JP2020008107A - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】風防を有するポンプにおいて、ポンプの吐出口が吐出後の潤滑油によって覆われるのを防ぐ。【解決手段】転がり軸受装置10は、内輪21、外輪22、複数の玉23を有する軸受部10と、軸受部10の軸方向の隣りに設けられ軸受部10に向かって潤滑油を油滴として噴出するポンプ43とを備える。ポンプ43は、潤滑油を噴出する吐出口50と、吐出口50から噴出した油滴の通過領域を覆うと共に当該油滴の噴出方向に向かって開口する風防53とを有する。風防53のうちの少なくとも吐出口50側の領域にドレイン口54が設けられている。【選択図】 図1
Description
本発明は、軸受部に潤滑油を供給するポンプを備えた転がり軸受装置に関する。
近年、各種工作機械では、加工効率及び生産効率の向上のために主軸の高速化が要求されている。主軸が高速で回転すると、これを支持する軸受部において特に潤滑性が問題となる。そこで、軸受部に潤滑油を供給するポンプ(給油ユニット)が、軸受部の軸方向の隣りに設けられた転がり軸受装置が提案されている(特許文献1参照)。
軸受部(例えば、内輪)が回転すると、内輪の外周面とこの外周面に接する空気との摩擦によって、内輪の外周面に沿った周方向の空気流が発生する。この空気流は、内輪より軸方向の一方側の空間、及び、内輪より軸方向の他方側の空間から、この空気流の中又は内側の空間に潤滑油を入れようとしても入るのを抑制する壁となる。また、転動体と共に公転する保持器の内周面及び外周面とこの内周面及び外周面にそれぞれ接する空気との摩擦によって、保持器の内周面及び/又は保持器の外周面に沿った周方向の空気流が発生する。この空気流は、保持器より軸方向の一方側の空間、及び、保持器より軸方向の他方側の空間から、この空気流の中又は内側の空間に潤滑油を入れようとしても入るのを抑制する壁となる。これらの空気流が所謂エアカーテンと呼ばれるものである。このため、軸受部の軸方向の隣りに設けられたポンプから例えば内輪の軌道に向かって油滴を飛ばすと、回転するエアの流れ(前記空気流:エアカーテン)によって、その油滴は所望の部位に到達しない場合がある。そこで、特許文献1に開示されている発明では、ポンプから噴出させた油滴の通過領域を覆う筒状の風防が設けられている。
図10は、ポンプ90が微小な油滴99を吐出した状態を示す説明図である。ポンプ90の吐出口91から潤滑油を油滴99として噴出すると、先頭の油滴99のあとに、潤滑油が糸状となった部分98(以下、サテライト油98と称する。)が形成される場合がある。サテライト油98は、先頭の油滴99から分離され、粘性によってポンプ90側へ戻る。
特許文献1のように、ポンプ90に筒状の風防95を設けると、サテライト油98が風防95の内面96に付着して残ることがある。残った潤滑油は、やがて内面96を伝って、吐出口91が開口するポンプ本体93の壁面94に到達する。このような潤滑油が増えると吐出口91を塞ぐことがあり、この場合、後に潤滑油を吐出口91から吐出する際に障害となり、潤滑油の吐出不良となる可能性がある。
そこで、本発明は、風防を有するポンプにおいて、吐出後の潤滑油によって吐出口が覆われるのを防ぐことが可能となる転がり軸受装置を提供する。
本発明の転がり軸受装置は、内輪、外輪、及び前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体を有する軸受部と、前記軸受部の軸方向の隣りに設けられ当該軸受部に向かって潤滑油を油滴として噴出するポンプと、を備え、前記ポンプは、潤滑油を噴出する吐出口と、当該吐出口から噴出した油滴の通過領域を覆うと共に当該油滴の噴出方向に向かって開口する風防と、を有し、前記風防のうちの少なくとも吐出口側の領域にドレイン口が設けられている。
この転がり軸受装置によれば、風防の内面に潤滑油が付着したとしても、その潤滑油はドレイン口から風防の外部へ排出される。このため、ポンプの吐出口が吐出後の潤滑油によって覆われるのを防ぐことが可能となる。
また、前記ドレイン口は鉛直下方に向かって開口しているのが好ましい。この場合、潤滑油は重力によってドレイン口から排出される。
また、この転がり軸受装置において、前記ドレイン口は、前記風防の全長にわたって設けられているのが好ましい。この場合、例えばサテライト油が重力の影響を受けて放物線を描くように飛翔しても、風防の内面に潤滑油が付着し難い。
また、この転がり軸受装置において、前記ドレイン口は、前記風防の全長にわたって設けられているのが好ましい。この場合、例えばサテライト油が重力の影響を受けて放物線を描くように飛翔しても、風防の内面に潤滑油が付着し難い。
また、前記ポンプは、前記吐出口が開口する壁面を有するポンプ本体を備え、前記ポンプは、更に、前記風防と一体であり前記壁面のうちの前記吐出口を除く一部を覆って前記ポンプ本体に取り付けられているフランジ部を有し、前記フランジ部は、前記壁面のうちの前記吐出口の下方領域を露出させる形状を有するのが好ましい。この場合、フランジ部によって風防がポンプ本体に取り付けられる。吐出口が開口するポンプ本体の壁面のうち、風防の内側であって前記吐出口が開口する領域に潤滑油が付着したとしても、その潤滑油は壁面に沿って下方へ流れることができ、潤滑油が風防内で留まって吐出口を塞ぐのを防ぐことが可能となる。
本発明によれば、軸受部の回転によって発生するエアの流れが、ポンプから飛翔する油滴に与える影響を小さくすることができ、更に、ポンプの吐出口が吐出後の潤滑油によって覆われるのを防ぐことが可能となる。
〔全体構成について〕
図1は、転がり軸受装置の一例を示す断面図である。図1に示す転がり軸受装置10(以下、軸受装置10と称する。)は、図示しないが、工作機械が有する主軸装置の主軸(軸)を回転可能に支持するものであり、主軸装置の軸受ハウジング内に収容される。なお、この軸受装置10は工作機械以外においても適用可能である。
図1は、転がり軸受装置の一例を示す断面図である。図1に示す転がり軸受装置10(以下、軸受装置10と称する。)は、図示しないが、工作機械が有する主軸装置の主軸(軸)を回転可能に支持するものであり、主軸装置の軸受ハウジング内に収容される。なお、この軸受装置10は工作機械以外においても適用可能である。
軸受装置10は、軸受部20と給油ユニット40とを備えている。軸受部20は、内輪21、外輪22、複数の玉(転動体)23、及び、これら複数の玉23を保持する保持器24を有しており、玉軸受(転がり軸受)を構成している。更に、軸受装置10は、円筒状である内輪間座17及び外輪間座18を備えている。本実施形態では、内輪21及び内輪間座17が前記主軸と一体回転する。
軸受部20の中心線Cに沿った方向を軸受部20の「軸方向」とし、ここでは、中心線Cに平行な方向も「軸方向」に含まれるものとする。また、図1において、右側が、軸受部20の軸方向の一方側であり、これを「軸方向一方側」と称し、左側が、軸受部20の軸方向の他方側であり、これを「軸方向他方側」と称する。中心線Cに直交する方向が「径方向」であり、中心線Cを中心として軸受部20が回転する方向を「周方向」と称する。
給油ユニット40は、全体として円環状であり、外輪間座18の内周側に設けられている。給油ユニット40は、軸受部20の軸方向一方側の隣りに位置している。給油ユニット40は、軸受部20へ給油を行うポンプ43等を有する。給油ユニット40の構成等については後に説明する。図1の形態では、給油ユニット40が有する後述の本体部41と外輪間座18とは別部材であるが、これらは同一部材により構成されていてもよい。
内輪21は、前記主軸に外嵌する円筒状の部材であり、その外周に軌道(以下、内輪軌道25と称する。)が形成されている。本実施形態では、内輪21の軸方向一方側の肩部31の外周面31aは、肩おとし面となっている。内輪21と内輪間座17とは別部材であるが、図示しないが、これらは同一部材により構成されていてもよい。
外輪22は、前記軸受ハウジングの内周面に取り付けられる円筒状の部材であり、その内周に軌道(以下、外輪軌道26と称する。)が形成されている。外輪22と外輪間座18とは別部材であるが、図示しないが、これらは同一部材により構成されていてもよい。
玉23は、内輪21と外輪22との間に介在しており、内輪21が回転すると、内輪軌道25及び外輪軌道26を転がる。本実施形態では、玉23は接触角を有して内輪軌道25及び外輪軌道26に接触する。保持器24は、環状であり、周方向に沿ってポケット27が複数形成されている。玉23及び保持器24は、内輪21と外輪22との間に形成されている環状空間11に設けられている。保持器24は、全体として環状であり、玉23の軸方向一方側の環状体28aと、玉23の軸方向他方側の環状体28bと、これら環状体28a,28bを連結する複数の柱29とを有する。環状体28a,28bの間であって周方向で隣り合う柱29,29の間がポケット27となり、各ポケット27に一つの玉23が収容されている。保持器24において、軸方向一方側の環状体28aが外輪22の肩部39と摺接可能である。これにより、保持器24は外輪22によって径方向についての位置決めがされる。つまり、軸受部20は、保持器24が外輪案内(軌道輪案内)される軸受である。
図2は、給油ユニット40を軸方向から見た図である。給油ユニット40は、ポンプ43の他に、タンク42、制御部44、及び電源部45を備える。本実施形態では、タンク42、ポンプ43、制御部44、及び電源部45は、給油ユニット40が有している環状の本体部41に設けられている。タンク42は、潤滑油(オイル)を溜め、潤滑油をポンプ43へ補給するために配管46を通じてポンプ43と繋がっている。電源部45は、ポンプ43の動作用の電力を供給する。制御部44は、ポンプ43を動作させるタイミングを制御する。
本体部41は、外輪間座18の内周側に取り付けられていて、ポンプ43等を保持するフレームとしての機能を有する。本体部41は円環状の部材であるが中空空間が形成されており、この中空空間にタンク42、ポンプ43、制御部44、及び電源部45が設けられる。これにより、本体部41、タンク42、ポンプ43、制御部44、及び電源部45を含む給油ユニット40は、一体として構成される。
ポンプ43は、内部に圧電素子(ピエゾ素子)43aを有する。圧電素子43aが動作することでポンプ43の油室(内部空間)43bの容積を変化させ、油室43bの潤滑油を吐出口50から噴出する。吐出口50は、油室43bと繋がっており、図1に示されるように、内輪21の外周面の一部に向かって開口している。本実施形態では、吐出口50は内輪軌道25に向かって開口している。吐出口50は、ポンプ本体47の壁部49に形成されている微小の貫通孔によって構成されている。圧電素子43aが動作することにより、吐出口50から潤滑油が油滴となって初速を有して吐出される。つまり、例えば印刷技術で用いられるインクジェットのヘッドに形成されている吐出口からインクが吐出されるように、ポンプ43の吐出口50から油滴は飛翔する。図1では、油滴の噴出方向が矢印Jで示されている。
以上より、ポンプ43は(図1参照)軸受部20の軸方向一方側の隣りに設けられていて、軸受部20(内輪21の外周面)に向かって潤滑油を油滴として噴出する。より具体的に説明すると、ポンプ43は、油室43bの潤滑油を吐出口50から油滴として軸受部20のターゲットに向けて噴出させる(飛翔させる)構成となる。本実施形態における前記ターゲットは、内輪軌道25である。潤滑油の効率的利用の観点から、ポンプ43において1回の吐出動作で定められた量の油滴を噴出させ、この油滴を内輪21の外周面に到達させる。ポンプ43の1回の動作で、吐出口50から数ピコリットル〜数ナノリットルの潤滑油が油滴として噴出される。
〔ポンプ43について〕
図2に示される形態では、ポンプ43は、給油ユニット40(本体部41)において、下側の領域に設けられている。具体的に説明すると、ポンプ43は、給油ユニット40(本体部41)において、最も低い位置(最も下)に設けられている。なお、図示しないが、ポンプ43の位置は、上側の領域、又は、給油ユニット40を中心線Cに沿って見た場合に、左右いずれかの領域であってもよい。
図2に示される形態では、ポンプ43は、給油ユニット40(本体部41)において、下側の領域に設けられている。具体的に説明すると、ポンプ43は、給油ユニット40(本体部41)において、最も低い位置(最も下)に設けられている。なお、図示しないが、ポンプ43の位置は、上側の領域、又は、給油ユニット40を中心線Cに沿って見た場合に、左右いずれかの領域であってもよい。
図1及び図2において、ポンプ43は、圧電素子43a及び油室43bを内部に有するポンプ本体47と、ポンプ本体47の外部に取り付けられたカバー51とを備える。カバー51はフランジ部52と風防53とを有する。図3は、ポンプ43の一部を拡大して示す側面図であり、カバー51が断面で示されている。図4は、ポンプ43の一部を拡大して示す斜視図である。図5は、図4のポンプ43を別の角度から見た場合の図である。
カバー51は、ポンプ本体47に止めねじ、接着等によって取り付けられている。フランジ部52は、ポンプ本体47のうち、吐出口50が開口する壁面48の一部を覆って取り付けられている。フランジ部52及び風防53は、吐出口50を開放するようにして設けられている。フランジ部52がポンプ本体47に取り付けられることで、風防53は所定の位置(吐出口50を開放する位置)に設けられる。図3において、吐出口50から噴出した油滴Qの軌跡が、二点鎖線による矢印Jで示される。風防53は、吐出口50から噴出した油滴Qの通過領域K1を覆うと共に、油滴Qの噴出方向(図3では左方向)に向かって開口している。風防53は、壁面48から油滴Qの飛翔方向に沿って直線的に長く延びて設けられている。風防53は、油滴の通過領域K1の上側半分よりも広い範囲を覆っている。
図3、図4、及び図5に示される風防53は、筒状ではなく、全長にわたって下側部分が開口する部材により構成されている。この開口が、風防53の内面53aに付着した不要な潤滑油を風防53の外へ排出するためのドレイン口54となる。例えば、吐出口50から潤滑油を油滴Qとして噴出すると、先頭の油滴Qの後に(図10により説明したような)潤滑油が糸状となった部分(以下、サテライト油と称する。)が形成される場合がある。サテライト油が生じても、そのサテライト油(潤滑油)は、ドレイン口54から落下して風防53の外に排出される。
ここで、図1において、内輪21が回転すると内輪21の外周面とこの外周面に接する空気との摩擦によって、内輪21の外周面に沿った周方向の空気流が発生する。この空気流は、内輪21より軸方向の一方側の空間、及び、内輪21より軸方向の他方側の空間から、この空気流の中又は内側の空間に潤滑油を入れようとしても入るのを抑制する壁となる。また、玉(転動体)23と共に公転する保持器24の内周面及び外周面とこの内周面及び外周面にそれぞれ接する空気との摩擦によって、保持器24の内周面及び/又は保持器24の外周面に沿った周方向の空気流が発生する。この空気流は、保持器24より軸方向の一方側の空間、及び、保持器24より軸方向の他方側の空間から、この空気流の中又は内側の空間に潤滑油を入れようとしても入るのを抑制する壁となる。これらの空気流が所謂エアカーテンと呼ばれるものである。つまり、内輪21が回転すると、環状空間11において保持器24の周囲でエアカーテンが発生する。そこで、風防53は、前記のようなエアの流れ(前記空気流:エアカーテン)が発生する領域に設けられる。より具体的に説明すると、風防53の先端53bは、保持器24の環状体28aの径方向内方の領域に位置する。前記のようなエアの流れが、ポンプ43から飛翔する油滴Q(図3参照)に与える影響を小さくするために、風防53は、前記通過領域K1を、その上側及び水平方向の両側の三方向から覆う。
図3、図4、及び図5において、フランジ部52は、吐出口50が開口するポンプ本体47の壁面48の一部を覆う板状の前壁52aを有する。ドレイン口54は風防53の全長にわたって形成されており、更に、図4及び図5に示されるように、ドレイン口54は、風防53に続いて、前記前壁52aについてもその厚さ方向に貫通している。このため、フランジ部52は、吐出口50が開口する壁面48のうち、吐出口50の下方領域の全体を露出させる形状を有する。
〔変形例〕
図6は、他の形態に係るポンプ43の一部を拡大して示す正面図である。図7は、図6のポンプ43の一部を拡大して示す側面図であり、カバー51については、図6のX2矢視における断面で示されている。図7において、吐出口50から噴出した油滴Qの軌跡が、二点鎖線による矢印Jで示される。図6及び図7に示されるポンプ43と、図3に示されるポンプ43とを比較すると、ポンプ本体47は同じであり、カバー51の形状が異なる。図6及び図7に示されるカバー51が有する風防53は、吐出口50から噴出した油滴Qの通過領域K1を覆うと共に、この油滴Qの噴出方向に向かって開口する筒形状を有する。
図6は、他の形態に係るポンプ43の一部を拡大して示す正面図である。図7は、図6のポンプ43の一部を拡大して示す側面図であり、カバー51については、図6のX2矢視における断面で示されている。図7において、吐出口50から噴出した油滴Qの軌跡が、二点鎖線による矢印Jで示される。図6及び図7に示されるポンプ43と、図3に示されるポンプ43とを比較すると、ポンプ本体47は同じであり、カバー51の形状が異なる。図6及び図7に示されるカバー51が有する風防53は、吐出口50から噴出した油滴Qの通過領域K1を覆うと共に、この油滴Qの噴出方向に向かって開口する筒形状を有する。
図8は、図7の風防53のX1矢視における断面図である。風防53について更に説明すると、風防53は、円筒状の壁55を有し、この壁55の一部に孔が形成されている。この孔が第一のドレイン口54aとなる。風防53において第一のドレイン口54aと延在方向について別の位置に第二のドレイン口54bが形成されている。風防53の延在方向に沿って見た場合に、第一のドレイン口54aと第二のドレイン口54bとは同じ位置にある。第一のドレイン口54aと第二のドレイン口54bとは同じ形状である。図7において、ポンプ本体47に近い側の第一のドレイン口54aと、ポンプ本体47に遠い側の第二のドレイン口54bとが、円筒状の壁55に形成されている。これらドレイン口54a,54bはいずれも鉛直下方に向かって開口している。なお、ドレイン口54は一つであってもよく、例えば、第二のドレイン口54bが省略されていてもよい。図3の形態と同様、風防53の先端53bは、保持器24の環状体28aの径方向内方の領域に位置する。
図9は、風防53の変形例を示す断面図である。円筒状の壁55を有する風防53において、壁55の周方向の複数箇所(図例では二箇所)にドレイン口54が設けられていてもよい。ただし、ドレイン口54の開口方向、つまり、ドレイン口54を構成する孔の中心線C1に沿って風防53の内側から外側へ向かう方向は、鉛直下向きの成分を有している。
図6及び図7において、フランジ部52は、図3に示される形態と異なるが機能は同じである。フランジ部52は、ポンプ本体47のうち、吐出口50が開口する壁面48の一部を覆って取り付けられている。図6に示されるように、フランジ部52の前壁52aには切り欠き56が設けられている。切り欠き56は、前壁52aうち、吐出口50の下方領域に相当する範囲に形成されている。これにより、フランジ部52は、吐出口50が開口する壁面48のうち、吐出口50の下方領域の全体を露出させる形状を有する。図7に示されるように、第一のドレイン口54aと切り欠き56とは連続していて、風防53の内側であって壁面48付近の潤滑油は、第一のドレイン口54aから外部へ排出可能であり、切り欠き56からも排出可能となる。
〔本実施形態の軸受装置10について〕
本実施形態の軸受装置10は(図1参照)ポンプ43を備えていて、ポンプ43は、軸受部20の軸方向の隣りに設けられ、軸受部20に向かって潤滑油を油滴として噴出する。図3及び図7の各形態において、ポンプ43は、風防53を有し、風防53は、潤滑油を噴出する吐出口50から噴出した油滴Qの通過領域K1を覆うと共に、油滴Qの噴出方向に向かって開口している。この風防53のうちの少なくとも吐出口50側(ポンプ本体47側)の領域にドレイン口54が設けられている。このため、風防53の内面53aに潤滑油が付着したとしても、その潤滑油はドレイン口54から風防53の外部へ排出される。よって、不要な潤滑油は、吐出口50が開口する壁面48に到達せず、吐出口50が吐出後の潤滑油によって覆われるのを防ぐことが可能となる。この結果、従来のように吐出口を覆った潤滑油が障害となることがなく、潤滑油の吐出不良が発生しない。
本実施形態の軸受装置10は(図1参照)ポンプ43を備えていて、ポンプ43は、軸受部20の軸方向の隣りに設けられ、軸受部20に向かって潤滑油を油滴として噴出する。図3及び図7の各形態において、ポンプ43は、風防53を有し、風防53は、潤滑油を噴出する吐出口50から噴出した油滴Qの通過領域K1を覆うと共に、油滴Qの噴出方向に向かって開口している。この風防53のうちの少なくとも吐出口50側(ポンプ本体47側)の領域にドレイン口54が設けられている。このため、風防53の内面53aに潤滑油が付着したとしても、その潤滑油はドレイン口54から風防53の外部へ排出される。よって、不要な潤滑油は、吐出口50が開口する壁面48に到達せず、吐出口50が吐出後の潤滑油によって覆われるのを防ぐことが可能となる。この結果、従来のように吐出口を覆った潤滑油が障害となることがなく、潤滑油の吐出不良が発生しない。
前記各形態では、ドレイン口54は鉛直下方に向かって開口している。このため、潤滑油は重力によってドレイン口54から勝手に排出される。図3に示される形態では、ドレイン口54は、風防53の全長にわたって設けられている。このため、例えば前記サテライト油が重力の影響を受けて放物線を描くように飛翔しても、風防53の内面53aに潤滑油が付着し難い。さらに、潤滑油の吐出の後、サテライト油が吐出口50側に戻ろうとしても、その速度は油滴Qを吐出する際の速度よりも小さい。ドレイン口54が風防53の全長にわたって設けられていることから、吐出口50側に戻ろうとするサテライト油は、ドレイン口54から落下することができ、吐出口50の周囲に付着するのを防ぐことが可能となる。
前記各形態の軸受装置10では(図3及び図7参照)、カバー51は、風防53の他にフランジ部52を有する。フランジ部52は、風防53と一体であり、吐出口50が開口する壁面48のうち、吐出口50を除く一部を覆ってポンプ本体47に取り付けられている。つまり、フランジ部52によって風防53がポンプ本体47に取り付けられている。そして、図5及び図6に示されるように、フランジ部52は、前記壁面48のうちの吐出口50の下方領域を露出させる形状を有している。図6の形態の場合、フランジ部52は、前記壁面48のうちの吐出口50の下方領域を露出させる切り欠き56を有している。この構成により、壁面48のうち、風防53の内側であって吐出口50が開口する領域に潤滑油が付着したとしても、その潤滑油は壁面48に沿って下方へ流れることができる。よって、潤滑油が風防53内で留まって吐出口50を塞ぐのを防ぐことが可能となる。
〔その他〕
前記実施形態では、軸受部20がアンギュラ玉軸受である場合について説明したが、軸受の形式はこれに限らず、深溝玉軸受であってもよく、また、円すい転がり軸受や、円筒ころ軸受であってよい。前記実施形態では、外輪22に対して内輪21が回転する場合について説明したが、内輪21に対して外輪22が回転する軸受部20であってもよい。
前記実施形態では、軸受部20がアンギュラ玉軸受である場合について説明したが、軸受の形式はこれに限らず、深溝玉軸受であってもよく、また、円すい転がり軸受や、円筒ころ軸受であってよい。前記実施形態では、外輪22に対して内輪21が回転する場合について説明したが、内輪21に対して外輪22が回転する軸受部20であってもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
10:軸受装置 20:軸受部 21:内輪
22:外輪 23:玉(転動体) 43:ポンプ
47:ポンプ本体 48:壁面 50:吐出口
51:カバー 52:フランジ部 53:風防
54:ドレイン口 K1:通過領域
22:外輪 23:玉(転動体) 43:ポンプ
47:ポンプ本体 48:壁面 50:吐出口
51:カバー 52:フランジ部 53:風防
54:ドレイン口 K1:通過領域
Claims (4)
- 内輪、外輪、及び前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体を有する軸受部と、
前記軸受部の軸方向の隣りに設けられ当該軸受部に向かって潤滑油を油滴として噴出するポンプと、を備え、
前記ポンプは、潤滑油を噴出する吐出口と、当該吐出口から噴出した油滴の通過領域を覆うと共に当該油滴の噴出方向に向かって開口する風防と、を有し、
前記風防のうちの少なくとも吐出口側の領域にドレイン口が設けられている、
転がり軸受装置。 - 前記ドレイン口は鉛直下方に向かって開口している、請求項1に記載の転がり軸受装置。
- 前記ドレイン口は、前記風防の全長にわたって設けられている、請求項2に記載の転がり軸受装置。
- 前記ポンプは、前記吐出口が開口する壁面を有するポンプ本体を備え、
前記ポンプは、更に、前記風防と一体であり前記壁面のうちの前記吐出口を除く一部を覆って前記ポンプ本体に取り付けられているフランジ部を有し、
前記フランジ部は、前記壁面のうちの前記吐出口の下方領域を露出させる形状を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018130590A JP2020008107A (ja) | 2018-07-10 | 2018-07-10 | 転がり軸受装置 |
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JP2018130590A JP2020008107A (ja) | 2018-07-10 | 2018-07-10 | 転がり軸受装置 |
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2018
- 2018-07-10 JP JP2018130590A patent/JP2020008107A/ja active Pending
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