JP2004323773A - ブロック共重合体及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部からなるハードセグメントブロック部と共役ジエンを主体とするブロック部からなるソフトセグメントブロック部から構成されるブロック共重合体において、ハードセグメントブロック部およびソフトセグメントブロック部の構造をある範囲に制御することにより、ソフトセグメントブロック部が連続構造を形成した、ある特殊なミクロドメイン構造を有すブロック共重合体。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体に関し、とりわけ透明性及び耐衝撃性に優れ、ブロック共重合体としても、各種熱可塑性樹脂との配合用としても有用であるブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が比較的高いブロック共重合体は、その透明性や耐衝撃性等の特性を利用して、射出成形用途や、シート、フィルム等の押出成形用途等に幅広く使用されている。
とりわけブロック共重合体及びブロック共重合体を配合したスチレン系重合体組成物は、透明性、耐衝撃性等に優れることから、いくつかの提案がなされている。例えば、カップリングに先立つ2つの線状共重合体におけるビニル置換芳香族炭化水素ブロックの高分子量成分と低分子量成分の数平均分子量の比を3〜7とした分岐状ブロック共重合体およびその製造方法(例えば、特許文献1参照。)が、そして3つ以上のビニル芳香族炭化水素を単量体単位とする重合体ブロックを有する分岐状ブロック共重合体とその製造方法(例えば、特許文献2参照。)がある。
【0003】
更にはビニル置換芳香族炭化水素ブロック部の分子量分布を2.3〜4.5とした線状共重合体組成物、あるいはビニル置換芳香族炭化水素ブロック部の分子量分布が2.8〜3.5で、かつブレンドによって製造される分岐状ブロック共重合体組成物(例えば、特許文献3参照。)が、またビニル置換芳香族炭化水素ブロック部部の分子量分布を2.8〜3.5の範囲外とした分岐状ブロック共重合体を組み合わせる方法(例えば、特許文献4参照。)が、夫々記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭53−000286号公報
【特許文献2】
特開平07−173232号公報
【特許文献3】
特開昭52−078260号公報
【特許文献4】
特開昭57−028150号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法では、ブロック共重合体及びそれを用いた各種熱可塑性樹脂との組成物は、透明性と耐衝撃性等のバランスが悪く、特に射出成形は高剪断下で成形を行なうため成形品に異方性を生じやすく、ある一方に対して強度が弱くなる等、成形品として十分なものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる現状に鑑み、押出成形品やブロー成形品だけでなく射出成形品においても透明性と耐衝撃性等のバランスに優れるブロック共重合体組成物を得るべく種々の検討を行った結果、ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部からなるハードセグメントブロック部と共役ジエンを主体とするブロック部からなるソフトセグメントブロック部から構成されるブロック共重合体において、ハードセグメントブロック部およびソフトセグメントブロック部の構造をある範囲に制御することにより、ソフトセグメントブロック部が連続構造を形成した、ある特殊なミクロドメイン構造を有すブロック共重合体を見いだした。
【0007】
そして、横軸に散乱ベクトルの大きさq(なおq=(4π/λ)sin(θ/2)、但しX線の波長をλ、θを散乱角とする)、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される小角X線散乱の1次元散乱曲線において、一次ピークのq値q1から求められる反射面間隔d(nm)および一次ピークのq値q1と二次ピークのq値q2の比q1/q2が特定の範囲にあるブロック共重合体を使用することにより、押出成形品やブロー成形品のみならず射出成形品においても透明性を悪化することなく耐衝撃性が極めて改良されることが分かり、本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち本発明は、単量体単位として55〜95質量%のビニル芳香族炭化水素および5〜45質量%の共役ジエンからなるブロック共重合体であって、
▲1▼該ブロック共重合体がビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部からなるハードセグメントブロック部と共役ジエンを主体とするブロック部からなるソフトセグメントブロック部から構成され、
▲2▼ハードセグメントブロック部が、分子量の異なる3種のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部S1、S2及びS3からなり、S1、S2及びS3の数平均分子量が、それぞれ102000〜190000、14000〜28000及び4700〜10000の範囲にあり、S1、S2及びS3の割合がS1/S2/S3=7〜18/10〜38/44〜78(モル比)の範囲にあり、
▲3▼ソフトセグメントブロック部が連続構造を形成し、
▲4▼該連続構造を反映する該ブロック共重合体の小角X線散乱の1次元散乱曲線(横軸に散乱ベクトルの大きさq(なおq=(4π/λ)sin(θ/2)、但しX線の波長をλ、θを散乱角とする)、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される)において、一次ピークのq値q1から求められる反射面間隔d(nm)が38〜47nmの範囲にあり、
▲5▼かつ一次ピークのq値q1と二次ピークのq値q2の比q1/q2が1.75〜1.95の範囲にあることを特徴とするブロック共重合体に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のブロック共重合体に用いられるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン,o−メチルスチレン,p−メチルスチレン,p−tertブチルスチレン,1,3−ジメチルスチレン,α−メチルスチレン,ビニルナフタレン,ビニルアントラセン等で、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これら1種のみならず2種以上の混合物として用いても良い。
また、共役ジエンとしては、炭素数が4ないし8の1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン,2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン),2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン,1,3−ペンタジエン,1,3−ヘキサジエン等が挙げられるが、特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン,イゾプレンが挙げられる。これら1種のみならず2種以上の混合物として用いても良い。
【0010】
本発明のブロック共重合体は、該共重合体の全質量に基づいて、単量体単位として55〜95質量%のビニル芳香族炭化水素および5〜45質量%の共役ジエンからなる。該ブロック共重合体が単量体単位として95質量%を超えるビニル芳香族炭化水素および5質量%未満の共役ジエンからなる場合は、該ブロック共重合体の耐衝撃性が劣るようになり好ましくない。一方、該ブロック共重合体が単量体単位として55質量%未満のビニル芳香族炭化水素および45質量%を超える共役ジエンからなる場合も、該ブロック共重合体は透明性、成形加工性、剛性、熱安定性等が劣るようになり、やはり好ましくない。
なお該ブロック共重合体が、該共重合体の全質量に基づいて単量体単位として60〜85質量%のビニル芳香族炭化水素および15〜40質量%の共役ジエンからなると、得られるブロック共重合体は耐衝撃性および透明性のバランスが一層良好なものになり好ましく、単量体単位として65〜75質量%のビニル芳香族炭化水素および25〜35質量%の共役ジエンからなると、得られるブロック共重合体の耐衝撃性、透明性、成形加工性等の物性バランスがなお一層良好なものになり、さらに好ましい。
【0011】
本発明のブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部からなるハードセグメントブロック部と共役ジエンを主体とするブロック部からなるソフトセグメントブロック部から構成される。
ここでハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部とは、単量体単位として70〜100質量%のビニル芳香族炭化水素と0〜30質量%の共役ジエンからなるブロック部を指す。ここでビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部が、単量体単位として80〜100質量%のビニル芳香族炭化水素と0〜20質量%の共役ジエンからなるブロック部であると、得られるブロック共重合体の剛性が良好になるため好ましく、単量体単位として95〜100質量%のビニル芳香族炭化水素と0〜5質量%の共役ジエンからなるブロック部であると更に好ましく、単量体単位としてビニル芳香族炭化水素からなるブロック部であると一層好ましい。
【0012】
なおビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部が、単量体単位としてビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体ブロックである場合、単量体単位の配列様式はランダム構造であってもテーパー構造であってもよく、またブロック構造であっても構わない。なおブロック構造としては、例えば共役ジエンブロック部をD、ビニル芳香族炭化水素ブロック部をVと表した時にV−D−V(なおDの両側のVの重合度は等しくても、異なっていても構わない)で表される構造が挙げられる。
【0013】
またソフトセグメントブロック部を構成する共役ジエンを主体とするブロック部とは、単量体単位として60〜100質量%の共役ジエンと0〜40質量%のビニル芳香族炭化水素からなるブロック部を指す。ここで共役ジエンを主体とするブロック部が、単量体単位として70〜100質量%の共役ジエンと0〜30質量%のビニル芳香族炭化水素からなるブロック部であると、得られるブロック共重合体の耐衝撃性が良好になるため好ましく、単量体単位として共役ジエンからなるブロック部であると一層好ましい。なおソフトセグメントブロック部として、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロック部を用いる場合は、単量体の配列様式はテーパー構造であってもランダム構造であってもどちらでも構わないが、好ましくはランダム構造が挙げられる。
【0014】
さらに本発明のブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部は、分子量の異なる3種のブロック部から構成される。これにより得られるブロック共重合体の成型加工性が良好になる上に、透明性、耐衝撃性及び成形加工性のバランスが良好なものになる。
【0015】
そして、3種のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部をS1、S2及びS3と表した時、本発明のブロック共重合体では、それぞれの数平均分子量は102000〜190000、14000〜28000及び4700〜10000の範囲にある。S1の数平均分子量が102000未満であるとブロック共重合体の耐衝撃性が劣り、190000を越えるとブロック共重合体の透明性が低下する。S2の数平均分子量が14000未満であるとブロック共重合体の透明性および耐衝撃性が劣り、28000を越えてもブロック共重合体の耐衝撃性が低下する。またS3の数平均分子量が4700未満であるとブロック共重合体の透明性が劣ると同時に流動性が高くなりすぎて成型加工性も不良となる一方、10000を越えるとブロック共重合体の耐衝撃性が劣る。なおブロック共重合体の成型加工性、透明性、耐衝撃性のバランスの点から、特に好ましいS1、S2及びS3の数平均分子量の範囲としては、それぞれ120000〜160000、16500〜22000及び5500〜8000の範囲が挙げられる。
【0016】
また本発明のブロック共重合体では、S1、S2及びS3の割合としてS1/S2/S3=7〜18/3〜38/44〜90(モル比)の範囲になるように該3種のブロック部の割合を設定する。これによりブロック共重合体の成型加工性、透明性、耐衝撃性バランスが良好なものになる。S1の割合が上記範囲の下限未満であるとブロック共重合体の耐衝撃性が劣り、上記範囲の上限を越えるとブロック共重合体の成型加工性が低下する。S2の割合が上記範囲の下限未満であるとブロック共重合体の耐衝撃性が劣り、上記範囲の上限を越えるとブロック共重合体の透明性が低下する。またS3の割合が上記範囲の下限未満であるとブロック共重合体の耐衝撃性および透明性が低下し成型加工性も不良になる。一方、上記範囲の上限を越えてもブロック共重合体の耐衝撃性がやはり低下する。なおブロック共重合体の成型加工性、透明性、耐衝撃性のバランスの点から、特に好ましいS1、S2及びS3の割合として、S1/S2/S3=9〜15/25〜35/52〜65(モル比)の範囲が挙げられる。
【0017】
次に本発明のブロック共重合体は、ソフトセグメントブロック部が連続構造を形成していることが必須である。これによりブロック共重合体は透明性を維持しつつ高い耐衝撃性を発現できるようになる。なおソフトセグメントブロック部が連続構造を形成しているか否かの判断は、オスミウム酸で染色したブロック共重合体の超薄切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより行われる。ソフトセグメントブロック部のほうがハードセグメントブロック部よりも、オスミウム酸で染色される共役ジエン構造の割合が少ないために、ソフトセグメントブロック部のほうがTEM写真において濃く染色された像として観察される。ここでTEM観察用の試料としては、ビニル芳香族炭化水素および共役ジエンからなるブロック共重合体について一般的に良溶媒として知られるトルエン等の溶媒から該ブロック共重合体をキャストし、その後アニ−ル処理して得られたフィルムを用いるのが好ましい。
【0018】
さらに本発明のブロック共重合体は、横軸に散乱ベクトルの大きさq(q=(4π/λ)sin(θ/2)、但しX線の波長をλ、θを散乱角とする)、縦軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される小角X線散乱の1次元散乱曲線において、1次ピークのq値(q1とする)と2次ピークのq値(q2とする)の比q1/q2が1.75〜1.95の範囲にあることが必須である。q1/q2が1.75〜1.95の範囲にあると、得られるブロック共重合体は透明性を維持しつつ高い耐衝撃性を発現できるようになり、透明性や耐衝撃性といった物性バランスが非常に良好なものになる。q1/q2が1.75未満の場合は、ブロック共重合体の透明性は良好ではあるが耐衝撃性に劣るようになり、またq1/q2が1.95を越えてもブロック共重合体の耐衝撃性が発現しないばかりか透明性も劣るようになる。なおq1/q2が1.8〜1.92の範囲にあると、ブロック共重合体の耐衝撃性が特に良好になるためなお好ましい。
【0019】
ところで、単量体単位としてビニル芳香族炭化水素および共役ジエンからなるブロック共重合体は一般にビニル芳香族炭化水素ブロック部と共役ジエンブロック部が互いに反発しあう結果、球、シリンダー、ジャイロイド、ラメラといったミクロドメイン構造を形成することが知られている。そしてこれらのミクロドメイン構造を形成しているブロック共重合体の小角X線散乱の1次元散乱曲線は、通常、そのミクロドメイン構造に対応して、1次ピークを基準として比q2/q1だけずれた散乱ベクトル値に2次ピークを持つ。例えば、六方充填したシリンダー構造の場合は、1次ピークから比q2/q1=√3≒1.732だけずれた散乱ベクトル値の位置に2次ピークを持つ。同様に体心立方充填した球では比q2/q1=√2≒1.414、ジャイロイドでは比q2/q1=√(4/3)≒1.155、ラメラでは比q2/q1=2の位置にそれぞれ2次ピークを持つ。
【0020】
しかし本発明のブロック共重合体は、このような球、シリンダー、ジャイロイド、ラメラといった、これまでに既に知られているミクロドメイン構造に対応した2次ピークとは全く異なり、前述の連続構造を反映してq1/q2=1.75〜1.95となるような散乱ベクトルの大きさの位置q2に2次ピークを与えることが特徴であり、この位置に2次ピークを与える特殊なミクロドメイン構造が、本発明のブロック共重合体の物性バランスを非常に良好なものにしていると考えている。
【0021】
ところで小角X線散乱の1次元散乱曲線においては、1次ピークのq値(q1とする)から下記の式により、ブラッグの反射条件式(n=1の場合)に基づきミクロ相分離構造の大きさを示す指標である反射面間隔d(nm)を求めることができる。
d=λ/(2×sin(θ/2))=2π/q1
本発明のブロック共重合体では、この反射面間隔dが38〜47nmの範囲にある。これにより透明性と耐衝撃性が良好なブロック共重合体が得られる。
なお本発明で用いられる小角X線散乱は、シンクロトロン放射光を利用して測定される。さらにこの試料には、トルエン等のような、ビニル芳香族炭化水素および共役ジエンからなるブロック共重合体について一般的に良溶媒として知られる溶媒から該ブロック共重合体をキャストし、その後アニ−ル処理して得られたフィルムを用いる。
【0022】
ところで本発明のブロック共重合体の分子骨格は、線状であっても分岐状であってもよいが、好ましくは分岐状のブロック共重合体が挙げられる。
本発明のブロック共重合体は、炭化水素溶媒中において有機リチウム化合物を開始剤に用いた通常のリビングアニオン重合法により得られるが、線状ブロック共重合体の場合は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを単量体として使用し、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤に用いてアニオン重合してリビング活性末端を生成させた後に、水やアルコール等の停止剤を添加してリビング活性末端を失活させるという逐次重合法で製造してもよく、或いは、同じくアニオン重合してリビング活性末端を生成させた後に、反応サイトを1分子当たり2点有する2官能性カップリング剤を添加してリビング活性末端とカップリング剤を反応させるというカップリング法によって製造してもよい。
【0023】
なおカップリング法により製造する場合は、カップリング剤におけるリビング活性部位が攻撃しうる反応サイトは必ずしも完全に反応する必要はなく、一部は反応せずに残っていてもよい。さらに全てのリビング活性部位を片末端に持つポリマー鎖がカップリング剤の反応サイトと全てが反応している必要はなく、反応せずに残ったポリマー鎖が最終的に生成したブロック共重合体に残ってもよい。
即ちこの場合、最終生成ブロック共重合体としては、使用したカップリング剤の反応サイトが完全に反応したブロック共重合体、リビング活性部位にカップリング剤が置き換わって結合しただけのポリマー鎖、及びカップリング剤の反応サイトと反応せずに残ったポリマー鎖が混在したものとなる。本発明におけるブロック共重合体は単一物だけでなく、このような混在物をも指している。
【0024】
一方分岐状ブロック共重合体の場合も、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを単量体として使用し、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤に用いてアニオン重合してリビング活性末端を生成させた後に、反応サイトを1分子当たり3点以上有する多官能性カップリング剤を添加してリビング活性末端とカップリング剤を反応させるというカップリング法によって製造される。
【0025】
なお分岐状ブロック共重合体の場合も、カップリング剤におけるリビング活性部位が攻撃しうる反応サイトは必ずしも完全に反応する必要はなく、一部は反応せずに残っていてもよい。さらに全てのリビング活性部位を片末端に持つポリマー鎖がカップリング剤の反応サイトと全てが反応している必要はなく、反応せずに残ったポリマー鎖が最終的に生成したブロック共重合体に残ってもよい。そして、使用したカップリング剤の反応サイトが完全に反応した際に見込まれる分岐数よりも、少ない分岐数を有するブロック共重合体が、最終的に生成したブロック共重合体に混在していても構わないし、リビング活性部位にカップリング剤が置き換わっただけの、片末端にカップリング剤のみが結合したポリマー鎖が最終生成ブロック共重合体に混在していても構わない。むしろ最終生成ブロック共重合体が、使用したカップリング剤の反応サイトが完全に反応した際に見込まれる分岐数に等しい分岐数を持つブロック共重合体、使用したカップリング剤の反応サイトが完全に反応した際に見込まれる分岐数よりも少ない分岐数を有するブロック共重合体、リビング活性部位にカップリング剤が置き換わって結合しただけのポリマー鎖、及びカップリング剤の反応サイトと反応せずに残ったポリマー鎖のいずれか2種以上が混在したものであるほうが、良好な成形加工性を得る点で好ましい。本発明のブロック共重合体は、上記のような分岐状ブロック共重合体を含有するブロック共重合体混合物も含めて扱う。
【0026】
ここで本発明のブロック共重合体の製造に用いられるカップリング剤としては四塩化ケイ素や1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン等のクロロシラン系化合物、テトラメトキシシランやテトラフェノキシシラン等のアルコキシシラン系化合物、四塩化スズ、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化合物、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化油脂などが挙げられる。
【0027】
このようなカップリング剤の中で、1分子当たり2個の反応サイトを有する2官能性カップリング剤としてはジメチルジクロロシランやジメチルジメトキシシラン等がある。一方1分子当たり3個以上の反応サイトを有する多官能性カップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシランおよびテトラフェノキシシラン等がある。またエポキシ化油脂も、1分子当たり3個のエステル結合のカルボニル炭素があり、かつ長鎖アルキル基側には最低1個以上のエポキシ基を持つことから、多官能性カップリング剤となる。好ましい多官能性カップリング剤としてはエポキシ化油脂が挙げられ、さらに好ましくはエポキシ化大豆油が挙げられる。
【0028】
ところで本発明のブロック共重合体が分岐状である場合、その製造の際には多官能性カップリング剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上の多官能性カップリング剤を併用してもよい。また1種以上の2官能性カップリング剤と1種以上の多官能性カップリング剤の併用も可能である。好ましくは多官能性カップリング剤を1種単独で用いるのがよい。
【0029】
次に本発明のブロック共重合体で特に好ましいブロック共重合体を例示すると、以下のようになる。
まずカップリング法により該ブロック共重合体が製造される場合は、分子量の異なる3種のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を有するブロック共重合体として、下記一般式(3)で表されるブロック共重合体の混合物等が挙げられる。
【式3】
(式中、S1、S2、S3はハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を表し、Bはソフトセグメントブロック部を構成する共役ジエンを主体とするブロック部、Xはカップリング剤の残基を示す。i、m、nは0以上の整数を示し、上限は特に制限はないが7以下が好ましく、更に好ましくはには0〜4である。更に、i+m+nは1以上である。なお S1−B、S2−B、S3−Bは、水、アルコールなどの重合停止剤によって活性末端が不活性化された、カップリング反応に関係しなかった残留ポリマー鎖を表し、Bブロックの片末端にはXが結合していない。)
【0030】
なお一般式(3)で表されるブロック共重合体の混合物においては、ソフトセグメントブロック部としての共役ジエンを主体とするブロック部Bの分子量は、数平均分子量として5000〜25000の範囲にあることが好ましい。この範囲にあると、透明性、耐衝撃性及び成形加工性のバランスが良好なブロック共重合体を得ることが出来る。ソフトセグメントブロック部Bの数平均分子量が5000未満であると、ブロック共重合体の耐衝撃性が劣り、25000を超えると透明性および成形加工性に劣る。なお透明性、耐衝撃性及び成形加工性のバランスが良好なブロック共重合体を得るための、特に好ましいソフトセグメントブロック部の数平均分子量の範囲として10000〜25000の範囲が挙げられる。
【0031】
ところで一般式(3)で表されるブロック共重合体の混合物は、分岐状ブロック共重合体を65〜90質量%含有することが好ましい。なお、ここで言う分岐状ブロック共重合体とは、一般式(3)で表されるブロック共重合体の混合物から、
【式4】
一般式(4)で表される成分(但しi=1かつm=n=0のもの、i=m=0かつn=1のもの、i=n=0かつm=1のものを表す)、即ち、カップリング反応に関係しなかった残留ポリマー鎖及びリビング活性部位にカップリング剤が置き換わって結合しただけのポリマー鎖を除いた成分を指すことにする。該ブロック共重合体の混合物中の分岐状ブロック共重合体の含有率はゲルパーミエーションクロマトグラムを用いて以下のように求めることができる。
【0032】
すなわち該ブロック共重合体の混合物のゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、カップリングに先立つ線状ブロック共重合体S1−B、S2−B、S3−Bに対応するピーク面積の和(これが即ち、カップリング反応に関係しなかった残留ポリマー鎖及びリビング活性部位にカップリング剤が置き換わって結合しただけのポリマー鎖のピーク面積となる)を算出し、その値を全ピーク面積の値から引くことで、該ブロック共重合体混合物中における分岐状ブロック共重合体のピーク面積が求められる。
このようにして求めた分岐状ブロック共重合体のピーク面積の、全ピーク面積に対する面積割合を百分率で求めることによって該ブロック共重合体混合物中の分岐状ブロック共重合体の含有率を質量%で求めることができる。
【0033】
なお、特に好ましい分岐状ブロック共重合体の含有率は70〜85質量%の範囲が挙げられる。また、該ブロック共重合体混合物中の分岐状ブロック共重合体の含有率が65質量%未満の範囲にあるとブロック共重合体およびこれとスチレン系樹脂との混合樹脂組成物の耐衝撃性、透明性、成型加工性が劣る場合があり好ましくなく、90質量%を超える範囲にあるとブロック共重合体およびこれとスチレン系樹脂との混合樹脂組成物の耐衝撃性が劣る場合があり好ましくない。
【0034】
次に逐次重合により該ブロック共重合体が製造される場合は、分子量の異なる3種のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を有するブロック共重合体として、下記一般式(5)で表されるブロック共重合体の混合物等が挙げられる。
【式5】
(式中、S1、S2、S3はハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を表し、Bはソフトセグメントブロック部を構成する共役ジエンを主体とするブロック部を示す。)
【0035】
ところで一般式(5)で表されるブロック共重合体の混合物におけるソフトセグメントブロック部としての共役ジエンを主体とするブロック部Bの分子量は、数平均分子量として15000〜30000の範囲であることが好ましい。
この範囲にあると、透明性、耐衝撃性及び成形加工性のバランスが良好なブロック共重合体を得ることが出来る。ソフトセグメントブロック部Bの数平均分子量が15000未満であると、ブロック共重合体の耐衝撃性が劣り、30000を超えると透明性および成形加工性に劣る。
なお透明性、耐衝撃性及び成形加工性のバランスが良好なブロック共重合体を得るための、特に好ましいソフトセグメントブロック部の数平均分子量の範囲として20000〜28000の範囲が挙げられる。
【0036】
本発明のブロック共重合体には、必要に応じてさらに各種の添加剤を配合することができる。ブロック共重合体が各種の加熱処理を受ける場合や、その成形品などが酸化性雰囲気や紫外線などの照射下にて使用され物性が劣化することに対処するため、また使用目的に適した物性をさらに付与するため、たとえば安定剤、滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐候性向上剤、軟化剤、可塑剤、顔料などの添加剤を添加できる。
【0037】
安定剤としては、例えば2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートや、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0038】
また、滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチルなどの脂肪酸エステルやペンタエリスリトール脂肪酸エステル、さらにエルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイドなどの脂肪酸アマイドや、エチレンビスステアリン酸アマイド、またグリセリン−モノ−脂肪酸エステル、グリセリン−ジ−脂肪酸エステル、その他にソルビタン−モノ−パルミチン酸エステル、ソルビタン−モノ−ステアリン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどに代表される高級アルコールなどが挙げられる。
【0039】
さらに耐候性向上剤としては2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系や2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどのサリシレート系、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、また、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン型耐候性向上剤が例として挙げられる。さらにホワイトオイルや、シリコーンオイルなども加えることができる。
【0040】
これらの添加剤は本発明のブロック共重合体中、0〜5質量%以下の範囲で使用することが望ましい。
【0041】
この様にして得た本発明のブロック共重合体は、従来公知の任意の成形加工方法、例えば、押出成形,射出成形,中空成形などによってシート,発泡体,フィルム,各種形状の射出成形品,中空成形品,圧空成形品,真空成形品,2軸延伸成形品等極めて多種多様にわたる実用上有用な製品に容易に成形加工出来る。
【0042】
本発明のブロック共重合体は、必要に応じて各種熱可塑性樹脂と配合して樹脂組成物とすることができる。
使用できる熱可塑性樹脂の例としては、ポリスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体、ポリブテン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリ酢酸ビニル系重合体、ポリアミド系重合体、熱可塑性ポリエステル系重合体、ポリアクリレート系重合体、ポリフェノキシ系重合体、ポリフェニレンスルフィド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアセタール系重合体、ポリブタジエン系重合体、熱可塑性ポリウレタン系重合体、ポリスルフィン系重合体等が挙げられるが、好ましい熱可塑性樹脂はスチレン系重合体であり、とりわけポリスチレン樹脂、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体が好適に使用できる。
【0043】
本発明のブロック共重合体と熱可塑性樹脂との配合質量比は、好ましくはブロック共重合体/熱可塑性樹脂=3/97〜90/10である。前記ブロック共重合体の配合量が3質量%未満の場合には、生成樹脂組成物の耐衝撃性の改良効果が充分でなく、また熱可塑性樹脂の配合量が10質量%未満の場合は熱可塑性樹脂の配合による剛性等の改善効果が充分でないので好ましくない。特に好ましい該ブロック共重合体混合物と熱可塑性樹脂との配合質量比は、ブロック共重合体/熱可塑性樹脂=30/70〜80/20であり、さらに好ましくはブロック共重合体/熱可塑性樹脂=40/60〜70/30である。
【0044】
以下に本発明を、実施例を用いて説明する。なお本発明の内容をこれらの実施例に限定するものではない。ところで実施例および比較例において示すデータは、下記方法に従って測定した。
全光線透過率および曇価はJIS−K7105、
シャルピー衝撃強度はJIS K−7111(ノッチ付き)に準拠し、射出成形機により樹脂ペレットから試験片を成形して測定した。
落錘衝撃強度は、厚さ2mmの平板を射出成形機により成形し、落錘グラフィックインパクトテスター(東洋精機製作所の計装化落錘衝撃試験機の商標)を用いて、高さ62cmより質量6.5kgの重鎮をホルダー(径40mm)に固定した試験片平面上に自然落下させ、重鎮下部に設けてあるストライカー(径12.7mm)によって試験片を完全破壊または貫通させ、この時に要した全エネルギー(全吸収エネルギーと称す)を測定した。
ブロック共重合体混合物中のポリブタジエンゴム成分量(PBd量)は、二重結合に塩化ヨウ素を付加して測定するハロゲン付加法により求めた。
高温化における流動性(MFR)はJIS K−7210に準拠し測定した。
【0045】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は、下記の測定条件1および測定条件2によった。
[測定条件1]
溶媒(移動相):THF
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製TSKgurdcolumn MP(×L)6.0mmID×4.0cm1本、および東ソー社製TSK−GEL MULTIPOREHXL−M 7.8mmID×30.0cm(理論段数16000段) 2本、計3本(全体として理論段数32000段)、
サンプル注入量:100μL(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm2
検出器:RI検出器
【0046】
[測定条件2]
溶媒(移動相):THF
流速:0.2ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:昭和電工製KF−G 4.6mmID×10cm 1本、および昭和電工製KF−404HQ 4.6mmID×250cm(理論段数25000段)4本、計5本(全体として理論段数100000段))
サンプル注入量:10μL(試料液濃度2mg/ml)
送液圧力:127kg/cm2
検出器:RI検出器
【0047】
なお共役ジエンを主体とするブロック部からなるソフトセグメントブロック部の数平均分子量の測定は次に様に行った。S1、S2及びS3の混合物の測定条件1のGPCによるクロマトグラム上の対応する各ピークの数平均分子量の値をそれぞれM1、M2、M3とし、S1−B、S2−B及びS3−Bの混合物の測定条件2のGPCによるクロマトグラム上の対応する各ピークの数平均分子量の値をそれぞれM4、M5、M6としたとき、下記式により得られる値Xを、ソフトセグメントブロック部の数平均分子量のポリスチレン換算値とした。
X={(M4−M1)+(M5−M2)+(M6−M3)}/3
【0048】
続いてソフトセグメントブロック部が共役ジエンの単独重合体の場合は、分子量既知の標準ポリブタジエンをGPCで測定してこれら標準ポリブタジエンのポリスチレン換算分子量を求める事で得た、ポリスチレン換算分子量値Xから絶対分子量値Yへの変換式Y=0.58×Xを用いて、共役ジエンの単独重合体からなるソフトセグメントブロック部の数平均分子量を算出した。
一方ソフトセグメントブロック部が共役ジエンとビニル芳香族炭化水素のランダム共重合体の場合は、仕込み量からソフトセグメントブロック部中のビニル芳香族炭化水素ユニットのモル分率αを求め、下記式によりポリスチレン換算分子量値Xから共役ジエンとビニル芳香族炭化水素のランダム共重合体からなるソフトセグメントブロック部の数平均分子量を算出した。
Y=X×α+X×(1−α)×0.58
【0049】
ところでカップリング法により得たブロック共重合体の場合は、分岐状ブロック共重合体の含有率をゲルパーミエーションクロマトグラムを用いて以下に述べる方法により求めた。
まずカップリングに先立つ線状ブロック共重合体S1−B、S2−B、S3−Bに対応するピークについて、4段目重合完結後のサンプリング物のゲルパーミエーションクロマトグラムから得られるS1−B、S2−B及びS3−Bに対応する成分のピークトップ分子量M4、M5、M6を測定した。
次に、最終的に得られたブロック共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラム上でM4、M5、M6のそれぞれの分子量を持つピークを選定することによりS1−B、S2−B及びS3−Bに対応するピークを帰属した。
帰属されたS1−B、S2−B及びS3−Bに対応する成分のピークの面積は、それぞれ隣接するピークの間の谷間からベースラインに向かって垂線を降ろし、ベースラインと垂線で囲まれる部分のピークの面積として算出した。
【0050】
次にこの3種の成分のピークの面積の和を算出し、その値をブロック共重合体の全体のクロマトグラムの面積の値から引くことで、該ブロック共重合体中の分岐状ブロック共重合体のピーク面積を求めた。このようにして求めた分岐状ブロック共重合体のピーク面積の、ブロック共重合体の全体のクロマトグラムの面積に対する面積割合を百分率で求めることによってブロック共重合体中の分岐状ブロック共重合体の含有率を質量%で求めた。
さらに、小角X線散乱はシンクロトロン放射光を利用して次のように測定した。まず試料となるブロック共重合体を0.5g採取し、トルエン30gに溶解して濃度1.7質量%のトルエン溶液を調製した。この溶液を直径3.8cmのアルミニウム製シャーレに展開し、室温下で2日かけてトルエンを揮発させてキャストフィルムを得た。次にこのフィルムを温度130℃で12時間真空下に置いてアニール処理した後、氷水中で急冷した。このフィルムを用いてシンクロトロン放射光を線源とする小角X線散乱(SAXS)を行った。なおフィルムの厚みは0.2mmである。
【0051】
SAXS測定は、Spring−8(ビームラインBL−45XU)と、高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設(ビームラインBL−9C)を用い、X線を試料フィルムの法線方向と平行に入射するThrough viewにて行った。
高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設(ビームラインBL−9C)における測定では、波長1.5Åで光エネルギー8.3keVのX線を用い、計数装置には一次元位置敏感型比例計数管(PSPC)を使用した。なお試料からPSPCまでの距離を100cmとし、測定時間を180秒とした。測定された散乱強度にさらにAir散乱補正を行うことで、横軸に散乱ベクトルの大きさq、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される1次元散乱曲線を得た。
【0052】
また一部の試料は、Spring−8(ビームラインBL−45XU)においてSAXSを測定した。ここでは波長1.0Åで光エネルギー12.4keVのX線を用い、計数装置には一次元位置敏感型比例計数管(PSPC)を使用した。なお試料からPSPCまでの距離を2.2mとし、測定時間を180秒とした。測定された散乱強度にさらにAir散乱補正及び透過率補正を行ない、横軸に散乱ベクトルの大きさq、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される1次元散乱曲線を得た。
測定された散乱強度をさらにAir散乱及び透過率補正を行うことで、横軸に散乱ベクトルの大きさq、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される1次元散乱曲線を得た。
【0053】
横軸に散乱ベクトルの大きさq(なおq=(4π/λ)sin(θ/2)、但しX線の波長をλ、θを散乱角とする)、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される1次元散乱曲線において、各試料ともミクロドメイン構造を反映した散乱ピークが確認でき、一次ピークのqの値q1と二次ピークのqの値q2を求めて、その比q1/q2を算出した。また試料の高次構造の大きさを示す指標として、下記の式によりブラッグの反射条件式(n=1の場合)に基づき、1次ピークのqの値q1から反射面間隔d(nm)を求めた。
d=λ/(2×sin(θ/2))=2π/q1
【0054】
またソフトセグメントブロック部が連続構造を形成しているか否かは、以下のようにして判断した。まず試料となるブロック共重合体を0.5g採取し、トルエン30gに溶解して濃度1.7質量%のトルエン溶液を調製した。この溶液を直径3.8cmのアルミニウム製シャーレに展開し、室温下で2日かけてトルエンを揮発させてキャストフィルム(厚み0.2mm)を得た。次にこのフィルムを温度130℃で12時間真空下に置いてアニール処理した後、氷水中で急冷した。
このフィルムの切片をオスミウム酸によって染色し、これをエポキシ樹脂に包埋しエポキシ樹脂を硬化させた。続いて包埋したフィルムの切片の一部が切り出し面に現れるように、硬化したエポキシ樹脂のブロックを切り出した。そしてこれを再びオスミウム酸で染色してから、さらにフィルム切片の一部が現れた面から今度は超薄切片を切り出した。この超薄切片を用いて透過型電子顕微鏡によりミクロ相分離構造を観察した。
黒く染色された部分がソフトセグメントブロック部であり、白い部分がハードセグメントブロック部である。黒く染色されたソフトセグメントブロック部の相の繋がりの状態を倍率168000倍の電子顕微鏡写真(縦8.9cm×横13.3cm)により観察し、写真の視野の範囲内で黒く染色されたソフトセグメントブロック部の相が繋がっているものを連続構造を形成しているものとする一方、黒く染色されたソフトセグメントブロック部の相が途中で切れて不連続になっているものは連続構造を形成していないものと判断し、
連続構造を形成しているもの…○
連続構造を形成していないもの…×
と表した。
【0055】
【実施例1】
前記一般式(1)で表されるブロック共重合体の混合物を以下のように合成した。
内容積10Lのジャケット・撹拌機付きステンレス製重合槽を、シクロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において、テトラヒドロフラン150ppmを含む、水分含量7ppm以下に脱水したシクロヘキサン4085gを重合槽に仕込み、次に水分含量7ppm以下に脱水したスチレン436gを加えた。内温50℃に昇温後、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を5.4ml添加し最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(1段目重合)。
【0056】
次に、内温50℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を11ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを143g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(2段目重合)。
その後、内温50℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を22ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを348gを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で15分間重合させた(3段目重合)。
3段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件1で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖(一般式(1)におけるS1、S2及びS3に相当)が存在し、それぞれの数平均分子量を高い順にM1、M2、M3としたとき、M1=121000、M2=19400、M3=7800であった。
【0057】
さらに、内温80℃に昇温後、モレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエンを435g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(4段目重合)。
4段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件2で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖(一般式(1)におけるS1−B、S2−BおよびS3−Bに相当)が存在し、その数平均分子量(ポリスチレン換算値)を高い順にそれぞれM4、M5、M6とするとき、M4=141000、M5=37800、M6=27500であった。
【0058】
逐次重合完了後に内温80℃一定条件下で、エポキシ化大豆油Vikoflex7170(ATOFINA CHEMICALS社)5.6gをシクロヘキサン10ml中に溶解させた溶液を添加し、30分間カップリング反応を行った(カップリング工程)。
最後に全ての重合活性末端をメタノールにより失活させた。重合液をシクロヘキサンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより粉末状のポリマーを得た。
【0059】
最後に、この粉末状のポリマー100質量部に対して安定剤として2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールを0.2質量部の割合で添加した後、粉末状ポリマーを20mm単軸押出機に供給して210℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷後カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。各種仕込み値を表1に各種分析値を表3、5、7に、固体物性評価結果を表9にそれぞれ示す。
また透過型電子顕微鏡写真を図1に示す。電子顕微鏡写真から、黒く染色されたポリブタジエン相(ソフトセグメントブロック部)が連続構造を形成していることが分かる。
【0060】
【実施例2〜6および比較例1〜8】
実施例2〜6及び比較例1〜8は、表1〜2に示す原料の仕込み量とした以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体を合成しペレットを得た。各種分析値を表3〜8に、固体物性評価結果を表9〜10に示す。
また実施例5のブロック共重合体の1次元散乱曲線を図2に、比較例4のブロック共重合体の透過型電子顕微鏡写真を図3に示す。比較例4の電子顕微鏡写真から、黒く染色されたポリブタジエン相(ソフトセグメントブロック部)が、所々不連続になっていることが分かる。
なお、GPCの測定は3段目重合完結後の測定を測定条件1で、4段目重合完結後の測定を測定条件2で、得られたブロック共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムの測定を測定条件2で行なった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【実施例7〜12および比較例9〜16】
実施例1〜6および比較例1〜8で得られたブロック共重合体と汎用ポリスチレン(東洋スチレン(株)社製:G14L)とをブロック共重合体/汎用ポリスチレン=6/4の重量比率でブレンドした後、20mm単軸押出機に供給して230℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。その後実施例1と同様に物性を評価した。結果を表11〜12に示す。
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【0074】
【実施例13】
前記一般式(1)で表されるブロック共重合体の混合物を以下のように合成した。内容積10Lのジャケット・撹拌機付きステンレス製重合槽を、シクロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において、テトラヒドロフラン150ppmを含む、水分含量7ppm以下に脱水したシクロヘキサン4090gを重合槽に仕込んだ。内温80℃に昇温後、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を5.1ml添加した後、モレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエンを2.6gと水分含量7ppm以下に脱水したスチレン512gを加え、最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合させた(1段目重合)。なお1段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件2で行った。数平均分子量114400、分子量分布1.02(ともにポリスチレン換算値)のスチレン−ブタジエン共重合体が生成しているのが確認された。
【0075】
次に、内温80℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を10ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを152g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合させた(2段目重合)。
なお2段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件1で行った。該サンプリング物中には、数平均分子量124000で分子量分布1.08(ともにポリスチレン換算値)のスチレン−ブタジエン共重合体ブロックとスチレンブロックからなるジブロックポリマー鎖と、数平均分子量9900で分子量分布1.05(ともにポリスチレン換算値)のポリスチレン鎖の2種のポリマー鎖が存在していることが確認された。
【0076】
その後、内温80℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を14ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを276gを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合させた(3段目重合)。
3段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件1で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖が存在していた。これらは本ブロック共重合体におけるハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部である。これら3種のポリマー鎖は数平均分子量の高い順にS1、S2及びS3に相当する。これらのそれぞれの数平均分子量(ポリスチレン換算値)をM1、M2、M3としたとき、M1=138000、M2=21000、M3=8000であった。
【0077】
さらに、内温80℃に昇温後、モレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエンを421g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(4段目重合)。
4段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件2で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖(一般式(1)のS1−B、S2−BおよびS3−Bに相当)が存在し、その数平均分子量(ポリスチレン換算値)を高い順にそれぞれM4、M5、M6とするとき、M4=152300、M5=44600、M6=33400であった。
【0078】
逐次重合完了後に内温80℃一定条件下で、エポキシ化大豆油Vikoflex7170(ATOFINA CHEMICALS社)3.8gをシクロヘキサン10ml中に溶解させた溶液を添加し、30分間カップリング反応を行った(カップリング工程)。
最後に全ての重合活性末端をメタノールにより失活させた。重合液をシクロヘキサンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより粉末状のポリマーを得た。
【0079】
最後に、この粉末状のポリマー100質量部に対して安定剤として2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールを0.2質量部の割合で添加した後、粉末状ポリマーを20mm単軸押出機に供給して210℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷後カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。各種仕込み値を表13に、各種分析値を表14〜16に、固体物性評価結果を表17にそれぞれ示す。
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
【表16】
【0084】
【表17】
【実施例14】
実施例13で得られたブロック共重合体と汎用ポリスチレン(東洋スチレン(株)社製:G14L)とをブロック共重合体/汎用ポリスチレン=6/4の重量比率でブレンドした後、20mm単軸押出機に供給して230℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。その後実施例1と同様に物性を評価した。結果を表18に示す。
【0085】
【表18】
【0086】
【実施例15】
一般式(1)で表されるブロック共重合体の混合物を以下のように合成した。内容積10Lのジャケット・撹拌機付きステンレス製重合槽を、シクロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において、テトラヒドロフラン150ppmを含む、水分含量7ppm以下に脱水したシクロヘキサン4114gを重合槽に仕込み、次に水分含量7ppm以下に脱水したスチレン442gを加えた。内温80℃に昇温後、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を4.5ml添加し最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合させた(1段目重合)。
【0087】
次に、内温80℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を9ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを146g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合させた(2段目重合)。
その後、内温80℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を19ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを334gを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合させた(3段目重合)。
3段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件1で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖が存在していた。これらは本ブロック共重合体におけるハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素の単独重合体ブロック部である。これら3種のポリマー鎖は数平均分子量の高い順にS1、S2及びS3に相当する。これらの数平均分子量を高い順にM1、M2、M3としたとき、M1=128700、M2=19100、M3=7400であった。
【0088】
さらに内温80℃一定の条件下で、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ブロック部をソフトセグメントブロック部として導入するために、水分含量7ppm以下に脱水したスチレン3.26g/分と、モレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエン8.9g/分を同時に37分間フィードした後、15分間内温80℃で一定に保って重合を完結させた(4段目重合)。
4段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件2で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖(S1−B、S2−BおよびS3−Bに相当)が存在し、その数平均分子量(ポリスチレン換算値)を高い順にそれぞれM4、M5、M6とするとき、M4=155900、M5=39300、M6=28700であった。
【0089】
4段目の逐次重合完了後に内温80℃一定条件下で、エポキシ化大豆油Vikoflex7170(ATOFINA CHEMICALS社)4.1gをシクロヘキサン10ml中に溶解させた溶液を添加し、30分間カップリング反応を行った(カップリング工程)。
最後に全ての重合活性末端をメタノールにより失活させた。重合液をシクロヘキサンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより粉末状のポリマーを得た。
【0090】
最後に、この粉末状のポリマー100質量部に対して安定剤として2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールを0.2質量部の割合で添加した後、粉末状ポリマーを20mm単軸押出機に供給して210℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷後カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。各種仕込み値を表19に、各種分析値を表20〜22に、固体物性評価結果を表23にそれぞれ示す。
【0091】
【表19】
【0092】
【表20】
【0093】
【表21】
【0094】
【表22】
【0095】
【表23】
【0096】
【実施例16】
実施例15で得られたブロック共重合体と汎用ポリスチレン(東洋スチレン(株)社製:G14L)とをブロック共重合体/汎用ポリスチレン=6/4の重量比率でブレンドした後、20mm単軸押出機に供給して230℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。その後実施例1と同様に物性を評価した。結果を表24に示す。
【0097】
【表24】
【0098】
【実施例17】
前記一般式(2)で表されるブロック共重合体の混合物を以下のように合成した。内容積10Lのジャケット・撹拌機付きステンレス製重合槽を、シクロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において、テトラヒドロフラン150ppmを含む、水分含量7ppm以下に脱水したシクロヘキサン4358gを重合槽に仕込み、次に水分含量7ppm以下に脱水したスチレン360gを加えた。内温50℃に昇温後、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を4.1ml添加し最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(1段目重合)。
次に、内温50℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を1.5ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを46g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(2段目重合)。
【0099】
その後、内温50℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を10ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを136gを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で15分間重合させた(3段目重合)。
3段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件1で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリスチレン鎖が存在していた。これら3種のポリスチレン鎖の数平均分子量を、高い順にM1、M2、M3としたとき、M1=104400、M2=21600、M3=7600であった。
続いて内温80℃に昇温後、モレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエンを338g添加し最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(4段目重合)。
【0100】
4段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件2で行ったところ、該サンプリング物中には3種のポリマー鎖(それぞれ分子量の異なるスチレン−ブタジエンジブロック共重合体である)が存在し、その数平均分子量(ポリスチレン換算値)を、高い順にそれぞれM4、M5、M6とするとき、M4=155900、M5=60100、M6=45500であった。
【0101】
その後、内温80℃一定の条件下で、水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを136gを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で15分間重合させた(5段目重合)。
【0102】
最後に全ての重合活性末端をメタノールにより失活させた。安定剤として2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールをポリマー100質量部に対し0.2質量%の割合で添加してから重合液をシクロヘキサンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより粉末状のポリマーを得た。
得られた粉末状のポリマーを20mm単軸押出機に供給して210℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。各種仕込み値を表25に、各種分析値を表26〜28に、固体物性評価結果を表30にそれぞれ示す。
【0103】
なお、最終的に得られたブロック共重合体をオゾン分解した後に水素化リチウムアルミニウムで還元することで生じるポリマー分のGPCを測定条件1で測定した。これにより、このポリマー分には3種のポリマー鎖が存在していることが確認された。これらは本ブロック共重合体におけるハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素の単独重合体ブロック部である。これら3種のポリマー鎖は数平均分子量の高い順に一般式(2)におけるS1、S2及びS3に相当する。こうしてハードセグメントブロック部を構成する各ポリスチレンブロック鎖の数平均分子量および全体の分子量分布を測定した。その結果を表29に示す。
【0104】
【比較例17】
比較例17は、表25に示す原料の仕込み量とした以外は、実施例17と同様にして、ブロック共重合体を合成しペレットを得た。各種分析値を表26〜28に、固体物性評価結果を表30に示す。
なお、GPCの測定は3段目重合完結後の測定を測定条件1で、4段目重合完結後の測定を測定条件2で、得られたブロック共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムの測定を測定条件2で行なった。
また実施例17と同様にして、最終的に得られたブロック共重合体をオゾン分解した後に水素化リチウムアルミニウムで還元することで生じるポリマー分のGPCを測定条件1で測定した。このポリマー分は、本ブロック共重合体におけるハードセグメントブロック部を構成するビニル芳香族炭化水素の単独重合体ブロック部であり、3種のポリマー鎖からなる。数平均分子量の高い順にS1、S2及びS3として各ポリスチレンブロック鎖の数平均分子量および全体の分子量分布の値を表29に示す。
【0105】
【表25】
【0106】
【表26】
【0107】
【表27】
【0108】
【表28】
【0109】
【表29】
【0110】
【表30】
【0111】
【実施例18および比較例18】
実施例17および比較例17で得られたブロック共重合体と汎用ポリスチレン(東洋スチレン(株)社製:G14L)とをブロック共重合体/汎用ポリスチレン=6/4の重量比率でブレンドした後、20mm単軸押出機に供給して230℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。その後実施例1と同様に物性を評価した。結果を表31に示す。
【0112】
【表31】
【0113】
【比較例19】
内容積10Lのジャケット・撹拌機付きステンレス製重合槽を、シクロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において、テトラヒドロフラン150ppmを含む、水分含量7ppm以下に脱水したシクロヘキサン4150gを重合槽に仕込み、次に水分含量7ppm以下に脱水したスチレン678gを加えた。内温50℃に昇温後、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を5ml添加し最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(1段目重合)。
【0114】
次に、内温50℃一定の条件下で、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を18ml、続いて水分含量7ppm以下に脱水したスチレンを262g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(2段目重合)。
2段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件1で行ったところ、該サンプリング物中には2種のポリスチレン鎖が存在し、それぞれの数平均分子量を高い順にM1、M2としたとき、M1=121800、M2=8300であった。
【0115】
さらに、内温80℃に昇温後、モレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエンを423g添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(3段目重合)。
3段目重合完結後サンプリングを行ない、サンプリングした重合液をトルエンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより得た固形分のGPC測定を測定条件2で行ったところ、該サンプリング物中には2種のポリマー鎖(分子量の異なるスチレン−ブタジエンジブロック共重合体)が存在し、その数平均分子量(ポリスチレン換算値)を高い順にそれぞれM3、M4とするとき、M3=164100、M4=34300であった。
【0116】
逐次重合完了後に内温80℃一定条件下で、エポキシ化大豆油Vikoflex7170(ATOFINA CHEMICALS社)3.6gをシクロヘキサン10ml中に溶解させた溶液を添加し、30分間カップリング反応を行った(カップリング工程)。
最後に全ての重合活性末端をメタノールにより失活させた。重合液をシクロヘキサンで希釈し、この溶液を大量のメタノール中に注ぐことでポリマー分を析出させ、これを真空乾燥することにより粉末状のポリマーを得た。
【0117】
最後に、この粉末状のポリマー100質量部に対して安定剤として2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールを0.2質量部の割合で添加した後、粉末状ポリマーを20mm単軸押出機に供給して210℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷後カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。各種仕込み値を表32に各種分析値を表33〜35に、固体物性評価結果を表36にそれぞれ示す。
【0118】
【表32】
【0119】
【表33】
【0120】
【表34】
【0121】
【表35】
【0122】
【表36】
【0123】
【比較例20】
比較例19で得られたブロック共重合体と汎用ポリスチレン(東洋スチレン(株)社製:G14L)とをブロック共重合体/汎用ポリスチレン=6/4の重量比率でブレンドした後、20mm単軸押出機に供給して230℃でダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。その後実施例1と同様に物性を評価した。結果を表37に示す。
【0124】
【表37】
【0125】
【発明の効果】
本発明のブロック共重合体は各種熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂の改質材,履物の素材,粘着剤・接着剤の素材,アスファルトの改質材,電線ケーブルの素材,加硫ゴムの改質材等、従来ブロック共重合体が利用されている用途に使用することができる。特に、本発明のブロック共重合体を各種熱可塑性樹脂配合した組成物は、シート及びフィルム用の素材として有効であり、優れた透明性,耐衝撃性及び低温特性を生かして食品包装容器の他、日用雑貨包装用,ラミネートシート・フィルムとしても活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過型電子顕微鏡写真。電子顕微鏡写真から、黒く染色されたポリブタジエン相(ソフトセグメントブロック部)が連続構造を形成していることが分かる。
【図2】実施例5のブロック共重合体の1次元散乱曲線。
【図3】比較例4のブロック共重合体の透過型電子顕微鏡写真。電子顕微鏡写真から、黒く染色されたポリブタジエン相(ソフトセグメントブロック部)が、所々不連続になっていることが分かる。
Claims (4)
- 単量体単位として55〜95質量%のビニル芳香族炭化水素および5〜45質量%の共役ジエンからなるブロック共重合体であって、
▲1▼該ブロック共重合体がビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部からなるハードセグメントブロック部と共役ジエンを主体とするブロック部からなるソフトセグメントブロック部から構成され、
▲2▼ハードセグメントブロック部が、分子量の異なる3種のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部S1、S2及びS3からなり、S1、S2及びS3の数平均分子量が、それぞれ102000〜190000、14000〜28000及び4700〜10000の範囲にあり、S1、S2及びS3の割合がS1/S2/S3=7〜18/3〜38/44〜90(モル比)の範囲にあり、
▲3▼ソフトセグメントブロック部が連続構造を形成し、
▲4▼該連続構造を反映する該ブロック共重合体の小角X線散乱の1次元散乱曲線(横軸に散乱ベクトルの大きさq(なおq=(4π/λ)sin(θ/2)、但しX線の波長をλ、θを散乱角とする)、横軸に散乱強度I(q)の対数をとり表現される)において、一次ピークのq値q1から求められる反射面間隔d(nm)が38〜47nmの範囲にあり、
▲5▼かつ一次ピークのq値q1と二次ピークのq値q2の比q1/q2が1.75〜1.95の範囲にあることを特徴とするブロック共重合体。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のブロック共重合体と、それ以外の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物。
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