送信部32を有する送信機30は、連節バス20の複数ある乗降扉25にそれぞれ設けられている。
開閉動作検出部31には、例えば角加速度を検出することができるセンサ31aが設けられている。なお、センサ31aは、角加速度を直接検出するものではなく、角速度や変位角を検出するものでもよい。この場合には角速度を1階微分し、変位角を2階微分することで角加速度を検出する。開閉動作検出部31は、センサ31aの検出結果により乗降扉25の開閉動作の有無を判定する。送信部32は、例えばRFID(Radio Frequency Identifier)を備え、近距離無線通信によって開閉動作信号をプラットホームPF側へ送信する。送信機30は、乗降扉25の開動作に基づいて開動作信号Soを送信し、乗降扉25の閉動作に基づいて閉動作信号Scを送信する。
ホーム柵10の各開閉扉12には、送信機30の送信部32から送信された開閉動作信号Sを受信する受信部13と、受信部13が受信した開閉動作信号Sに応じて開閉扉12の駆動を制御する制御部14と、開閉扉12を駆動する駆動部15とが設けられている。すなわち、受信部13、制御部14、及び駆動部15は、複数ある開閉扉12にそれぞれ設けられている。制御部14は、受信部13と電気的に接続され、受信部13から開閉動作信号Sに含まれる情報を取得する。また制御部14は、駆動部15と電気的に接続され、駆動部15の駆動を制御する。そして、制御部14の各々は、各開閉扉12と対向する各乗降扉25に設けられた送信部32から送信された開閉動作信号Sに応じて、それぞれ対となる開閉扉12の駆動を制御する。つまり、送信部32と受信部13とはそれぞれが予め対となるようペアリングされている。
なお、本実施形態において、送信機30の送信部32は、開閉動作検出部31を作動させ、且つ開閉動作信号Sを送信するための電力を開閉扉12の受信部13からワイヤレス給電にて取得する。受信部13は、ワイヤレス給電を可能にする給電機能を備えている。一方、送信部32は、受信部13から給電される電力を受電可能な受電機能を備えている。ワイヤレス給電の方式としては、電磁誘導方式や磁気共鳴方式、マイクロ波放電方式などがある。
一方、本実施形態の開閉扉の制御システムは、連節バス20が停車場BSの定位置にあるか否かを検出する定位置検出部16を備えている。図1に示すように、定位置検出部16は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したときに連節バス20が位置する道路R上に設置されている。定位置検出部16は、連節バス20の下部に取り付けられた磁石(図示略)の磁界を検出する磁界検出センサである。例えば連節バス20に設けられた磁石が当該磁石の磁界を検出可能な範囲である定位置FPに位置するときに、連節バス20が停車場BSの定位置FPにあることを定位置検出部16が検出する。定位置検出部16は、各開閉扉12の制御部14と電気的に接続され、検出結果を各制御部14に出力する。制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして開閉扉12の開閉を伴う処理を開始する。
<乗降扉の構成>
図4(a)及び図4(b)に示すように、連節バス20の乗降扉25は、グライドスライドドアである。グライドスライドドアは、開いた際に乗降口24の間口と同じくらいの開口幅を確保することができる扉である。このグライドスライドドアは、左右2枚の扉を備えている。グライドスライドドアは、扉を駆動する駆動装置28が左右の扉の上方にそれぞれ設置され、駆動装置28が扉の外寄りの位置で扉と接続されている。そして、開閉動作検出部31及び送信部32を含む送信機30は、乗降扉25の車内側ガラス面26aと車内側ガラス面26a近傍の車内側ドア面27aとに跨って設置されている。送信機30は、駆動装置28の接続部分の近くである乗降扉25の上部外側寄りに設置されている。グライドスライドドアの駆動装置28の接続部分は乗降扉25の開閉動作に伴い回転するので、加速度センサよりも角加速度センサのほうが開閉動作を正確に検出することができる。乗降扉25のガラス面とは乗降扉25のガラス部26を構成する面である。また乗降扉25のドア面とは、乗降扉25のガラス部26ではない枠部分に相当するドア部27を構成する面である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、連節バス20の乗降扉25は、グライドスライドドアである。グライドスライドドアは、開いた際に乗降口24の間口と同じくらいの開口幅を確保することができる扉である。このグライドスライドドアは、左右2枚の扉を備えている。グライドスライドドアは、扉を駆動する駆動装置28が左右の扉の上方にそれぞれ設置され、駆動装置28が扉の外寄りの位置で扉と接続されている。そして、開閉動作検出部31及び送信部32を含む送信機30は、乗降扉25の車内側ガラス面26aと車内側ガラス面26a近傍の車内側ドア面27aとに跨って設置されている。送信機30は、駆動装置28の接続部分の近くである乗降扉25の上部外側寄りに設置されている。グライドスライドドアの駆動装置28の接続部分は乗降扉25の開閉動作に伴い回転するので、加速度センサよりも角加速度センサのほうが開閉動作を正確に検出することができる。乗降扉25のガラス面とは乗降扉25のガラス部26を構成する面である。また乗降扉25のドア面とは、乗降扉25のガラス部26ではない枠部分に相当するドア部27を構成する面である。
<開閉扉の制御システムの動作>
次に、図5〜図9を参照して、上記のように構成された開閉扉の制御システムの動作について説明する。
次に、図5〜図9を参照して、上記のように構成された開閉扉の制御システムの動作について説明する。
まず、図5及び図6を参照して、開閉動作検出部31による乗降扉25の開閉動作の判定処理と開閉動作信号の送信処理とについて説明する。
図5に示すように、開閉動作検出処理において、送信機30に設けられる開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作が検出されたか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作に従って検出されるセンサ31aの出力値によって開閉動作の検出を判定する。なお、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開位置から閉位置への動き出しと、乗降扉25の閉位置から開位置への動き出しとを乗降扉25の開閉動作として検出する。
図5に示すように、開閉動作検出処理において、送信機30に設けられる開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作が検出されたか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作に従って検出されるセンサ31aの出力値によって開閉動作の検出を判定する。なお、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開位置から閉位置への動き出しと、乗降扉25の閉位置から開位置への動き出しとを乗降扉25の開閉動作として検出する。
そして、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作が検出されないと判定した場合には(ステップS1:検出なし)、ステップS1に戻り、乗降扉25の開閉動作が検出されるまで判定処理を継続する。なお、センサ31aの検出をトリガとして開閉動作検出部31を起動するようにしてもよい。
一方、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作のうち開動作を検出したと判定した場合には(ステップS1:開動作検出)、開動作信号Soを送信部32から送信させ(ステップS2)、処理を終了する。また、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作のうち閉動作を検出したと判定した場合には(ステップS1:閉動作検出)、閉動作信号Scを送信部32から送信させ(ステップS3)、処理を終了する。
<開閉動作の検出判定>
ここで、開閉動作検出部31は、次のように乗降扉25の開閉動作の検出の有無を判定する。
ここで、開閉動作検出部31は、次のように乗降扉25の開閉動作の検出の有無を判定する。
図6に示すように、開閉動作判定処理において、まず開閉動作検出部31は、センサ31aから出力された出力値を取得する(ステップS4)。続いて、開閉動作検出部31は、当該出力値の絶対値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。そして、開閉動作検出部31は、当該出力値の絶対値が所定値未満であると判定した場合には(ステップS5:NO)、処理を終了する。一方、開閉動作検出部31は、当該出力値の絶対値が所定値以上であると判定した場合には(ステップS5:YES)、当該出力値の正負に基づいて乗降扉25が開動作又は閉動作を開始したと判定して(ステップS6)、処理を終了する。
<制御部の処理手順>
次に、図7及び図8を参照して、制御部14の制御手順について説明する。
図7に示すように、まず、制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして開閉制御処理を開始する。すなわち、制御部14は、定位置検出部16から出力された検出信号を取得することで、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したと判定して処理を開始する。
次に、図7及び図8を参照して、制御部14の制御手順について説明する。
図7に示すように、まず、制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして開閉制御処理を開始する。すなわち、制御部14は、定位置検出部16から出力された検出信号を取得することで、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したと判定して処理を開始する。
続いて、制御部14は、開動作信号Soを受信したか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、停車場BSに停止した連節バス20は利用者を乗降させるために乗降扉25を開けることに伴い、送信機30から開動作信号Soが送信される。そこで、制御部14は、開動作信号Soを受信部13が受信しているか否かを確認することで判定する。そして、制御部14は、開動作信号Soを受信していないと判定した場合には(ステップS11:NO)、開動作信号Soを受信するまでステップS11を繰り返す。なお、制御部14は、開動作信号Soを受信することなく、言い換えれば連節バス20が乗降扉25を開くことなく、連節バス20が停車場BSから出発した場合には、処理を終了してもよい。
一方、制御部14は、開動作信号Soを受信したと判定した場合には(ステップS11:YES)、開閉扉12を開駆動させる(ステップS12)。すなわち、受信部13が開動作信号Soを受信したということは連節バス20の乗降扉25が閉位置から開位置へ動き出したということである。よって、制御部14は、開閉扉12を乗降扉25の開状態に合わせて開けるように駆動部15を開駆動させ、開閉扉12を開ける。
続いて、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出しているか否かを判定する(ステップS13)。すなわち、制御部14は、連節バス20が乗降扉25を開けた後に出発せず停止しているか否かを確認する。通常であれば、連節バス20は乗降扉25を閉めてから出発するが、連節バス20が乗降扉25を閉めずに出発した、あるいは走り出してから乗降扉25を閉めた、あるいは閉動作信号Scを受信することができなかった等のときに備えた処理である。そして、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していないと判定した場合には(ステップS13:NO)、後述する異常対応処理(ステップS19)に移行する。
一方、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していると判定した場合には(ステップS13:YES)、閉動作信号Scを受信したか否かを判定する(ステップS14)。すなわち、制御部14は、連節バス20が出発せずに停止したままであるため、閉動作信号Scの受信によって乗降扉25を閉めたか否かを確認する。そして、制御部14は、閉動作信号Scを受信していないと判定した場合には(ステップS14:NO)、ステップS13に移行する。すなわち、制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止して乗降扉25を開けたままであるとして、乗降扉25が閉められるまで判定を繰り返す。
一方、制御部14は、閉動作信号Scを受信したと判定した場合には(ステップS14:YES)、開閉扉12を閉駆動させる(ステップS15)。すなわち、受信部13が閉動作信号Scを受信したということは連節バス20の乗降扉25が開位置から閉位置へ動き出したということである。よって、制御部14は、開閉扉12を乗降扉25の閉状態に合わせて閉めるように駆動部15を閉駆動させ、開閉扉12を閉める。
続いて、制御部14は、開閉扉12が全閉したか否かを判定する(ステップS16)。すなわち、制御部14は、開閉扉12を閉駆動させたことによって、開閉扉12が完全に閉まっていることを確認する。そして、制御部14は、開閉扉12が全閉していないと判定した場合には(ステップS16:NO)、ステップS15に移行して全閉と判定されるまで開閉扉12を閉駆動させる。
一方、制御部14は、開閉扉12が全閉したと判定した場合には(ステップS16:YES)、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出しているか否かを判定する(ステップS17)。すなわち、連節バス20は、乗降扉25を閉めた後に、物の挟み込みや乗り残した利用者を乗せるために再度乗降扉25を開けることがある。そこで、制御部14は、連節バス20が乗降扉25を閉めた後に停車場BSを出発したか否かを確認する。そして、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していないと判定した場合には(ステップS17:NO)、連節バス20が停車場BSを出発したとして処理を終了する。
一方、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していると判定した場合には(ステップS17:YES)、開動作信号Soを受信したか否かを判定する(ステップS18)。すなわち、制御部14は、連節バス20が停車場BSに停止している間は再度乗降扉25を開ける可能性があるので、開動作信号Soを受信しているか否かを確認する。そして、制御部14は、開動作信号Soを受信していないと判定した場合には(ステップS18:NO)、ステップS17に移行して連節バス20が停車場BSを出発するまで同様の処理を繰り返す。
一方、制御部14は、開動作信号Soを受信したと判定した場合には(ステップS18:YES)、ステップS12に移行して開閉扉12を再度開けて、連節バス20が停車場BSを出発するまで同様の処理を繰り返す。
<異常対応処理>
次に、図8を参照して、ステップS19の異常対応処理について説明する。
先に説明した図7に示すように、制御部14は、連節バス20が乗降扉25を開けたことを示す開動作信号Soを受信した後に、連節バス20が停車場BSの定位置FPで検出されないことは本来考え難いので、図8に示すように異常対応として処理する。
次に、図8を参照して、ステップS19の異常対応処理について説明する。
先に説明した図7に示すように、制御部14は、連節バス20が乗降扉25を開けたことを示す開動作信号Soを受信した後に、連節バス20が停車場BSの定位置FPで検出されないことは本来考え難いので、図8に示すように異常対応として処理する。
まず、制御部14は、他の制御部14から定位置検出結果を取得する(ステップS21)。すなわち、制御部14が定位置検出部16から正しい検出結果を取得できていないかもしれないので、正しい検出結果を取得できているか否かを確認するために、他の制御部14から定位置検出部16の検出結果を取得する。
続いて、制御部14は、他の制御部14から取得した検出結果と、自身が定位置検出部16から取得している検出結果とが一致するか否かを判定する(ステップS22)。また、制御部14は、連節バス20が定位置FPに停止しているとする検出結果を他の制御部14が得ていながら、検出結果自体を得られていないときも含めて判定する。そして、制御部14は、検出結果が一致しないと判定した場合には(ステップS22:NO)、他の制御部14からの検出結果で代用してステップS14(図7参照)以降の処理を進める。
一方、制御部14は、検出結果が一致すると判定した場合には(ステップS22:YES)、閉動作信号Scを受信することなく連節バス20が出発したとして、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS23)。そして、制御部14は、所定時間が経過するまで待機し(ステップS23:NO)、所定時間が経過すると(ステップS23:YES)、開閉扉12を閉駆動させる(ステップS24)。すなわち、制御部14は、駆動部15を閉駆動させ、開閉扉12を閉める。なお、制御部14がステップS24にすぐに移行して開閉扉12を閉駆動させずに、ステップS23において所定時間が経過するのを待つのは、定位置検出部16の検知が安定せず、オンとオフとが切り替わるときに備えたものである。すなわち、定位置検出部16は、連節バス20の形状等により検知が不安定であるときや、電源投入後に起動中で検知できない期間を加味して、所定時間が経過してから連節バス20が出発したと判定している。こうすることで、連節バス20が出発したこと又は連節バス20が停車場BSの定位置FPに位置していないことを確実に判断して、開閉扉12を閉駆動することができる。
<ワイヤレス給電処理>
次に、図9を参照して、送信機30へのワイヤレス給電に伴う処理について説明する。
まず、プラットホームPFに設けられた受信部13は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして、給電を開始するべく給電開始信号を送信しつつ、給電を開始する。また、受信部13は、連節バス20が停車場BSの定位置FPからいなくなったことをトリガとして、給電を停止する。なお、受信部13は、給電開始信号に対する応答信号を受信してから給電を開始するようにしてもよい。
次に、図9を参照して、送信機30へのワイヤレス給電に伴う処理について説明する。
まず、プラットホームPFに設けられた受信部13は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして、給電を開始するべく給電開始信号を送信しつつ、給電を開始する。また、受信部13は、連節バス20が停車場BSの定位置FPからいなくなったことをトリガとして、給電を停止する。なお、受信部13は、給電開始信号に対する応答信号を受信してから給電を開始するようにしてもよい。
すなわち、図9に示すように、送信機30は、受信部13から送信された給電開始信号を受信しているか否かを判定する(ステップS31)。送信機30は、受信部13から送信された給電開始信号を受信しないと判定した場合には(ステップS31:NO)、処理を終了する。
一方、送信機30は、受信部13から送信された給電開始信号を受信したと判定した場合には(ステップS31:YES)、受信部13から供給される電力をワイヤレス給電にて取得する(ステップS32)。こうして、送信機30は、開閉動作検出部31を作動させ、且つ開閉動作信号Sを送信するための電力を受信部13から取得する。
続いて、送信機30は、給電が停止したか否かを判定する(ステップS33)。すなわち、送信機30は、受信部13からのワイヤレス給電が停止されると、電力を得られないので、給電の停止を確認する。
一方、送信機30は、給電が停止していると判定した場合には(ステップS33:YES)、受信部13から電力が得られないので、処理を終了する。
上記のように、連節バス20の乗降扉25に取り付けられた送信機30に含まれる開閉動作検出部31によって乗降扉25の開閉動作が検出されて、送信部32によって乗降扉25の開閉動作を示す開閉動作信号Sが送信される。そして、制御部14、停車場BS(プラットホームPF)の受信部13が開閉動作信号Sを受信することで乗降扉25の開閉動作を確実に取得することができ、取得した乗降扉25の開閉動作に応じて停車場BSの開閉扉12を開閉させることができる。
上記のように、連節バス20の乗降扉25に取り付けられた送信機30に含まれる開閉動作検出部31によって乗降扉25の開閉動作が検出されて、送信部32によって乗降扉25の開閉動作を示す開閉動作信号Sが送信される。そして、制御部14、停車場BS(プラットホームPF)の受信部13が開閉動作信号Sを受信することで乗降扉25の開閉動作を確実に取得することができ、取得した乗降扉25の開閉動作に応じて停車場BSの開閉扉12を開閉させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)連節バス20の乗降扉25に設けられる開閉動作検出部31が乗降扉25の開閉動作を直接検出するため、雨や風等の環境の影響を受けることなく、乗降扉25の開閉動作を高い精度で検出することができる。そして、開閉動作検出部31が検出した乗降扉25の開閉動作に基づく開閉動作信号Sを送信部32から送信し、受信部13が受信した開閉動作信号Sに応じて制御部14が開閉扉12の駆動を制御する。すなわち、連節バス20の乗降扉25に開閉動作検出部31と送信部32とを設けるだけで、連節バス20の大幅な改造を伴うことなく、停車場BSに設けられた開閉扉12を連節バス20の乗降扉25の開閉動作に応じて開閉させることができるようになる。
(1)連節バス20の乗降扉25に設けられる開閉動作検出部31が乗降扉25の開閉動作を直接検出するため、雨や風等の環境の影響を受けることなく、乗降扉25の開閉動作を高い精度で検出することができる。そして、開閉動作検出部31が検出した乗降扉25の開閉動作に基づく開閉動作信号Sを送信部32から送信し、受信部13が受信した開閉動作信号Sに応じて制御部14が開閉扉12の駆動を制御する。すなわち、連節バス20の乗降扉25に開閉動作検出部31と送信部32とを設けるだけで、連節バス20の大幅な改造を伴うことなく、停車場BSに設けられた開閉扉12を連節バス20の乗降扉25の開閉動作に応じて開閉させることができるようになる。
(2)角加速度によって乗降扉25の開閉動作を検出することで、2点間の変位や速度等を検出するものに比べ、開閉動作検出部31の取付状態による影響を受け難くすることができ、ひいては乗降扉25の開閉動作の検出精度を高めることができる。
(3)乗降扉25の開閉動作のうち、特に開動作の動きだしを開動作として検出し、閉動作の動き出しを閉動作として検出することで、乗降扉25が開き出した又は閉じ出した段階で停車場BSの開閉扉12の駆動を制御することができる。
(4)乗降扉25の車内側ガラス面26a及び車内側ドア面27aに開閉動作検出部31が設けられるため、特に雨や風等の環境を受けることなく、乗降扉25の開閉動作を検出することができる。
(5)乗降扉25の車内側ガラス面26a及び車内側ガラス面26a近傍の車内側ドア面27aに送信部32が設けられるため、雨や風等に対する環境対策はもとより、乗降扉25のガラス部26を通して受信部13との安定した無線通信を行うことが可能となる。
(6)開閉動作検出部31を作動させ、且つ開閉動作信号Sを送信するための電力がワイヤレス給電によって受信部13から送信部32に供給されるため、送信部32や開閉動作検出部31に給電するための配線が不要となり、連節バス20の大幅な改造を行うことなく、開閉扉12への送信部32や開閉動作検出部31の取り付けが容易となる。
(7)連節バス20の複数ある乗降扉25に開閉動作検出部31及び送信部32がそれぞれ設けられ、連節バス20の各乗降扉25に対となる同じく複数ある開閉扉12に制御部14と受信部13がそれぞれ設けられる。このため、停車場BSに停止した連節バス20の各乗降扉25の開閉動作に合わせて、乗降扉25とそれぞれ対向する開閉扉12の駆動を各開閉扉12の制御部14によって制御することができる。
(8)定位置検出部16が検出した検出結果と開閉動作信号Sとに基づいて開閉扉12の駆動が制御されるため、連節バス20が定位置FPにあるときだけ開閉扉12を開くような制御を行うこともできる。
(9)連節バス20が乗降扉25を閉めずに出発したとしても、開閉扉12は閉じるように制御されるため、連節バス20がいないにも関わらず、開閉扉12が開いたままとなることを防ぐことができる。すなわち、開閉扉12側についてはその安全を確保することができる。
(第2の実施形態)
以下、図10〜図12を参照して、開閉扉の制御システムをバス高速輸送システムに具体化した第2の実施形態について説明する。この実施形態の開閉扉の制御システムは、連節バス20から得られる車両情報に基づいてホーム柵10の開閉扉12の開閉の仕方を変更する点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
以下、図10〜図12を参照して、開閉扉の制御システムをバス高速輸送システムに具体化した第2の実施形態について説明する。この実施形態の開閉扉の制御システムは、連節バス20から得られる車両情報に基づいてホーム柵10の開閉扉12の開閉の仕方を変更する点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
<停車場及び連節バスの構成>
図10に示されるように、停車場BSのホーム柵10の開閉扉12(開口部11)が3箇所であるところ、連節バス20は乗降扉25(乗降口24)が2箇所のみである。連節バス20の第2乗降扉25bには、送信機30が取り付けられていない。すなわち、連節バス20は、第1乗降扉25aにのみ送信機30が取り付けられている。そして、第1乗降扉25aに取り付けられた送信機30は、開閉動作信号Sに加えて連節バス20の乗降扉25の数や開閉動作等に関する情報を車両情報Vとして送信部32から送信する。車両情報Vは、送信部32に記憶されていても、開閉動作検出部31に記憶されていてもよく、開閉動作信号Sとともに送信されればよい。また、開閉動作信号Sに車両情報Vを含めてもよい。
図10に示されるように、停車場BSのホーム柵10の開閉扉12(開口部11)が3箇所であるところ、連節バス20は乗降扉25(乗降口24)が2箇所のみである。連節バス20の第2乗降扉25bには、送信機30が取り付けられていない。すなわち、連節バス20は、第1乗降扉25aにのみ送信機30が取り付けられている。そして、第1乗降扉25aに取り付けられた送信機30は、開閉動作信号Sに加えて連節バス20の乗降扉25の数や開閉動作等に関する情報を車両情報Vとして送信部32から送信する。車両情報Vは、送信部32に記憶されていても、開閉動作検出部31に記憶されていてもよく、開閉動作信号Sとともに送信されればよい。また、開閉動作信号Sに車両情報Vを含めてもよい。
また、開閉扉12のうち第2開閉扉12b及び第3開閉扉12cには、受信部13が設けられていない。このため、第1開閉扉12aに設けられる受信部13は、第2開閉扉12bに設けられる制御部14と第3開閉扉12cに設けられる制御部14とに電気的に接続され、受信した開閉動作信号S及び車両情報Vを各制御部14に出力する。各制御部14は、開閉扉12が設置された停車場BSに関する停車場情報を有し、車両情報及び停車場情報に基づいて駆動する開閉扉12を選択する。すなわち、制御部14の各々は、第1開閉扉12aに設けられた送信部32から送信された開閉動作信号Sに応じるとともに、車両情報V及び停車場情報に基づいて開閉扉12の駆動を制御する。
<開閉扉の制御システムの動作>
次に、図11及び図12を参照して、上記のように構成された開閉扉の制御システムの動作について説明する。
次に、図11及び図12を参照して、上記のように構成された開閉扉の制御システムの動作について説明する。
まず、図11を参照して、開閉動作検出部31による開閉動作の判定処理と開閉動作信号の送信処理とについて説明する。
図11に示すように、開閉動作検出処理において、送信機30に設けられる開閉動作検出部31は、開閉動作の検出があるか否かを判定する(ステップS41)。すなわち、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作に従って検出されるセンサ31aの出力値によって開閉動作の検出を判定する。
図11に示すように、開閉動作検出処理において、送信機30に設けられる開閉動作検出部31は、開閉動作の検出があるか否かを判定する(ステップS41)。すなわち、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作に従って検出されるセンサ31aの出力値によって開閉動作の検出を判定する。
そして、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作の検出がないと判定した場合には(ステップS41:検出なし)、ステップS41に戻り再度判定を行う。つまり、開閉動作検出部31は、開閉扉12の開閉動作が検出されるまで判定処理を継続する。
一方、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作のうち開動作を検出したと判定した場合には(ステップS41:開動作検出)、開動作信号So及び車両情報Vを送信部32から送信させ(ステップS42)、処理を終了する。また、開閉動作検出部31は、乗降扉25の開閉動作のうち閉動作を検出したと判定した場合には(ステップS41:閉動作検出)、閉動作信号Scを送信部32から送信させ(ステップS43)、処理を終了する。
<制御部の処理手順>
次に、図12を参照して、制御部14の制御手順について説明する。
図12に示すように、まず、制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして開閉制御処理を開始する。すなわち、制御部14は、定位置検出部16から出力された検出信号を取得することで、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したと判定して処理を開始する。
次に、図12を参照して、制御部14の制御手順について説明する。
図12に示すように、まず、制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したことをトリガとして開閉制御処理を開始する。すなわち、制御部14は、定位置検出部16から出力された検出信号を取得することで、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止したと判定して処理を開始する。
続いて、制御部14は、開動作信号So及び車両情報Vを受信したか否かを判定する(ステップS51)。すなわち、停車場BSに停止した連節バス20は利用者を乗降させるために乗降扉25を開けることに伴い、送信機30から開動作信号So及び車両情報Vが送信される。そこで、制御部14は、開動作信号So及び車両情報Vを受信部13が受信しているか否かを確認することで判定する。
そして、制御部14は、開動作信号So及び車両情報Vを受信していないと判定した場合には(ステップS51:NO)、開動作信号So及び車両情報Vを受信するまでステップS51を繰り返す。なお、制御部14は、開動作信号So及び車両情報Vを受信することなく、言い換えれば連節バス20が乗降扉25を開くことなく、連節バス20が停車場BSから出発した場合には、処理を終了してもよい。
一方、制御部14は、開動作信号So及び車両情報Vを受信したと判定した場合には(ステップS51:YES)、車両情報Vに基づいて開閉扉12を選択する(ステップS52)。すなわち、各制御部14は、第1乗降扉25aから送信された開動作信号So及び車両情報Vに基づいて各開閉扉12の開閉動作を制御する。
例えば、車両情報V1であれば、第1開閉扉12aを選択する。車両情報V2であれば、第1開閉扉12a及び第2開閉扉12bを選択する。車両情報V3であれば、第1開閉扉12a、第2開閉扉12b、及び第3開閉扉12cを選択する。本実施形態の連節バス20は、車両情報V2に該当する。なお、車両情報Vに対する選択される開閉扉12は任意に選択可能である。
続いて、制御部14は、選択した開閉扉12を開駆動させる(ステップS53)。すなわち、受信部13が開動作信号Soを受信したということは連節バス20の乗降扉25が閉位置から開位置へ動き出したということである。よって、第1開閉扉12aの制御部14は、車両情報V2に基づいて第1開閉扉12aを連節バス20の第1乗降扉25aの開状態に合わせて開けるように第1開閉扉12aの駆動部15を開駆動させ、第1開閉扉12aを開ける。また第2開閉扉12bの制御部14は、車両情報V2に基づいて第2開閉扉12bを連節バス20の第1乗降扉25aの開状態に合わせて開けるように第2開閉扉12bの駆動部15を開駆動させ、第2開閉扉12bを開ける。なお第3開閉扉12cの制御部14は、車両情報V2に基づいて第3開閉扉12cを開けない。
続いて、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出しているか否かを判定する(ステップS54)。すなわち、制御部14は、連節バス20が乗降扉25を開けた後に出発せず停止しているか否かを確認する。そして、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していないと判定した場合には(ステップS54:NO)、異常対応処理(ステップS19)に移行する。
一方、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していると判定した場合には(ステップS54:YES)、閉動作信号Scを受信したか否かを判定する(ステップS55)。すなわち、制御部14は、連節バス20が出発せずに停止したままであるため、閉動作信号Scの受信によって乗降扉25を閉めたか否かを確認する。そして、制御部14は、閉動作信号Scを受信していないと判定した場合には(ステップS55:NO)、ステップS54に移行する。すなわち、制御部14は、連節バス20が停車場BSの定位置FPに停止して乗降扉25を開けたままであるとして、乗降扉25を閉めるまで判定を繰り返す。
一方、制御部14は、閉動作信号Scを受信したと判定した場合には(ステップS55:YES)、ステップS52で選択した開閉扉12を閉駆動させる(ステップS56)。すなわち、受信部13が閉動作信号Scを受信したということは連節バス20の乗降扉25が開位置から閉位置へ動き出したということである。よって、第1開閉扉12aの制御部14は、第1開閉扉12aを第1乗降扉25aの閉状態に合わせて閉めるように第1開閉扉12aの駆動部15を閉駆動させ、第1開閉扉12aを閉める。また第2開閉扉12bの制御部14は、第2開閉扉12bを第1乗降扉25aの閉状態に合わせて閉めるように第2開閉扉12bの駆動部15を閉駆動させ、第2開閉扉12bを閉める。
続いて、制御部14は、選択した開閉扉12が全閉したか否かを判定する(ステップS57)。すなわち、第1開閉扉12aの制御部14は、第1開閉扉12aを閉駆動させたことによって、第1開閉扉12aが完全に閉まっていることを確認する。また第2開閉扉12bの制御部14は、第2開閉扉12bを閉駆動させたことによって、第2開閉扉12bが完全に閉まっていることを確認する。そして、制御部14は、選択した開閉扉12が全閉していないと判定した場合には(ステップS57:NO)、ステップS56に移行して選択した開閉扉12を閉駆動させる。
一方、制御部14は、開閉扉12が全閉したと判定した場合には(ステップS57:YES)、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出しているか否かを判定する(ステップS58)。すなわち、連節バス20は、乗降扉25を閉めた後に、物の挟み込みや乗り残した利用者を乗せるために再度乗降扉25を開けることがある。そこで、制御部14は、連節バス20が乗降扉25を閉めた後に停車場BSを出発したか否かを確認する。そして、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していないと判定した場合には(ステップS58:NO)、連節バス20が停車場BSを出発したとして処理を終了する。
一方、制御部14は、連節バス20を停車場BSの定位置FPで検出していると判定した場合には(ステップS58:YES)、開動作信号Soを受信したか否かを判定する(ステップS59)。すなわち、制御部14は、連節バス20が停車場BSに停止している間は再度乗降扉25を開ける可能性があるので、開動作信号Soを受信しているか否かを確認する。そして、制御部14は、開動作信号Soを受信していないと判定した場合には(ステップS59:NO)、ステップS58に移行して連節バス20が停車場BSを出発するまで処理を繰り返す。
一方、制御部14は、開動作信号Soを受信したと判定した場合には(ステップS59:YES)、ステップS53に移行して開閉扉12を再度開けて、連節バス20が停車場BSを出発するまで処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)、(8)及び(9)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(10)連節バス20の送信部32から送信された車両情報Vに基づいて開閉扉12を選択制御することができるため、例えば連節バス20の編成や長さの違い等を示す車両情報に合わせて開閉扉12の駆動を適正に制御することができるようになる。
(10)連節バス20の送信部32から送信された車両情報Vに基づいて開閉扉12を選択制御することができるため、例えば連節バス20の編成や長さの違い等を示す車両情報に合わせて開閉扉12の駆動を適正に制御することができるようになる。
(11)停車場情報に合わせて開閉扉12の開閉動作を選択制御することができるため、これによっても、例えば停車場BSの長さや構造等に合わせて開閉扉12の駆動を適正に制御することができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、連節バス20の乗降扉25の開閉動作を検出するセンサ31aとして角加速度を検出するセンサを採用した。しかしながら、連節バス20の乗降扉25の開閉動作を検出することができれば、角加速度に限らず他の物理量として角速度、変位角、加速度、速度、変位等を検出するセンサを採用してもよい。
・上記各実施形態では、連節バス20の乗降扉25の開閉動作を検出するセンサ31aとして角加速度を検出するセンサを採用した。しかしながら、連節バス20の乗降扉25の開閉動作を検出することができれば、角加速度に限らず他の物理量として角速度、変位角、加速度、速度、変位等を検出するセンサを採用してもよい。
例えば、角速度を検出する角速度センサを採用したときの連節バス20の乗降扉25の開閉動作の判定について説明する。角速度センサは、乗降扉25の回転する部分に取り付けられる。開閉動作検出部31は、図6に示すように、取得したセンサの出力値の絶対値が所定値以上であるときに、出力値の正負に基づいて乗降扉25が開閉動作を開始したと判定する。角速度センサは、角加速度センサと異なり、角速度が一定であっても乗降扉25の開閉動作を検出することができる。なお、角速度を検出するセンサとしては、タコジェネレータや微分することで角速度を検出するロータリエンコーダ等を採用してもよい。
また変位角を検出する変位角センサを採用したときの連節バス20の乗降扉25の開閉動作の判定について説明する。変位角センサも、乗降扉25の回転する部分に取り付けられる。開閉動作検出部31は、図6に示すように、取得したセンサの出力値の絶対値が所定値以上であるときに、出力値の正負に基づいて乗降扉25が開閉動作を開始したと判定する。変位角センサは、連節バス20の振動等の外乱の影響を受け難い。なお、変位角を検出するセンサとしては、ロータリエンコーダ等を採用してもよい。
また加速度を検出するセンサを採用したときの連節バス20の乗降扉25の開閉動作の判定について説明する。加速度センサは、2個使用する。一方の加速度センサは乗降扉25に設け、他方の加速度センサは乗降扉25ではなく乗降扉25の開閉動作に伴い変位しない部分である固定部に設けられる。これら加速度センサは有線又は無線によって接続され、近くに位置することが望ましい。図13に示すように、開閉動作判定処理において、まず開閉動作検出部31は、固定部に設けられたセンサ31aから出力された出力値Aを取得する(ステップS61)。続いて、開閉動作検出部31は、乗降扉25に設けられたセンサ31aから出力された出力値Bを取得する(ステップS62)。続いて、開閉動作検出部31は、出力値Aと出力値Bとの差の絶対値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS63)。そして、開閉動作検出部31は、出力値Aと出力値Bとの差の絶対値が所定値未満であると判定した場合には(ステップS63:NO)、処理を終了する。一方、開閉動作検出部31は、出力値Aと出力値Bとの差の絶対値が所定値以上であると判定した場合には(ステップS63:YES)、出力値Aと出力値Bとの差の正負に基づいて乗降扉25が開動作又は閉動作を開始したと判定して(ステップS64)、処理を終了する。加速度センサは、低速時でも精度よく乗降扉25の開閉動作を検出することができる。また、加速度センサを2個使用せず、1個のみを使用して、乗降扉25に取り付けて、乗降扉25の開閉動作に伴う加速度を検出してもよい。なお、加速度を検出するセンサとしては、機械的変位測定式、振動方式、光学式、半導体式(静電容量、ピエゾ抵抗、ガス温度分布等)等の検出方法を利用するセンサを採用してもよい。また加速度を検出する軸数は、乗降扉25の開閉動作の検出精度に合わせて選択可能である。また、センサ31aは、加速度を直接検出するものではなく、速度や変位を検出するものでもよい。この場合には速度を1階微分し、変位を2階微分することで加速度を検出する。
また速度を検出するセンサを採用したときの連節バス20の乗降扉25の開閉動作の判定について説明する。開閉動作検出部31は、図6に示すように、取得したセンサの出力値の絶対値が所定値以上であるときに、出力値の正負に基づいて乗降扉25が開閉動作を開始したと判定する。速度センサは、加速度センサと異なり、一定速度であっても乗降扉25の開閉動作を検出することができる。なお、速度を検出するセンサとしては、微分することで速度を検出することができるリニアエンコーダや振動に基づいて検出するドップラ速度計等を採用してもよい。
また変位を検出するセンサを採用したときの連節バス20の乗降扉25の開閉動作の判定について説明する。開閉動作検出部31は、図6に示すように、取得したセンサの出力値の絶対値が所定値以上であるときに、出力値の正負に基づいて乗降扉25が開閉動作を開始したと判定する。変位センサは、振動などの外乱の影響を受け難い。なお、変位を検出するセンサとしては、リニアエンコーダや位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)やTOF(Time−of−Flight)法により変位を検出することができる距離画像センサ等を採用してもよい。
・上記各実施形態では、連節バス20の乗降扉25にグライドスライドドアを採用したが、異なる構造のドアを採用してもよい。例えば、図14(a)及び図14(b)に示すように、連節バス20の乗降扉25として折り戸40を採用してもよい。折り戸40は、左右2枚の扉41a,41bを備え、2枚が折り畳み可能に連結されている。折り戸40は、扉41bを駆動する駆動装置44が車内側に設置され、駆動装置44が扉41aの縁寄りの位置で扉41bと接続されている。そして、開閉動作検出部31及び送信部32を含む送信機30は、扉41bのドア部42に囲まれたガラス部43の車内側ガラス面43aに設置されている。送信機30は、駆動装置44の接続部分の近くである扉41bの縁寄りに設置されている。折り戸40には、角加速度を検出することができるセンサが用いられることが好ましい。
また、図15(a)及び図15(b)に示すように、連節バス20の乗降扉25として引き戸(スライドドア)50を採用してもよい。引き戸50は、連節バス20の乗降口24に対して前後方向にスライドするドアである。引き戸50は、扉51を駆動する駆動装置54が車内側、且つ扉51の上方に設置されている。送信機30は、引き戸50のドア部52に囲まれたガラス部53の車内側ガラス面53aに設置されている。送信機30は、扉51の縁寄りに設置されている。引き戸50には、加速度を検出することができるセンサが用いられることが好ましい。
また、図16(a)及び図16(b)に示すように、連節バス20の乗降扉25としてプラグドア60を採用してもよい。プラグドア60は、締め切った状態で車体外壁と面一になるドアである。プラグドア60は、連節バス20の乗降口24に対して回転しながら前後方向に移動するドアである。プラグドア60は、扉61を駆動する駆動装置64が車内側に設置され、駆動装置64が扉61の鉛直方向における下部の中央の位置で扉61と接続されている。送信機30は、プラグドア60のドア部62に囲まれたガラス部63の車内側ガラス面63aに設置されている。送信機30は、扉61の縁寄りに設置されている。プラグドア60には、加速度を検出することができるセンサが用いられることが好ましい。
また、図17(a)及び図17(b)に示すように、連節バス20の乗降扉25として両折り戸70を採用してもよい。両折り戸70は、左右2枚の扉71a,71bを備え、2枚それぞれが折り畳み可能になっている。両折り戸70は、扉71a,71bを駆動する駆動装置74が車内側にそれぞれ設置され、駆動装置74が扉71a,71bの縁寄りの位置で扉71a,71bとそれぞれ接続されている。そして、開閉動作検出部31及び送信部32を含む送信機30は、扉71aのドア部72に囲まれたガラス部73の車内側ガラス面73aに設置されている。送信機30は、駆動装置74の接続部分の近くである扉71aの縁寄りに設置されている。両折り戸70には、角加速度を検出することができるセンサが用いられることが好ましい。
・上記各実施形態では、開閉動作検出部31及び送信部32を含む送信機30を乗降扉25の車内側ガラス面26a(43a,53a,63a,73a)に設けた。しかしながら、送信部32から開閉動作信号Sの送信が可能である場合には、乗降扉25の車内側ドア面(27a)に送信機30が設けられる構成としてもよい。なお、送信部32は、乗降扉25の車内側ガラス面(26a)近傍の車内側ドア面(27a)に設けられるのが好ましい。
・また、開閉動作検出部31及び送信部32を含む送信機30が雨や風等の影響を受けないように防水処理等が施される場合には、乗降扉25の車外側ガラス面(26b)又は車外側ドア面(27b)に送信機30が設けられる構成としてもよい。このような構成によれば、連節バス20のボディを構成する構造物による通信障害の影響を抑制することができ、送信部32が受信部13との安定した無線通信を行うことが可能となる。
例えば、図18及び図19に示すように、送信機30をグライドスライドである乗降扉25の車外側ドア面27bに設置する。すなわち、乗降扉25のドア部27には、送信機30を収容する収容部29が形成されている。収容部29は、車外側ドア面27b側に開口している。送信機30は、プラスチック等の防水機能を有する材質のケース35によって覆われている。ケース35は、収容部29の内壁に嵌合されて、開口している収容ケース35aと、収容ケース35aの開口部を閉蓋する蓋部35bとを備えている。
・上記各実施形態では、開閉動作検出部31のセンサ31aを乗降扉25のドア面又はガラス面に取り付けるようにしたが、乗降扉25を吊っている吊元や扉の回転軸や駆動装置の変位部分にセンサ31aを取り付けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、開閉動作検出部31及び送信部32が一体となった送信機30を採用したが、開閉動作検出部31と送信部32とが電気的に接続されていれば、乗降扉25に別々に設けられていてもよい。
・上記第2の実施形態では、開動作信号Soとともに車両情報Vを送信部32が送信し、閉動作信号Scを送信部32が送信するときには車両情報Vを送信しないようにした。しかしながら、閉動作信号Scを送信部32が送信するときにも車両情報Vを送信部32が送信するようにしてもよい。
・上記第2の実施形態においては、各開閉扉12に設けられる制御部14が各開閉扉12に設けられる駆動部15を駆動させるようにしたが、いずれか1個の制御部14が各開閉扉12に設けられる駆動部15の駆動を制御するようにしてもよい。
・図8に示した異常対応処理のステップS22において、すでに連節バス20が停車場BSを出発していると判断されるとき(ステップS22:YES)、所定時間が経過することを待たず開閉扉12を閉めるようにしてもよい、すなわちステップS23の処理を省略してもよい。
・同じく異常対応処理のステップS25において、他の制御部14からの検出結果で代用するようにしたが、代用せず、エラーを出力して以降の処理を行わずに、処理を終了してもよい。
・上記各実施形態では、連節バス20が定位置FPに位置しているか否かを検出して制御部14が制御を開始するようにした。これに代えて、例えば開動作信号Soの受信をトリガとして制御部14が制御を開始するようにしてもよい。この場合、図7のステップS13(ステップS19)やステップS17等の処理は割愛される。また、定位置検出部16の構成を省略してもよい。
・上記各実施形態では、開閉動作検出部31と送信部32とが作動するための電力をワイヤレス給電にて取得した。しかしながら、開閉動作検出部31と送信部32とが作動するための電力を電池等の電源から取得してもよい。また、連節バス20の電源に接続して、開閉動作検出部31と送信部32とが作動するための電力を連節バス20の電源から取得してもよい。
・上記各実施形態では、乗降扉25の開位置から閉位置への動き出しと、乗降扉25の閉位置から開位置への動き出しとを乗降扉25の開閉動作として検出した。しかしながら、乗降扉25の開位置から閉位置への変位が所定の位置までと、乗降扉25の閉位置から開位置への変位が所定の位置までとを乗降扉25の開閉動作として検出してもよい。また、乗降扉25の開位置から閉位置まで完全に移動した全閉と、乗降扉25の閉位置から開位置まで完全に移動した全開とを乗降扉25の開閉動作として検出してもよい。このように、乗降扉25の開閉動作の検出タイミングを変更することによって送信部32から送信される開閉動作信号Sのタイミングを異ならせることができるので、これを利用して、停車場BSの開閉扉12の開閉タイミングを利用環境に合わせて変更するようにしてもよい。例えば、連節バス20の乗降扉25の開閉と同時に停車場BSの開閉扉12を開閉させたり、連節バス20の乗降扉25が完全に開閉してから停車場BSの開閉扉12を開閉させたりしてもよい。
・上記各実施形態では、受信部13、制御部14、及び駆動部15を開閉扉12に設けた。しかしながら、受信部13、制御部14、及び駆動部15は、開閉扉12に限らず、ホーム柵10やプラットホームPFに設けてもよい。また、停車場BSやプラットホームPF、ホーム柵10の構造や形状、開閉扉12の開閉機構等に合わせて設置場所は任意に選択可能である。
・上記各実施形態では、開閉扉の制御システムをバス高速輸送システム(BRT)に適用し、車両としても連節バス20に適用するようにしたが、連節バスに限らず、連節していない通常のバスに開閉扉の制御システムを適用してもよい。
・また、開閉扉の制御システムをバス高速輸送システム(BRT)に限らず、一般道を走行する路線バスや高速道路を走行する高速バス等の交通機関に同システムを適用して、各停車場(バス停)に設けられる開閉扉を開閉制御するようにしてもよい。
・また、停車場に停止して乗降扉を有する車両が走行する交通機関であれば、この開閉扉の制御システムを適用することが可能である。例えば、車両が駅(停車場)に停止する鉄道(二条式鉄道)やモノレールに適用してもよい。また自動車やタクシー等の車両が停止する停留所(停車場)に適用してもよい。
BS…停車場、FP…定位置、PF…プラットホーム、R…道路、S…開閉動作信号、Sc…閉動作信号、So…開動作信号、V…車両情報、10…ホーム柵、11…開口部、12…開閉扉、12a…第1開閉扉、12b…第2開閉扉、12c…第3開閉扉、13…受信部、14…制御部、15…駆動部、16…定位置検出部、20…連節バス、21…前側車体、22…後側車体、23…連節部、24…乗降口、24a…第1乗降口、24b…第2乗降口、24c…第3乗降口、25…乗降扉、25a…第1乗降扉、25b…第2乗降扉、25c…第3乗降扉、26…ガラス部、26a…車内側ガラス面、26b…車外側ガラス面、27…ドア部、27a…車内側ドア面、27b…車外側ドア面、28…駆動装置、29…収容部、30…送信機、31…開閉動作検出部、31a…センサ、32…送信部、35…ケース、35a…収容ケース、35b…蓋部、40…折り戸、41a,41b…扉、42…ドア部、43…ガラス部、43a…車内側ガラス面、44…駆動装置、50…引き戸、51…扉、52…ドア部、53…ガラス部、53a…車内側ガラス面、54…駆動装置、60…プラグドア、61…扉、62…ドア部、63…ガラス部、63a…車内側ガラス面、64…駆動装置、70…両折り戸、71a,71b…扉、72…ドア部、73…ガラス部、73a…車内側ガラス面、74…駆動装置。
Claims (14)
- 車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御システムであって、
前記車両の乗降扉に設けられて当該乗降扉の開閉動作を検出する開閉動作検出部と、
前記車両の乗降扉に設けられて前記開閉動作検出部が検出した前記乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信する送信部と、
前記停車場の開閉扉に設けられて前記送信部から送信された前記開閉動作信号を受信する受信部と、
前記停車場の開閉扉に設けられて前記受信部が受信した前記開閉動作信号に応じて当該開閉扉の駆動を制御する制御部と、を備える
開閉扉の制御システム。 - 前記開閉動作検出部は、前記乗降扉の加速度又は角加速度によって前記乗降扉の開閉動作を検出する
請求項1に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記開閉動作検出部は、前記乗降扉の開位置から閉位置への動き出しと、前記乗降扉の閉位置から開位置への動き出しとを前記乗降扉の開閉動作として検出する
請求項1又は2に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記開閉動作検出部は、前記乗降扉の車内側ガラス面又は車内側ドア面に設けられている
請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記送信部は、前記乗降扉の車内側ガラス面又は当該車内側ガラス面近傍の車内側ドア面に設けられている
請求項1〜4のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記送信部は、前記乗降扉の車外側ガラス面又は車外側ドア面に設けられている
請求項1〜4のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記送信部は、前記開閉動作検出部を作動させ、且つ前記開閉動作信号を送信するための電力を前記受信部からワイヤレス給電にて取得する
請求項1〜6のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記開閉動作検出部及び前記送信部は、前記車両の複数ある乗降扉にそれぞれ設けられ、
前記停車場の開閉扉は、前記車両の複数の乗降扉にそれぞれ対応して複数設けられ、
前記制御部及び前記受信部は、前記停車場の複数ある開閉扉にそれぞれ設けられ、
前記制御部の各々は、各開閉扉と対向する各乗降扉に設けられた送信部から送信された開閉動作信号に応じて、それぞれ対となる開閉扉の駆動を制御する
請求項1〜7のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記停車場の開閉扉は、複数設けられ、
前記送信部は、前記車両に関する車両情報を、前記開閉動作信号とともに前記受信部に送信し、
前記制御部は、前記受信部が受信した前記車両情報に基づいて前記駆動する開閉扉を選択する
請求項1〜7のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記停車場に設けられて前記車両が定位置にあるか否かを検出する定位置検出部を備え、
前記制御部は、前記定位置検出部による検出結果と前記送信される開閉動作信号とに基づいて前記開閉扉の駆動を制御する
請求項1〜9のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記制御部は、前記車両が定位置に停止したことを前記定位置検出部が検出した後、前記車両の乗降扉が閉じられることなく前記車両が定位置に停止していないことが前記定位置検出部により検出されると、前記停車場の開閉扉を閉駆動するように制御する
請求項10に記載の開閉扉の制御システム。 - 前記制御部は、前記開閉扉が設置された停車場に関する停車場情報を有し、該停車場情報に基づいて前記開閉扉の駆動を制御する
請求項1〜11のいずれか一項に記載の開閉扉の制御システム。 - 車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御システムに用いられる送信機であって、
前記車両の乗降扉に設けられて前記乗降扉の開閉動作を検出する開閉動作検出部と、
前記乗降扉に設けられて前記開閉動作検出部が検出した前記乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信する送信部と、を備える
送信機。 - 車両が停止する停車場に設けられる開閉扉の制御方法であって、
前記車両の乗降扉に設けられる開閉動作検出部によって前記乗降扉の開閉動作を検出し、
前記車両の乗降扉に設けられる送信部によって前記開閉動作検出部が検出した前記乗降扉の開閉動作に基づく開閉動作信号を送信し、
前記停車場の開閉扉に設けられる受信部によって前記送信部から送信された前記開閉動作信号を受信し、
前記停車場の開閉扉に設けられる制御部によって前記受信部が受信した前記開閉動作信号に応じて当該開閉扉の駆動を制御する
開閉扉の制御方法。
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