JP2017536378A - 2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸及びその異性体、並びにそれらの使用 - Google Patents

2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸及びその異性体、並びにそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸、特に、単離形態のその異性体の内の1つの形態、又は前記異性体の少なくとも2つの混合物の形態の、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸に関する。本発明はさらに、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸又はその異性体の少なくとも1つの合成方法に関する。最後に、本発明は、芳香剤としての、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸の使用、又は単離形態の前記異性体の内の1つの使用、又はその異性体の少なくとも2つの混合物の内の1つの使用に関する。本発明はさらに、芳香剤としての、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸、又は単離形態の前記異性体の内の1つ、又はその異性体の少なくとも2つの混合物の内の1つを含む組成物に関する。

Description

本発明は、香料の分野及びフランキンセンスの香りを構成する化合物の分野に関する。
オリバナムとも呼ばれるフランキンセンスは、ボスウェリア属の樹木の樹脂から生産された芳香族樹脂である。この含油樹脂は、糖類、アルコール類及び酸類を含む。
雄性の樹木だけが貴重な樹脂を生産するが、樹木が高品質の生産物を生産するまでには、10年も待たなければならない。
実際の香水では、フランキンセンスはエッセンシャルオイル又はアブソリュートの形態で使用される。それは、上品で複雑な香りを有し、ややスパイシーな側面のある、森林のような香り、樹脂香、バルサムの香り、新鮮な香り、多少の鉱物的な香りに使用されるというエッセンスである。
市場の多くの香水は、重要な嗅覚成分としてオリバナムのエッセンシャルオイルを含んでいる。
現在、このフラキンセンスの典型的な特色を有する唯一の合成香料は、ジボダン社のMystikal(登録商標)である。
したがって、フラキンセンスを誘起することができる合成分子が必要とされている。
出願人がオリバナムの異なる抽出物、留分及び誘導体について実施している研究により、嗅覚効果を伴う主要成分のいくつかを同定することが可能になっている。
効果を有するこれらの分子の中では、シクロプロパンカルボン酸が特定の場所、特に、式II、III、IV又はVの4つの異性体の形態であり得る、一般式Iの2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸を占める。
式II:(1R、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸
式III:(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸
式IV:(1R、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸
式V:(1S、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸
実際に、出願人が行った分析研究は、これらの物質が、「古い教会」の臭いの特徴であるオリバナムエッセンスのベースの特色における重要な挙動に関与したことを示した。
したがって、本発明は、まず、式II若しくはIIIのシス異性体並びに/又は式IV及びVのトランス異性体の単離形態又は任意の割合の混合物における、式II若しくはIII((1R、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸及び(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸)のシス異性体又は式IV若しくはV((1R、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸及び(1S、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸)のトランス異性体の形態での、一般式Iの2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸に関する。
したがって、本発明は、
− 式II、III、IV及びVの異性体、
− 式II、III及びIVの異性体、
− 式II、III及びVの異性体、
− 式II、IV及びVの異性体、
− 式III、IV及びVの異性体、
− 式II及びIIIの異性体、
− 式II及びIVの異性体、
− 式II及びVの異性体、
− 式III及びIVの異性体、
− 式III及びVの異性体、
− 式IV及びVの異性体、
の任意の割合の混合物、並びに単離形態、すなわち純粋な形態の式II又はIII又はIV又はVの異性体にも関することが理解される。
用語「任意の割合」は、式II又はIII又はIV又はVの化合物のそれぞれが、0.00000001%〜99.99999999%の割合で混合物中に存在し得ることを意味すると理解され、前記混合物中の化合物の総量は前記混合物の100%までを示し得る。本願の文章を単純化し、より明瞭にするために、所有者はすべての可能な組み合わせを列挙しないが、本出願はこれらの全ての組合せに当てはまることは明確に理解される。
用語「単離形態」は、前記化合物が少なくとも1つの精製工程を受けていること、及び前記化合物が、他の化合物の痕跡なく、単独であることを意味すると理解される。例えば、単離形態の式IIの化合物は、式III、IV又はVの化合物の痕跡なく、少なくとも1つの精製工程に供されており、単独で存在する式IIの化合物であり、すなわち、該化合物は100%であるとみなされる。
本発明はまた、一般式(I)の少なくとも1つの2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸を含む組成物に関する。用語「組成物」は、本発明に係る任意の割合の1つ又は複数の前記化合物と、化合物II、III、IV又はVとは異なる少なくとも1つの他の成分との混合物を意味すると理解される。その結果ここでは、組成物は、単離された純粋な形態の化合物の一つではなく、単離された純粋な形態の化合物の一つと、例えば水のような溶媒との混合物であり得る。
本発明の第1の形態によれば、組成物は、上記の異性体の混合物のいずれか1つの形態であるが、単離形態の式II、III、IV又はVの異性体のいずれか1つの形態でもある、一般式(I)の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸を含むことができる。
本発明によれば、前記組成物は、上記の異性体の混合物のいずれか1つの形態で又は単離形態の式II、III、IV又はVの異性体のいずれか1つの形態で、組成物の0.00000001質量%〜99.99999999質量%、好ましくは組成物の0.00000005質量%〜50質量%、さらにより好ましくは0.0000001質量%〜10質量%の量で、一般式(I)の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸を含むことができる。
本発明によれば、前記組成物は、化粧用組成物、医薬用組成物、獣医学的組成物、植物検疫用組成物、衛生用組成物、清掃用組成物又は洗浄用組成物であり得る。
本発明はさらに、一般式(I)の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸を合成する方法に関する。
本発明はさらに、芳香剤としての一般式(I)の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸の使用に関する。
本発明によれば、一般式(I)の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸を、芳香剤として、上記の異性体の混合物のいずれか1つの形態で使用することができるが、単離形態の式II、III、IV又はVの異性体のいずれか1つの形態で使用することもできる。
有利には、芳香剤は、当業者に公知である組成物のいかなる種類、例えば、香水、オードパフューム、オードトワレ、衛生製品、化粧品、石鹸、洗剤、又はフランキンセンスのスティック、若しくはろうそくなどに含められることを意図し得る。
図1は、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のシス及びトランス異性体のラセミ体の合成反応図である。 図2: 図3は、エナンチオ選択的(Es)GC−MSにより得られた2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸の各エナンチオマー(8〜9)のプロファイルである。
本発明の他の特徴及び利点は、説明のため及び非限定的に提供される、以下の実施例、並びに、
− 以下の実施例に記載されている、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のシス及びトランス異性体のラセミ体の合成の反応図を表す図1、
− 2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[−9]のエナンチオマーのそれぞれの合成の反応図を表す図2、
− エナンチオ選択的(Es)GC−MSにより、
O [(+)−9]:(+)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のプロファイル、
O [(−)−9]:(−)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のプロファイル、
O [(+)−8]:(+)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のプロファイル、
O [(−)−8]:(−)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のプロファイル、
で調製された、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸の各エナンチオマーに対して得られたプロファイルを表す図3、から明らかになるであろう。
例 − 2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のシス及びトランス異性体のラセミ体の合成
実施例1:エチル(Z)及び(E)−ウンデク−2−エノエート(1及び2)の合成:
エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(53.40g、126.5mmol、1.2当量)を、(ナトリウム(3.0g、130mmol、1.2当量)を無水エタノール180mLに溶解して調製した)ナトリウムエチラートの溶液に添加し、得られた混合物を20分間撹拌する。
次いで、ノナナール(14.98g、105mmol、1当量)を添加し、得られた混合物を室温で20時間撹拌し、次いで蒸発させる。
石油エーテル/ジエチルエーテル(1/1)を溶出液として使用し、シリカカラムに通して残留物を濾過する。
蒸発後、黄色の油状物が得られ、2つの化合物をシリカカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(98/2))でのクロマトグラフィーにより精製し、エチル(Z)−ウンデク−2−エノエート(1)(2.66g、12%)及びエチル(E)−ウンデク−2−エノエート(2)(4.54g、27%)を得た。
分光分析:
エチル(Z)−ウンデク−2−エノエート(1):
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=6.22(dt、J=11.5Hz、J=7.5Hz、1H)、5.77(dt、J=11.5Hz、J=1.7Hz、1H)、4.16(q、J=7.2Hz、2H)、2.62(qd、J=7.6Hz、J=1.7Hz、2H)、1.20〜1.50(m、12H)、1.29(t、J=7.1Hz、3H)、0.88(t、J=6.6Hz、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=166.52、150.70、119.67、59.77、31.96、29.50、29.42、29.35、29.15、29.08、22.76、14.33、14.16ppm。
MS(EI、70eV):
212(M、5)、167(39)、127(95)、115(27)、101(24)、99(100)、88(27)、81(34)、55(43)、43(33)、41(37)。
エチル(E)−ウンデク−2−エノエート(2):
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=6.92(dt、J=15.6Hz、J=7.0Hz、1H)、5.77(dt、J=15.6Hz、J=1.5Hz、1H)、4.13(q、J=7.2Hz、2H)、2.15(qd、J=7.3Hz、J=1.1Hz、2H)、1.15〜1.50(m、12H)、1.29(t、J=7.1Hz、3H)、0.88(t、J=6.6Hz、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=166.73、149.42、121.28、60.08、32.24、31.90、29.41、29.25、29.21、28.08、22.70、14.29、14.10ppm。
MS(EI、70eV):
212(M:1)、167(93)、124(55)、101(100)、99(45)、88(44)、84(40)、81(45)、73(60)、55(74)、43(40)、41(48)。
実施例2:(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール(3)の合成:
−65℃で、シクロヘキサン中のジイソブチルアルミニウム(DIBALH:33mL、33mmol、2.8当量)の1M溶液を、トルエン(70mL)中のエチル(Z)−ウンデク−2−エノエート(1)(2.48g、11.7mmol、1当量)の溶液に滴下する。反応混合物を室温までゆっくりと戻すことができ、13時間撹拌する。
その後、反応混合物を再び−65℃に冷却し、50%酢酸溶液(6.5mL)をそれに滴下し、次いで、攪拌下で室温まで戻すことができる。
次いで25gの無水硫酸ナトリウムを加え、該混合物を1時間撹拌し、次いでセライトで濾過する。
濾液を蒸発させて黄色の油状物(2.03g)を得て、次いでこれをシリカカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(95/5→9/1))でのクロマトグラフィーにより精製して(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール(3)(1.58g、79%)を得た。
分光分析:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=5.55(m、2H)、4.17(d、J=5.4Hz、2H)、2.05(q、J=6.1Hz、2H)、1.20〜1.45(m、12H)、0.88(t、J=6.7Hz、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=133.27、128.43、58.65、31.99、29.73、29.57、29.39、29.35、27.54、22.78、14.21ppm。
MS(EI、70eV):
170(M、<1)、95(28)、82(43)、81(31)、69(27)、68(33)、67(34)、57(100)、55(41)、43(43)、41(50)。
実施例3:(E)−ウンデク−2−エン−1−オール(4)の合成:
(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール(3)の合成(実施例2)に適用したのと同じ方法をエチル(E)−ウンデク−2−エノエート(2)に適用し、(E)−ウンデク−2−エン−1−オール(4)(85%)をもたらした。
分光分析:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=5.48〜5.74(m、2H)、4.02(d、J=4.6Hz、2H)、2.41(br、s、1H)、2.00(q、J=6.9Hz、2H)、1.15〜1.40(m、12H)、0.85(t、J=6.2Hz、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=133.32、128.92、63.60、32.30、31.96、29.55、29.36、29.29、29.24、22.73、14.14ppm。
MS(EI、70eV):
170(M、<1)、82(43)、81(34)、69(32)、68(36)、67(41)、57(100)、55(51)、54(33)、43(49)、41(63)。
実施例4:トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(5)の合成:
−50℃で、ヘキサン中のジエチル亜鉛(10mL、10mmol、5.1当量)の溶液を、ヘキサン(10mL)中の(E)−ウンデク−2−エン−1−オール(4)(332mg、1.95mmol、1当量)の溶液に滴下し、次いで、ジヨードメタン(5.28g、19.7mmol、10当量)を加える。
反応混合物を室温までゆっくりと戻すことができ、18時間撹拌する。次いで、反応混合物を再び−40℃に冷却し、塩化アンモニウムの溶液(20mL)をそれに滴下し、次いで、それを室温までゆっくりと戻すことができる。
次いで混合物をデカントし、水相を25mLのジエチルエーテルで2回再度抽出する。
有機相を混ぜ合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、橙色油状物(788mg)を得て、次いでこれをシリカカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(98/2→8/2))でのクロマトグラフィーで精製して、トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(5)(275mg、77%)を得た。
分光分析:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=3.28〜3.48(m、2H)、2.27(br、s、1H)、1.10〜1.40(m、14H)、0.88(t、J=6.3Hz、3H)、0.70〜0.85(m、1H)、0.45〜0.63(m、1H)、0.18〜0.38(m、2H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=67.06、33.71、31.98、29.71、29.67、29.54、29.41、22.74、21.14、17.20、14.15、9.99ppm。
MS(EI、70eV):
143(34)、83(67)、82(38)、81(41)、69(100)、68(34)、67(46)、57(66)、55(70)、43(49)、41(64)。
実施例5:シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(6)の合成:
トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(5)の合成に適用したのと同じ方法を、(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール(3)に適用し、シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(6)(64%)をもたらした。
分光分析:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=3.47〜3.74(m、2H)、1.00〜1.48(m、16H)、0.87(t、J=6.3Hz、3H)、0.62〜0.78(m、1H)、−0.10〜0.01(q、1H)ppm。
MS(EI、70eV):
143(30)、83(66)、82(35)、81(39)、69(100)、68(30)、67(44)、57(56)、55(65)、43(45)、41(59)。
実施例6:トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(III)+(1R、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(IV)]の混合物の合成:
0℃で、36%の硫酸中の三酸化クロム(322mg、3.22mmol、4.6当量)の溶液を、アセトン(3mL)中のトランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(5)(130mg、0.71mmol、1当量)の溶液に滴下する。
反応混合物を1時間撹拌し、次いで、水(5mL)を加え、混合物を蒸発させ、25mLの追加の水を加え、次いで、125mLのジクロロメタンで2回抽出を行う。
有機相を混ぜ合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて油状物を得て、次いで、これをシリカカラム[石油エーテル/ジエチルエーテル(9.1→8/2)]でのクロマトグラフィーにより精製して、(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(III)及び(1R、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(IV)(141mg、73%)の混合物を得た。
分光分析:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=11.73(br、s、1H)、1.14〜1.48(m、17H)、0.88(t、J=6.3Hz、3H)、0.70〜0.82(m、1H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=181.54、33.18、32.02、29.67、29.42、29.41、29.19、24.19、22.81、20.27、16.52、14.23ppm。
MS(EI、70eV):
180(1)、151(5)、138(15)、97(39)、84(34)、83(39)、73(100)、70(35)、69(51)、56(46)、55(79)、43(66)、41(72)。
実施例7:シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(1R、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(II)と(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(III)]の混合物の合成:
トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(III)+(1R、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(IV)]の混合物の合成(実施例6)に適用したのと同じ方法をシス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール(6)に適用し、シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(1R、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(II)と(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸(III)](27%)の混合物をもたらした。
分光分析:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=10.16(br、s、1H)、1.45〜1.75(m、3H)、1.18〜1.44(m、13H)、0.91〜1.14(m、2H)、0.88(t、J=6.3Hz、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=180.57、32.67、30.32(x2)、30.09(x2)、27.67、23.93、23.47、18.85、15.20、14.90。
MS(EI、70eV):
180(2)、151(5)、138(17)、97(40)、96(30)、84(34)、83(39)、73(100)、70(33)、69(43)、56(37)、55(64)、43(47)、41(52)。
実施例8:2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸8〜9の光学異性体のそれぞれの合成
一般的なプロトコル:
このプロトコルを図2に示す。
試薬及び条件
a)DHP、アンバーリスト(登録商標)15、石油エーテル、室温、7時間、89%
b)NaH、DMSO(4当量)、THF、室温、24時間、次いで1−ブロモオクタン、室温、24時間、67%;
c)アンバーリスト(登録商標)15、メタノール、45℃、15時間、95%;
d)LiAlH4、THF、還流2時間、68%;
e)H2、Ni−P2、エチレンジアミン、メタノール、室温、60時間、64%;
f)Et2Zn、CH22、ヘキサン、−35℃→室温、13時間;
g)(−)−10、CH2Cl2、−15℃、次いで、Zn(CH2I)2−DME、CH2Cl2、−15℃→室温、15時間;
h)(+)−10、CH2Cl2、−15℃、次いで、Zn(CH2I)2−DME、CH2Cl2、−15℃→室温、15時間;
i)ジョーンズ試薬、アセトン、室温、20時間(2段階後の収率:(±)−8、53%;(+)−8、66%;(−)−8、79%;(±)−9、17%;(+)−9、66%;(−)−9、80%。
詳細な手順:
実施例8.1:2−プロピニルオキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルエーテル[1]の合成:
石油エーテル(1.85L)中の、プロパルギルアルコール(プロプ−2−イン−1−オール)144mL(139g、2.47mol、1当量)及び3,4−ジヒドロピラン250mL(230g、2.74mol、1.11当量)の混合物を調製する。次いで、3.53gのアンバーリスト(登録商標)15を添加する。次いで、懸濁液を室温で6時間撹拌し、次いでそれをセライトを介して濾過し、減圧下で蒸発させて褐色油状物を得た。
蒸留後、無色油状物の形態の329.7g(89%)の2−プロピンテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルエーテル(1)を得た。
スペクトルデータ
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=1.48〜1.85(m、6H)、2.40(t、1H)、3.48〜3.58(m、1H)、3.77〜3.82(m、1H)、4.24(m、2H)、4.80(t、1H)。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=19.09、25.43、30.30、54.09、62.08、74.09、79.88、96.93。
MS(EI、70eV):85(100)、82(13)、57(27)、56(45)、55(36)、53(15)、43(12)、41(42)、39(51)。
実施例8.2:2−ウンデシニルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルエーテル[2]の合成:
水素化ナトリウム(27.16g、679mmol、2.32当量)の60%分散液を石油エーテルで2回洗浄し、次いで400mLの無水テトラヒドロフラン(THF)でカバーする。
この懸濁液に、88gの無水DMSO(80mL、1.12mol、3.85当量)を攪拌しながら添加し、次いで、事前に得た41gの2−プロピンテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルエーテル[1](40.6mL、290mmol、1当量)を添加する。
室温で24時間撹拌した後、141gの1−ブロモオクタン(126mL、730mmol、2.5当量)を約1時間かけて滴下する。
反応の内部温度は38℃に達し、次いで低下する。
反応媒体を室温で48時間撹拌し、任意に、氷浴で冷却する。
次いで、炭酸水素ナトリウムで飽和した200mLの水溶液を滴下する。次いで、200mLの水を添加する。
得られた二相混合物をデカントした後、水相を200mLの石油エーテルで2回洗浄する。
一体化した有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。次いで、得られた暗褐色油状物を真空蒸留(0.46ミリバール)により精製して、淡黄色油状物の形態の49.5g(67%)の2−ウンデシニルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルエーテル[2]を得た。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=0.88(t、3H)、1.20〜1.97(M、18H)、2.15〜2.31(m、2H)、3.46〜3.69(m、1H)、3.78〜3.86(m、1H)、4.12〜4.38(m、2H)、4.81(1H、br t)。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=14.19、18.92、19.24、22.76、25.51、28.72、28.99、29.20、29.30、30.41、31.94、54.74、62.07、75.81、86.86、96.70。
MS(EI、70eV):101(32)、95(50)、93(18)、85(100)、81(39)、79(24)、67(40)、55(40)、43(24)、41(38)。
実施例8.3:2−ウンデシノール[3]の合成:
1.030gの事前に得た2−ウンデシニルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルエーテル[2](4.08mmol)を、16mLのメタノール中の73mgのアンバーリスト(登録商標)H−15の懸濁液に添加する。この混合物を45℃で15時間撹拌し、セライトで濾過し、減圧下で蒸発させ、リンスするための9/1の石油エーテル/ジエチルエーテル混合物を用いてシリカゲルの短いバッファーを介して濾過する。溶媒の蒸発後、わずかに黄色の油状物の形態の0.651gの2−ウンデシノール(3)(95%)を得た。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=0.88(t、3H)、1.22〜1.61(m、12H)、2.15〜2.26(m、2H)、4.20〜4.29(m、2H)。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=14.22、18.86、22.78、27.73、29.01、29.23、29.31、31.96、51.53、78.38、87.78。
MS(EI、70eV):93(56)、83(45)、81(68)、79(63)、70(64)、67(78)、55(100)、43(52)、41(93)、39(48)。
実施例8.4:(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール[4]の合成:
2.69g(10.8mmol、0.26当量)の酢酸ニッケル(II)四水和物(Ni(OAc)2、4H2O)を、アルゴン下で攪拌することによって、66mLのメタノール中に溶解し、次いで、得られた溶液を氷浴中で冷却する。
次いで、457mgの水素化ホウ素ナトリウム(12.1mmol、0.29当量)を一度に全て迅速に添加し、氷浴を除去する。
10分間撹拌した後、1.22gの1,2−エチレンジアミン(20.3mmol、0.48当量)を添加し、続いて、10分後、7.07gの2−ウンデシノール[3](42mmol、1当量)を添加する。
次いで、ボトルの雰囲気をパージし、タンクを用いて水素のわずかな過剰圧力下に維持する。
次いで、反応混合物を54時間混合し、反応をGC−MSによってモニターする。
出発物質の完全な変換を確実にするために、Ni(OAc)2、4H2O/水素化ホウ素ナトリウム/1,2−エチレンジアミンの二つの添加分を、総添加量がNi(OAc)2、4H2O、563mg(2.26mmol、0.05当量)、水素化ホウ素ナトリウム、139mg(3.69mmol、0.09当量)及び1,2−エチレンジアミン、352mg(5.86mmol、0.14当量)になるまで、連続的に添加する。
次いで、反応媒体をセライトを通して濾過し、固形分をジクロロメタンで洗浄する。
このようにして得られた濾液を蒸発させ、100mLのジエチルエーテル及び100mLの水をこの残留物に加える。
デカントした後、暗青色の水相をジエチルエーテル(3×50mL)で洗浄し、次いで一体化した有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。次いで、4.32g(60%)の(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール[4]が無色油状物の形態で得られるまで、緑色油状物をシリカゲルカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(95/5→9/1))でのクロマトグラフィーで精製する。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=5.55(m、2H)、4.17(d、2H)、2.05(q、2H)、1.20〜1.45(m、12H)、0.88(t、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=133.27、128.43、58.65、31.99、29.73、29.57、29.39、29.35、27.54、22.78、14.21ppm。
MS(EI、70eV):170(M、<1)、95(28)、82(43)、81(31)、69(27)、68(33)、67(34)、57(100)、55(41)、43(43)、41(50)。
IR(neat法)ν最大3315、2923、2854、1464、1033cm-1
実施例8.5:(E)−ウンデク−2−エン−1−オール[SI−5]の合成:
6.9gのSI−3(41mmol、1.00当量)を、無水THF(650mL)中の水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)(93mmol、2.27当量)の懸濁液3.53gに添加し、この混合物を還流下で2時間30分加熱する。
氷浴中で冷却した後、硫酸ナトリウムの飽和溶液(12mL)を注意深く添加して反応混合物をクエンチし、続いて無水硫酸ナトリウム14gを添加する。次いで混合物を2時間撹拌し、次いで、得られた灰色の懸濁液をセライトを通して濾過し、固形分をジエチルエーテルで徹底的に洗浄する。溶媒の蒸発後、4.47gの(E)−ウンデク−2−エン−1−オール[SI−5](64%)が無色油状物の形態で得られるまで、褐色油状物をシリカゲルカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(95/5→9/1))でのクロマトグラフィーで精製する。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=5.48〜5.74(m、2H)、4.02(d、J=4.6Hz、2H)、2.41(br、s、1H)、2.00(q、J=6.9Hz、2H)、1.15〜1.40(m、12H)、0.85(t、J=6.2Hz、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=133.32、128.92、63.60、32.30、31.96、29.55、29.36、29.29、29.24、22.73、14.14ppm。
MS(EI、70eV):170(M、<1)、82(43)、81(34)、69(32)、68(36)、67(41)、57(100)、55(51)、54(33)、43(49)、41(63)。
IR(neat法)ν最大3315、2923、2854、1464、1033cm-1
実施例8.6:(±)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(±)−6]の合成:
ヘキサン10mL中、332mgの(E)−ウンデク−2−エン−1−オール(5)(1.95mmol、1当量)の溶液に、−50℃で、ヘキサン中の1Mのジエチル亜鉛溶液(10mmol、5.1当量)10mLを滴下し、続いて5.28gのジヨードメタン(19.7mmol、10当量)を滴下する。
反応混合物を室温までゆっくりと加熱して18時間撹拌し、次いで、再び−40℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)を滴下してクエンチする。次いで混合物を撹拌下、室温まで加熱することができる。次いで混合物をデカントし、水相を25mLのジエチルエーテルで2度洗浄する。一体化した有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させてオレンジ色の油状物(788mg)を得て、次いでこれを、275mgの(±)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(±)−6](77%)が無色の油状物の形態で得られるまで、シリカゲルカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(98/2→8/2))でのクロマトグラフィーで精製する。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=3.28〜3.48(m、2H)、2.27(br、s、1H)、1.10〜1.40(m、14H)、0.88(t、3H)、0.70〜0.85(m、1H)、0.45〜0.63(m、1H)、0.18〜0.38(m、2H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):δ=67.06、33.71、31.98、29.71、29.67、29.54、29.41、22.74、21.14、17.20、14.15、9.99ppm。
MS(EI、70eV):143(34)、83(67)、82(38)、81(41)、69(100)、68(34)、67(46)、57(66)、55(70)、43(49)、41(64)。
IR(neat法)ν最大3300、2922、2852、1464、1032cm-1
実施例8.9:(±)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(±)−8]の合成:
アセトン3mL中、130mgの(±)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(±)−6](0.71mmol、1当量)の溶液に、0℃で、36%の硫酸1.08mL中、322mgの三酸化クロム(3.22mmol、4.6当量)の溶液を滴下する。反応混合物を室温までゆっくりと加熱し、1時間撹拌する。
次いで、5mLの水を加え、混合物を蒸発させ、25mLの水を混合物に加え、混合物を125mLのジクロロメタンで2回洗浄する。次いで、一体化した有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、残渣が得られるまで減圧下で蒸発させ、次いでこれをシリカゲルカラム(石油エーテル/ジエチルエーテル(9.1→8/2))でのクロマトグラフィーで精製し、103mgの(±)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(±)−8](73%)を得た。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=11.73(br、s、1H)、1.14〜1.48(m、17H)、0.88(t、3H)、0.70〜0.82(m、1H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):
δ=181.54、33.18、32.02、29.67、29.42、29.41、29.19、24.19、22.81、20.27、16.52、14.23ppm。
MS(EI、70eV):180(1)、151(5)、138(15)、97(39)、84(34)、83(39)、73(100)、70(35)、69(51)、56(46)、55(79)、43(66)、41(72)。
IR(neat法)νmax2917、2850、1687、1456、1431、1222、874cm-1
実施例8.10:(±)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[7]の合成。
(Z)−ウンデク−2−エン−1−オール[4]に適用された上記と同じ手順で、無色の油状物の形態の(±)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール−[7](64%)をもたらした。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):δ=3.47〜3.74(m、2H)、1.00〜1.48(m、16H)、0.87(t、3H)、0.62〜0.78(m、1H)、−0.10〜0.01(q、1H)ppm。
MS(EI、70eV):143(30)、83(66)、82(35)、81(39)、69(100)、68(30)、67(44)、57(56)、55(65)、43(45)、41(59)。
IR(neat法)νmax3300、2923、2853、1465、1033cm-1
実施例8.11:(±)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(±)−9]の合成:
シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(±)−7]に適用された上記と同じ手順で、無色の油状物の形態の(±)シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(±)−9](27%)を得た。
スペクトルデータ:
1H NMR(200MHz、CDCl3):
δ=10.16(br、s、1H)、1.45〜1.75(m、3H)、1.18〜1.44(m、13H)、0.91〜1.14(m、2H)、0.88(t、3H)ppm。
13C NMR(50MHz、CDCl3):δ=180.57、32.67、30.32(×2)、30.09(×2)、27.67、23.93、23.47、18.85、15.20、14.90。
MS(EI、70eV):180(2)、151(5)、138(17)、97(40)、96(30)、84(34)、83(39)、73(100)、70(33)、69(43)、56(37)、55(64)、43(47)、41(52)。
IR(neat法)νmax2923、2854、1693、1033cm-1
実施例8.12:(1S、2S)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(1S、2S)−6]の合成:
最初のステップにおいて、ジヨードメタン(19.2mL、63.8g、238mmol、21.1当量)を(シリンジポンプを用いて)1時間以内に、−15℃で、無水ジクロロメタン(240mL)とジメトキシエタン(12.4mL)の混合物中の、1Mジエチル亜鉛溶液(120mL、120mmol、10.64当量)に添加することによって、ビスヨード亜鉛DME錯体[Zn(CH2I)2・DME]の溶液を調製する。
得られた乳白色の溶液を氷浴中で低温に保持する。
同時に、1.92gの(E)−ウンデク−2−エン−1−オール(5)(11.3mmol、1当量)及び3.60gの(4R、5R)−2−ブチル−N、N、N’、N’−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサミド[(−)−10](13.3mmol、1.18当量)を、60mLのジクロロメタン中に希釈し、混合物を−14℃に冷却する。
次いで、予め調製されているZn(CH2I)2・DME錯体の溶液を、約12分以内に混合物にカニューレを介してゆっくりと導入し、−12℃〜−18℃の温度で4時間撹拌し、次いで、混合物全体を一晩撹拌しながら室温までゆっくりと戻すことができる。次いで、混合物を攪拌下、飽和塩化アンモニウム溶液(80mL)を滴下することによりクエンチする。次いで、混合物をデカントし、水相を60mLのジエチルエーテルで3回洗浄する。一体化した有機相を、5Mの水酸化カリウム溶液、10%の塩酸溶液及び飽和重炭酸ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、任意に、ブラインで2回洗浄する。次いで、混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、黄色油状物が得られるまで減圧下で蒸発させ、次いでこれをシリカゲル(20g)の短いバッファーを介した濾過により精製する。(80mlの石油エーテルを用いた)濾液の最初の部分を廃棄し、150mLの石油エーテル/ジエチルエーテル(2/1)で生成物を溶離し、蒸発後、淡黄色油状物の形態の2.08gの(1S、2S)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(1S、2S)−6](98%)を得た。
スペクトルデータは[(±)−6]のものと一致した。
実施例8.13:(+)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(+)−8]の合成:
20時間の反応時間で、[(±)−8]の合成に使用された酸化手順を(1S、2S)−6に適用し、(+)−(1S、2S)−8(67%)を得た。
スペクトルデータは[(±)−8]のものと一致した。
実施例8.14:(1R、2R)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(1R、2R)−6]の合成:
(1S、2S)−6の合成に使用された不斉シクロプロパン化手順を、キラル助剤として使用された[(+)−10]とともに[5]に適用し、[(1R、2R)−6](定量的(quant.))をもたらした。
スペクトルデータは6のものと一致した。
実施例8.15:(−)−トランス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[( −)−8]の合成。
20時間の反応時間で、[(±)−8]に使用された酸化手順を[(1R、2R)−6]に適用し、[([sic])−(1R、2R)−8](79%)をもたらした。
スペクトルデータは、[(±)−8]のものと一致した。
実施例8.16:(1S、2R)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(1S、2R)−7]の合成:
[(1S、2S)−6]の合成に使用された不斉シクロプロパン化手順を[4]に適用し、[(1S、2R)−7](定量的(quant.))をもたらした。
スペクトルデータは[(±)−7]のものと一致した。
実施例8.17:(+)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(+)−9]の合成:
20時間の反応時間で、[(±)−8]に使用された酸化手順を[(1S、2R)−7]に適用し、[(+)−(1S、2R)−9](66%)をもたらした。
スペクトルデータは[(±)−9]のものと一致した。
実施例8.18:(1R、2S)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−メタノール[(1R、2S)−7]の合成:
[(1S、2S)−6]の合成に使用された不斉シクロプロパン化手順を、キラル助剤として使用された[(+)−10]とともに[4]に適用し、[(1R、2S)−7](定量的(quant.))をもたらした。
スペクトルデータは[(±)−7]と一致した。
実施例8.19:(−)−シス−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸[(−)−9]の合成:
20時間の反応時間で、[(±)−8]に使用された酸化手順を[(1R、2S)−7]に適用し、[(−)−(1R、2S)−9](80%)をもたらした。
スペクトルデータは、[(±)−9]のものと一致した。

Claims (11)

  1. 単離形態の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のトランス又はシス異性体であって、
    ・式IIの(1R、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸、
    ・式IIIの(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸、
    ・式IVの(1R、2R)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸、
    ・式Vの(1S、2S)−2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸、
    から選択される、単離形態の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のトランス又はシス異性体。
  2. 2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のトランス又はシス異性体であって、該トランス又はシス異性体は、任意の割合の混合物の形態であり、
    − 式II、III、IV及びVの異性体、
    − 式II、III及びIVの異性体、
    − 式II、III及びVの異性体、
    − 式II、IV及びVの異性体、
    − 式III、IV及びVの異性体、
    − 式II及びIIIの異性体、
    − 式II及びIVの異性体、
    − 式II及びVの異性体、
    − 式III及びIVの異性体、
    − 式III及びVの異性体、
    の混合物から選択されることを特徴とする、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸のトランス又はシス異性体。
  3. 単離形態である、請求項1に記載の式IIの異性体。
  4. 単離形態である、請求項1に記載の式IIIの異性体。
  5. 単離形態である、請求項1に記載の式IVの異性体。
  6. 単離形態である、請求項1に記載の式Vの異性体。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の単離形態の2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸の少なくとも1つの異性体を含む組成物。
  8. 請求項32に記載の、異性体の少なくとも1つの混合物を含む組成物。
  9. 請求項8又は請求項9に記載の組成物であって、該組成物が、化粧用組成物、医薬用組成物、獣医学的組成物、植物検疫用組成物、衛生用組成物、清掃用組成物、洗浄用組成物であることを特徴とする、組成物。
  10. 芳香剤としての一般式Iの2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸の使用。
  11. 請求項10に記載の使用であって、2−オクチルシクロプロピル−1−カルボン酸が、請求項2記載の異性体の混合物の形態であるか、又は請求項3〜6のいずれか一項に記載の単離形態の少なくとも1つの異性体の形態であることを特徴とする、使用。
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