JP2017210586A - 成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐折強度、引張弾性率などの他の特性を低下させずに、高い耐衝撃性及び透明性をバランス良く達成できる成形体を提供する【解決手段】ブロック共重合体A、汎用ポリスチレンB、及び流動パラフィンCを含有する樹脂組成物からなり、Aが、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなるブロック共重合体を2種類以上含み所定のMFRを有し、Bが、GPCで得られる分子量Mpが、230,000〜400,000であり、A,B,Cの含有量が、A及びBの総量100質量%に対して、15質量%〜85質量%、15質量%〜85質量%及び0.6質量%〜10質量%であり、流れ方向の応力−ひずみ線図における降伏点が2つ以上存在し、流れ方向の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差であるソフトニングが5.0MPa以下であり、複屈折の絶対値|ΔNxy|が8.0×10−4以下である成形体とする。【選択図】なし

Description

本発明は、成形体に関する。
近年、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなり、ビニル芳香族炭化水素の含有量が比較的高いブロック共重合体を含有する樹脂組成物が、包装分野で多く用いられている。とりわけ、スチレン及びブタジエンからなるブロック共重合体と汎用ポリスチレン(GPPS)とを混合した樹脂組成物を用いたポリスチレン系シートは、その成形体が優れた耐衝撃性等の特性を有することから、食品や雑貨等の包装用容器として幅広く使用されている。これらのシート及び容器は、耐衝撃性等における更なる特性の向上を目指して種々の提案がなされている(特許文献1〜8)。
特開平11−228777号公報 特公平6−92522号公報 特開2005−139326号公報 特開2012−25835号公報 特開昭55−23123号公報 特開平8−113225号公報 特開昭49−66744号公報 国際公開第2013/168679号
本発明は、耐折強度、引張弾性率などの他の特性を低下させずに、高い耐衝撃性及び透明性をバランス良く達成できる成形体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を達成するべく種々の研究を行った結果、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体(A)のメルトマスフローレート(MFR)、汎用ポリスチレン(B)のピークトップ分子量(Mp)が、それぞれ特定の範囲を有し、かつ流動パラフィン(C)を含有し、(A)及び(B)の配合質量比、並びに(A)及び(B)の総量100質量%に対する(C)の配合質量比が特定の範囲を有する樹脂組成物からなり、(1)流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が2つ以上存在し、(2)流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差(ソフトニング)が5.0MPaであり、及び(3)複屈折の絶対値|ΔNxy|が8.0×10−4以下であることで、上記の課題が達成し得ることを見出し、本発明に至った。特に、上記(1)、(2)の要件は、従来の同種のシート又は容器とは異なる値であり、本発明の課題の達成の大きい原因になっている。
すなわち、本発明に係る成形体は、ブロック共重合体A、汎用ポリスチレンB、及び流動パラフィンCを含有する樹脂組成物からなり、ブロック共重合体Aが、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなるブロック共重合体を2種類以上含有し、200℃、49N荷重の条件で測定したメルトマスフローレートMFRが10〜30g/10分であり、汎用ポリスチレンBが、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られるピークトップ分子量Mpが、230,000〜400,000であり、ブロック共重合体A及び汎用ポリスチレンBの含有量が、ブロック共重合体A及び汎用ポリスチレンBの総量100質量%に対して、それぞれ、15質量%〜85質量%であり、流動パラフィンCの含有量が、ブロック共重合体A及び汎用ポリスチレンBの総量100質量%に対して、0.6質量%〜10質量%である。また、流れ方向の応力−ひずみ線図における降伏点が、2つ以上存在し、流れ方向の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差であるソフトニングが、5.0MPa以下であり、複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4以下である。
本発明によれば、耐折強度、引張弾性率などの他の特性を低下させずに、高い耐衝撃性及び透明性をバランス良く達成できる成形体を提供することができる。
実施例8及び比較例13の成形体の応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)である。 図1の拡大説明図である。 実施例5,18及び比較例7の成形体の応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)である。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[樹脂組成物]
成形体は、以下に述べる特徴をそれぞれ有するブロック共重合体(A)、汎用ポリスチレン(B)、及び流動パラフィン(C)を含有する樹脂組成物からなる。
<ブロック共重合体(A)>
ブロック共重合体(A)は、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなるブロック共重合体を2種類以上含有する。すなわち、2種類以上のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体の混合物である。ブロック共重合体が1種類の場合、シート、及び容器の衝撃強度が低下するため好ましくない。また、効果を妨げない範囲で、添加剤や他の樹脂を併用しても良い。
ブロック共重合体(A)に含有される2種類以上のブロック共重合体は、いずれも、ビニル芳香族炭化水素からなるポリビニル芳香族炭化水素ブロック、共役ジエンからなるポリ共役ジエンブロック、及び、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるランダムブロックを、任意に組み合わせた構造が好ましい。ランダムブロックは、ビニル芳香族炭化水素および共役ジエンを一定流量で反応容器に添加し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンをランダムに重合することで得られる構造である。ランダムブロック部分のランダム化状態はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの添加速度、温度およびランダム化剤の濃度で調整することができる。
ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。ビニル芳香族炭化水素は、1種のみならず2種以上用いてもよい。
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン,2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。なかでも、好ましくは1,3−ブタジエン又はイソプレンが好ましい。共役ジエンは、1種のみならず2種以上用いてもよい。
ブロック共重合体(A)は、分子量の異なる少なくとも2種以上のブロック共重合体を含有する。かかるブロック共重合体の化学構造は、好ましくは、下記一般式(I)〜(IV)で表され、分子量の異なる少なくとも2種のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体を含有することが好ましい。
S−(R−S)n−R−S (I)
(S−(R−S)n−R−S)m−X (II)
S−(B−S)n−B−S (III)
(S−(B−S)n−B−S)m−X (IV)
上記一般式(I)〜(IV)において、Sはビニル芳香族炭化水素を単量体単位とする重合体ブロックであり、Rはビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを単量体単位とするランダム共重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを単量体単位とする重合体ブロックである。mはカップリング剤残基と結合した高分子鎖の個数を表す。mは1以上の整数であり、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜5である。nは繰り返し単位の個数を表し、1以上の整数である。重合操作の簡便性から、nは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。Xはカップリング剤の残基を表す。
ブロック共重合体がこのような化学構造を有することにより、成形体の耐衝撃性及び透明性等の物性バランスがより優れるようになる。
上記一般式(I)〜(IV)において、RもしくはBに挟まれたSの分子量に特に制限はないが、好ましくは600以上、より好ましくは600〜20,000である。分子量が600以上の場合、ブロック率測定時にランダムブロックやポリブタジエンブロックの区別がより明確になり、ブロック率の測定を正確に行うことができる。つまりRもしくはBとSの境界は明瞭に区別されることが好ましく、RもしくはBに挟まれたSの重合度は6以上が好ましいと考えられる。また、RもしくはBに挟まれたSの分子量が、20,000以下の場合、一般的なポリスチレンの絡み合い点間分子量(Me)を超えることがない。そのため、ソフトセグメントブロックRもしくはBに挟まれたハードセグメントブロックSがソフトセグメントブロックRもしくはBに取り込まれて、RもしくはBに挟まれたSを見かけ上、ソフトセグメントブロックとみなすことができるので、衝撃強度などの物性がより発現しやすくなる。
上記一般式(I)〜(IV)で表されるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体は、後述するようなリビングアニオン重合で得ることができる。
ブロック共重合体(A)は、なかでも、下記(a1−1)を満たすビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体a1と、下記(a2−1)を満たすビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体a2とを含有することが好ましい。
(a1−1);ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量(Mp)が105,000〜250,000の範囲に、少なくとも1つのピークを有する。
(a2−1);ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量(Mp)が40,000〜140,000の範囲に、少なくとも1つのピークを有する。
上記(a1−1)、(a2−1)において、ピークトップ分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られる分子量分布のピークの頂点の位置から求められるものである。GPCにおいて、複数のピークを有する場合には、最も大きい面積比を有するピークに相当するピークについての分子量である。またカップリングを実施した場合、カップリング前のピークトップ分子量を意味する。
ブロック共重合体a1のピークトップ分子量(Mp)が105,000以上の場合、耐衝撃性の低下をより抑制することができる。250,000以下の場合、透明性の低下をより抑制することができる。なかでも、ピークトップ分子量(Mp)が105,000〜220,000が好ましく、特に、120,000〜220,000が好ましい。
また、ブロック共重合体a2のピークトップ分子量(Mp)が40,000以上の場合、剛性や透明性の低下をより抑制することができる。140,000以下の場合、衝撃強度の低下をより抑制することができる。なかでも、ピークトップ分子量(Mp)が40,000〜120,000が好ましく、特に、60,000〜120,000が好ましい。
ブロック共重合体(A)は、なかでも、下記(a1−2)を満たすビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体a1と、下記(a2−2)を満たすビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体a2とを含有することが好ましい。
(a1−2);共役ジエンの含有比率(質量)が10質量%〜20質量%である。
(a2−2);共役ジエンの含有比率(質量)が27質量%〜40質量%である。
上記(a1−2)において、ブロック共重合体a1の共役ジエンの含有比率(質量)が10質量%以上の場合、耐衝撃性の低下をより抑制することができる。20質量%以下の場合、剛性の低下をより抑制することができる。なかでも、ブロック共重合体a1の共役ジエンの含有比率(質量)は、10質量%〜18質量%が好ましく、11質量%〜18質量%が特に好ましい。
上記、(a2−2)において、ブロック共重合体a2の共役ジエンの含有比率(質量)が27質量%以上の場合、耐衝撃性の低下をより抑制することができる。40質量%以下の場合、剛性の低下をより抑制することができる。なかでも、ブロック共重合体a2の共役ジエンの含有比率(質量)は、27質量%〜38質量%が好ましく、29質量%〜37質量%が特に好ましい。
ブロック共重合体(A)におけるブロック共重合体a1とブロック共重合体a2との含有量は、a1/a2=15〜60/40〜85(質量比)であるのが好ましい。つまり、15/85以上60/40以下が好ましい。a1/a2を、15/85以上とすることで、剛性や透明性の低下をより抑制することができる。60/40以下とすることで、耐衝撃性の低下をより抑制することができる。
a1/a2は、15〜50/50〜85がより好ましく、25〜50/50〜75が特に好ましい。つまり、15/85以上50/50以下がより好ましく、25/75以上50/50以下が特に好ましい。
ブロック共重合体(A)は、200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレート(MFR)が10〜30g/10分である。MFRが10g/10分未満では、シート、及び容器の衝撃強度が低下するため好ましくない。一方、MFRが30g/10分を超える場合には、剛性及び透明性が低下するため好ましくない。なかでも、MFRは、好ましくは15〜25g/10分、より好ましくは15〜23g/10分、さらに好ましくは16〜23g/10分である。
ブロック共重合体(A)は、ブロック共重合体全体における共役ジエンの割合が、20質量%〜35質量%であることが好ましい。共役ジエンの含有比率が20質量%未満では樹脂組成物の衝撃強度が低下するため好ましくない。一方、共役ジエンの含有比率が35質量%を超える場合には、剛性が低下するため好ましくない。
ブタジエン含有比率(質量)は、合成に使用した全モノマー量に対する共役ジエン量の使用割合および配合比から算出することができる。なお、モノマー使用量が不明な樹脂組成物から、樹脂組成物中のブタジエン含有比率(質量)を分析する方法としては、例えば、以下の方法がある。
(1)試料0.1gをクロロホルム50mLに溶解させる。
(2)一塩化よう素/四塩化炭素溶液25mLを添加し、十分混合した後、1時間暗所で放置する。
(3)2.5%よう化カリウム溶液を75mL加え、十分混合する。
(4)20%チオ硫酸ナトリウム/エタノール溶液を十分に攪拌しながら、液の色が淡黄色程度となるまで、添加する。
(5)1%デンプン指示薬を約0.5mL加え、再度、20%チオ硫酸ナトリウム/エタノール溶液で無色になるまで滴定する。
(6)滴定完了後、消費したチオ硫酸ナトリウム/エタノール溶液量a[mL]を計測する。
ブランクの測定による補正を実施すべく、(1)〜(6)の操作をクロロホルム単味にも実施し、消費したチオ硫酸ナトリウム/エタノール溶液量b[mL]を測定する。
共役ジエンの含有率は下記の式に従い、測定値より算出することができる。
共役ジエンの含有率(%)=[(b−a)×0.1×c×27/1000]/W×100
c:20%チオ硫酸ナトリウム/エタノール溶液の力価
W:試料量[g]
ブロック共重合体(A)は、ビニル芳香族炭化水素のブロック率が、85〜100%であることが好ましい。85%未満では、衝撃強度が低下するため好ましくない。なかでも、ブロック率は、90%〜100%であることがより好ましい。ブロック率の上限は100%であり、これを超えることはない。
ここにおける、ビニル芳香族炭化水素のブロック率(%)は、ブロック共重合体(A)中のポリビニル芳香族炭化水素ブロックの質量割合であって、次のようにして求めたものをいう。
「ビニル芳香族炭化水素のブロック率」
=(共重合体中にブロック状ホモ重合セグメントとして存在しているビニル芳香族炭化水素の質量/共重合体中に含有されているビニル芳香族炭化水素の質量)×100
ブロック共重合体(A)は、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量分布、すなわち重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.1〜3.5であることが好ましい。Mw/Mnが1.1未満では衝撃強度が低下するため好ましくない。一方、Mw/Mnが3.5を超えると透明性が低下するため好ましくない。なかでも、Mw/Mnは、1.1〜2.5であることが好ましい。
ブロック共重合体(A)は、動的粘弾性測定で得られる損失正接(tanδ)が、−100℃〜−30℃の温度範囲に一つの極大値(tanδ(max)値)を有し、該極大値の温度(tanδピーク温度)より30℃高温のときのtanδ値(tanδ(max+30℃)値)が、上記極大値の温度におけるtanδ値(tanδ(max)値)に対して0.6以上の比率であることが好ましい。すなわち、(tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値)が、0.6以上であることが好ましい。より好ましくは0.65以上、さらに好ましくは0.70以上である。この範囲とすることで、得られる成形体の耐衝撃性と透明性を、他の特性を損なうことなく、よりバランス良く増大させることができる。なお、本発明において、上記の(tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値)の比率の上限はなく、大きい方が好ましいが、通常は1未満である。
なお、tanδピーク温度及び(tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値)は、動的粘弾性測定(チャート)から求めることができる。測定から損失正接(tanδ)を求め、−100〜−30℃の温度範囲におけるtanδ極大値の内、最大値を「tanδ(max)値」とし、その温度を「tanδピーク温度」とし、次にtanδピーク温度から30℃高い温度でのtanδ値を「tanδ(max+30℃)値」とし、(tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値)を算出すればよい。
また、動的粘弾性測定は、下記の装置を用い、被検サンプルに周波数1Hzの引っ張り方向の応力、および歪みを加え、4℃/分の割合で温度を上げながら、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、及び損失正接(tanδ)を測定することができる(なおtanδ=E”/E’である)。動的粘弾性測定用の樹脂組成物のサンプルは、加熱プレスにより200〜220℃の条件下で2分間加圧保持して配向を緩和させた後、急冷することにより、無配向状態の0.6mm厚シートとする。その後、温度23℃、相対湿度50%RHに調整された室内にて24時間以上保管して使用する。
動的粘弾性測定装置:ティー・エイ・インスツルメント社製RSA3、
設定温度範囲:−120〜130℃、設定昇温速度:4℃/分、
測定周波数:1Hz
(ブロック共重合体の製造方法)
ブロック共重合体(A)を構成する2種類以上のブロック共重合体は、いずれも、以下のようにして製造することができる。すなわち、各ブロック共重合体は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンのモノマーをアニオン重合することにより製造できる。有機溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、又はエチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できる。ブロック共重合体の溶解性の点で、シクロヘキサンが好ましい。
有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのような単官能有機リチウム化合物、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムのような多官能有機リチウム化合物等が使用できる。
ビニル芳香族炭化水素および共役ジエンは、前記したものを使用することができ、それぞれ1種又は2種以上を選んで重合に用いることができる。そして、前記の有機リチウム化合物を重合開始剤とするリビングアニオン重合において、重合反応に供したビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンは、ほぼ全量が重合体に転化する。
ブロック共重合体の分子量は、モノマーの全添加量に対する重合開始剤の添加量により制御できる。また、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを重合し、ブロック共重合体を作製する際のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの供給速度やランダム化剤の添加量により制御できる。
ランダム化剤は、反応中でルイス塩基として作用する化合物であり、アミン類やエーテル類、チオエーテル類、およびホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、その他にカリウムまたはナトリウムのアルコキシドなどが使用可能である。アミン類としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどの第三級アミンや環状第三級アミンなどが挙げられる。エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)などが挙げられる。その他にトリフェニルフォスフィン、ヘキサメチルホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸カリウムまたはナトリウム、カリウム、ナトリウム等のブトキシドなどを挙げることができる。好ましくはテトラヒドロフラン(THF)である。
ランダム化剤は、1種、または複数の種類を使用することができる。その添加濃度としては、原料とするモノマー100質量部あたり0.001〜10質量部とすることが好ましい。添加時期は重合反応の開始前でも良いし、共重合鎖の重合前でも良い。また、必要に応じて追加添加することもできる。
ブロック共重合体は、全モノマーを添加し、重合が完了した後、カップリング剤を添加しカップリングを実施してもよい。カップリングとは、ポリマー鎖の片末端に位置するリビング活性部位とカップリング剤分子中の反応部位との間に共有結合が生じ、それにより2本以上のポリマー鎖同士が1つのカップリング剤分子を介して結合することをいう。カップリング剤は、リビング活性部位が攻撃しうる反応部位を1分子当たり2個以上有する化合物である。
カップリング剤は、限定されないが、ジメチルジクロロシラン、四塩化ケイ素、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン等のクロロシラン系化合物、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシランやテトラフェノキシシラン等のアルコキシシラン系化合物、四塩化スズ、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化合物、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化油脂などが挙げられる。好ましくはエポキシ化油脂、さらに好ましくはエポキシ化大豆油が挙げられる。
カップリング剤は、1分子当たり2個の反応部位を有する二官能性カップリング剤、1分子当たり3個の反応部位を有する三官能性カップリング剤、又は1分子当たり4個の反応部位を有する四官能性カップリング剤等の多官能性のカップリング剤を用いることもできる。二官能性カップリング剤としては、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。三官能性カップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。四官能性カップリング剤としては、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられる。また、エポキシ化油脂は、1分子当たり3個のエステル基を有する他、3個の長鎖アルキル基側には長鎖アルキル基1個あたり0〜3個のエポキシ基を有することから、多官能性のカップリング剤となる。
カップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上の多官能性カップリング剤を併用してもよい。また、1種以上の二官能性カップリング剤と1種以上の多官能性カップリング剤の併用も可能である。好ましくは多官能性カップリング剤を1種単独で用いるのがよい。
カップリング剤におけるリビング活性部位が攻撃しうる反応部位は、必ずしも完全に反応する必要はなく、一部は反応せずに残ってもよい。さらに全てのリビング活性部位を片末端に持つポリマー鎖がカップリング剤の反応部位と全て反応している必要はなく、反応せずに残ったポリマー鎖が最終的に生成したブロック共重合体に残ってもよい。そして、使用したカップリング剤の反応部位が完全に反応した際に見込まれる分岐数よりも、少ない分岐数を有するブロック共重合体が、最終的に生成したブロック共重合体に混在していても構わないし、リビング活性部位にカップリング剤が置き換わっただけの、片末端にカップリング剤のみが結合したポリマー鎖が最終生成ブロック共重合体に混在していても構わない。むしろ最終生成ブロック共重合体が、使用したカップリング剤の反応サイトが完全に反応した際に見込まれる分岐数に等しい分岐数を持つブロック共重合体、使用したカップリング剤の反応サイトが完全に反応した際に見込まれる分岐数よりも少ない分岐数を有するブロック共重合体、リビング活性部位にカップリング剤が置き換わって結合しただけのポリマー鎖、及びカップリング剤の反応サイトと反応せずに残ったポリマー鎖のいずれか2種以上が混在したものであるほうが、良好な成形加工性を得る点で好ましい。
カップリング剤の添加量は、任意でよいが、好ましくはリビング活性末端に対してカップリング剤の反応部位が化学量論量以上で存在するように設定される。具体的には、カップリング工程前の重合液中に存在するリビング活性末端のモル数に対して1〜2当量の反応部位が存在するようにカップリング剤の添加量を設定するのが好ましい。
このようにして得られたブロック共重合体は、水、アルコール、二酸化炭素などの重合停止剤を活性末端が不活性化するのに充分な量を添加することで不活性化できる。得られたブロック共重合体の有機溶媒溶液から共重合体を回収する方法としては、メタノール等の貧溶媒により析出させる方法、加熱ロール等により溶媒を蒸発させて析出させる方法(ドラムドライヤー法)、濃縮器により溶液を濃縮した後にベント式押出機で溶媒を除去する方法、溶液を水に分散させ、水蒸気を吹き込んで溶媒を加熱除去して共重合体を回収する方法(スチームストリッピング法)等、任意の方法が採用できる。
<汎用ポリスチレン(B)>
汎用ポリスチレン(B)(以下、「GPPS(B)」ということがある。)は、一般的なラジカル重合により製造された汎用ポリスチレン(GPPS)を用いることができる。例えば、東洋スチレン製「トーヨースチロールGP」、Styrolution製「Styrolution PS」、KUMHO PETROCHEMICAL製「KUMHO GPPS」、PSジャパン製「PSJ−ポリスチレン」等が挙げられる。
GPPS(B)は、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られるピークトップ分子量(Mp)が、230,000〜400,000である。GPPSのピークトップ分子量(Mp)が230,000未満である場合には、耐衝撃性の低下が低くなり、一方、400,000を超える場合には、透明性が低下する。なかでも、ピークトップ分子量(Mp)が260,000〜370,000が好ましい。
GPPS(B)は、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られる分子量分布、すなわち質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.9〜2.4であることが好ましい。Mw/Mnが1.9以上の場合、成形加工性の低下をより抑制することができる。Mw/Mnが2.4以下の場合、透明性の低下をより抑制することができる。
GPPS(B)は、残存スチレンモノマー及び重合溶媒の総量が、700μg/g以下であることが好ましい。残存スチレンモノマー及び重合溶媒の総量を、700μg/g以下とすることで、成形加工時、ダイスからの押出時に残存スチレンモノマー及び重合溶媒が揮発しダイスに凝集して目ヤニの原因となることを防ぐことができる。目ヤニは成形品に付着し、外観不良や欠点となる場合がある。目ヤニをより防止するためには、残存スチレンモノマー及び重合溶媒を極力低減することが有効である。なかでも、500μg/g以下であることがより好ましい。
GPPS(B)中の残存スチレンモノマー及び重合溶媒の量は、汎用ポリスチレン(GPPS)500mgを、内部標準物質としてシクロペンタノールを含むN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーを用いて以下の条件で測定することができる。
ガスクロマトグラフ:HP−5890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−WAX(ヒューレットパッカード社製、0.25mm×30m、膜厚0.5μm)
インジェクション温度:220℃
カラム温度:60℃〜150℃、10℃/min
ディテクター温度:220℃
スプリット比:30/1
<流動パラフィン(C)>
流動パラフィン(C)は、特に限定されるものではない。沸点的には潤滑油留分に属する、きわめて純度の高い液状飽和炭化水素の混合物であると定義される公知の流動パラフィン(ホワイトオイル、ヌジョールとも称される。)であれば差し支えない。例えば、「PRIMOL N 382」(ExxonMobil社製)、「モレスコホワイト、セレンホワイト350、モレスコバイオレス」(MORESCO社製)、「Plastic Oil 250、350、360、380、550」(Chemtura社製)「Hydrobrite PL−380」(Sonneborn社製)、「380 PLASTIC OIL」(島貿易社製)、「ハイコールK−350」(カネダ社製)「WhiteMineralOil KF−350」(昭和興産社製)、「Lily−350」(油化産業社製)等が挙げられ、JIS K2231に準拠した流動パラフィンが好ましい。また、JIS K2001で規定された、工業用潤滑油ISO粘度グレードで分類され、JIS K2231で規定された、流動パラフィン5種類中、「ISO VG 68」と「ISO VG 100」(40℃動粘度61.2〜110mm/s)が、取り扱いの観点から好ましい。
流動パラフィン(C)は、JIS K2283で規定された測定方法で測定した40℃動粘度が61.2mm/s〜110mm/sである。40℃動粘度が61.2mm/s〜110mm/sである場合、取扱いが容易であるとともに、樹脂中への流動パラフィン分散性が良好となる。
流動パラフィン(C)は、10mmHg(1.3kPa)の減圧下における初留温度が、210℃以上であることが好ましい。初留温度が、210℃以上である場合には、成形加工時に揮発することを抑制でき、ダイスや金型汚染を防ぐことができる。なかでも、初留温度が、220℃以上がより好ましい。
<(A)/(B)/(C)の配合組成>
ブロック共重合体(A)、GPPS(B)の含有割合は、ブロック共重合体(A)及びGPPS(B)総量100質量%に対して、各々15質量%〜85質量%であることが必要である。(A)の含有割合が15質量%未満、(B)の含有割合が85質量%を超えた場合は、衝撃強度が低下するため好ましくない。一方、(B)の含有割合が15質量%未満、(A)の含有割合が85質量%を超える場合は、剛性が低下するため好ましくない。(A)/(B)の含有比(質量比)は、25〜70/75〜30が好ましく、40〜50/60〜50が特に好ましい。
流動パラフィン(C)の含有割合は、ブロック共重合体(A)及びGPPS(B)の総量100質量%に対して、0.6質量%〜10質量%であることが必要である。(C)の含有割合が0.6質量%未満である場合、衝撃強度が低下するため好ましくない。一方、(C)の含有割合が10質量%を超える場合は、剛性が低下するため好ましくない。なかでも、(C)の含有割合は、1質量%〜8質量%が好ましく、1質量%〜5質量%が特に好ましい。
<添加剤>
樹脂組成物は、必要に応じて、さらに各種の添加剤を含有することができる。すなわち、上記ブロック共重合体(A)、汎用ポリスチレン(B)、及び流動パラフィン(C)を含む樹脂組成物を製造する際や、シート及び容器への成形加工時に、各種の加熱処理を受ける場合、及び成形品が酸化性雰囲気や紫外線などの照射下にて使用される場合等に、物性が劣化することに対処するため、あるいは、使用目的に適した物性をさらに付与するため、例えば、安定剤、滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐候性向上剤、軟化剤、可塑剤、顔料、鉱油、フィラー、難燃剤などの添加剤を添加できる。
安定剤としては、例えば2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートや、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ‐フォスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。
滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチルなどの脂肪酸エステルやペンタエリスリトール脂肪酸エステル、さらにエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドなどの脂肪酸アミドや、エチレンビスステアリン酸アミド、またグリセリン−モノ−脂肪酸エステル、グリセリン−ジ‐脂肪酸エステル、その他にソルビタン−モノ−パルミチン酸エステル、ソルビタン−モノ‐ステアリン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどに代表される高級アルコール、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)などが挙げられる。
耐候性向上剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系や2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシベンゾエートなどのサリシレート系、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、また、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン型耐候性向上剤が例として挙げられる。さらにシリコーンオイル、マイクロクリスタリンワックスなども加えることができる。
これらの添加剤は、本発明の樹脂組成物中、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0〜3質量%の範囲で使用することが望ましい。
ブロック共重合体(A)、GPPS(B)を得る場合や、(A)〜(C)を混合する場合、さらに添加剤を混合する場合等における各成分の混合方法は、特に制限はない。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等でドライブレンドしてもよく、更に押出機で溶融してペレット化してもよい。あるいは、各重合体の製造時、重合開始前、重合反応途中、重合体の後処理等の段階で、添加してもよい。
[成形体]
成形体は、上記した樹脂組成物からなり、以下の要件(1)〜(3)を満たす。
(1)流れ方向の応力−ひずみ線図における降伏点が、2つ以上存在する。
(2)流れ方向の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差が、5.0MPa以下である。
(3)複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4以下である。
成形体は、耐折強度、引張弾性率などの他の特性を低下させずに、高い耐衝撃性及び透明性をバランス良く達成できる。このメカニズムは、現段階では必ずしも明らかではない。しかし、後記する実施例と比較例との対比からわかるように、成形体が、上記(1)〜(3)の要件、特に、従来のシート及び容器が有さない、上記(1)、(2)の応力−ひずみ線図に関する要件を満たすことにより達成されるものと思われる。
すなわち、本発明の成形体、例えばシート及び/又は容器において、上記(1)の要件である、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が2つ以上存在することで、1つの場合に比べ、ひずみ等の衝撃による変形時のボイド(気泡)発生(キャビテーション)を誘発しやすくなるだけでなく、シートの一部分へ不均一にボイドが発生することを抑制してシート全体への均一なボイド発生を促進すると考えられる。その結果、ボイド形成密度が低下し、ボイドの合一によるクレイズ、クラック成長を抑制するだけでなく、シート全体のボイド形成数増加による降伏応力低下が促進された結果、シートへの破壊エネルギーの蓄積(ひずみの拘束)が緩和され、衝撃強度が向上すると考えられる。
同時に、上記(1)の要件によって降伏点が2つに割れることで、上記(2)の要件である流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差(ソフトニング)の上昇を抑制し、5.0MPa以下とすることが可能となる。その結果、降伏後に発生するネッキング等の不安定変形が抑制され、衝撃強度が向上すると考えられる。
つまり、上記(1)、(2)により、破壊エネルギーがボイド形成エネルギーへと効率的に変換されることで、シートへの破壊エネルギーの蓄積(ひずみの拘束)を抑制し、更に破壊に至る箇所のボイド形成密度が低下するため、クレイズ、クラック成長が抑制された結果、衝撃強度が向上すると考えられる。
以下、さらに要件(1)〜(3)について説明する。
要件(1)は、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)における降伏点が、2つ以上存在するというものである。降伏点が1つの場合、衝撃強度が低下する。なお、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)は、引張弾性率測定時の引張試験にて測定した流れ方向(MD)の応力(MPa)と伸度(%)とを用いたグラフである。降伏点とは、応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)において、ひずみをかけた際の応力の挙動が明らかに変化する変曲点である。「降伏点が2つ以上存在する」とは、例えば、図1の実施例8に示すように、応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)にて、挙動が明らかに変化する変曲点が2つ以上存在することをいう。
要件(2)は、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差(ソフトニング)が、5.0MPa以下であるというものである。ソフトニングが、5.0MPaを超えると、衝撃強度が低下する。なお、「最大降伏応力」とは、降伏点での応力(降伏応力)の内、最も大きい値となる降伏応力のことをいう。「降伏点」とは、応力−ひずみ線図(S−Sカーブ)において、ひずみをかけた際の応力の挙動が明らかに変化する変曲点のことをいう。「降伏後の平坦箇所」とは、S−Sカーブ上で伸度20%までに発生した全降伏点の後に発生する平坦箇所の応力のことをいう。また、「最大降伏応力」と「降伏後の平坦箇所の応力」との差を「ソフトニング」の指標として算出した。
ソフトニング(MPa)=(最大降伏応力(MPa))−(降伏後の平坦箇所の応力(MPa))
要件(3)は、複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4以下であるというものである。|ΔNxy|が、8.0×10−4を超えると、衝撃強度が低下する。複屈折は、位相差測定装置を用いて、傾斜中心軸が遅相軸、偏光板透過軸とサンプルの遅相軸とのなす角θが30°での標準測定方法による面内位相差測定により、複屈折ΔNxyを測定し、その絶対値|ΔNxy|として求めることができる。
複屈折は、モノマー単位の構造に起因するが、完全に無定形なポリマーのバルク状態では、構造単位がランダムに配列しているため、マクロ的には等方性であり、複屈折を示さない。しかし、一般的なプラスチック材料は成形加工を通じて製品化されるため、賦形の段階でせん断力が加わり、流動配向が起こり、複屈折が生じる。
一方、流動配向により、流れ方向(MD)に分子が配向すると、流れ方向(MD)の強度は大きくなるが、MDに対して垂直となる方向(TD)の強度は小さくなり、強度の異方性が生じる。これはおそらく分子が配向した状態では、エントロピーが小さく、不安定であるため、異方性を緩和するべく、ランダム状態に戻ろうとするエネルギー(分子配向エネルギー)が生じると考えられる。MDは分子配向エネルギーと平行方向、つまり同一方向となるため、衝撃を加えた場合、分子配向エネルギーは衝撃エネルギーを緩和する(打ち消す)方向に働き、強度向上すると考えられる。一方、TDは分子配向エネルギーと垂直方向となるため、衝撃を加えた場合、分子配向エネルギーは衝撃エネルギーを増加する(加算する)方向に働き、強度低下すると考えられる。つまり複屈折と強度の異方性には相関があると考えられる。
複屈折が大きい、つまり強度の異方性が大きいシート及び容器に衝撃を加えた場合、衝撃エネルギーはMD/TDの区別なく、均等にかかるため、強度の低い方向に亀裂(クラック)が生じやすくなる。その結果、シート及び容器全体としての強度が低下すると考えられる。つまり、複屈折が低く、よりゼロに近いほど強度の異方性を抑制でき、シート及び容器全体としての強度は向上すると考えられる。
成形体は、流れ方向(MD)が流動配向、つまり分子の配向方向であり、複屈折はマイナスの値となる。また複屈折はシート成形時のMD分子配向度を表す。
複屈折は、成形加工条件の調整でも制御可能であるが、成形体で用いるブロック共重合体(A)のメルトマスフローレート(MFR)及び流動パラフィン(C)の含有量でも制御が可能である。高流動なブロック共重合体(A)、及び流動パラフィン(C)を用いることにより、成形加工時の材料を高流動化することで、加工条件の調整を行うことなく、複屈折を制御することが可能となる。
成形体は、従来既知の任意の成形加工方法で製造することができる。例えば、上記した樹脂組成物を、押出成形、射出成形、中空成形、圧縮成形して得ることができる。つまり、成形体は、各種形状の押出し成形品、射出成形品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品、二軸延伸成形品等として、極めて多種多様にわたる実用上有用な製品とすることができる。また、これらの成形加工方法を一次加工、二次加工、三次加工のように組み合わせても良い。
(用途)
成形体は、シート及び容器とすることができる。すなわち、容器の作製に適したポリスチレン系シート、及び該シートからなる容器とすることができる。このシート及び容器は、優れた耐衝撃性及び透明性を有する。シート及び容器は、非発泡体でも発泡体であっても良い。シート及び容器の形状は、特に限定はされず、用途により種々の形状を採り得る。例えば、弁当容器、勘合容器、大皿、プレート、トレー、ボウル、カップ、蓋、まな板、筆箱、下敷き、クリアファイル、クリアケースなどを挙げることができる。
シート及び容器の厚みは、特に限定はされず、用途により種々の厚みを採り得る。一般的な厚みとして、0.05mm〜5mmが好ましい。厚みを0.05mm以上とすることで、シート及び容器の剛性を維持することができる。一方、厚みを5mm以下とすることで、成形加工を容易に行うことができる。なかでも、厚みは0.1〜1.5mmが好ましい。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の解釈が限定されるものではない。
<重合例1>
以下の(1)〜(8)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液2,130mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン10.0kgを加え、内温を80℃まで上昇させ、スチレンをアニオン重合させた。
(4)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量14.0kgのスチレン、および総量56.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h(時間)、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(5)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を55℃に下げ、60.0kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は84℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を55℃に下げ、60.0kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(7)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのランダムブロックを持つS−R−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Rはスチレンとブタジエンのランダムブロックを表す。)
(8)この重合液を脱揮して、重合例1のブロック共重合体を得た。ピークトップ分子量(Mp)は111,000、Mw/Mnは1.02であった。上記重合例1についてその要点を表1に示す。
<重合例2、3>
上記重合例1において、上記(3)〜(6)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、上記(2)で使用するn−ブチルリチウムの量を調整することで分子量を決定することができる。したがって、下記の表1に示した条件以外は、重合例1と同様に実施することにより、重合例2、3のブロック共重合体を得た。上記重合例2、3についてその要点を表1にまとめて示す。
<重合例4>
以下の(1)〜(12)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,240mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン10.0kgを加え、内温を80℃まで上昇させ、スチレンをアニオン重合させた。
(4)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量2.0kgのスチレン、および総量8.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h(時間)、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(5)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、4.8kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。
(6)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量2.0kgのスチレン、および総量8.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(7)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、4.8kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。
(8)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量2.0kgのスチレン、および総量8.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(9)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を55℃に下げ、75.2kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は90℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を55℃に下げ、75.2kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(11)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのランダムブロックを持つS−(R−S)−R−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Rはスチレンとブタジエンのランダムブロックを表す。)
(12)この重合液を脱揮して、重合例4のブロック共重合体を得た。ピークトップ分子量(Mp)は184,000、Mw/Mnは1.02であった。上記重合例4についてその要点を表2に示す。
<重合例5〜11>
上記重合例4において、上記(3)〜(10)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、上記(2)で使用するn−ブチルリチウムの量を調整することで分子量を決定することができる。したがって、下記の表2に示した条件以外は、重合例4と同様に実施することにより、重合例5〜11のブロック共重合体を得た。上記重合例5〜11についてその要点を表2にまとめて示す。
<重合例12>
以下の(1)〜(11)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液2,550mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン26.0kgを加え、内温を80℃まで上昇させ、スチレンをアニオン重合させた。
(4)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量5.0kgのスチレン、および総量20.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(5)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、12.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。
(6)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量5.0kgのスチレン、および総量20.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(7)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、12.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。
(8)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量5.0kgのスチレン、および総量20.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25.0kg/h、100.0kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(9)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を55℃に下げ、74.0kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(10)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのランダムブロックを持つS−(R−S)−R−S構造の重合体を含む重合液を得た。
(11)この重合液を脱揮して、重合例12のブロック共重合体を得た。ピークトップ分子量(Mp)は96,000、Mw/Mnは1.06であった。上記重合例12について、その要点を表3に示す。
<重合例13〜18>
上記重合例12において、上記(3)〜(9)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、また、(2)で使用するn−ブチルリチウム量を調整することで分子量を決定することができる。したがって、下記の表3に示した条件以外は、重合例12と同様に実施することにより、重合例13〜18のブロック共重合体を得た。上記重合例13〜18について、その要点を表3にまとめて示す。
<重合例19>
以下の(1)〜(16)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,450mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン70.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は53℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は70℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、1,3−ブタジエン16.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(9)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、6.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は85℃まで上昇した。
(11)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、6.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(12)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は85℃まで上昇した。
(13)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に下げ、26.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(14)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、カップリング剤として452gのエポキシ化大豆油を3.0kgのシクロヘキサンで希釈して添加し、重合を完結させた。
(15)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロックを持つ重合体をカップリングした(S−(B−S)−B−S)m−X構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表し、Xはカップリング剤の残基を表す。)
(16)この重合液を脱揮して、重合例19のブロック共重合体樹脂組成物を得た。カップリング前のピークトップ分子量(Mp)は160,000/51,000/41,000であり、GPC面積比は42.5/19.5/38.0(%)であり、カップリング後のMw/Mnは1.67であった。上記重合例19について、その要点を表4にまとめて示す。
<重合例20>
以下の(1)〜(6)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液4,230mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン44.0kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は45℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を40℃に下げ、1,3−ブタジエン90.0kgとスチレン66.0kgを同時に添加し、重合を完結させた。内温は125℃まで上昇した。
(5)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのテーパードブロックを有する、S−T構造(式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Tはスチレンとブタジエンのテーパードブロックを表す)の重合体を含む重合液を得た。
(6)この重合液を脱揮して、重合例20のブロック共重合体を得た。ピークトップ分子量(Mp)は66,000、Mw/Mnは1.07であった。上記重合例20についてその要点を表5にまとめて示す。
<重合例21>
上記重合例20において、上記(3)〜(5)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、また、(2)で使用するn−ブチルリチウム量を調整することで分子量を決定することができる。したがって、下記の表5に示した条件以外は、重合例20と同様に実施することにより、重合例21のブロック共重合体を得た。上記重合例21について、その要点を表5にまとめて示す。
<配合例>
<配合例1〜14>
重合例1〜21で得られたブロック共重合体を表6に示した配合比率で混ぜ、ブロック共重合体樹脂組成物を製造した。かかるブロック共重合体樹脂組成物を、単軸押出機「HV−40−30」(田端機械工業社製、φ40mm)を用い、押出温度200℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、ストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーにてペレット化した。配合例1〜14におけるブロック共重合体樹脂組成物のメルトマスフローレート(MFR)、共役ジエン含有質量比、スチレンのビニル芳香族炭化水素ブロック率、Mw/Mnを表6にまとめて示した。
<分子量、分散度Mw/Mnの測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて、重量平均分子量Mw、及び数平均分子量Mn及びピークトップ分子量Mpを測定した。本明細書において、特に断りが無い場合、分子量はピークトップ分子量Mpであり、カップリングを実施した場合はカップリング前のMpである。また、分散度は重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnであり、カップリングを実施した場合はカップリング後のMw/Mnである。
GPC装置名:「HLC−8220GPC」(東ソー社製)
使用カラム:「ShodexGPCKF−404」(昭和電工社製)を直列に4本接続
カラム温度:40℃
検出方法:示差屈折率法、移動相:テトラヒドロフラン、
サンプル濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(VARIAN社製、ピークトップ分子量Mp=2,560,000、841,700、280,500、143,400、63,350、31,420、9,920、2,930)を用いて作成した。
<メルトマスフローレート(MFR)の測定>
フルオートマチックメルトフローインデックステスター「LABOT−MI」(安田精機製作所社製)を用い、JIS K7210(ISO1133)に準拠して、200℃、49N荷重の条件で、メルトマスフローレート(MFR)を測定した。
<樹脂組成物のブタジエン含有比率(質量)>
上記重合例で使用した全モノマー量に対する1,3−ブタジエン量の使用割合および配合比から、ブロック共重合体中の共役ジエン含有比率をそれぞれ算出した。
<樹脂組成物におけるスチレンのブロック率>
核磁気共鳴(NMR)を用いてH−NMRを測定し、算出した。ポリスチレンの芳香族環に付加したプロトン5つの内、オルト位に付加した2つのプロトンとして帰属される6.2〜6.8ppmのピーク強度積分値から、プロトン5つに換算した値をブロック状スチレン量Wとした。
また、パラ位とメタ位に付加した3つのプロトンとして帰属される6.8〜7.6ppmのピーク強度の積分値を含む、6.2〜7.6ppmのピーク強度の積分値から重クロロホルムのピーク強度の積分値を除算した値を全スチレン量(全ビニル芳香族炭化水素量)W0とした。かかるW、W0を下記の定義式に代入することにより、ブロック率を算出した。なお、ブロック状スチレン量(ブロック状ビニル芳香族炭化水素量)Wは装置の感度上の理由から、5個以上のモノマー単位からなる連鎖である。
スチレンのブロック率(%)=(W/W0)×100
核磁気共鳴装置名:ブルカー・バイオスピン社製AVANCE−300
測定核種:H、共鳴周波数:300MHz(H)、測定溶媒:CDCl
<実施例1〜27、及び比較例1〜13>
(GPPSブレンドシートの作製)
ブロック共重合体(A)、GPPS(B)、及び流動パラフィン(C)を表7、8に示した配合比率で混ぜて樹脂組成物とした。この樹脂組成物を用いて以下の手順でシート成形した。先端に幅40cmのTダイを取り付けた田辺プラスチックス社製φ40mm単軸押出機「VS40−26」を用い、押出温度200℃、Tダイ温度200℃、スクリュー回転数60rpmにて、配合例の樹脂を用いてシート押出を実施し、田辺プラスチックス社製「480型シーティング装置」を用い、冷却ロール温度50℃でシート厚0.6mmの単層シートを作製した。シートの厚みはダイのリップ開度で調整し、シートの引き取り速度は1.3m/分一定とした。ただしシートの引き取り速度は実施例26で1.0m/分、比較例11で2.0m/分へ変更した。また冷却ロール温度は実施例27で80℃、比較例12で25℃へ変更した。使用した樹脂について表7、8に示す。
使用したGPPS(B)について、ピークトップ分子量Mp、Mw/Mnを、まとめて表9に示す。なお、GPPS−4はGPPS−1と流動パラフィンを所定の配合量で混ぜ、単軸押出機(田端機械工業社製、HV−40−30、φ40mm)を用い、押出温度200℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、ストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーにてペレット化したものを用いた。
流動パラフィン(C)は、「PRIMOL N 382」(ExxonMobil社製、40℃動粘度72.5mm/s、10mmHg(1.3kPa)の減圧下における初留温度が220℃)を用いた。
(容器の作製)
上記で成形したシートを用い、容器成形した。「研究開発用圧空真空成形機」(浅野研究所社製)に、深さ19mmの部品トレー用金型をセットし、110℃で真空成形することで、容器を成形した。実施例、比較例共に問題なく成形可能であった。しかし比較例ではシート同様に、強度不足や透明性不足が発生した。
<測定>
(複屈折)
位相差測定装置「KOBRA−WR」(王子計測機器社製)を用い、傾斜中心軸が遅相軸、偏光板透過軸とサンプルの遅相軸とのなす角θが30°での標準測定方法による面内位相差測定により、複屈折ΔNxyを測定し、試験回数10回中、明らかな異常値を排除した平均値を用いた。測定に必要なサンプルの屈折率Nは計算理論値を用いた。また位相差顕微鏡で観察することで、複屈折の符号が、実施例、比較例中の全てのサンプルで負となることを確認した。これらの測定により、シート成形時のMD分子配向度を確認した。
(シートインパクト)
「インパクトテスター」(テスター産業社製)を用い、先端の直径が12.7mmの撃芯を使用して測定した。その他の測定条件はASTM D3420に準拠した。打ち抜けない場合は「>4.5」と記載した。
(デュポン衝撃強度)
デュポン衝撃試験機「H−100」(東洋精機製作所社製)を用い、シートから切り出した60mm四方の試験片20枚を、受け台の上に置き、先端の直径が6.35mmの撃芯を試験片上に乗せ、撃芯上端に100gの錘を落下させ、目視により、シートに生じた割れの有無を調べ、エネルギー値に換算して求めた。なお、本測定の前に別の予備試験片2〜3枚を用いて、シートが破壊するおおよその落錘高さを求め、1枚目は予備測定の結果から定めた落錘高さで測定し、2枚目以降は直前の測定結果を基に、シートが割れなかった場合は落錘高さを5cm上げ、割れた場合は落錘高さを5cm下げ、同様に測定した。この操作を連続して20回行い、各回での落錘高さと割れの有無の記録から、以下に示した式によりデュポン衝撃強度を求めた。
X=(高さ×Aの枚数)の合計/Aの枚数(m) A:割れが生じないシート
Y=(高さ×Bの枚数)の合計/Bの枚数(m) B:割れが生じたシート
Z=(X+Y)/2(m)
デュポン衝撃強度(J)=0.1(kg)×9.8(m/s)×Z(m)
(耐折強度)
MIT耐折疲労試験機「MIT−DA」(東洋精機製作所社製)を用い、MD×TD=100mm×10mmおよび10mm×100mmに切削したサンプルをそれぞれ6回ずつ測定し、その平均値を使用した。測定は折り曲げ角度左右45°、折り曲げ回数175回/分、加重1kgで実施した。測定平均が1,000回を超えた場合、「>1,000」と記載した。
(引張弾性率)
テンシロン万能試験機「RTC−1210A」(エー・アンド・デイ社製)を用い、シートからJIS K6732に準拠したダンベル型試験片をMDが長手となるように切削し、初期チャック間隔50mm、引張速度10mm/min、23℃環境下でMDへ引っ張ることで測定を行い、試験回数7回の平均を測定値とした。
(応力−ひずみ線図(S−Sカーブ))
引張弾性率測定で得られた、試験回数7回中の最も平均的な一測定データを使用して作成した(平均値ではない)。伸度20%までに発生する降伏点の数を「降伏点数」とし、降伏点での応力(降伏応力)の内、最も大きい値となる降伏応力を「最大降伏応力」とし、S−Sカーブ上で伸度20%までに発生した全降伏点の後に発生する平坦箇所の応力を「降伏後の平坦箇所の応力」とした。
また下記のように「最大降伏応力」と「降伏後の平坦箇所の応力」との差を「ソフトニング」の指標として算出した。
ソフトニング(MPa)=(最大降伏応力(MPa))−(降伏後の平坦箇所の応力(MPa))
(透明性)
濁度計「NDH2000」(日本電色工業社製)を用い、JIS K7136に準じて測定し、そのHAZE値を記載した。
表1の実施例1、比較例1の比較から明らかなように、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体が2種類の場合は、衝撃強度を維持することができるが、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体が1種類(比較例1)の場合、衝撃強度が低下した。また、実施例1、2から明らかなように、ランダムブロック中にPSブロックを導入することで、共役ジエン含有比率を4%削減しても、衝撃強度は維持され、透明性、剛性が向上した。
実施例2〜7、及び比較例2、3の比較から明らかなように、ブロック共重合体(A)、GPPS(B)の総量100質量%に対する含有割合において、(A)が15質量%未満、(B)が85質量%を超えると、衝撃強度が低く、(B)が15質量%未満、(A)が85質量%を超えると、剛性が低下した。
実施例5、8〜12、及び比較例4〜6の比較から明らかなように、(A),(B)の総量100質量%に対する流動パラフィン(C)の含有割合が0.6質量%未満では、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が1つとなった結果、衝撃強度が低下し、10質量%を超えると、剛性、透明性が低下した。おそらく、流動パラフィンを添加することにより、衝撃に伴う変形時に、GPPSに混ぜたブロック共重合体(A)中の2種類以上のブロック共重合体各々の分子の運動性、滑り性が変化し、別々の降伏点を示したと考えられる。その結果、ソフトニングが抑制され、衝撃強度が向上したと考えられる。
実施例5、13〜18、及び比較例7、8、13の比較から明らかなように、ブロック共重合体(A)の200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレート(MFR)が、10g/10分未満であると、複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4を超え、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が、1つとなった結果、衝撃強度が低下し、30g/10分を超えると、衝撃強度、透明性が低下した。おそらく、ブロック共重合体(A)のMFRが低いと、汎用ポリスチレン(B)との相溶性が向上し、MD分子配向が抑制されず、複屈折が大きくなり、かつ流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が1つとなることから、衝撃強度が低下したと考えられる。一方、ブロック共重合体(A)のMFRが高いと、汎用ポリスチレン(B)との相溶性が低下し、透明性悪化と考えられ、ブロック共重合体(A)の分子量が低すぎることから、衝撃強度が低下したと考えられる。
実施例5、19、20、22、23、及び比較例9、10の比較から明らかなように、GPPS(B)のピークトップ分子量Mpが、230,000未満では、複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4を超え、流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が、1つとなった結果、衝撃強度が低下し、400,000を超えると、透明性が低下した。おそらく、汎用ポリスチレン(B)の分子量が低いと、ブロック共重合体(A)との相溶性が向上し、MD分子配向が抑制されず、複屈折が大きくなり、かつ流れ方向(MD)の応力−ひずみ線図における降伏点が1つとなることから、衝撃強度が低下したと考えられる。一方、汎用ポリスチレン(B)の分子量が高いと、ブロック共重合体(A)との相溶性が低下し、透明性悪化と考えられる。
実施例5、21から明らかなように、流動パラフィン(C)は成形加工前に添加しても、原料ペレットの段階で添加しても、効果に大差ない。
実施例26、27、比較例11、12では、シート成形時のロール速度差、温度差にて、意図的に分子配向状態を制御し、複屈折を変化させた。その結果、同一配合でも配向複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4を超えると、衝撃強度が低下した。


本発明の成形体は、その優れた耐衝撃性、透明性,及び機械的特性を生かし、食品の移送や保管中に割れの心配がなく、内容物の視認が可能な食品包装容器や飲料容器、特に氷菓子や冷凍食品用の容器として利用できる。また電子部品搬送用の工業用容器、やトレー、日用雑貨包装容器、ブリスターパック等として広く利用できる。

Claims (7)

  1. ブロック共重合体A、汎用ポリスチレンB、及び流動パラフィンCを含有する樹脂組成物からなり、
    ブロック共重合体Aが、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなるブロック共重合体を2種類以上含有し、200℃、49N荷重の条件で測定したメルトマスフローレートMFRが10〜30g/10分であり、
    汎用ポリスチレンBが、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られるピークトップ分子量Mpが、230,000〜400,000であり、
    ブロック共重合体A及び汎用ポリスチレンBの含有量が、ブロック共重合体A及び汎用ポリスチレンBの総量100質量%に対して、それぞれ、15質量%〜85質量%であり、
    流動パラフィンCの含有量が、ブロック共重合体A及び汎用ポリスチレンBの総量100質量%に対して、0.6質量%〜10質量%であり、
    流れ方向の応力−ひずみ線図における降伏点が、2つ以上存在し、
    流れ方向の応力−ひずみ線図における最大降伏応力と降伏後の平坦箇所の応力との差であるソフトニングが、5.0MPa以下であり、
    複屈折の絶対値|ΔNxy|が、8.0×10−4以下である、成形体。
  2. ブロック共重合体Aが、共役ジエンの含有割合が20質量%〜35質量%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率が85%〜100%であり、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.1〜3.5であり、
    汎用ポリスチレンBが、示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.9〜2.4であり、
    流動パラフィンCが、JIS K2283で規定された測定方法で測定した40℃動粘度が61.2mm/s〜110mm/sである、請求項1に記載の成形体。
  3. ブロック共重合体Aが、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなるブロック共重合体a1、及び、ビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンからなるブロック共重合体a2を含有し、
    ブロック共重合体a1が、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量Mpが105,000〜250,000の範囲に、少なくとも1つのピークを有し、
    ブロック共重合体a2が、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、ピークトップ分子量Mpが40,000〜140,000の範囲に、少なくとも1つのピークを有する、請求項1又は2に記載の成形体。
  4. ブロック共重合体a1中の共役ジエンの含有割合が、10質量%〜20質量%であり、
    ブロック共重合体a2中の共役ジエンの含有割合が、27質量%〜40質量%である、請求項3に記載の成形体。
  5. ブロック共重合体a1及びa2の質量比a1/a2が、15/85以上60/40以下である、請求項3又は4に記載の成形体。
  6. ビニル芳香族炭化水素がスチレンであり、共役ジエンが1,3−ブタジエンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の成形体。
  7. シート又は容器である、請求項1から6のいずれか一項に記載の成形体。
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