JP2017214681A - ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度に優れたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を安定して製造できる、操業性に優れる製造方法の提供。
【解決手段】紡糸温度を高くすることで流動性を確保し、斑が少なく均一な繊維構造とすることで、機械的強度に優れたポリフェニレンスルフィド繊維を安定して製造する方法。具体的には、重量平均分子量が40,000以上のポリフェニレンスルフィド樹脂を340〜400℃の温度条件下で溶融紡糸し、得られた未延伸糸を、以下の条件で2段延伸及び熱セットするポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍、B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍、C.熱セット温度:200℃〜260℃
【選択図】なし
【解決手段】紡糸温度を高くすることで流動性を確保し、斑が少なく均一な繊維構造とすることで、機械的強度に優れたポリフェニレンスルフィド繊維を安定して製造する方法。具体的には、重量平均分子量が40,000以上のポリフェニレンスルフィド樹脂を340〜400℃の温度条件下で溶融紡糸し、得られた未延伸糸を、以下の条件で2段延伸及び熱セットするポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍、B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍、C.熱セット温度:200℃〜260℃
【選択図】なし
Description
本発明は、機械的強度に優れたポリフェニレンスルフィド繊維の操業性に優れた製造方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略す)は高い耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、難燃性を有することから、過酷な環境下で使用される高性能エンジニアリングプラスチックとして知られている。繊維の分野においては、各種フィルター、電気絶縁材、抄紙カンバスなどの産業資材用途に広く展開されており、機械的強度に優れていることが重要な要求特性のひとつである。
従来、PPS繊維の機械的強度を向上させるために種々の提案がなされている。たとえば、重量平均分子量50,000以上80,000以下のPPS樹脂を、280℃以上340℃以下で溶融紡糸し、500m/分以上5,000m/分以下の引取速度で未延伸糸を採取し、次いで未延伸糸を2倍以上4倍以下で熱延伸し、190℃以上270℃以下で4秒以上12秒以下にて定長熱処理を行う技術(特許文献1)、およびPPSを溶融紡糸して未延伸糸を採取し、次いで未延伸糸を3倍以上4倍以下で熱延伸し、温度180℃以上で4秒間以上の定長熱処理を行う技術(特許文献2)が提案されている。しかし特許文献1、2記載の技術は1段延伸であり、高倍率延伸を行う際に糸切れ(単糸切れ含む)が起こり、操業性が低下する課題があった。なお特許文献1、2において紡糸温度に関し340℃を超えるような高温紡糸の効果についての技術的な示唆は見られない。
また、PPS樹脂を溶融紡糸し、付着油分量が0.1〜1重量%となるように水系エマルジョン油剤で糸条を処理して引き取った後、一旦巻き取ることなく総合延伸倍率3.8〜4.5倍で延伸する技術(特許文献3)が提案されている。特許文献3においては、第2段目延伸倍率は1.05〜1.3倍が好ましい記載があり、2段延伸の効果の記載もある。しかし特許文献3においても実施例における2段延伸の最も高い倍率は実施例8の1.147倍であり、実質的な2段目の高倍率延伸は達成できておらず、やはり1段目の高倍率延伸による糸切れ(単糸切れ含む)の課題があった。なお特許文献3においては好ましい紡糸温度として300〜320℃が記載されており、やはり340℃を超えるような高温紡糸の効果についての技術的な示唆は見られない。
本発明では、機械的強度に優れたPPS繊維を安定して提供できる、操業性に優れる製造方法を提供することを課題とする。
前記した本発明の課題は以下の手段により達成される。
重量平均分子量が40,000以上のポリフェニレンスルフィド樹脂を340℃以上400℃以下の紡糸温度で溶融紡糸した後、下記条件にて2段延伸し、次いで熱セットすることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍
B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍
C.熱セット温度:200℃〜260℃
重量平均分子量が40,000以上のポリフェニレンスルフィド樹脂を340℃以上400℃以下の紡糸温度で溶融紡糸した後、下記条件にて2段延伸し、次いで熱セットすることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍
B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍
C.熱セット温度:200℃〜260℃
本発明のPPS繊維の製造方法により機械的強度に優れたPPS繊維を、優れた操業性で安定して提供できる。
以下、本発明のPPS繊維の製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるPPSは、主たる繰返し単位として、構造式(1)で示されるp−フェニレンスルフィド単位や、m−フェニレンスルフィド単位などのフェニレンスルフィド単位にて構成されるポリマーである。
本発明におけるPPSは、主たる繰返し単位として、構造式(1)で示されるp−フェニレンスルフィド単位や、m−フェニレンスルフィド単位などのフェニレンスルフィド単位にて構成されるポリマーである。
耐熱性の観点から、構造式(1)で示される繰り返し単位を70モル%以上、更には90モル%以上含む重合体が好ましい。
本発明に用いるPPSの分子量は、重量平均分子量が40,000以上である。重量平均分子量を40,000以上とすることにより強度や弾性率などの機械的物性が良好となることに加え、紡糸での糸切れの抑制、高倍率2段延伸での糸切れを抑制できる。重量平均分子量は高いほど、強度は向上し、製糸性は良好となる傾向にあることから45,000以上が好ましく、50,000以上がより好ましい。重量平均分子量の上限は、紡糸に好適な溶融粘度を確保し、優れた曳糸性を得るために、200,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましい。なお、本発明における重量平均分子量とは、実施例記載の方法により求めた値を指す。
本発明に用いるPPSの340℃におけるゼロせん断粘度は130Pa.s以上が好ましく、200Pa.s以上がより好ましい。ゼロせん断粘度が130Pa.s以上であるPPSを用いることで強度や弾性率などの機械的物性が良好となることに加え、紡糸での糸切れの抑制、高倍率2段延伸での糸切れを抑制できる。ゼロせん断粘度の上限は、紡糸に好適な溶融粘度を確保し、優れた曳糸性を得るために、350Pa.s以下が好ましい。なお、本発明における重量平均分子量とは、実施例記載の方法により求めた値を指す。
本発明に用いるPPSの316℃におけるメルトフローレート(以下、MFRと略す)は30g/10min以上が好ましく、50g/10min以上がより好ましい。MFRが30g/10min以上であるPPSを用いることで強度や弾性率などの機械的物性が良好となることに加え、紡糸での糸切れの抑制、高倍率2段延伸での糸切れを抑制できる。MFRの上限は、紡糸に好適な溶融粘度を確保し、優れた曳糸性を得るために、600g/10min以下が好ましい。
本発明に用いるPPSのアルカリ金属含有量は、300ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましく、50ppm以下がさらに好ましい。アルカリ金属含有量が300ppm以下である場合、紡糸時の糸切れが抑制される傾向にあり、また電気絶縁性能が要求される用途における信頼性が向上する。ここで、本発明におけるPPSのアルカリ金属含有量とは、例えばPPSを電気炉等にて焼成した残渣である灰分中のアルカリ金属量から算出される値であり、該灰分をイオンクロマト法や原子吸光法により分析することで定量することができる。
また、本発明に用いるPPSは実質的に塩素以外のハロゲンを含まないことが好ましい。本発明のPPSがハロゲンとして塩素を含む場合、PPS繊維が通常使用される温度領域においては安定であるために塩素を少量含んでいても機械的物性に対する影響が小さいが、塩素以外のハロゲンを含む場合、それらの特異な性質がPPS繊維の機械的物性を低下させる傾向にある。
本発明のPPSがハロゲンとして塩素を含む場合、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、200ppm以下がさらに好ましい。PPSに含まれる塩素が1000ppm以下の場合、製糸性や得られた繊維の機械的物性に与える影響が小さく好適である。
また、本発明のPPSは、加熱した際のラクトン型化合物及び/またはアニリン型化合物の発生量が少ないことが好ましい。ここでラクトン型化合物とは、例えばβプロピオラクトン、βブチロラクトン、βペンタノラクトン、βヘキサノラクトン、βヘプタノラクトン、βオクタノラクトン、βノナラクトン、βデカラクトン、γブチロラクトン、γバレロラクトン、γペンタノラクトン、γヘキサノラクトン、γヘプタノラクトン、γオクタラクトン、γノナラクトン、γデカラクトン、δペンタノラクトン、δヘキサノラクトン、δヘプタノラクトン、δオクタノラクトン、δノナラクトン、δデカラクトンなどが例示でき、また、アニリン型化合物とは、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリン、N−メチル−N−エチルアニリン、4−クロロ−アニリン、4−クロロ−N−メチルアニリン、4−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、4−クロロ−N−エチルアニリン、4−クロロ−N−メチル−N−エチルアニリン、3−クロロ−アニリン、3−クロロ−N−メチルアニリン、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、3−クロロ−N−エチルアニリン、3−クロロ−N−メチル−N−エチルアニリンなどが例示できる。
加熱した際のラクトン型化合物及び/またはアニリン型化合物の発生は、溶融紡糸時の生産安定性(糸切れ)を悪化させることのみならず周辺環境の汚染の要因にもなるため、できるだけ少なくすることが望まれている。加熱を行う前のPPS重量基準におけるラクトン型化合物の発生量は、100ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、30ppm以下がさらに好ましい。同様にアニリン型化合物の発生量は100ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、30ppm以下がさらに好ましい。該化合物の発生量が100ppmを超えた場合、紡糸工程において口金汚れが発生し製糸性が著しく悪化する。なお、PPSを加熱した際のラクトン型化合物及び/またはアニリン型化合物の発生量を評価する方法としては、非酸化性雰囲気下320℃で60分処理した際の発生ガスをガスクロマトグラフィーを用いて成分分割して定量する方法が例示できる。
本発明に用いるPPSの製造方法としては、(1)N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)などの有機アミド溶媒中で硫化ナトリウムなどのアルカリ金属硫化物とp−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物とを反応させPPSを得る方法や、(2)NMPなどの有機アミド溶媒中で硫化ナトリウムなどのアルカリ金属硫化物とp−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物とを加熱し重合した後、220℃以下に冷却して得られた、少なくとも顆粒状のPPSと顆粒状のPPS以外のPPS混合物、有機極性溶媒、水、およびハロゲン化アルカリ金属塩を含む反応液から顆粒状のPPSを取り除いた際に得られる回収スラリーからPPSを得る方法、さらには(3)特開2008−202164号公報に記載されているように、環式PPS化合物を溶融加熱してPPSを得る方法が挙げられる。
本発明におけるPPSは溶融紡糸に供する前に乾燥することが水分混入による発泡を抑え、製糸性を高めるうえで好ましい。また真空乾燥を行うことで、PPSポリマーに残存する低沸点モノマーも除去できるため、製糸性をさらに高めることができ、より好ましい。乾燥条件としては100〜200℃にて、8〜24時間の真空乾燥が通常用いられる。
溶融紡糸においては、プレッシャーメルタ型、単軸・2軸エクストルーダー型などの紡糸機を用いた公知の溶融紡糸手法を適用することができるが、滞留時間を少なくするためにエクストルーダー型の押出機を用いることが好ましい。押し出されたポリマーは配管を経由しギアーポンプなど公知の計量装置により計量され、異物除去のフィルターを通過した後、口金へと導かれる。
本発明において紡糸温度は340℃以上400℃以下とすることが重要である。本発明における紡糸温度とは口金を含む紡糸パックを加熱する部材の温度であり、スピンブロック温度のことを指す。
本発明においては重量平均分子量が40,000以上のPPS樹脂を用いて溶融紡糸を行うため、溶融粘度が高く、口金から吐出したポリマーの細化を時間的に安定させることが低粘度の樹脂に比べて困難となる。すなわち高分子量のPPS樹脂を従来技術のような320℃前後の紡糸温度で紡糸すると、繊維の長手方向の太さムラ(U%)が大きくなるとともに、ミクロな繊維構造の均一性も不十分となる。このような繊維を高倍率延伸すると繊維の細い部分、あるいは繊維構造が緻密で延伸されにくい部分で糸切れが生じるのである。
このため本発明においては紡糸温度を340℃以上として溶融粘度を低下させることで、口金から吐出した後の細化挙動を安定させ、長手方向の太さムラが小さく、かつミクロな繊維構造を均一化させることにより、高倍率延伸での糸切れを抑制でき、操業性を高めることができるのである。
紡糸温度は高いほど溶融粘度が低下し、均一性が向上するので、紡糸温度は345℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。紡糸温度が過度に高いと加熱された雰囲気の周期的な対流による雰囲気温度の変化に基づいて長手方向の太さムラが生じることから、紡糸温度は400℃以下であり、380℃以下がより好ましい。
吐出において使用する口金は、口金孔の孔径Dを0.10mm以上、0.40mm以下とすることが好ましい。また、口金孔のランド長L(口金孔の孔径と同一の直管部の長さ)を孔径で除した商で定義されるL/Dは、1.0以上、4.0以下が好ましい。また、1口金当たりの孔数は、製造効率の点から、20孔以上が好ましく用いられる。
口金孔から吐出した糸条は、気体もしくは液体により冷却固化させる必要がある。気体としては、空気や、窒素や酸素、水蒸気などの混合気体など、任意の気体を用いることができるが、取扱い性の点から空気が好ましい。冷却気体の温度は、冷却効率の観点から冷却風速とのバランスで決定すればよいが、繊度均一性の点から50℃以下であることが好ましい。また、冷却気体は糸条にほぼ垂直方向に流すことにより、糸条を冷却させる。その際、冷却風の速度は冷却効率および繊度均一性の点から5m/分以上が好ましく、製糸安定性の点から50m/分以下が好ましい。また、口金から20mm以上、500mm以内で冷却を開始し、冷却固化することが好ましい。20mm未満の距離で冷却を開始すると、口金表面温度が低下し吐出が不安定となることがあり、500mm以内で冷却を開始しない場合には、細化挙動の安定性が維持できず、安定した紡糸ができないことがある。また、液体としては、水やアルコール、有機溶媒など、任意の液体を用いることができるが、取り扱い性の点から水が好ましい。
口金孔から吐出した糸条は、冷却開始位置から500mm以上、7,000mm以内で収束させることが好ましい。冷却開始位置から収束位置までの距離が500mm未満の場合、固化する前に糸条が収束することがあり、単糸間融着の発生による物性低下や固化点の不安定化による繊維直径バラツキの増大につながる。7,000mm以内で収束させない場合には、紡糸張力増大により糸切れが発生しやすくなり紡糸安定性が低下する。
冷却固化された糸条は、一定速度で回転するローラー(ゴデットローラー)により引き取られる。引き取り速度は線形の均一性、生産性向上のため、300m/分以上が好ましく、糸切れを起こさないため4,000m/分以下が好ましい。
未延伸糸は、一旦巻き取ることなくそのまま延伸することもできるが、一旦巻き取った後、常温で30分以上保管することが好ましく、60分以上保管することが更に好ましい。常温で30分以上保管することにより、繊維構造の均一性が向上し、延伸での安定性が向上することから、延伸時の糸切れが減少するためである。
本発明に用いる未延伸糸の繊維ムラ(U%N)は2.0%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5%以下である。繊維ムラが2.0%以下の未延伸糸を用いることで延伸が均一となるため2段延伸での糸切れが抑制できる。なお、本発明における繊維ムラ(U%N)とは、実施例記載の方法により求めた値を指す。
本発明では、このようにして得られた未延伸糸に下記条件で2段延伸および熱セットを施すことが重要である。
A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍
B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍
C.熱セット温度:200℃〜260℃
本発明の課題は高強度PPS繊維の安定した提供であり、高強度PPS繊維を得るためには上述したように高分子量PPS樹脂を高温の紡糸温度で紡糸することがまず重要であり、これを高倍率で延伸し、分子配向を高めた後、高温で熱セットして結晶化度を高めることで高強度PPS繊維が得られる。この高倍率延伸での糸切れ抑制が課題解決には重要であり、本発明においては2段延伸を行うことで、1段高倍率延伸における延伸挙動の不安定に起因する糸切れを抑制する。すなわち、分子配向を高めるためには総延伸倍率を高くすることが有効であるが、これを2段階にすることで、繊維の急激な変形を抑えることができ、糸切れが抑制できるのである。なお、高分子量PPS樹脂の高温紡糸で得られた繊維であっても、1段で高倍率延伸を行うと糸切れは生じやすい傾向にある。
A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍
B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍
C.熱セット温度:200℃〜260℃
本発明の課題は高強度PPS繊維の安定した提供であり、高強度PPS繊維を得るためには上述したように高分子量PPS樹脂を高温の紡糸温度で紡糸することがまず重要であり、これを高倍率で延伸し、分子配向を高めた後、高温で熱セットして結晶化度を高めることで高強度PPS繊維が得られる。この高倍率延伸での糸切れ抑制が課題解決には重要であり、本発明においては2段延伸を行うことで、1段高倍率延伸における延伸挙動の不安定に起因する糸切れを抑制する。すなわち、分子配向を高めるためには総延伸倍率を高くすることが有効であるが、これを2段階にすることで、繊維の急激な変形を抑えることができ、糸切れが抑制できるのである。なお、高分子量PPS樹脂の高温紡糸で得られた繊維であっても、1段で高倍率延伸を行うと糸切れは生じやすい傾向にある。
さらに2段目の延伸倍率を1.11〜1.50倍と高めることで総延伸倍率を高くでき、高配向化を達成できるが、これは上述したように高分子量PPS樹脂の高温紡糸により、繊維の長手方向の太さムラが小さく、かつミクロな繊維構造が均一化しているため2段目の延伸倍率を高めても糸切れが抑制できるためである。
本発明における総延伸倍率は3.00倍以上5.00倍以下である。総延伸倍率を3.00倍以上とすることで強度等、優れた機械的特性を有した繊維を製造できる。総延伸倍率が高いほど強度は高くなるため、総延伸倍率は3.80倍以上が好ましい。総延伸倍率が過度に高いと延伸張力が高くなりすぎ、糸切れが発生することから総延伸倍率は5.00倍以下であり、4.50倍以下が好ましい。なお本発明における総延伸倍率とは、延伸される繊維が供給されるローラーの表面速度V0(m/分)と熱セット後に最初に通過するローラー表面速度(加熱ローラーでセットを行う場合には、加熱ローラーを出た後の最初のローラーの表面速度)Vf(m/分)の速度比Vf/V0で定義される。
本発明における2段目延伸倍率は1.11倍以上、1.50倍以下である。2段目延伸倍率を1.11倍以上とすることで強度等、優れた機械的特性を有した繊維を製造できる。2段目延伸倍率が高いほど強度は高くなるため、2段目延伸倍率は1.15倍以上が好ましい。2段目延伸倍率が過度に高いと延伸張力が高くなりすぎ、糸切れが発生することから2段目延伸倍率は1.50倍以下であり、1.40倍以下が好ましい。
なお本発明における2段目延伸倍率とは、1段目の延伸が終った繊維を引き取るローラーの表面速度V1(m/分)と熱セットに供するローラー表面速度(加熱ローラーでセットを行う場合にはそのローラーの表面速度)Vs(m/分)の速度比Vs/V1で定義される。すなわち本発明でいう2段延伸とは多数のローラーを用いた多段延伸も含むものであり、多段延伸の場合はその総合の倍率を指すものである。
また本発明で言う1段目の延伸の終了とは、延伸に供される繊維が1.5倍以上の延伸を施された後の状態を指す。延伸の手法として数%から30%程度のプレストレッチを先に与え、その後延伸する技術もあるが、このようなプレストレッチは1段目延伸とは扱わず、1.5倍以上の延伸が施された時点を1段目の延伸の終了とする。
本発明における1段目延伸および2段目延伸での延伸温度は80℃以上、150℃以下が好ましい。延伸温度を80℃以上とすることでガラス転移温度以上での延伸ができ、延伸点が安定し、糸切れを抑制できる。また延伸温度が過度に高いと結晶化が進行し、延伸性が悪くなり糸切れが起こるため、延伸温度は150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。なお、本発明で言う延伸温度とは、延伸を加熱ロール間で行う場合は、延伸される繊維を供給するロール(上流側のロール)の温度を指し、延伸をロール間の加熱流体中で行う場合は加熱流体の温度もしくは流体を加熱する加熱媒体の温度を指す。延伸をロール間の加熱流体中で行う場合の加熱流体は空気、水等が用いられる。
本発明においては、2段延伸を施した後、200℃以上、260℃以下の温度で熱セットを行う。200℃以上の高温で熱セットを行うことで結晶化度が向上し、強度が向上する。熱セット温度は高いほど強度が向上するため、220℃以上がより好ましい。熱セット温度が過度に高いと非晶配向の緩和により強度が低下し始めるため、260℃以下とする必要があり、250℃以下が好ましく、240℃以下がより好ましい。なお本発明における熱セット温度とは、熱セットを加熱ロールで行う場合はロールの温度を指し、熱セットをロール間の加熱流体中で行う場合は加熱流体の温度もしくは流体を加熱する加熱媒体の温度を指す。熱セットを加熱流体中で行う場合の加熱流体は空気、水蒸気等が用いられる。
本発明にて熱セットを施す時間は0.001秒以上が好ましい。熱セットの時間を0.001秒以上とすることで繊維の結晶化度が向上し強度が向上する。熱セットの時間は長いほど強度が向上することから、熱セットの時間は本発明においては0.01秒以上がより好ましい。熱セットの時間を長くするには設備を長大にする必要があるため、本発明での熱セットの時間の上限は10秒程度である。なお、本発明における熱セットを施す時間とは、熱セットを加熱ロールで行う場合は繊維が加熱ロールと接触している時間を指し、熱セットをロール間の加熱流体中で行う場合は繊維が加熱流体と接触している時間を指す。
熱セットにおいて、繊維は定長で処理されることが一般的であるが、本発明においては熱セットでの繊維の延伸倍率は0.80倍〜1.20倍の間で任意に設定できる。熱セットでの繊維の延伸倍率とは、リラックス率およびストレッチ率とも呼ばれるものであり、延伸倍率0.80倍とは20%リラックスに相当する。なお本発明における熱セットでの繊維の延伸倍率とは、熱セットに供するローラー表面速度(加熱ローラーでセットを行う場合にはそのローラーの表面速度)Vs(m/分)と熱セット後に最初に通過するローラー表面速度(加熱ローラーでセットを行う場合には、加熱ローラーを出た後の最初のローラーの表面速度)Vf(m/分)の速度比Vf/Vsで定義される。
本発明における延伸速度は5000m/分以下が好ましい。5000m/分以下とすることで延伸が均一となり糸切れが抑制できる。延伸速度は遅いほど延伸が均一となることから3000m/分以下がより好ましく、2000m/分以下がさらに好ましい。延伸速度が過度に遅いと生産性が低下するため、延伸速度の下限は100m/分である。なお延伸速度とは熱セット後に最初に通過するローラー表面速度(加熱ローラーでセットを行う場合には、加熱ローラーを出た後の最初のローラーの表面速度)Vf(m/分)を指す。
本発明の方法で得られるPPS繊維の単糸繊度は10.0dtex未満であることが好ましく、5.0dtex以下であることがより好ましく、4.0dtex以下であることがさらに好ましい。単糸繊度を10.0dtex未満とすることで柔軟性を有したしなやかな繊維となる。単糸繊度の下限は特に制限されないが、本発明において達し得る下限は0.5dtex程度である。
本発明の方法で得られるPPS繊維の伸度は40%未満であることが好ましく、35%以下がより好ましい。伸度が低いほど、分子鎖が繊維軸方向に高配向化していることを示しており、実使用時に繊維が塑性変形し難くなる。伸度の下限は、良好な取り扱い性および工程通過性を確保するため、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。
本発明の方法で得られるPPS繊維の強度は5.0cN/dtex以上が好ましく、5.5cN/dtex以上がより好ましく、5.8cN/dtex以上がさらに好ましい。強度が高いほど使用時の外力による糸切れが起こりにくく、例えば高張力下における使用が可能となり好適である。強度の上限は特に制限されないが、本発明において達し得る上限は8.0cN/dtex程度である。
本発明の方法で得られるPPS繊維の180℃乾熱収縮率は15.0%以下であることが好ましく、12.0%以下であることがさらに好ましい。180℃乾熱収縮率が低いほど熱寸法安定性が高いことを示しており、高温雰囲気で使用する用途において好適である。180℃乾熱収縮率の下限は特に制限されないが、本発明において達し得る下限は0.5%程度である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
A.重量平均分子量(Mw)
PPSポリマーおよびPPS繊維の重量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム名:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流量:1.0mL/min
試料注入量:300μL 。
PPSポリマーおよびPPS繊維の重量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム名:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流量:1.0mL/min
試料注入量:300μL 。
B.ゼロせん断粘度
UBM Reosol−G3000を用いて温度340℃にて測定した際の粘度カーブから、せん断速度をゼロに外挿したときの値をゼロせん断粘度とした。測定条件を以下に示す。
装置 :UBM Rheosol−G3000
測定モード :動的粘弾性測定(周波数依存)
冶具 :パラレルプレート
ギャップ :0.5mm
測定温度 :340℃
ひずみ γ :34.9%
角周波数ω :3.14×10−1〜6.28×10rad/sec 。
UBM Reosol−G3000を用いて温度340℃にて測定した際の粘度カーブから、せん断速度をゼロに外挿したときの値をゼロせん断粘度とした。測定条件を以下に示す。
装置 :UBM Rheosol−G3000
測定モード :動的粘弾性測定(周波数依存)
冶具 :パラレルプレート
ギャップ :0.5mm
測定温度 :340℃
ひずみ γ :34.9%
角周波数ω :3.14×10−1〜6.28×10rad/sec 。
C.メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238−82に準じ、測定温度316℃に加熱した樹脂を、荷重5kg
fで加圧し、10min間で溶融吐出される樹脂の質量を測定した時の値をMFRとした。
ASTM D1238−82に準じ、測定温度316℃に加熱した樹脂を、荷重5kg
fで加圧し、10min間で溶融吐出される樹脂の質量を測定した時の値をMFRとした。
D.PPSの加熱時発生ガス成分(ラクトン、アニリン型化合物発生量)
PPSを加熱した際に発生する成分の定量は以下の方法により行った。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
(a) 加熱時発生ガスの捕集
約10mgのPPSを窒素気流下(50ml/分)の320℃で60分間加熱し、発生したガス成分を大気捕集用加熱脱離用チューブcarbotrap400に捕集した。
(b) ガス成分の分析
上記チューブに捕集したガス成分を熱脱着装置TDU(Supelco社製)を用いて室温から280℃まで5分間で昇温することで熱脱離させた。熱脱離した成分を、ガスクロマトグラフィーを用いて成分分割して、ガス中のγブチロラクトン及び4−クロロ−N−メチルアニリンの定量を行い、それぞれラクトン型化合物発生量(ppm)、アニリン型化合物発生量(ppm)とした。
PPSを加熱した際に発生する成分の定量は以下の方法により行った。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
(a) 加熱時発生ガスの捕集
約10mgのPPSを窒素気流下(50ml/分)の320℃で60分間加熱し、発生したガス成分を大気捕集用加熱脱離用チューブcarbotrap400に捕集した。
(b) ガス成分の分析
上記チューブに捕集したガス成分を熱脱着装置TDU(Supelco社製)を用いて室温から280℃まで5分間で昇温することで熱脱離させた。熱脱離した成分を、ガスクロマトグラフィーを用いて成分分割して、ガス中のγブチロラクトン及び4−クロロ−N−メチルアニリンの定量を行い、それぞれラクトン型化合物発生量(ppm)、アニリン型化合物発生量(ppm)とした。
E.アルカリ金属含有量の定量
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの含有するアルカリ金属含有量の定量は下記により行った。
(a) 試料を石英るつぼに秤とり、電気炉を用いて灰化した。
(b) 灰化物を濃硝酸で溶解した後、希硝酸で定容とした。
(c) 得られた定容液をICP重量分析法(装置;Agilent製4500)及びICP発光分光分析法(装置;PerkinElmer製Optima4300DV)に処した。
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの含有するアルカリ金属含有量の定量は下記により行った。
(a) 試料を石英るつぼに秤とり、電気炉を用いて灰化した。
(b) 灰化物を濃硝酸で溶解した後、希硝酸で定容とした。
(c) 得られた定容液をICP重量分析法(装置;Agilent製4500)及びICP発光分光分析法(装置;PerkinElmer製Optima4300DV)に処した。
F.ハロゲン含有量の定量
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの含有するハロゲン量の定量は下記方法で行った。
(a) 酸素を充填したフラスコ内で試料を燃焼した。
(b) 燃焼ガスを溶液に吸収し、吸収液を調製した。
(c) 吸収液の一部をイオンクロマト法(装置;ダイオネクス社製DX320)によって分析し、ハロゲン含有量を定量した。
ポリアリーレンスルフィド及びポリアリーレンスルフィドプレポリマーの含有するハロゲン量の定量は下記方法で行った。
(a) 酸素を充填したフラスコ内で試料を燃焼した。
(b) 燃焼ガスを溶液に吸収し、吸収液を調製した。
(c) 吸収液の一部をイオンクロマト法(装置;ダイオネクス社製DX320)によって分析し、ハロゲン含有量を定量した。
G.紡糸での糸切れ
24時間紡糸を実施した際の糸切れ回数である。
24時間紡糸を実施した際の糸切れ回数である。
H.繊維ムラ(U%N)
ツェルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4を用い、糸速度50m/分の条件にてU%(Normal)を測定し、U%Nとした。
ツェルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4を用い、糸速度50m/分の条件にてU%(Normal)を測定し、U%Nとした。
I.延伸での糸切れ
15分間延伸を実施し、糸切れや単糸巻付きがなかった水準を○、単糸巻付きが発生した水準を△、糸切れした水準を×とした。
15分間延伸を実施し、糸切れや単糸巻付きがなかった水準を○、単糸巻付きが発生した水準を△、糸切れした水準を×とした。
J.総繊度、単繊維繊度
検尺機にて繊維を100mカセ取りし、その重量(g)を100倍し、1水準当たり3回の測定を行い、平均値を総繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
検尺機にて繊維を100mカセ取りし、その重量(g)を100倍し、1水準当たり3回の測定を行い、平均値を総繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
K.乾熱収縮率
JIS L1013記載の方法に準じて、以下の方法で測定を行った。試料を20℃、65%RHの雰囲気下で放置後、糸条に1/30g/dの荷重をかけて処理前の糸長を測長した。その糸条を180℃、20分間乾熱処理後、処理前と同じ荷重下で処理後の糸長を測長し、下式により算出した2回の平均値を180℃乾熱収縮率とした。
(処理前の糸長−処理後の糸長)/処理前の糸長×100
L.引張強度、伸度
JIS L1013:2010記載の方法に準じて、試料長200mm、引張速度200mm/分の条件で、オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)、強度(cN/dtex)、伸度(%)とした。
JIS L1013記載の方法に準じて、以下の方法で測定を行った。試料を20℃、65%RHの雰囲気下で放置後、糸条に1/30g/dの荷重をかけて処理前の糸長を測長した。その糸条を180℃、20分間乾熱処理後、処理前と同じ荷重下で処理後の糸長を測長し、下式により算出した2回の平均値を180℃乾熱収縮率とした。
(処理前の糸長−処理後の糸長)/処理前の糸長×100
L.引張強度、伸度
JIS L1013:2010記載の方法に準じて、試料長200mm、引張速度200mm/分の条件で、オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)、強度(cN/dtex)、伸度(%)とした。
[参考例1]
<粗PPSの作製>
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.0モル)、96%水酸化ナトリウム2.96kg(71.0モル)、NMPを11.44kg(116モル)、酢酸ナトリウム1.72kg(21.0モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水14.8kgおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
<粗PPSの作製>
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.0モル)、96%水酸化ナトリウム2.96kg(71.0モル)、NMPを11.44kg(116モル)、酢酸ナトリウム1.72kg(21.0モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水14.8kgおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
次に、p−ジクロロベンゼン10.3kg(70.3モル)、NMP9.00kg(91.0モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封した反応系(A)を得た。この反応系(A)を240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で270℃まで昇温し、この温度で最終的な重合平均分子量が51,000となるよう重合時間を調整した。水を1.26kg(70モル)を15分かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後220℃まで0.4℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷し、スラリー(A)を得た。このスラリー(A)を26.3kgのNMPで希釈してスラリー(B)を得た。
80℃に加熱したスラリー(B)1000gをふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別し、粗PPS樹脂とスラリー(C)を約750g得た。
80℃に加熱したスラリー(B)1000gをふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別し、粗PPS樹脂とスラリー(C)を約750g得た。
[参考例2]
<PPSオリゴマーの作製>
参考例1で得られたスラリー(C)をロータリーエバポレーターに仕込み、窒素で置換後、減圧下100〜160℃で1.5時間処理した後、真空乾燥機で160℃、1時間処理した。得られた固形物中のNMP量は3重量%であった。
<PPSオリゴマーの作製>
参考例1で得られたスラリー(C)をロータリーエバポレーターに仕込み、窒素で置換後、減圧下100〜160℃で1.5時間処理した後、真空乾燥機で160℃、1時間処理した。得られた固形物中のNMP量は3重量%であった。
この固形物にイオン交換水900g(スラリー(C)の1.2倍量)を加えた後、70℃で30分撹拌して再スラリー化した。このスラリーを目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過した。得られた白色ケークにイオン交換水900gを加えて70℃で30分撹拌して再スラリー化し、同様に吸引濾過後、70℃で5時間真空乾燥してPPSオリゴマーを得た。
得られたPPSオリゴマーを4g分取してクロロホルム120gで3時間ソックスレー抽出した。得られた抽出液からクロロホルムを留去して得られた固体に再度クロロホルム20gを加え、室温で溶解しスラリー状の混合液を得た。これをメタノール250gに撹拌しながらゆっくりと滴下し、沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末を得た。
この白色粉末の重量平均分子量は900であり、電気炉等にて焼成した残渣である灰分をイオンクロマト法により分析したところ、Na含有量は4ppm、塩素含有量は2.2重量%であり、Na以外のアルカリ金属及び塩素以外のハロゲンは検出限界以下であった。この白色粉末の赤外分光分析における吸収スペクトルより、白色粉末はPPSであることが判明した。また、示差走査型熱量計を用いてこの白色粉末の熱的特性を分析した結果(昇温速度40℃/分)、約200〜260℃にブロードな吸熱を示し、ピーク温度は約215℃であることがわかった。
また高速液体クロマトグラフィーより成分分割した成分のマススペクトル分析、更にMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、この白色粉末は繰り返し単位数4〜11の環式PPS及び繰り返し単位数2〜11の直鎖状PPSからなる混合物であり、環式PPSと直鎖状PPSの重量比は約9:1であることがわかった。これより得られた白色粉末は環式PPSを約90重量%、直鎖状PPSを約10重量%含むPPSオリゴマーであることが判明した。
[参考例3]
<PPSポリマー(A)の作製>
参考例1で得られた粗PPS樹脂20kgにNMP約50リットルを加えて85℃で30分間洗浄し、ふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別した。得られた固形物を50リットルのイオン交換水で希釈して、70℃で30分攪拌後、80meshふるいで濾過固形物を回収する操作を合計5回繰り返した。このようにして得られた固形物を130℃で熱風乾燥し、乾燥されたPPSポリマー(A)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
<PPSポリマー(A)の作製>
参考例1で得られた粗PPS樹脂20kgにNMP約50リットルを加えて85℃で30分間洗浄し、ふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別した。得られた固形物を50リットルのイオン交換水で希釈して、70℃で30分攪拌後、80meshふるいで濾過固形物を回収する操作を合計5回繰り返した。このようにして得られた固形物を130℃で熱風乾燥し、乾燥されたPPSポリマー(A)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[参考例4]
<PPSポリマー(B)の作製>
参考例1で得られた反応系(A)を240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で270℃まで昇温し、この温度で最終的な重合平均分子量が56,000となるように重合時間を調整する以外は参考例3と同様の方法でPPSポリマー(B)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
<PPSポリマー(B)の作製>
参考例1で得られた反応系(A)を240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で270℃まで昇温し、この温度で最終的な重合平均分子量が56,000となるように重合時間を調整する以外は参考例3と同様の方法でPPSポリマー(B)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[参考例5]
<PPSポリマー(C)の作製>
参考例2で得られた環式PPSを含むPPSオリゴマーを精製して得た、環式PPSおよび直鎖状PPSの量を最終的な重量平均分子量が56,000になるように仕込み重量比を調整したPPSオリゴマーを攪拌機を取り付けたオートクレーブ中に仕込み、窒素で雰囲気を置換し、オートクレーブを1時間かけ300℃に昇温した。昇温途中でPPSオリゴマーの溶融後、攪拌機の回転を開始し、回転数10rpmで攪拌しながら60分間溶融加熱した。その後、窒素圧により樹脂を吐出孔よりガット状で取り出し、ガットをペレタイズした。このようにして得られた固形物を130℃で熱風乾燥し、乾燥されたPPSポリマー(C)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
<PPSポリマー(C)の作製>
参考例2で得られた環式PPSを含むPPSオリゴマーを精製して得た、環式PPSおよび直鎖状PPSの量を最終的な重量平均分子量が56,000になるように仕込み重量比を調整したPPSオリゴマーを攪拌機を取り付けたオートクレーブ中に仕込み、窒素で雰囲気を置換し、オートクレーブを1時間かけ300℃に昇温した。昇温途中でPPSオリゴマーの溶融後、攪拌機の回転を開始し、回転数10rpmで攪拌しながら60分間溶融加熱した。その後、窒素圧により樹脂を吐出孔よりガット状で取り出し、ガットをペレタイズした。このようにして得られた固形物を130℃で熱風乾燥し、乾燥されたPPSポリマー(C)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[参考例6]
<PPSポリマー(D)の作製>
参考例2で得られた環式PPSを含むPPSオリゴマーを精製して得た、環式PPSおよび直鎖状PPSの量を最終的な重量平均分子量が60,000になるように仕込み重量比を調整する以外は参考例5と同様の方法でPPSポリマー(D)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
<PPSポリマー(D)の作製>
参考例2で得られた環式PPSを含むPPSオリゴマーを精製して得た、環式PPSおよび直鎖状PPSの量を最終的な重量平均分子量が60,000になるように仕込み重量比を調整する以外は参考例5と同様の方法でPPSポリマー(D)を得た。得られたポリマーの特性を表1に示す。
[実施例1]
テクノベル社製KZW2軸押出し機を用いて、参考例3で得られたPPSポリマー(A)を用い、150℃にて10時間の真空乾燥を行った後、紡糸温度360℃にて、テクノベル社製KZW2軸押出し機にて溶融押出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。紡糸パック内では金属不織布フィルターを用いてポリマーを濾過し、孔径Dが0.23mm、ランド長Lが0.30mm(L/D=1.3)の口金孔を36孔有する口金より、18g/minの条件にてポリマーを吐出した。なお、口金孔の直上に位置する導入孔はストレート孔とし、導入孔と口金孔の接続部分はテーパーとしたものを用いた。吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、25℃、空気流により糸条の外側から冷却し固化させ、その後、冷却開始位置から1600mmの距離で収束させ、脂肪酸エステル化合物を主成分とする紡糸油剤を付与し、全フィラメントを1000m/minの紡糸速度で第1ゴデットロールに引き取った。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後ワインダーにて巻き取り、未延伸糸を得た。
テクノベル社製KZW2軸押出し機を用いて、参考例3で得られたPPSポリマー(A)を用い、150℃にて10時間の真空乾燥を行った後、紡糸温度360℃にて、テクノベル社製KZW2軸押出し機にて溶融押出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。紡糸パック内では金属不織布フィルターを用いてポリマーを濾過し、孔径Dが0.23mm、ランド長Lが0.30mm(L/D=1.3)の口金孔を36孔有する口金より、18g/minの条件にてポリマーを吐出した。なお、口金孔の直上に位置する導入孔はストレート孔とし、導入孔と口金孔の接続部分はテーパーとしたものを用いた。吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、25℃、空気流により糸条の外側から冷却し固化させ、その後、冷却開始位置から1600mmの距離で収束させ、脂肪酸エステル化合物を主成分とする紡糸油剤を付与し、全フィラメントを1000m/minの紡糸速度で第1ゴデットロールに引き取った。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後ワインダーにて巻き取り、未延伸糸を得た。
紡糸での糸切れ、未延伸糸のU%Nを表2に示すが、糸切れ、未延伸糸均一性とも良好であった。
この未延伸糸を30分常温で保管した後、ニップローラーを付属するフィードローラーにて引き取り(V0:96m/分)、第1ローラーとの間で未延伸糸に緊張を与えた後、それぞれ90℃、100℃に加熱した第1、第2ローラーに6周回させて、第1ローラーと第2ローラー(V1:328m/分)の間で延伸倍率3.4倍の1段目延伸を施した。第2ローラーを出た後の糸条について、延伸倍率1.22倍の2段目延伸を施し、230℃に加熱した第3ローラー(Vs:400m/分)に6周回させて熱セットを施した。第3ローラー出の繊維は第3ローラーと同速度の非加熱ローラー(Vf:400m/分)で引き取り、ワインダーにより巻き取った。なお、この場合の熱処理時間は0.22秒であった。
延伸における糸切れ、延伸糸の物性を表2に示す。表2から分かるように、高分子量PPSを高温の紡糸温度で紡糸し、高倍率の2段延伸を行い、高温で熱セットを行うことで、高強度PPS繊維が良好な製糸性で得られることが分かる。
[実施例2]
参考例4で得られたPPSポリマー(B)を用い、紡糸温度360℃にて紡糸を行い、延伸工程にて2段目延伸倍率を1.15倍にて延伸を施した以外は実施例1と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
参考例4で得られたPPSポリマー(B)を用い、紡糸温度360℃にて紡糸を行い、延伸工程にて2段目延伸倍率を1.15倍にて延伸を施した以外は実施例1と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
紡糸での糸切れ、未延伸糸のU%Nを表2に示すが、糸切れ、未延伸糸均一性とも良好であった。また、延伸における糸切れ、延伸糸の物性についても表2に示す。表2から分かるように、高分子量PPSを高温の紡糸温度で紡糸し、高倍率の2段延伸を行い、高温で熱セットを行うことで、高強度PPS繊維が良好な製糸性で得られることが分かる。
[比較例1]
紡糸工程にて紡糸温度320℃で紡糸を行った以外は実施例1と同じポリマーにて同様の方法で紡糸・延伸を行った。
紡糸工程にて紡糸温度320℃で紡糸を行った以外は実施例1と同じポリマーにて同様の方法で紡糸・延伸を行った。
紡糸での糸切れ、未延伸糸のU%Nを表2に示すが、未延伸糸は均一性に劣るものであった。この原糸を用いた延伸においては糸切れが多発し、延伸糸を得ることができなかった。
[比較例2]
延伸工程にて1段目延伸倍率を3.8倍、2段目延伸倍率を1.0倍にて延伸を施した以外は実施例2と同じポリマーにて同様の方法で紡糸・延伸を行った。
延伸工程にて1段目延伸倍率を3.8倍、2段目延伸倍率を1.0倍にて延伸を施した以外は実施例2と同じポリマーにて同様の方法で紡糸・延伸を行った。
延伸における糸切れ、延伸糸の物性を表2に示すが、2段延伸を行わない場合は延伸糸の強度が不十分であるいことが分かる。
[実施例3]
延伸工程にて2段目延伸倍率を1.23倍で延伸を施した以外は実施例2と同じポリマーにて同様の方法で紡糸・延伸を行った。
延伸工程にて2段目延伸倍率を1.23倍で延伸を施した以外は実施例2と同じポリマーにて同様の方法で紡糸・延伸を行った。
延伸における糸切れ、延伸糸の物性を表2に示す。表2から分かるように、高分子量PPSを高温の紡糸温度で紡糸し、高倍率の2段延伸を行い、高温で熱セットを行うことで、高強度PPS繊維が良好な製糸性で得られることが分かる。
[実施例4]
参考例5で得られたPPSポリマー(C)を用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
参考例5で得られたPPSポリマー(C)を用いた以外は実施例1と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
紡糸での糸切れ、未延伸糸のU%Nを表2に示すが、糸切れ、未延伸糸均一性とも良好であった。また、延伸における糸切れ、延伸糸の物性についても表2に示す。表2から分かるように、高分子量PPSを高温の紡糸温度で紡糸し、高倍率の2段延伸を行い、高温で熱セットを行うことで、高強度PPS繊維が良好な製糸性で得られることが分かる。
[実施例5]
参考例6で得られたPPSポリマー(D)を用いた以外は実施例3と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
参考例6で得られたPPSポリマー(D)を用いた以外は実施例3と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
紡糸での糸切れ、未延伸糸のU%Nを表2に示すが、糸切れ、未延伸糸均一性とも良好であった。また、延伸における糸切れ、延伸糸の物性についても表2に示す。表2から分かるように、高分子量PPSを高温の紡糸温度で紡糸し、高倍率の2段延伸を行い、高温で熱セットを行うことで、高強度PPS繊維が良好な製糸性で得られることが分かる。
[実施例6]
得られた未延伸糸を常温で保管することなく、延伸した以外は実施例2と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
得られた未延伸糸を常温で保管することなく、延伸した以外は実施例2と同様の方法で紡糸・延伸を行った。
紡糸での糸切れ、未延伸糸のU%Nを表2に示すが、糸切れ、未延伸糸均一性とも良好であった。また、延伸における糸切れ、延伸糸の物性についても表2に示す。表2から分かるように、未延伸糸の常温保管を施さない場合、延伸中に単糸巻きつきが発生したが、高強度PPS繊維を得ることができた。
Claims (3)
- 重量平均分子量が40,000以上のポリフェニレンスルフィド樹脂を340℃以上400℃以下の紡糸温度で溶融紡糸した後、下記条件にて2段延伸し、次いで熱セットすることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
A.総延伸倍率:3.00〜5.00倍
B.2段目延伸倍率:1.11〜1.50倍
C.熱セット温度:200℃〜260℃ - ポリフェニレンスルフィド樹脂の340℃におけるゼロせん断粘度が、130Pa.s以上350Pa.s以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
- ポリフェニレンスルフィド樹脂を320℃の条件下で60分処理した際のラクトン型化合物および/またはアニリン型化合物の発生量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1、または2に記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
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CN111433395A (zh) * | 2017-12-21 | 2020-07-17 | 东丽株式会社 | 聚苯硫醚短纤维、纤维结构体、过滤器用毡及袋式过滤器 |
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