JP2017225438A - 水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加剤フリー、長期保存性、美観、食感の程よい弾力性を有し、なお且つ魚肉の質が均一化された魚肉練製品を製造するための水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法を提供する。【解決手段】魚肉練製品の原料を予め製造する工程、前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程、前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程の後に、前記魚肉練製品の原料に対し水を添加する工程、前記魚肉練製品の原料を所望の魚肉練製品の形状に成型する工程、成型された前記魚肉練製品を放置する工程、前記魚肉練製品を加熱する工程、並びに前記魚肉練製品を冷却及び包装する工程を具備し、前記水が水素ナノバブル水である。【選択図】図2

Description

本発明は、水素を含有させた超微細なナノメートル(nm)オーダーの気泡(以下、「水素ナノバブル」と称する。)を含む水(以下、「水素ナノバブル水」と称する。)を使用した魚肉練製品の製造方法に関する。
液体(主に水)中に発生させた、直径が50μm以下の気泡(このような気泡を「ファインバブル」と称することもあるが、本明細書では「マイクロバブル」に統一して記す。)は、通常の気泡とは異なった性質を持つことが知られており、殺菌・消毒や器具洗浄等といった様々な分野で使用されている。そして、マイクロバブルは、オゾン、酸素などの気体をその気泡内に内在させることが可能である。
また、マイクロバブルを圧壊することにより発生させた直径が500nm以下の気泡(このような気泡を「ウルトラファインバブル」と称することもあるが、本明細書では「ナノバブル」に統一して記す。)もまた、マイクロバブル同様に、オゾン、酸素、窒素、二酸化炭素、水素などの気体をその気泡内に内在させることが可能であり、殺菌・消毒や器具洗浄等といった様々な分野で使用されている。更には、そのような分野だけではなく、ナノバブルに内在させる気体によっては、近年では植物や細胞の成長促進若しくは抑制などの効果を示すことが知られており、あらゆる分野で研究が進んでいる。
例えば、特許第5676051号公報(特許文献1)には、水素を内在させたナノバブル、即ち水素ナノバブルを含む電解水生成装置等が開示されている。特許文献1においては、前記装置で発生させた水素ナノバブル含有電解水が、食品の殺菌、油汚れに係る洗浄(洗濯)、ワイン等に起因する色素沈着に係る漂白効果を示すということを実施例として開示している。
また、上記に述べたようなナノバブルの知見を基に、本願発明者らは、酸素又はオゾンを内在させたナノバブル、即ち酸素ナノバブル又はオゾンナノバブルを含む水を使用した、無菌魚肉練製品(かまぼこ等)の製造方法について、それぞれ特許第4044583号公報(特許文献2)、特開2007−097521号公報(特許文献3)に開示している。特許文献2に係る技術は、酸素ナノバブルに対し、超音波照射、マイクロ波照射、又は魚肉練製品加工時における擂潰若しくは加熱といった刺激(物理的刺激)を与えることにより発生させた活性酸素種やフリーラジカル種等が、魚肉の殺菌に寄与することにより、殺菌されただけでなく一定期間無菌状態(食品衛生法等で定められた基準値以下の状態も含む)になった魚肉練製品の製造方法を開示している。特許文献3に係る技術もまた、オゾンナノバブルに対し、特許文献2同様に物理的刺激を与えることにより発生させた活性酸素種やフリーラジカル種等が、魚肉の殺菌に寄与することにより、殺菌されただけでなく一定期間無菌状態になった魚肉練製品の製造方法を開示している。更に、特許文献3には、冷凍状態の魚肉練製品の原料(冷凍すり身)を、オゾンナノバブル含有水を用いて解凍する方法も開示されている。
ところで、かまぼこ等の魚肉練製品の製造は、店舗や工場で製造する場合、魚を捌いてすり身を製造する段階と、そのすり身を所望の魚肉練製品(かまぼこ、ちくわ、はんぺん等)に加工する段階といった、大まかに分けて2段階に分けられることが一般的に知られている。ここで、すり身を製造するまでの段階では、捌いた魚に付着する血液等の汚れを除去するための水晒しといった工程がある。またすり身から所望の魚肉練製品を加工する段階においては、余分な水溶性タンパク質の除去や魚肉練製品の独特の食感を持たせるための水伸ばしといった工程(漉き水工程)がある。言い換えると、魚肉練製品の製造には、水が重要な鍵となると言っても過言ではない。
水晒しの工程においては、主に硬水が用いられ、水伸ばしの工程では水道水、純水、超純水が使用されるのが一般的である。水晒しの工程はともかく、水伸ばしの工程では、水や調味料の他、増粘剤、弾力剤等といった添加剤を添加することが既に知られている。また、水伸ばしの工程においては、少量(基準値以下)ではあるが、水素イオン濃度(pH)調整剤、酸化防止剤なども添加する。ここで、魚肉練製品の製造に係る増粘剤については、タピオカ澱粉のような自然原料由来の増粘剤が、例えば特開2013−000108号公報(特許文献4)に開示されている。また、水晒し又は水伸ばしのいずれかにおいては、魚肉の余分な脂肪の除去も考慮しなくてはならない。このような脂肪の除去に関して、水素ナノバブル水を用いる技術が特開2015−127301号公報(特許文献5)に開示されている。特許文献5においては、主にヒトの内臓脂肪低減及び脂質合成抑制を目的としているが、水産加工品原料の魚肉の余分な脂肪除去にも使用可能な旨が記載されている(特許文献5段落[0026]参照)。
特許第5676051号公報 特許第4044583号公報 特開2007−097521号公報 特開2013−000108号公報 特開2015−127301号公報
上述のことを鑑みると、魚肉練製品を製造する場合、製造加工の際の水の吟味もさることながら、殺菌・無菌化及び長期保存、ひいては成型後の魚肉練製品の外観(美観)や食感を考慮しなくてはならない。また、添加剤もなるべく用いない、所謂フリーの状態を考慮しなくてはならない。
しかしながら、特許文献1は、上述のように、殺菌や洗浄が主な目的であり、魚肉練製品の食感を司る弾力性の考慮や長期保存といったことは開示や示唆する記載がない。また、特許文献2及び3は、主に魚肉練製品の殺菌・無菌化を目的にしたものであり、魚肉練製品の食感を司る弾力性の考慮を目的としたものではない。
更に、特許文献4においては、あくまで添加剤(増粘剤)の添加を念頭に置いた魚肉練製品の食感を司る弾力性の改善を目的としていること、また添加剤の分子設計及び合成にコストがかかるといったことがある。また、特許文献5においては、上述のように水産加工品原料の魚肉の余分な脂肪除去にも使用可能な旨が記載されているが、弾力性を司る魚肉の筋肉(タンパク質)部分に作用するか否かが不明である。
そこで、上述したような実情に鑑み、本発明では、添加剤フリー、長期保存性、美観、食感の程よい弾力性を有し、なお且つ魚肉の質が均一化された魚肉練製品を製造するための水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法の目的は、魚肉練製品の原料を予め製造する工程、前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程、前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程の後に、前記魚肉練製品の原料に対し水を添加する工程、前記魚肉練製品の原料を所望の魚肉練製品の形状に成型する工程、成型された前記魚肉練製品を放置する工程、前記魚肉練製品を加熱する工程、並びに前記魚肉練製品を冷却及び包装する工程を具備し、前記水が水素ナノバブル水であることを特徴とすることで、効果的に達成される。
本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法の別の目的は、魚肉練製品の原料を予め製造する工程、前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程、前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程と同時に、前記魚肉練製品の原料に対し水を添加する工程、前記魚肉練製品の原料を所望の魚肉練製品の形状に成型する工程、成型された前記魚肉練製品を放置する工程、前記魚肉練製品を加熱する工程、並びに前記魚肉練製品を冷却及び包装する工程を具備し、前記水が水素ナノバブル水であることを特徴とすることで、効果的に達成される。
本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法はまた、前記魚肉練製品の原料を予め製造する工程は、原魚を選別する受け入れ工程、前記受け入れ工程にて選別された前記原魚を洗浄する洗い工程、前記洗い工程の後に行う水切り工程、前記水切り工程の後、前記原魚を捌いて頭、内臓、中骨を取り除き、魚肉を取り出す肉取り工程、前記肉取り工程にて取り出した前記魚肉を水に晒す水晒し工程、前記水晒し工程の後、前記魚肉を回転ふるいにかけて予備的に脱水する回転ふるい工程、前記回転ふるい工程の後、更に前記魚肉を脱水する脱水工程、前記脱水工程にて脱水した前記魚肉を裏ごしする裏ごし工程、前記裏ごし工程の後、前記魚肉を撹拌する攪拌工程、保存容器に前記魚肉を充填する充填工程、及び前記充填工程の後、前記魚肉を冷凍凍結して、保管する凍結・保管工程を具備し、前記水晒し工程において、水素ナノバブル水を使用し、並びに前記脱水工程は、圧縮圧力を使用することにより脱水することにより、或いは前記水素ナノバブル水の水素イオン濃度は、pH7.5〜8.5であることにより、或いは前記水素イオン濃度は、還元電位が−700〜−350mVであることにより、或いは前記魚肉練製品の原料は、すり身であることにより、或いは前記加熱は、蒸す、焼く若しくは蒸し焼きする、茹でる又は揚げることのうちいずれかであることにより、或いは前記魚肉練製品は、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、伊達巻、つみれ、さつま揚げ、笹かまぼこ又はなるとのいずれかから選択されることにより、或いは前記原魚及び前記魚肉は、キチジ、スケトウダラ、マダラ、グチ、鯛又はサメのいずれかから選択されることにより、より効果的に達成される。
本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法によれば、水素ナノバブル水を使用することにより、すり身を製造する前段階での水晒しだけでなく、すり身から成型品(魚肉練製品)加工時の水伸ばし(漉き水)工程にて、種々の添加剤(例えば、ソルビン酸等の合成保存料)の必要がなく、魚肉の弾力や美感(美観)を損なわずになお且つ魚肉の質が均一化された魚肉練製品の製造が可能となった。また、添加剤が必要ないので、種々の添加剤(特にソルビン酸等の合成保存料)によるアレルギー対策等の食の安心及び安全への寄与が期待される。
また、本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法によれば、水素ナノバブル水のpHを所望濃度に設定することにより、且つナノバブルの一般的な特性を利用することにより、魚肉練製品の長期保存が可能になった。更に付言すると、長期保存の向上により、海外への輸出が可能になる。
魚肉練製品の原料(すり身)の一般的な製造方法を示すフローチャートである。 本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法を示すフローチャートである。 本実施例で使用する水素ナノバブル水を製造するための装置の概略図である。 本実施例で使用した各試験片の美観を示す画像である。
以下、本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法について詳細に説明する。
先ず、本発明で使用する水素ナノバブル水について説明する。本発明で使用する水素ナノバブル水は、後述する本発明に係る製造方法の製造工程とは別に、水中に水素ナノバブルを発生させたものを予め用意して使用する。ちなみに、ここで言う「水」とは、水道水、軟水、硬水等、化学式HOで表されるもの全てを指す。
次に、水中に水素ナノバブルを発生させて、水素ナノバブル水を得る方法については、例えば特許文献3に記載の方法や装置、特許第4802154号公報に開示されている装置、及び/又は特許第4166449号公報に記載されているナノバブルの製造方法等といった、公知技術を用いて製造すればよい。ちなみに、水素ナノバブル水の水素イオン濃度(pH)は、pH7.5〜8.5あたりが望ましい。pHが7.5〜8.5であると、魚肉のタンパク質に馴染みなお且つ長期保存が可能である。pHが7.5〜8.5の範囲外であると、魚肉の劣化を引き起こしたり、或いは酸化防止剤、保存剤等の添加物の添加を考慮しなくてはならない。なお、水素ナノバブルの粒径については、500nm以下であれば、特に粒径やその粒径分布には依存しない。また、水素ナノバブルのゼータ電位であるが、−100〜100mVの間であればよい。
また、使用する水、即ち水素ナノバブルを発生させるための水については、細菌やウィルスが殺菌されていれば、超純水、純水、蒸留水、水道水、湧水等は問わない。そして、水素ナノバブル水のpHの調整については、必要であれば適宜市販のpH調整剤(例えばクエン酸ナトリウム等といった弱塩基性のナトリウム塩)を使用すれば良い。しかしながら、pH調整剤を添加しなくても、水素ナノバブル水のpHは、7.5〜8.5の範囲で保持される。ちなみに水素ナノバブル水のpHが7.5〜8.5の場合、その際の還元電位は、−700mV〜−350mVである。言い換えると、この還元電位の範囲は、上述のpHの数値範囲に比例する。
以上のように製造した水素ナノバブル水は、タンクなどの容器に予め貯留しておき、魚肉練製品の製造時に随時使用する。また、魚肉練製品の製造時には、pHコントローラを該容器に適当に設置して、その都度水素ナノバブル水のpH及び還元電位を確認すればよい。また、pHコントローラについては、自動制御、使用毎に手動で制御するなど任意の方法を採れば良い。
次に、本発明で言う「魚肉練製品」とは、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、伊達巻、つみれ、さつま揚げ、笹かまぼこ、なると等をいう。また、「魚肉練製品の原料」といった場合は、特に言及のない場合、魚のすり身(若しくはミンチ)を指す。なお、該すり身は冷凍のものであるか否かは問わない。更にすり身を成す魚(原魚)には、キチジ(キンキ)、スケトウダラ、マダラ、グチ、鯛、サメ等の白身魚や、その他「魚肉練り製品における魚肉の原材料名に関する業界自主ガイドライン」社団法人日本缶詰協会及び全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会共著(平成22年8月)に開示されている魚類の使用が可能である。
ここで、魚肉練製品の原料の一般的な製造方法について、図1に示すフローチャートを基に説明する。なお、ここでは魚肉練製品の原料としてはすり身の例を説明する。
先ず、キチジ(キンキ)、スケトウダラ、マダラ、グチ、鯛、サメ等といった原魚を選別する(ステップS100)。ステップS100の工程は、一般的には受け入れ工程と称される。なお、受け入れ工程(ステップS100)については、本発明も従来と同じように公知技術で構わない。
次にステップS100にて受け入れ(選別)された原魚を洗浄する(ステップS101)。ステップS101の工程は、一般的には洗い工程と称される。この洗い工程(ステップS101)は、主に水洗いであり、原魚のぬめりや汚れを取る目的で行う。ちなみにこの洗い工程は、詳細には一次洗浄、二次洗浄、三次洗浄と別れているが、特に規定はなく、単に回数を分けて洗うものである。また、洗浄方法については、水(水道水等)や海水を原魚に合わせて用いる以外は、特に限定や規定はなく、本発明においても従来技術で可能である。洗い工程の後、水切りを行う(ステップS102)。この水切りについても、従来技術で良い。
水切り(ステップS102)の後、原魚を捌いて、頭、内臓、中骨を取り除き、身(魚肉)を取り出す(ステップS103)。ステップS103の工程は、一般的に肉取り工程若しくは魚肉採取工程等と称される。ステップS103の工程においては、機械或いは職人の手作業と魚肉練製品製造のスケールによって適宜選択可能であり、本発明においては任意の公知技術が採用され得る。
ステップS103にて採取した身(魚肉)を、水に晒す(ステップS104)。ステップS104の工程は、一般的に水晒し工程と称される。この水晒し工程は、採取した身を水に晒すことにより、余分な脂肪や血液を取り除く目的で行う工程である。従来、この水晒し工程においては、硬水や硬度が比較的高い水道水を使用する。ここで、本発明では、この水晒し工程において、硬水や硬度が比較的高い水道水の代わりに、予め製造且つpHコントロールが成された水素ナノバブル水を用いる。本発明におけるこのステップS104の工程で水素ナノバブル水を用いる理由としては、従来のように余分な脂肪や血液を取り除くだけでなく、殺菌・無菌化及び長期保存、成型後の魚肉練製品の外観の保持、並びに魚肉の質の均一化を目的としている。ここで言う魚肉の質の均一化とは、水素イオン濃度がコントロールされた水素ナノバブル水を使用することにより、ステップS103までの状態では魚肉原料(原魚)にバラツキ(例えば新鮮同然なものもあれば腐りかけ寸前等といった)があったものが、ステップS104の工程で質(弾力性や色等)が魚肉原料(身)の至る所を全て均一の質になるということである。ちなみに、本発明で用いる水素ナノバブル水については、上述の通り、水素イオン濃度がpH7.5〜8.5で、還元電位は、−700mV〜−350mVが望ましい。ここで、本発明において「殺菌・無菌化(状態)」という記載については、(菌類が)測定限界若しくは食品衛生法で規定される基準値以下の状態を含むということを申し添える。なお、この水晒し工程において、水素ナノバブルの添加量は、特に限定はなく、適時変化させることができる。
ステップS104の工程、即ち水晒し工程の後、身を回転ふるいにかけて予備的に脱水(ステップS105)し、更に圧縮圧力により身を脱水する(ステップS106)。ちなみに、回転ふるいの種類や方法については特に限定はなく、従来技術で可能である。ここで、ステップS106において、圧縮圧力により身を脱水する理由としては、水素ナノバブル水中の水素ナノバブルが圧壊されるからである。水素ナノバブルの圧壊により、水素イオンや水素ラジカルが発生してそれらが身(魚肉)に浸透し、殺菌・無菌化及び長期保存、ひいては成型後の魚肉練製品の外観の保持の要因となる。仮に、ステップS106の段階で、水素ナノバブルが全部圧壊されたとしても、後述するステップS2(図2参照)にてもう1回添加するので、殺菌・無菌化及び長期保存、ひいては成型後の魚肉練製品の外観の保持が可能である。
ステップS106の後、脱水した身を裏ごしする(ステップS107)。このステップS107については、魚肉についている余分な皮や鱗を取り除くためで、本発明においては従来技術で対応可能である。更にステップS107の後、ミキサなどで裏ごしした身を撹拌し(ステップS108)、適当な保存容器に身を充填(ステップS109)後、冷凍凍結して、保管する(ステップS110)。なお、撹拌(ステップS108)、充填(ステップS109)、並びに冷凍凍結及び保管(ステップS110)については、従来技術で可能である。
次に本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法について、図2に示すフローチャートを基に説明する。なお、魚肉練製品の原料としてはすり身の例を説明する。
先ず、図1に示すような流れで、予め魚からすり身を製造しておく(ステップS0)。
次に、すり身に塩(食塩)、調味料及び/又はつなぎを加えて、該すり身を擂潰する(ステップS1)。この擂潰工程は、本発明も従来技術もそう変わりはなく、氷を加えながら魚肉(すり身)だけを擂る粗擂り工程(ステップS11)、魚肉に対し凡そ2〜3重量%の食塩を加えて魚肉(すり身)を擂る塩擂り工程(ステップS12)、並びに砂糖、みりん等の調味料や澱粉、卵白といったつなぎを加えて擂る本擂り工程(ステップS13)から成る。なお、調味料やつなぎ以外の添加物、即ち増粘剤、弾力剤、水素イオン濃度(pH)調整剤、酸化防止剤といったものを添加する場合は、ステップS13の工程若しくは後述するステップS2にて添加する。無論、このような添加物を添加しなくても本発明は成立する。
また、ステップS1の擂潰工程において、擂潰時の速度は10〜20cm/sが好ましく、擂潰時間は20〜60分が好ましい。このような速度及び時間の範囲にする理由としては、後述するステップS2において、ステップS1と同時に水(水素ナノバブル水)を添加した場合、水素ナノバブルが全量ではなく、その一部が圧壊されるからである。そのようにして長期保存が効く魚肉練製品を成す。無論、後述するステップS2において、ステップS1の後に水(水素ナノバブル水)を添加した場合は、擂潰速度及び擂潰時間にはあまり依存しない。
次に、ステップS1の擂潰工程の後又は同時に、魚肉(すり身)に対し、水を添加する(ステップS2)。従来、この工程は、魚肉を水で引き締め且つ弾力を出すための目的で行われるものであり、水伸ばし若しくは漉き水工程とも称されているものである。先行技術においては、この工程で用いる水は、純水や超純水を使用する。しかしながら、先述したように、増粘剤、弾力剤、水素イオン濃度(pH)調整剤、酸化防止剤といった添加剤を少量用いなくてはならない。そこで、本発明では、このステップS2の漉き水工程においても、水素ナノバブル水を使用する。
水素ナノバブル水について、pHが7.5〜8.5(その還元電位は、−700mV〜−350mVである。)であることが望ましいことは、先述の通りである。更に、そのpHについて付言すると、pHが7.5〜8.5の範囲内であれば、弾力や美観が保たれ、並びに無菌状態(測定限界若しくは食品衛生法で規定される基準値以下の状態を含む)かつ長期保存が可能である。pHが7.5〜8.5の範囲外であると、無菌状態にはなっても長期保存が難しくなり、なお且つ製品としての魚肉練製品の弾力や美観が損なわれる。そして、ステップS2における、水素ナノバブル水の添加量であるが、製造工程により適時変化可能であるが、魚肉(すり身)に対し凡そ10倍量以上が望ましい。また、ステップS2における、水素ナノバブル水に対する魚肉(すり身)の浸漬時間については、特に限定はない。
なお、水素ナノバブル水の添加方法であるが、上述したように水素ナノバブル水を予め製造しておき、且つタンクなどの容器に貯留しておけば、その容器から注いだり、噴霧器を介して噴霧したりとその添加方法には特に限定はなく適宜選択可能である。また、pH調整については、先述の水晒し工程(ステップS104)同様に、水素ナノバブル水の添加前に、pHコントローラで、pHが7.5〜8.5(その還元電位は、−700mV〜−350mVである)内であることを適宜確認する。なお、pH調整について、必要があれば、適宜市販のpH調整剤(例えばクエン酸ナトリウム等といった弱塩基性のナトリウム塩)を使用すれば良いが、これらのpH調整剤を添加しなくても、水素ナノバブル水のpHは、7.5〜8.5に保持される。言い換えると、pH調整剤を添加しなくても、本発明は十分に成立する。
次に、ステップS2の漉き水工程において、使用した水素ナノバブル水を除去し、所望の魚肉練製品の形状に成型する(ステップS3)。なお、この工程は、公知技術を使用すればよい。
ステップS3にて成形した魚肉練製品を、所定温度及び時間で放置する(ステップS4)。この工程は、一般的に座り(坐り)工程といい、ステップS2において、弾力を加えた魚肉練製品原料(すり身)に対し、更に弾力を与える目的で行う工程である。ステップS4においては、製造の季節や目的とする魚肉練製品によって、温度(気温)や時間設定は異なるが、気温が例えば10〜20℃であれば、18〜24時間放置し、気温が30〜40℃であれば、60〜90分放置する。なお、これらの温度及び時間に関し、下限未満であると、魚肉内のタンパク質が網状組織を形成せず、上限よりも高い温度且つ長い時間であると、さほど弾力に差が出ないか、或いは場合によっては、タンパク質の網状組織が徐々に分解する可能性がある。
ステップS4の後、魚肉練製品を加熱する(ステップS5)。ここで言う加熱とは、例えば魚肉練製品がかに風味かまぼこであれば蒸し、ちくわ、笹かまぼこ、焼きかまぼこ、伊達巻等であれば焼き若しくは蒸し焼き、はんぺんやつみれであれば茹でる、さつま揚げならば揚げるといった作業である。この工程においては、適宜公知技術を使用すればよい。
ステップS5の後、魚肉練製品を冷却及び包装をする(ステップS6)。なお、冷却に関しては、魚肉練製品を10℃以下(0℃以上)に冷却できれば様々な手段が可能である。包装に関しては、適宜公知技術を使用すればよい。
図1及び2に示すフローチャートの流れに沿って製造された、水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品であるが、本発明における水素ナノバブル(水)は、水素イオン濃度がpH7.5〜8.5と弱塩基性領域のため還元性が高く、なお且つナノバブルに水素を内在させているので水素自体の浸透性が高くなり、それらのために長期保存が可能になる。また、例えば特許文献2及び3(共に本願発明者が関連している。)に挙げた、酸素若しくはオゾンナノバブル水を併用することも可能である。
以上、本発明に係る水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法について、実施形態を説明したが、特許請求の範囲、明細書又は図面等に記載の事項を逸脱しなければ、種々の態様を採ることが可能であることは言うまでもない。
上記実施形態について、更に実施例を述べて説明する。なお、次に述べる実施例等については、あくまで一例であり、上記実施形態同様に特許請求の範囲、明細書又は図面等に記載の事項を逸脱しなければ、様々な実施例を採ることが可能である。また、説明に応じて、図1及び図2のフローチャートを交えながら説明する。
[実施例1]水素ナノバブル水の製造
水素ナノバブル水の製造は、特許第4166449号公報に記載の方法をベースに行った。
図3は本実施例で使用した水素ナノバブル水を製造するための装置の概略図である。マイクロバブル発生装置2、取水口31およびマイクロバブル含有水溶液排出口32で水素マイクロバブルを製造し、水素マイクロバブルを容器1内へ送る。容器1には容器1内のマイクロバブルが含まれる水溶液を部分循環させるための循環ポンプ4が接続されており、循環ポンプ4が設置されている配管(循環配管)内には多数の孔を持つオリフィス(多孔板)5が接続され、容器1と連結している。容器1内のマイクロバブルが含まれる水溶液は循環ポンプ4により循環配管内を流動させられ、オリフィス(多孔板)5を通過することで圧縮、膨張および渦流を生じ、水素ナノバブルが発生するという仕組みである。
まず、純水の入った容器1内にマイクロバブル発生装置3を用いて水素マイクロバブルを発生させる。なお、マイクロバブル発生装置2には、容器1とは別の容器内で水の電気分解により発生させた水素ガスを捕集できるような捕集口(図示せず)が設けられている。
次に、この水素マイクロバブルが含まれる水溶液を部分循環させるため、循環ポンプ4を作動させる。この循環ポンプ4により水素マイクロバブルが含まれる水溶液が押し出され、オリフィス(多孔板)5を通過前及び通過後の配管内で圧縮、膨張及び渦流が発生する。通過時の水素マイクロバブルの圧縮や膨張により、および配管内で発生した渦流により電荷を持った水素マイクロバブルが渦電流を発生させることにより水素マイクロバブルは急激に縮小され水素ナノバブルとして安定化する。なお、循環ポンプ4とオリフィス(多孔板)5の流路における順序は逆でもよい。
オリフィス(多孔板)5は図3では単一であるが、複数設置してもよく、循環ポンプ4は必要に応じて省略してもよい。その場合、マイクロバブル発生装置2の水溶液に対する駆動力や高低差による水溶液の流動などを利用することも可能である。
上記に述べたような手順で水素ナノバブル水を製造した。ちなみに、後述する魚肉練製品の製造(実施例2)では、使用する前に、容器1に取り付けたpHコントローラ(図示せず)により、水素イオン濃度(pH)や還元電位を測定しておく。なお、本実施例1で使用した水素ナノバブル水発生装置は、図3の態様に限ったものではない。
[実施例2]魚肉練製品の製造
次に、魚肉練製品(笹かまぼこ)について、「対象片1」、「対象片2」、「試験片1」、「試験片2」、「試験片3」及び「試験片4」の計6種類を図1及び図2のフローチャートに従い製造した。ちなみに、図2のフローチャートにおけるステップS5の加熱工程については、笹かまぼこ作成時の方法(従来技術)に従った。ここで言う対象片1、対象片2とは、従来技術で製造した魚肉練製品であって、本発明の製造方法で製造した試験片1、試験片2、試験片3及び試験片4の比較対象(比較例)のためのものである。なお、%については、特に言及のない場合は全て重量%とする。
先ず、対象片1、対象片2、試験片1、試験片2、試験片3及び試験片4の共通事項として、原材料の魚をキチジ(キンキ)、とし、粘着剤として食塩、つなぎとして卵白を用いた。なお、食塩に関しては、すり身状のキチジの重量に対し、2重量%とした。
次に、対象片1、対象片2においては、図1に記載の水晒し工程(ステップS104)及び図2に記載の漉き水工程(ステップS2)の双方において水素ナノバブル水を使用せず、通常の水を使用した。また、対象片2については、合成保存料としてソルビン酸(笹かまぼこ1枚当たり0.15%程度)を用いたが、対象片1については、ソルビン酸を含む添加剤は何も用いていない。また、対象片2については、ソルビン酸以外の添加剤は使用していない。なお、対象片1については、製造後に水素イオン濃度を測定したところ、pH=7.0であり、同様に対象片2の水素イオン濃度を測定したところ、pH=7.0であった。
一方、試験片1、試験片2、試験片3及び試験片4においては、図1に記載の水晒し工程(ステップS104)及び図2に記載の漉き水工程(ステップS2)の双方において水素ナノバブル水を使用した。ちなみに、試験片1乃至4のいずれも、原料のキチジの40%の水素ナノバブル水を、該水晒し及び漉き水工程に使用した。また、試験片1において使用した水素ナノバブル水をpHコントローラで測定したところ、還元電位が−400mV(pH=7.8相当)であり、試験片2において使用した水素ナノバブル水をpHコントローラで測定したところ、還元電位が−600mV(pH=8.2相当)であった。更にまた、試験片3において使用した水素ナノバブル水をpHコントローラで測定したところ、還元電位が−600mV(pH=8.2相当)であり、試験片4において使用した水素ナノバブル水をpHコントローラで測定したところ、還元電位が−400mV(pH=7.8相当)であった。なお、試験片1、試験片2、試験片3及び試験片4はいずれも、ソルビン酸等の保存料や添加剤は不使用である。
[実施例3]魚肉練製品6種類の日持ち検査結果
上記実施例2で製造した対象片1、対象片2、試験片1、試験片2、試験片3及び試験片4」の計6種類の試験片につき、一定温度で保管した場合の日持ち検査、即ち保存日数毎に一般細菌数を測定した。各試験片につき10℃で保管した場合については表1に、18℃で保管した場合については表2として次に示す。
表1に示すように、10℃で保管した場合、6つに各試験片共に保管初日及び保管3日目までは、菌数は測定できない、即ち検出されなかった。そして、対象片1の生菌数については、5日目に30個、7日目には約2万8千個、そして10日目には10万個以上となり、11日目以降は、測定しなかった。次に、対象片2、試験片1乃至4については、初日から20日目まで殆ど菌を検出しなかった。最も、試験片1及び4は、11日目に菌数が測定されたが、いずれも5個(cfu/g)と食品衛生法で規定される基準値以下であった。
一方、表2に示すように、18℃で保管した場合、対象片1は3日目から、対象片2では4日目から生菌(細菌)の検出が見られたのに対し、試験片1乃至4では1〜4日目までは生菌の検出が見られず、試験片1、2、4においては5日目から8日目まで生菌の検出が見られたものの、再度9日目以降は生菌の検出が見られなかった。
少なくとも以上の結果から、ソルビン酸のような保存料を添加するよりも、水素ナノバブル水を使用したほうが、菌数が増えにくい、即ち長期保存に向いていることが示唆される。そして、以上の結果から、水素ナノバブル水を使用すれば、添加剤フリーで長期保存のきく魚肉練製品の製造が可能になるものと思われる。
[実施例4]魚肉練製品4種類の色調比較
次に、上記実施例2で製造した対象片2、試験片2、試験片3及び試験片4の計4種類の試験片につき、色調比較を行った。その結果を表3に記す。なお、色差計として、色彩色差計CR−200b (ミノルタカメラ株式会社製)を各試験片にて用いた。
上記表3においては、色調比較として、L(エルスター・エースター・ビースター)表色系(JIS Z8781−4:2013)を用いた。ちなみに、Lは、明度(白度)を表し、a、bは、色相と彩度を示す色度を表す。更にa、bは、a−b平面を成し、aは正方向に成ればなるほど赤色が濃くなり、負方向に成ればなるほど緑色が濃くなる。一方、bは正方向に成ればなるほど黄色が濃くなり、負方向に成ればなるほど青色が濃くなる。
対象片2と比較した場合、3つの試験片とも平均して、Lの明度の値と、bの値とが対象片2よりも高い傾向にあった。図4は、対象片2、試験片2及び試験片3の美観の様子を示す画像である。図4を参照すると、対象片2に比べると、試験片2及び3の方が白い。このことは、表1及び/又は表2と比べた場合、生菌数が少ないほど、明度Lが高い、即ち魚肉原料の白さに依存しているという結果となった。また、魚肉原料の白さひいては美観の良さは、魚肉練製品の原材料(原魚)であるキチジの身(魚肉)の新鮮さや質感の高さを裏付けていることを言わんとする。このことからも、水素ナノバブル水を魚肉練製品の製造に用いた場合、添加剤フリーで長期保存のきく魚肉練製品の製造が可能になることが示された。更にまた、添加剤フリーでキチジの新鮮さや質感の高さが長期間保持可能であるということは、原材料たるキチジの身の弾力性の保持が可能であるということを示唆しているものと思われる。
本発明によれば、美観の保持や改善並びに食感を司る弾力性の保持にとどまらず、同時に殺菌・無菌化且つ長期保存された魚肉練製品、更には弾力性の保持が必要なソーセージなどの魚肉以外の練製品や加工品に利用することが可能である。
1 容器
2 マイクロバブル発生装置
31 取水口
32 マイクロバブル含有水溶液排出口
4 循環ポンプ
5 オリフィス(多孔板)

Claims (9)

  1. 魚肉練製品の原料を予め製造する工程、
    前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程、
    前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程の後に、前記魚肉練製品の原料に対し水を添加する工程、
    前記魚肉練製品の原料を所望の魚肉練製品の形状に成型する工程、
    成型された前記魚肉練製品を放置する工程、
    前記魚肉練製品を加熱する工程、並びに
    前記魚肉練製品を冷却及び包装する工程を具備し、前記水が水素ナノバブル水であることを特徴とする水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  2. 魚肉練製品の原料を予め製造する工程、
    前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程、
    前記魚肉練製品の原料を擂潰する工程と同時に、前記魚肉練製品の原料に対し水を添加する工程、
    前記魚肉練製品の原料を所望の魚肉練製品の形状に成型する工程、
    成型された前記魚肉練製品を放置する工程、
    前記魚肉練製品を加熱する工程、並びに
    前記魚肉練製品を冷却及び包装する工程を具備し、前記水が水素ナノバブル水であることを特徴とする水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  3. 前記魚肉練製品の原料を予め製造する工程は、原魚を選別する受け入れ工程、前記受け入れ工程にて選別された前記原魚を洗浄する洗い工程、前記洗い工程の後に行う水切り工程、前記水切り工程の後、前記原魚を捌いて頭、内臓、中骨を取り除き、魚肉を取り出す肉取り工程、前記肉取り工程にて取り出した前記魚肉を水に晒す水晒し工程、前記水晒し工程の後、前記魚肉を回転ふるいにかけて予備的に脱水する回転ふるい工程、前記回転ふるい工程の後、更に前記魚肉を脱水する脱水工程、前記脱水工程にて脱水した前記魚肉を裏ごしする裏ごし工程、前記裏ごし工程の後、前記魚肉を撹拌する攪拌工程、保存容器に前記魚肉を充填する充填工程、及び前記充填工程の後、前記魚肉を冷凍凍結して、保管する凍結・保管工程を具備し、
    前記水晒し工程において、水素ナノバブル水を使用し、並びに前記脱水工程は、圧縮圧力を使用することにより脱水する請求項1又は2に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  4. 前記水素ナノバブル水の水素イオン濃度は、pH7.5〜8.5である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  5. 前記水素イオン濃度は、還元電位が−700〜−350mVである請求項4に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  6. 前記魚肉練製品の原料は、すり身である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  7. 前記加熱は、蒸す、焼く若しくは蒸し焼きする、茹でる又は揚げることのうちいずれかである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  8. 前記魚肉練製品は、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、伊達巻、つみれ、さつま揚げ、笹かまぼこ又はなるとのいずれかから選択される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
  9. 前記原魚及び前記魚肉は、キチジ、スケトウダラ、マダラ、グチ、鯛又はサメのいずれかから選択される請求項3乃至8のいずれか1項に記載の水素ナノバブル水を使用した魚肉練製品の製造方法。
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