JP2018000083A - 飲料、飲料の製造方法、及び酸味低減方法 - Google Patents

飲料、飲料の製造方法、及び酸味低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クエン酸由来の酸味を低減する飲料、飲料の製造方法、及び酸味低減方法を提供する。【解決手段】本発明の飲料は、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上、並びにグルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を含有することを特徴とする。飲料中において、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種は15g/L以下であってもよい。クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種は、柑橘類の搾出液として配合されてもよい。飲料中において、糖酸塩が1〜110mM含有されてもよい。糖酸塩は、カルシウム塩であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、クエン酸由来の酸味を低減することができる飲料、飲料の製造方法、及び酸味低減方法に関する。
一般に、クエン酸はレモン、ミカン等の柑橘類に多く含まれ、生体内において糖代謝系であるクエン酸回路の一成分をなすことが知られている。従来より、特許文献1に開示されるようにクエン酸を摂取することにより運動による筋肉中の乳酸の蓄積を防止することにより、疲労を回復させる効果を発揮することが知られている。また、特許文献2に開示されるように、生体内においてエネルギー生産が効率化されることにより、運動持久力を向上させる効果を発揮することが知られている。
しかしながら、クエン酸自体は酸味が強いため、クエン酸を飲料として摂取する場合、飲用として嗜好的に困難であるという問題があった。そこで、従来より特許文献3に記載されるようにクエン酸の酸味を低減させることにより嗜好性の向上を図る方法が知られている。かかる方法は、クエン酸含有飲料において特定の割合でコハク酸ナトリウム又はフマル酸ナトリウムを配合させることにより、クエン酸由来の酸味を緩和させている。
特開2001−204425号公報 特開2010−254595号公報 特開2005−261395号公報
ところが、例えば特許文献3に開示されるクエン酸含有飲料は、依然としてその効果は十分でなく、より一層の酸味低減効果が求められていた。
本発明の目的とするところは、優れたクエン酸由来の酸味を低減する効果を発揮する飲料、飲料の製造方法、及び酸味低減方法を提供することにある。
本発明は、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩が優れたクエン酸由来の酸味を低減する効果を発揮することを見出したことに基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上、並びにグルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を含有することを特徴とする飲料を提供する。前記飲料中において、前記クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種は15g/L以下であってもよい。前記クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種は、柑橘類の搾出液として配合されてもよい。前記飲料中において、前記糖酸塩が1〜110mM含有されてもよい。前記糖酸塩は、カルシウム塩であってもよい。
本発明の別の態様では、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上含有する飲料に、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を添加したことを特徴とする飲料の製造方法を提供する。
本発明の別の態様では、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上含有する飲料に、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を添加することによりクエン酸由来の酸味を低減することを特徴とする酸味低減方法を提供する。
本発明によれば、クエン酸由来の酸味を低減することができる。
以下、本発明の飲料を具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の飲料には、クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種(以下、「クエン酸等」という)が配合されている。クエン酸としては、クエン酸無水物及びクエン酸水和物のいずれを用いてもよい。クエン酸塩としては、薬学的に許容される塩であればよく、例えばクエン酸のナトリウム塩、クエン酸のカリウム塩、クエン酸のマグネシウム塩、クエン酸のカルシウム塩等が挙げられる。これらのクエン酸等は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのクエン酸等としては、発酵法による生合成品、化学合成品、天然物から水・親水性有機溶媒等を用いて抽出した抽出品のいずれを使用してもよい。クエン酸等の配合形態としては、生合成品、化学合成品、天然物からの粗抽出物、抽出物又は精製品を飲料へ適用してもよく、クエン酸等を含有する素材を飲料中に配合してもよい。クエン酸等を含有する素材としては、例えば野菜、果実、もろみ酢等が挙げられる。特に柑橘類及び梅類にクエン酸は多く含有されている。これらの中で、好ましくは、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、スダチ等の柑橘類が用いられる。それらの素材は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。クエン酸等を含有する素材として、柑橘類由来の原料を使用する場合、好ましくは柑橘類の果汁等の搾出液又はその濃縮物が用いられてもよい。その他、葉、果実(果皮(アルベド、フラベド)、じょうのう膜及びさのう等)、又はその果実の構成成分の一部を含有するものの搾出液を使用してもよい。例えば、柑橘類の果汁等のクエン酸等を含有する素材、その濃縮物又はその希釈物に、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を配合することにより飲料を調製してもよい。
飲料中におけるクエン酸等の含有量の下限は、1.3g/L以上、好ましくは1.5g/L以上、より好ましくは2g/L以上である。飲料中におけるクエン酸等の含有量が1.3g/L以上の場合、クエン酸由来の酸味が強くなるため、後述する糖酸塩により、酸味低減効果を得ることができる。一方、飲料中におけるクエン酸等の含有量の上限は、特に限定されないが、好ましくは15g/L以下、より好ましくは13g/L以下、さらに12g/L以下である。飲料中におけるクエン酸等の含有量が15g/L以下の場合、後述する糖酸塩により、より効率的に酸味低減効果を発揮することができる。
グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩は、クエン酸由来の酸味を低減させるための酸味低減剤として添加される。グルコン酸を構成糖として含んでなる二糖としては、特に限定されないが、還元末端にグルコン酸残基を有する二糖酸が好ましく適用される。還元末端にアルドン酸残基を有する二糖酸としては、例えばマルトビオン酸(4−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコン酸)、イソマルトビオン酸、ラクトビオン酸等が挙げられる。これらの糖酸塩としては、特に限定されず、例えばアルカリ土類金属塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。これらの糖酸塩は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、クエン酸由来の酸味を低減させる作用に優れる観点から、上述した糖酸のカルシウム塩が好ましく、グルコン酸カルシウム又はマルトビオン酸カルシウムがより好ましく、マルトビオン酸カルシウムがさらに好ましい。
飲料中における上述した糖酸塩の含有量の下限は、特に限定されないが、好ましくは1mM(mol/m)以上、より好ましくは5mM以上、さらに好ましくは10mM以上である。かかる場合、クエン酸由来の酸味を低減させる効果をより向上させることができる。一方、飲料中における上述した糖酸塩の含有量の上限は、特に限定されないが、好ましくは110mM以下、より好ましくは90mM以下、さらに好ましくは70mM以下である。かかる場合、飲料の安定性をより向上させることができる。また、飲料の味覚の低下をより抑制することができる。
本実施形態の飲料は、例えば公知の各種飲料類(果汁又は野菜汁入り飲料、清涼飲料、ミネラル飲料、スポーツドリンク、紅茶、炭酸飲料、アルコール飲料、ノンアルコール飲料等)等の他、ゼリー状食品(ゼリー、寒天、ゼリー状飲料等)、調味料(調味液、ドレッシング等)、果汁入りポーション、内容物が液状であるカプセル(ソフトカプセル、ハードカプセル)等も含むものとする。飲料には、ペクチンやカラギーナンなどのゲル化剤、グルコース、ショ糖、果糖、乳糖、ステビア、アスパルテーム、糖アルコール等の糖類・甘味料、香料等の食品添加剤、植物性油脂及び動物性油脂等の油脂等を適宜含有させることができる。また、飲料の用途としては、特に限定されず、いわゆる一般食品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、特定保健用食品、機能性表示食品、病者用食品として適用することができる。
次に、本実施形態の飲料の作用について説明する。
クエン酸等を含有する飲料に、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を添加することにより、クエン酸由来の酸味を低減させることができる。特に、本発明は、飲料のpHの上昇に頼ることなく、クエン酸由来の酸味を低減させることができる。したがって、特に、pHの変動(上昇)が好ましくない各種飲料に好適に適用することができる。
本実施形態の飲料によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、クエン酸由来の酸味を低減させることができる。特に、溶液のpHの上昇に頼ることなく、クエン酸由来の酸味を低減させることができる。
(2)クエン酸等として、柑橘類の搾出液を適用してもよい。したがって、柑橘類の口当たり等の嗜好性を低下させることなく酸味のみを低減させることができる。また、酸味を感じる成分として、飲料中のクエン酸等、アスコルビン酸等の含有量を削減する必要がない。
(3)好ましくは、飲料中において、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩として、カルシウム塩が適用される。したがって、例えば、乳酸カルシウム等のようなカルシウム製剤を配合することでクエン酸由来の酸味が増強されるおそれがなく、クエン酸由来の酸味の低減効果をより向上させることができる。また、カルシウムイオンも摂取することができ、飲料に対し、カルシウム強化を図ることができる。
(4)また、クエン酸等を摂取することにより、疲労回復又は運動持久力の向上等の効果を得ることができる。したがって、例えば、スポーツ中、スポーツ後、仕事中、勉強中、その他、通勤・通学、家事、育児等において疲労やストレスを感じたときに、摂取することにより、疲労回復効果も期待することができる。その際、クエン酸由来の酸味が低減されることにより、飲用時の不快感が低減される。さらに口当たり等の嗜好性も優れるため、飲用後の爽快感等も得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、飲料の状態としては、液状の他、クリーム状、ゲル状、ゼリー状を含む概念である。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1:各種糖酸によるクエン酸由来の酸味低減効果に関する試験>
レモン搾出液(レモンストレート果汁)を含有する飲料にマルトビオン酸カルシウム等の各種糖酸又は糖酸塩を添加した場合の酸味低減効果について評価した。
各実施例及び比較例について、表1に示される各成分の配合量でクエン酸を含有する飲料をそれぞれ調製した。糖酸又は糖酸塩を配合しない飲料を比較例1(コントロール)とした。各例の飲料には、レモン搾出液由来のクエン酸が6.75g/L含有する。なお、表1中のレモンオイルは、果皮から圧搾又は水蒸気蒸留により得られる精油を使用した。上記のように調製された各例の飲料について、官能試験を行なうことにより、各種糖酸又は糖酸塩のクエン酸に対する酸味低減効果を評価した。
(酸味低減効果)
各例の飲料について、糖酸又は糖酸塩を含有しない比較例1の酸味を基準として、比較例1より酸味を非常に強く感じる:1点、強く感じる:2点、比較例1と同等:3点、比較例1より酸味を弱く感じる:4点、非常に弱く感じる:5点の5段階で評価した。被験者は5名とし、その採点結果について平均点を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1に示す。
(経時処理後の酸味低減効果)
各例の飲料は、93℃で2分間加熱殺菌処理した後、ペットボトル容器に密閉充填した。加速経時試験として60℃14日間放置し、その後、上記と同様に酸味評価を実施した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、各実施例に示される構成は、酸味を低減する効果に優れることが確認された。特に、マルトビオン酸塩を使用する実施例2は、経時処理後においても、酸味低減効果に優れることが確認された。一方、塩化カルシウムを使用する比較例2は、酸味低減効果が得られないことが確認された。乳酸カルシウムを使用する比較例3,4は、酸味が逆に強くなることが確認された。塩態でない糖酸を使用する比較例5〜7は、酸味低減効果が得られないことが確認された。
<試験例2:クエン酸及び糖酸塩の含有量と酸味との関係に関する試験>
クエン酸及び糖酸塩の含有量をそれぞれ変化させた場合の酸味低減効果について評価した。
(1)まず、飲料中におけるクエン酸の含有量と酸味との関係について試験した。表2に示される各成分の配合量でクエン酸を含有する各参考例の飲料をそれぞれ調製した。各参考例の飲料には、レモン搾出液由来のクエン酸が0.45〜4.5g/L含有される。参考例1〜4の飲料について、官能試験を行なうことにより、クエン酸の含有量と酸味の感じ方について評価した。
(酸味評価)
上記のように調製した各参考例の飲料について、酸味を強く感じる:1点、酸味を感じる:2点、酸味が弱い又は酸味を感じない:3点の3段階で評価した。被験者は5名とし、その採点結果について平均点を算出し、平均値が2.5点以上を評価3、1.5点以上2.5点未満を評価2、1.5点未満を評価1とし、評価結果とした。その結果を表2に示す。
表2に示されるように、飲料中におけるレモン搾出液の含有量が30g/L以上(3質量%以上、クエン酸として1.35g/L以上)の参考例2,3において、酸味が感じられることが確認された。
(2)次に、レモン搾出液の含有量が30g/L以上(3質量%以上)の飲料を使用し、クエン酸及び糖酸塩の含有量をそれぞれ変化させた場合の酸味低減効果について評価した。各実施例及び比較例について、表3,4に示される各成分の配合量でクエン酸を含有する飲料をそれぞれ調製した。
実施例4〜7の飲料は、レモン搾出液30g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が1.35g/L)含有される。実施例8〜11の飲料は、レモン搾出液150g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が6.75g/L)含有される。実施例12〜15の飲料は、飲料中にレモン搾出液を150g/L配合した場合と同様のクエン酸含有量となるように、クエン酸6.75g/Lを配合した。実施例16の飲料は、レモン搾出液250g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が11.25g/L)含有される。実施例17,18の飲料は、レモン搾出液300g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が13.5g/L)含有される。上記のように調製した各例の飲料について、官能試験を行なうことにより、マルトビオン酸塩のクエン酸に対する酸味低減効果を評価した。
(酸味低減効果)
各実施例の飲料について、それぞれクエン酸含有量が同一で、糖酸塩を含有しない各比較例の酸味を基準として、比較例より酸味を非常に強く感じる:1点、強く感じる:2点、比較例と同等:3点、比較例より弱く感じる:4点、非常に弱く感じる:5点の5段階で評価した。被験者は5名とし、その採点結果について平均点を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表3,4に示す。
表3,4に示されるように、レモン搾出液30〜300g/L(3〜30質量%)を含有する各実施例の飲料において、糖酸塩による酸味低減効果が認められた。レモン搾出液を150g/L(15質量%)含有する実施例8〜11とレモン搾出液150g/Lの代わりにクエン酸を6.75g/L配合した実施例12〜15は、評価結果が変わらないことが確認された。マルトビオン酸塩の含有量が1.5mMの実施例4,8,12は、酸味低減効果がやや低下傾向を示すことが確認された。レモン搾出液300mg/L(30質量%、クエン酸含有量として13.5g/L)の実施例17,18は、糖酸塩による酸味低減効果がやや低下することが確認された。
<試験例3:飲料のpHと酸味との関係に関する試験>
所定の糖酸塩を使用し、クエン酸の含有量を変化させた飲料について、飲料のpHを測定するとともに、酸味低減効果について評価した。
実施例19及び比較例13の飲料は、レモン搾出液30g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が1.35g/L)含有される。実施例20及び比較例14の飲料は、レモン搾出液50g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が2.25g/L)含有される。実施例21及び比較例15の飲料は、レモン搾出液100g/L(レモン搾出液由来のクエン酸が4.5g/L)含有される。
また、実施例19〜21の飲料は、それぞれ糖酸塩としてマルトビオン酸カルシウムを53.2mM、比較例13〜15は、それぞれ糖酸塩として乳酸カルシウムを53.2mM含有する。実施例19〜21及び比較例13〜15の各飲料についてpHを測定した。
(酸味評価)
上記のように調製した各例の飲料について、酸味を強く感じる:1点、酸味を感じる:2点、酸味が弱い又は酸味を感じない:3点の3段階で評価した。被験者は5名とし、その採点結果について平均点を算出し、平均値が2.5点以上を評価3、1.5点以上2.5点未満を評価2、1.5点未満を評価1とし、評価結果とした。その結果を表5に示す。
表5に示されるように、マルトビオン酸カルシウムを含有する実施例19〜21の飲料は、それぞれ同じクエン酸量の比較例13〜15の飲料よりもpHが低いことが確認される。しかしながら、各実施例はそれぞれ各比較例に対し酸味低減効果に優れることが確認される。つまり、本発明の所定の糖酸塩を使用することにより、飲料のpH上昇に頼ることなく、クエン酸由来の酸味を低減できることが確認された。
<参考試験1:マルトビオン酸カルシウムの含有量と飲料の外観に関する評価>
飲料中のマルトビオン酸カルシウムの含有量を増加した場合の飲料の外観について評価した。各参考例について、表6に示される各成分の配合量でクエン酸を含有する飲料をそれぞれ調製した。各参考例の飲料には、マルトビオン酸カルシウムが0〜121.6mM含有される。上記のように調製した各参考例の飲料について、外観について評価した。
(飲料の外観)
まず、上記のように調製された各参考例の飲料について、褐変を測定するために日本電色工業社製の測色色差計ZE-2000を用いて黄色度YI値を測定した。結果を表6に示す。
(経時処理後の飲料の外観)
各参考例の飲料は、93℃で2分間加熱殺菌処理した後、ペットボトル容器に密閉充填した。加速経時試験として60℃14日間放置し、上記と同様に黄色度YI値を測定した。また、経時処理前と後の黄色度(YI値)について色差(ΔYI値)を求めた。それらの結果を表6に示す。
表6に示されるように、マルトビオン酸カルシウムの配合量が106.4mM以上の場合、ΔYI値が上昇することが確認された。なお、マルトビオン酸カルシウムの配合量が106.4mMの参考例9は、加速経時処理後、カルシウムの析出がやや見られた。マルトビオン酸カルシウムの配合量が121.6mMの参考例10は、カラメル臭が強くなるとともに、加速経時処理後、カルシウムの析出も見られた。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を含有するクエン酸由来の酸味低減剤。したがって、この(a)に記載の発明によれば、例えばレモン等の柑橘系果汁含有する飲料に、クエン酸由来の酸味低減剤を配合すれば、酸味を低減させることができる。また、摂取者の味覚や好みに応じて、クエン酸由来の酸味低減剤の添加量を調節しながら飲料を調製することができる。

Claims (7)

  1. クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上、並びにグルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を含有することを特徴とする飲料。
  2. 前記飲料中において、前記クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種は15g/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の飲料。
  3. クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種は、柑橘類の搾出液として配合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲料。
  4. 前記飲料中において、前記糖酸塩が1〜110mM含有されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. 前記糖酸塩は、カルシウム塩であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飲料。
  6. クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上含有する飲料に、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を添加したことを特徴とする飲料の製造方法。
  7. クエン酸及びクエン酸塩から選ばれる少なくとも一種を1.3g/L以上含有する飲料に、グルコン酸塩及びグルコン酸を構成糖として含んでなる二糖の塩から選ばれる少なくとも1種の糖酸塩を添加することによりクエン酸由来の酸味を低減することを特徴とする酸味低減方法。
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