JP2018000397A - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】飛距離性能に優れたゴルフクラブの提供。【解決手段】ゴルフクラブ2は、チップ端Tp及びバット端Btを備えたシャフト6と、ヘッド4と、グリップ8とを備えている。シャフト6は、複数の炭素繊維強化層を有している。前記層は、ストレート層と、バイアス層と、フープ層とを有している。前記フープ層の重量がWFとされ、シャフト重量がWSとされるとき、WF/WSが0.18以上である。前記シャフト重量WSは、42g以下である。シャフト6において、バット端Btから200mmの地点がP1とされ、この地点P1からバット端Btまでの領域が特定バット領域Rbとされる。特定バット領域Rbにおける前記フープ層の重量がWFbとされ、特定バット領域Rbにおけるシャフト重量がWSbとされる。好ましくは、WFb/WSbが0.30以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、ゴルフクラブに関する。
重心の位置が考慮されたゴルフクラブシャフトが提案されている。特開2012−239574号公報は、シャフト重心率が0.52以上0.65以下であるシャフトを開示する。また、曲げ剛性の分布が考慮されたゴルフクラブシャフトが提案されている。特許第5824594号は、EI分布のグラフが特定の形状を有するシャフトを開示する。
特開2012−239574号公報 特許第5824594号公報
前記従来技術は、ヘッドスピードを向上させるのに有効である。一方、ゴルファーの要求は、益々エスカレートしている。
シャフトの軽量化は、ヘッドスピードの向上において有効な手段である。しかし、この軽量化により、材料の使用量が減少するため、設計自由度は低下する。強度を確保しつつ、ヘッドスピードを高めるための最適な設計を行うのは、容易ではない。
本発明の目的は、ヘッドスピードを高めうる特性を有するシャフトを有しており、飛距離性能に優れたゴルフクラブの提供にある。
好ましいゴルフクラブは、チップ端及びバット端を有するシャフトと、ヘッドと、グリップとを備えている。前記シャフトは、複数の炭素繊維強化層を有している。前記層が、ストレート層と、バイアス層と、フープ層とを有している。前記フープ層の重量がWFとされ、シャフト重量がWSとされるとき、WF/WSが0.18以上である。前記シャフト重量WSが、42g以下である。
前記シャフトにおいて、前記バット端から200mmの地点がP1とされ、この地点P1から前記バット端までの領域が特定バット領域とされ、前記特定バット領域における前記フープ層の重量がWFbとされ、前記特定バット領域におけるシャフト重量がWSbとされる。好ましくは、WFb/WSbが0.30以上である。
好ましくは、前記特定バット領域が、3プライ以上の前記フープ層を含む。
好ましくは、前記地点P1における前記シャフトの内径が、14.0mm以上である。
前記ストレート層の重量がWTとされる。好ましくは、WF/WTが0.25以上である。
前記シャフトにおいて、前記チップ端から830mmの地点におけるEI値がE8とされ、前記チップ端から930mmの地点におけるEI値がE9とされ、前記チップ端から1030mmの地点におけるEI値がE10とされる。本願では、x軸がチップ端から測定点までの距離(mm)であり且つy軸が前記EI値(kgf・m)であるxy座標平面に前記3つのEI値をプロットしたグラフが考慮される。このグラフにおいて、これら3つの点を最小二乗法で一次式に近似したときの、当該一次式の傾きがM3とされる。好ましくは、傾きM3が0.0100以下である。
前記シャフトにおいて、前記チップ端から1030mmの地点におけるEI値がE10とされる。好ましくは、前記E10が5.0(kgf・m)以下である。
前記シャフトのチップ端からシャフト重心までの距離がLgとされ、前記シャフトの長さがLsとされる。好ましくは、Lg/Lsが0.50以上である。
飛距離性能に優れたゴルフクラブが得られうる。
図1は、第1実施形態のシャフトを備えたゴルフクラブを示す。 図2は、第1実施形態(及び実施例1)のシャフトの展開図である。 図3は、第2実施形態(及び実施例2)のシャフトの展開図である。 図4は、第3実施形態(及び実施例3)のシャフトの展開図である。 図5は、参考例1(及び比較例1)のシャフトの展開図である。 図6は、参考例2(及び比較例2)のシャフトの展開図である。 図7は、EI値の測定方法を説明するための概略図である。 図8は、実施例1のE1からE10がプロットされたグラフである。 図9は、3点曲げ強度の測定方法を示す概略図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお本願では、「層」という文言と、「シート」という文言とが用いられる。「層」は、巻回された後における称呼であり、これに対して「シート」は、巻回される前における称呼である。「層」は、「シート」が巻回されることによって形成される。即ち、巻回された「シート」が、「層」を形成する。
本願において軸方向とは、シャフトの軸方向を意味する。本願において周方向とは、シャフトの周方向を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブ2を示す。ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、シャフト6と、グリップ8とを備えている。シャフト6のチップ部分に、ヘッド4が設けられている。シャフト6のバット部分に、グリップ8が設けられている。シャフト6は、ウッド用シャフトである。
なおヘッド4及びグリップ8は限定されない。ヘッド4として、ウッド型ゴルフクラブヘッド、アイアン型ゴルフクラブヘッド、パターヘッド等が例示される。本実施形態に係るヘッド4は、ウッド型ゴルフクラブヘッドである。
シャフト6は、複数の繊維強化樹脂層により形成されている。シャフト6は、管状体である。図示されないが、シャフト6は中空構造を有する。図1が示すように、シャフト6は、チップ端Tpとバット端Btとを有する。ゴルフクラブ2において、チップ端Tpは、ヘッド4の内部に位置している。ゴルフクラブ2において、バット端Btは、グリップ8の内部に位置している。
図1において両矢印Lgで示されるのは、チップ端Tpからシャフト重心Gまでの距離である。この距離Lgは、軸方向に沿って測定される。図1において両矢印Lsで示されるのは、シャフト6の長さである。
本願において、Lg/Lsは、シャフト重心率とも称される。シャフト重心率が大きくされることで、ヘッド重量を増加させても、振りやすさが確保される。よって、ヘッドスピードが向上し、飛距離が増大しうる。この観点から、Lg/Lsは、0.50以上が好ましく、0.51がより好ましく、0.52以上がより好ましい。先端部の強度を考慮すると、Lg/Lsは、0.61以下が好ましく、0.60以下がより好ましい。
シャフト6は、複数のプリプレグシートを巻回することによって形成されている。これらのプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このように繊維が実質的に一方向に配向したプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。なお、UDプリプレグ以外のプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートにおいて、繊維が編まれていてもよい。
プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。この繊維として、炭素繊維及びガラス繊維が例示される。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
プリプレグシートのマトリクス樹脂として、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が例示される。シャフト強度の観点から、マトリクス樹脂として、エポキシ樹脂が好ましい。
シャフト6は、いわゆるシートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6では、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されている。この硬化とは、半硬化状態のマトリクス樹脂が硬化することを意味する。この硬化は、加熱により達成される。シャフト6の製造工程には、加熱工程が含まれる。この加熱が、プリプレグシートのマトリクス樹脂を硬化させる。
図2は、シャフト6を構成するプリプレグシートの展開図である。図2は、シャフト6を構成するシートを示している。シャフト6は、複数のシートにより構成されている。図2の実施形態では、シャフト6は、13枚のシートで構成されている。シャフト6は、第1シートs1から第13シートs13までを有している。この展開図は、シャフトを構成するシートを、シャフトの半径方向内側から順に示している。図2において上側に位置しているシートから順に巻回される。図2において、図面の左右方向は、軸方向と一致する。図2において、図面の右側は、シャフトのチップ側である。図2において、図面の左側は、シャフトのバット側である。
図2は、巻回の順序のみならず、軸方向における配置をも示している。例えば図2において、シートs1の一端はチップ端Tpに位置している。
シャフト6は、ストレート層とバイアス層とを有する。図2には、繊維の配向角度が記載されている。「0°」と記載されているシートは、ストレートシートである。ストレートシートは、ストレート層を構成している。
ストレート層は、繊維の配向が軸方向に対して実質的に0°とされた層である。巻き付けの際の誤差等に起因して、通常、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に平行とはならない。ストレート層において、シャフト軸線に対する繊維の絶対角度θaは、10°以下である。絶対角度θaとは、シャフト軸線と繊維方向との成す角度の絶対値である。即ち、絶対角度θaが10°以下とは、繊維方向とシャフト軸線方向とのなす角度Afが、−10度以上+10度以下であることを意味する。
図2の第1実施形態において、ストレートシートは、シートs1、シートs6、シートs8、シートs10、シートs11、シートs12及びシートs13である。ストレート層は、曲げ剛性及び曲げ強度の向上に寄与する。
バイアス層は、シャフトの捻れ剛性及び捻れ強度を高めうる。好ましくは、バイアス層は、繊維の配向が互いに逆方向に傾斜した2枚のシートペアを有する。好ましくは、このシートペアは、前記角度Afが−60°以上−30°以下の層と、前記角度Afが30°以上60°以下の層とを含む。即ち、好ましくは、バイアス層では、前記絶対角度θaが30°以上60°以下である。
シャフト6において、バイアス層を構成するシートは、シートs2及びシートs4である。図2には、シート毎に、前記角度Afが記載されている。角度Afにおけるプラス(+)及びマイナス(−)は、互いに貼り合わされるバイアスシートの繊維が互いに逆方向に傾斜していることを示している。本願において、バイアス層用のシートは、単にバイアスシートとも称される。
フープ層は、繊維がシャフトの周方向に沿うように配置された層である。好ましくは、フープ層において、前記絶対角度θaは、シャフト軸線に対して実質的に90°とされる。ただし、巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に90°とはならない場合がある。通常、このフープ層では、前記絶対角度θaが80°以上である。この絶対角度θaの上限値は90°である。即ち、フープ層の絶対角度θaは90°以下である。
フープ層は、シャフトのつぶし剛性及びつぶし強度を高めるのに寄与する。つぶし剛性とは、つぶし変形に対する剛性である。つぶし変形は、シャフトをその半径方向内側に向かって押し潰す力によって生ずる。典型的なつぶし変形では、シャフト断面が円形から楕円形に変化する。つぶし強度とは、つぶし変形に対する強度である。つぶし強度は、曲げ強度とも関連しうる。曲げ変形に連動してつぶし変形が生じうる。特に肉厚の薄い軽量シャフトにおいては、この連動性が大きい。つぶし強度の向上は、曲げ強度の向上に寄与しうる。
図2の実施形態において、フープ層用のプリプレグシートは、シートs3、シートs5、シートs7及びシートs9である。フープ層用のプリプレグシートは、フープシートとも称される。シャフト6は、バイアス層s2、s4に挟まれたフープ層s3を有する。
図2の実施形態では、合体シートが用いられる。合体シートは、複数のシートが貼り合わされることによって形成される。
図2の実施形態では、4組の合体シートが形成される。第1の合体シートは、シートs2とシートs3とシートs4との組み合わせである。第2の合体シートは、シートs5とシートs6との組み合わせである。第3の合体シートは、シートs7とシートs8との組み合わせである。第4の合体シートは、シートs9とシートs10との組み合わせである。
前述の通り、本願では、繊維の配向角度によって、シート及び層が分類される。加えて、本願では、軸方向の長さによって、シート及び層が分類される。
軸方向の全体に配置される層が、全長層と称される。軸方向の全体に配置されるシートが、全長シートと称される。巻回された全長シートが、全長層を形成する。
一方、軸方向において部分的に配置される層が、部分層と称される。軸方向において部分的に配置されるシートが、部分シートと称される。巻回された部分シートが、部分層を形成する。
バイアス層である全長層が、全長バイアス層と称される。本願では、ストレート層である全長層が、全長ストレート層と称される。本願では、フープ層である全長層が、全長フープ層と称される。
本願では、ストレート層である部分層が、部分ストレート層と称される。
以下に、このシャフト6の製造工程の概略が説明される。
[シャフト製造工程の概略]
(1)裁断工程
裁断工程では、プリプレグシートが所望の形状に裁断される。この工程により、図2に示される各シートが切り出される。
なお、裁断は、裁断機によりなされてもよいし、手作業でなされてもよい。手作業の場合、例えば、カッターナイフが用いられる。
(2)貼り合わせ工程
この工程では、複数のシートが貼り合わされて、前述した合体シートが作製される。貼り合わせ工程では、加熱又はプレスが用いられてもよい。
(3)巻回工程
巻回工程では、マンドレルが用意される。典型的なマンドレルは、金属製である。このマンドレルに、離型剤が塗布される。更に、このマンドレルに、粘着性を有する樹脂が塗布される。この樹脂は、タッキングレジンとも称される。このマンドレルに、裁断されたシートが巻回される。このタッキングレジンは、マンドレルへのシート端部の貼り付けを容易とする。
この巻回工程により、巻回体が得られる。この巻回体では、マンドレルの外側にプリプレグシートが巻き付けられている。この巻回は、例えば、平面上で巻回対象物を転がすことによりなされる。この巻回は、手作業によりなされてもよいし、機械によりなされてもよい。この機械は、ローリングマシンと称される。
(4)テープラッピング工程
テープラッピング工程では、前記巻回体の外周面にテープが巻き付けられる。このテープは、ラッピングテープとも称される。このラッピングテープは、張力を付与されつつ巻き付けられる。このラッピングテープにより、巻回体に圧力が加えられる。この圧力はボイドの低減に寄与する。
(5)硬化工程
硬化工程では、テープラッピングがなされた後の巻回体が、加熱される。この加熱に起因して、マトリクス樹脂が硬化する。この硬化の過程で、マトリクス樹脂が一時的に流動化する。このマトリクス樹脂の流動化により、シート間又はシート内の空気が排出されうる。ラッピングテープの締め付け力は、この空気の排出を促進する。この硬化の結果、硬化積層体が得られる。
(6)マンドレルの引き抜き工程及びラッピングテープの除去工程
硬化工程の後、マンドレルの引き抜き工程とラッピングテープの除去工程とがなされる。好ましくは、マンドレルの引き抜き工程の後に、ラッピングテープの除去工程がなされる。
(7)両端カット工程
この工程では、硬化積層体の両端部がカットされる。このカットは、チップ端Tpの端面及びバット端Btの端面を平坦とする。
(8)研磨工程
この工程では、硬化積層体の表面が研磨される。硬化積層体の表面には、ラッピングテープの跡として、螺旋状の凹凸が残る。研磨により、この凹凸が消滅し、表面が滑らかになる。
(9)塗装工程
研磨工程後の硬化積層体に塗装が施される。
本願では、層とシートとで同じ符号が用いられる。例えば、シートs1によって形成された層は、層s1とされる。
シャフト6において、全長シートは、シートs2、シートs3、シートs4、シートs6、シートs7、シートs8、シートs9及びシートs10である。シートs2及びシートs4は、全長バイアスシートである。シートs6、シートs8及びシートs10は、全長ストレートシートである。シートs3、シートs7及びシートs9は、全長フープシートである。
シャフト6において、部分シートは、シートs1、シートs5、シートs11、シートs12及びシートs13である。シートs1、シートs11、シートs12及びシートs13は、チップ部分シートである。シートs5は、バット部分シートである。
図2において両矢印Dtで示されるのは、チップ部分シートとチップ端Tpとの距離である。距離Dtは、軸方向に沿って測定される。打撃においては、ホーゼルの端面付近に応力が集中しやすい。この観点から、距離Dtは、20mm以下が好ましい。より好ましくは、距離Dtは10mm以下である。距離Dtは、0mmであってもよい。本実施形態では、距離Dtは0mmである。
図2において両矢印Ftで示されるのは、チップ部分シートの長さ(全長)である。この長さFtは、軸方向に沿って測定される。打撃においては、ホーゼルの端面付近に応力が集中しやすい。この観点から、長さFtは、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、150mm以上がより好ましい。シャフトの重心位置の観点から、長さFtは、400mm以下が好ましく、350mm以下がより好ましく、300mm以下がより好ましい。
図2において両矢印Dbで示されるのは、バット部分シートとバット端Btとの距離である。距離Dbは、軸方向に沿って測定される。シャフトの重心位置の観点から、距離Dbは、100mm以下が好ましい。距離Dbは、より好ましくは70mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。距離Dbは、0mmであってもよい。本実施形態では、距離Dbは0mmである。
図2において両矢印Fbで示されるのは、バット部分シートの長さ(全長)である。この長さFbは、軸方向に沿って測定される。シャフトの重心位置の観点から、バット部分シートの重量は大きいのが好ましい。この観点から、長さFbは、250mm以上が好ましく、300mm以上がより好ましく、350mm以上がより好ましい。過大な長さFbは、シャフトの重心位置を移動させる効果を減少させる。この観点から、長さFbは、650mm以下が好ましく、600mm以下がより好ましく、580mm以下がより好ましく、560mm以下がより好ましい。
図2の実施形態では、1枚のバット部分シートを有する。複数(2枚以上)のバット部分シートが設けられてもよい。
バット部分シートs5は、フープシートである。バット部分シートs5の距離Dbは0mmである。バット部分シートs5は、全長バイアスシートs2、s4の外側に配置されている。バット部分シートs5の外側には、少なくとも1枚の全長ストレートシートが設けられている。
シートs1は、ストレートチップ部分シートである。このシートs1は、全長バイアスシートs2、s4の内側に配置されている。
シートs11は、ストレートチップ部分シートである。このシートs11は、最も外側の全長ストレート層s10の外側に配置されている。シートs12は、ストレートチップ部分シートである。シートs12は、シートs11の外側に配置されている。シートs13は、シートs12の外側に配置されている。
本実施形態では、ガラス繊維強化プリプレグが用いられている。本実施形態では、ガラス繊維は実質的に一方向に配向している。すなわちこのガラス繊維強化プリプレグはUDプリプレグである。UDプリプレグ以外のガラス繊維強化プリプレグが用いられても良い。例えば、ガラス繊維が編まれていてもよい。
本実施形態では、シートs1は、ガラス繊維強化シートである。本実施形態では、バイアス層s2,s4の内側にガラス繊維強化シートs1が配置されている。
ガラス繊維強化プリプレグ以外のプリプレグは、炭素繊維強化プリプレグである。シートs1以外のシートは、炭素繊維強化シートである。なお、炭素繊維として、PAN系及びピッチ系が例示される。
ガラス繊維は、圧縮破断ひずみが大きい。このガラス繊維は、衝撃吸収エネルギーの向上に有効である。チップ部分層がガラス繊維強化層とされることで、インパクトの衝撃に対するシャフト先端部の強度が向上する。
低弾性層に用いられる繊維として、ガラス繊維の他、低弾性炭素繊維が例示される。好ましい低弾性炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維である。
バット部分の重量を増やすことで、シャフト重心率を大きくすることができる。しかし、バット部分の重量が増えると、バット部分の曲げ剛性が過大となりやすい。この場合、バット部分が撓りにくく、コック近似効果(後述)が減少する。バット部分層がフープ層とされることで、シャフト重心率を高めつつ、バット部分の曲げ剛性を抑制することができる。このシャフト6では、シャフト重心率とコック近似効果(後述)との相乗効果により、ヘッドスピードが増大する。
[サンドイッチ構造]
図2の積層構成は、第1フープ層s3、第2フープ層s5、第3フープ層s7及び第4フープ層s9を有する。
第2フープ層s5は、第1フープ層s3よりも外側に位置する。第1フープ層s3と第2フープ層s5との間に、介在層が存在する。この介在層は、フープ層以外の層(バイアス層)である。
第3フープ層s7(全長フープ層)は、第2フープ層s5(バット部分フープ層)よりも外側に位置する。第2フープ層s5(バット部分フープ層)と第3フープ層s7(全長フープ層)との間に、介在層が存在する。この介在層は、フープ層以外の層(ストレート層)である。
第4フープ層s9(全長フープ層)は、第3フープ層s7(全長フープ層)よりも外側に位置する。第3フープ層s7(全長フープ層)と第4フープ層s9(全長フープ層)との間に、介在層が存在する。この介在層は、フープ層以外の層(全長ストレート層)である。
2つのフープ層間に介在層が存在する構造が、本願においてサンドイッチ構造とも称される。図2の積層構成は、複数のサンドイッチ構造を有する。
シャフトの変形では、撓み変形に起因して、つぶし変形が起こる。このつぶし変形では、シャフト断面形状における曲率が、周方向位置によって変化する。すなわち、つぶし変形によって楕円形状となった場合、曲率が小さい部分と大きい部分とが混在することになる。フープ層は、繊維が周方向に配向しているため、この曲率の変化に追従しにくい。一方、ストレート層及びバイアス層は、繊維が周方向に配向していないため、前記曲率の変化に追従しやすい。
したがって、フープ層が重なっている場合、当該フープ層間における半径方向位置の相違に起因して、層間剥離が生じやすい。一方、フープ層にストレート層又はバイアス層が重なっている場合、層間剥離は比較的生じにくい。これらの観点から、2層のフープ層が重なっていないのが好ましい。複数層のフープ層の全てが互いに重なっていないのが好ましい。フープ層の間には、フープ層以外の層が介在しているのが好ましい。複数層のフープ層の全てにおいて、フープ層同士の間には、フープ層以外の層が介在しているのが好ましい。フープ層の間には、ストレート層及び/又はバイアス層が介在しているのが好ましい。即ち、前記サンドイッチ構造が好ましい。このサンドイッチ構造は、曲げ強度を高める。軽量化の観点からは、1層あたりのフープ層の厚みは、0.05mm以下が好ましい。フープ層による効果を高める観点から、1層あたりのフープ層の厚みは、0.02mm以上が好ましい。
フープ層s3、フープ層s7及びフープ層s9は、全長層である。よって、サンドウィッチ構造の効果がシャフトの全長に亘って奏され、シャフト全体の強度が高められている。
図3は、第2実施形態の積層構成を示す展開図である。図2との相違点は、バイアス層に挟まれた全長フープ層が存在せず、代わりに全長ストレート層s4が配置されている点にある。
図4は、第3実施形態の積層構成を示す展開図である。図2の実施形態と比較すると、この第3実施形態では、フープ層s9が無く、代わりに全長ストレート層s9が配置されている。
図5は、参考例1の積層構成を示す展開図である。図2の実施形態と比較すると、この参考例1では、全長フープ層s3が無い。更に参考例1では、全長フープ層s7に代えて、全長ストレート層s6が配置されている。この参考例1の積層構成は、実施例ともなりうる。
図6は、参考例2の積層構成を示す展開図である。図2の実施形態と比較すると、この参考例2では、全長フープ層s3が無い。更に参考例2では、図2の実施形態における全長フープ層s7,s9に代えて、全長ストレート層s6,s8が配置されている。
本願において、フープ層の重量がWF(g)とされる。また、シャフト重量がWS(g)とされる。好ましくは、WF/WSが考慮される。
本願において、バット端Btから200mmの地点がP1とされる(図1参照)。この地点P1から前記バット端までの領域が、特定バット領域Rbとされる。特定バット領域Rbにおけるフープ層の重量が、WFb(g)とされる。特定バット領域Rbにおけるシャフト重量が、WSb(g)とされる。WSbを測定するためには、地点P1でシャフト6をカットして得られた部材の重量を測定すればよい。好ましくは、WFb/WSbが考慮される。
前述の通り、つぶし剛性の観点から、フープ層が用いられる。フープ層自体は公知である。フープ層がシャフトの強度に寄与することも知られている。しかし、フープ層は、繊維がシャフト軸方向に対して直角に配置された層であるため、曲げ強度に対する直接的な寄与はないと考えられる。繊維の配向を考慮すれば、曲げ強度への寄与が大きいのは当然にストレート層であると考えられ、フープ層はあくまで補助的な役割にすぎないと考えられる。
シャフト重量WSが42g以下の超軽量シャフトでは、プリプレグの使用量が限られる。よって、曲げ強度への寄与が大きいストレート層の重量WTが限定され、曲げ強度が低下しやすい。この軽量シャフトにおいて、フープ層を過度に多くすれば、ストレート層の重量WTが更に制限され、曲げ強度が低下するというのが、当業者の技術常識であった。
ところが、本発明者が鋭意検討した結果、42g以下の超軽量シャフトにおいて、過剰と思われていた量のフープ層により、曲げ強度が向上しうることを見出した。具体的には、WF/WSを0.18以上とすることが有効であることが分かった。全長バイアス層及び全長ストレート層を有し、且つチップ部分層による補強がなされた超軽量シャフトにおいては、フープ層に割り当てられる重量は限定されると考えられてきた。しかし、18重量%以上のフープ層が曲げ強度を向上させることが分かった。
このような観点から、WF/WSは、0.18以上が好ましく、0.19以上がより好ましく、0.20以上がより好ましく、0.21以上が更に好ましい。ストレート層の重量WTが過小となることを防止する観点から、WF/WSは、0.40以下が好ましく、0.38以下がより好ましく、0.35以下が更に好ましい。
シャフトの全体における曲げ強度を高める観点から、全長フープ層のプライ数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。ストレート層の重量WTが過小となることを防止する観点から、全長フープ層のプライ数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
特定バット領域Rbにおけるフープ層は、更に増加されうることが分かった。繊維の配向から明らかなように、フープ層には、曲げ剛性への寄与はほとんどない。このため、多くのフープ層をシャフトのバット部分に配置することで、バット部分の曲げ剛性を抑制しながら、バット部分の強度を向上させることができる。バット部分の曲げ剛性を抑制することで、コック近似効果(後述)が高まる。また、多くのフープ層をシャフトのバット部分に配置することで、バット部分の曲げ剛性を抑制しながら、シャフト重心率を高めることができる。
このような観点から、WFb/WSbは、0.30以上が好ましく、0.32以上がより好ましく、0.35以上が更に好ましい。特定バット領域Rbにおけるストレート層が過小となることを抑制する観点から、WFb/WSbは、0.55以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.45以下が更に好ましい。
WFb/WSbを高めて上述の効果を得る観点から、特定バット領域Rbは、3プライ以上のフープ層を含むのが好ましく、4プライ以上のフープ層を含むのがより好ましい。図2の実施形態において、特定バット領域Rbは、4プライのフープ層を含む。図3の実施形態において、特定バット領域Rbは、3プライのフープ層を含む。図4の実施形態において、特定バット領域Rbは、3プライのフープ層を含む。一方、図5の実施形態において、特定バット領域Rbは、2プライのフープ層を含む。また、図6の実施形態において、特定バット領域Rbは、フープ層を含まない。超軽量シャフトにおける重量の制約を考慮すると、特定バット領域Rbに含まれるフープ層のプライ数は、6以下が好ましく、5以下がより好ましい。
本願において「プライ」とは、巻回数を意味する。360°に亘って巻回された1層が、1プライである。
上述の通り、図2の実施形態において、特定バット領域Rbは4プライのフープ層を含む。この図2の実施形態では、1プライ毎にシートが異なる。すなわち、特定バット領域Rbにおいて、巻かれたフープシートの数とプライ数とが一致している。このように、1枚のフープシートが1プライであってもよい。また例えば、1枚のフープシートが2プライであってもよい。
シャフト重量WSを抑制しつつ、WFb/WSbを高める観点から、シャフト6は、バット部分層であるフープ層(バット部分フープ層)を有するのが好ましい。図3の実施形態では、シートs5が、バット部分層フープ層である。
シャフト6において、ストレート層の重量がWTとされる。好ましくは、本願では、WF/WTが考慮される。
上述の通り、本発明では、42g以下の超軽量シャフトにおいて、過剰と思われていた量のフープ層により、曲げ強度が向上しうることが分かった。シャフトの軽量性を維持するためには、フープ層の増加に伴って、ストレート層又はバイアス層を減らす必要がある。この場合、ストレート層を減らすことは、曲げ強度を低下させると考えられてきた。しかし、フープ層を増やしてストレート層を減らしても、強度が向上しうることが判明した。この効果が、過剰フープ効果とも称される。この過剰フープ効果が発現する理由は、解明されていない。
上記過剰フープ効果による強度の向上と軽量性との両立の観点から、WF/WTは、0.25以上が好ましく、0.35以上がより好ましく、0.45以上が更に好ましい。WTが過小になることを抑制する観点から、WF/WTは、0.70以下が好ましく、0.65以下がより好ましく、0.60以下が更に好ましい。
上述の通り、本発明は超軽量シャフトにおいて効果的である。この観点から、シャフト重量WSは、42g以下が好ましく、41g以下がより好ましく、40g以下がより好ましく、39以下が更に好ましい。強度の観点から、シャフト重量WSは、30g以上が好ましく、32g以上がより好ましく、34g以上が更に好ましい。
好ましくは、上記地点P1におけるシャフトの内径が考慮される。
シャフトのバット部分の外径を大きくすることで、装着されるグリップを軽くすることができる。なぜなら、シャフトに装着されたグリップの外径が等しいという条件の下では、シャフトの外径が大きいほど、グリップの肉厚が小さくて済むからである。そして、グリップの軽量化は、クラブの軽量化に繋がる。超軽量シャフトでは、シャフト自体の肉厚は小さいが、シャフトの内径を大きくすることで、シャフトの外径も大きくすることができる。
しかし、シャフトの内外径が大きくなると、曲げ剛性が上がる。よって、シャフトのバット部分の内外径が大きくなると、当該バット部分の撓り(曲げ変形)が少なくなり、コック近似効果(後述)が低下する。
そこで、本実施形態では、特定バット領域Rbにおけるフープ層の割合が多くされている。これにより、バット部分における曲げ剛性が抑えられている。つまり、フープ層を割合を増やすことで、バット部分が太くされたとしても、当該バット部分の撓りが確保される。結果として、グリップの軽量化が可能になると共に、バット部分の撓りも確保される。グリップの軽量化に伴うクラブの軽量化は、ヘッドスピードの向上に寄与する。この効果に、バット部分の撓りの効果(コック近似効果)が加わるので、ヘッドスピードが更に向上しうる。
このような観点から、上記地点P1におけるシャフトの内径は、14.0mm以上が好ましく、14.1mm以上がより好ましく、14.2mm以上がより好ましく、14.3以上が更に好ましい。バット部分における過度な曲げ剛性を抑制する観点から、上記地点P1におけるシャフトの内径は、16mm以下が好ましく、15.8mm以下がより好ましく、15.6mm以下が更に好ましい。
同じ観点から、上記地点P1におけるシャフトの外径は、15.0mm以上が好ましく、15.1mm以上がより好ましく、15.2mm以上がより好ましく、15.3以上が更に好ましい。バット部分における過度な曲げ剛性を抑制する観点から、上記地点P1におけるシャフトの外径は、18mm以下が好ましく、17.8mm以下がより好ましく、17.6mm以下が更に好ましい。
なお、シャフト6の特定バット領域Rbは、ヘッド側にいくほど細いテーパー形状である。すなわち、特定バット領域Rbにおけるシャフト6の外径は、バット端Btに近づくほど大きい。このため、グリップ重量の更なる軽量化が可能となる。
軽量なシャフトは、肉厚が小さい。しかし、シャフトのバット部における内径が大きくされることで、肉厚が小さくても、バット部における外径を大きくすることができる。この観点から、特定バット領域Rbにおけるシャフトの肉厚は、0.70mm以下が好ましく、0.60mm以下がより好ましく、0.56mm以下が更に好ましい。強度の観点から、特定バット領域Rbにおけるシャフトの肉厚は、0.30mm以上が好ましく、0.35mm以上がより好ましく、0.40mm以上が更に好ましい。
本願では、シャフトの各位置で、EI値が測定される。EI値は、曲げ剛性を示す指標である。
[EI値の測定]
図7は、EI値の測定方法を示している。EIは、インテスコ製2020型(最大荷重500kg)の万能材料試験機を用いて測定される。第1支持点T1と第2支持点T2とにより、シャフト6が下方から支持される。この支持を維持しながら、測定点T3に上方から荷重F1を加える。荷重F1の向きは、鉛直方向下向きである。点T1と点T2との間の距離は200mmである。測定点T3の位置は、点T1と点T2の間を二等分する位置である。荷重F1を加えたときのたわみ量Hが測定される。荷重F1は、圧子R1により与えられる。圧子R1の先端は、曲率半径を5mmとする円筒面である。圧子R1の下方への移動速度は5mm/分である。荷重F1が20kgf(196N)に達した時点で圧子R1の移動を終了し、そのときのたわみ量Hが測定される。たわみ量Hは、鉛直方向における点T3の変位量である。EI値は、次式にて算出される。
EI(kgf・m)=F1×L/(48×H)
ただし、F1は最大荷重(kgf)であり、Lは支持点間距離(m)であり、Hはたわみ量(m)である。最大荷重F1は20kgfであり、支持点間距離Lは0.2mである。
[E1〜E10]
EIの測定点として、次の10地点が例示される。
(測定点1) :チップ端Tpから130mm離れた地点
(測定点2) :チップ端Tpから230mm離れた地点
(測定点3) :チップ端Tpから330mm離れた地点
(測定点4) :チップ端Tpから430mm離れた地点
(測定点5) :チップ端Tpから530mm離れた地点
(測定点6) :チップ端Tpから630mm離れた地点
(測定点7) :チップ端Tpから730mm離れた地点
(測定点8) :チップ端Tpから830mm離れた地点
(測定点9) :チップ端Tpから930mm離れた地点
(測定点10):チップ端Tpから1030mm離れた地点
本願では、前記測定点1におけるEI値がE1とされる。前記測定点2におけるEI値がE2とされる。前記測定点3におけるEI値がE3とされる。前記測定点4におけるEI値がE4とされる。前記測定点5におけるEI値がE5とされる。前記測定点6におけるEI値がE6とされる。前記測定点7におけるEI値がE7とされる。前記測定点8におけるEI値がE8とされる。前記測定点9におけるEI値がE9とされる。前記測定点10におけるEI値がE10とされる。
上述の通り、バット部分の曲げ剛性を抑制することで、ヘッドスピードが向上しうる。この観点から、チップ端Tpから1030mmの地点におけるEI値であるE10は、5.0(kgf・m)以下が好ましく、4.5(kgf・m)以下がより好ましく、4.3(kgf・m)以下がより好ましく、4.0(kgf・m)以下がより好ましい。E10が過小であると、しなり戻りが不足して、ヘッドスピードが低下しうる。この観点から、E10は、2.8(kgf・m)以上が好ましく、3.0(kgf・m)以上がより好ましく、3.2(kgf・m)以上下がより好ましい。
剛性分布に関して、好ましくは、傾きM3が考慮される。この傾きM3は、上記E8、E9及びE10に基づいて算出される。x軸がチップ端Tpから測定点までの距離(mm)であり且つy軸がEI値(kgf・m)であるxy座標平面に、3つのEI値(E8、E9、E10)をプロットしたグラフにおいて、これら3つの点を最小二乗法で一次式に近似したときの、当該一次式の傾きが、M3である。
傾きM3が緩やかにされることで、ダウンスイングの初期段階においてシャフトのバット部分がしなりやすくなる。この結果、ヘッドスピードが向上する。この観点から、傾きM3は、0.0100以下が好ましく、0.0080以下がより好ましく、0.0050以下が更に好ましい。この傾きM3が過小であると、バット部分の曲げ剛性が過小となり、しなり戻りが不足することがある。この観点から、傾きM3は、0.0039以上が好ましく、0.0040以上がより好ましく、0.0041以上が更に好ましい。
本願では、複数のEI値に基づいて作成されたグラフが考慮される。このグラフは、xy座標平面である。このグラフのx軸は、チップ端Tpから前記測定点までの距離(mm)である。このグラフのy軸は、EI値(kgf・m)である。このグラフの一例が、図8に示される。
図8は、実施例1(後述)のE1からE10がプロットされたグラフである。グラフにプロットされている10点の座標(x,y)は、(130,E1)、(230,E2)、(330,E3)、(430,E4)、(530,E5)、(630,E6)、(730,E7)、(830,E8)、(930,E9)及び(1030,E10)である。
剛性分布に関して、傾きM1及び傾きM2が考慮されうる。M1は、(130,E1)及び(230,E2)を通る直線の傾きである。M2は、(330,E3)、(430,E4)、(530,E5)、(630,E6)及び(730,E7)の5点を最小二乗法で近似した直線の傾きである。上述の通り、M3は、(830,E8)、(930,E9)及び(1030,E10)の3点を最小二乗法で近似した直線の傾きである。
なお、最小二乗法による直線への近似は、マイクロソフト社の表計算ソフト「エクセル2010」の「線形近似」機能を用いることで容易に実施されうる。このソフトの「LINEST」関数が用いられても良い。なお、「エクセル」は、マイクロソフト社の登録商標である。
図8の場合、傾きM1が−0.0013であり、傾きM2が0.0028であり、傾きM3が0.0043である。
シャフトの中間部分を撓ませて撓り量を確保することで、しなり戻りが大きくなり、ヘッドスピードが向上する。加えて上述の通り、傾きM3が抑制されることで、バット部分での撓りが大きくなり、ヘッドスピードが加速される。これらの観点から、M1、M2及びM3は、以下を満たすのが好ましい。
(a)−0.015 ≦ M1 ≦ 0
(b)0.0008 ≦ M2 ≦ 0.0080
(c)0.0040 ≦ M3 ≦ 0.0100
(d) M2 < M3
即ち、傾きM1は、−0.015以上が好ましく、0以下が好ましい。傾きM2は、0.0008以上が好ましく、0.0080以下が好ましい。傾きM3は、0.0040以上が好ましく、0.0100以下が好ましい。M3は、M2よりも大きいのが好ましい。
一般に、ダウンスイングの前半において、コックは維持される。コックとは、手首の曲がりを意味する。当業者において、コックが維持されることは、「コックが溜まる」とも表現される。ヘッドスピードを高めるには、このコックがインパクト直前まで維持され、インパクト直前でコックがリリースされるのが好ましい。しかし、アマチュアゴルファーは、コックのリリースが早すぎるため、ヘッドスピードが低い。
曲げ剛性分布の最適化により、ダウンスイングの初期段階において、シャフトのバット部分が撓る。このため、コックが溜まっているのと同じような状態となる。この撓りがインパクト直前でリリースされることで、コックのリリースと同様に、ヘッドスピードが向上しうる。この効果が、コック近似効果とも称される。なお、撓りのリリースは、「しなり戻り」とも称される。
ダウンスイングの初期段階(トップからの切り返しの直後)では、特にシャフトのバット側に曲げ応力が加わる。E10を抑制し、傾きM3を小さくすることで、ダウンスイングの初期段階におけるバット部の撓りが増大する。この撓りの増大により、コック近似効果が高まる。
更に、本実施形態では、シャフト重心率が高いので、振りやすさが達成されている。よって、ヘッドスピードの更なる向上が図られている。
上述の通り、バット部分層として、フープ層が用いられている。よって、バット部分の剛性が抑制され、前記コック近似効果が高まる。更に、バット部分層は、シャフト重心率を大きくするのに寄与している。
バット部分層はグリップに近いため、フィーリングに影響しやすい。フープ層は、軸方向に配向された繊維を有さない。また、フープ層では、周方向に配向した繊維同士の間にマトリクス樹脂が存在するため、軸方向に伝達されてきた振動がマトリクス樹脂によって吸収されやすい。結果として、バット部分フープ層により、打撃の際のフィーリングが向上しうる。加えて、バット部における良好な撓りは、フィーリングの向上にも寄与していると考えられる。
E1からE10及び傾きM1からM3を調整しうる設計項目として、次の(a1)から(a8)が例示される。これらを適切に設定することで、所望のシャフトを得ることができる。
(a1)シャフト(マンドレル)のテーパー率
(a2)チップ部分層の軸方向長さ
(a3)チップ部分層の厚み
(a4)チップ部分層の繊維弾性率
(a5)バット部分層の軸方向長さ
(a6)バット部分層の厚み
(a7)バット部分層の繊維弾性率
(a8)部分層の軸方向位置
シャフト重心率を調整する手段として、次の(b1)から(b6)が例示される。これらを適切に設定することで、所望のシャフトを得ることができる。
(b1)バット部分層の厚み
(b2)バット部分層の軸方向長さ
(b3)チップ部分層の厚み
(b4)チップ部分層の軸方向長さ
(b5)シャフト(マンドレル)のテーパー率
(b6)各シートの形状
以下の表1及び表2は、使用可能なプリプレグの例を示す。これらのプリプレグは市販されている。所望の仕様が得られるように、適切なプリプレグが選択されうる。
Figure 2018000397
Figure 2018000397
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図2で示される積層構成を有するシャフトが作製された。前記シャフト6と同じ製造方法で、実施例1のシャフトを得た。上述の設計項目を用いて、仕様が調整された。各シートに用いられたプリプレグは、次の通りであった。また、バット部分フープ層s5の軸方向長さFbは、270mmであった。
・シートs1:ガラス繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は7tf/mm
・シートs2:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs3:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs4:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs5:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs6:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs7:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs8:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は33tf/mm
・シートs9:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs10:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs11:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は10tf/mm
・シートs12:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs13:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
この実施例1の10個のEI値が下記の表3に示される。実施例1において、E8、E9及びE10に係るグラフ上の3点を最小二乗法で近似した一次式は、y=0.0043x−0.8349であった。
[実施例2]
図3で示される積層構成が採用された他は実施例1と同じにして、実施例2のシャフトを得た。この実施例2の10個のEI値が下記の表4に示される。
なお、この実施例2において、各シートに用いられたプリプレグは、次の通りであった。
・シートs1:ガラス繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は7tf/mm
・シートs2:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs3:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs4:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs5:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs6:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs7:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs8:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は33tf/mm
・シートs9:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs10:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs11:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は10tf/mm
・シートs12:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs13:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
[実施例3]
図4で示される積層構成が採用された他は実施例1と同じにして、実施例3のシャフトを得た。この実施例3の10個のEI値が下記の表5に示される。
なお、この実施例3において、各シートに用いられたプリプレグは、次の通りであった。
・シートs1:ガラス繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は7tf/mm
・シートs2:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs3:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs4:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs5:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs6:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs7:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs8:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は33tf/mm
・シートs9:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs10:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs11:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は10tf/mm
・シートs12:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs13:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
[比較例1]
図5で示される積層構成が採用された他は実施例1と同じにして、比較例1のシャフトを得た。上述の設計項目を用いて、仕様が調整された。各シートに用いられたプリプレグは、次の通りであった。
・シートs1:ガラス繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は7tf/mm
・シートs2:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs3:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs4:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs5:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs6:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs7:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は33tf/mm
・シートs8:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は30tf/mm
・シートs9:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs10:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は10tf/mm
・シートs11:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs12:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
この比較例1の10個のEI値が下記の表6に示される。
[比較例2]
図6で示される積層構成が採用された他は実施例1と同じにして、比較例2のシャフトを得た。上述の設計項目を用いて、仕様が調整された。各シートに用いられたプリプレグは、次の通りであった。
・シートs1:ガラス繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は7tf/mm
・シートs2:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs3:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は40tf/mm
・シートs4:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs5:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs6:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs7:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は33tf/mm
・シートs8:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs9:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs10:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は10tf/mm
・シートs11:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
・シートs12:炭素繊維強化プリプレグ(繊維弾性率は24tf/mm
この比較例1の10個のEI値が下記の表7に示される。
[比較例3]
バット部分ストレート層s4の繊維弾性率を40tに変更した他は比較例2と同様にして、比較例3のシャフトを得た。
これら実施例1から3及び比較例1から3の仕様と評価結果が、下記の表8に示される。
下記の表9は、実施例1のシャフトの各位置における内径及び外径を示す。なお、実施例1のシャフトのシャフト全長Lsは、1175mmである。
Figure 2018000397
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Figure 2018000397
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評価方法は、以下の通りである。
[3点曲げ強度]
3点曲げ強度は、SG式3点曲げ強度試験に準拠して測定された。これは、日本の製品安全協会が定める試験である。測定点は、B点及びC点とされた。B点は、チップ端Tpから525mmの地点である。C点は、バット端Btから175mmの地点である。
図9は、3点曲げ強度の測定方法を示す。この図9が示すように、2つの支持点e1、e2においてシャフト6を下方から支持しつつ、荷重点e3において上方から下方に向かって、圧子Rが荷重Fを加える。圧子Rの下降のスピードは、20mm/minである。圧子Rの先端には、シリコーンラバーStが装着される。荷重点e3の位置は、支持点e1と支持点e2との間を二等分する位置である。この荷重点e3が、測定点である。B点及びC点が測定される場合、前記スパンSは、300mmとされる。シャフト6が破損したときの荷重Fの値(ピーク値)が測定された。この荷重Fが、表8に示される。
[フィーリング]
各シャフトにヘッド及びグリップを装着してゴルフクラブを得た。ヘッドとして、ダンロップスポーツ社製の商品名「ゼクシオ ナイン」のドライバーヘッド(ロフト10.5°)が用いられた。このゴルフクラブを用いて、10名のゴルファーが実際に打球し、フィーリングを評価した。このフィーリングは、打球感と振りやすさとの総合評価とされた。1点から5点までの5段階で、官能評価がなされた。点数が高いほど評価が高い。10名のゴルファーの平均値が表8に示される。
表8が示すように、実施例は比較例に比べて評価が高い。
表9が示すように、実施例1のシャフトでは、特定バット領域における肉厚が0.6mm以下と薄いが、特定バット領域Rbにおける内径が大きいため、当該領域Rbにおいて大きな外径が確保されている。このため、グリップの肉厚を小さくすることができ、クラブの軽量化が可能である。また、実施例1では、WFb/WSbが大きいため、特定バット領域Rbにおけるシャフトの内外径が大きいにも関わらず、E10は小さい。よって、バット部分の撓りが確保され、ヘッドスピードは大きい。
以上の通り、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された発明は、あらゆるゴルフクラブに適用されうる。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
8・・・グリップ
Ls・・・シャフトの長さ
Lg・・・チップ端Tpから重心Gまでの距離
s1〜s13・・・プリプレグシート(層)
s5(図2)・・・バット部分フープシート
s3、s7、s9(図2)・・・全長フープシート
Tp・・・シャフトのチップ端
Bt・・・シャフトのバット端
G・・・シャフトの重心

Claims (8)

  1. チップ端及びバット端を有するシャフトと、ヘッドと、グリップとを備え、
    前記シャフトが、複数の炭素繊維強化層を有しており、
    前記層が、ストレート層と、バイアス層と、フープ層とを有しており、
    前記フープ層の重量がWFとされ、シャフト重量がWSとされるとき、WF/WSが0.18以上であり、
    前記シャフト重量WSが42g以下であるゴルフクラブ。
  2. 前記シャフトにおいて、前記バット端から200mmの地点がP1とされ、この地点P1から前記バット端までの領域が特定バット領域とされ、
    前記特定バット領域における前記フープ層の重量がWFbとされ、
    前記特定バット領域におけるシャフト重量がWSbとされるとき、
    WFb/WSbが0.30以上である請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記特定バット領域が、3プライ以上の前記フープ層を含む請求項2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記地点P1における前記シャフトの内径が、14.0mm以上である請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  5. 前記ストレート層の重量がWTとされるとき、
    WF/WTが0.25以上である請求項1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  6. 前記シャフトにおいて、前記チップ端から830mmの地点におけるEI値がE8とされ、前記チップ端から930mmの地点におけるEI値がE9とされ、前記チップ端から1030mmの地点におけるEI値がE10とされ、
    x軸がチップ端から測定点までの距離(mm)であり且つy軸が前記EI値(kgf・m)であるxy座標平面に前記3つのEI値をプロットしたグラフにおいて、これら3つの点を最小二乗法で一次式に近似したときの、当該一次式の傾きがM3とされるとき、
    傾きM3が0.0100以下である請求項1から5のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  7. 前記シャフトにおいて、前記チップ端から1030mmの地点におけるEI値がE10とされるとき、
    前記E10が5.0(kgf・m)以下である請求項1から6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  8. 前記シャフトのチップ端からシャフト重心までの距離がLgとされ、前記シャフトの長さがLsとされるとき、Lg/Lsが0.50以上である請求項1から7のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
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