JP2018003004A - ポリカーボネートポリオール、及び水性ポリウレタン樹脂分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
その中でも1,6−ヘキサンジオールと1,9−ノナンジオールとからなるポリカーボネートジオールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ポリウレタン樹脂は人工皮革やコーティング剤、弾性繊維などの材料にも用いられるため、前記の特性に加えて、柔軟性や耐光性などの有効な機能や特性を発現するポリカーボネートポリオールが依然として望まれていた。
下記式(A)で示される繰り返し単位と、下記式(B)で示される繰り返し単位とを有するポリカーボネートポリオールであって、
式(A)で示される繰り返し単位と、式(B)で示される繰り返し単位との合計とのモル比が10/90〜90/10であり、
水酸基価が20〜600mgKOH/gであることを特徴とするポリカーボネートポリオールによって解決される。
本発明のポリカーボネートポリオールは、
下記式(A)で示される繰り返し単位と、下記式(B)で示される繰り返し単位とを有するポリカーボネートポリオールであって、
式(A)で示される繰り返し単位と、式(B)で示される繰り返し単位との合計とのモル比が10/90〜90/10であり、
水酸基価が20〜600mgKOH/gであることを特徴とするポリカーボネートポリオールである。
本発明のポリカーボネートポリオールにおける繰り返し単位は、式(A)で示される繰り返し単位と、式(B)で示される繰り返し単位との合計とのモル比が10/90〜90/10であるが、更に好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30、特に好ましくは51/49〜65/35である。
この範囲とすることで、ポリウレタンに誘導化した際に、より高い柔軟性を発揮することができる。
本発明のポリカーボネートポリオールの水酸基価は、20〜600mgKOH/gであるが、好ましくは20〜300mgKOH/g、より好ましくは25〜60mgKOH/g、特に好ましくは25〜50mgKOH/gである。
この範囲とすることで、ポリウレタンに誘導化した際に、より高い伸び性を発揮することができる。
本発明のポリカーボネートポリオールの酸価は、好ましくは0.10mgKOH/g以下、更に好ましくは0.08mgKOH/g以下である。
この範囲とすることで、ウレタン化反応において副生成物の発生を抑制することができる。また、ポリウレタンフィルムとした際の破断点強度がより増す傾向がある。
ポリカーボネートポリオールの末端は、通常はヒドロキシ基であるが、その製造過程において下記式で示されるようなオレフィンとなることがある。
この範囲とすることで、ウレタン化反応を十分に進行させることができる。また、ポリウレタンフィルムとした際の破断点強度がより増す傾向がある。
ポリカーボネートポリオールの末端は、その製造過程において下記式で示されるようなアルコキシ基(例としてメトキシ基を示す)となることがある。
この範囲とすることで、ウレタン化反応を十分に進行させることができる。また、ポリウレタンフィルムとした際の破断点強度がより増す傾向がある。
ポリカーボネートポリオールの末端は、その製造過程において下記式で示されるようなアルコキシカーボネート基(例としてメトキシカーボネート基を示す)となることがある。
この範囲とすることで、ウレタン化反応を十分に進行させることができる。
本発明のポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、目的に応じて適宜調整することができるが、好ましくは200〜6000、更に好ましくは1500〜5000、より好ましくは2100〜4000である。
この範囲とすることで、ポリカーボネートポリオールの取り扱いが容易な液状となるとともに、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンの低温特性が良好となる。また、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンフィルムの伸び性が高くなる。
なお、数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1000×価数)/水酸基価を用いて算出する(この式において、水酸基価の単位は[mgKOH/g]である)。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数である。
式(A)で示される繰り返し単位を構成するポリオールは1,6−ヘキサンジオールであり、式(B)で示される繰り返し単位を構成するポリオールは1,9−ノナンジオールである。
これらのポリオール中には、生成するポリカーボネートポリオールや誘導化されたポリウレタンの機能や特性を損なわない程度において、他のポリオールを少量含んでいてもよい。
本発明のポリカーボネートポリオールの製造方法(以下、「本発明の反応」と称することもある)は特に限定されないが、例えば、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、炭酸エステル及び触媒を混合して、低沸点成分(例えば、副生するアルコールなど)を留去しながら反応させる方法(以下、一段法と称することもある)や、
1,6−ヘキサンジオール及び1,9−ノナンジオールのいずれか一方のポリオール、炭酸エステル及び触媒を混合して、低沸点成分(例えば、副生するアルコールなど)を留去しながら反応させてポリカーボネートオリオール(片方のポリオールのみから合成)を製造し、更に別のポリオールを反応させる方法(以下、二段法と称することもある)
が適用できる。
なお、本発明の反応は、一旦、ポリカーボネートポリオールのプレポリマー(目的とするポリカーボネートポリオールより低分子量)を得た後、更に分子量を上げるために反応させるなど、反応を複数回に分けて行うこともできる。
本発明の反応において使用する炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル;炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、トリメチレンカーボネート)、ブチレンカーボネート(4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラメチレンカーボネート)、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの環状カーボネートが挙げられるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが使用される。
なお、これらの炭酸エステルは、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
この範囲とすることで、十分な反応速度で、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
本発明の反応における反応温度は、炭酸エステルの種類に応じて適宜調整することができるが、好ましくは50〜250℃、更に好ましくは70〜230℃であり、一段法、二段法のいずれを採用する場合も同じである。
また、本発明の反応における反応圧力は、低沸点成分を除去しながら反応させる態様となるような圧力ならば特に制限されず、好ましくは常圧又は減圧下で行われる。
この範囲とすることで、逐次反応や副反応が起こることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
本発明の反応で使用する触媒として、公知のエステル交換触媒を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、コバルト、ゲルマニウム、スズ、セリウムなどの金属、及びそれらの水素化物、水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機金属などが挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキサイドが使用される。
なお、これらの触媒は、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
この範囲とすることで、後処理を煩雑とすることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
なお、当該触媒は、反応開始時に一括で使用しても、反応開始時、及び反応開始後に分割して使用(添加)してもよい。
以上のようにして得られる本発明のポリカーボネートポリオールをポリイソシアネートと反応(以下、「ポリウレタン化反応」と称することもある)させることにより、ポリウレタンを得ることができる。
本発明のポリカーボネートポリオールから誘導されるポリウレタンは、弾性率が低く、破断点伸度が高いといった、良好な柔軟性を有し、かつ耐光性にも優れた、極めて有用な材料である。
前記ポリイソシアネートとしては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが使用される。
なお、これらのポリイソシアネートは、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていてもよい。
ポリウレタン化反応においては、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択できるが、例えば、
水;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;
エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミン
が使用される。
なお、鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
ポリウレタン化反応においては、反応速度を向上させるために公知の重合触媒を用いることができ、例えば、第三級アミン、スズ又はチタンなどの有機金属塩が使用される。
なお、重合触媒については、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁を参照することができる。
ポリウレタン化反応は溶媒の存在下で行うことができ、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、出光興産社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−エトキシエタノールなどのエーテル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類が使用される。
また、ポリウレタンには、目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲の量で熱安定剤、光安定剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤などを存在させることができる。
前記水性ポリウレタン樹脂分散体は、具体的には、例えば、本発明のポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールを、溶媒の存在下、又は非存在下で反応させてウレタンプレポリマーとする工程、前記プレポリマー中の酸性基を中和剤により中和する工程、中和されたプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、水系媒体に分散されたプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる工程を順次行うことによって製造することができる。
なお、各工程では、必要に応じて触媒を使用することで、反応を促進させたり、副生成物を制御することができる。
本発明のポリカーボネートポリオールから誘導される水性ポリウレタン樹脂分散体は、密着性、柔軟性、触感に優れる膜を与えるため、特に人工皮革や合成皮革に適用することができる。また、耐光性にも優れるため、例えば屋外で使用される材料のコーティング等に適している。
前記酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられるが、分散性の点から、好ましくはジメチロールアルカン酸、より好ましくは2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸が使用される。
柔軟性の点からは、12−ヒドロキシステアリン酸などの1個の水酸基と1〜3個のカルボキシ基を含むヒドロキシアルカン酸が使用される。
なお、これらの酸性基含有ポリオールは、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂が水系媒体にポリウレタン樹脂が分散できる量であれば特に制限されない。
前記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類、アンモニアが挙げられるが、好ましくは有機アミン類、更に好ましくは三級アミンが使用される。
なお、これらの中和剤は、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂中の酸性基を中和できる量であれば特に制限されない。
前記水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
前記水系媒体中の前記親水性有機溶媒の量としては、好ましくは0〜20質量%である。
本発明のウレタン化反応においては、分子量を調整するために、低分子ポリオールを存在させることができる。使用できる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
なお、これらの低分子ポリオールは、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
数平均分子量の算出は下記式に基づいて行った。
数平均分子量=(56100×2)/水酸基価
なお、ポリカーボネートポリオールの水酸基価は、JIS K 1557に準拠して、滴定で求めた。ここで、水酸基価の単位は、mgKOH/gである。
また、ポリカーボネートポリオールの酸価は、JIS K 1557に準拠して、滴定で求めた。ここで、酸価の単位は、mgKOH/gである。
ポリカーボネートポリオール1g、エタノール30g及び水酸化カリウム4gを混合し、95〜105℃で1時間攪拌した。
攪拌終了後、塩酸で中和し、生成した塩化カリウムを濾過した後、濾液をエタノールで希釈し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
検出されたポリオール(A)及びポリオール(B)を一点検量線法により定量し、全モノマー成分の合計量を100%として、それぞれの繰り返し単位(モル%)を算出した。
装置;ガスクロマトグラフGC−2010(島津製作所製)
カラム;DB−WAX(米国J&W社製)、膜厚0.25μm、長さ30m
カラム温度;60℃(5分間保持)→250℃(保持)
昇温速度;10℃/分
キャリアーガス;ヘリウム
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
注入量;0.5μL
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジオール551.24g(4.66モル)、1,9−ノナンジオール498.73g(3.11モル)、炭酸ジメチル719.02g(7.98モル、99%以上)及びチタンテトラブトキシド0.096g(0.28ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら95〜185℃で11時間反応させた。
更に、常圧〜減圧(13.3kPa以下)にて、1,6−ヘキサンジオール及び1,9−ノナンジオールを含む成分を留去しながら165〜190℃で10時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(1)を得た。
繰り返し単位(A);54.5モル%
繰り返し単位(B);45.5モル%
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジオール242.21g(2.05モル)、1,9−ノナンジオール268.35g(1.67モル)、炭酸ジメチル342.61g(3.80モル、99%以上)及びチタンテトラブトキシド0.046g(0.14ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら100〜190℃で7時間反応させた。
更に、常圧〜減圧(13.3kPa以下)にて、1,6−ヘキサンジオール及び1,9−ノナンジオールを含む成分を留去しながら165〜200℃で12時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(2)を得た。
繰り返し単位(A);48.4モル%
繰り返し単位(B);51.6モル%
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジオール512.67g(4.34モル)、1,9−ノナンジオール539.11g(3.36モル)、炭酸ジメチル710.21g(7.88モル、99%以上)及びチタンテトラブトキシド0.104g(0.31ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら95〜190℃で8時間反応させた。
更に、常圧〜減圧(13.3kPa以下)にて、1,6−ヘキサンジオール及び1,9−ノナンジオールを含む成分を留去しながら165〜205℃で25時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(3)を得た。
繰り返し単位(A);49.3モル%
繰り返し単位(B);50.7モル%
1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール(3)(宇部興産(株)製、ETERNACOLL(登録商標)UH−200(分子量2000、水酸基価56.1mgKOH/g、酸価0.03mgKOH/g)を準備した。
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、1,9−ノナンジオール2356.05g(14.70モル)、炭酸ジメチル1286.48g(14.28モル、99%以上)及びチタンテトラブトキシド0.21g(0.62ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら95〜190℃で12時間反応させた。
更に、常圧〜減圧(13.3kPa以下)にて、1,9−ノナンジオールを含む成分を留去しながら165〜215℃で23時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(4)を得た。
1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール(5)(宇部興産(株)製、ETERNACOLL(登録商標)UH−300(分子量2907、水酸基価38.6mgKOH/g、酸価0.03mgKOH/g)を準備した。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、実施例1〜2、及び比較例1〜2のポリカーボネートポリオール257gを、2,2−ジメチロールプロピオン酸8.1g、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート88g、12−ヒドロキシステアリン酸34g、ジプロピレングリコールジメチルエーテル157g、及びジブチルスズ(IV)ジラウレート0.3gとそれぞれ混合し、窒素雰囲気下、80〜90℃で5時間反応させた(反応終了時のイソシアネート基含量;1.33質量%)。
得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン17.9gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、531g抜き出し、強く攪拌させた水700gに加えた。
更に、35質量%ジエチレントリアミン水溶液15.1gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、実施例3、及び比較例3のポリカーボネートポリオール260g、2,2−ジメチロールプロピオン酸7.8g、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート74g、12−ヒドロキシステアリン酸34g、ジプロピレングリコールジメチルエーテル118g、及びジブチルスズ(IV)ジラウレート0.3gを混合し、窒素雰囲気下、80〜90℃で5時間反応させた(反応終了時のイソシアネート基含量;1.31質量%)。
得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン17.4gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、471g抜き出し、強く攪拌させた水692gに加えた。
更に、35質量%ジエチレントリアミン水溶液13.2gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
前記水性ポリウレタン樹脂分散体を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥後の膜厚が約80μmになるように均一に塗布した。次いで、室温にて15時間放置後、60℃にて2時間、120℃にて2時間乾燥してポリウレタン樹脂を形成させた。
次いで、PETフィルムからポリウレタン樹脂を剥離し、室温にて10時間養生させることで、ポリウレタン樹脂フィルムを得た。
なお、実施例、及び比較例で得られたポリカーボネートポリオールを用いた水性ポリウレタン樹脂分散体、及び市販のポリカーボネートポリオールを用いた水性ポリウレタン樹脂分散体についても同様な操作を行い、ポリウレタン樹脂フィルムを得た。
JIS K 7113に準じた方法で上記ポリウレタンフィルムの弾性率、破断点伸度、破断点強度を測定した。
ポリウレタンフィルムに下記条件で紫外線を照射した。得られたフィルムの破断点強度をJIS K 7113に準じた方法で測定し、破断点強度の変化を観察した。
使用ランプ;キセノンランプ
放射照度:765W/m2
時間:138時間
放射露光量:380MJ/m2
波長:300〜800nm
ブラックパネル温度:100℃
(結果)
○:破断点強度に変化がなかった。
×:破断点強度の低下が見られた。
それゆえ、本発明のポリカーボネートポリオールを用いた水性ポリウレタン樹脂分散体は、具体的には、人工皮革、合成皮革、塗料、インク、コーティング材、弾性繊維、接着剤、粘着剤などの原料として使用することができる。
Claims (9)
- 水酸基価が25〜60mgKOH/gである、請求項1記載のポリカーボネートポリオール。
- 水酸基価が25〜50mgKOH/gである、請求項1記載のポリカーボネートポリオール。
- 酸価が0.10mgKOH/g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
- 末端オレフィン化率が1.5モル%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
- 末端アルコキシ化率が0.15モル%以下、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
- 末端アルコキシカーボネート化率が0.15モル%以下、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られるポリウレタン。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られる水性ポリウレタン樹脂分散体。
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