JP2019089914A - ポリエステルポリカーボネートポリオール及びそれを用いたポリウレタン - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘度が低く、取り扱い性に優れたポリカーボネートポリオールを提供し、かつポリカーボネートポリオールをポリウレタン樹脂やポリウレタンフィルムに誘導した際に、耐加水分解性、及び耐薬品性を維持したまま、柔軟性、破断点伸度及びガラス転移点の優れたポリエステルポリカーボネートポリオールを提供する。【解決手段】 (A)2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の構造と、(B)ε−カプロラクトン由来の構造とを有するポリエステルポリカーボネートポリオールである。【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なポリエステルポリカーボネートポリオールに関する。ポリエステルポリカーボネートポリオールは、各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリカーボネート樹脂やポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂の原料などとして有用である。また、反応性コーティングの原材料としても広く使用されている。
ポリカーボネートポリオールを原料としたポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂はポリエステルポリオールを原料としたものに比べて耐加水分解性が高く、またポリエーテルポリオールを原料としたものに比べて耐候性が高いという特徴を有しており、樹脂やコーティング材料等の分野において、高い付加価値をもたらしている。
ポリカーボネートポリオールの原料であるポリオールとしては、炭素原子数が4から6の直鎖状のアルキレン基を有するジオールがよく使用されている。
しかしながら、ポリウレタンのソフトセグメントとして、上記ジオールの繰り返し単位を有するポリカーボネートポリオールを用いた場合、このポリウレタンは、耐加水分解性、耐候性、耐酸化劣化性、耐熱性などについては改善されるものの、柔軟性が劣るという欠点を有していた。また、上記ジオールの繰り返し単位を有するポリカーボネートポリオールを使用したポリウレタンは、ソフトセグメント成分が結晶硬化を起こし弾性が損なわれる場合もあった。
これらの問題を解決するため、2−メチル−1,3−プロパンジオールを原料としたポリカーボネートジオールが提案されている。
例えば、酢酸鉛の存在下、2−メチル−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールと炭酸ジメチルとを反応させることにより、ポリカーボネートジオールを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、テトラブトキシチタンの存在下、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールと炭酸ジメチルとを反応させることにより、ポリカーボネートジオールを得る方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)
国際公開第2006/088152号(特許第5068159号公報) 特開2017−39913号公報
しかしながら、前記ポリカーボネートポリオールは、粘度が高く、取り扱いが容易でなく、かつ上記のポリカーボネートジオールをポリウレタン樹脂やポリウレタンフィルムに誘導した際に、ポリウレタン樹脂やポリウレタンフィルムの耐加水分解性、耐薬品性、柔軟性、破断点伸度及びガラス転移点が必ずしも十分とは言えず、ウレタンとした際により高機能を与えるポリカーボネートポリオールが望まれていた。
本発明の課題は、上記問題を解決し、粘度が低く、取り扱い性に優れたポリカーボネートポリオールを提供し、かつポリカーボネートポリオールをポリウレタン樹脂やポリウレタンフィルムに誘導した際に、耐加水分解性、耐薬品性、柔軟性、破断点伸度及びガラス転移点の優れたポリエステルポリカーボネートポリオールを提供するものである。
本発明の課題は、
(A)2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の構造と、
(B)ε−カプロラクトン由来の構造とを有するポリエステルポリカーボネートポリオール、
によって解決される。
本発明により、粘度が低く、取り扱い性に優れ、かつポリウレタン樹脂やポリウレタンフィルムに誘導した際に、耐加水分解性、耐薬品性、柔軟性、破断点伸度及びガラス転移点の優れたポリエステルポリカーボネートポリオールを提供することができる。
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは、
(A)2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の構造と、
(B)ε−カプロラクトン由来の構造とを有するポリエステルポリカーボネートポリオール、
である。
[2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の構造]
2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の構造とは、ポリエステルポリカーボネートポリオール中の結合基以外の2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来する基のことを示す。
[(B)ε−カプロラクトン由来の構造]
ε−カプロラクトン由来の構造とは、ポリエステルポリカーボネートポリオール中の結合基以外のε−カプロラクトン由来の構造のことを示す。
[(A)と(B)の割合]
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは、前記(A)と前記(B)の合計に対して、前記(A)の割合が20〜80モル%であり、前記(B)の割合が80〜20モル%であることが好ましく、前記(A)の割合が25〜75モル%であり、前記(B)の割合が75〜25モル%であることがさらに好ましく、前記(A)の割合が40〜60モル%であり、前記(B)の割合が60〜40モル%であることが特に好ましい。
この範囲とすることで、ポリエステルポリカーボネートポリオールのカーボネート結合の特性を損なうことなく、柔軟性を高めることができる。
[(C)炭素原子数4〜6のアルカンジオール(ただし、(A)を除く。)由来の構造]
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは、(A)および(B)以外に(C)炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造を有してもよい。
炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造とは、ポリエステルポリカーボネートポリオール中の結合基以外の炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造のことを示す。
炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造のアルカンジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1、3−ペンタンジオール(プロピレン基を主鎖とした場合、1−エチル−2−メチルプロパンジオールとも表記される)等が挙げられる。
なお、炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造は、複数種の炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造を有していてもよい。
[(A)と(C)の割合]
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは、前記(A)と前記(C)の合計に対して、前記(A)の割合が好ましくは99.0モル%以上であり、さらに好ましくは99.2モル%以上である。
さらに、前記(A)と前記(C)の合計に対して、前記(A)の割合が99.0〜99.8モル%であり、前記(C)の割合が1.0〜0.2モル%であることが好ましく、前記(A)の割合が99.2〜99.8モル%であり、前記(C)の割合が0.8〜0.2モル%であることが特に好ましい。
この範囲とすることで、ポリエステルポリカーボネートポリオールの柔軟性を高めることができる。
[ポリエステルポリカーボネートポリオール]
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールの製造方法は特に限定されないが、例えば、(A)2−メチル−1,3−プロパンジオールと、(B)ε−カプロラクトンとを、エステル交換触媒存在下でエステル交換させる工程を含むことが好ましい。
なお、本製造方法は、一旦、エステルを含まないポリカーボネートポリオールを製造し、更にε−カプロラクトンとを反応させるなど、反応を複数回に分けて行うこともできる。
(炭酸エステル)
本発明の反応において使用する炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル;炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、トリメチレンカーボネート)、ブチレンカーボネート(4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラメチレンカーボネート)、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの環状カーボネートが挙げられるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが使用される。
なお、これらの炭酸エステルは、複数種を併用してもよい。
(反応温度、及び反応圧力)
本発明の反応における反応温度は、炭酸エステルの種類に応じて適宜調整することができるが、好ましくは50〜250℃、更に好ましくは70〜230℃である。
また、本発明の反応における反応圧力は、低沸点成分を除去しながら反応させる態様となるような圧力ならば特に制限されず、好ましくは常圧又は減圧下で行われる。
この範囲とすることで、逐次反応や副反応が起こることなく、効率良く目的とするポリエステルポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(触媒)
本発明の反応で使用する触媒として、公知のエステル交換触媒を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、コバルト、ゲルマニウム、スズ、セリウムなどの金属、及びそれらの水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機金属などが挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキサイドが使用される。
なお、これらの触媒は、複数種を併用してもよい
前記触媒の使用量は、ポリオール1モルに対して、好ましくは0.001〜0.1ミリモル、更に好ましくは0.005〜0.05ミリモル、より好ましくは0.01〜0.03ミリモルである。
この範囲とすることで、後処理を煩雑とすることなく、効率良く目的とするポリエステルポリカーボネートポリオールを得ることができる。
なお、当該触媒は、反応開始時に一括で使用しても、反応開始時、及び反応開始後に2回以上分割して使用(添加)してもよい。
[ポリウレタン]
以上のようにして得られる本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールをポリイソシアネートと反応(以下、「ポリウレタン化反応」と称することもある)させることにより、ポリウレタンを得ることができる。
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールから誘導されるポリウレタンは、耐加水分解性及び耐薬品性を有しており、かつ、弾性率やガラス転移点が低くて柔軟性があり、破断点伸度が高い極めて有用な材料である。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが使用される。
なお、これらのポリイソシアネートは、複数種を併用してもよく、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化などにより誘導体化されていてもよい。
ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリエステルポリカーボネートポリオールの水酸基とのモル比(イソシアネート基/水酸基(モル))により設計することができ、好ましくは当該モル比が0.8〜1.5、更に好ましくは0.9〜1.3となる量である。
(鎖延長剤)
ポリウレタン化反応においては、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、
水;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;
エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミン
が使用される。
なお、鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
(ウレタン化触媒)
ポリウレタン化反応においては、反応速度を向上させるために公知の重合触媒を用いることができ、例えば、第三級アミン、又はスズ若しくはチタンなどの有機金属塩が使用される。
なお、重合触媒については、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁を参照することができる。
(溶媒)
ポリウレタン化反応は溶媒の存在下で行うことができ、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−エトキシエタノールなどのエーテル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類が使用される。
ポリウレタン化反応は、分子量を調整するために末端停止剤を添加して行うことができる。
また、ポリウレタンには、目的に応じて、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤などを存在させることができる。
得られたポリウレタンは、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、熱可塑性ポリウレタン、溶剤系ポリウレタン溶液、水性ポリウレタン樹脂分散体などとすることができる。また、これらを使って、人工皮革や合成皮革、断熱材、クッション材、接着剤、塗料、コーティング剤、フィルム等の成形体などに加工することができる。
[水性ポリウレタン樹脂分散体]
水性ポリウレタン樹脂分散体は、具体的には、例えば、本発明のポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールを、溶媒の存在下、又は非存在下で反応させてウレタンプレポリマーとする工程、前記プレポリマー中の酸性基を中和剤により中和する工程、中和されたプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、水系媒体に分散されたプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる工程を順次行うことによって製造することができる。
なお、各工程では、必要に応じて触媒を使用することで、反応を促進させたり、副生成物の量を制御することができる。
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールから誘導される水性ポリウレタン樹脂分散体は、密着性、柔軟性、触感に優れる膜を与えるため、特に人工皮革や合成皮革に適用することができる。
ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、溶媒、及び鎖延長剤は、先に記載したものを用いることができる。
(酸性基含有ポリオール)
水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する場合には、水系媒体へ分散させるために酸性基含有ポリオールを使用することができる。そのため、前記ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール(ポリエステルポリカーボネートポリオール、後述する酸性基含有ポリオール、及び後述する低分子ポリオールなどの全てのポリオール)の合計水酸基とのモル比(イソシアネート基/水酸基(モル))により設計することができ、好ましくは当該モル比が0.8〜2.0、更に好ましくは0.9〜1.8となる量である。
前記酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸などが挙げられるが、好ましくはジメチロールアルカン酸、より好ましくは2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸が使用される。
なお、これらの酸性基含有ポリオールは、複数種を併用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂が水系媒体に分散できる量であれば特に制限されない。
(中和剤)
前記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類、アンモニアが挙げられるが、好ましくは有機アミン類、更に好ましくは三級アミンが使用される。
なお、これらの中和剤は、複数種を併用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂中の酸性基を中和できる量であれば特に制限されない。
(水系媒体)
前記水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;出光興産社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAP)などの水酸基含有三級アミンが挙げられる。
前記水系媒体中の前記親水性有機溶媒の量としては、好ましくは0〜20質量%である。
(低分子ポリオール)
本発明のウレタン化反応においては、分子量を調整するために、低分子ポリオールを存在させることができる。使用できる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
なお、これらの低分子ポリオールは、複数種を併用してもよい。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
物性の測定は下記のように行った。
(数平均分子量)
数平均分子量の算出は下記式に基づいて行った。
数平均分子量=(56100×2)/水酸基価
なお、ポリカーボネートポリオールの水酸基価は、JIS K 1557に準拠して、滴定で求めた。ここで、水酸基価の単位は、mgKOH/gである。
(粘度)
E型粘度計(BROOKFIELD製DV−II+Pro、コーン:CPE−52)を用いて、75℃でポリカーボネートポリオールの粘度を測定した。
(ガラス転移温度)
厚さ約0.08mmのポリウレタンフィルムを3mm×20mmに切り取り、固体粘弾性アナライザー(ティー・エイ・インスツルメント製、RSA−G2)を用いて、引っ張りモード、昇温速度3℃/分、温度範囲−100〜150℃、周波数1Hz、窒素気流中で動的粘弾性測定を行い、tanδピーク温度をガラス転移温度とした。
(弾性率、破断点伸度)
厚さ約0.08mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを20mm×5mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて5日養生したものを評価サンプルとした。
当該サンプルを23℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間20mm、引張速度100mm/分で引っ張り、弾性率(MPa)及び破断点伸度(%)を測定した。
(耐加水分解性、耐薬品性)
前記ポリウレタンフィルムに、水(イオン交換水)、5%硫酸、5%水酸化ナトリウム水溶液をしみこませた脱脂綿を置いて室温で24時間静置し、ウェスでふき取った後のフィルムの状態を、下記の基準で目視により評価した。
◎;変化なし
○;微小なしわや若干変色あり
△;しわ多数あり
×;しわ及び膨れあり
(実施例1;ポリエステルポリカーボネートポリオールの合成)
攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオールと炭酸ジメチルから製造されたポリカーボネートポリオール183.9g(0.094モル)、2−メチル−1,3−プロパンジオール9.0g(0.10モル)、ε−カプロラクトン194.5g(1.70モル)を混合し、13kPaの減圧下、150℃で4時間、さらに27kPaの減圧下、180℃で4時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリエステルポリカーボネートポリオール(分子量:1955)を得た。
(実施例2;ポリウレタンの合成)
実施例1で合成したポリエステルポリカーボネートポリオール51.1g、1,4−ブタンジオール4.7g、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート21.9g(イソシアネート基/水酸基=1/1(モル比)なるように調整)、固形分30%となるようにN−エチルピロリドンで希釈し、75〜85℃で4時間反応させポリウレタンのN−エチルピロリドン溶液を得た。
得られたポリウレタンの溶液をガラス板上に塗布し、70℃で3時間乾燥させた後、さらに120℃で3時間乾燥させてポリウレタンフィルムを得た。
(比較例1;ポリカーボネートポリオールの合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール817.0g(9.07モル)、炭酸ジメチル855.7g(9.50モル)及び水酸化リチウム0.004g(0.17ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(分子量:2033)を得た。
(比較例2;ポリウレタンの合成)
比較例1で合成したポリカーボネートポリオールを用いた以外は実施例2と同様の方法により、ポリウレタンフィルムを得た。
実施例1より、本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは粘度が低く、取り扱いが容易であることが分かる。
また、実施例2より、本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールから誘導されるポリウレタンフィルムは、耐加水分解性及び耐薬品性を有しており、弾性率やガラス転移点が低く、破断点伸度が高いことから、柔軟性に優れていることが分かる。
本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは、ポリウレタンとしたときに耐加水分解性及び耐薬品性を有しており、弾性率やガラス転移点が低く、破断点伸度が高く、柔軟性に優れている。よって、本発明のポリエステルポリカーボネートポリオールは、シートや皮革のコーティングに用いられる各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。

Claims (7)

  1. (A)2−メチル−1,3−プロパンジオール由来の構造と、(B)ε−カプロラクトン由来の構造とを有するポリエステルポリカーボネートポリオール。
  2. 前記(A)と前記(B)の合計に対して、
    (A)の割合が20〜80モル%であり、
    (B)の割合が80〜20モル%である
    請求項1に記載のポリエステルポリカーボネートポリオール。
  3. (C)炭素原子数4〜6のアルカンジオール由来の構造(ただし、(A)を除く)を有する請求項1又は2に記載のポリエステルポリカーボネートポリオール。
  4. 前記(A)と前記(C)の合計に対して、
    (A)の割合が99.0〜99.8モル%であり、
    (C)の割合が1.0〜0.2モル%である
    請求項3に記載のポリエステルポリカーボネートポリオール。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステルポリカーボネートポリオールを用いてなるポリウレタン。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステルポリカーボネートポリオールを用いてなる水性ポリウレタン樹脂分散体。
  7. (A)2−メチル−1,3−プロパンジオールと、(B)ε−カプロラクトンとを、エステル交換触媒存在下でエステル交換させる工程を含む請求項1〜4に記載のいずれか1項に記載のポリエステルポリカーボネートポリオールの製造方法。
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WO2023080134A1 (ja) * 2021-11-04 2023-05-11 旭化成株式会社 ポリエステルポリカーボネートポリオール

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