JP6573621B2 - ブロック共重合体含有樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
(A)共役ジエンの含有比率がブロック共重合体全体に対して22質量%〜35質量%である。
(B)ビニル芳香族炭化水素のブロック率が98質量%〜100質量%である。
(C)示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られるMw/Mnが1.3〜3.5である(但し、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)。
(D)示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られるクロマトグラムにて、高分子量成分の面積比が全体の30%〜55%である。
(E)動的粘弾性測定で得られる損失正接(tanδ)が−100℃〜−60℃の温度範囲に一つの極大値(tanδ(max)値)を有し、極大値の温度(tanδピーク温度)より30℃高温のときのtanδ値(tanδ(max+30℃)値)が、極大値の温度におけるtanδ値(tanδ(max)値)に対して0.6以上である。
本発明のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体を含有する樹脂組成物(以下、単に、「樹脂組成物」又は「本発明の樹脂組成物」ともいう。)は、上記(A)〜(E)の要件を満たすことが必要である。ここで使用されるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。ビニル芳香族炭化水素は、1種のみならず2種以上用いてもよい。
ビニル芳香族炭化水素のブロック率
=(共重合体中にブロック状ホモ重合セグメントとして存在しているビニル芳香族炭化水素の量/共重合体中に含有されているビニル芳香族炭化水素の量)×100
S−(B−S)n−B−S (I)
(S−(B−S)n−B−S)m−X (II)
S1−S2−S3−(B−S)n−B−S4 (i)
S2−S3−(B−S)n−B−S4 (ii)
S3−(B−S)n−B−S4 (iii)
これにより、本発明の樹脂組成物で得られる耐衝撃性及び剛性等の物性バランスに影響を及ぼすことはない。
次に、本発明のブロック共重合体の製造について説明する。ブロック共重合体は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンのモノマーをアニオン重合することにより製造できる。有機溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、又はエチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できる。ブロック共重合体の溶解性の点で、シクロヘキサンが好ましい。
上記樹脂組成物は、他の熱可塑性樹脂と配合した樹脂組成物の形態で使用することができる。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体、ポリブテン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリ酢酸ビニル系重合体、ポリアミド系重合体、熱可塑性ポリエステル系重合体、ポリアクリレート系重合体、ポリフェノキシ系重合体、ポリフェニレンスルフィド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアセタール系重合体、ポリブタジエン系重合体、熱可塑性ポリウレタン系重合体、ポリスルフィン系重合体等が挙げられる。好ましい熱可塑性樹脂はポリスチレン系重合体であり、汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが例示できるが、とりわけ、汎用ポリスチレン(GPPS)が好適である。
上記した樹脂組成物は、従来既知の任意の成形加工方法、例えば、押出成形、射出成形、中空成形などによってシート、フィルムを含む各種形状の押出し成形品、射出成形品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品、2軸延伸成形品等極めて多種多様にわたる実用上有用な製品に容易に成形加工できる。
以下の(1)〜(15)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液780mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン74.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は54℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は71℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、1,3−ブタジエン14.7kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は83℃まで上昇した。
(9)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、6.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン14.6kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は84℃まで上昇した。
(11)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、6.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は81℃まで上昇した。
(12)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン14.7kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は85℃まで上昇した。
(13)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に下げ、26.5kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(14)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロックを持つS−(B−S)2−B−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表す。)
(15)この重合液を脱揮して、重合例1のブロック共重合体樹脂組成物を得た。ピークトップ分子量(Mp)は399,000/58,000/45,000であり、面積比は36.2/22.4/41.4(%)であり、Mw/Mnは2.50であった。共役ジエン含有質量比は22.0%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は100%であった。tanδピーク温度は−78℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.84であった。
上記重合例1について、その要点を表1にまとめて示す。
上記重合例1において、上記(3)、(5)、(7)〜(13)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、上記(2)、(4)、(6)で使用するn−ブチルリチウムの量を調整することで分子量を決定することができる。従って、下記の表1に示した条件以外は、重合例1と同様に実施することにより、重合例2〜14のブロック共重合体樹脂組成物を得た。上記重合例2〜14について、その要点を表1にまとめて示す。
以下の(1)〜(13)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液780mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン70.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は52℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は72℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を65℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgとスチレン4.3kgを同時に添加した。内温は79℃まで上昇した。
(9)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を65℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgとスチレン4.4kgを同時に添加した。内温は81℃まで上昇した。
(10)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を65℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgとスチレン4.3kgを同時に添加した。内温は81℃まで上昇した。
(11)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、26.5kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(12)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのテーパードブロックを持つS−T−T−T−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Tはスチレンとブタジエンのテーパードブロックを表す。)
(13)この重合液を脱揮して、重合例15のブロック共重合体樹脂組成物を得た。ピークトップ分子量(Mp)は260,000/89,000/77,000であり、面積比は35.3/22.9/41.8(%)であり、Mw/Mnは1.38であった。共役ジエン含有質量比は24.0%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は89%であった。tanδピーク温度は−52℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.47であった。
上記重合例15について、その要点を表2にまとめて示す。
以下の(1)〜(16)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,450mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン70.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は53℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は70℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、1,3−ブタジエン16.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(9)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、6.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は85℃まで上昇した。
(11)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、6.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(12)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン16.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は85℃まで上昇した。
(13)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に下げ、26.5kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(14)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、カップリング剤として452gのエポキシ化大豆油を3.0kgのシクロヘキサンで希釈して添加し、重合を完結させた。
(15)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロックを持つ重合体をカップリングした(S−(B−S)2−B−S)m−X構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表し、Xはカップリング剤の残基を表す。)
(16)この重合液を脱揮して、重合例16のブロック共重合体樹脂組成物を得た。カップリング前のピークトップ分子量(Mp)は160,000/51,000/41,000であり、面積比は42.5/19.5/38.0(%)であり、カップリング後のMw/Mnは1.67であった。共役ジエン含有質量比は24.0%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は100%であった。tanδピーク温度は−75℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.82であった。上記重合例16について、その要点を表3にまとめて示す。
以下の(1)〜(12)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液760mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン5.0kgを加え、内温を80℃まで上昇させ、スチレンをアニオン重合させた。
(4)スチレンが完全に消費された後、1,3−ブタジエン3.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(5)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、1.2kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は81℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、1,3−ブタジエン3.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(7)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、1.2kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は81℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、1,3−ブタジエン3.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(9)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を50℃に下げ、91.8kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は89℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を55℃に下げ、91.8kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(11)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロックを持つS−(B−S)2−B−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表す。)
(12)この重合液を脱揮して、重合例17のブロック共重合体を得た。ピークトップ分子量(Mp)は386,000であり、Mw/Mnは1.10であった。上記重合例17について、その要点を表4にまとめて示す。
上記重合例17において、上記(3)〜(10)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、上記(2)で使用するn−ブチルリチウムの量を調整することで分子量を決定することができる。従って、下記の表4に示した条件以外は、重合例17と同様に実施することにより、重合例18、19のブロック共重合体を得た。
上記重合例18、19について、その要点を表4にまとめて示す。
以下の(1)〜(15)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液890mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン33.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は45℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液520mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液890mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は71℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量4.1kgのスチレン、および総量16.6kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25kg/h、100kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(9)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、18.0kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量4.1kgのスチレン、および総量16.5kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25kg/h、100kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(11)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、18.0kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。
(12)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量4.1kgのスチレン、および総量16.6kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25kg/h、100kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(13)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、26.5kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(14)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのランダムブロックを持つS−(R−S)2−R−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Rはスチレンとブタジエンのランダムブロックを表す。)
(15)この重合液を脱揮して、重合例20のブロック共重合体樹脂組成物を得た。ピークトップ分子量(Mp)は191,000/123,000/107,000であり、面積比は32.6/20.8/46.6(%)であり、Mw/Mnは1.30であった。共役ジエン含有質量比は24.9%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は95%であった。tanδピーク温度は−65℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.74であった。上記重合例20について、その要点を表5にまとめて示す。
以下の(1)〜(11)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液780mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン70.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は52℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は72℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量12.2kgのスチレン、および総量48.8kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ25kg/h、100kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(9)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、26.5kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(10)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、スチレンとブタジエンのランダムブロックを持つS−R−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Rはスチレンとブタジエンのランダムブロックを表す。)
(11)この重合液を脱揮して、重合例21のブロック共重合体樹脂組成物を得た。ピークトップ分子量(Mp)は283,000/91,000/78,000であり、面積比は39.2/18.8/42.0(%)であり、Mw/Mnは1.52であった。共役ジエン含有質量比は24.4%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は95%であった。tanδピーク温度は−65℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.47であった。
上記重合例21について、その要点を表6にまとめて示す。
上記重合例21において、上記(3)、(5)、(7)〜(9)で使用するモノマーの量を調整することでブロック共重合体の組成を決定することができ、上記(2)、(4)、(6)で使用するn−ブチルリチウムの量を調整することで分子量を決定することができる。従って、下記の表6に示した条件以外は、重合例21と同様に実施することにより、重合例22、23のブロック共重合体樹脂組成物を得た。なお、重合例22、23はポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックを持つS−B−S構造のブロック共重合体である。上記式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表す。上記重合例22、23について、その要点を表6にまとめて示す。
以下の(1)〜(13)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液780mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン70.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は51℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は71℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、1,3−ブタジエン24.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は86℃まで上昇した。
(9)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、13.0kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は85℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン24.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は88℃まで上昇した。
(11)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に下げ、26.5kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(12)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロックを持つS−(B−S)1−B−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表す。)
(13)この重合液を脱揮して、重合例24のブロック共重合体樹脂組成物を得た。ピークトップ分子量(Mp)は394,000/56,000/49,000であり、面積比は35.2/22.5/42.3(%)であり、Mw/Mnは2.16であった。共役ジエン含有質量比は24.0%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は100%であった。tanδピーク温度は−75℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.79であった。上記重合例24について、その要点を表7にまとめて示す。
以下の(1)〜(17)の操作により、スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体樹脂組成物を製造した。
(1)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、テトラヒドロフラン(THF)75.0gを入れた。
(2)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液780mLを加え、30℃に保った。
(3)スチレン70.8kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は52℃まで上昇した。
(4)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液790mLを加え、60℃に保った。
(5)スチレン15.2kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は64℃まで上昇した。
(6)スチレンが完全に消費された後、重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1,580mLを加え、60℃に保った。
(7)スチレン26.5kgを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は71℃まで上昇した。
(8)スチレンが完全に消費された後、1,3−ブタジエン12.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は81℃まで上昇した。
(9)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、4.3kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は81℃まで上昇した。
(10)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン12.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は83℃まで上昇した。
(11)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、4.4kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(12)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン12.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は83℃まで上昇した。
(13)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に下げ、4.3kgのスチレンを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(14)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、1,3−ブタジエン12.0kgを加え、1,3−ブタジエンをアニオン重合させた。内温は82℃まで上昇した。
(15)1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を75℃に下げ、26.5kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(16)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロックを持つS−(B−S)3−B−S構造の重合体を含む重合液を得た。(上記一般式中、Sはポリスチレンブロックを表し、Bはポリブタジエンブロックを表す。)
(17)この重合液を脱揮して、重合例25のブロック共重合体樹脂組成物を得た。ピークトップ分子量(Mp)は317,000/61,000/47,000であり、面積比は35.8/20.9/43.3(%)であり、Mw/Mnは2.08であった。共役ジエン含有質量比は24.0%であり、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は100%であった。tanδピーク温度は−72℃であり、tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値は0.88であった。上記重合例25について、その要点を表8にまとめて示す。
<配合例1>
重合例17〜19で得られたブロック共重合体を表9に示した配合比率(質量%)で混ぜ、ブロック共重合体樹脂組成物を製造した。かかるブロック共重合体樹脂組成物を、単軸押出機(田端機械工業社製、HV−40−30、φ40mm)を用い、押出温度200℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、ストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーにてペレット化した。配合例1におけるブロック共重合体樹脂組成物の配合組成、ピークトップ分子量(Mp)、面積比、Mw/Mn、ブロック共重合体樹脂組成物の共役ジエン含有質量比、ビニル芳香族炭化水素のブロック率、tanδピーク温度およびtanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値を表9にまとめて示した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いた。本発明では、特に断りが無い場合、分子量はピークトップ分子量Mpであり、カップリングを実施した場合はカップリング前のMpである。また、分散度は重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnであり、カップリングを実施した場合はカップリング後のMw/Mnである。
GPC装置名:東ソー社製「HLC−8220GPC」
使用カラム:昭和電工社製「ShodexGPCKF−404」を直列に4本接続、カラム温度:40℃、検出方法:示差屈折率法、移動相:テトラヒドロフラン、
サンプル濃度:2質量%
検量線:VARIAN社製標準ポリスチレン(ピークトップ分子量Mp=2,560,000、841,700、280,500、143,400、63,350、31,420、9,920、2,930)を用いて作成した。
上記重合例で使用した全モノマー量に対する1,3−ブタジエン量の使用割合および配合比から、ブロック共重合体樹脂組成物の共役ジエン含有比率をそれぞれ算出した。
核磁気共鳴(NMR)を用いて1H−NMRを測定し、算出した。ポリスチレンの芳香族環に付加したプロトン5つの内、オルト位に付加した2つのプロトンとして帰属される6.2〜6.8ppmのピーク強度積分値から、プロトン5つに換算した値をブロック状スチレン量Wとした。
また、パラ位とメタ位に付加した3つのプロトンとして帰属される6.8〜7.6ppmのピーク強度の積分値を含む、6.2〜7.6ppmのピーク強度の積分値から重クロロホルムのピーク強度の積分値を除算した値を全スチレン量(全ビニル芳香族炭化水素量)W0とした。
かかるW、W0を下記の定義式に代入することにより、ブロック率を算出した。なお、ブロック状スチレン量(ブロック状ビニル芳香族炭化水素量)Wは装置の感度上の理由から、5個以上のモノマー単位からなる連鎖である。
スチレンのブロック率(%)=(W/W0)×100
核磁気共鳴装置名:ブルカー・バイオスピン社製AVANCE−300
測定核種:1H、共鳴周波数:300MHz(1H)、測定溶媒:CDCl3
動的粘弾性測定(チャート)から求めた。測定から損失正接(tanδ)を求め、−100℃〜−60℃の温度範囲におけるtanδ極大値の内、最大値を「tanδ(max)値」とし、その温度を「tanδピーク温度」とした。次にtanδピーク温度から30℃高い温度でのtanδ値を「tanδ(max+30℃)値」とし、(tanδ(max+30℃)値/tanδ(max)値)を算出した。
下記の装置を用い、被検サンプルに周波数1Hzの引っ張り方向の応力、および歪みを加え、4℃/分の割合で温度を上げながら、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、及び損失正接(tanδ)を測定した(なおtanδ=E”/E’である)。動的粘弾性測定用の樹脂組成物のサンプルは、加熱プレスにより200℃〜220℃の条件下で2分間加圧保持して配向を緩和させた後、急冷する事で、無配向状態の0.6mm厚シートとした。その後、温度23℃、相対湿度50%RHに調整された室内にて24時間以上保管して使用した。
動的粘弾性測定装置:ティー・エイ・インスツルメント社製RSA3、
設定温度範囲:−120〜130℃、設定昇温速度:4℃/分、
測定周波数:1Hz
・GPPSブレンドシートの作製
ブロック共重合体樹脂組成物とGPPSとを、表10、11に示した配合比率(質量%)で混ぜ、以下の手順でシート成形した。先端に幅40cmのTダイを取り付けた田辺プラスチックス社製φ40mm単軸押出機VS40−26を用い、押出温度200℃、Tダイ温度200℃、スクリュー回転数60rpmにて、配合例の樹脂を用いてシート押出を実施し、田辺プラスチックス社製480型シーティング装置を用い、冷却ロール温度50℃でシート厚0.6mmの単層シートを作製した。シートの厚みは、ダイのリップ開度で調整し、シートの引き取り速度は一定とした。使用した樹脂について表10、11に示す。GPPSは汎用ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、トーヨースチロールGP G200C、ピークトップ分子量(Mp)286,000、Mw/Mn2.53)を使用した。
インパクトテスター(テスター産業社製)を用い、先端の直径が12.7mmの撃芯を使用して測定した。その他の測定条件は、ASTM D3420に準拠した。打ち抜けない場合は「>5.0」と記載した。
デュポン衝撃試験機(東洋精機製作所社製)を用い、シートから切り出した60mm四方の試験片20枚を、受け台の上に置き、先端の直径が6.35mmの撃芯を試験片上に乗せ、撃芯上端に100gの錘を落下させ、目視により、シートに生じた割れの有無を調べ、エネルギー値に換算して求めた。なお、本測定の前に別の予備試験片2〜3枚を用いて、シートが破壊するおおよその落錘高さを求め、1枚目は予備測定の結果から定めた落錘高さで測定し、2枚目以降は直前の測定結果を基に、シートが割れなかった場合は落錘高さを5cm上げ、割れた場合は落錘高さを5cm下げ、同様に測定した。この操作を連続して20回行い、各回での落錘高さと割れの有無の記録から、以下に示した式によりデュポン衝撃強度を求めた。割れが発生しない場合は「>0.90」と記載した。
X=(高さ×Aの枚数)の合計/Aの枚数(m) A:割れが生じないシート
Y=(高さ×Bの枚数)の合計/Bの枚数(m) B:割れが生じたシート
Z=(X+Y)/2(m)
デュポン衝撃強度(J)=0.1(kg)×9.8(m/s2)×Z(m)
MIT耐折疲労試験機(東洋精機製作所社製、MIT−DA)を用い、MD方向×TD方向=100mm×10mmおよび10mm×100mmに切削したサンプルをそれぞれ6回ずつ測定し、その平均値を使用した。測定は折り曲げ角度左右45°、折り曲げ回数175回/分、加重1kgで実施した。測定平均が1,000回を超えた場合、「>1000」と記載した。
テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ社製、RTC−1210A)を用い、シートからJISK6732に準拠したダンベル型試験片をMD方向が長手となるように切削し、初期チャック間隔50mm、引張速度10mm/min、23℃環境下でMD方向の引張弾性率(剛性)を測定した。
Claims (11)
- ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体を含有し、下記(A)〜(E)を満たすことを特徴とし、
(A)共役ジエンの含有比率が、ブロック共重合体全体に対して22質量%〜35質量%である。
(B)ビニル芳香族炭化水素のブロック率が98質量%〜100質量%である。
(C)示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られるMw/Mnが1.3〜3.5である(但し、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)。
(D)示差屈折率法でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で得られるクロマトグラムにて、高分子量成分の面積比が全体の30%〜55%である。
(E)動的粘弾性測定で得られる損失正接(tanδ)が−100℃〜−60℃の温度範囲に一つの極大値(tanδ(max)値)を有し、極大値の温度(tanδピーク温度)より30℃高温のときのtanδ値(tanδ(max+30℃)値)が、極大値の温度におけるtanδ値(tanδ(max)値)に対して0.6以上である。
前記ブロック共重合体が、下記一般式(I)又は(II)で表されるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック構造のいずれか1つ又は両方を含有し、
S−(B−S)n−B−S (I)
(S−(B−S)n−B−S)m−X (II)
(式中、Sはビニル芳香族炭化水素を単量体単位とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを単量体単位とする重合体ブロックである。mはカップリング剤残基と結合した高分子鎖の個数を表す1以上の整数であり、nは繰り返し単位の個数を表す1以上の整数である。Xはカップリング剤の残基を表す。)
前記ブロック共重合体が、下記一般式(i)〜(iii)で表されるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック構造を全て含有する、樹脂組成物。
S1−S2−S3−(B−S)n−B−S4 (i)
S2−S3−(B−S)n−B−S4 (ii)
S3−(B−S)n−B−S4 (iii)
(式中、S、S1、S2、S3、S4はビニル芳香族炭化水素を単量体単位とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを単量体単位とする重合体ブロックである。nは繰り返し単位の個数を表す1以上の整数である。) - 前記ビニル芳香族炭化水素がスチレンであり、共役ジエンが1,3−ブタジエンである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物と、それ以外の熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物と、それ以外の熱可塑性樹脂との含有比率(質量比)が、10/90〜80/20である、請求項3に記載の樹脂組成物。
- 前記それ以外の熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系重合体である、請求項3又は4に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形した成形体。
- シート、フィルムもしくは射出成形品である、請求項6に記載の成形体。
- 請求項6又は7に記載の成形体を二次加工した成形体。
- 容器、延伸シートもしくは延伸フィルムである、請求項8に記載の成形体。
- 請求項9に記載の延伸シートもしくは延伸フィルムを三次加工した成形体。
- 容器である、請求項10に記載の成形体。
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