JP2017125550A - 軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給油が必要となる軌道面等に効率よく潤滑油を供給し、かつ軌道面等に潤滑油を長期間保持させ、潤滑油の過剰供給を防ぐことのできる軸受装置を提供する。
【解決手段】軸受装置10は、内輪21、外輪22、これらの間に介在している複数の玉23、及び複数の玉23を保持する保持器24を有している軸受部20と、この軸受部20の軸方向の隣に設けられ内輪21の内輪軌道溝25に潤滑油3を供給するための給油ユニット40とを備えている。給油ユニット40は、潤滑油3を溜めるタンク42と、潤滑油3を内輪軌道溝25に向かって飛ばすポンプ43とを有している。内輪21の外周面及び外輪22の内周面において、回転軌道溝25及び固定軌道溝26を除く第1領域P1及び第2領域P2に撥油性被膜4が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸受部とこの軸受部に給油を行う給油ユニットとを備えている軸受装置に関する。
近年、各種の工作機械では、加工効率及び生産性の向上のために主軸の高速化が要求されている。主軸が高速で回転すると、これを支持する転がり軸受において特に潤滑性が問題となる。転がり軸受の潤滑性を確保する手段としてオイル潤滑が知られており、例えば、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑、及びオイルジェット潤滑等がある。しかし、これらの潤滑方式の場合、オイルの消費が非常に多くなりランニングコストが高くなるという課題がある。
そこで、転がり軸受が有する内輪と外輪との間に、タンク及びポンプを備えている給油ユニットを組み込んだ軸受装置が提案されている(特許文献1参照)。この軸受装置では、転がり軸受が有する外輪の軸方向延長部の内側に給油ユニットが装着されており、転がり軸受(軸受部)と給油ユニットとが一体となっている。給油ユニットは、潤滑油を溜めるタンク、及びこのタンク内の潤滑油を内輪と外輪との間の環状空間に吐出するポンプを備えている。このポンプはポンプ本体から突出している針状のノズルを有しており、このノズル先端から数マイクロリットル〜数十ナノリットル程度の油滴を吐出させ、この油滴を内輪の軌道面や外輪の軌道面等の潤滑油の供給が必要となる領域に供給する。
特開2004−108388号公報
前記のような給油ユニットを組み込んだ軸受装置では、ポンプが駆動すると、図6(A)に示すように、ノズル先端90の開口90aから潤滑油(91)が滲み出て、滲み出た潤滑油(91)が増えると、図6(B)に示すように、その潤滑油(91)が数マイクロリットル〜数十ナノリットル程度の油滴91となってノズル先端90に保持される。そして、特許文献1に記載の給油ユニットでは、ノズル先端90が、転動体である玉92に接近した状態にあり、このノズル先端90に保持された油滴91は、軸受の回転に伴って内輪と外輪との間の環状空間で発生するエアの流れに乗って軸受内部に供給される。
しかし、この場合、ノズル先端90から離れた油滴91は、潤滑油の供給が必要となる軌道面に到達するとは限らず、例えば転動体を保持する保持器の外側面に付着して、転がり軸受の潤滑に寄与しない場合がある。また、潤滑油が軌道面に到達しても、軌道面上の潤滑油が軸受外部へ流出することで軌道面が潤滑不足となり、焼き付きが発生し易くなる。
そこで、このような潤滑油のロス及び軸受外部への流出を見込んで必要量よりも多くの潤滑油(油滴)をポンプによって吐出させればよいが、この場合、潤滑に寄与しない余剰な潤滑油によって転がり軸受の回転抵抗(撹拌抵抗)を増大させてしまうおそれがある。
また、特許文献1に記載の軸受装置の場合、給油ユニットを容積の小さい空間に配置する必要があることから、タンクの容量を大きくすることは困難である。このため、ポンプから多くの潤滑油を吐出させる設定であるとタンクの潤滑油の消費も多くなり、タンクへの潤滑油の補充が頻繁に必要となる。このような潤滑油の補充のメンテナンスを度々行うことになると、工作機械の運転をその都度停止させることから、生産効率が低下する。
そこで、本発明は、給油が必要となる軌道面等に効率よく潤滑油を供給し、かつ軌道面等に潤滑油を長期間保持させ、潤滑油の過剰供給を防ぐことができる軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の軸受装置は、固定軌道面が周面に形成された固定輪、前記固定軌道面に対向する回転軌道面が周面に形成された回転輪、前記固定軌道面と前記回転軌道面との間に介在している複数の転動体、及び前記固定輪と前記回転輪との間に配置され前記複数の転動体を保持する保持器を有している軸受部と、前記軸受部の軸方向の隣に設けられ、前記固定軌道面及び前記回転軌道面のうち少なくとも一方の軌道面に潤滑油を供給するための給油ユニットと、を備え、前記給油ユニットは、潤滑油を溜めるタンクと、前記潤滑油を油滴として前記一方の軌道面に向かって飛ばすポンプと、を有し、前記固定輪の前記周面及び前記回転輪の前記周面において、前記固定軌道面及び前記回転軌道面を除く領域の少なくとも一部に、撥油性被膜が形成されている。
上記のように構成された軸受装置によれば、軸受部の上記一方の軌道面に向けて給油ユニットのポンプが潤滑油を油滴として飛ばすことにより、当該軌道面に対して効率よく潤滑油を供給することができる。また、固定輪及び回転輪の周面において固定軌道面及び回転軌道面を除く領域の少なくとも一部に撥油性被膜が形成されているので、上記一方の軌道面に供給された潤滑油は、撥油性被膜に弾かれることで軸受外部へ流出しにくくなる。これにより、上記一方の軌道面に潤滑油を長期間保持することができるので、当該軌道面が潤滑不足となって焼き付きが発生するのを抑制することができる。したがって、潤滑油の過剰供給を防ぎ、潤滑油による撹拌抵抗の増大を防ぐことが可能となり、また、潤滑油の消費を抑えてタンクの潤滑油の無駄使いを防ぐことが可能となる。
また、前記固定輪の前記周面又は前記回転輪の前記周面には、前記保持器の周面が摺接することで当該保持器の回転を案内する案内面が形成されており、前記撥油性被膜は、前記固定輪の前記周面及び前記回転輪の前記周面において、前記案内面をさらに除く領域の少なくとも一部に形成されていることが好ましい。
この場合、保持器の周面が摺接する案内面に撥油性被膜が形成されることはないので、上記案内面において潤滑不足による焼き付きが発生するのを抑制することができる。
本発明の軸受装置によれば、給油が必要となる軌道面等に効率よく潤滑油を供給することができ、かつ軌道面等に潤滑油を長期間保持させることができるので、潤滑油の過剰供給を防ぐことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る軸受装置を示す断面図である。 図1のA−A矢視の断面図である。 上記軸受装置の内輪本体部を示す縦断面図である。 上記軸受装置の外輪本体部を示す縦断面図である。 (A)は上記軸受装置の撥油性被膜に対する潤滑油の接触角を示す説明図であり、(B)は撥油性被膜を形成する前の周面に対する潤滑油の接触角を示す説明図である。 従来のポンプによる給油を説明する説明図である。
以下、本発明の軸受装置の実施の一形態を説明する。
〔軸受装置の全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る軸受装置10を示す縦断面図である。本実施形態の軸受装置10は、工作機械が有する主軸装置の主軸(軸7)を回転可能に支持するものであり、主軸装置の軸受ハウジング8内に収容されている。図1において、軸7及び軸受ハウジング8を2点鎖線で示している。この軸受装置10は、軸受部20と給油ユニット40とを備えている。
軸受部20は、内輪21、外輪22、複数の玉(転動体)23、及びこれら玉23を保持する保持器24を有している。本実施形態では、外輪22が軸受ハウジング8に相対回転不能として設けられており、外輪22が固定輪となる。そして、内輪21が軸7と共に回転することから、内輪21が回転輪となる。
内輪21は、軸7に外嵌する円筒状の部材であり、軸方向一方側(図1では右側)の内輪本体部31と、軸方向他方側(図1では左側)の内輪延長部32とを有している。内輪本体部31の外周面には、回転軌道面である内輪軌道溝25が形成されている。本実施形態では、内輪本体部31と内輪延長部32とは別体であり、内輪延長部32は短円筒形状の間座として機能する。なお、図示しないが、内輪本体部31と内輪延長部32とは一体(一体不可分)であってもよい。
外輪22は、軸受ハウジング8の内周面に固定される円筒状の部材であり、軸方向一方側(図1では右側)の外輪本体部35と、軸方向他方側(図1では左側)の外輪延長部36とを有している。外輪本体部35の内周面には、回転軌道面(内輪軌道溝25)に対向する固定軌道面として外輪軌道溝26が形成されている。本実施形態では、外輪本体部35と外輪延長部36とは別体であり、外輪延長部36は短円筒形状の間座として機能する。なお、図示しないが、外輪本体部35と外輪延長部36とは一体(一体不可分)であってもよい。
玉23は、内輪21(内輪本体部31)の内輪軌道溝25と外輪22(外輪本体部35)の外輪軌道溝26との間に介在しており、これらの軌道溝25,26を転動する。保持器24は、環状の部材からなり、周方向に沿ってポケット27が複数形成されている。各ポケット27に一つの玉23が収容されている。これにより、保持器24は、複数の玉23を周方向に並べて保持することができる。
保持器24は、その軸方向一方側(図1では左側)の円環部24aの外周面が、外輪本体部35の内周面の一部である第1平坦部35bに摺接するように配置されており、この第1平坦部35bは、保持器24の回転を案内する案内面とされている。なお、保持器24は、軸方向他方側(図1では右側)の円環部24bの内周面を、内輪本体部31の外周面の一部(図1では第2平坦部31b)に摺接するように配置されていてもよい。この場合、内輪本体部31の外周面(第2平坦部31b)は、保持器24の回転を案内する案内面とされる。
内輪本体部31と外輪本体部35との間に、第1の環状空間11が形成されており、内輪延長部32と外輪延長部36との間に、第2の環状空間12が形成されている。第1の環状空間11と第2の環状空間12とは連続している。第1の環状空間11に玉23及び保持器24が設けられている。そして、第2の環状空間12に給油ユニット40が設けられている。
本実施形態では、前記のとおり、外輪22に対して内輪21が軸7と共に回転する。そこで、給油ユニット40は、外輪延長部36の内周面に密着嵌合して取り付けられている。これに対して、内輪延長部32の外周面と、給油ユニット40の内周面との間には微小隙間が設けられており、給油ユニット40によって内輪32の回転が阻害されない。
図2は、図1のA−A矢視の断面図である。給油ユニット40は、全体として円環形状を有している。給油ユニット40は、ホルダ41、タンク42、及びポンプ43を備えており、更に、回路部44及び電源部45を備えている。
ホルダ41は、例えば樹脂製の環状部材であり、短円筒状の内壁46、短円筒状の外壁47、これら内壁46及び外壁47の間に設けられている複数の隔壁48a,48b,48c,48dを有している。これらの壁によって、図2に示すように、複数の空間K1,K2,K3が周方向に沿って形成されている。
本実施形態では、第1の空間K1によりタンク42が構成され、第2の空間K2にポンプ43が格納され、第3の空間K3に回路部44及び電源部45が格納されている。これにより、ホルダ41、タンク42、ポンプ43、回路部44、及び電源部45を含む給油ユニット40は、一体として構成されている。
そして、この給油ユニット40は外輪延長部36に取り付けられて軸受部20と一体となっており、また、図1に示すように、第2の環状空間12に設けられている給油ユニット40は、第1の環状空間11の軸方向隣に設けられた構成となる。
〔給油ユニット40の各部の構成〕
図2において、タンク42は潤滑油3を溜めるものであり、潤滑油3を溜める貯留部49を有している。タンク42は、貯留部49の潤滑油3をポンプ43へ流出させるべく、ポンプ43と流路を通じて繋がっている。タンク42内には、潤滑油3を保持する保持体(例えば、フエルトやスポンジ)が設けられていてもよい。以上より、タンク42は、潤滑油3を溜めると共に、溜めている潤滑油3をポンプ43へ供給可能となっている。
そして、図1において、ポンプ43は、タンク42から供給された潤滑油3を第1の環状空間11に供給する(噴出する)。ポンプ43については後にも説明する。
図2において、電源部45は、発電部45aと二次電池部45bとを有している。発電部45aは、内輪21が回転することで発電可能となる構成を有し、発生した電力が二次電池部45bに蓄えられる。
回路部44は、プログラミングされたマイコンを含む基板回路からなり、ポンプ43に対して制御信号(駆動信号)を発信する。つまり、回路部44は、ポンプ43(後述する圧電素子55)に対して駆動電力を与える(所定の電圧を印加する)。
以上より、給油ユニット40は、軸受部20の軸方向の隣に設けられており、この軸受部20において給油が必要となる給油領域T(図1参照)に潤滑油を供給する。
以下の説明では、前記「給油領域T」を内輪軌道溝25として説明する。なお、給油領域Tには、内輪軌道溝25に代えて又は加えて外側軌道溝26が含まれていてもよい。また、外輪本体部35の第1平坦部35bには保持器24(円環部24a)の外周面が摺接するので、この第1平坦部35bを給油領域に含めてもよい。
そして、給油ユニット40のポンプ43が、給油領域Tに向かって潤滑油3を飛ばす構成となっている。このために、本実施形態のポンプ43は、ポンプ内部に圧電素子55を有しており、この圧電素子55が動作することでポンプ43の内部空間の容積を変化させ、この内部空間の潤滑油3を噴出口50から噴出させることができる。
本実施形態のポンプ43は、給油領域Tに向かって開口している噴出口50を有しており、直接的に潤滑油3を給油領域Tに吹き付ける。この点において、従来の(図6(B)参照)ポンプのノズル90から吐出させた潤滑油(油滴91)を軸受内部で発生しているエアの流れに乗せて給油が必要となる領域に運ぶという技術と異なる。
このために、本実施形態のポンプ43は、圧電素子55の動作によって、ポンプ内部の潤滑油3を噴出口50から所定の初速(飛行速度)を有する油滴として給油領域Tへ飛ばす。更に、本実施形態では、噴出口50の開口面積が非常に小さく設定されており、ポンプ43は、潤滑油3を0.5ピコリットル以上であり1000ピコリットル以下の油滴として給油領域Tへ飛ばす。なお、噴出口50の開口50aは円形であり、その直径(口径)を100マイクロメートル未満とするのが好ましく、例えば25〜60マイクロメートルに設定することができる。
また、ポンプ43による潤滑油3の噴出動作は、前記回路部44(図2参照)により制御されており、ポンプ43は潤滑油3を油滴として給油領域Tに向けて噴出するための制御が行われる。これにより、噴出口50から噴出される油滴は所定の初速を有しており、噴出口50から飛び出して給油領域Tに当たることができる。以上のように、ポンプ43から1ショット毎にピコリットル単位の極微量の潤滑油が噴出される。
更に、図1に示すように、噴出口50の開口50aは、玉23から離れており、内輪本体部31と外輪本体部35との間に形成されている第1の環状空間11の外に位置している。本実施形態では、噴出口50の開口50aは、内輪延長部32と外輪延長部36との間に形成されている第2の環状空間12の範囲内に位置している。
本実施形態の噴出口50は、この噴出口50の中心線方向(開口50aの開口方向)Jに沿って油滴(潤滑油3)を噴出させる構成となっており、このような噴出口50の開口50aを給油領域Tに向かわせることで、開口50aから噴出させた油滴を直接的に給油領域Tに供給することが可能となる。そして、このために、噴出口50の中心線方向Jは、軸受部20の中心線に平行な仮想線Lに対して傾斜している。図1では、噴出口50の中心線方向Jは仮想線Lに対して傾斜角度αで傾斜している。
〔内輪本体部31の外周面及び外輪本体部35の外周面の各構成〕
図3は、内輪本体部31を示す縦断面図である。内輪本体部31の外周面には、軸方向一方側(図3では左側)の端部から軸方向他方側(図3では右側)の端部に向けて、第1平坦部31a、内輪軌道溝25、及び第2平坦部31bがこの順に連続して形成されている。第1平坦部31aは第2平坦部31bよりも径方向外側(図3の下側)に形成されている。
内輪本体部31の外周面には、玉23が転動する内輪軌道溝25を除く第1領域P1に撥油性被膜4が形成されている。本実施形態では、第1領域P1である第1平坦部31aの全体および第2平坦部31bの全体に撥油性被膜4が形成されている。なお、撥油性被膜4は、第1平坦部31aの一部のみ、及び/又は第2平坦部31bの一部のみに形成されていてもよい。
図4は、外輪本体部35を示す縦断面図である。外輪本体部35の内周面には、軸方向一方側(図4では左側)の端部から軸方向他方側(図4では右側)の端部に向けて、円弧部(R面取り部)35a、第1平坦部35b、外輪軌道溝26、第2平坦部35c、テーパ部35d、及び第3平坦部35eがこの順に連続して形成されている。第2平坦部35cは第3平坦部35eよりも径方向内側(図4の下側)に形成され、第1平坦部35bは第2平坦部35cよりも径方向内側に形成されている。
外輪本体部35の内周面には、保持器24の回転を案内する第1平坦部35b、及び玉23が転動する外輪軌道溝26を除く第2領域P2に撥油性被膜4が形成されている。本実施形態では、第2領域P2のうち円弧部35aの全体及び第2平坦部35cの全体に撥油性被膜4が形成されている。なお、撥油性被膜4は、円弧部35aの一部のみ、及び/又は第2平坦部35cの一部のみに形成されていてもよい。また、撥油性被膜4は、テーパ部35dの全体または一部に形成されていてもよいし、第3平坦部35eの全体または一部に形成されていてもよい。
上記第1領域P1及び第2領域P2に形成される撥油性被膜4は、当該撥油性被膜4に対する潤滑油の接触角θ1(図5(A)参照)が下記の関係式を満たすものを用いるのが好ましい。
θ1≧θ2+45
ここで、θ2は、撥油性被膜4を形成する前の第1領域P1(第2領域P2)に対する潤滑油の接触角である(図5(B)参照)。本実施形態では、撥油性被膜4としてフッ素系のコーティング剤が用いられている。
以上の構成を備えている軸受装置(図1参照)によれば、軸受部20の給油が必要である給油領域Tに対して給油ユニット40のポンプ43が潤滑油3を油滴として飛ばすことにより、この給油領域Tに対して効率よく潤滑油3を供給することができる。また、内輪本体部31の第1領域P1及び外輪本体部35の第2領域P2に撥油性被膜4が形成されているので、内輪軌道溝25及び外輪軌道溝26に供給された潤滑油は、撥油性被膜4に弾かれることで軸受外部へ流出しにくくなる。これにより、内輪軌道溝25及び外輪軌道溝26に潤滑油を長期間保持することができるので、これらの軌道溝25,26が潤滑不足となって焼き付きが発生するのを抑制することができる。
これにより、潤滑油3の過剰供給を防ぎ、潤滑油3による撹拌抵抗の増大を防ぐことが可能となり、また、潤滑油3の消費を抑えてタンク42の潤滑油3の無駄使いを防ぐことが可能となる。このため、給油ユニット40のタンク42への潤滑油3の補充のメンテナンスの間隔を長くすることが可能となる。この結果、この軸受装置10を備えている工作機械では、メンテナンスのために運転を停止する頻度が少なくなり、生産効率の低下を抑えることができる。また、保持器24の外周面が摺接する案内面(第1平坦部35b)に撥油性被膜が形成されることはないので、上記案内面において潤滑不足による焼き付きが発生するのを抑制することができる。
なお、軸受部20に対して潤滑油3が過剰に供給されると、その潤滑油3によって軸受回転の際の撹拌抵抗が増大し、温度が上昇して潤滑油3が劣化しやすくなるが、本実施形態では潤滑油3の過剰供給が防止されることで、撹拌抵抗の増大を防ぎ、温度上昇による潤滑油3の劣化を抑えることが可能となる。
更に、本実施形態の軸受装置10では、給油領域Tに向かって飛ばす潤滑油3を0.5〜1000ピコリットルの油滴とすることで、ポンプ43の出力(動力)は小さくて済む。仮に、潤滑油3を、従来のような数マイクロリットル〜数十ナノリットル程度の油滴として給油領域Tへ、所定の初速を有して直接的に飛ばそうとすると、高出力を有するポンプ43が必要となり、第2の環状空間12へ収納可能とする大きさまで小型化することは困難である。これに対して、本実施形態では、給油領域Tに与える潤滑油3を1000ピコリットル以下の油滴とすることから、ポンプ43の小型化が可能となって、第2の環状空間12にポンプ43を組み込みやすくなる。
また、内輪21が軸7と共に回転すると、第1の環状空間11には、玉23及び保持器24の回転方向と同方向のエアの流れが発生する。そこで、本実施形態では、噴出口50の開口50aを第1の環状空間11の外に位置させている。これにより、この開口50aから噴出させる油滴にとって、第1の環状空間11に発生しているエアの流れの影響を受けにくくすることができ、標的とする給油領域Tに油滴を直接的に供給することが可能となる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の軸受装置10は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、前記実施形態では、軸受部20がアンギュラ玉軸受である場合について説明したが、軸受の形式はこれに限らず、深溝玉軸受であってもよく、また、円すい転がり軸受や、円筒ころ軸受であってよい。
また、前記実施形態では、外輪22の内周面により保持器24の回転を案内しているが、内輪21の外周面により保持器24の回転を案内してもよい。この場合、内輪本体部31の第2平坦部31bに保持器24の内周面が摺接するので、この第2平坦部31bは、撥油性被膜4が形成される第1領域P1から除外される。また、外輪本体部35の第1平坦部35bは、保持器24の回転を案内しないので、撥油性被膜4が形成される第2領域P2に含めてもよい。
また、保持器24は、転動体23により回転案内されるものであってもよい。この場合、外輪22の第1平坦部35bは、保持器24の回転を案内しないので、撥油性被膜4が形成される第2領域P2に含めてもよい。
また、前記実施形態では、内輪21が回転輪である場合について説明したが、外輪22が回転輪であり、内輪21が固定輪であってもよい。この場合、給油ユニット40を、固定輪側となる内輪延長部に取り付ければよい。
3:潤滑油、4:撥油性被膜、10:軸受装置、20:軸受部、21:内輪(回転輪)、22:外輪(固定輪)、23:玉(転動体)、24:保持器、25:内輪軌道溝(回転軌道面)、26:外輪軌道溝(固定軌道面)、35b 第1平坦部(案内面)、40:給油ユニット、42:タンク、43:ポンプ

Claims (2)

  1. 固定軌道面が周面に形成された固定輪、前記固定軌道面に対向する回転軌道面が周面に形成された回転輪、前記固定軌道面と前記回転軌道面との間に介在している複数の転動体、及び前記固定輪と前記回転輪との間に配置され前記複数の転動体を保持する保持器を有している軸受部と、
    前記軸受部の軸方向の隣に設けられ、前記固定軌道面及び前記回転軌道面のうち少なくとも一方の軌道面に潤滑油を供給するための給油ユニットと、を備え、
    前記給油ユニットは、潤滑油を溜めるタンクと、前記潤滑油を油滴として前記一方の軌道面に向かって飛ばすポンプと、を有し、
    前記固定輪の前記周面及び前記回転輪の前記周面において、前記固定軌道面及び前記回転軌道面を除く領域の少なくとも一部に、撥油性被膜が形成されている、軸受装置。
  2. 前記固定輪の前記周面又は前記回転輪の前記周面には、前記保持器の周面が摺接することで当該保持器の回転を案内する案内面が形成されており、
    前記撥油性被膜は、前記固定輪の前記周面及び前記回転輪の前記周面において、前記案内面をさらに除く領域の少なくとも一部に形成されている、請求項1に記載の軸受装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022176993A1 (ja) 2021-02-19 2022-08-25 日本精工株式会社 スラスト針状ころ軸受

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WO2022176993A1 (ja) 2021-02-19 2022-08-25 日本精工株式会社 スラスト針状ころ軸受

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