JP2017219100A - 転がり軸受装置 - Google Patents

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佑輔 青木
Yusuke Aoki
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Abstract

【課題】転がり軸受装置の給油ユニットが有するポンプにおいて、ノズル先端で潤滑油が集まり油滴となってから軸受部の環状空間に潤滑油が供給されるのを防ぐ。
【解決手段】転がり軸受装置10は、内輪21、外輪22、及び複数の玉23を有している軸受部20と、内輪21と外輪22との間の環状空間13に潤滑油を供給するためのポンプ43を有している給油ユニット40とを備えている。ポンプ43は、潤滑油を溜める油室が内部に形成されていると共にこの油室から微量の潤滑油を吐出するポンプ本体49と、このポンプ本体49から環状空間13へ延び前記油室から吐出させた潤滑油を環状空間13へ導くノズル48とを有している。このノズル48には、軸受部20の回転に伴って環状空間13を周方向に流れるエアを取り入れ可能とする横穴50が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、給油ユニットを備えている転がり軸受装置に関する。
近年、各種の工作機械では、加工効率及び生産効率の向上のために主軸の高速化が要求されている。主軸が高速で回転すると、これを支持する軸受部において特に潤滑性が問題となる。工作機械の軸受部において潤滑性を確保する手段としてオイルエア潤滑が知られている。しかし、この場合、オイルエア供給ユニットの他にエアクリーンユニット等の付帯設備が必要となり、イニシャルコストが高くなると共に、オイル及びエアの消費によるランニングコストも増大する。
そこで、軸受部の軸方向隣りに給油ユニットが設けられている転がり軸受装置が提案されている(特許文献1参照)。給油ユニットは、軸受部と共に、主軸と軸受ハウジングとの間に設けられており、軸受部の内輪と外輪との間に形成されている環状空間に潤滑油を供給するためのポンプ等を有している。
図8に示すように、給油ユニットのポンプ90は、潤滑油を溜める油室91が内部に形成されているポンプ本体92と、このポンプ本体92から延びているノズル94とを有している。ポンプ本体92では、例えば圧電素子95を変形させることで油室91の容積を変化させ、この油室91から微量の潤滑油を吐出させることができ、ノズル94は、油室91から吐出させた潤滑油を軸受部の内輪と外輪との間の環状空間93へ導くことができる。
特開2004−108388号公報
前記のような給油ユニットによって効率的な給油を行うためには、軸受部において必要な量(微量)だけ必要とするタイミングで潤滑油を供給すればよく、このために、必要量の潤滑油を所定のタイミングで油室91から吐出させるようにポンプ90を動作させればよい。しかし、必要量の潤滑油を油室91から吐出させても、実際、以下に説明するとおり、その吐出させた量の潤滑油を軸受部に供給することができない場合がある。
すなわち、油室91から吐出させる潤滑油の量(微量)を定め、これに応じてポンプ90(圧電素子95)を駆動させても、油室91から吐出した潤滑油は表面張力によってノズル先端96で溜まってしまう。ポンプ90が更に何度も駆動して油室91から潤滑油が吐出されると、図8に示すようにノズル先端96に潤滑油の滴(油滴)99が形成される。この油滴99がある程度大きくなると、軸受部の回転に伴って環状空間93で発生するエアの流れ(図8において矢印Fで示すエアの流れ)によって、ようやく油滴99はノズル先端96から離脱し、環状空間93に潤滑油がまとまった油滴99として供給される。この潤滑油(油滴99)は、軸受部の内輪及び外輪の軌道や転動体に付着して潤滑に用いられるが、その量は、定めた必要量よりも多く、潤滑油が過剰となる場合がある。
また、前記のように、ある程度大きな油滴99となるまで軸受部に給油が行われないため、実際の給油が、必要なタイミングから遅れてしまう。給油が遅れないようにするため、必要なタイミングで多くの潤滑油を油室91から吐出させればよいが、この場合、潤滑油を必要以上に消費することとなり、無駄使いとなってしまう。
そこで、本発明は、ノズル先端で潤滑油が集まり油滴となってから環状空間に潤滑油が供給されるのを防ぐことを可能とさせる転がり軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受装置は、内輪、外輪、及び、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体を有している軸受部と、前記内輪と前記外輪との間の環状空間の軸方向の隣りに設けられ、当該環状空間に潤滑油を供給するためのポンプを有している給油ユニットと、を備え、前記ポンプは、潤滑油を溜める油室が内部に形成されていると共に当該油室から微量の潤滑油を吐出するポンプ本体と、当該ポンプ本体から前記環状空間へ延び前記油室から吐出させた潤滑油を前記環状空間へ導くノズルと、を有し、前記ノズルには、前記軸受部の回転に伴って前記環状空間を周方向に流れるエアを取り入れ可能とする横穴が設けられている。
この転がり軸受装置によれば、ポンプが有するノズルの横穴から取り入れたエアによって、ノズル内の潤滑油を、ノズル先端の吐出口から吐出させることができる。このため、ノズル先端で潤滑油が集まり油滴となってから環状空間に潤滑油が供給されるのを防ぐことが可能となる。
また、前記横穴は、前記軸受部の回転に伴って発生するエアの周方向の流れに対向して開口しているのが好ましい。
この構成によれば、軸受部の回転に伴って周方向に流れるエアを、横穴から効率よく取り入れることができる。
また、前記横穴は、前記ノズルが有する筒状の管壁の内の、上下方向で中央の領域又は上側半分の領域で開口するように設けられているのが好ましい。
この構成によれば、ノズル内の潤滑油が自重によって横穴から流出し難くなる。
また、前記ノズルは、先端に向かうにしたがって下方に傾斜するように前記ポンプ本体から延びて設けられているのが好ましい。
この構成によれば、ノズル内の潤滑油が横穴から仮に流出しても、その潤滑油は、ノズルの外面をつたってノズル先端側に流れることができ、流出した潤滑油を軸受部の潤滑のために用いることが可能となる。
また、前記横穴は、前記環状空間において周方向に流れるエアの流速が高くなる位置で開口しているのが好ましい。
この構成によれば、軸受部の回転に伴って周方向に流れるエアを、横穴から効率よく取り入れることができる。
また、前記横穴は、前記ポンプ本体側よりも前記ノズルの先端側に寄って設けられているのが好ましい。
この構成によれば、ノズルの横穴から取り入れたエアによって、ノズル内の潤滑油を、ノズル先端の吐出口から吐出させる作用を高めることが可能となる。
本発明によれば、ノズル先端で潤滑油が集まり油滴となってから環状空間に潤滑油が供給されるのを防ぐことができ、所定のタイミングで所定量の潤滑油を供給しやすくできる。
本発明の転がり軸受装置の実施の一形態を示す断面図である。 給油ユニットを軸方向から見た断面図である。 給油ユニットの機能を説明する図である。 ノズルを説明する斜視図である。 内輪と外輪との間に介在している玉、及びポンプを軸方向から見た説明図である。 図4のA矢視の断面図である。 横穴による機能を説明する説明図である。 従来の給油ユニットが有するポンプの説明図である。
図1は、本発明の転がり軸受装置の実施の一形態を示す断面図である。この転がり軸受装置10(以下、軸受装置10ともいう。)は、工作機械が有する主軸装置の主軸(軸7)を回転可能に支持するものであり、主軸装置のハウジング8内に収容されている。図1では、軸7及びハウジング8を2点鎖線で示している。以下の説明において、軸受装置10の中心線Cに平行な方向を軸方向と呼び、この軸方向に直交する方向を径方向と呼ぶ。
軸受装置10は、軸受部20と給油ユニット40とを備えている。軸受部20は、内輪21、外輪22、複数の玉(転動体)23、及びこれら複数の玉23を保持する保持器24を有しており、玉軸受(転がり軸受)を構成している。また、軸受装置10は、内輪21の隣りに設けられている内輪筒部21bと、外輪22の隣りに設けられている外輪筒部22bとを有している。
内輪21には、玉23が転がり接触する軌道面(以下、内輪軌道25という。)が形成されている。内輪筒部21bは内輪用間座として機能する。なお、図示しないが、これら内輪21と内輪筒部21bとは一体であってもよい。
外輪22には、玉23が転がり接触する軌道面(以下、外輪軌道26という。)が形成されている。外輪筒部22bは外輪用間座として機能する。なお、図示しないが、これら外輪22と外輪筒部22bとは一体であってもよい。
内輪21と外輪22との間に環状空間13が形成されており、この環状空間13に複数の玉23及び保持器24が設けられている。玉23は、内輪21と外輪22との間に介在しており、軸受部20が回転することで内輪軌道25及び外輪軌道26を転がり接触する。保持器24は、環状であり、周方向に沿ってポケット27が複数形成されている。各ポケット27に一つの玉23が収容された状態となる。
内輪21、外輪22、玉23、内輪筒部21b、及び外輪筒部22bは、例えば軸受鋼等の鋼製であり、保持器24は樹脂製である。
給油ユニット40は、全体として円環状であり、外輪筒部22bの内周側に取り付けられ、環状空間13の軸方向隣りに設けられている。給油ユニット40は、軸受部20(軌道25,26、玉23及び保持器24)へ給油を行う機能を有している。給油ユニット40の詳細な構成及び機能については後に説明する。
以上のように本実施形態では、給油ユニット40が設けられている外輪22及び外輪筒部22bが、ハウジング8に固定状態(静止状態)となって取り付けられており、内輪21及び内輪筒部21bが軸7と共に回転する。つまり、外輪22が固定状態にある固定輪となり、内輪21が軸7と共に回転する回転輪となる。内輪21が軸7と共に回転すると、複数の玉23は軌道25,26を転がり、これら玉23を保持する保持器24が中心線C回りに回転する。これにより、環状空間13ではエアが周方向に流れる。軸受部20(内輪21)の回転が高速になると、周方向に流れるエアの流速も高速となる。
図2は、給油ユニット40を軸方向から見た断面図である。給油ユニット40は、全体として円環形状を有している。給油ユニット40は、潤滑油(オイル)を溜めるタンク42及びこの潤滑油を吐出するポンプ43を備えている。これらタンク42及びポンプ43は、給油ユニット40が有している環状の本体部41に設けられている。また、給油ユニット40は、制御部44及び電源部45を備えている。
本体部41は、外輪筒部22bの内周側に取り付けられており、ポンプ43等を保持するフレームとしての機能を有している。本体部41は円環状の部材であるが中空空間が形成されており、この中空空間にポンプ43、制御部44及び電源部45が設けられている。また、前記中空空間の一つがタンク42となっている。これにより、本体部41、タンク42、ポンプ43、制御部44及び電源部45等を含む給油ユニット40は、一体として構成される。なお、タンク42、制御部44及び電源部45のうちの一部又は全部は、軸受装置10(ハウジング8)の外に設けられていてもよく、この場合、配管や通信線を通じてポンプ43等と接続される。
図3は、給油ユニット40の機能を説明する図である。ポンプ43は、潤滑油を溜める油室47が内部に形成されているポンプ本体49と、このポンプ本体49から環状空間13へ延びているノズル48とを有している。ポンプ本体49は、更に圧電素子46を有しており、この圧電素子46が動作することで油室47の容積を変化させ、この油室47の潤滑油をノズル48に吐出する。吐出された潤滑油はノズル48を通じて前記環状空間13に供給される。つまり、ポンプ本体49の油室47から圧電素子46の動作により微量の潤滑油が吐出されると、ノズル48は、油室47から吐出させた潤滑油を環状空間13へ導く。
電源部45(図2参照)は、ポンプ43(圧電素子46)の駆動用の電力を供給する。図3において、制御部44は、所定のタイミングで圧電素子46に所定の波形の駆動電圧を印加し、これにより、油室47から微量の潤滑油がノズル48中に吐出される。圧電素子46の一回の動作により油室47から吐出される潤滑油量は微量(例えば50ナノリットル)であることから、一回の給油動作のために圧電素子46を複数回動作させる。つまり、一回の給油動作のために圧電素子46を脈動させる。なお、油室47から潤滑油が吐出される毎にタンク42から油室47へ潤滑油が自動的に補給される。
図4は、ノズル48を説明する斜視図である。ノズル48は、中空であり、直線状の針部材からなる。ノズル48の先端51(以下、ノズル先端51ともいう。)は、玉23(図1参照)又は外輪軌道26に向かって開口しており、ノズル先端51の開口が潤滑油の吐出口51aとなる。また、ノズル先端51が玉23に接近した位置となるまでポンプ本体49からノズル48は延びて設けられている。そして、このノズル48には、先端51の開口(吐出口51a)とは別に開口している横穴50が一つ設けられている。
図5は、内輪21と外輪22との間に介在している玉23、及びポンプ43を軸方向から見た説明図である。なお、この図5では、説明を容易とするために、保持器を省略している。本実施形態の給油ユニット40では、ポンプ43は最も下となる位置に設けられている。また、前記のとおり、軸受部20(内輪21)が回転すると、この回転に伴って環状空間13をエアが周方向に流れる。図5の矢印Rは、内輪21の回転方向を示しており、矢印Fは、環状空間13においてエアが流れる方向を示している。
図4及び図5に示すように、ノズル48は、ポンプ本体49から延びて環状空間13に設けられており、また、このノズル48の横穴50も環状空間13に位置している。このため、環状空間13を周方向に流れるエア(の一部)を、横穴50からノズル48内に取り入れることができる。ノズル48内に取り入れられたエアは、ノズル先端51の開口(吐出口51a)から排出される。
図6は、図4のA矢視の断面図である。点Pはノズル48の中心線上の点であり、図6に示すように横穴50を含む断面において、点Pを通過する水平方向の軸をX軸とし、点Pを通過する垂直方向の軸をY軸とすると、この横穴50は、Y軸よりもエアの流れる方向の上流側に形成されている。図6において矢印Fは、軸受部20の回転に伴って環状空間13で発生するエアの周方向の流れの方向を示しており、横穴50では、このエアの周方向の流れにその少なくとも一部が対向して開口している。これにより、周方向に流れるエアを、横穴50から効率よく取り入れることができる。
横穴50は、ノズル48が有する筒状の管壁48aを貫通した穴であり、図6に示す形態では、この管壁48aの内の上側半分の領域で開口するように設けられている。図6において、横穴50の中心線を「E」で示しており、X軸と横穴50の中心線Eとの成す角度を「B」としている。なお、図示しないが、横穴50は、管壁48aの内の、上下方向で中央の領域で開口する(つまり、横穴50の中心線EがX軸と一致する)ように設けられていてもよい。つまり、横穴50は、X軸から上の位置に設けられている。
そして、前記のとおり、横穴50はエアの周方向の流れに対向して開口する必要があるため、前記角度Bは、0°以上、90°未満となるように横穴50の位置が設定されている。
以上のように、本実施形態の転がり軸受装置10では(図1参照)、給油ユニット40が有するポンプ43は、環状空間13に潤滑油を供給するために動作し、特に本実施形態では(図3参照)、圧電素子46により油室47から潤滑油が吐出されると、その潤滑油はノズル48を通過してから、環状空間13に供給される。そして、ノズル48には横穴50が設けられており(図4参照)、この横穴50は、軸受部20の回転に伴って環状空間13を周方向に流れるエアを取り入れ可能としている。この構成によれば、横穴50から取り入れたエアによって、ノズル48内の潤滑油を、ノズル先端51(図4参照)の吐出口51aから吐出させることができる。つまり、横穴50から取り入れたエアによって潤滑油を吐出口51aから押し出すことができる。このため、後にも説明するが、ノズル先端51で潤滑油が集まり従来のように大きな油滴となってから環状空間13に潤滑油が供給されるのを防ぐことが可能となる。
横穴50による機能について更に説明する。前記のとおり、ポンプ43(圧電素子46)の駆動によってポンプ本体49の油室47から微量の潤滑油が吐出されると、その潤滑油はノズル48内に入り溜められる(図7(A)参照)。ノズル48のうち、ポンプ本体49から横穴50までは、この横穴50から取り入れられるエア(エアの圧力)によりノズル48内の潤滑油は押されて、ノズル48(吐出口51a)から勝手に吐出されない。なお、図7において、横穴50から取り入れられ吐出口51aから吐出されるエアの流れを矢印fで示している。また、図7(A)に示すように、ポンプ本体49から横穴50まで潤滑油が満たされた状態を充填状態と呼ぶ。
図7(A)に示す充填状態から、ポンプ43が駆動して(給油動作のために圧電素子46が脈動して)油室47の潤滑油がノズル48内に供給されると、図7(B)に示すように、潤滑油がノズル先端51側へ延びた状態となって存在する。更にポンプ43が駆動して(一回の給油動作のために圧電素子46が脈動して)潤滑油がノズル48内に供給されると、図7(C)に示すように、ノズル48内の流路で更に延びた潤滑油を、横穴50から取り入れたエアで抑えきれなくなり、潤滑油の一部61が潤滑油の本体部60から切り離されてノズル先端51側に位置することができる。このように切り離される潤滑油の一部61は、ポンプ43の駆動(一回の給油動作)により供給された潤滑油の量に相当する。横穴50から取り入れたエアは、ノズル先端51の開口(吐出口51a)から排出されるので、切り離された潤滑油の一部61は、このエアの流れに乗ってノズル先端51に運ばれ、そのまま、エアと共にノズル先端51から離脱することができる。潤滑油の一部61が本体部60から切り離されると、再びこの本体部60は横穴50から取り入れられるエアによって抑えられる。
以上より、ポンプ43が駆動して、一回の給油動作のために油室47から吐出させた潤滑油の量を、ノズル先端51から環状空間13に供給することが可能となる。
横穴50のノズル長手方向の形成位置は、様々な位置に設定可能であるが、環状空間13において軸受部20の回転によりエアの周方向の流れが発生している位置とすべきである。特に、軸受部20の回転に伴って周方向に流れるエアを横穴50から効率よく取り入れるために、横穴50は、環状空間13において周方向に流れるエアの流速が、他よりも高くなる(最も高くなる)位置で開口しているのが好ましい。なお、エアの流速は保持器24の形状に依存するが、保持器24が有する給油ユニット40側の環状部24aの近傍でエアの流速が高くなることから、横穴50は、この環状部24aの近傍で開口するのが好ましい。
また、本実施形態では(図7(C)参照)、横穴50はノズル先端51の近傍に設けられている。これにより、潤滑油の本体60から切り離された潤滑油の一部61は、ノズル48内において(例えばエアの淀み点等で)滞留しにくくなり、ノズル48から微量の潤滑油(潤滑油の一部61)をエアの流れに乗って供給させやすくすることができる。このように、本実施形態では、横穴50は、ポンプ本体49側よりもノズル先端51側に寄って設けられていることから、横穴50から取り入れたエアによって、ノズル48内の潤滑油を、ノズル先端51の吐出口51aから吐出させる作用を高めることができる。
なお、図1に示すように、給油ユニット40は、軸7とハウジング8との間の狭い空間に軸受部20と共に格納されることから、タンク42(図2参照)の容量は制限される。このため、潤滑油の過剰供給を防ぐ必要があり、また、給油が過度に行われると潤滑油に起因する軸受部20の回転抵抗(例えば撹拌抵抗)が増加してしまう。このため、適切なタイミングで必要最小限の給油が行われるのが好ましい。
これを実現するために、本実施形態の軸受装置10では、給油が必要なタイミングでポンプ43を駆動させて必要最小限の給油を行い、潤滑油の量が充分となっている間は給油を休止させ、そして、再び給油が必要なタイミングでポンプ43を駆動させて必要最小限の給油を行う。
また、従来では(図8参照)、給油が必要なタイミングでポンプ90を駆動させても、ノズル先端96で油滴99となって保持され、軸受部の軌道等に対して給油できておらず、ノズル先端96である程度大きな油滴99となってから、その油滴99がノズル先端96を離脱し回転するエアに乗って給油される。これでは、給油が必要となるタイミングに遅れることとなる。また、従来の構成において、給油が遅れないようにするため、必要なタイミングで多くの潤滑油を油室91から吐出させればよいが、潤滑油を必要以上に供給することとなり、無駄使いとなってしまうおそれがある。
しかし、本実施形態のポンプ43によれば、図7により説明したように、ポンプ43が駆動して一回の給油動作により油室47から吐出させた潤滑油の量について、ノズル先端51から環状空間13に供給しやすくなり、所望の給油量を遅れないで環状空間13に供給することが可能となる。
以上より、複数回(多数回)の給油動作により油室47から吐出させた潤滑油がノズル先端51で集まり油滴となってから環状空間13に潤滑油が供給されるのを防ぐことができ、環状空間13(軸受部20)に対して、所定のタイミングで必要量の潤滑油を供給しやすくなる。そして、ポンプ43による一回の給油動作で油室47から吐出される潤滑油の量(微量)が、軸受部20(環状空間13)に供給されるので、軸受部20(環状空間13)へ給油する量の調整(制御)を精度よく行うことが可能となる。
軸受部20(内輪21)の回転が停止すると、環状空間13におけるエアの流れは発生しない。この状態では、ノズル48内の潤滑油は自重(重力)により下側に集まろうとする。そこで、このような状態で、潤滑油が横穴50から外部へ漏れ出ないように、横穴50は(図6参照)、ノズル48の筒状の管壁48aの内の上側半分の領域で開口するように設けられている。つまり、横穴50は反重力方向に開口している。これにより、ノズル48内の潤滑油が自重によって横穴50から流出し難くなり、潤滑油の無駄な消費を防ぐことができる。
更に、本実施形態では、仮に横穴50から潤滑油の一部がノズル48の外に漏れたとしても、その潤滑油を軸受部20の潤滑に用いることができるような構成となっている。すなわち、図1に示すように、ノズル48は、ノズル先端51に向かうにしたがって下方に傾斜するようにポンプ本体49から延びて設けられている。この構成によれば、ノズル48内の潤滑油が横穴50から仮に流出しても、その潤滑油は、ノズル48の外面をつたってノズル先端51側に流れることができる。そして、この潤滑油は、軸受部20の回転により発生するエアによって飛ばされ、軸受部20の潤滑のために用いることが可能となる。
また、図1に示すように、外輪22の内周側には軸方向の端部にアール面部22cを有している。横穴50は、このアール面部22cよりも玉23側の位置に設けられている。これにより、ノズル48内の潤滑油が横穴50から漏れ、更に滴っても、アール面部22cではなく、外輪22の肩部22dの内周面に付着することができる。潤滑油がアール面部22cに付着すると、その潤滑油は軸受外部に流出してしまう可能性が高いが、肩部22dに付着すれば、軸受部20の回転により発生するエアにより運ばれて軸受部20の潤滑のために用いる可能性がある。これにより潤滑油の無駄使いを防止することができる。
また、前記のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、前記実施形態では、ノズル48を外輪22と保持器24(環状部24a)との間に介在させた場合について説明したが、ノズル48を内輪21と保持器24との間に介在させてもよい。
また、前記実施形態では、軸受部20がアンギュラ玉軸受である場合について説明したが、軸受の形式はこれに限らず、深溝玉軸受であってもよく、また、円すい転がり軸受や、円筒ころ軸受であってよい。また、この転がり軸受装置10を、工作機械の主軸用以外の用途に用いることができる。
10:転がり軸受装置 13:環状空間 20:軸受部
21:内輪 22:外輪 23:玉(転動体)
40:給油ユニット 43:ポンプ 47:油室
48:ノズル 48a:管壁 49:ポンプ本体
50:横穴 51:ノズル先端

Claims (6)

  1. 内輪、外輪、及び、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体を有している軸受部と、
    前記内輪と前記外輪との間の環状空間の軸方向の隣りに設けられ、当該環状空間に潤滑油を供給するためのポンプを有している給油ユニットと、を備え、
    前記ポンプは、潤滑油を溜める油室が内部に形成されていると共に当該油室から微量の潤滑油を吐出するポンプ本体と、当該ポンプ本体から前記環状空間へ延び前記油室から吐出させた潤滑油を前記環状空間へ導くノズルと、を有し、
    前記ノズルには、前記軸受部の回転に伴って前記環状空間を周方向に流れるエアを取り入れ可能とする横穴が設けられている、転がり軸受装置。
  2. 前記横穴は、前記軸受部の回転に伴って発生するエアの周方向の流れに対向して開口している、請求項1に記載の転がり軸受装置。
  3. 前記横穴は、前記ノズルが有する筒状の管壁の内の、上下方向で中央の領域又は上側半分の領域で開口するように設けられている、請求項1又は2に記載の転がり軸受装置。
  4. 前記ノズルは、先端に向かうにしたがって下方に傾斜するように前記ポンプ本体から延びて設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受装置。
  5. 前記横穴は、前記環状空間において周方向に流れるエアの流速が高くなる位置で開口している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり軸受装置。
  6. 前記横穴は、前記ポンプ本体側よりも前記ノズルの先端側に寄って設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転がり軸受装置。
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