JP2017222243A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、高速域での走行に供するタイヤに適合する、トレッドの輪郭形状を備えるタイヤの提供を目的とする。
(1)本発明のタイヤは、タイヤのトレッドの踏面を、タイヤの赤道に沿って延びる、少なくとも1本の周方向溝とトレッド端とにて複数の陸部に区画したタイヤであって、該タイヤの幅方向断面視において、少なくとも前記トレッドの踏面のタイヤの赤道を境とする一方側の輪郭線は、曲率半径の異なる複数の円弧を含み、前記複数の円弧のうち、最小の曲率半径を有する円弧は、前記複数の陸部のうち、トレッド幅方向長さが最大である陸部にあり、該最小の曲率半径を有する円弧のトレッド端側に、該円弧より大きい曲率半径を有する円弧が配置されることを特徴とする。
(2)前記輪郭線は、曲率半径がそれぞれ異なる少なくとも3つの円弧を含むことを特徴とする、(1)に記載のタイヤ。
(3)前記少なくとも3つの円弧を、前記タイヤの赤道面から前記トレッド端に向かって、1AR、2AR及び3ARの順で配置したとき、各円弧の曲率半径が1AR>3AR>2ARの関係を満足することを特徴とする、(2)に記載のタイヤ。
(4)前記最小の曲率半径を有する円弧のタイヤ幅方向中心は、前記最大幅陸部のタイヤ赤道側端部からトレッド端側に向かって、該最大幅陸部のトレッド幅方向長さの35%〜70%に位置することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ。
(5)前記最小の曲率半径を有する円弧のタイヤ幅方向長さは、前記最大幅陸部のタイヤ幅方向長さの15%〜30%であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ。
(6)前記トレッドの踏面を、2本の前記周方向溝とトレッド端にて、3つの陸部に区画したタイヤであって、前記3つの陸部のうち、トレッド幅方向中央に位置する中央陸部のトレッド幅方向長さは、前記最大幅陸部のタイヤ幅方向長さの95%〜105%であり、前記中央陸部のタイヤ幅方向中心は、前記トレッドの踏面のタイヤ最大外径位置を中心として、前記中央陸部のタイヤ幅方向長さの10%以内の範囲内に位置することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤ。
(7)前記タイヤ最大外径位置は、前記タイヤの赤道よりも、トレッド端側にあることを特徴とする、(6)に記載のタイヤ。
以下、図面を参照しながら本発明の空気入りタイヤ(以下、タイヤとも称する)を、その実施形態を例示して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤの幅方向断面図である。本発明に係るタイヤの内部補強構造等は一般的なタイヤのそれと同様であり、例えば、一対のビードコア間に跨ってトロイダル状に延びるカーカスを骨格とし、このカーカスのタイヤ径方向外側に、2層のベルトを備え、このベルトのタイヤ径方向外側にトレッドを有している。該トレッドにおいて、図に示すトレッド端TE間がトレッドの踏面1(以下、トレッド踏面と称する)となる。
陸部3a、3b及び3cは、図示例ではそれぞれ異なるトレッド幅方向長さ(以下、陸部幅という)を有するが、周方向溝2a及び2bの配置によって陸部幅を変化でき、所期するタイヤ性能に応じて設定すればよい。例えば、高性能タイヤでは、特に車両の高速旋回時に、タイヤの装着外側は横力を受けやすい。そこで、タイヤの装着外側に位置する陸部の幅を大きくすることで、剛性を有利に高めることができる。
また、周方向溝2a及び2bは、図示例ではそれぞれ同じ幅にて形成されているが、異なる幅とすることもできる。
図1に記載される輪郭線LX及びLYは、3つの陸部3a、3b及び3cの輪郭線を、周方向溝2a及び2bでは両側陸部での輪郭線に倣ってつないだ線の、赤道CLを境とする一方側が輪郭線LXであり、他方側が輪郭線LYである。輪郭線LX及びLYは、曲率半径の異なる複数の円弧の複合になる。図示例は、円弧AR1、AR2、AR3、BR1、BR2及びBR3の6つの円弧を含む輪郭線LX及び輪郭線LYを有する。そして、上記したトレッドの陸部のうち最大幅陸部3aは、輪郭線LXの中で最小の曲率半径ARc2を有する円弧AR2を含む輪郭線からなることが肝要である。ここで、最大幅陸部3aが円弧AR2を含む輪郭線からなるとは、円弧AR2に従う輪郭線内に、最大幅陸部3aの中心が位置していればよい。さらに、最小曲率半径ARc2を有する円弧AR2のトレッド端側に、円弧AR2よりも大きい曲率半径ARc3を有する円弧AR3を配置することが肝要である。
つまり、図1の陸部配置に関わらず、最大幅陸部が、赤道を境とする一方側における最小曲率半径の円弧を含む輪郭を有することが重要である。従って、赤道を境とする両側に最大幅陸部がある場合は、いずれの最大幅陸部も、一方側における最小曲率半径の円弧を含む輪郭を有する。
この図示例において、赤道CLを境とする最大幅陸部3a側であるX側の踏面を構成する、3つの円弧AR1、AR2及びAR3の曲率半径ARc1、ARc2及びARc3は、ARc1>ARc3>ARc2の関係を満足することが好ましい。
3つの円弧の曲率半径が上記関係を有することによって、トレッド踏面の接地圧分布の均一化をさらに効率的に図ることができる。即ち、車両の高速旋回時には、トレッド端寄りの陸部部分での接地圧が高まることから、仮にこの部分に小さい曲率半径を有する円弧を配置すれば、接地圧がより高くなって接地圧分布の不均衡が助長されるため、これを防止する必要がある。さらに、最小曲率半径ARc2を有する円弧AR2を配して接地圧分布を均一化する効果は、最大幅陸部が最小曲率半径を有する円弧を含む輪郭線からなることに立脚するため、最小曲率半径AR2の両側に、それよりも曲率半径の大きい円弧が配されることが肝要である。また、車両直進中の急発進、急停止時には、赤道CL付近に接地圧が集中しやすくなるところ、赤道CLに最も近い円弧AR1を最も大きい曲率半径とすることで、最小曲率半径を有する円弧に従う輪郭線にも接地圧を分布させることができる。かように、赤道CL付近の陸部の接地性とトレッド端TE付近の陸部の接地性とを両立させることができる。
ARc2:(ARc1+ARc3)/2=4〜6:10
上記比を満足することにより、横力を受けた際の円弧AR3及び車両直進時の加速時及び減速時の円弧AR1と、最小曲率半径を有する円弧AR2との接地圧分布の均一化を、より高い次元で実現することができる。
(1)ARc1>BRc1
(2)ARc2>BRc2
(3)ARc3>BRc3
上述のとおり、本願発明ではX側を車両装着方向外側とすることが好ましいが、車両の高速旋回時には、タイヤの装着方向外側の接地面積は、内側に比し大きくなり、その結果、装着方向外側に配置される陸部が大きな横力を受けやすい。そこで、上記構成とすることで、トレッド踏面の接地圧分布の均一化を図るとともに、横力に対抗することができ、旋回時の操縦安定性を向上することができる。
より好適には、タイヤCL側端部3acから50%〜60%に位置することが好ましい。車両直進時においては最大幅陸部3aの中央部の接地性を改善することが肝要だが、車両旋回時においては、中央部付近のより広い範囲で接地性の改善を図ることが重要である。
より好適には、22%〜28%であることが好ましい。最大幅陸部3aの中央部と端部との接地性の最適化を図るためである。
即ち、タイヤの直進転動時には、トレッド踏面の周方向の接地長は、タイヤの最大外径部分で最も長くなり、タイヤのトレッド端に向かうに従い漸次短くなるのが通常である。このとき、最大外径部分に跨る中央陸部の幅方向端部における接地長が大きく異なると、陸部の両端部の間で摩耗量に差異が生じ、トレッドの偏摩耗につながる。そこで、最大径部分と陸部の中心の位置とをずらして、そのずれを上記の数値範囲内とすることにより、両者間の接地長の差を小さくし、偏摩耗を防止するとよい。
このとき、Y側を装着方向内側としてタイヤを装着することが好ましい。即ち、車両の高速旋回時においては、タイヤの装着方向内側に比して外側の接地面積が大きくなりやすい。そこで、上述のように、タイヤの接地長は最大径位置において最も大きくなるのが通常であることから、予め、赤道CLよりもタイヤ装着方向内側における接地面積も確保できるよう、最大径位置ODを赤道CLよりもトレッド端TE側とするとよい。
次に、トレッドの踏面を形成する輪郭線が、赤道を境とする一方側に、4つの円弧を含む事例について、図2のタイヤ幅方向断面図を参照して説明する。図2において図1と同様の構成要素は、図1と同じ参照符号を付してその説明を省略する。図2に示すように、2本の周方向溝2a及び2bとトレッド端TEとにて、3つの陸部3a、3b及び3cに区画しているのは図1と同様である。
ARc6:(ARc4+ARc5+ARc7)/3=10〜15:100
さらに、図3には、赤道を境とする両側に幅を同じくする最大幅陸部をそれぞれ有する事例を示す。本発明に係るタイヤの内部補強構造等は、図1と同じく、一般的なタイヤのそれと同様であり、図1と同様の構成要素は、図1と同じ参照符号を付してその説明を省略する。図示例するとおり、本実施形態のタイヤも、2本の周方向溝2a及び2bとトレッド端TEとにて、3つの陸部3a、3b及び3cに区画される。
図3に示す事例において、トレッド踏面1は、円弧AR1、AR2、AR3、BR1、BR2及びBR3の6つの円弧を含む輪郭線LX及びLYを有する。このとき、最大幅陸部である陸部3a及び3cはいずれも、最小曲率半径ARc2及びBRc2を有する円弧を含む輪郭形状を与えることが肝要である。
より好適には、22%〜28%であることが好ましい。最大幅陸部の中央部と端部との接地性の最適化を図るためである。
各供試タイヤは、サイズ205/55R16のタイヤを、表1に示す各諸元の下にそれぞれ試作した。なお、全ての供試タイヤで、周方向溝及び幅方向溝の深さは5mm、サイプの深さは4mmとしている。
得られた供試タイヤを、リム(サイズ:7.0J)に組み付け、内圧240kPaを付与し、以下の試験方法により、運動性能及び耐偏摩耗性能を評価した。
[運動性能]
上記各タイヤについて、ドライ路面上を走行した際の旋回性能及び制動性能をドライバーによる官能により総合的に評価した。供試タイヤ1に係るタイヤの評価結果を100とした場合の相対値で評価し、数値が大きい方が運動性能に優れていることを示す。
[耐偏摩耗性能]
上記各タイヤについて、ドライ路面上を走行した後における、最も摩耗量の多い部分と最も摩耗量の少ない部分との摩耗量の差を測定し、偏摩耗性を評価した。結果は、供試タイヤ1を100として指数表示した。なお、指数が大きい程、耐偏摩耗性能に優れていることを示す。
各供試タイヤは、サイズ205/55R16のタイヤを、表1に示す各諸元の下にそれぞれ試作した。なお、全ての供試タイヤで、周方向溝及び幅方向溝の深さは5mm、サイプの深さは4mmとしている。
得られた供試タイヤを、リム(サイズ:7.0J)に組み付け、内圧240kPaを付与し、実施例1と同様の試験方法により、運動性能及び耐偏摩耗性能を評価した。評価結果を、タイヤの仕様別に、[実施例1][実施例2]として表に示す。
Claims (7)
- タイヤのトレッドの踏面を、
タイヤの赤道に沿って延びる、少なくとも1本の周方向溝とトレッド端とにて複数の陸部に区画したタイヤであって、
該タイヤの幅方向断面視において、少なくとも前記トレッドの踏面のタイヤの赤道を境とする一方側の輪郭線は、曲率半径の異なる複数の円弧を含み、
前記複数の円弧のうち、最小の曲率半径を有する円弧は、前記複数の陸部のうち、トレッド幅方向長さが最大である陸部にあり、
該最小の曲率半径を有する円弧のトレッド端側に、該円弧より大きい曲率半径を有する円弧が配置されることを特徴とする、タイヤ。 - 前記輪郭線は、曲率半径がそれぞれ異なる少なくとも3つの円弧を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記少なくとも3つの円弧を、前記タイヤの赤道面から前記トレッド端に向かって、1AR、2AR及び3ARの順で配置したとき、各円弧の曲率半径が1AR>3AR>2ARの関係を満足することを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記最小の曲率半径を有する円弧のタイヤ幅方向中心は、前記最大幅陸部のタイヤ赤道側端部からトレッド端側に向かって、該最大幅陸部のトレッド幅方向長さの35%〜70%に位置することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ。
- 前記最小の曲率半径を有する円弧のタイヤ幅方向長さは、前記最大幅陸部のタイヤ幅方向長さの15%〜30%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ。
- 前記トレッドの踏面を、
2本の前記周方向溝とトレッド端にて、3つの陸部に区画したタイヤであって、
前記3つの陸部のうち、トレッド幅方向中央に位置する中央陸部のトレッド幅方向長さは、前記最大幅陸部のタイヤ幅方向長さの95%〜105%であり、
前記中央陸部のタイヤ幅方向中心は、前記トレッドの踏面のタイヤ最大外径位置を中心として、前記中央陸部のタイヤ幅方向長さの10%以内の範囲内に位置することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ。 - 前記タイヤ最大外径位置は、前記タイヤの赤道よりも、トレッド端側にあることを特徴とする、請求項6に記載のタイヤ。
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