JP2017226123A - 酸素吸収性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムロールを梱包する前にフィルムの端部が失活する問題が生じにくく、その結果、広い領域において製造時の酸素吸収量を維持できる、酸素吸収性フィルムを提供する。【解決手段】第1のスキン層10a、酸素吸収層20、及び第2のスキン層10bをこの順で有しており、酸素吸収層が、酸素欠損を有する酸化セリウム22、及び熱可塑性樹脂24を有しており、かつ第1のスキン層と第2のスキン層との間のJIS−K7125に準拠して測定した静摩擦係数が、0.5以上であり、かつ第1のスキン層及び第2のスキン層のμm単位でのそれぞれの厚さAの、酸素吸収層における酸化セリウムの、酸素吸収層全体の質量を基準とした、質量%単位での含有量Bに対する比A/Bが、0.18μm/質量%以上である、酸素吸収性フィルム100。【選択図】図1

Description

本発明は、酸素吸収性フィルムに関する。
食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等のための包装材料には、包装体内の酸素による酸化によって内容物の品質が低下しないよう、酸素吸収性フィルムが用いられている。この酸素吸収性フィルムとして、酸素欠損を有する酸化セリウムを用いたものが提案されている。
特許文献1には、酸素吸収層と、酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層とから構成され、酸素吸収層が熱可塑性樹脂と酸素欠損を有する酸化セリウムとを含有し、かつ酸素吸収層中に上記酸素欠損を有する酸化セリウムが50重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる、酸素吸収性フィルムが開示されている。
特開2012−158125号公報
酸素欠損を有する酸化セリウムを混練した樹脂組成物を中間層とし、その両面にスキン層を形成した酸素吸収性フィルムを、フィルムロールとして巻き取った場合、巻取りの間及び巻取り後の梱包までの間に数時間ほど大気曝露され、それによってフィルムロールの端部から酸素が吸収され、その結果、フィルムロールを梱包する前にフィルムの端部が失活するという問題を、本発明者らは見出した。この失活した部分を廃棄する場合には、製品に使用できる有効幅が小さくなる。
これに関して、酸素欠損を有する酸化セリウムは、鉄系酸素吸収剤と比較すると、酸素吸収反応に水分を必要としないこと、酸素吸収速度が速いこと等の利点を有する一方で、この速い酸素吸収速度に起因して、フィルムロールの端部からの酸素の吸収による失活が顕著に現れる。
そこで、このような問題が生じにくく、その結果、広い領域において製造時の高い酸素吸収能を維持できる、酸素吸収性フィルムを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 酸素吸収性フィルムであって、
第1のスキン層、酸素吸収層、及び第2のスキン層をこの順で有しており、
上記酸素吸収層が、酸素欠損を有する酸化セリウム、及び熱可塑性樹脂を有しており、かつ
2つの上記酸素吸収性フィルムを互いに積層したときの上記第1のスキン層と上記第2のスキン層との間のJIS−K7125に準拠して測定した静摩擦係数が、0.50以上であり、かつ
上記第1のスキン層及び前記第2のスキン層のμm単位でのそれぞれの厚さAの、酸素吸収層における前記酸化セリウムの、上記酸素吸収層全体の質量を基準とした、質量%単位での含有量Bに対する比A/Bが、0.18μm/質量%以上である、酸素吸収性フィルム。
〈2〉 上記第1のスキン層及び/又は上記第2のスキン層の厚さが、20μm以上である、上記〈1〉項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈3〉 上記第1のスキン層及び上記第2のスキン層の厚さが等しい、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈4〉 上記第1のスキン層及び上記第2のスキン層が、同種の熱可塑性樹脂で構成されている、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈5〉 上記比A/Bが、0.20μm/質量%以上である、上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈6〉 上記含有量Bが、57質量%以下である、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈7〉 上記酸化セリウムの含有量が、上記酸素吸収層全体の質量を基準として、50質量%以下である、上記〈6〉項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈8〉 上記静摩擦係数が、0.55以上である、上記〈1〉〜〈7〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈9〉 上記酸素吸収性フィルムを、直径92mmの巻芯に巻き取って得られた幅320mm及び長さ200mの酸素吸収性フィルムロールを、室温で大気中に1.5時間にわたって曝露した後において、上記酸素吸収性フィルムの上記巻芯側から20mの前後に各50mm及び側端から20mmの位置からフィルム幅方向中央に25mmの領域内の残存酸素吸収率が、95%以上である、上記〈1〉〜〈8〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
〈10〉 巻芯、及び
上記巻芯上に巻回されている、上記〈1〉〜〈9〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム
を具備している、酸素吸収性フィルムロール。
本発明によれば、フィルムロールを梱包する前にフィルムの端部が失活する問題が生じにくく、その結果、広い領域において製造時の酸素吸収量を維持できる、酸素吸収性フィルムを提供することができる。
図1は、本発明の酸素吸収性フィルムの断面図である。 図2は、本発明の酸素吸収性フィルムロールの模式図である。
《酸素吸収性フィルム》
本発明の酸素吸収性フィルムは、第1のスキン層、酸素吸収層、及び第2のスキン層をこの順で有している。酸素吸収層は、酸素欠損を有する酸化セリウム、及び熱可塑性樹脂を含有している。また、2つの酸素吸収性フィルムを互いに積層したときの第1のスキン層と第2のスキン層との間のJIS−K7125に準拠して測定した静摩擦係数は、0.50以上である。更に、第1のスキン層及び第2のスキン層のμm単位でのそれぞれの厚さAの、酸素吸収層における酸化セリウムの、酸素吸収層全体の質量を基準とした、質量%単位での含有量Bに対する比A/Bが、0.18μm/質量%以上である。
この酸素吸収性フィルムは、図2に示すように、巻芯(200)に巻き取ることにより、酸素吸収性フィルムロール(300)として保存し、流通させることが考えられる。この場合、第1のスキン層(10a)が内側に位置し、第2のスキン層(10b)が外側に位置するように配置することができる。その結果、酸素吸収性フィルムロール(300)の形態においては、第1のスキン層(10a)及び第2のスキン層(10b)が互いに接することとなる。
本発明者らは当初、酸素吸収層中の熱可塑性樹脂が酸素透過性を有するため、酸素吸収層の端部から酸素が侵入することにより失活が進むと考えていた。ところが、研究を進めていくなかで、酸素吸収性フィルムの失活は、酸素吸収層の厚さには依存せず、意外にも静摩擦係数及び上記の比A/Bを上記の範囲とすることにより、本発明の酸素吸収性フィルムをフィルムロールとして巻き取っている間及び巻き取った後に大気中に曝露した後において、端部が失活しにくく、その結果、広い領域において製造時の高い酸素吸収能を維持できることを見出した。
理論に拘束されることを望まないが、これは、静摩擦係数が大きいことにより、互いに接している第1のスキン層と第2のスキン層の間の密着が良好になり、その結果、第1のスキン層と第2のスキン層の間を大気中の酸素が通過しにくくなることに加え、酸素吸収層における酸素欠損を有する酸化セリウムの含有量に比例して、スキン層を厚くすることによって、酸素欠損を有する酸化セリウムの含有量の増加による失活の促進を抑制できることに起因すると考えられる。
より具体的には、酸素欠損を有する酸化セリウムの含有量を少なくすることにより、熱可塑性樹脂の含有量が増え、酸素がフィルム端面から進入する速度を熱可塑性樹脂が抑制するため、酸素の浸透を緩和できると考えられる。また、スキン層の厚さを厚くすることにより、酸素吸収性フィルムをフィルムロールとした際に第1のスキン層と第2のスキン層の間に大気中の酸素が仮に侵入した場合においても、酸素がスキン層の表面から侵入する速度を熱可塑性樹脂が抑制するため、その結果酸素が酸素吸収層に到達することを抑制できると考えられる。
2つの酸素吸収性フィルムを互いに積層したときの第1のスキン層と第2のスキン層との間のJIS−K7125に準拠して測定した静摩擦係数は、0.50以上、0.55以上、又は0.60以上であることができ、また1.00以下、0.80以下、又は0.70以下であることができる。
第1のスキン層と第2のスキン層との間の静摩擦係数は、各スキン層の樹脂の種類(平均分子量、メルトマスフローレート、分子量分布、分子構造、融点)、及び厚さ、酸素吸収層に含まれる酸化セリウムの含有量、粒径、及び粒子形状、各種添加剤(アンチブロッキング剤等)の有無、並びにフィルム製造時の加熱条件等によって調整することができる。
第1のスキン層及び第2のスキン層のμm単位でのそれぞれの厚さAの、酸素吸収層における酸化セリウムの、酸素吸収層全体の質量を基準とした、質量%単位での含有量Bに対する比A/Bは、0.18μm/質量%以上、0.20μm/質量%以上、又は0.25質量%以上であることができ、また1.50μm/質量%以下、1.00μm/質量%以下、0.80μm/質量%以下、又は0.60μm/質量%以下であることができる。
ここで、「それぞれの厚さA」は、第1のスキン層の厚さ及び第2のスキン層のいずれか一方のスキン層の厚さに言及するものである。そして、「それぞれの厚さAの、含有量Bに対する比A/B」は、第1のスキン層の厚さ及び第2のスキン層の厚さのいずれを用いて算出した場合においても、上記の範囲であることを要するものである。
本発明の酸素吸収性フィルムを、直径92mmの巻芯に巻き取って得られた幅320mm及び長さ200mの酸素吸収性フィルムロールを、室温で大気中に1.5時間にわたって曝露した後において、酸素吸収性フィルムの巻芯側から20mの前後に各50mm及び側端から20mmの位置からフィルム幅方向中央に25mmの領域内(25cm)の残存酸素吸収率は、95%以上、97%以上、又は100%であることができる。
ここで、残存酸素吸収率(%)は、大気曝露後の飽和酸素吸収量÷大気曝露前の飽和酸素吸収量×100の式により算出することができる。
以下では、本発明の酸素吸収性フィルムの各構成要素について説明する。
〈酸素吸収層〉
酸素吸収層は、酸素欠損を有する酸化セリウム、及び熱可塑性樹脂を含有している。
酸素吸収層中の酸素欠損を有する酸化セリウムの、酸素吸収層全体の質量を基準とした、質量%単位での含有量Bは、酸素吸収層の質量を基準として、75質量%以下であることができる。特に、この含有量Bは、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、又は20質量%以上であることが、酸素吸収能を良好に確保する観点から好ましく、また70質量%以下、65質量%以下、57質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、又は40質量%以下であることが、フィルム端面からの急速な酸素吸収を生じさせない観点から好ましい。
酸素吸収層の厚さは、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることができ、また300μm以下、200μm以下、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下であることができる。
{酸素欠損を有する酸化セリウム}
酸素吸収層に含有される酸化セリウムは、酸素欠損を有する酸化セリウムである。
ここで、酸化セリウムの酸素欠損は、強還元雰囲気下での還元処理によって、以下の式(1)で表されるように、酸化セリウムの結晶格子中から酸素が強制的に引き抜かれて酸素欠損状態(CeO2−x、0<x<2)となることによりもたらされる。還元処理は、例えば水素ガスなどの還元性雰囲気下、1000℃などの高温で熱処理すること等により行うことができる。
CeO+xH→CeO2−x+xHO ・・・(1)
そして、以下の式(2)に示すように、酸素が欠損した部分が、酸素と反応することにより、酸素吸収剤としての効果が発揮される。
CeO2−x+(x/2)O→CeO ・・・(2)
上記のxの値は、1.0以下の正数であることができ、中でも0.7以下の正数であることが好ましい。上記の式(2)に示すように、酸化セリウムは酸素との反応において雰囲気中に水が存在することは必要とされない。したがって、本発明の酸素吸収性フィルムは、水分を嫌う内容物に特に有効である。
{熱可塑性樹脂}
熱可塑性樹脂としては、酸素透過性を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本発明に関して、ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーを有するポリマーを意味するものであり、したがってオレフィン系モノマーのみからなるポリマー(ポリオレフィン)だけでなく、オレフィン系モノマーと、(メタ)アクリル酸、アクリレートモノマー、酢酸ビニル等の他のモノマーから構成されるポリマーも意味する。また、ポリオレフィン系樹脂は、酸変性されていても、酸変性されていなくてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、アイオノマー、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
熱可塑性樹脂の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレート(MFR)が、JIS K7210に準拠して測定した場合に、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であってもよく、100g/10min以下、50g/10min以下、30g/10min以下、20g/10min以下、又は15g/10min以下、又は10g/10min以下であってもよい。
〈第1及び第2のスキン層〉
第1及び第2のスキン層は、酸素吸収層に積層されている層である。第1及び第2のスキン層は、2つの酸素吸収性フィルムを互いに積層したときのこれらの間の静摩擦係数を上昇させ、それによってフィルム同士の密着性を高めるために用いることができる。更に、第1及び第2のスキン層の存在により、酸素吸収層中の酸化セリウムの脱離を防止することもできる。
第1及び第2のスキン層は、熱可塑性樹脂で構成されていてよい。熱可塑性樹脂としては、酸素吸収層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。第1及び第2のスキン層を構成する熱可塑性樹脂は、酸素吸収層が有している熱可塑性樹脂と同種であっても異なっていてもよく、また互いに同種であっても異なっていてもよい。しかしながら、第1及び第2のスキン層間の親和性を良好にして密着性を高める観点、及び特に多層インフレーション法等の共押出法により酸素吸収性フィルムを製造する場合に、酸素吸収性フィルムを容易に製造する観点から、第1及び第2のスキン層は、同種の熱可塑性樹脂で構成されていることが好ましい。
第1及び第2のスキン層のそれぞれの厚さAは、10μm以上、12μm以上、、15μm以上、又は20μm以上であり、かつ40μm以下、30μm以下、又は25μm以下であることが、第1のスキン層と第2のスキン層との間の静摩擦係数の上昇作用、酸素吸収層中の酸化セリウムの脱離防止作用、ラミネート性の向上作用、及びフィルム側面からの酸素の侵入防止作用を調和させる観点から好ましい。特に、酸素吸収性フィルムロールとしたときに、第1のスキン層と第2のスキン層の間を大気中の酸素が侵入した場合においても、この酸素が酸素吸収層に到達しにくくする観点から、第1及び第2のスキン層のそれぞれの厚さAが、20μm以上であることが好ましい。
第1及び第2のスキン層のそれぞれの厚さAは、上記の比A/Bが上記の範囲を満足する限りにおいては、異なっていてもよいが、特に多層インフレーション法等の共押出法により酸素吸収性フィルムを製造する場合に、酸素吸収性フィルムを容易に製造する観点から、第1及び第2のスキン層の厚さが等しいことが好ましい。
第1及び第2のスキン層を構成する熱可塑性樹脂の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレート(MFR)が、JIS K7210に準拠して測定した場合に、0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は1.5g/10min以上であってもよく、30g/10min以下、20g/10min以下、又は15g/10min以下、10g/10min以下、8g/10min以下、又は5.0g/10min以下であってもよい。
《酸素吸収性フィルムロール》
図2(a)に示すように、本発明の酸素吸収性フィルムロールは、巻芯(200)、及び巻芯(200)上に巻回されている、上記の酸素吸収性フィルム(100)を具備している。
本発明の酸素吸収性フィルムロールが、上記の酸素吸収性フィルムを第1のスキン層と第2のスキン層とが良好に密着した状態で具備していることにより、保存した際に端部が失活しにくく、その結果、広い領域において製造時の酸素吸収量を維持できる。
本発明の酸素吸収性フィルムロールが有する酸素吸収性フィルムの幅、すなわち巻芯の軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば20mm以上、50mm以上、100mm以上、200mm以上、300mm以上、400mm以上、又は500mm以上であることができ、また2000mm以下、又は1000mm以下であることができる。
本発明の酸素吸収性フィルムロールが有する酸素吸収性フィルムの巻長さは、特に限定されないが、例えば10m以上、30m以上、50m以上、100m以上、200m以上、300m以上であることができ、また4000m以下、2000m以下、1000m以下、900m以下、800m以下、700m以下、600m以下、又は500m以下であることができる。
〈巻芯〉
巻芯としては、紙製、金属製、又は樹脂製の巻芯を用いることができるが、水分や酸素分子を含まない金属製又は樹脂製が好ましい。
巻芯の直径は、30mm以上、40mm以上、又は50mm以上であることができ、また300mm以下、200mm以下、又は100mm以下であることができる。
《酸素吸収性フィルムの製造方法》
本発明の酸素吸収性フィルムは、酸素吸収層用樹脂組成物の作製工程、並びに製膜工程を含む。
酸素吸収層用樹脂組成物の作製は、上記の酸素欠損を有する酸化セリウム及び熱可塑性樹脂を混練して行うことができる。混練は、例えば、ニーダー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機、2軸混練機等の連続混練機、単軸押出機、二本ロール混練機、三本ロール混練機等が用いられる。この際には、使用する材料に応じて、80℃以上、100℃以上、120℃以上、又は140℃以上で、かつ220℃以下、200℃以下、又は180℃以下の温度で混練することができる。
上記の混練した酸素吸収層用樹脂組成物、並びに第1及び第2のスキン層を構成する熱可塑性樹脂を、それぞれ酸素吸収層、並びに第1及び第2のスキン層に成形して、これを積層させて本発明の酸素吸収性フィルムを得ることができる。例えば、上記の混練した樹脂組成物を、インフレーション法、Tダイ法、キャスト法等の押出成型等することによりフィルム状に成形することができる。また、多層インフレーション法、又は多層Tダイ法等の共押出法により成形及び積層を共に行うこともできる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《フィルムロールの作製》
〈実施例1〉
酸素欠損を有する酸化セリウムCeO2−x(x=0.5)30質量部と、低密度ポリエチレン70質量部とを、窒素雰囲気下で二軸押出機(PCM−30、株式会社池貝)を用いて混練して、ペレット状に押出して酸素吸収層用マスターバッチを作製した。
スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレンを用いた。
上記の材料を、2種3層フィルムのインフレーション成形機(TUL−600R、株式会社プラコー)による共押出成形で、樹脂温度170℃の条件で、第1のスキン層10μm/酸素吸収層60μm/第2のスキン層10μmとなるように、幅400mm、長さ200mで製膜し、巻取りテンション45N/m、巻取りテーパー30%の条件で、第1のスキン層が内側に位置するように直径92mmの巻芯に巻き取って、実施例1の酸素吸収性フィルムロールを作製した。
〈実施例2〜7及び比較例1〜4〉
表1に示すような酸素吸収層中の酸化セリウムの含有率及び各層の厚さとし、また表1に示すような静摩擦係数となるようにスキン層のために使用するポリエチレンの種類及びフィルムロールの製造条件等を調整したことを除いて、実施例1と同様にして、実施例2〜7及び比較例1〜4の酸素吸収性フィルムロールを作製した。
《評価》
〈残存酸素吸収率〉
ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレン製の包装袋に、製膜直後の酸素吸収性フィルムを25cm投入し、包装袋の容積(空気量)が15mLとなるように四面体型にヒートシールして密封し、常温で保存した。
1週間後に製膜直後の酸素吸収性フィルムを封入した袋の袋内酸素濃度を測定し、大気中の酸素濃度との差分から酸素吸収性フィルム1cm当たりの酸素吸収量を算出し、算出した値を大気曝露前の飽和酸素吸収量とした。測定は、隔膜形ガルバニ電池式酸素センサーであるパックマスターRO−103(飯島電子工業株式会社)の測定針を袋内に刺して行った。
製膜したフィルムロールの両端を切断して幅320mmとし、このフィルムロールを室温で大気中に1.5時間曝露した後、再度、フィルムロールを巻き返し、巻芯側から20mの前後に各50mm及びフィルムの側端から20mmの位置からフィルム幅方向中央に25mmの領域のフィルム(25cm)をサンプリングし、上記と同様にしてフィルム1cm当たりの酸素吸収量を算出し、算出した値を大気曝露後の飽和酸素吸収量とした。次いで、大気曝露後の飽和酸素吸収量÷大気曝露前の飽和酸素吸収量×100の式により、残存酸素吸収率(%)を算出した。
〈静摩擦係数〉
作製した各フィルムについては、JIS−K7125に準拠して、第1のスキン層と第2のスキン層との間の静摩擦係数を測定した。測定は、摩擦測定機(TR−2、株式会社東洋精機製作所)を用いて、測定速度100mm/min、測定距離10mm、滑り片200g(下側フェルト面)、接触面積40cmの条件で行った。
測定は、サンプル表面をアセトン等の溶剤で十分に洗い流し、フィルム表面の付着物や樹脂に含まれる滑剤などの影響を無くし、測定環境(23℃50%RH)環境に16時間以上放置した後に行った。
結果を表1に示す。
Figure 2017226123
表1から、静摩擦係数が、0.50以上であり、かつ比A/Bが0.18μm/質量%以上である、実施例1〜7の酸素吸収性フィルムロールは、比較例1〜4の酸素吸収性フィルムロールと比較して、残存酸素吸収率が良好であることが理解できよう。
10a 第1のスキン層
10b 第2のスキン層
20 酸素吸収層
22 酸素欠損を有する酸化セリウム
24 熱可塑性樹脂
100 酸素吸収性フィルム
200 巻芯
300 酸素吸収性フィルムロール

Claims (10)

  1. 酸素吸収性フィルムであって、
    第1のスキン層、酸素吸収層、及び第2のスキン層をこの順で有しており、
    前記酸素吸収層が、酸素欠損を有する酸化セリウム、及び熱可塑性樹脂を有しており、かつ
    2つの前記酸素吸収性フィルムを互いに積層したときの前記第1のスキン層と前記第2のスキン層との間の、JIS−K7125に準拠して測定した静摩擦係数が、0.50以上であり、かつ
    前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層のμm単位でのそれぞれの厚さAの、酸素吸収層における前記酸化セリウムの、前記酸素吸収層全体の質量を基準とした、質量%単位での含有量Bに対する比A/Bが、0.18μm/質量%以上である、
    酸素吸収性フィルム。
  2. 前記第1のスキン層及び/又は前記第2のスキン層の厚さが、20μm以上である、請求項1に記載の酸素吸収性フィルム。
  3. 前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層の厚さが等しい、請求項1又は2に記載の酸素吸収性フィルム。
  4. 前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層が、同種の熱可塑性樹脂で構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
  5. 前記比A/Bが、0.20μm/質量%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
  6. 前記含有量Bが、57質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
  7. 前記含有量Bが、50質量%以下である、請求項6に記載の酸素吸収性フィルム。
  8. 前記静摩擦係数が、0.55以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
  9. 前記酸素吸収フィルムを、直径92mmの巻芯に巻き取って得られた幅320mm及び長さ200mの酸素吸収性フィルムロールを、室温で大気中に1.5時間にわたって曝露した後において、前記酸素吸収性フィルムの前記巻芯側から20mの前後に各50mm及び側端から20mmの位置から幅方向中央に25mmの領域内の残存酸素吸収率が、95%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
  10. 巻芯、及び
    前記巻芯上に巻回されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム
    を具備している、酸素吸収性フィルムロール。
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