JP2017222151A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性に優れ、かつ延伸等の力学的要因によるガスバリア性の低下が抑制されたガスバリア性フィルムを提供する。【解決手段】樹脂基材1と、蒸着膜層2と、蒸着膜層2の樹脂基材1とは反対側に設けられた被覆層3とを備え、被覆層3が、コーティング剤から形成された層であり、前記コーティング剤が、酸基含有ポリウレタン樹脂およびポリアミン化合物を含む水性ポリウレタン樹脂(A)と、水溶性高分子(B)とを含み、前記水性ポリウレタン樹脂(A)と前記水溶性高分子(B)との固形分での質量比が85/15〜10/90であり、被覆層3の厚みが100nm以上であるガスバリア性フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムに関する。
食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料には、内容物の変質や腐敗などを抑制し、それらの機能や性質を保持するために、水蒸気、酸素、その他の内容物を変質させる気体の進入を遮断する性質(ガスバリア性)が要求される。そのため、従来、これら包装材料にはガスバリア層を有するものが用いられている。
ガスバリア層は一般に、フィルムや紙等の基材上に、スパッタリング法や蒸着法、ウェットコーティング法や印刷法等により設けられている。
また、ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着膜、金属酸化物の蒸着膜、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の水溶性高分子、ガスバリア性ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂からなる樹脂膜、前記水溶性高分子と無機層状鉱物との複合膜等が用いられている(例えば、特許文献1〜6参照)。
しかし、ポリ塩化ビニリデンからなる樹脂膜は、湿度依存性のない良好なガスバリア性を示すものの、塩素を含むため、廃棄処理などの際に、ダイオキシン等の有害物質の発生源となり得る可能性があり、包装材料として用いることが嫌われる傾向にある。
非塩素系のポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の水溶性高分子からなる樹脂膜は、低湿度雰囲気では高いガスバリア性を示すものの、ガスバリア性に湿度依存性があり、湿度の上昇とともにガスバリア性が大きく低下する欠点がある。
ポリ塩化ビニリデンおよび水溶性高分子以外の他の樹脂からなる樹脂膜は、ポリ塩化ビニリデンからなる樹脂膜や、低湿度雰囲気での水溶性高分子からなる樹脂膜と比較すると、ガスバリア性が劣っている。
水溶性高分子と無機層状鉱物との複合膜は、水溶性高分子からなる樹脂膜に比べて湿度依存性は改善するものの、その効果は充分ではなく、また、基材との密着性が低下する問題がある。
また、これらの樹脂膜や複合膜は、酸素ガスに対してはバリア性を発揮するものの、水蒸気に対するバリア性は充分ではない。
金属箔や金属蒸着膜は、酸素および水蒸気の両方に対して優れたバリア性を発揮する。しかし、不透明であるため、内容物を確認することができない問題がある。
酸化ケイ素等の金属酸化物の蒸着膜は、酸素および水蒸気の両方に対して優れたバリア性を発揮し、また透明である。しかし、伸縮性に劣るため、数%の伸びでクラックが生じてガスバリア性が低下する問題がある。
上記のような問題に対して、樹脂基材の上に無機化合物を含むガスバリア蒸着層とガスバリア被覆層とを設けてガスバリア性を向上する技術(特許文献7)、酸化ケイ素からなる無機薄膜の上にトップコート層を設けて無機薄膜を保護する技術(特許文献8)、ポリプロピレン基材の片面に、透明プライマー層、無機酸化物からなる蒸着膜層およびガスバリア性複合被膜を順次積層して包装材料のガスバリア性を向上する技術(例えば特許文献9)等が提案されている。
しかし、上記のような技術を用いたガスバリア性フィルムであっても、ガスバリア性や延伸処理後のガスバリア性には更なる改善の余地がある。
特開2001−287294号公報 特開平11−165369号公報 特開平6−93133号公報 特開平9−150484号公報 特許第3764109号公報 特許第4524463号公報 国際公開第2004/048081号 特許第4398265号公報 特開2000−254994号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガスバリア性に優れ、かつ延伸等の力学的要因によるガスバリア性の低下が抑制されたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
<1>樹脂基材と、蒸着膜層と、前記蒸着膜層の前記樹脂基材とは反対側に設けられた被覆層とを備え、
前記被覆層が、コーティング剤から形成された層であり、前記コーティング剤が、酸基含有ポリウレタン樹脂およびポリアミン化合物を含む水性ポリウレタン樹脂(A)と、水溶性高分子(B)とを含み、前記水性ポリウレタン樹脂(A)と前記水溶性高分子(B)との固形分での質量比が85/15〜10/90であり、
前記被覆層の厚みが100nm以上であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
<2>前記樹脂基材が、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂のいずれか一方または両方を含む<1>に記載のガスバリア性フィルム。
<3>前記樹脂基材と前記蒸着膜層との間に下地層をさらに備え、
前記下地層が、ポリオール、有機ケイ素化合物または/および前記有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、ポリウレタン樹脂、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との反応生成物、ならびに前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物とイソシアネート化合物との反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機高分子材料を含む<1>または<2>に記載のガスバリア性フィルム。
<4>前記コーティング剤が無機層状鉱物(C)をさらに含む<1>〜<3>のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
<5>前記無機層状鉱物(C)が水膨潤性合成雲母を含む<4>に記載のガスバリア性フィルム。
<6>前記コーティング剤がシランカップリング剤(D)をさらに含む<1>〜<5>のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
<7>前記被覆層の厚みが100nm〜1400nmである<1>〜<6>のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
本発明によれば、ガスバリア性に優れ、かつ延伸等の力学的要因によるガスバリア性の低下が抑制されたガスバリア性フィルムを提供できる。
本発明のガスバリア性フィルムの第一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のガスバリア性フィルムの第二実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のガスバリア性フィルムについて、添付の図面を用い、実施形態を示して説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであって、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
≪第一実施形態≫
図1は、本発明のガスバリア性フィルムの第一実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のガスバリア性フィルム10は、樹脂基材1と、蒸着膜層2と、蒸着膜層2の樹脂基材側とは反対側に設けられた被覆層3とを備える。つまり樹脂基材1と蒸着膜層2と被覆層3とがこの順に積層している。
<樹脂基材>
樹脂基材1を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタナート(PEN)等のポリエステル;ポリスチレン;66−ナイロン等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、およびポリイミド等のエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。これらの樹脂の1種を単独でまたは2種以上をブレンドしてフィルム状に加工した樹脂フィルムを樹脂基材1として使用できる。樹脂フィルムは、延伸、未延伸のどちらでもよい。樹脂フィルムとしては、二軸方向に延伸された二軸延伸フィルムが好ましい。
樹脂基材1は、1層の樹脂層(例えば樹脂フィルム)からなるものでもよく、2層以上の樹脂層(例えば樹脂フィルム)が積層したものであってもよい。
樹脂基材1の好ましい一例は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを有する樹脂基材である。二軸延伸ポリプロピレンフィルムは水蒸気バリア性に優れる。そのため、この樹脂基材を用いたガスバリア性フィルムは、水蒸気バリア性がより優れたものとなる。
樹脂基材1の好ましい他の例は、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂のいずれか一方または両方を含む樹脂基材である。この樹脂基材は、機械的強度が高く、寸法安定性が良い。そのため、この樹脂基材を用いたガスバリア性フィルムは、延伸等の力学的要因によるガスバリア性の低下がより抑制されたものとなる。
樹脂基材1としては、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムおよび二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムのいずれか一方または両方を有する樹脂基材が特に好ましい。
樹脂基材1は、フィラー、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
樹脂基材1の厚みは、特に制限されず、例えば、3〜200μmであってもよく、6〜30μmであってもよい。樹脂基材1の厚みは、用途または求められる特性に応じて調整してもよい。
樹脂基材1の表面は、薬品処理、溶剤処理、コロナ処理、プラズマ処理およびオゾン処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理が施されていてもよい。
<蒸着膜層>
蒸着膜層2は、典型的には、金属酸化物からなる。金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等が挙げられる。蒸着膜層2は、単一の金属酸化物からなる層であってもよく、2種類以上の金属酸化物の組み合わせからなる層であってもよい。
蒸着膜層2は、酸化ケイ素[SiO(xは約2である)]を含むことが好ましい。蒸着膜層2が酸化ケイ素を含むことで、特に優れた水蒸気バリア性と、高い柔軟性および透明性を兼ね備えたガスバリア性フィルムを製造することが可能である。
蒸着膜層2における酸化ケイ素の含有量は、例えば、蒸着膜層2の総質量に対し、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
蒸着膜層2の厚みは、例えば5〜100nmであってもよく、10〜80nmであってもよい。
蒸着膜層2は、通常の真空蒸着法により樹脂基材1上に形成することができる。真空蒸着法の加熱手段としては、電子線加熱方式や、抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方法を用いることが好ましい。蒸着膜層2と樹脂基材1との密着性、および蒸着膜層2の緻密性を高めるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。
<被覆層>
被覆層3は、特定のコーティング剤から形成された層である。
蒸着膜層2は、金属酸化物を含むため、柔軟性が低い。柔軟性の高い被覆層3が蒸着膜層2の樹脂基材1とは反対側に設けられていることで、例えばガスバリア性フィルムの延伸等の力学的要因により蒸着膜層2がダメージを受けてガスバリア性が劣化することを抑制できる。そのためガスバリア性フィルム10の後加工適性が高く、包装袋に製袋する等の後加工を行ったときにガスバリア性が低下しにくい。
前記コーティング剤は、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを含む。
前記コーティング剤は、無機層状鉱物(C)をさらに含むことが好ましい。
前記コーティング剤は、シランカップリング剤(D)をさらに含むことが好ましい。
前記コーティング剤は、必要に応じて、ガスバリア性や積層フィルムとしての強度を損なわない範囲で、水性ポリウレタン樹脂(A)、水溶性高分子(B)、無機層状鉱物(C)およびシランカップリング剤(D)以外の他の成分をさらに含んでもよい。
「水性ポリウレタン樹脂(A)」
水性ポリウレタン樹脂(A)は、酸基含有ポリウレタン樹脂およびポリアミン化合物を含む。
水性ポリウレタン樹脂(A)は、被覆層3に柔軟性と、ガスバリア性、特に酸素バリア性を付与するために用いられる。水性ポリウレタン樹脂(A)では、酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基と、架橋剤としてのポリアミン化合物とを結合させることにより、ガスバリア性を発現させている。
酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基とポリアミン化合物との結合は、イオン結合(例えば、カルボキシル基と第3級アミノ基とのイオン結合等)であってもよく、共有結合(例えば、アミド結合等)であってもよい。
水性ポリウレタン樹脂(A)を構成する酸基含有ポリウレタン樹脂は、酸基を有することから、アニオン性および自己乳化性を有しており、アニオン性自己乳化型ポリウレタン樹脂とも称される。
酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基は、水性ポリウレタン樹脂(A)を構成するポリアミン化合物のアミノ基(第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基等)と結合可能である。
酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。酸基は、通常、中和剤(塩基)により中和可能であり、塩基と塩を形成していてもよい。
酸基は、酸基含有ポリウレタン樹脂の末端に位置してもよく側鎖に位置してもよいが、少なくとも側鎖に位置していることが好ましい。
酸基含有ポリウレタン樹脂の酸価は、酸基含有ポリウレタン樹脂が水分散性となる範囲で選択することができるが、通常、5〜100mgKOH/gであり、10〜70mgKOH/gであることが好ましく、15〜60mgKOH/gであることがより好ましい。酸基含有ポリウレタン樹脂の酸価が前記範囲の下限値未満であると、酸基含有ポリウレタン樹脂の水分散性が不充分となり、水性ポリウレタン樹脂と他の材料との均一分散性やコーティング剤の分散安定性の低下を招くおそれがある。酸基含有ポリウレタン樹脂の酸価が前記範囲の上限値超であると、被覆層3の耐水性やガスバリア性の低下を招くおそれがある。酸基含有ポリウレタン樹脂の酸価が前記範囲内であることで、それら分散安定性の低下、および耐水性やガスバリア性の低下を回避できる。
酸基含有ポリウレタン樹脂の酸価は、JIS K 0070に準じた方法により測定される。
酸基含有ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度およびウレア基(尿素基)濃度の合計は、ガスバリア性の観点から、15質量%以上であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。ウレタン基濃度およびウレア基濃度の合計が前記下限値未満であると、被覆層3のガスバリア性が不充分になるおそれがある。ウレタン基濃度およびウレア基濃度の合計が前記範囲の上限値超であると、被覆層3が剛直で脆くなるおそれがある。
ウレタン基濃度とは、ポリウレタン樹脂の繰り返し構成単位の分子量に対する、ウレタン基の分子量(59g/当量)の割合を意味する。ウレア基濃度とは、ポリウレタン樹脂の繰り返し構成単位の分子量に対する、ウレア基の分子量(一級アミノ基(アミノ基):58g/当量、二級アミノ基(イミノ基):57g/当量)の割合を意味する。なお、酸基含有ポリウレタン樹脂として2種以上の混合物を用いる場合、ウレタン基濃度およびウレア基濃度は反応成分の仕込みベース、すなわち、各成分の使用割合をベースとして算出できる。
酸基含有ポリウレタン樹脂は、通常、少なくとも剛直な単位(炭化水素環で構成された単位)と短鎖単位(例えば、炭化水素鎖で構成された単位)とを有している。すなわち、酸基含有ポリウレタン樹脂の構成単位は、通常、ポリイソシアネート成分、ポリヒドロキシ酸成分、ポリオール成分や鎖伸長剤成分(特に、少なくともポリイソシアネート成分)に由来して、炭化水素環(芳香族および非芳香族炭化水素環のうち少なくとも1つ)を含んでいる。
酸基含有ポリウレタン樹脂の構成単位における炭化水素環で構成された単位の割合は、通常、全構成単位の合計に対し、10〜70質量%であり、好ましくは15〜65質量%であり、より好ましくは20〜60質量%である。炭化水素環で構成された単位の割合が前記範囲の下限値未満であると、被覆層3のガスバリア性が不充分になるおそれがある。炭化水素環で構成された単位の割合が前記範囲の上限値超であると、被覆層3が剛直で脆くなるおそれがある。
酸基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、適宜選択可能であるが、800〜1,000,000であることが好ましく、800〜200,000であることがより好ましく、800〜100,000であることがさらに好ましい。酸基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量が前記範囲の上限値超であると、コーティング剤の粘度が上昇し好ましくない。酸基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量が前記範囲の下限値未満であると、被覆層3のガスバリア性が不充分になるおそれがある。
酸基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
酸基含有ポリウレタン樹脂は、ガスバリア性を高めるため、結晶性であってもよい。
酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が100℃未満であると、被覆層3のガスバリア性が不充分になるおそれがある。
酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、典型的には、200℃以下、さらには180℃以下、さらには150℃以下程度である。上記各項目の好ましい範囲を満たす酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が上記の上限値よりも高くなることは実質的に可能性が低い。
したがって、酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、100〜200℃が好ましく、110〜180℃がより好ましく、120〜150℃がさらに好ましい。
酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定される。
水性ポリウレタン樹脂(A)を構成するポリアミン化合物は、2以上の塩基性窒素原子を有する化合物である。
塩基性窒素原子は、酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基と結合し得る窒素原子であり、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基等のアミノ基における窒素原子が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基と結合し、ガスバリア性を向上できるものであれば特に限定されるものではなく、2以上の塩基性窒素原子を有する種々の化合物を用いることができる。
ポリアミン化合物としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基および第3級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1種のアミノ基を2以上有するポリアミン化合物が好ましい。
ポリアミン化合物の具体例としては、例えばアルキレンジアミン類、ポリアルキレンポリアミン類、複数の塩基性窒素原子を有するケイ素化合物等が挙げられる。アルキレンジアミン類としては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜10のアルキレンジアミン等が挙げられる。ポリアルキレンポリアミン類としては、例えばテトラアルキレンポリアミン等が挙げられる。複数の塩基性窒素原子(アミノ基などの窒素原子を含む)を有するケイ素化合物としては、例えば2−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕エチルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン等の、複数の塩基性窒素原子を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
なお、ポリアミン化合物に該当するシランカップリング剤は、シランカップリング剤(D)には該当しないものとする。
ポリアミン化合物のアミン価は、100〜1900mgKOH/gが好ましく、150〜1900mgKOH/gがより好ましく、200〜1900mgKOH/gがさらに好ましく、200〜1700mgKOH/gが特に好ましく、300〜1500mgKOH/gが最も好ましい。ポリアミン化合物のアミン価が前記範囲の下限値以上であれば、被覆層3のガスバリア性に優れる。ポリアミン化合物のアミン価が前記範囲の上限値以下であれば、水性ポリウレタン樹脂(A)の水分散安定性に優れる。
ポリアミン化合物のアミン価は、以下の方法により測定される。
〔アミン価の測定方法〕
試料を0.5〜2g精秤する(試料量Sg)。精秤した試料にエタノール30gを加え溶解させる。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え0.2mol/Lのエタノール性塩酸溶液(力価f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄の間の色に変化した点を終点とし、このときの滴定量(AmL)を用い以下の計算式1を用いアミン価を求める。
計算式1:アミン価=A×f×0.2×56.108/S〔mgKOH/g〕
水性ポリウレタン樹脂(A)において、ポリアミン化合物の含有量は、酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基と、ポリアミン化合物の塩基性窒素原子とのモル比(酸基/塩基性窒素原子)が10/1〜0.1/1となる量が好ましく、5/1〜0.2/1となる量がより好ましい。酸基/塩基性窒素原子が前記範囲であれば、酸基含有ポリウレタンの酸基とポリアミン化合物の架橋反応が適切におこり、被覆層3に優れた酸素バリア性が発現する。
水性ポリウレタン樹脂(A)は、通常、水性媒体に分散した状態(水性分散体)の形態で用いられる。
水性媒体としては、水、水溶性または親水性の有機溶剤、またはこれらの混合物が挙げられる。水溶性または親水性の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;セロソルブ類;カルビトール類;アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
水性媒体としては、水または水を主成分として含むものが好ましい。水性媒体中の水の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
水性媒体は、酸基含有ポリウレタン樹脂の酸基を中和する中和剤(塩基)を含んでもよく、含まなくてもよい。通常は中和剤が含まれる。
水性ポリウレタン樹脂(A)の水性分散体において、分散粒子(ポリウレタン樹脂粒子)の平均粒子径は、特に限定されず、好ましくは20nm〜500nmであり、より好ましくは25nm〜300nmであり、さらに好ましくは30nm〜200nmである。分散粒子の平均粒子径が前記範囲の上限値超であると、分散粒子と他の材料との均一分散性やコーティング剤の分散安定性が低下し、コーティング剤から形成される被覆層3のガスバリア性が不充分になるおそれがある。分散粒子の平均粒子径が前記範囲の下限値未満であると、コーティング剤の分散安定性やコーティング剤から形成される被覆層3のガスバリア性をさらに向上させるほどの効果は期待できない。また、かかる分散体を得るのは実質的に難しい。
平均粒子径は、固形分濃度が0.03〜0.3質量%の状態で(水で希釈して)濃厚系粒径アナライザー(大塚電子社製 FPAR−10)にて計測される値である。
水性ポリウレタン樹脂(A)は、市販のものを用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
水性ポリウレタン樹脂(A)の製造方法は、特に限定されるものではなく、アセトン法、プレポリマー法等の、通常のポリウレタン樹脂の水性化技術が用いられる。ウレタン化反応では、必要に応じてアミン系触媒、錫系触媒、鉛系触媒等のウレタン化触媒を用いてもよい。
例えば、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類等の不活性有機溶媒中において、ポリイソシアネート化合物と、ポリヒドロキシ酸と、必要に応じて、ポリオール成分および鎖伸長剤成分のうち少なくとも1つと、を反応させることにより、酸基含有ポリウレタン樹脂を調製できる。より具体的には、不活性有機溶媒(特に、親水性または水溶性の有機溶媒)中、ポリイソシアネート化合物と、ポリヒドロキシ酸と、ポリオール成分と、を反応させて、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを生成し、中和剤で中和して水性媒体に溶解または分散させた後、鎖伸長剤成分を添加して反応させ、有機溶媒を除去することにより、酸基含有ポリウレタン樹脂の水性分散体を調製できる。
このようにして得られた酸基含有ポリウレタン樹脂の水性分散体にポリアミン化合物を添加し、必要に応じて加熱することにより、水分散体の形態の水性ポリウレタン樹脂(A)を調製できる。加熱する場合、加熱温度は、30〜60℃が好ましい。
「水溶性高分子(B)」
「水溶性高分子」とは、水に溶解可能な高分子を指す。ここでいう溶解とは、溶質である高分子が溶媒である水に分子鎖レベルで分散して均一系をなしている状態を指す。より詳しくは、高分子鎖の分子鎖間の分子間力にくらべ水分子との分子間力が強くなり高分子鎖の絡み合いが解かれ、水に均一に分散している状態を指す。
水溶性高分子(B)は、特に被覆層3の柔軟性を向上し、後加工によるガスバリア性の劣化を抑えるために用いられる。
水溶性高分子(B)の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系重合体およびその誘導体等のポリビニルアルコール樹脂;ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはそのエステル、塩類およびそれらの共重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレートおよびその共重合体等のビニル系重合体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、デキストリン等のでんぷん類;スルホイソフタル酸等の極性基を含有する酸成分を有する共重合ポリエステル;水溶性のウレタン系高分子、これらの各種重合体の官能基(カルボキシル基等)が変性した官能基変性重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコール系重合体の誘導体としては、例えばポリビニルアルコールの側鎖に単量体がグラフト重合したグラフト重合体等が挙げられる。
水溶性高分子(B)は、皮膜凝集強度を考慮すると、重合度が200以上であることが好ましい。
コーティング剤に含まれる水溶性高分子(B)は1種でもよく2種以上でもよい。
水溶性高分子(B)は、被覆層3のガスバリア性と柔軟性とを両立する観点から、少なくとも、ポリビニルアルコール系重合体およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリビニルアルコール樹脂を含むことが好ましく、鹸化度が95%以上かつ重合度が300以上のポリビニルアルコール樹脂を含むことが特に好ましい。ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、300〜2400が好ましく、450〜2000が特に好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂は、鹸化度や重合度が高い程、吸湿膨潤性が低くなり高いガスバリア性を発揮する。ポリビニルアルコール樹脂の鹸化度が95%未満では、充分なガスバリア性が得られないおそれがある。ポリビニルアルコール樹脂の重合度が300未満では、ガスバリア性や皮膜凝集強度の低下を招くおそれがある。ポリビニルアルコール樹脂の重合度が2000を超えると、コーティング剤の粘度が上がり、他の成分と均一に混合することが難しく、ガスバリア性や密着強度の低下といった不具合を招くおそれがある。
「無機層状鉱物(C)」
「無機層状鉱物」とは、極薄の単位結晶層が重なって1つの層状粒子を形成している無機化合物を指す。無機層状鉱物(C)は、被覆層3にさらなる酸素バリア性と水蒸気バリア性を付与する目的で用いられる。
無機層状鉱物(C)としては、水中で膨潤および/またはへき開する化合物が好ましく、水への膨潤性を有する粘土化合物が特に好ましい。より具体的には、無機層状鉱物(C)は、極薄の単位結晶層間に水を配位し、吸収および/または膨潤する性質を有する粘土化合物であることが好ましい。かかる粘土化合物は、一般には、Si4+がO2−に対して配位して四面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+等がO2−およびOHに対して配位して八面体構造を構成する層とが、1対1あるいは2対1で結合し、積み重なって層状構造を形成する化合物である。この粘土化合物は、天然の化合物であっても、合成された化合物であってもよい。
無機層状鉱物(C)の代表的なものとしては、フィロケイ酸塩鉱物等の含水ケイ酸塩が挙げられ、例えば、ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等のカオリナイト族粘土鉱物;アンチゴライト、クリソタイル等のアンチゴライト族粘土鉱物;モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト族粘土鉱物;バーミキュライト等のバーミキュライト族粘土鉱物;白雲母、金雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等の雲母またはマイカ族粘土鉱物:等が挙げられる。これらの無機層状鉱物(C)は、1種単独で、または2種以上が組み合わせられて用いられる。
これらの無機層状鉱物(C)の中でも、モンモリロナイト等のスメクタイト族粘土鉱物、水膨潤性雲母等のマイカ族粘土鉱物が好ましい。
無機層状鉱物(C)の平均粒径は、10μm以下であることが好ましい。平均粒径が前記上限値以下であれば、被覆層3中で無機層状鉱物(C)が均一に整列しやすくなり、ガスバリア性、膜凝集強度が高いものとなる。無機層状鉱物(C)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計により測定される。
無機層状鉱物(C)の厚みは、500nm以下であることが好ましい。厚みが前記上限値以下であれば、被覆層3中で無機層状鉱物(C)が均一に整列しやすくなり、ガスバリア性、膜凝集強度が高いものとなる。無機層状鉱物(C)の厚みは、原子間力顕微鏡(AFM)により測定される。
したがって、無機層状鉱物(C)は、平均粒径が10μm以下で、厚みが500nm以下であることが特に好ましい。
無機層状鉱物(C)は、少なくとも、水膨潤性合成雲母を含むことが好ましく、平均粒径が1〜10μmで、厚みが10〜100nmである水膨潤性合成雲母を含むことが特に好ましい。水膨潤性合成雲母は、水性ポリウレタン樹脂(A)および水溶性高分子(B)との親和性が高く、天然系の雲母に比べて不純物が少ない。そのため、無機層状鉱物(C)として水膨潤性合成雲母を用いると、不純物に由来するガスバリア性の低下や膜凝集力の低下を招きにくい。また、水膨潤性合成雲母は、結晶構造内にフッ素原子を有することから、コーティング剤から形成される被覆層3のガスバリア性の湿度依存性を低く抑えることにも寄与する。加えて、水膨潤性合成雲母は、他の水膨潤性の無機層状鉱物に比べて、高いアスペクト比を有することから、迷路効果がより効果的に働き、コーティング剤から形成される被覆層3のガスバリア性が特に高く発現するのに寄与する。
水膨潤性合成雲母の含有量は、例えば、無機層状鉱物(C)の総質量に対し、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、100質量%であってもよい。
「シランカップリング剤(D)」
シランカップリング剤(D)としては、一般的に用いられているものを使用でき、例えばケイ素原子に結合したアルコキシ基と有機反応基とを有する化合物が挙げられる。
シランカップリング剤(D)のアルコキシ基は加水分解してシラノール基を生成し、無機化合物との反応、吸着等の相互作用効果を発揮し、コーティング剤から形成される被覆層3の凝集強度の向上に寄与する。
特にコーティング剤が無機層状鉱物(C)およびシランカップリング剤(D)の両方を含む場合、無機層状鉱物(C)とシランカップリング剤(D)とが相互作用することで、コーティング剤から形成される被覆層3の凝集強度の向上効果が優れる。
シランカップリング剤(D)としては、例えばRSiX(ここで、Rは有機反応基であり、Xはアルコキシ基である。)で表される化合物が挙げられる。
有機反応基としては、例えばアミノ基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基、イソシアネート基、イソシアヌレート基等を有するものが挙げられる。(メタ)アクリル基は、アクリル基およびメタアクリル基の両方を示す。
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、ビニル基を持つシランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。エポキシ基を持つシランカップリング剤として、2(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。アミノ基を持つシランカップリング剤として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。メルカプト基を持つシランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。(メタ)アクリル基を持つシランカップリング剤として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。イソシアネート基を持つシランカップリング剤として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。イソシアヌレート基を持つシランカップリング剤として、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤(D)としては、有機反応基がコーティング剤中の成分との反応性を持つものが好ましく使用される。
シランカップリング剤(D)としては、エポキシ基を有するものが好ましい。エポキシ基は、水性ポリウレタン樹脂(A)や水溶性高分子(B)が持つ水酸基と良好な反応性を持つため、被覆層3のガスバリア性をさらに向上できる。
「他の成分」
他の成分としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー、界面活性剤等の添加剤が挙げられる。
「各成分の含有量」
コーティング剤中、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)との固形分での質量比(水性ポリウレタン樹脂(A)/水溶性高分子(B))は、85/15〜10/90であり、75/25〜20/80であることが好ましく、70/30〜25/75であることが特に好ましい。
水性ポリウレタン樹脂(A)/水溶性高分子(B)が前記範囲内であることで、ムラなくコーティング剤を塗工することができ、ガスバリア性や柔軟性に優れた被覆層3を形成することができる。水性ポリウレタン樹脂(A)/水溶性高分子(B)が85/15となるよりも水性ポリウレタン樹脂(A)の含有量が多い場合、塗工時にムラが発生するおそれがある。塗工時のムラは、外観の悪化やガスバリア性の低下につながる。水性ポリウレタン樹脂(A)/水溶性高分子(B)が10/90となるよりも水性ポリウレタン樹脂(A)の含有量が少ない場合、酸素バリア性が不充分になるおそれがある。
コーティング剤中の無機層状鉱物(C)の含有量(固形分)は、コーティング剤中の全固形分に対して、2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上22質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。無機層状鉱物(C)の含有量が前記範囲内であれば、コーティング剤から形成される被覆層3のガスバリア性を向上させつつ、被覆層3の柔軟性を保つことができるため、延伸等の処理によるガスバリア性の劣化が小さい。
コーティング剤中のシランカップリング剤(D)の含有量(固形分)は、コーティング剤中の全固形分に対して、0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。シランカップリング剤(D)の含有量が前記範囲内であることで、コーティング剤から形成される被覆層3の柔軟性を保ちつつ、被覆層3の凝集力、ガスバリア性を充分に高めることができる。
コーティング剤中、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)と無機層状鉱物(C)とシランカップリング剤(D)との合計の含有量(固形分)は、コーティング剤中の全固形分に対して、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。この合計の含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
被覆層3は、蒸着膜層2の樹脂基材1とは反対の面に、コーティング剤を塗布してコーティング剤からなる塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより形成できる。詳しくは後で説明する。
被覆層3の厚み、すなわちコーティング剤からなる塗膜の乾燥後の厚みは、100nm以上であり、100nm〜1400nmであることが好ましく、100nm〜1000nmであることがより好ましく、120nm〜800nmであることがさらに好ましく、150nm〜600nmであることが特に好ましい。
被覆層3の厚みが前記下限値以上であれば、充分なガスバリア性、延伸耐性が得られやすい。被覆層3の厚みが前記範囲の上限値以下であれば、延伸処理等の後加工に適しており、また、乾燥負荷や製造コストを抑制できる。
被覆層3の厚みが前記下限値未満の場合、ガスバリア性フィルムの酸素ガスバリア性が劣る。被覆層3の厚みが前記範囲の上限値を超えると、延伸処理によるガスバリア性の劣化が大きくなるおそれがある。また、厚みを厚くするために必要なコストも増大し、乾燥や成膜性に劣る。
被覆層3の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定される。
<ガスバリア性フィルムの製造方法>
ガスバリア性フィルム10は、例えば、
樹脂基材1の一方の面上に蒸着膜層2を形成する工程と、
前記蒸着膜層2の樹脂基材1とは反対の面に、前記コーティング剤を塗布してコーティング剤からなる塗膜を形成し、その塗膜を乾燥して被覆層3を形成する工程と、
を有する製造方法により製造できる。
蒸着膜層2の形成方法については前記のとおりである。
被覆層3を形成するコーティング剤は、水性ポリウレタン樹脂(A)および水溶性高分子(B)、必要に応じて無機層状鉱物(C)、シランカップリング剤(D)、他の成分、さらなる水性媒体等を混合することにより調製できる。各成分の混合順序は特に限定されない。シランカップリング剤(D)は、他成分と一緒に混合してもよく、予めシランカップリング剤(D)以外の成分が混合された混合物に、樹脂基材1へ塗工する直前に添加してもよい。
コーティング剤の塗布方法としては、公知の湿式コーティング方法を用いることができ、例えばロールコート、グラビアコート、リバースコート、ダイコート、スクリーン印刷、スプレーコート等が挙げられる。
コーティング剤からなる塗膜の乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等の公知の乾燥方法を用いることができる。該塗膜の乾燥温度は、例えば50〜200℃とすることができる。乾燥時間は、塗膜の厚さ、乾燥温度等によっても異なるが、例えば1秒〜5分間とすることができる。
<作用効果>
ガスバリア性フィルム10にあっては、樹脂基材1と、蒸着膜層2と、蒸着膜層2の樹脂基材1とは反対側に設けられた被覆層3とを備え、被覆層が、水性ポリウレタン樹脂(A)、水溶性高分子(B)を含み、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)の固形分での質量比が85/15〜10/90であるコーティング剤から形成された層であるため、ガスバリア性に優れ、また、延伸等力学的要因によるガスバリア性の劣化が小さい。そのため、包装袋にしたときに、内容物の劣化を充分に抑制できる。また、後加工や長距離運送等で包装袋に力が加わってもガスバリア性の劣化が小さい。
≪第二実施形態≫
図2は、本発明のガスバリア性フィルムの第二実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のガスバリア性フィルム20は、樹脂基材1と、蒸着膜層2と、樹脂基材1と蒸着膜層2との間に設けられた下地層4と、蒸着膜層2の樹脂基材1側とは反対側に設けられた被覆層3とを備える。つまり樹脂基材1と下地層4と蒸着膜層2と被覆層3とがこの順に積層している。なお、本実施形態では、既出の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ガスバリア性フィルム20は、樹脂基材1と蒸着膜層2との間に下地層4をさらに備える以外は、第一実施形態のガスバリア性フィルムと同様である。
<下地層>
下地層4は、プライマー層と呼ばれることもある。
下地層4は、典型的には、有機高分子材料を含む層であり、有機高分子材料を主成分として含むことが好ましい。下地層4における有機高分子材料の含有量は、例えば、下地層4の総質量に対し、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。
有機高分子材料としては、例えば、ポリオール、有機ケイ素化合物、前記有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、ポリウレタン樹脂、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との反応生成物、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物とイソシアネート化合物との反応生成物、ポリエチレンイミンおよびその誘導体、ポリオレフィン、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらの有機高分子材料はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機高分子材料としては、上記の中でも、それぞれの材料が反応して強固な共有結合を形成し、蒸着膜層2と強い密着力を発揮するために、ポリオール、有機ケイ素化合物または/および前記有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、ポリウレタン樹脂、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との反応生成物、ならびに前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物とイソシアネート化合物との反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機高分子材料(以下、有機高分子材料(I)ともいう)が好ましい。
前記ポリオールは、分子中に2つ以上のヒドロキシル基を持つ有機高分子である。
前記ポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、ポリビニルアルコール、ポリエステルポリオール、およびポリウレタンポリオール等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
アクリルポリオールは、ヒドロキシル基を有するアクリル酸誘導体モノマーに基づく構成単位を有する重合体である。アクリルポリオールは、ヒドロキシル基を有するアクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるものであってもよく、ヒドロキシル基を有するアクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーを共重合させて得られるものであってもよい。ヒドロキシル基を有するアクリル酸誘導体モノマーとしては、例えばヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられる。ヒドロキシル基を有するアクリル酸誘導体モノマーと共重合させるモノマーとしては、例えばエチルメタクリレート等のヒドロキシル基を有しないアクリル酸誘導体モノマー、スチレン等が挙げられる。
前記有機ケイ素化合物は、ケイ素原子、ケイ素原子に結合した加水分解性基、およびケイ素原子に結合した非加水分解性の有機基を有する化合物である。有機ケイ素化合物の加水分解により、加水分解性基がOHとなった加水分解物が生成し、この加水分解物同士が重縮合して重縮合物が生成する。
加水分解性基としては、例えば炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシアルキルオキシ基等が挙げられる。
非加水分解性の有機基としては、例えばアルキル基、ビニル基、γ−クロロプロピル基、グリシドオキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基、アミノプロピル基、イソシアネートプロピル基等が挙げられる。
前記有機ケイ素化合物は、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基との反応性がある点で、非加水分解性の有機基として少なくとも、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選ばれる官能基を含む有機基を有することが好ましい。
前記有機ケイ素化合物としては、例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物(水系ポリウレタン樹脂)が挙げられる。
ポリオールとしては、前記と同様のものが挙げられる。
イソシアネート化合物は、ポリオールと反応して生じるウレタン結合により樹脂基材1と蒸着膜層2との密着性を高める作用を有する。すなわち、イソシアネート化合物は、架橋剤または硬化剤として機能する。イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族系のトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)等の、イソシアネート基を2以上有するモノマー類、これらの重合体およびこれらの誘導体等が挙げられる。前記のイソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリオールと前記イソシアネート化合物との比率(質量比)(ポリオール/イソシアネート化合物)は、1/3〜20/1であることが好ましく、1/2〜10/1であることがより好ましい。
前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との反応生成物において、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との比率(質量比)(ポリオール/有機ケイ素化合物)は、1/1〜100/1であることが好ましく、2/1〜50/1であることがより好ましい。
前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物とイソシアネート化合物との反応生成物において、イソシアネート化合物としては、前記と同様のものが挙げられる。
有機高分子材料(I)と他の有機高分子材料とを併用してもよい。他の有機高分子材料としては、ポリエチレンイミンおよびその誘導体、ポリオレフィン、ポリイミド、メラミン樹脂ならびにフェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
下地層4における有機高分子材料(I)の含有量は、下地層4の総質量に対し、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
下地層4は、有機高分子材料以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、有機変性コロイダルシリカ等のシリカ粒子;3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤:フェノール系、硫黄化合物、4級アンモニウム塩、ホスファイト系等の酸化防止剤;レベリング剤;流動調整剤;触媒;架橋反応促進剤;充填剤等が挙げられる。
下地層4の厚みは、特に制限されず、例えば0.005〜5μmであってもよい。下地層4の厚みは、求められる特性に合わせて調整してもよい。
下地層4の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM )により測定される。
本実施形態のガスバリア性フィルム20の特に好ましい形態は、蒸着膜層2が酸化ケイ素を含み、下地層4が有機高分子材料を含むガスバリア性フィルムである。有機高分子材料は有機高分子材料(I)であることが好ましい。
この形態のガスバリア性フィルムにおいては、水蒸気バリア性の観点では、樹脂基材1が二軸延伸ポリプロピレンフィルムを有する樹脂基材であることが好ましい。機械的強度、寸法安定性の観点では、樹脂基材1がポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂のいずれか一方または両方を含む樹脂基材であることが好ましく、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムおよび二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムのいずれか一方または両方を有する樹脂基材であることが特に好ましい。
<ガスバリア性フィルムの製造方法>
ガスバリア性フィルム20は、例えば、
樹脂基材1の一方の面上に、有機高分子材料またはその前駆体および液状媒体を含む下地剤を塗布して下地剤からなる塗膜を形成し、その塗膜を乾燥して下地層4を形成する工程と、
前記下地層4の樹脂基材1とは反対側の面に、蒸着膜層2を形成する工程と、
前記蒸着膜層2の下地層4とは反対の面に、前記コーティング剤を塗布してコーティング剤からなる塗膜を形成し、その塗膜を乾燥して被覆層3を形成する工程と、
を有する製造方法により製造できる。
下地剤(下地層形成用のコーティング剤)において、有機高分子材料の前駆体としては、例えば、有機高分子材料が有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物の場合は、有機ケイ素化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。ポリウレタン樹脂の場合は、例えば前記ポリオール類と前記イソシアネート化合物とが用いられる。前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との反応生成物の場合は、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物とが用いられる。前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物と前記イソシアネート化合物との反応生成物の場合は、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物と前記イソシアネート化合物とが用いられる。
前記有機ケイ素化合物の加水分解物は、公知の方法により得ることができ、典型的には、酸またはアルカリ触媒とアルコールと水とを用いて行われる。加水分解が制御しやすい点では、酸触媒を用いることが好ましい。このとき、加水分解をさらに制御するために、一般的に知られている触媒等を添加してもよい。
液状媒体としては、水、有機溶剤、それらの混合物等が挙げられる。
下地剤は、有機高分子材料以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては前記と同様のものが挙げられる。
下地剤は、液状媒体中に前記の各成分を任意の割合で配合することにより調製できる。
下地剤の塗布方法としては、公知の湿式コーティング方法を用いることができ、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の印刷方式、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の塗布方式等が挙げられる。
下地剤からなる塗膜の乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等の公知の乾燥方法を用いることができる。該塗膜の乾燥温度は、例えば50〜200℃とすることができる。乾燥時間は、塗膜の厚さ、乾燥温度等によっても異なるが、例えば1秒〜5分間とすることができる。
蒸着膜層2の形成方法、被膜層3の形成方法は前記と同様である。
<作用効果>
ガスバリア性フィルム20にあっては、第一実施形態のガスバリア性フィルム10と同様に、樹脂基材1と、蒸着膜層2と、蒸着膜層2の樹脂基材1とは反対側に設けられた被覆層3とを備えるため、ガスバリア性に優れ、また、延伸等力学的要因によるガスバリア性の劣化が小さい。そのため、包装袋にしたときに、内容物の劣化を充分に抑制できる。
また、ガスバリア性フィルム20にあっては、樹脂基材1と蒸着膜層2との間に下地層4をさらに備えるため、樹脂基材1と蒸着膜層2との間の密着性がより良好であり、樹脂基材1がフィラーを含有して表面に凹凸を有したりうねりを有したりしていても、延伸等の力学的要因によるガスバリア性が低下しにくい。
以上、実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、樹脂基材の両面に、下地層、蒸着膜層および被覆層を設けてもよい。
本発明のガスバリア性フィルムは、必要に応じて、印刷層、アンカーコート層、オーバーコート層、遮光層、接着剤層、ヒートシール可能な熱融着層、その他の機能層等をさらに有していてもよい。
本発明のガスバリア性フィルムがヒートシール可能な熱融着層を有する場合、この熱融着層は、ガスバリア性フィルムの少なくとも一方の最表層に配置される。ガスバリア性フィルムが熱融着層を有することにより、ガスバリア性フィルムが、熱シールによって密封可能なものとなる。
熱融着層としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル強重合、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
熱融着層は、例えば、樹脂基材の片面または両面に下地層、蒸着膜層および被覆層を順次形成した積層体の片面または両面に、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系等の公知の接着剤を用いて、公知のドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法等により積層することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例で用いた材料を以下に示す。
(樹脂基材)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETと記載する。):市販品(東レ製、商品名:P−60、厚み:12μm)。
二軸延伸ナイロンフィルム(以下Nyと記載する。):市販品(ユニチカ製、商品面:エンブレム(登録商標)ONM、厚み;15μm)。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPと記載する。):市販品(AJプラスト製、商品名:PJ201、厚み:20μm)。
(被覆層形成用材料)
「水性ポリウレタン樹脂(A)」
(A1):酸基含有ポリウレタン樹脂とポリアミン化合物とを含有する水性ポリウレタン樹脂の水性分散体、三井化学社製の水性ポリウレタンディスパージョン「タケラック(登録商標)WPB−341」、固形分30質量%。
「水溶性高分子(B)」
(B1):鹸化度98〜99%、重合度500のポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA−105、クラレ社製)。
「無機層状鉱物(C)」
(C1):水膨潤性合成雲母(商品名:ソマシフ(登録商標)MEB−3、コープケミカル社製)、平均粒径2.0μm。
(C2):モンモリロナイト(商品名:クニピア(登録商標)−F、クニミネ工業社製)、平均粒径0.5μm。
「シランカップリング剤(D)」
(D1):3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越シリコーン社製)。
(下地層形成用材料)
アクリルポリオール:ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)およびn−ブチルメタクリレート(BMA)を、各単量体の割合がモル比で15/65/20になるようにブロック共重合させて作製した共重合体。質量平均分子量(Mw)=10000。
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン:商品名KBE−9007、信越化学工業社製。
脂肪族系キシリレンジイソシアネート:商品名D−110N、三井化学社製。
(実施例1〜5)
電子線加熱方式による真空蒸着装置を用いて、金属ケイ素、一酸化ケイ素および二酸化ケイ素の2種以上を含む混合材料を蒸発させて、PETの上に厚み20nmの酸化ケイ素からなる蒸着膜層を形成した。
表1に示す種類と配合比率(質量%)で、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを配合し、その後、全水性媒体中の10質量%がイソプロパノールであり、固形分濃度が8.2質量%となるように、イオン交換水とイソプロパノールで希釈して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。ここで、配合比率は、全固形分に対する各成分の固形分での比率であり、以下においても同様である。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して、表1に示す厚みの被覆層を形成した。これによって実施例1〜5のガスバリア性フィルムを得た。
(実施例6〜7)
実施例1と同様の方法でPET上に蒸着膜層を形成した。
表1に示す種類と配合比率(質量%)で、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを配合し、次いで、無機層状鉱物(C)を添加し、その後、全水性媒体中の10質量%がイソプロパノールであり、固形分濃度が8.2質量%となるように、イオン交換水とイソプロパノールで希釈して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して、表1に示す厚みの被覆層を得た。これによって実施例6〜7のガスバリア性フィルムを得た。
(実施例8〜14)
実施例1と同様の方法でPET上に蒸着膜層を形成した。
表1に示す種類と配合比率(質量%)で、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを配合し、次いで、無機層状鉱物(C)を添加し、その後、全水性媒体中の10質量%がイソプロパノールであり、固形分濃度が8.2質量%となるように、イオン交換水とイソプロパノールで希釈した。得られた希釈物に、表1に示す種類と配合比率(質量%)でシランカップリング剤(D)を添加して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して、表1に示す厚みの被覆層を得た。これによって実施例8〜14のガスバリア性フィルムを得た。
(実施例15〜16)
希釈溶剤(酢酸エチル)に、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、アクリルポリオール、脂肪族系キシリレンジイソシアネートを11:53:37の質量比で配合して、下地剤(固形分濃度2質量%)を調製した。
樹脂基材として準備したPETの一方面上に、下地剤をグラビアコート法によって塗布し、乾燥して下地層を形成した。下地層の厚みは60〜70nmであった。
その後、実施例15では、下地層以外は実施例1と同様にして蒸着膜層および被覆層を形成してガスバリア性フィルムを得た。実施例16では、下地層以外は実施例8と同様にして蒸着膜層および被覆層を形成してガスバリア性フィルムを得た。
(実施例17〜18)
樹脂基材としてOPPを使用した以外は、実施例17は実施例15と同様にして、実施例18は実施例16と同様にして、下地層、蒸着膜層および被覆層を形成してガスバリア性フィルムを得た。
(実施例19)
樹脂基材としてNyを使用した以外は実施例8と同様にして、蒸着膜層および被覆層を形成してガスバリア性フィルムを得た。
(実施例20〜21)
PETの一方面上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置を用いて、金属アルミニウムを蒸発させるとともに酸素ガスを導入して、樹脂基材の上に厚み20nmの酸化アルミニウムからなる蒸着膜層を形成した。
その後、実施例20では、蒸着膜層以外は実施例1と同様にして被覆層を形成してガスバリア性フィルムを得た。実施例21では、蒸着膜層以外は実施例8と同様にして被覆層を形成してガスバリア性フィルムを得た。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で蒸着膜層を形成し、被覆層は形成せずに比較例1のガスバリア性フィルムを作製した。
(比較例2〜3)
実施例1と同様の方法で蒸着膜層を形成した。
水に、表2に示す種類で、水溶性高分子(B)、無機層状鉱物(C)、テトラエトキシシラン(TEOS)、シランカップリング剤(D)の4成分を、35:3:57:5の質量比で配合して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して、表1に示す厚みの被覆層を形成した。これによって比較例2〜3のガスバリア性フィルムを得た。
(比較例4〜5)
実施例1と同様の方法で蒸着膜層を形成した。
表2に示す種類と配合比率(質量%)で、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを配合し、その後、全水性媒体中の10質量%がイソプロパノールであり、固形分濃度が8.2質量%となるように、イオン交換水とイソプロパノールで希釈して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して被覆層を得た。これによって比較例4〜5のガスバリア性フィルムを得た。
(比較例6)
実施例1と同様の方法で蒸着膜層を形成した。
表2に示す種類の水性ポリウレタン樹脂(A)を、全水性媒体中の10質量%がイソプロパノールであり、固形分濃度が8.2質量%となるように、イオン交換水とイソプロパノールで希釈して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して被覆層を得た。これによって比較例6のガスバリア性フィルムを得た。
(比較例7)
実施例1と同様の方法で蒸着膜層を形成した。
表2に示す種類の水溶性高分子(B)を、全水性媒体中の10質量%がイソプロパノールであり、固形分濃度が8.2質量%となるように、イオン交換水とイソプロパノールで希釈して、被覆層形成用のコーティング剤を調製した。
前記蒸着膜層の上にグラビアコート法によって前記コーティング剤を塗布し、乾燥して被覆層を得た。これによって比較例7のガスバリア性フィルムを得た。
(比較例8)
被覆層の厚みを50nmとした以外は実施例8と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例9〜10)
蒸着膜層を形成しなかったこと以外は、比較例9は実施例1と、比較例10は実施例8とそれぞれ同様の方法で樹脂基材上に下地層および被覆層を形成した。これによって比較例9〜10のガスバリア性フィルムを得た。
(評価)
(1)酸素ガスバリア性:
実施例1〜21および比較例1〜10で得たガスバリア性フィルムについて、酸素透過度測定装置(商品名:OXTRAN−2/20、MOCON社製)を用いて、30℃、70%RHの雰囲気下、酸素透過度(cm/(m・day・MPa))を測定した。結果を「原紙OTR」として表1〜2に示す。
(2)水蒸気バリア性:
実施例1〜21および比較例1〜10で得たガスバリア性フィルムについて、水蒸気透過度測定装置(商品名:PERMATRAN−W−3/33、MOCON社製)を用いて、40℃、90%RHの雰囲気下、水蒸気透過度(cm/(m・day))を測定した。結果を「原紙WVTR」として表1〜2に示す。
(3)延伸耐性:
実施例1〜21および比較例1〜10で得たガスバリア性フィルムを、樹脂基材のTD方向の幅130mm×MD方向の幅260mmの枚葉に切り取った。これを、引張試験機テンシロンにより、6mm/分の速度でMD方向に2.5%延伸した。延伸した状態で1分間保持したのち開放した。その後、前記と同様の装置、条件で酸素ガスバリア性、水蒸気ガスバリア性を評価した。それぞれの結果を「延伸OTR」、「延伸WVTR」として表1〜2に示す。
(4)ラミネート強度:
実施例1〜21および比較例1〜10で得たガスバリア性フィルムの被覆層側に、ドライラミネーション加工により、ポリエステルウレタン系接着剤(商品名:タケラックA−969、タケネートA−5、三井化学社製)を介して、厚み30μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:CPP GLC、三井化学東セロ社製)をラミネートし、40℃にて48時間養生し、積層フィルムを得た。
この積層フィルムを15mm幅の短冊状にカットし、引張試験機テンシロンにより、ガスバリア性フィルムを、未延伸ポリプロピレンフィルムから、300mm/分の速度で90°剥離させて、ラミネート強度(N/15mm)を測定した。結果を表1〜2に示す。
Figure 2017222151
Figure 2017222151
表1〜2中、被覆層について、各成分の種類を示す符号((A1)、(B1)等)の右側に記載した数値が配合比率を示す。
「(A)/(B)」は、水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)との固形分での質量比(水性ポリウレタン樹脂(A)/水溶性高分子(B))を示す。
原紙OTRおよび延伸OTRの単位はcm/(m・day・MPa)、原紙WVTRおよび延伸WVTRの単位はcm/(m・day)、ラミネート強度の単位はN/15mmである。
表1〜2の結果から、実施例1〜21のガスバリア性フィルムは、本発明における樹脂基材と蒸着膜層と被覆層とを備えているため、酸素ガスバリア性に優れていた。また、水蒸気バリア性も充分に高かった。また、これらのガスバリア性が延伸後も充分に保持されており、力学的要因に対する耐性に優れていた。
上記の中でも、実施例15〜16のガスバリア性フィルムは、PETを樹脂基材として使用しており、下地層を備えているため、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性に優れ、これらのガスバリア性が延伸後も特に充分に保持されていた。
比較例1のガスバリア性フィルムは、被覆層が存在しないため、ガスバリア性、力学的要因に対する耐性が共に劣っていた。比較例2〜7のガスバリア性フィルムは、被覆層を形成する材料の水性ポリウレタン樹脂(A)と水溶性高分子(B)の質量比が85/15〜10/90の範囲を外れていたため、ガスバリア性、力学的要因に対する耐性のいずれかが劣っていた。比較例8のガスバリア性フィルムは被覆層の厚みが100nm未満であるため、被覆層本来の性能が発揮されず、ガスバリア性が劣っていた。比較例9〜10のガスバリア性フィルムは、蒸着膜層を有さないため、ガスバリア性、力学的要因に対する耐性が劣っていた。
本発明のガスバリア性フィルムは、ガスバリア性に優れ、延伸等の力学的要因によるガスバリア性の劣化が少ない。そのため、包装材料として内容物を収容したときに、水蒸気等による内容物の劣化を充分に抑制できる。また、包装袋等に加工したときや、長距離輸送等で包装袋等に力が加わったときに、ガスバリア性の劣化が少ない。したがって、本発明のガスバリア性フィルムは、包装材料として有用である。
1 樹脂基材
2 蒸着膜層
3 被覆層
4 下地層
10 ガスバリア性フィルム
20 ガスバリア性フィルム

Claims (7)

  1. 樹脂基材と、蒸着膜層と、前記蒸着膜層の前記樹脂基材とは反対側に設けられた被覆層とを備え、
    前記被覆層が、コーティング剤から形成された層であり、前記コーティング剤が、酸基含有ポリウレタン樹脂およびポリアミン化合物を含む水性ポリウレタン樹脂(A)と、水溶性高分子(B)とを含み、前記水性ポリウレタン樹脂(A)と前記水溶性高分子(B)との固形分での質量比が85/15〜10/90であり、
    前記被覆層の厚みが100nm以上であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 前記樹脂基材が、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂のいずれか一方または両方を含む請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記樹脂基材と前記蒸着膜層との間に下地層をさらに備え、
    前記下地層が、ポリオール、有機ケイ素化合物または/および前記有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、ポリウレタン樹脂、前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物との反応生成物、ならびに前記ポリオールと前記有機ケイ素化合物とイソシアネート化合物との反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機高分子材料を含む請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記コーティング剤が無機層状鉱物(C)をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記無機層状鉱物(C)が水膨潤性合成雲母を含む請求項4に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記コーティング剤がシランカップリング剤(D)をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記被覆層の厚みが100nm〜1400nmである請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
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