JP2019089916A - ポリオール相溶液及びそれを用いたポリウレタン - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が低く、取り扱い性に優れ、さらに、ポリウレタン製造時の反応液の均一性および操作性に優れたポリオール相溶液を提供する。【解決手段】(a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールと、(b)ポリエーテルポリオールおよび/または(c)ポリエステルポリオールとを含むポリオール相溶液であって、前記(a)と[前記(b)および/または前記(c)]の質量比が、(a)/〔(b)および/または(c)〕=10/90〜90/10である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとの相溶液に関する。ポリオール相溶液は、各種ポリウレタン樹脂の原料として有用である。
ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとを含むポリオール組成物は、ポリウレタン樹脂の原料等として有用である。
しかしながら、ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとは、通常、相分離が起こりやすい。そこで、ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとを含むポリオール組成物は、通常、使用前に攪拌・混合し、強制的に混合された状態で用いられる。しかしながら、攪拌・混合が不十分であると、製品の物性が低下する原因となり、このような攪拌・混合を行うことは、工業的にも煩雑である。
そのため、ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとの相分離が起こりにくいポリオール組成物が求められている。
これらの問題を解決するために、相分離が起こりにくい、ポリウレタン樹脂の原料として使用可能なポリオール組成物が提案されている。
例えば、相溶化剤としてトリメチロールプロパン等を含有するポリエステルポリオールと、ポリエーテルポリオールとのポリオール組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−202762
しかしながら、特許文献1のポリオール組成物においては、相分離を起こりにくくするために、相溶化剤を使用する必要があった。
さらに、ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとの組成物に関する記載はなかった。
本発明の課題は、すなわち、上記問題を解決し、粘度が低く、取り扱い性に優れ、さらに、ポリウレタン製造時の反応液の均一性および操作性に優れたポリオール相溶液を提供することにある。
本発明の課題は、(a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールと、
(b)ポリエーテルポリオールおよび/または(c)ポリエステルポリオールとを含むポリオール相溶液、
によって解決される。
本発明により、粘度が低く、取り扱い性に優れ、さらに、ポリウレタン製造時の反応液の均一性および操作性に優れたポリオール相溶液を提供することができる。
本発明のポリオール相溶液は、
(a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールと、
(b)ポリエーテルポリオールおよび/または(c)ポリエステルポリオールとを含むポリオール相溶液、
である。
[(a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオール]
本発明のポリカーボネートポリオールは、少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を含む。
炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造とは、炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオールから2つの活性水素を除いた部分構造をいう。
(炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール)
炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリオールとしては、例えば、直鎖状脂肪族ポリオール;1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等、
分岐状脂肪族ポリオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール等、
脂環式構造を有する脂肪族ポリオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール等が挙げられるが、好ましくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、より好ましくは1,5−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、2−メチルー1,3−プロパンジオールである。
(a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオール(以下、本発明のポリカーボネートポリオールあるいは、ポリカーボネートポリオールとも記載されることがある)は上記に記載の炭素原子数3〜10の複数種の脂肪族ポリオール由来の構造を、複数種有していてもよい。
(その他のポリオール)
(a)本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリカーボネートポリオールの機能や特性を損なわない範囲において、カーボネート結合以外の結合を有してもよい。そのような結合としては、例えば、エステル結合やエーテル結合などのが挙げられるが、これらに限定されない。
エステル結合をポリカーボネートポリオールに導入するポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリプロピレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリペンチレンアジペートジオール、ポリヘキシレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
エーテル結合をポリカーボネートポリオールに導入するポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキル側鎖を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリピロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれら2種以上の共重合体;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体又はエチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられるが、これらに限定されない。
(ポリカーボネートポリオールの製造方法)
ポリカーボネートポリオールの製造方法は、特に限定されないが、例えば、炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオールと、炭酸エステル及び触媒を混合して、低沸点成分(例えば、副生するアルコールなど)を留去しながら、反応させるなどの方法によって好適に行われる。
なお、本反応は、一旦、ポリカーボネートポリオールのプレポリマー(目的とするポリカーボネートポリオールより低分子量)を得た後、更に分子量を上げるためにプレポリマーを反応させるなど、反応を複数回に分けて行うこともできる。
(炭酸エステル)
ポリカーボネートポリオールの製造において使用する炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル;炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、トリメチレンカーボネート)、ブチレンカーボネート(4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラメチレンカーボネート)、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの環状カーボネートが挙げられるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが使用される。
なお、これらの炭酸エステルは、複数種を併用してもよい。
(反応温度、及び反応圧力)
ポリカーボネートポリオールの製造における反応温度は、炭酸エステルの種類に応じて適宜調整することができるが、好ましくは50〜250℃、更に好ましくは70〜230℃である。
また、反応における反応圧力は、低沸点成分を除去しながら反応させる態様となるような圧力ならば特に制限されず、好ましくは常圧又は減圧下で行われる。
この範囲とすることで、逐次反応や副反応が起こることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(触媒)
ポリカーボネートポリオールの製造において使用する触媒としては、公知のエステル交換触媒を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、コバルト、ゲルマニウム、スズ、セリウムなどの金属、及びそれらの水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機金属などが挙げられるが、好ましくは水酸化リチウム、水素化ナトリウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキサイドが使用される。
なお、これらの触媒は、複数種を併用してもよい
前記触媒の使用量は、ポリオール1モルに対して、好ましくは0.001〜0.1ミリモル、更に好ましくは0.005〜0.05ミリモル、より好ましくは0.01〜0.03ミリモルである。
この範囲とすることで、後処理を煩雑とすることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
なお、当該触媒は、反応開始時に一括で使用しても、反応開始時、及び反応開始後に2回以上分割して使用(添加)してもよい。
[(b)ポリエーテルポリオール]
ポリエーテルポリオールは、分子中にエーテル結合を有するポリオールであれば特に限定されず、ポリエーテルポリオールの機能や特性を損なわない範囲において、カーボネート結合及び/又はエステル結合を含有していてもよい。ポリエーテルポリオールは、例えば、環状エーテルの開環重合やエポキシ化合物の開環重合により得られる、アルキレン基がエーテル結合したものであることが好ましい。
ポリエーテルポリオールの主鎖の炭素数は、特に限定されないが、入手容易性の観点から主鎖の炭素数は2〜4であることが好ましい。ポリウレタンの吸水による耐水性低下を抑制する観点から酸素原子の含有量は少ない方が望ましく、主鎖の炭素数は3〜4であることが好ましく、主鎖の炭素数は4であることが特に好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキル側鎖を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリピロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれら2種以上の共重合体;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体又はエチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられ、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキル側鎖を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれら2種以上の共重合体等が好ましい。
[(c)ポリエステルポリオール]
ポリエステルポリオールは、分子中にエステル結合を有するポリオールであれば特に限定されず、ポリエステルポリオールの機能や特性を損なわない範囲において、カーボネート結合及び/又はエーテル結合を含有していてもよい。
ポリエステルポリオールは、例えば、カルボン酸と多価アルコールとの縮合により得られるポリエステルポリオール、カルボン酸エステルと多価アルコールとの縮合により得られるポリエステルポリオール、カルボン酸とカルボン酸エステルとの混合物と多価アルコールとの縮合により得られるポリエステルポリオール、環状エステルを開環重合して得られるポリエステルポリオール、多価アルコールにヒドロキシカルボン酸を縮合して得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリプロピレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリペンチレンアジペートジオール、ポリヘキシレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−γ−ブチロラクトンジオール、ポリ−δ-バレロラクトンジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等が挙げられるが、好ましくはポリプロピレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリペンチレンアジペートジオール、ポリヘキシレンアジペートジオール、ポリ−γ−ブチロラクトンジオール、ポリ−δ-バレロラクトンジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオールであり、さらに好ましくはポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキシレンアジペートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオールである。
[ポリオール相溶液]
ポリオール相溶液とは、(a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールと、(b)ポリエーテルポリオールおよび/または(c)ポリエステルポリオールとを含む溶液であり、溶液が2層以上に分離していないものをいう。また、ポリウレタン製造時の反応液の均一性を損なわない範囲で、白濁および/または沈殿物があってもよい。
[ポリオール相溶液の製造方法]
(混合方法)
ポリカーボネートポリオールとポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを混合する方法としては、特に制限されないが、例えばホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されているポリカーボネートポリオール中にポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを添加する方法や、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されているポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール中にポリカーボネートポリオールを添加する方法などを適宜採用できる。
これらの混合は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、大気雰囲気下で行ってもよい。
(加熱方法・加熱温度・加熱時間)
混合時にはポリカーボネートポリオール等を加熱してもよく、加熱方法は特に制限されないが、例えば、混合前にそれぞれを加熱して混合する方法や、常温で混合し、混合後に加熱する方法などを適宜採用できる。
混合時の加熱温度や加熱時間は、例えば40℃〜80℃の範囲で、10分〜2時間加熱する方法が挙げられるが、これらに限定されない。
(混合の割合)
(a)と、[(b)および/または(c)]とを任意の質量比で混合することができるが、好ましくは(a)/[(b)および/または(c)]=10/90〜90/10であり、より好ましく20/80〜80/20であり、さらに好ましくは40/60〜60/40である。
この範囲とすることで、相溶性を高めることができる。
[ポリウレタン]
以上のようにして得られる本発明のポリオール相溶液をポリイソシアネートと反応(以下、「ポリウレタン化反応」と称することもある)させることにより、ポリウレタンを得ることができる。
本発明のポリオール相溶液は、ポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとの均一性が非常に高く、2種類以上のポリオールを均一化するための攪拌・混合の工程が不要であるため、ポリウレタン製造時の操作性に優れている。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが使用される。
なお、これらのポリイソシアネートは、複数種を併用してもよく、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化などにより誘導体化されていてもよい。
ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリオールの水酸基とのモル比(イソシアネート基/水酸基(モル))により設計することができ、好ましくは該モル比が0.8〜1.5、更に好ましくは0.9〜1.3となる量である。
(鎖延長剤)
ポリウレタン化反応においては、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、
水;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;
エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミン
が使用される。
なお、鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
(ウレタン化触媒)
ポリウレタン化反応においては、反応速度を向上させるために公知の重合触媒を用いることができ、例えば、第三級アミン、又はスズ若しくはチタンなどの有機金属塩が使用される。
なお、重合触媒については、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁を参照することができる。
(溶媒)
ポリウレタン化反応は溶媒の存在下で行うことができ、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−エトキシエタノールなどのエーテル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類が使用される。
ポリウレタン化反応は、分子量を調整するために末端停止剤を添加して行うことができる。
また、ポリウレタンには、目的に応じて、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤などを存在させることができる。
得られたポリウレタンは、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、熱可塑性ポリウレタン、溶剤系ポリウレタン溶液、水性ポリウレタン樹脂分散体などとすることができる。また、これらを使って、人工皮革や合成皮革、断熱材、クッション材、接着剤、塗料、コーティング剤、フィルム等の成形体などに加工することができる。
[水性ポリウレタン樹脂分散体]
水性ポリウレタン樹脂分散体は、具体的には、例えば、本発明のポリオール相溶液、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールを、溶媒の存在下、又は非存在下で反応させてウレタンプレポリマーとする工程、前記プレポリマー中の酸性基を中和剤により中和する工程、中和されたプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、水系媒体に分散されたプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる工程を順次行うことによって製造することができる。
なお、各工程では、必要に応じて触媒を使用することで、反応を促進させたり、副生成物の量を制御することができる。
ポリオール相溶液、ポリイソシアネート、溶媒、及び鎖延長剤は、先に記載したものを用いることができる。
(酸性基含有ポリオール)
水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する場合には、水系媒体へ分散させるために酸性基含有ポリオールを使用することができる。そのため、前記ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール(ポリオール相溶液、後述する酸性基含有ポリオール、及び後述する低分子ポリオールなどの全てのポリオール)の合計水酸基とのモル比(イソシアネート基/水酸基(モル))により設計することができ、好ましくは当該モル比が0.8〜2.0、更に好ましくは0.9〜1.8となる量である。
前記酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸などが挙げられるが、好ましくはジメチロールアルカン酸、より好ましくは2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸が使用される。
なお、これらの酸性基含有ポリオールは、複数種を併用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂が水系媒体に分散できる量であれば特に制限されない。
(中和剤)
前記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類、アンモニアが挙げられるが、好ましくは有機アミン類、更に好ましくは三級アミンが使用される。
なお、これらの中和剤は、複数種を併用してもよく、その使用量はポリウレタン樹脂中の酸性基を中和できる量であれば特に制限されない。
(水系媒体)
前記水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;出光興産社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAP)などの水酸基含有三級アミンが挙げられる。
前記水系媒体中の前記親水性有機溶媒の量としては、好ましくは0〜20質量%である。
(低分子ポリオール)
ウレタン化反応においては、分子量を調整するために、低分子ポリオールを存在させることができる。使用できる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
なお、これらの低分子ポリオールは、複数種を併用してもよい。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(粘度)
E型粘度計(BROOKFIELD製DV−II+Pro、コーン:CPE−52)を用いて、75℃でポリオールの粘度を測定した。
また、略号及び略記は、以下の通りである。
UH−200:1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルから製造されたポリカーボネートポリオール(宇部興産社製、数平均分子量:約2000)
PH−200:1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオールと炭酸ジメチルから製造されたポリカーボネートポリオール(宇部興産社製、数平均分子量:約2000)
UHC50−200:1,6−ヘキサンジオール、ε−カプロラクトンと炭酸ジメチルから製造されたポリカーボネートポリオール(宇部興産社製、数平均分子量:約2000)
PTMG:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱ケミカル社製、数平均分子量:約2000)
HS2H−201AP:1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸から製造されたポリエステルポリオール(豊国製油製、数平均分子量:約2000)
HOKOKUOL HT−210:1,4−ブタンジオールとアジピン酸から製造されたポリエステルポリオール(豊国製油製、数平均分子量:約2000)
PCL:ポリ−ε−カプロラクトンジオール(ポリサイエンス社製、数平均分子量:約2000)
(合成例1;ポリカーボネートポリオール(1)の合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール425.5g(4.72モル)、炭酸ジメチル445.6g(4.95モル)及び水酸化リチウム0.003g(0.13ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(0.1〜6.7kPa)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む成分を留去しながら150〜170℃で8時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(分子量:1951)を得た。
(実施例;ポリオール相溶液の製造)
合成例1で合成したポリカーボネートポリオール(1)10.5gと、PTMG10.5gとを混合し、混合後に80℃で2時間加熱した。
さらに、表2に示すポリカーボネートポリオールと、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールとを同様の割合(重量比1:1)で混合し、40℃〜80℃で2時間加熱した。
(ポリオール相溶性の評価)
ポリオール相溶性の評価は、目視で行った。評価基準は下記の通りとした。
2層以上に分離せずに、白濁がなく沈殿物もない場合;「◎」
2層以上に分離していないが、白濁および/または沈殿物がある場合;「○」
表1、表2の結果より、(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)ポリエーテルポリオールまたは(c)ポリエステルポリオールとを含むポリオール相溶液を製造できることが分かる。
本発明のポリオール相溶液は、表3の結果より、ポリカーボネートポリオールと比較し、粘度が低く、取り扱い性に優れ、さらに、ポリウレタン製造時の反応液の均一性および操作性に優れている。
本発明のポリオール相溶液は、各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。

Claims (6)

  1. (a)少なくとも炭素原子数3〜10の脂肪族ポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールと、(b)ポリエーテルポリオールおよび/または(c)ポリエステルポリオールとを含む、ポリオール相溶液。
  2. 前記(a)と[前記(b)および/または前記(c)]の質量比が、
    (a)/[(b)および/または(c)]=10/90〜90/10である、ポリオール相溶液。
  3. 請求項1又は2に記載のポリオール相溶液を用いてなる、ポリウレタン。
  4. 請求項1又は2に記載のポリオール相溶液を用いてなる、水性ポリウレタン樹脂分散体。
  5. 前記(a)と、前記(b)および/または前記(c)とを混合する工程と、混合物を加熱する工程を含む、請求項1又は2に記載のポリオール相溶液の製造方法。
  6. 少なくとも前記(a)と、前記(b)および/または前記(c)のいずれかを加熱する工程と、前記(a)と、前記(b)および/または前記(c)とを混合する工程を含む、請求項1又は2に記載のポリオール相溶液の製造方法。
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