JP2022068723A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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貴次 中野
Takatsugu Nakano
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B60/00Details or accessories of golf clubs, bats, rackets or the like
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B2209/00Characteristics of used materials
    • A63B2209/02Characteristics of used materials with reinforcing fibres, e.g. carbon, polyamide fibres

Abstract

【課題】飛距離性能に優れたゴルフクラブシャフトの提供。【解決手段】シャフト6は、チップ端Tpと、バット端Btと、チップ端Tpから130mm、230mm、330mm、430mm、530mm、630mm、730mm、830mm、930mm及び1030mm離れた各地点における曲げ剛性E1~E10とを有している。比(E8/E1)が、2以上7以下である。曲げ剛性E1が2.5(kgf・m2)以下である。記曲げ剛性E8が、5.0(kgf・m2)以上である。点(230,E2)と点(630,E6)とを通る直線の式がy=ax+bとされるとき、シャフト6は次の関係R1及びR8を満たす。(130a+b)< E1 ≦(130a+b+0.5) ・・・(R1)(830a+b)< E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R8)【選択図】図4

Description

本開示は、ゴルフクラブシャフトに関する。
ゴルフクラブシャフトでは、曲げ剛性、捻れ剛性等の物性が部位毎に相違しうる。この物性の分布により、シャフトの性能が変化しうる。
特開2003-169871号公報は、シャフト先端からの距離がシャフト全長の15~45%の範囲に曲げ剛性の最小値が存在し、シャフト先端からの距離がシャフト全長の10%までの範囲に曲げ剛性が前記最小値の1.2~2.5倍であるシャフトを開示する。
特開2003-169871号公報
シャフトには、飛距離、フィーリング、打球の方向安定性等の性能が要求される。従来とは異なる曲げ剛性分布が、シャフトの性能を高めうることが判明した。
本開示の一例は、飛距離性能に優れたゴルフクラブシャフトを提供するものである。
一つの態様では、ゴルフクラブシャフトは、チップ端と、バット端と、前記チップ端から130mm離れた地点における曲げ剛性E1と、前記チップ端から230mm離れた地点における曲げ剛性E2と、前記チップ端から330mm離れた地点における曲げ剛性E3と、前記チップ端から430mm離れた地点における曲げ剛性E4と、前記チップ端から530mm離れた地点における曲げ剛性E5と、前記チップ端から630mm離れた地点における曲げ剛性E6と、前記チップ端から730mm離れた地点における曲げ剛性E7と、前記チップ端から830mm離れた地点における曲げ剛性E8と、前記チップ端から930mm離れた地点における曲げ剛性E9と、前記チップ端から1030mm離れた地点における曲げ剛性E10と、を有している。比(E8/E1)が、2以上7以下である。前記曲げ剛性E1が、2.5(kgf・m)以下である。前記曲げ剛性E8が、5.0(kgf・m)以上である。x軸がチップ端からの距離(mm)であり且つy軸が曲げ剛性(kgf・m)である直交座標系のグラフにおいて、点(230,E2)と点(630,E6)とを通る直線の式がy=ax+bとされるとき、このシャフトは、次の関係R1及びR8を満たす。
(130a+b)< E1 ≦(130a+b+0.5) ・・・(R1)
(830a+b)< E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R8)
一つの側面として、飛距離性能に優れたゴルフクラブシャフトが提供されうる。
図1は、第1実施形態のゴルフクラブシャフトを備えたゴルフクラブの全体図である。 図2は、図1のゴルフクラブシャフトの展開図である。 図3は、曲げ剛性EIの測定方法を示す概略図である。 図4は、x軸がチップ端からの距離(mm)であり且つy軸が曲げ剛性(kgf・m)である直交座標系のグラフである。 図5は、第2実施形態のゴルフクラブシャフトの展開図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態が詳細に説明される。
なお本願では、「層」という文言と、「シート」という文言とが用いられる。「層」は、巻回された後における称呼であり、これに対して「シート」は、巻回される前における称呼である。「層」は、「シート」が巻回されることによって形成される。即ち、巻回された「シート」が、「層」を形成する。
本願では、層とシートとで同じ符号が用いられる。例えば、シートs1によって形成された層は、層s1とされる。
本願において軸方向とは、シャフトの軸方向を意味する。本願において周方向とは、シャフトの周方向を意味する。
図1は、本開示に係るゴルフクラブシャフト6が装着されたゴルフクラブ2を示す。ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、シャフト6と、グリップ8とを備えている。シャフト6のチップ部分に、ヘッド4が設けられている。シャフト6のバット部分に、グリップ8が設けられている。シャフト6は、ウッドクラブ用シャフトである。ゴルフクラブ2は、ドライバー(1番ウッド)である。クラウン部6は、ドライバー用シャフトである。
なお、ヘッド4及びグリップ8は限定されない。ヘッド4として、ウッド型ヘッド、ユーティリティ型ヘッド、アイアン型ヘッド及びパターヘッドが例示される。本実施形態では、ヘッド4は、ウッド型ヘッドである。
シャフト6は、複数の繊維強化樹脂層により形成されている。本実施形態では、繊維強化樹脂層として、炭素繊維強化樹脂層が用いられている。シャフト6は、管状体である。図示されないが、シャフト6は中空構造を有する。シャフト6は、チップ端Tpとバット端Btとを有する。ゴルフクラブ2において、チップ端Tpは、ヘッド4の内部に位置している。ゴルフクラブ2において、バット端Btは、グリップ8の内部に位置している。
図1において両矢印Lgで示されるのは、チップ端Tpからシャフト重心Gまでの距離である。この距離Lgは、軸方向に沿って測定される。図1において両矢印Lsで示されるのは、シャフト6の長さである。
シャフト6は、複数のプリプレグシートを巻回することによって形成されている。これらのプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このように繊維が実質的に一方向に配向したプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。なお、UDプリプレグ以外のプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートにおいて、繊維が編まれていてもよい。本願において、プリプレグシートは、単にシートとも称される。
プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。この繊維として、炭素繊維及びガラス繊維が例示される。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
プリプレグシートのマトリクス樹脂として、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が例示される。シャフト強度の観点から、マトリクス樹脂として、熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂がより好ましい。
シャフト6は、シートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6では、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されている。この硬化とは、半硬化状態のマトリクス樹脂が硬化することを意味する。この硬化は、加熱により達成される。シャフト6の製造工程は、加熱工程を含む。この加熱が、プリプレグシートのマトリクス樹脂を硬化させる。
図2は、シャフト6を構成するプリプレグシートの展開図である。図2は、シャフト6を構成するシートを示している。シャフト6は、複数のシートにより構成されている。図2の実施形態では、シャフト6は、14枚のシートで構成されている。シャフト6は、第1シートs1から第14シートs14までを有している。この展開図は、シャフトを構成するシートを、シャフトの半径方向内側から順に示している。図2において上側に位置しているシートから順に巻回される。図2において、図面の左右方向は、軸方向と一致する。図2において、図面の右側は、シャフトのチップ側である。図2において、図面の左側は、シャフトのバット側である。
図2は、巻回の順序のみならず、軸方向における配置をも示している。この点、後述の図5も同じである。例えば図2において、シートs1の一端はチップ端Tpに位置している。
シャフト6は、ストレート層とバイアス層とを有する。図2には、各シートの繊維の配向角度が記載されている。「0°」と記載されているシートは、ストレートシートである。ストレートシートは、ストレート層を構成している。
ストレート層は、繊維の配向が軸方向に対して実質的に0°とされた層である。巻き付けの際の誤差等に起因して、通常、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に平行とはならない場合がある。ストレート層において、シャフト軸線に対する繊維の絶対角度は、10°以下である。絶対角度とは、シャフト軸線と繊維方向との成す角度(繊維角度)の絶対値である。即ち、絶対角度が10°以下とは、繊維角度が-10度以上+10度以下であることを意味する。
図2の実施形態において、ストレート層を構成するシート(ストレートシート)は、シートs1、シートs8、シートs8、シートs9、シートs11、シートs12、シートs13及びシートs14である。ストレート層は、曲げ剛性及び曲げ強度への寄与が大きい。
バイアス層は、繊維の配向が軸方向に対して実質的に傾斜した層である。バイアス層は、捻れ剛性及び捻れ強度への寄与が大きい。好ましくは、バイアス層は、繊維の配向が互いに逆方向に傾斜した2枚のシートペアにより形成されている。好ましくは、このシートペアは、繊維角度が-60°以上-30°以下の層と、繊維角度が30°以上60°以下の層とを含む。即ち、好ましくは、バイアス層では、絶対角度が30°以上60°以下である。
シャフト6において、バイアス層を構成するシート(バイアスシート)は、シートs2、シートs3、シートs4、シートs5、シートs6及びシートs7である。シートs2とシートs3とが、シートペア(第1のシートペア)を構成している。シートs4とシートs5とが、シートペア(第2のシートペア)を構成している。シートs6とシートs7とが、シートペア(第3のシートペア)を構成している。各シートペアは、互いに貼り合わされた状態で巻回される。シャフト6は、複数(3つ)のシートペアを含む。
図2には、シート毎に、繊維角度が記載されている。繊維角度におけるプラス(+)及びマイナス(-)は、繊維の傾斜方向を示している。各シートペアでは、繊維角度がプラスのシートと、繊維角度がマイナスのシートとが組み合わされている。各シートペアでは、繊維が互いに逆方向に傾斜している。
フープ層は、繊維が実質的にシャフトの周方向に沿うように配置された層である。好ましくは、フープ層において、繊維の絶対角度は、シャフト軸線に対して実質的に90°とされる。ただし、巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に90°とはならない場合がある。通常、このフープ層では、繊維の絶対角度が80°以上90°以下である。
フープ層は、シャフトのつぶし剛性及びつぶし強度への寄与が大きい。つぶし剛性とは、つぶし変形に対する剛性である。つぶし変形は、シャフトをその半径方向内側に向かって押し潰す力によって生ずる。典型的なつぶし変形では、シャフト断面が円形から楕円形に変化する。つぶし強度とは、つぶし変形に対する強度である。つぶし強度は、曲げ強度とも関連しうる。曲げ変形に連動してつぶし変形が生じうる。特に肉厚の薄い軽量シャフトにおいては、この連動性が大きい。つぶし強度の向上は、曲げ強度の向上に寄与しうる。
図2の実施形態において、フープ層用のプリプレグシート(フープシート)は、シートs10である。フープ層s10は、ストレート層s9とストレート層s11とに挟まれている。
図2に示されるシャフト6の作製では、合体シートが用いられる。合体シートは、複数のシートが貼り合わされることによって形成される。
図2の実施形態では、4組の合体シートが用いられる。第1の合体シートは、シートs2とシートs3との組み合わせである。第2の合体シートは、シートs4とシートs5との組み合わせである。第3の合体シートは、シートs6とシートs7との組み合わせである。第4の合体シートは、シートs9、シートs10及びシートs11の組み合わせである。
上述の通り、本願では、繊維の配向角度によって、シート及び層が分類される。加えて、本願では、軸方向の長さによって、シート及び層が分類される。
軸方向の全体に配置される層が、全長層と称される。軸方向の全体に配置されるシートが、全長シートと称される。巻回された全長シートが、全長層を形成する。一方、軸方向において部分的に配置される層が、部分層と称される。軸方向において部分的に配置されるシートが、部分シートと称される。巻回された部分シートが、部分層を形成する。
バイアス層である全長層が、全長バイアス層と称される。ストレート層である全長層が、全長ストレート層と称される。フープ層である全長層が、全長フープ層と称される。
図2の実施形態では、全長バイアス層は、シートs2及びシートs3である。全長ストレート層は、シートs9、シートs11、シートs12及びシートs13である。シャフト6は、複数の全長ストレート層s9,s11,s12,s13を有する。全長フープ層は、シートs10である。シャフト6は、全長ストレート層s9,s11に挟まれた全長フープ層s10を有する。
バイアス層である部分層が、部分バイアス層と称される。ストレート層である部分層が、部分ストレート層と称される。フープ層である部分層が、部分フープ層と称される。
図2の実施形態では、部分バイアス層は、シートs4、シートs5、シートs6及びシートs7である。部分ストレート層は、シートs1、シートs8及びシートs14である。部分フープ層は設けられていない。
シートs4及びシートs5は、先端部分バイアス層p1である。先端部分バイアス層p1は、シャフト6のチップ部分に配置されている。先端部分バイアス層p1の一端はチップ端Tpに位置する。シートs6及びシートs7は、中間部分バイアス層p2である。中間部分バイアス層p2は、チップ端Tp及びバット端Btから離れた位置にある。シャフト6は、先端部分バイアス層p1と中間部分バイアス層p2とを有する。先端部分バイアス層p1の軸方向範囲と中間部分バイアス層p2の軸方向範囲との重なりは存在しない。中間部分バイアス層p2の軸方向中心位置は、シャフト6の軸方向中心位置よりもバット端Bt側にある。シャフト6は、後端部分バイアス層を有していない。
中間部分バイアス層p2の軸方向範囲は、チップ端Tpから830mm離れた地点を含む。中間部分バイアス層p2の軸方向範囲は、チップ端Tpから730mm離れた地点を含む。
以下に、このシャフト6の製造工程の概略が説明される。
[シャフト製造工程の概略]
(1)裁断工程
裁断工程では、プリプレグシートが所望の形状に裁断される。この工程により、図2に示される各シートが切り出される。
なお、裁断は、裁断機によりなされてもよいし、手作業でなされてもよい。手作業の場合、例えば、カッターナイフが用いられる。
(2)貼り合わせ工程
この工程では、複数のシートが貼り合わされて、前述した合体シートが作製される。貼り合わせ工程では、加熱及び/又はプレスが用いられてもよい。
(3)巻回工程
巻回工程では、マンドレルが用意される。典型的なマンドレルは、金属製である。このマンドレルに、離型剤が塗布される。更に、このマンドレルに、粘着性を有する樹脂が塗布される。この樹脂は、タッキングレジンとも称される。このマンドレルに、裁断されたシートが巻回される。このタッキングレジンは、マンドレルへのシート端部の貼り付けを容易とする。
この巻回工程により、巻回体が得られる。この巻回体では、マンドレルの外側にプリプレグシートが巻き付けられている。この巻回は、例えば、平面上で巻回対象物を転がすことによりなされる。この巻回は、手作業によりなされてもよいし、機械によりなされてもよい。この機械は、ローリングマシンと称される。
(4)テープラッピング工程
テープラッピング工程では、前記巻回体の外周面にテープが巻き付けられる。このテープは、ラッピングテープとも称される。このラッピングテープは、張力を付与されつつ、隙間無く螺旋状に巻き付けられる。このラッピングテープにより、巻回体に圧力が加えられる。この圧力はボイドの低減に寄与する。
(5)硬化工程
硬化工程では、テープラッピングがなされた後の巻回体が、加熱される。この加熱に起因して、マトリクス樹脂が硬化する。この硬化の過程で、マトリクス樹脂が一時的に流動化する。このマトリクス樹脂の流動化により、シート間又はシート内の空気が排出されうる。ラッピングテープの締め付け力は、この空気の排出を促進する。この硬化の結果、硬化積層体が得られる。
(6)マンドレルの引き抜き工程及びラッピングテープの除去工程
硬化工程の後、マンドレルの引き抜き工程とラッピングテープの除去工程とがなされる。好ましくは、マンドレルの引き抜き工程の後に、ラッピングテープの除去工程がなされる。
(7)両端カット工程
この工程では、硬化積層体の両端部がカットされる。このカットは、チップ端Tpの端面及びバット端Btの端面を平坦とする。
(8)研磨工程
この工程では、硬化積層体の表面が研磨される。硬化積層体の表面には、ラッピングテープの跡として、螺旋状の凹凸が残る。研磨により、この凹凸が消滅し、表面が滑らかになる。
(9)塗装工程
研磨工程後の硬化積層体に塗装が施される。
シャフト6は、軸方向の各位置において、曲げ剛性を有する。この曲げ剛性は、EIとも称される。曲げ剛性の値が、EIとも称される。本願において、EIの単位は、「kgf・m」である。軸方向における任意の位置で、EIが測定されうる。
図3は、EIの測定方法を示している。測定装置として、インテスコ製2020型(最大荷重500kg)の万能材料試験機が用いられうる。第1支持点T1と第2支持点T2とにより、シャフト6が下方から支持される。この支持を維持しながら、測定点T3に上方から荷重F1を加える。荷重F1の向きは、鉛直方向下向きである。点T1と点T2との間の距離は200mmである。測定点T3の位置は、点T1と点T2の間を二等分する位置である。荷重F1を加えたときのたわみ量Hが測定される。荷重F1は、圧子D1により与えられる。圧子D1の先端は、曲率半径が5mmである円筒面である。圧子D1の下方への移動速度は5mm/分である。荷重F1が20kgf(196N)に達した時点で圧子D1の移動を終了し、そのときのたわみ量Hが測定される。たわみ量Hは、鉛直方向における点T3の変位量である。EIは、次式にて算出される。
EI(kgf・m)=F1×L/(48×H)
ただし、F1は最大荷重(kgf)であり、Lは支持点間距離(m)であり、Hはたわみ量(m)である。最大荷重F1は20kgfであり、支持点間距離Lは0.2mである。
EIの測定点として、次の10地点が例示される。
・(測定点1) :チップ端Tpから130mm離れた地点
・(測定点2) :チップ端Tpから230mm離れた地点
・(測定点3) :チップ端Tpから330mm離れた地点
・(測定点4) :チップ端Tpから430mm離れた地点
・(測定点5) :チップ端Tpから530mm離れた地点
・(測定点6) :チップ端Tpから630mm離れた地点
・(測定点7) :チップ端Tpから730mm離れた地点
・(測定点8) :チップ端Tpから830mm離れた地点
・(測定点9) :チップ端Tpから930mm離れた地点
・(測定点10):チップ端Tpから1030mm離れた地点
なお、各測定点において、チップ端からの距離は、軸方向に沿って測定される。これらの距離は、チップ端Tpからバット端Bt側に向かう距離である。
本願では、前記測定点1におけるEIがE1とされる。前記測定点2におけるEIがE2とされる。前記測定点3におけるEIがE3とされる。前記測定点4におけるEIがE4とされる。前記測定点5におけるEIがE5とされる。前記測定点6におけるEIがE6とされる。前記測定点7におけるEIがE7とされる。前記測定点8におけるEIがE8とされる。前記測定点9におけるEIがE9とされる。前記測定点10におけるEIがE10とされる。E1からE10の単位は、kgf・mである。E1からE10の値の決定において、小数点以下第二位の数値は、四捨五入されうる。
図4は、x軸がチップ端からの距離(mm)であり且つy軸が曲げ剛性(kgf・m)である直交座標系のグラフである。図4は、後述される実施例1を示すグラフである。このグラフでは、以下の10の座標点(x,y)がプロットされる。
・点(130,E1)
・点(230,E2)
・点(330,E3)
・点(430,E4)
・点(530,E5)
・点(630,E6)
・点(730,E7)
・点(830,E8)
・点(930,E9)
・点(1030,E10)
説明の便宜上、点(130,E1)を点E1ともいい、点(230,E2)を点E2ともいい、点(330,E3)を点E3ともいい、点(430,E4)を点E4ともいい、点(530,E5)を点E5ともいい、点(630,E6)を点E6ともいい、点(730,E7)を点E7ともいい、点(830,E8)を点E8ともいい、点(930,E9)を点E9ともいい、点(1030,E10)を点E10ともいう。
このグラフにおいて、点(230,E2)と点(630,E6)とを通る直線の式がy=ax+bとされる。この直線は、シャフトの全体的な剛性分布の傾向を示す。図4では、この直線が破線で示されている。この直線が、L1とも称される。本実施形態では、aが0.0052であり、bが1.1である。
この直線L1は、個々のシャフトによって相違しうる。この直線L1は、例えばゴルファーの特性(例えばヘッドスピード)に基づき調整されうる。この直線L1に対する相対的な値を規定することで、個々のシャフトに適合した特性を規定することができる。なお直線L1の傾きaはシャフトのテーパー率等で調整されうる。また直線L1の切片bはシャフトの全体的な厚み(例えば全長ストレート層の厚み)等で調整されうる。シャフトの曲げ剛性が全体的に変化すると、bの値が変化しうる。
E1及びE8に基づく効果を妨げない観点から、直線L1の傾きaは大きいのが好ましい。傾きaは、0.003以上が好ましく、0.004以上がより好ましく、0.005以上がより好ましい。傾きaが過大であると、E1が過小になったりE8が過大となったりしうる。この観点から、傾きaは、0.008以下が好ましく、0.007以下がより好ましく、0.006以下がより好ましい。
全体的な曲げ剛性が過大であると、上級者にとっても硬すぎるシャフトとなりうる。全体的な曲げ剛性が硬すぎるシャフトは、スイングしにくく、フィーリングが悪い。この観点から、直線L1の切片bは、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下がより好ましい。全体的な曲げ剛性が過小であると、非力なゴルファーとっても軟らかすぎるシャフトとなりうる。全体的な曲げ剛性が軟らかすぎるシャフトは、スイングしにくく、フィーリングが悪い。この観点から、直線L1の切片bは、-1.0以上が好ましく、0.0以上がより好ましく、0.5以上がより好ましい。
図4の実施形態では、点E1は直線L1よりも上側に位置する。即ち、(130a+b)よりもE1が大きい。点E3は直線L1よりも下側に位置する。即ち、(330a+b)よりもE3が小さい。点E4は直線L1よりも下側に位置する。即ち、(430a+b)よりもE4が小さい。点E5は直線L1よりも下側に位置する。即ち、(530a+b)よりもE5が小さい。点E7は直線L1よりも上側に位置する。即ち、(730a+b)よりもE7が大きい。点E8は直線L1よりも上側に位置する。即ち、(830a+b)よりもE8が大きい。点E9は直線L1よりも下側に位置する。即ち、(930a+b)よりもE9が小さい。点E10は直線L1よりも下側に位置する。即ち、(1030a+b)よりもE10が小さい。
シャフトの中間部の大部分を構成する点E3から点E5までの部分が直線L1より下側に位置する。更には、点E2から点E6までの部分(点E2及び点E6を除く)が直線L1より下側に位置する。これらの構成により、シャフトの全体的な撓りが確保される。この全体的な撓りとシャフト先端部の走りとの相乗により、ヘッドスピードが向上しうる。
点E7は、点E1に比べて、直線L1から離れている。|E7-(730a+b)|は、|E1-(130a+b)|よりも大きい。点E7は、点E3に比べて、直線L1から離れている。|E7-(730a+b)|は、|E3-(330a+b)|よりも大きい。点E7は、点E4に比べて、直線L1から離れている。|E7-(730a+b)|は、|E4-(430a+b)|よりも大きい。点E7は、点E5に比べて、直線L1から離れている。|E7-(730a+b)|は、|E5-(530a+b)|よりも大きい。点E7は、点E9に比べて、直線L1から離れている。|E7-(730a+b)|は、|E9-(930a+b)|よりも大きい。点E10は、点E7に比べて、直線L1から離れている。|E10-(1030a+b)|は、|E7-(730a+b)|よりも大きい。
直線L1に対して大きなE7は、E8に起因する効果をより一層高めうる。
点E8は、点E1に比べて、直線L1から離れている。|E8-(830a+b)|は、|E1-(130a+b)|よりも大きい。点E8は、点E3に比べて、直線L1から離れている。|E8-(830a+b)|は、|E3-(330a+b)|よりも大きい。点E8は、点E4に比べて、直線L1から離れている。|E8-(830a+b)|は、|E4-(430a+b)|よりも大きい。点E8は、点E5に比べて、直線L1から離れている。|E8-(830a+b)|は、|E5-(530a+b)|よりも大きい。点E8は、点E9に比べて、直線L1から離れている。|E8-(830a+b)|は、|E9-(930a+b)|よりも大きい。点E10は、点E8に比べて、直線L1から離れている。|E10-(1030a+b)|は、|E8-(830a+b)|よりも大きい。
なお、記号「||」は絶対値を示している。例えば、|E7-(730a+b)|は、[E7-(730a+b)]の絶対値である。
比(E8/E1)が大きくされることで、フィーリングが向上し、シャフトの先端部における弾きが向上する。弾きの向上により、飛距離が増加する。この観点から、比(E8/E1)は、2.0以上が好ましく、2.4以上がより好ましく、2.8以上がより好ましい。この比が過大であると、E1が軟らかすぎたり、E8が固すぎたりして、上記効果が減少する。この観点から、比(E8/E1)は、7.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましく、5.0以下がより好ましく、4.0以下がより好ましい。
E1が過大であると振りにくくなり、振りにくさに起因して打球の方向安定性も低下する。E1が小さくされることで、しなりが感じられやすくなりフィーリングが向上する。また、シャフトの先端部が走り、弾きが向上する。これらの観点から、E1は、2.5(kgf・m)以下が好ましく、2.3(kgf・m)以下がより好ましく、2.1(kgf・m)以下がより好ましい。E1が過小であると、シャフトの先端部が軟らかくなり、インパクト時におけるシャフトの安定性が低下し、打球の方向安定性も低下する。また、E1が過小であると、しなり戻りが不十分となり、シャフトの先端部の走りが低下する。これらの観点から、E1は、1.5(kgf・m)以上が好ましく、1.7(kgf・m)以上がより好ましく、1.9(kgf・m)以上がより好ましい。
E8が過小であると、適切なしなり戻りが得られず、ヘッドスピードが低下する。E8が大きくされることで、シャフトの安定性が増加し、打球の方向安定性も良好となる。またこの場合、インパクト直前での粘り感が向上する。これらの観点から、E8は、5.0(kgf・m)以上が好ましく、5.3(kgf・m)以上がより好ましく、5.6(kgf・m)以上がより好ましい。E8が過大であると、シャフトの手元側が過度に硬くなり、フィーリングが悪化し、ヘッドスピードが低下する。この観点から、E8は、6.5(kgf・m)以下が好ましく、6.2(kgf・m)以下がより好ましく、5.9(kgf・m)以下がより好ましい。
シャフト6は、次の関係R1を満たしている。
(130a+b)< E1 ≦(130a+b+0.5) ・・・(R1)
E1が(130a+b)より大きくされることで、インパクト時のシャフトの安定性が高まり、打球の方向安定性が良好となる。また、E1が過小であると、しなり戻りが不十分となり、シャフトの先端部の走りが低下する。これらの観点から、E1は、(130a+b)より大きいのが好ましく、(130a+b+0.1)以上がより好ましく、(130a+b+0.2)以上がより好ましい。E1が過大であると振りにくくなり、振りにくさに起因して打球の方向安定性も低下する。E1が(130a+b+0.5)以下とされることで、シャフトの先端部が走り、弾きが良好となる。これらの観点から、E1は、(130a+b+0.5)以下が好ましく、(130a+b+0.4)以下がより好ましく、(130a+b+0.3)以下がより好ましい。
上述の通り、シャフト6は先端部分バイアス層p1を有する(図2参照)。先端部分バイアス層p1の軸方向範囲は、点E1を含む。先端部分層が先端部分バイアス層p1を含むことで、E1が過大になることが抑制される。先端部分バイアス層p1により上記関係R1が容易に達成されうる。先端部分バイアス層p1は、シャフト先端部の捻れ剛性を上げ打球の方向安定性を高めつつ、曲げ剛性において上記関係R1の達成に寄与する。E1を適正とする観点から、先端部分バイアス層p1の軸方向長さは、130mm以上が好ましく、140mm以上がより好ましく、150mm以上がより好ましい。E1を適正とする観点から、先端部分バイアス層p1の軸方向長さは、300mm以下が好ましく、260mm以下がより好ましく、220mm以下がより好ましい。
シャフト6は、次の関係R8を満たしている。シャフト6は、次の関係R81を満たしている。
(830a+b)< E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R8)
(830a+b+0.5)≦ E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R81)
E8が過小であると、適切なしなり戻りが得られず、ヘッドスピードが低下する。E8が(830a+b)より大きくされることで、スイング時におけるシャフトの安定性が増加し、打球の方向安定性が高まる。またこの場合、インパクト直前での粘り感が向上する。これらの観点から、E8は、(830a+b+0.1)以上が好ましく、(830a+b+0.3)以上がより好ましく、(830a+b+0.5)以上がより好ましい。E8が過大であると、シャフトの手元部が過度に硬くなりフィーリングが悪化する。また、振りにくさに起因して、打球の方向安定性が低下し、ヘッドスピードが低下する。これらの観点から、E8は、(830a+b+1.0)以下が好ましく、(830a+b+0.9)以下がより好ましく、(830a+b+0.8)以下がより好ましい。
上述の通り、直線L1はシャフトの全体的な剛性分布の傾向を示している。この直線L1に対する相対的な値を規定することで、個々のシャフトに適合した特性を規定することができる。この観点から、点E3からE5は、直線L1に近いのが好ましい。具体的には、点E3からE5について、以下が好ましい。
点E3について、以下の関係R3が好ましく、関係R31がより好ましい。
(330a+b-0.2)< E3 ≦(330a+b+0.2) ・・・(R3)
(330a+b-0.1)< E3 ≦(330a+b+0.1) ・・・(R31)
点E4について、以下の関係R4が好ましく、関係R41がより好ましい。
(430a+b-0.2)< E4 ≦(430a+b+0.2) ・・・(R4)
(430a+b-0.1)< E4 ≦(430a+b+0.1) ・・・(R41)
点E5について、以下の関係R5が好ましく、関係R51がより好ましい。
(530a+b-0.2)< E5 ≦(530a+b+0.2) ・・・(R5)
(530a+b-0.1)< E5 ≦(530a+b+0.1) ・・・(R51)
このように、図4の実施形態では、点E8の曲げ剛性を直線L1に対して高めている。点E8近傍を直線L1に対して選択的に硬くすることで、シャフト先端部が走りヘッドスピードが向上すると同時に、スイング時におけるシャフトの安定性が高まり、インパクト時まで粘り感が維持されうる。
E9は、グリップの内側に位置する。このため、E9のスイングの安定性に対する影響は少ない。一方、E9を低くすることで、手に感じられる振動の吸収性が高まり、フィーリングが向上しうる。これらの観点から、E9は、(930a+b-0.1)以下が好ましく、(930a+b-0.2)以下がより好ましく、(930a+b-0.3)以下がより好ましい。E8からE9への過度な減少は応力集中を招来し、強度を低下させうる。この観点から、E9は、(930a+b-1.0)以上が好ましく、(930a+b-0.8)以上がより好ましく、(930a+b-0.6)以上がより好ましい。
E10は、グリップの内側に位置する。E10のスイングの安定性に対する影響は、E9よりも更に少ない。一方、E10を低くすることで、手に感じられる振動の吸収性が高まり、フィーリングが向上しうる。これらの観点から、E10は、(1030a+b-0.6)以下が好ましく、(1030a+b-0.7)以下がより好ましく、(1030a+b-0.8)以下がより好ましい。E8からのE10への過度な減少は応力集中を招来し、強度を低下させうる。この観点から、E10は、(1030a+b-1.8)以上が好ましく、(1030a+b-1.6)以上がより好ましく、(1030a+b-1.4)以上がより好ましい。
E8による上記効果を得ながら振動の吸収性を高める観点から、E10がE8より小さいのが好ましく、E10がE9より小さいのが好ましい。
図2が示すように、シャフト6は、中間部分層として、シートs6,s7を有している。中間部分層s6,s7は、チップ端Tp及びバット端Btから離れた位置にある。中間部分層s6,s7の軸方向範囲は、チップ端Tpから830mm離れた地点を含む。中間部分層s6,s7の軸方向範囲は、チップ端Tpから730mm離れた地点を含む。図2の実施形態では、中間部分層を構成するシートが2枚である。中間部分層を構成するシートは、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。中間部分層s6,s7により、曲げ剛性が部分的に高くなる。中間部分層s6,s7は、図4のグラフの点E8近傍において直線L1から上側に突出した部分(剛性突出部)を形成するのに寄与している。中間部分層は、[E8-(830a+b)]を高めるのに寄与している。
中間部分層s6,s7において、炭素繊維の配向は、シャフトの軸方向に対して傾斜している。すなわち、中間部分層s6,s7は、中間部分バイアス層p2である。中間部分層s6,s7が中間部分バイアス層p2とされることで、前記剛性突出部の曲げ剛性が過大となることが抑制される。すなわち、[E8-(830a+b)]が適正値となる。また、中間部分バイアス層p2が用いられることで、中間部分層の軸方向長さをある程度大きくしても、剛性突出部の剛性が過大とならない。このため、裾野が広い剛性突出部を形成することができ、当該剛性突出部の両端部における応力集中を緩和することができる。
中間部分層(中間部分バイアス層)の繊維の絶対角度が過小であると、[E8-(830a+b)]が適正値よりも高くなりやすい。この観点から、中間部分層(中間部分バイアス層)の繊維の絶対角度は、20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がより好ましい。中間部分層(中間部分バイアス層)の繊維の絶対角度が過大であると、[E8-(830a+b)]が適正値よりも低くなりやすい。この観点から、中間部分層(中間部分バイアス層)の繊維の絶対角度は、70°以下が好ましく、60°以下がより好ましく、50°以上がより好ましい。
E8を適切に高める観点から、中間部分層の軸方向長さLm(図2参照)は、250mm以上が好ましく、300mm以上がより好ましく、350mm以上がより好ましい。E6及びE9を適切な値とする観点から、長さLmは、550mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましく、450mm以下がより好ましい。
図5は、第2実施形態に係るシャフトを構成するプリプレグシートの展開図である。中間部分層s6,s6が中間部分バイアス層p2ではなく中間部分ストレート層p3であることを除き、図5の実施形態は、図2の実施形態と同じである。図5の実施形態では、中間部分層の繊維の絶対角度が0°である。これに対して、図2の実施形態では、中間部分層の繊維の絶対角度が45°である。
中間部分層が中間部分ストレート層とされると、前記剛性突出部の曲げ剛性が過大となりうる。[E8-(830a+b)]を適正とする観点からは、中間部分層は中間部分バイアス層であるのが好ましい。
後述される表では、図5の実施形態は比較例(比較例2及び比較例5)であるが、図5は実施例ともなりうる。
E10の測定を可能とするには、シャフトの長さLsは、1030mm以上である必要がある。なお、図3に示されるEIの測定方向から理解できるように、E10を測定するためには、チップ端Tpから1030mmの地点から更に100mm延びている必要があるが、E10の測定後にシャフトの後端部をカットすることができる。E10の測定の観点から、シャフトの長さLsは、1030mm以上が好ましく、1080mm以上がより好ましく、1130mm以上がより好ましく、1140mm以上がより好ましい。ゴルフルールにおけるクラブ長さの制限を考慮すると、シャフトの長さLsは、1210mm以下が好ましく、1200mm以下がより好ましく、1190mm以下がより好ましい。
[実施例1]
上述されたシャフトの製造工程に従って、シャフトを作製した。シャフトのシート構成は、図2に示される通りとされた。シャフトの長さLsは、1143mmとされた。得られたシャフトにドライバーヘッド及びグリップを装着して、ゴルフクラブを得た。
[実施例2-6及び比較例1-6]
表1及び表2に示される仕様の他は実施例1と同じにして、実施例2-6及び比較例1-6に係るゴルフクラブを得た。シート構成及びプリプレグ材料を適宜変更して、E1からE10の値を調整した。
<曲げ剛性EIの測定>
図3に示される上述の方法で、上記測定点1~10のEIを測定した。この測定値に基づく各値が下記の表1及び表2に示されている。
<飛距離の計測>
ドライバーでのヘッドスピードが40m/s以上でありハンディキャップが0~10である5名が各クラブで5球ずつ打撃し、各打撃について、最終到達点までの飛距離を測定した。この飛距離はランを含む。各クラブにおけるデータの平均値が下記の表1及び表2に示されている。
<打球の方向安定性>
飛距離が測定された上記打撃において、打球の方向安定性も測定された。打撃されるボールの位置と目標とを結ぶ線と打球の最終到達点との距離が測定された。右にズレても左にズレても、この距離はプラスの値とされた。この値の平均値を、当該平均値が大きいほうから順に1から5の5段階に分類した。この評価点数が高いほど打球の方向安定性が高い。この評価点数が下記の表1及び表2に示されている。
<ヘッドスピード>
飛距離が測定された上記打撃において、ヘッドスピードも測定された。この測定値の平均値が、下記の表1及び表2に示されている。
<フィーリング>
飛距離が測定された上記打撃において、フィーリングも測定された。各テスターが1~5の5段階で打撃時のフィーリングを評価した。評価点数が高いほどフィーリングが良好である。この評価点数の平均値が、下記の表1及び表2に示されている。
Figure 2022068723000002
Figure 2022068723000003
表1及び表2に示されるように、実施例は、比較例に比べて評価が高い。
以下の付記は、本開示に含まれる発明の一部である。
[付記1]
チップ端と、
バット端と、
前記チップ端から130mm離れた地点における曲げ剛性E1と、
前記チップ端から230mm離れた地点における曲げ剛性E2と、
前記チップ端から330mm離れた地点における曲げ剛性E3と、
前記チップ端から430mm離れた地点における曲げ剛性E4と、
前記チップ端から530mm離れた地点における曲げ剛性E5と、
前記チップ端から630mm離れた地点における曲げ剛性E6と、
前記チップ端から730mm離れた地点における曲げ剛性E7と、
前記チップ端から830mm離れた地点における曲げ剛性E8と、
前記チップ端から930mm離れた地点における曲げ剛性E9と、
前記チップ端から1030mm離れた地点における曲げ剛性E10と、
を有しており、
比(E8/E1)が、2以上7以下であり、
前記曲げ剛性E1が、2.5(kgf・m)以下であり、
前記曲げ剛性E8が、5.0(kgf・m)以上であり、
x軸がチップ端からの距離(mm)であり且つy軸が曲げ剛性(kgf・m)である直交座標系のグラフにおいて、点(230,E2)と点(630,E6)とを通る直線の式がy=ax+bとされるとき、次の関係R1及びR8を満たすゴルフクラブシャフト。
(130a+b)< E1 ≦(130a+b+0.5) ・・・(R1)
(830a+b)< E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R8)
[付記2]
次の関係R81を満たす付記1に記載のゴルフクラブシャフト。
(830a+b+0.3)≦ E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R81)
[付記3]
前記曲げ剛性E9が(930a+b-0.1)以下である付記1又は2に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記4]
前記曲げ剛性E10が(1030a+b-0.6)以下である付記1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
[付記5]
次の関係R3、R4及びR5を満たす付記1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
(330a+b-0.2)< E3 ≦(330a+b+0.2) ・・・(R3)
(430a+b-0.2)< E4 ≦(430a+b+0.2) ・・・(R4)
(530a+b-0.2)< E5 ≦(530a+b+0.2) ・・・(R5)
[付記6]
前記ゴルフクラブシャフトが、複数の炭素繊維強化樹脂層により形成されており、
前記複数の炭素繊維強化樹脂層が、前記チップ端及び前記バット端から離れた位置に配置された中間部分バイアス層を有しており、
前記中間部分バイアス層の軸方向範囲が、前記チップ端から830mm離れた地点を含む付記1から5のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
8・・・グリップ
s1~s14・・・プリプレグシート(層)
p2・・・中間部分バイアス層(中間部分層)
p3・・・中間部分ストレート層(中間部分層)
Bt・・・バット端
Tp・・・チップ端

Claims (6)

  1. チップ端と、
    バット端と、
    前記チップ端から130mm離れた地点における曲げ剛性E1と、
    前記チップ端から230mm離れた地点における曲げ剛性E2と、
    前記チップ端から330mm離れた地点における曲げ剛性E3と、
    前記チップ端から430mm離れた地点における曲げ剛性E4と、
    前記チップ端から530mm離れた地点における曲げ剛性E5と、
    前記チップ端から630mm離れた地点における曲げ剛性E6と、
    前記チップ端から730mm離れた地点における曲げ剛性E7と、
    前記チップ端から830mm離れた地点における曲げ剛性E8と、
    前記チップ端から930mm離れた地点における曲げ剛性E9と、
    前記チップ端から1030mm離れた地点における曲げ剛性E10と、
    を有しており、
    比(E8/E1)が、2以上7以下であり、
    前記曲げ剛性E1が、2.5(kgf・m)以下であり、
    前記曲げ剛性E8が、5.0(kgf・m)以上であり、
    x軸がチップ端からの距離(mm)であり且つy軸が曲げ剛性(kgf・m)である直交座標系のグラフにおいて、点(230,E2)と点(630,E6)とを通る直線の式がy=ax+bとされるとき、次の関係R1及びR8を満たすゴルフクラブシャフト。
    (130a+b)< E1 ≦(130a+b+0.5) ・・・(R1)
    (830a+b)< E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R8)
  2. 次の関係R81を満たす請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
    (830a+b+0.3)≦ E8 ≦(830a+b+1.0) ・・・(R81)
  3. 前記曲げ剛性E9が(930a+b-0.1)以下である請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 前記曲げ剛性E10が(1030a+b-0.6)以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 次の関係R3、R4及びR5を満たす請求項1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
    (330a+b-0.2)< E3 ≦(330a+b+0.2) ・・・(R3)
    (430a+b-0.2)< E4 ≦(430a+b+0.2) ・・・(R4)
    (530a+b-0.2)< E5 ≦(530a+b+0.2) ・・・(R5)
  6. 前記ゴルフクラブシャフトが、複数の炭素繊維強化樹脂層により形成されており、
    前記複数の炭素繊維強化樹脂層が、前記チップ端及び前記バット端から離れた位置に配置された中間部分バイアス層を有しており、
    前記中間部分バイアス層の軸方向範囲が、前記チップ端から830mm離れた地点を含む請求項1から5のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
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