JP2006143944A - ブロック共重合体混合物および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気製品や雑貨等の梱包に使用されるブリスター容器に使用される素材には、剛性や耐衝撃性、透明性が要求されている。
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる分子構造の異なる2種類のブロック共重合体の混合物において、それぞれの末端のブロック部を規定し、この2種類のブロック共重合体を特定の比率で組み合わせ、更にスチレン系樹脂を配合することにより耐衝撃性、剛性および透明性の物性バランスが優れた成形用材料と成形品が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるブロック共重合体、その樹脂組成物およびそれらを用いて成形した成形品に関するものである。
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるブロック共重合樹脂は、衝撃強度及び透明性の優れた樹脂として、広く知られているが、剛性が低いという欠点を有している。これを改良する目的で、透明なスチレン系樹脂の添加が行われてきた。ところが、その添加により剛性は高くなるものの、衝撃強度が低下してしまう欠点があった。
これを改善すべく、一般用ポリスチレン、スチレン含量70質量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体およびスチレン含量40質量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。ところが、耐衝撃強性、剛性は改善されるものの、透明性と剛性、耐衝撃性の物性のバランスは良好なものとは言えなかった。
特開平7−268175号公報
電気製品や雑貨等の梱包に使用されるブリスター容器のような成形品は、それ自身がある程度の剛性をもって形状を保持しつつ内容物を外部衝撃から保護し、かつ内容物を美しく見せる必要がある。この用途に、成形加工性の良さと透明性や剛性を兼ね備えた成形材料、シートおよびそれらから得られる成形品を提供することを課題とする。
本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるブロック共重合体(A)および(B)からなり、配合比が(A)/(B)=20〜80/80〜20質量%で、メルトマスフローレイトが2〜30g/10分であるブロック共重合体混合物である。
(A):単量体単位として75〜90質量%のビニル芳香族炭化水素と10〜25質量%の共役ジエンとからなり、少なくとも一つの末端に数平均分子量が30000以上150000未満のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を有するブロック共重合体。
(B):単量体単位として60〜75質量%のビニル芳香族炭化水素と25〜40質量%の共役ジエンとからなり、両末端に数平均分子量が1000以上30000未満のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を有するブロック共重合体。
更に、本発明は、該ブロック共重合体混合物100質量部とスチレン系樹脂5〜150質量部とからなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物を成形したシートやフィルム、またそれらを用いた成形品である。
本発明のブロック共重合体混合物を用いた樹脂組成物は、その成形性の良さからシートに加工し易く、そのシートは耐衝撃性と剛性、透明性の物性バランスが優れているため、そのシートからブリスター容器のような用途に好適に用いられる容器が得られる。
ブロック共重合体(A)は、ビニル芳香族炭化水素を単量体単位として75〜90質量%と、共役ジエンを単量体単位として10〜25質量%とからなるブロック共重合体であり、ビニル芳香族炭化水素の単量体単位が75〜85質量%、共役ジエンの単量体単位が15〜25質量%のものが好ましい。ビニル芳香族炭化水素が90質量%より多い場合や、ビニル芳香族炭化水素が75質量%未満では、耐衝撃性、透明性および剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られない恐れがある。
ブロック共重合体(A)の少なくとも一つの末端のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部の数平均分子量は、30000以上150000未満であり、50000以上100000未満であればより好ましい。
いずれの末端にもビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部がない場合や、例え一つの末端がビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部であっても、その数平均分子量が30000未満か、あるいは150000以上であると、スチレン系樹脂と混練混合した場合に、耐衝撃性、透明性および剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られない恐れがある。
ブロック共重合体(A)の、少なくとも一つの末端のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部のブロック率は、特に限定されるものでは無いが、70〜99%であることが好ましい。ここでいうブロック率は次のようにして求めたものをいう。
ブロック率=[共重合体中にブロック状ホモ重合セグメントとして存在しているビニル芳香族炭化水素の量]/[共重合体中に含有されているビニル芳香族炭化水素の量]×100
なお、ブロック共重合体中にブロック状ホモ重合セグメントとして存在しているビニル芳香族炭化水素の量は、L.M.Kolthoff,et.al.,J.Polym.Sci.,1,429(1948)に記載されているオスミウム酸分解法に従い、ブロック共重合体を、触媒量のオスミウム酸を用いtert-ブチルハイドロパーオキサイドで酸化分解した後に、大量のメタノール中に注ぐことでビニル芳香族炭化水素重合体を析出させ、これを真空乾燥して得られる固形分の質量を測定することで求める。
ブロック共重合体(A)の分子構造は特に限定されないが、直鎖状が好ましい。また、その分子量も限定されることは無いが、数平均分子量で80000〜300000であると、スチレン系樹脂と混練混合した場合に、耐衝撃性、透明性および剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られる。
ブロック共重合体(B)は、ビニル芳香族炭化水素を単量体単位として60〜75質量%と、共役ジエンを単量体単位として25〜40質量%とからなるブロック共重合体であり、ビニル芳香族炭化水素の単量体単位が60〜70質量%、共役ジエンの単量体単位が30〜40質量%であるものが好ましい。ビニル芳香族炭化水素が75質量%より多い場合か、あるいはビニル芳香族炭化水素が60質量%未満の場合は、耐衝撃性、透明性および剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られない恐れがある。
ブロック共重合体(B)の両末端は、ともに数平均分子量で1000以上30000未満のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部であり、その数平均分子量が3000以上25000未満であればより好ましい。
両末端あるいは一方の末端がビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部でない場合や、両末端がビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部であっても、その数平均分子量が1000未満か、あるいは30000以上の場合は、耐衝撃性、透明性および剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られない恐れがある。
ブロック共重合体(B)の両末端のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部のブロック率は、特に限定されるものでは無いが、70〜99%であることが好ましい。ここでいうブロック率はブロック共重合体(A)における算出方法と同様に求められる。
ブロック共重合体(B)の分子構造は直鎖状が好ましい。また、その分子量も限定されることは無いが、数平均分子量で50000〜200000であると耐衝撃性、透明性、剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られる。
ブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)の配合比は、(A)/(B)=20〜80/80〜20質量%である。好ましくは、(A)/(B)=30〜60/70〜40質量%である。ブロック共重合体(A)の比率が20質量%未満か、あるいは80質量%を超えると、耐衝撃性、透明性および剛性の物性バランスが良好な樹脂組成物が得られない恐れがある。
ブロック共重合体(A)およびブロック共重合体(B)に用いられるビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等で、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これら中の1種のみ用いてもよく、2種以上を用いても良い。
また、共役ジエンとしては、炭素数が4〜8で一対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられるが、特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエンやイソプレンが挙げられる。これらの中の1種のみを用いてもよく、2種以上を用いても良い。
ブロック共重合体(A)およびブロック共重合体(B)は、一般的な有機溶剤中で有機リチウム化合物を重合開始剤としたリビングアニオン重合で得ることができる。この製造に用いられる有機溶剤としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素や、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの公知の有機溶剤が使用できる。
また、有機リチウム化合物は分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが使用できる。
ブロック共重合体の製造において、少量の極性化合物を溶剤に溶解してもよい。極性化合物は開始剤の効率を改良するために使用され、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類や、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられるが、好ましい極性化合物はテトラヒドロフランである。
ブロック共重合体を製造する際の重合温度は、一般に−10〜150℃で、好ましくは40〜120℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好ましくは0.5〜10時間である。また、重合系の雰囲気は、事前に窒素ガスなどの不活性ガスをもって置換することが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマーおよび溶媒を液層に維持するのに十分な圧力の範囲で行なえばよく、特に限定するものではない。さらに重合系内には、リビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば、水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないように留意する必要がある。
重合終了後、重合停止剤として、例えば、水、アルコール、二酸化炭素、有機酸、無機酸等を、リビング活性末端が不活性化するのに充分な量を添加して失活させる。
ブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)からなるブロック共重合体混合物を得るには、この重合終了後に失活させたそれぞれの溶液を混合した後、溶剤を除去する方法や、それぞれの重合液から溶剤を除去した後、得られたブロック共重合体どおしを配合し、押出し機にて溶融混練する方法がある。
得られたブロック共重合体混合物には、必要に応じてさらに各種の添加剤を配合することができる。例えば、安定剤、滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐候性向上剤、軟化剤、可塑剤、顔料などである。またこれらは、ブロック共重合体混合物とスチレン系樹脂を配合するときに加えてもよい。
安定剤としては、例えば、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤や、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。
滑剤や、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤には、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸や、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、グリセリン−モノ−脂肪酸エステル、グリセリン−ジ−脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイドなどの脂肪酸アマイド、ソルビタン−モノ−パルミチン酸エステル、ソルビタン−モノ−ステアリン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコールなどが使用できる。
耐候性向上剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤や、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン型耐候性向上剤が使用できる。
さらにその他の添加剤として、ホワイトオイルや、シリコーンオイルなども加えることができる。
これらの添加剤は、ブロック共重合体混合物に、合計で0〜5質量%添加することが望ましい。5質量%を越えると、フィルムやシート、それにその成形品の表面に添加剤が浮き出して外観を損なう恐れがある。
このようにして得られたブロック共重合体混合物のメルトマスフローレイトは2〜30g/10分が好ましい。より好ましくは、5〜20g/10分であり、更に好ましいのは5〜15g/10分である。
なお、測定は、ISO 1133に準拠し、試験条件200℃49N荷重で行った。
ブロック共重合体混合物に配合するスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸イミド化誘導体共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。特に好ましくは、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体である。
本発明のフィルムおよびシートの製造方法としては、特に限定することなく通常の方法でよいが、例えば、押出し法、カレンダー法、インフレーション法などが挙げられる。更にこれらのシートやフィルムは、製造時に複数の押出機を用いるフィードブロック法やマルチマニホールド法で多層化してもよく、また一旦製造したシートやフィルムに後工程で積層する押出ラミネート法やドライラミネート法、グラビアコート等などで多層化することもできる。
ブリスター用シートとして用いる場合は厚さが0.05〜3mmが好ましく、更に好ましくは0.1〜1mmである。このシートを更に成形してブリスター容器を製造する方法は特に限定することは無いが、シートをそのまま折り曲げ加工しても良いし、真空成形や、圧空成形、熱板成形等で熱成形しても良い。尚、当該ブロック共重合体混合物は単独でシート化して用いても良い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[参考例1] ブロック共重合体(A)の製造
内容積150Lのジャケット・撹拌機付きステンレス製重合槽を、シクロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において、テトラヒドロフラン150ppmを含む水分含量6ppm以下に脱水したシクロヘキサン61.65kgを重合槽に仕込み、次に水分含量5ppm以下に脱水したスチレン5.95kgを加えた。内温50℃に昇温後、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液を75ml添加し最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(1段目重合)。
さらに、内温80℃に昇温後、水分含量5ppm以下に脱水したスチレン9.4kgとモレキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエン4.1kgを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(2段目重合)。
次に、発熱が収まった後、内温80℃一定の条件下で、続いて水分含量5ppm以下に脱水したスチレン1.1kgを添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で20分間重合させた(3段目重合)。
重合終了後の溶液に水を加えてリビングポリマーを失活させた後、更にシクロヘキサンを加えて希釈し、これを大量のメタノール中に注いでポリマー分を析出させた。ポリマー分を分離後、真空乾燥することにより粉末状のブロック共重合体(A)を得た。これを(a−1)とする。ポリスチレンブロック部の数平均分子量はこのポリマーをオゾン分解して得たポリスチレン成分のGPCを測定(検出器として波長254nmに設定した紫外分光検出器を使用)し、各ピークに対応する分子量を標準ポリスチレン及びスチレンオリゴマーを用いて作成した検量線から求めた。得られた2つのポリスチレンブロックをA、Aとしたとき、その数平均分子量はそれぞれ55000と10000であった。
上記と同様の方法を用いて、スチレンやブタジエン、テトラヒドロフランの添加量をコントロールして表1に示した(a−2)〜(a−5)のブロック共重合体を得た。尚、末端のポリスチレンブロックの分子量は、n−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液の添加量によりコントロールした。また、表1において、Bはスチレンとブタジエンの共重合体ブロックを表し、B中のスチレン/ブタジエン比は表中に示した。
[参考例2] ブロック共重合体(B)の製造
表2の(b−1)〜(b−5)に示した組成になるよう、参考例1と同様に、シクロヘキサン中、n−ブチルリチウムを開始剤、テトラヒドロフランをランダム化剤として、スチレンとブタジエンを重合させた。更に、参考例1と同様の方法でブロック共重合体(B)を分離した。その分析値等は表2に示した。スチレンブロック部の数平均分子量も参考例1と同様の方法で計測した。
尚、ブロック共重合体(B)においても、末端のポリスチレンブロックの分子量は、参考例1で用いたのと同じn−ブチルリチウム10質量%のシクロヘキサン溶液の添加量によりコントロールした。また、表2においても、Bはスチレンとブタジエンの共重合体ブロックを表し、B中のスチレン/ブタジエン比は表中に示した。
[実施例1〜8]
表3に示した配合割合で全量8kgになるように、20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、40mmφ押出機(田端社製、単軸ダルメージスクリュー)にて、温度200℃で押出し、ブロック共重合体混合物のペレットを得た。
このペレットを使用し、ISO 1133に従い、試験条件200℃、49N荷重でメルトマスフローレートを測定した。
続いて、このブロック共重合体混合物5.60kgと、一般に市販されているGPPS(G200C、東洋スチレン社製)2.40kgとを、20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、40mmφ押出機(田端社製、単軸ダルメージスクリュー)にて、温度200℃で押出しし、樹脂組成物のペレットを得た。この樹脂組成物は下記に示す方法でデュポン衝撃強度、曇り度、曲げ弾性率を測定した。結果は表3に示した。
[比較例1〜9]
表4に示した配合割合で実施例1〜8と同様の方法でブロック共重合体混合物と樹脂組成物を得て、実施例1〜8と同様に評価を行った。結果は表4に示す。
Figure 2006143944
Figure 2006143944
Figure 2006143944
Figure 2006143944
表3〜4における物性測定は、以下の方法で行った。
(1)デュポン衝撃強度:東芝機械社製射出成形機を使用し、成形温度200℃で射出成形した60mm×60mm×2mmの射出成形品20枚を用い、300gの落錘、先端が1/4インチRのポンチにより下記1)〜4)の手順に従ってシートの破壊に要するエネルギー値を算出した。測定に際してはデュポン衝撃試験機(東洋精機製作所社製)を用いた。
1)受け台の上に試験片を置き、さらにポンチを試験片上に静かに載せ、次いでポンチ上端に落錘を落として、目視により射出成形品の割れの有無を調べた。なお、本測定の前に、別の予備試験片2〜3枚を用いて、射出成形品が破壊し始めるおおよその落錘高さを求めた。
2)1枚目は予備測定の結果から定めた落錘高さで測定した。
3)2枚目以降は前回の結果を基に、射出成形品が割れなかった場合は落錘高さを5cm上げ、割れた場合は落錘高さを5cm下げて同様に測定した。
4)この操作を連続して20回行い、各回での落錘高さと割れの有無の記録から、以下に示した式により耐衝撃性を表すデュポン衝撃強度を評価した。なお、このデュポン衝撃強度は、エネルギー値に換算して表示した。尚、次式において○は割れなかったシートを、●は割れたシート表す。
X(m)=(○の高さ×そのときの枚数)の合計/○の枚数
Y(m)=(●の高さ×そのときの枚数)の合計/●の枚数
Z(m)=(X+Y)/2
耐衝撃性(J)=0.3(kg)×9.8(m/s)×Z(m)
(2)曇り度:ISO 14782に従い、成形温度220℃で成形した厚さ4.0mmの射出成形品により曇り度を測定した。
(3)曲げ弾性率:ISO 178に従い、成形温度220℃で成形した厚さ4.0mmの射出成形品により曲げ弾性率を測定した。
得られた3物性が、デュポン衝撃強度が0.5J以上で、曇り度が4.0%以下、曲げ弾性率が1500〜2500MPaを同時に満足するとき、物性バランスが良好と言える。

Claims (7)

  1. ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるブロック共重合体(A)および(B)からなり、配合比が(A)/(B)=20〜80/80〜20質量%であるブロック共重合体混合物。
    (A):単量体単位として75〜90質量%のビニル芳香族炭化水素と10〜25質量%の共役ジエンとからなり、少なくとも一つの末端に数平均分子量が30000以上150000未満のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を有するブロック共重合体。
    (B):単量体単位として60〜75質量%のビニル芳香族炭化水素と25〜40質量%の共役ジエンとからなり、両末端に数平均分子量が1000以上30000未満のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロック部を有するブロック共重合体。
  2. メルトマスフローレイトが2〜30g/10分であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体混合物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のブロック共重合体混合物100質量部とスチレン系樹脂5〜150質量部とからなる樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載の樹脂組成物を成形してなるフィルムまたはシート。
  5. 請求項3に記載の樹脂組成物を成形してなるブリスター用透明シート。
  6. 請求項4記載のシートを成形してなる成形品。
  7. 請求項5記載のシートを成形してなるブリスター容器。
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