JP2007277453A - ビニル芳香族炭化水素系組成物及びそのフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】低温加工性、油性インクでの印刷時の耐溶剤性に優れた、更には溶剤接触後の物性低下が少なく、機械的強度に優れた、特にシュリンクフィルム、シート用途に好適な組成物の提供を目的とする。
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素75〜95重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル25〜5重量%からなる共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.1〜5重量部添加してなり、且つビカット軟化温度が55〜88℃である樹脂(a)と、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体を主体として重合した重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素の含量が60〜95重量%、共役ジエン誘導体の含量が40〜5重量%よりなる樹脂(b)とを主体とし、両者の重量混合比率が0.10≦a/(a+b)≦0.95であることを特徴とするビニル芳香族炭化水素系組成物及びそのフィルム。
【選択図】なし
【解決手段】ビニル芳香族炭化水素75〜95重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル25〜5重量%からなる共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.1〜5重量部添加してなり、且つビカット軟化温度が55〜88℃である樹脂(a)と、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体を主体として重合した重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素の含量が60〜95重量%、共役ジエン誘導体の含量が40〜5重量%よりなる樹脂(b)とを主体とし、両者の重量混合比率が0.10≦a/(a+b)≦0.95であることを特徴とするビニル芳香族炭化水素系組成物及びそのフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、ビニル芳香族炭化水素と特定のアルキル基の炭素数を有する分子量の大きい脂肪族不飽和カルボン酸アクリルエステルとの共重合体に特定量の流動パラフィンを添加してなる樹脂と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系ブロック樹脂との組成物で、特定範囲の分子量とビカット軟化温度からなる、低温加工性、油性インクでの印刷時の耐溶剤性に優れた、更には溶剤接触後の物性低下が少なく、機械的強度及び実用収縮性に優れた、特にシュリンクフィルム、シート用途に好適な組成物及びそのフィルムに関する。
本発明は、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体とビニル芳香族炭化水素含量が比較的高い、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体との組成物は、透明性、耐衝撃性等の特性を利用して射出成形用途、シート、フィルム等の押出成形用途等に使用されている。とりわけシート、フィルム組成物は、透明性、機械特性及び収縮性に優れることから、いくつかの提案がなされている。
例えば下記特許文献1には、機械特性、光学特性、延伸特性及び耐クラック特性等に優れる組成物を得るため、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体含量が5〜80重量%で、ビカット軟化点が90℃を超えないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体との組成物が開示されている。なお、実施例等において用いられているビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系アルキルエステル共重合体は、スチレン−ブチルアクリレート(アルキル基の炭素数C4)、スチレン−2−エチル−ヘキシルアクリレート(アルキル基の炭素数C8)、スチレン−エチルアクリレート(アルキル基の炭素数C2)である。
下記特許文献2には、低温収縮性、光学特性、耐クラック特性、寸法安定性等に優れる収縮フィルムを得るため、ビニル芳香族炭化水素含量が95〜20重量%で、ビカット軟化点が90℃を超えないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体との組成物を延伸した低温収縮性フィルムが開示されている。なお、実施例等において用いられているビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系アルキルエステル共重合体は、スチレン−ブチルアクリレート(アルキル基の炭素数C4)、スチレン−2−エチル−ヘキシルアクリレート(アルキル基の炭素数C8)、スチレン−エチルアクリレート(アルキル基の炭素数C2)である。
下記特許文献3には、フィルムの経時安定性と耐衝撃性に優れた透明性熱収縮性フィルムを得るため、ビカット軟化点が105℃を超えないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体との組成物で、特定の熱収縮力を特徴とする熱収縮性硬質フィルムが開示されている。なお、実施例等において用いられているビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系アルキルエステル共重合体は、スチレン−ブチルアクリレート(アルキル基の炭素数C4)である。
下記特許文献4には、透明性、剛性及び低温面衝撃性をバランスさせた組成物を得るため、特定構造と分子量分布を有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体とビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂との組成物が開示されている。なお、実施例等において用いられているビニル芳香族炭化水素−脂
肪族不飽和カルボン酸系アルキルエステル共重合体は、スチレン−アクリル酸n−ブチル(アルキル基の炭素数C4)、スチレン−メタクリル酸メチル(アルキル基の炭素数C1)である。
肪族不飽和カルボン酸系アルキルエステル共重合体は、スチレン−アクリル酸n−ブチル(アルキル基の炭素数C4)、スチレン−メタクリル酸メチル(アルキル基の炭素数C1)である。
下記特許文献5には、透明性と耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得るため、特定構造のビニル芳香族炭化水素ブロック−ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体ブロックを有するブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を含有する透明高強度樹脂組成物が開示されている。なお、実施例等において用いられている、ビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系アルキルエステル共重合体は、スチレン−アクリル酸n−ブチル(アルキル基の炭素数C4)、スチレン−メタクリル酸メチル(アルキル基の炭素数C1)である。
しかしながら、これらのビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体との組成物において用いられている脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルは、アルキル基の炭素数C1〜C8の、比較的炭素数の少ないものが使用されている。これらの組成物は油性印刷インクで印刷を施した場合、印刷インクに用いられる溶剤(一般的には、酢酸エチル等のエステル類とイソプロピルアルコール等のアルコール類)に侵され、印刷した後のフィルム巻き取り時の破断、あるいは印刷面の表面肌荒れによる外観不良等を起こす場合があり、改善が望まれている。
特開昭59−221348号公報
特開昭61−25819号公報
特開平5−104630号公報
特開平6−220278号公報
特開平7−216187号公報
本発明は、ビニル芳香族炭化水素と特定のアルキル基の炭素数を有する脂肪族不飽和カルボン酸アクリルエステルとの共重合体に特定量の流動パラフィンを添加してなる樹脂と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン系ブロック樹脂との組成物で、特定範囲の分子量、分子量分布とビカット軟化温度を有し、低温加工性、油性インクでの印刷時の耐溶剤性に優れた、更には溶剤接触後の物性低下が少なく、機械的強度及び実用収縮性に優れた、特にシュリンクフィルム、シート用途に好適な組成物及びそのフィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究を進めた結果、ビニル芳香族炭化水素とアルキル基の炭素数C12〜C18と分子量の大きい脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体に流動パラフィンを特定量添加してなり、より少ない脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量で、ビカット軟化温度、重量平均分子量(Mw)と数平均重量平均分子量(Mn)の比、及びZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量の比を特定範囲にし、更には樹脂中の単量体の残存量と溶剤(酢酸エチル40重量%とイソプロピルアルコール60重量%)浸漬(10分間)で、溶剤膨潤率を特定範囲にした樹脂と、分子量とビカット軟化温度を特定範囲にしたビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック樹脂との組合せで、これまで予想し得なかった優れた特性を有する組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の構成を有する。
(1)ビニル芳香族炭化水素含量75〜95重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量25〜5重量%からなる共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.1〜5重量部添加してなり、且つビカット軟化温度が55〜88℃である樹脂(a)と、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体を主体として重合した重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素含量が60〜95重量%、共役ジエン誘導体含量が40〜5重量%よりなる樹脂(b)とを主体とし、両者の重量混合比率が0.10≦a/(a+b)≦0.95であることを特徴とするビニル芳香族炭化水素系組成物。
(2)樹脂(a)をなすビニル芳香族炭化水素が、スチレン系誘導体化合物よりなり、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする(1)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(3)樹脂(a)をなすスチレン系誘導体化合物が、スチレンよりなり、アルキル基の炭素数C12〜C18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシルより選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする(2)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(4)樹脂(a)中の共重合体の重量平均分子量が20〜47万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.8で、且つZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量の比(Mz/Mw)が1.4〜3.6であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(5)樹脂(a)中の共重合体のビニル芳香族炭化水素含量が83〜94重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が17〜6重量%であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(6)樹脂(a)のビカット軟化温度が、65〜83℃であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(7)樹脂(a)中の共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.5〜4重量部添加してなることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(8)樹脂(b)をなすビニル芳香族炭化水素が、スチレンよりなり、共役ジエン系誘導体が1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)より選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(9)樹脂(b)が、ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックを少なくとも2個含み、該ブロックの数平均分子量が5000以上、該ブロック共重合体全体の数平均分子量が20000〜500000であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(10)樹脂(b)のビカット軟化温度が、65〜93℃であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(11)樹脂(b)のビニル芳香族炭化水素の含量が68〜85重量%、共役ジエン系誘導体の含量が32〜15重量%であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(12)樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物のビニル芳香族炭化水素単量体の残存量が0.1重量%以下で、且つ脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の残存量が1重量%以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のビニル芳香族
炭化水素系組成物。
(13)樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物の25℃の溶剤(酢酸エチル40重量%とイソプロピルアルコール60重量%)浸漬(10分間)で、溶剤膨潤率が6重量%未満であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(14)樹脂(a)と樹脂(b)との重量混合比率が、0.35≦a/(a+b)≦0.90であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(15)樹脂(a)と樹脂(b)との屈折率の差が、絶対値で0.01以下であることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(16)(1)〜(15)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム。
(17)(16)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム層を、少なくとも1層有することを特徴とする多層フィルム。
(18)(16)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム層をヨコ方向、及び/又はタテ方向に延伸してなる層を少なくとも1層有することを特徴とする多層フィルム。
(1)ビニル芳香族炭化水素含量75〜95重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量25〜5重量%からなる共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.1〜5重量部添加してなり、且つビカット軟化温度が55〜88℃である樹脂(a)と、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体を主体として重合した重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素含量が60〜95重量%、共役ジエン誘導体含量が40〜5重量%よりなる樹脂(b)とを主体とし、両者の重量混合比率が0.10≦a/(a+b)≦0.95であることを特徴とするビニル芳香族炭化水素系組成物。
(2)樹脂(a)をなすビニル芳香族炭化水素が、スチレン系誘導体化合物よりなり、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする(1)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(3)樹脂(a)をなすスチレン系誘導体化合物が、スチレンよりなり、アルキル基の炭素数C12〜C18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシルより選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする(2)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(4)樹脂(a)中の共重合体の重量平均分子量が20〜47万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.8で、且つZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量の比(Mz/Mw)が1.4〜3.6であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(5)樹脂(a)中の共重合体のビニル芳香族炭化水素含量が83〜94重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が17〜6重量%であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(6)樹脂(a)のビカット軟化温度が、65〜83℃であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(7)樹脂(a)中の共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.5〜4重量部添加してなることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(8)樹脂(b)をなすビニル芳香族炭化水素が、スチレンよりなり、共役ジエン系誘導体が1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)より選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(9)樹脂(b)が、ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックを少なくとも2個含み、該ブロックの数平均分子量が5000以上、該ブロック共重合体全体の数平均分子量が20000〜500000であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(10)樹脂(b)のビカット軟化温度が、65〜93℃であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(11)樹脂(b)のビニル芳香族炭化水素の含量が68〜85重量%、共役ジエン系誘導体の含量が32〜15重量%であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(12)樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物のビニル芳香族炭化水素単量体の残存量が0.1重量%以下で、且つ脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の残存量が1重量%以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のビニル芳香族
炭化水素系組成物。
(13)樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物の25℃の溶剤(酢酸エチル40重量%とイソプロピルアルコール60重量%)浸漬(10分間)で、溶剤膨潤率が6重量%未満であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(14)樹脂(a)と樹脂(b)との重量混合比率が、0.35≦a/(a+b)≦0.90であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(15)樹脂(a)と樹脂(b)との屈折率の差が、絶対値で0.01以下であることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
(16)(1)〜(15)のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム。
(17)(16)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム層を、少なくとも1層有することを特徴とする多層フィルム。
(18)(16)に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム層をヨコ方向、及び/又はタテ方向に延伸してなる層を少なくとも1層有することを特徴とする多層フィルム。
本発明のビニル芳香族炭化水素系組成物は、低温加工性、油性インクでの印刷時の耐溶剤性に優れ(印刷性に優れ)、更には溶剤接触後の物性低下が少なく、機械的強度及び実用収縮性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂(a)のビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α一メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合して使用してもよい。アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸パルミチン、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸パルミチン、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらのなかで、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸ラウリルと(メタ)アクリル酸トリデシルである。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは1種のみならず2種以上混合して使用しても良い。更にビカット軟化温度が所望の範囲内で、且つ25℃の溶剤(酢酸エチル40重量%とイソプロピルアルコール60重量%)浸漬(10分間)で、溶剤膨潤率が10重量%未満であれば、ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸アルキルエステルの総量に対し1重量%未満で、アルキル基の炭素数C1〜C11の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを加えることができる。更にビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外にこれらと共重合可能な他のビニル系単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリル酸なども適宜加えることができる。
樹脂(a)のビカット軟化温度は、55〜88℃、好ましくは60〜85℃、より好ましくは65〜83℃である。55℃未満では、本発明の組成物から得られる延伸シートやフィルムは、比較的気温の高い時期に延伸シートやフィルムの自然収縮率が大きくなり、使用できない場合があり好ましくない。更には生産時に樹脂の冷却が難しくなり、生産性が低下する場合があり好ましくない。一方、88℃を越える場合は、脂肪族不飽和カルボ
ン酸アルキルエステルの導入量が相対的に少なくなり、低温での加工性が著しく低下する。また樹脂(a)の柔軟性が低下するため、樹脂そのものが脆くなり、本発明の組成物から得られるシート、フィルムは低温時の衝撃強度が低いものとなる。55〜88℃のビカット軟化温度は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量と流動パラフィンの添加量の組合せで達成される。耐溶剤性の観点からは、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が少ないほど、且つ流動パラフィンの添加量が多いほど好ましいが、流動パラフィンの添加が多すぎると押出、成形時に、可塑剤が析出し、金型汚染や長時間の押出でダイス部に目ヤニとなって汚染し好ましくない。またこの目ヤニが成形品、シート、フィルム等に付着する場合、外観不良となる場合があり好ましくない。流動パラフィンの添加は、樹脂(a)中の共重合体100重量部に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部、より好ましくは1〜3.5重量部で、この流動パラフィン添加量と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量との組合せで好適な樹脂が得られる。上述のビカット軟化温度を得る樹脂(a)中の共重合体の組成は、脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が25〜5重量%、好ましくは20〜5重量%、より好ましくは17〜6重量%で、ビニル芳香族炭化水素含量が75〜95重量%、好ましくは80〜95重量%、より好ましくは83〜94重量%である。
ン酸アルキルエステルの導入量が相対的に少なくなり、低温での加工性が著しく低下する。また樹脂(a)の柔軟性が低下するため、樹脂そのものが脆くなり、本発明の組成物から得られるシート、フィルムは低温時の衝撃強度が低いものとなる。55〜88℃のビカット軟化温度は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量と流動パラフィンの添加量の組合せで達成される。耐溶剤性の観点からは、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が少ないほど、且つ流動パラフィンの添加量が多いほど好ましいが、流動パラフィンの添加が多すぎると押出、成形時に、可塑剤が析出し、金型汚染や長時間の押出でダイス部に目ヤニとなって汚染し好ましくない。またこの目ヤニが成形品、シート、フィルム等に付着する場合、外観不良となる場合があり好ましくない。流動パラフィンの添加は、樹脂(a)中の共重合体100重量部に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部、より好ましくは1〜3.5重量部で、この流動パラフィン添加量と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量との組合せで好適な樹脂が得られる。上述のビカット軟化温度を得る樹脂(a)中の共重合体の組成は、脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が25〜5重量%、好ましくは20〜5重量%、より好ましくは17〜6重量%で、ビニル芳香族炭化水素含量が75〜95重量%、好ましくは80〜95重量%、より好ましくは83〜94重量%である。
本発明に用いる流動パラフィンは、沸点的には潤滑油留分に属する、極めて純度の高い液状飽和炭化水素の混合物であると定義される公知の流動パラフィン(ホワイトオイルとも称される)であれば差し支えない。例えば、モービル石油製の商品名ホワイトレックス307、309、326、335、エクソン・モービル製の商品名プライムオールN382、MORESCO製の商品名スモイル・モレスコバイオレスP−260、P−300、P−350、Chemtura製の商品名Plastic Oil 250、350、360、380、550等を一例として挙げることができる。なお使用においては、金型やダイスの汚染の面から、1.3kPaの減圧下における初留温度が好ましくは220℃以上、より好ましくは230℃以上のものが良い。
樹脂(a)中の共重合体の重量平均分子量が、好ましくは20〜47万、より好ましくは23〜45万、更に好ましくは25〜42万である。重量平均分子量/数平均分子量の比は、好ましく1.5〜3.8、より好ましくは1.7〜3.5、更に好ましくは1.8〜3.3である。Z平均分子量/重量平均分子量の比は、好ましくは1.4〜3.6、より好ましくは1.5〜3.2、更に好ましくは1.6〜2.8である。また樹脂(a)のメルトフローレートは、好ましく0.5〜50g/10分、より好ましくは2〜40g/10分、更に好ましくは3〜30g/10分である。分子量、各分子量比、メルトフローレートをこれらの範囲内にすることにより、本発明の組成物から、低温加工で厚み斑の少ない高倍率延伸シート、フィルム等が得られる。またその熱収縮においても均一な収縮特性を有し、更には得られたシート、フィルムの機械的強度も優れたものとなり好ましい。またこれらのシート、フィルムは、油性印刷インクでの塗装やインク溶剤に浸漬しても、表面外観は殆ど変化せずに優れた塗装性(印刷性)、耐溶剤性を示す。なお樹脂(a)の重量平均分子量が47万を超える場合は、樹脂(b)との混合において、樹脂(b)の分散性が悪くなりやすく、表面外観の優れたシート、フィルムを得ることが難しくなる。
本発明のビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル樹脂の製造方法は、スチレン系樹脂を製造する公知の方法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。
本発明の樹脂(b)は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンを重合することにより得るものである。樹脂(b)に用いられるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α一メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合して使用してもよい。
共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。特に好適には1,3−ブタジエン、イソプレンであり、ブロック共重合体中の1,3−ブタジエンとイソプレンの重量比が97/3〜20/80、好ましくは90/10〜25/75、更に好ましくは85/15〜30/70。この範囲することにより、フッシュアイの少ない共重合体が得られる。
樹脂(b)について、次式のブロック結合方法が挙げられる。ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックセグメントをS、共役ジエンを主体とするブロックセグメントをDとすると、その一つのグループは、
(D−S)n+1、(D−S)n−D、S−(D−S)n (但し、n=1〜10)
で表される基本構造を有する線状ブロック共重合体であり、その製法は炭化水素系溶媒中で有機リチウム系等の重合開始剤を用いてブロック共重合する手段によるものである。
(D−S)n+1、(D−S)n−D、S−(D−S)n (但し、n=1〜10)
で表される基本構造を有する線状ブロック共重合体であり、その製法は炭化水素系溶媒中で有機リチウム系等の重合開始剤を用いてブロック共重合する手段によるものである。
また次のグループは、[(D−S)n]m+2−X、[(S−D)n]m+2−X、
[(S−D)n−S]m+2−X、[(D−S)n−D]m+2−X
のごとき分岐型の基本構造を有する非線状ブロック共重合体などである。(但し、n=1〜10、m=1〜10)、(Xは多官能性開始剤の残基を表す、例えば開始剤はSiCl4、SnCl4多官能有機リチウム化合物、ポリエポキシド、ポリイソシアナート、ポリアルデヒド、ポリケトン、テトラアリルSn等)。
[(S−D)n−S]m+2−X、[(D−S)n−D]m+2−X
のごとき分岐型の基本構造を有する非線状ブロック共重合体などである。(但し、n=1〜10、m=1〜10)、(Xは多官能性開始剤の残基を表す、例えば開始剤はSiCl4、SnCl4多官能有機リチウム化合物、ポリエポキシド、ポリイソシアナート、ポリアルデヒド、ポリケトン、テトラアリルSn等)。
上記の内で好ましい態様は、線状ブロック共重合体ではn=1〜5、好ましくはn=1〜3、より好ましくはn=1〜2である。また非線状ブロック共重合体の場合はm=1〜5でn=1〜5、好ましくはm=1〜3でn=1〜3、より好ましくはm=1〜2でn=1〜2である。樹脂(b)は上記一般式で表される構造を有するブロック共重合体の任意の混合物でも良い。
これらの製法は、例えば特公昭36−19086号公報、同43−14979号公報、同48−2423号公報、同48−4106号公報、同49−36957号公報、同51−27701号公報等で公知であるが、本願では前述の特定範囲のものを使用するものとする。また上記各グループのポリマー分子構造中の少なくとも1部分に、ランダム構造、もしくは両単量体からなる成分が両者の比率を漸減又は漸増的に変化させた、テーパー状のランダム状又はブロック状の構造有する共重合体、又は他種の共重合し得る単量体を含む共重合体、又は変性重合体も含有するものとする。
樹脂(b)は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックの数平均分子量が、好ましく5000以上、より好ましくは7000〜100000、更に好ましくは10000〜80000程度である。また共役ジエン主体とするブロックの数平均分子量は、好ましくは5000〜200000、より好ましくは7000〜100000、更により好ましくは10000〜100000程度である。更にブロック共重合体全体の数平均分子量は、好ましく20000〜500000、より好ましくは20000〜400000、更により好ましくは30000〜300000である。かかる範囲の分子量を有するブロック共重合体を用いることにより、機械的強度や加工性、低温収縮性に優れるシート、フィルムが得られる。特に好ましいブロック共重合体は、成形加工の点からメルトフローレート(200℃、荷重49N)が0.1〜50g/10分、好ましくは1〜20g/10分である。
なお、分子量はポリスチレン換算で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと呼ぶ)で測定した。また樹脂(b)のビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックの分子量は、後述する四酸化オスミウムとパーオキサイドで酸化分解する方法により
得られたビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分をGPCで求めた。
得られたビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分をGPCで求めた。
樹脂(b)の組成は、共役ジエン含量が40〜5重量%、好ましくは37〜10重量%、より好ましくは32〜15重量%で、ビニル芳香族炭化水素含量が60〜95重量%、好ましくは63〜90重量%、より好ましくは68〜85重量%である。ジエン含量が40〜5重量%の範囲にあっては、本発明の組成物から得られるシート、フィルムは破断時の伸び、引張弾性率等の物性バランスに優れる。共役ジエン含量が40%を超え、ビニル芳香族炭化水素含量が60重量%未満の場合は、機械的強度的には優れるが、弾性率が低く、且つ押出機等でのゲル生成が多くなり、シート、フィルムの表面肌荒れが目立ち、好ましくない。更には樹脂(a)との相溶性が劣り、透明性が低下する傾向にある。一方、共役ジエン含量が5重量%未満で、ビニル芳香族炭化水素含量が95重量%を超える場合は、ゴム成分が少なくなり、機械的強度が低下して好ましくない。
樹脂(b)のビカット軟化温度は、好ましく65〜93℃、より好ましくは70〜90℃、更に好ましくは75〜85℃である。65℃未満では樹脂(a)とからなるシート、フィルムの引張弾性率が低くなり過ぎる。一方、93℃を越える場合は、低温収縮性が劣るものとなり好ましくない。
本発明の樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物は、ビニル芳香族炭化水素単量体の残存量が、好ましくは0.1重量%以下0重量%以上、より好ましくは0.05重量%以下、更に好ましく0.02重量%以下である。脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の残存量は、好ましくは1重量%以下0重量%以上、より好ましくは0.55重量%以下、更に好ましくは0.2重量%以下である。ビニル芳香族炭化水素単量体の合計残存量が0.1重量%を超える場合は、又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の合計残存量が1重量%を超える場合は、シート、フィルムの押出成形時や射出成形時に匂いが感じられる場合があり好ましくない。なお、匂いに対するビニル芳香族炭化水素単量体と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の濃度の違いは蒸気圧の差によるところが大きい。
本発明の樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物は、25℃の溶剤(酢酸エチル40重量%とイソプロピルアルコール60重量%)浸漬(10分間)で、好ましくは溶剤膨潤率が6重量%未満1重量%以上。より好ましくは5.5重量%以下、更に好ましくは5.0重量%以下である。溶剤膨潤率が6重量%以上の場合は、本発明の組成物から得られるシートやフィルムにこれらの溶剤を用いたインクで印刷あるいは塗装した場合、印刷あるいは塗装面の肌荒れによる外観不良や溶剤のしみ込みによる微細クラックの発生で機械的強度の低下を引き起こす場合があり好ましくない。例えば、薄いフィルムを印刷しながら巻き取る場合、破断するケースがあり好ましくない。なお、インクの溶剤には一般的にエステル系やアルコール系の溶剤が用いられる。特にエステル系では酢酸エチルが、アルコール系ではイソプロピルアルコールが多用されている。
樹脂(a)と樹脂(b)との重量混合比率、即ち樹脂(a)の重量/〔樹脂(a)重量+樹脂(b)の重量〕(以下、a/(a+b)と略記する。)は、0.10≦a/(a+b)≦0.95、好ましくは0.35≦a/(a+b)≦0.90、より好ましくは0.45≦a/(a+b)≦0.85、更に好ましくは0.50≦a/(a+b)≦0.80である。a/(a+b)が0.95を超える場合は、剛性は優れるが、機械的強度が低く実用上問題となる場合がある。一方、0.10未満では弾性率が低く、シュリンクラベルの自動包装等で問題となる場合がある。
樹脂(a)と樹脂(b)との屈折率の差の絶対値は、好ましくは0.01以下0.00以上、より好ましくは0.008以下、更に好ましくは0.006以下である。屈折率の差の絶対値が0.01を超える場合は、混合組成物の透明性が顕著に低下する傾向にあり
好ましくない。ペットボトル等のシュリンクフィルム、ラベルは印刷して使用される場合が多いが、この印刷は、印刷表示が消えないよう、裏面印刷(ペットボトル本体面)が一般的である。このため透明性は使用可否の重要な因子となる。
好ましくない。ペットボトル等のシュリンクフィルム、ラベルは印刷して使用される場合が多いが、この印刷は、印刷表示が消えないよう、裏面印刷(ペットボトル本体面)が一般的である。このため透明性は使用可否の重要な因子となる。
本発明の組成物には、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オールから選ばれる少なくとも1種の安定剤を、樹脂(a)と樹脂(b)の合計100重量部に対して、0.02〜3重量部、更に好ましくは0.05〜2重量部添加することによって、シート、フィルムを押出機で作成する時に発生するフィッシュアイを抑制することができる。
また本発明の組成物には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系安定剤の少なくとも1種を、組成物100重量部に対して、0.02〜3重量部、トリス−(ノニルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の有機ホスフェート系安定剤の少なくとも1種を、樹脂(a)と樹脂(b)の合計100重量部に対して、0.02〜3重量部添加することができる。
本発明の組成物には、目的に応じて種々の重合体及び添加剤を添加することができる。好適な重合体としては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマー又はその水添物、ゴム変性スチレン系重合体、非ゴム変性スチレン系重合体等である。
また本発明で使用できるゴム変性スチレン系重合体は、ビニル芳香族炭化水素と共重合可能な単量体とエラストマーとの混合物を重合することによって得られ、重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等が一般的に行われている。ビニル芳香族炭化水素と共重合可能な単量体としてはα−メチルスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等があげられる。また共重合可能なエラストマーとしては、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム等が使用される。これらのエラストマーは、ビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能な単量体100重量部に対して、一般に3〜50重量部該単量体に溶解して、あるいはラテックス状で乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等に共される。
特に好ましいゴム変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体(HIPS)があげられる。ゴム変性耐衝撃性スチレン系重合体は、樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部配合することにより、表面の滑り特性、耐衝撃性、剛性等を改善することができる。
好適な添加剤としては、クマロンーインデン樹脂、テルペン樹脂、オイル等の軟化剤、可塑剤が挙げられる。また各種の安定剤、顔料、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤等も添加できる。なお、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤としては、例えば脂肪酸アマイド、エチレンビスステアロアミド、ソルビタンモノステアレート、脂肪酸アルコールの飽和脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等、また紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,5−ビス−[5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−(2)]チオフェン等、「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便覧」(化学工業社)に記載された化合物が使用できる。これらは、一般的に0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いられる。
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,5−ビス−[5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−(2)]チオフェン等、「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便覧」(化学工業社)に記載された化合物が使用できる。これらは、一般的に0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いられる。
本発明の組成物は、シートやフィルムあるいはこれらを加工してなる包装材料や容器のラベル材料以外に、射出成形やインジェクションブロー成形等からなる食品容器、日用品、雑貨、OA機器部品、弱電部品等に使用することができる。
次に本発明を実施例及び比較例により、詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明では、下記の測定法、評価方法を用いた
(1)ビカット軟化温度の測定
ASTM D−1525に準拠して測定した。荷重は9.8N、昇温速度を2℃/分とした。
(2)メルトフローレートの測定
ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
(3)屈折率の測定
アッペ屈折計を用いてJIS K7015に準拠して、25℃で測定した。
(4)樹脂(a)中の流動パラフィンの測定
試料調製:樹脂(a)2gをメチルエチルケトン15mlに溶解後、エタノールを15ml加え、更に溶解する。上澄み液を10ml採取し、テトラヒト゛ロフラン(THF)10mlを加え攪拌、測定した。
機器:高速液体クロマトグラフ HLC−802A、カラム:日本分光 Finepak
GEL 101 2本、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、温度:カラム恒温槽 38℃、RI検出器 38℃、脱揮槽 45℃、流速:0.6ml/分、注入量:500μl。
(5)分子量及び分子量分布の測定
樹脂(a)中の共重合体及び樹脂(b)の分子量は、樹脂をテトラヒドロフラン溶媒に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。なお、重量平均分子量、数平均分子量、MZ分子量は単分散ポリスチレンからなる検量線を基に、ポリスチレン換算で求めた。また樹脂(b)中のスチレンブロックの分子量は、ブロック共重合体を四酸化オスミウムとターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)で得られたビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分をGPCで測定することにより得た。なお、樹脂(a)は1000以下の分子量を除いて、測定した。
測定条件
試料調製:テトラヒドロフランに共重合体約1000ppmを溶解し、注入量を100μlとした。
機器:昭和電工社製 Shodex System21 カラム:サンプル:KF−806L 2本、リファレンス:KF−800RL 2本、温度:40℃、キャリア:THF 1ml/分
(6)組成物中のビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリルエステル単量体の各々の残存量測定
測定条件
試料調製:樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物1gをメチルエチルケトン10mlに溶解後、内部標準物質n−ブチルベンゼン入りメタノールを3ml加え、更に溶解後、上澄み液を測定した。
検出方法:FID、機器:Agilent Technologies 6850 Series GC System、カラム:19091Z−413E HP−1 30.0m×320μm×0.25μm、カラム温度:40℃−1分→20℃/分で昇温→320℃−20分、検出器:280℃、注入口:200℃、キャリアガス:ヘリウム、キャリア流量:1.6ml/分。
(7)溶剤膨潤率の測定
樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物を用いて、圧縮成形機で直径25mmφ、厚み0.8mmの円盤状の試験片を作成し、25℃の溶剤(酢酸エチルとイソプルピルアルコールの比率40/60)に10分間宙吊りに浸漬し、次式により溶剤膨潤率を測定した。
(1)ビカット軟化温度の測定
ASTM D−1525に準拠して測定した。荷重は9.8N、昇温速度を2℃/分とした。
(2)メルトフローレートの測定
ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
(3)屈折率の測定
アッペ屈折計を用いてJIS K7015に準拠して、25℃で測定した。
(4)樹脂(a)中の流動パラフィンの測定
試料調製:樹脂(a)2gをメチルエチルケトン15mlに溶解後、エタノールを15ml加え、更に溶解する。上澄み液を10ml採取し、テトラヒト゛ロフラン(THF)10mlを加え攪拌、測定した。
機器:高速液体クロマトグラフ HLC−802A、カラム:日本分光 Finepak
GEL 101 2本、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、温度:カラム恒温槽 38℃、RI検出器 38℃、脱揮槽 45℃、流速:0.6ml/分、注入量:500μl。
(5)分子量及び分子量分布の測定
樹脂(a)中の共重合体及び樹脂(b)の分子量は、樹脂をテトラヒドロフラン溶媒に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。なお、重量平均分子量、数平均分子量、MZ分子量は単分散ポリスチレンからなる検量線を基に、ポリスチレン換算で求めた。また樹脂(b)中のスチレンブロックの分子量は、ブロック共重合体を四酸化オスミウムとターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)で得られたビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分をGPCで測定することにより得た。なお、樹脂(a)は1000以下の分子量を除いて、測定した。
測定条件
試料調製:テトラヒドロフランに共重合体約1000ppmを溶解し、注入量を100μlとした。
機器:昭和電工社製 Shodex System21 カラム:サンプル:KF−806L 2本、リファレンス:KF−800RL 2本、温度:40℃、キャリア:THF 1ml/分
(6)組成物中のビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリルエステル単量体の各々の残存量測定
測定条件
試料調製:樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物1gをメチルエチルケトン10mlに溶解後、内部標準物質n−ブチルベンゼン入りメタノールを3ml加え、更に溶解後、上澄み液を測定した。
検出方法:FID、機器:Agilent Technologies 6850 Series GC System、カラム:19091Z−413E HP−1 30.0m×320μm×0.25μm、カラム温度:40℃−1分→20℃/分で昇温→320℃−20分、検出器:280℃、注入口:200℃、キャリアガス:ヘリウム、キャリア流量:1.6ml/分。
(7)溶剤膨潤率の測定
樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物を用いて、圧縮成形機で直径25mmφ、厚み0.8mmの円盤状の試験片を作成し、25℃の溶剤(酢酸エチルとイソプルピルアルコールの比率40/60)に10分間宙吊りに浸漬し、次式により溶剤膨潤率を測定した。
溶剤膨潤率(%)=(W2/W1−1)×100
W1:浸漬前の試験片重量、W2:浸漬後の試験片重量
(8)ノッチなしシャルピー衝撃強度
射出成形で、組成物から作成した試験片を用い、ノッチを入れない以外は、ISO 179に準拠して測定した。
(9)引張弾性率、及び引張破壊呼び歪測定用の印刷フィルム作成方法
樹脂(a)と樹脂(b)を表3〜4の樹脂組成でペレットブレンドした後、20mmニ軸押出機(中谷機械社製AS20−2)で押出し、得たペレットを創研社製20mm単軸フィルム押出機(L/D=32)で、厚み約250μmのシートを作成した。このシートをバッチ式テンター(東洋精機社製EX6−S1)で、樹脂(a)のビカット軟化温度+25℃の温度で加熱、シート押出方向の直交方向に5倍(主延伸方向)、シート押出方向に1.2倍(主延伸方向の直交方向)延伸した厚み約40μmのフィルムを得た。なお、ビカット軟化温度+25℃が110℃を超える場合は、110℃を加熱温度の上限とした。このフィルムに塗料をバーコーター(RDS#5:ウェット時に10μmにレベリング)を用いて1回塗布し、35℃で3時間、1.3kPa(10mmHg)の減圧下で乾燥後、所望の大きさの評価用試験片を切り出した(印刷後フィルム)。同様に印刷前の未処理フィルムからも試験片を切り出した(印刷前フィルム)。
W1:浸漬前の試験片重量、W2:浸漬後の試験片重量
(8)ノッチなしシャルピー衝撃強度
射出成形で、組成物から作成した試験片を用い、ノッチを入れない以外は、ISO 179に準拠して測定した。
(9)引張弾性率、及び引張破壊呼び歪測定用の印刷フィルム作成方法
樹脂(a)と樹脂(b)を表3〜4の樹脂組成でペレットブレンドした後、20mmニ軸押出機(中谷機械社製AS20−2)で押出し、得たペレットを創研社製20mm単軸フィルム押出機(L/D=32)で、厚み約250μmのシートを作成した。このシートをバッチ式テンター(東洋精機社製EX6−S1)で、樹脂(a)のビカット軟化温度+25℃の温度で加熱、シート押出方向の直交方向に5倍(主延伸方向)、シート押出方向に1.2倍(主延伸方向の直交方向)延伸した厚み約40μmのフィルムを得た。なお、ビカット軟化温度+25℃が110℃を超える場合は、110℃を加熱温度の上限とした。このフィルムに塗料をバーコーター(RDS#5:ウェット時に10μmにレベリング)を用いて1回塗布し、35℃で3時間、1.3kPa(10mmHg)の減圧下で乾燥後、所望の大きさの評価用試験片を切り出した(印刷後フィルム)。同様に印刷前の未処理フィルムからも試験片を切り出した(印刷前フィルム)。
なお、塗布用インクは、東洋インキ社製塗料SY390を72重量部と酢酸エチル/イソプロピルアルコールを28重量部混合したものを用い、28重量部の酢酸エチル/イソプロピルアルコールの比率は、混合後の酢酸エチル/イソプロピルアルコールの重量比率が40/60になるように調製した。
(10)引張弾性率、引張破壊呼び歪の測定
(9)で得られた評価用試験片を用いてJIS K7127に準拠して、25℃で測定した。なお、引張速度は5mm/分で、試験片形状はタイプ5を用い、主延伸の直交方向に引張試験をした。印刷後の引張弾性率の保持率は次式より算出した。
(10)引張弾性率、引張破壊呼び歪の測定
(9)で得られた評価用試験片を用いてJIS K7127に準拠して、25℃で測定した。なお、引張速度は5mm/分で、試験片形状はタイプ5を用い、主延伸の直交方向に引張試験をした。印刷後の引張弾性率の保持率は次式より算出した。
引張弾性率の保持率(%)=F2/F1×100
F1:印刷前の引張弾性率、F2:印刷後の引張弾性率
なお、表3では、引張弾性率の保持率が99%以上の場合、保持率を100として記した。また印刷後の引張破壊呼び歪の保持率を次式より算出した。
F1:印刷前の引張弾性率、F2:印刷後の引張弾性率
なお、表3では、引張弾性率の保持率が99%以上の場合、保持率を100として記した。また印刷後の引張破壊呼び歪の保持率を次式より算出した。
引張破壊呼び歪の保持率(%)=E2/E1×100
E1:印刷前の引張破壊呼び歪、E2:印刷後の引張破壊呼び歪
(11)印刷後の外観変化の判定
(9)で得られた印刷後フィルムと印刷前フィルムの外観変化を目視で判定した。印刷
前フィルムに比し、◎:ほとんど変化が見られない、○:わずかに変化が見られる、×:大きく変化する(表面光沢の低下が大きい)。
(12)曇度測定用の溶剤塗布フィルムの作成方法と曇度の測定
溶剤塗布フィルムは、(9)で得られた延伸フィルム(未処理)に酢酸エチルとイソプルピルアルコールの比率40/60の25℃の溶剤を、十分しみ込ませた刷毛で1回塗布し、35℃、3時間、1.3kPaの減圧下で乾燥して得た(溶剤塗布後フィルム)。なお、溶剤塗布前の未処理のフィルムを溶剤塗布前フィルムと呼ぶ。曇度はJIS K7015に準拠して測定した。
(13)自然収縮率の測定
(9)で得られた未処理のフィルムを、37℃で7日間放置し、主延伸方向の収縮率を次式により算出した。
E1:印刷前の引張破壊呼び歪、E2:印刷後の引張破壊呼び歪
(11)印刷後の外観変化の判定
(9)で得られた印刷後フィルムと印刷前フィルムの外観変化を目視で判定した。印刷
前フィルムに比し、◎:ほとんど変化が見られない、○:わずかに変化が見られる、×:大きく変化する(表面光沢の低下が大きい)。
(12)曇度測定用の溶剤塗布フィルムの作成方法と曇度の測定
溶剤塗布フィルムは、(9)で得られた延伸フィルム(未処理)に酢酸エチルとイソプルピルアルコールの比率40/60の25℃の溶剤を、十分しみ込ませた刷毛で1回塗布し、35℃、3時間、1.3kPaの減圧下で乾燥して得た(溶剤塗布後フィルム)。なお、溶剤塗布前の未処理のフィルムを溶剤塗布前フィルムと呼ぶ。曇度はJIS K7015に準拠して測定した。
(13)自然収縮率の測定
(9)で得られた未処理のフィルムを、37℃で7日間放置し、主延伸方向の収縮率を次式により算出した。
自然収縮率(%)=(1−L2/L1)×100
L1:放置前の長さ、L2:放置後の長さ。
(14)80℃収縮率の測定
(9)で得られた未処理のフィルムを、85℃の温水に10秒間浸漬し、主延伸方向の収縮率を次式により算出した。
L1:放置前の長さ、L2:放置後の長さ。
(14)80℃収縮率の測定
(9)で得られた未処理のフィルムを、85℃の温水に10秒間浸漬し、主延伸方向の収縮率を次式により算出した。
80℃収縮率(%)=(1−L2/L1)×100
L1:浸漬前の長さ、L2:浸漬後の長さ。
(15)臭気の判定方法
成形時、嗅覚で匂いを判定した。◎:感じない、○:微かに感じる、×:強く感じる
(16)金型の汚れ判定方法
150×50×2.5mmの短冊型の金型を使用して、樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物を、充填3.0秒で射出成形時にショートショットさせた。500ショットまで成形を繰り返し、金型のオイル付着(汚れ)度合いを目視で判定した。◎:付着が殆ど無い、○:付着が僅かにある、×:付着が激しい
(17)低温加工性の判定方法
(9)で得られた厚み250μのシートをバッチ式テンターで2軸に延伸した時の、延伸性を評価したもので、樹脂(a)のビカット軟化温度+25℃で加熱し、シート押出方向の直交方向に5倍、シート押出方向に3倍延伸した5枚のフィルムを測定し、低温加工性を判定した。なお、ビカット軟化温度+25℃が110℃を超えるものについては、110℃を加熱温度の上限として延伸した。
◎:破れが全くなく、延伸されたフィルムの有効部分(エッジ部を除く)の平均厚みに対する厚み斑が絶対値で10%未満に延伸出来た場合
○:破れが全くなく、やや不均一で平均厚みに対する厚み斑が絶対値で10〜30%の場合
×:破れがある場合、又は平均厚みに対する厚み斑が絶対値で30%超の場合
(18)実用収縮性の判定方法
アセプティック用PETボトルに水を入れてキャップをした後、フィルム(9)で得られた未処理のフィルムからPETボトル外周の1.06倍+のりしろ5mmの長さのフィルムを切り出し、これを封筒状にしてボトルにかぶせ、85℃の蒸気トンネルに10秒間通して装着し、下記の方法で判定した。
◎:非常に仕上がり外観が良い
○:仕上がり外観が良好
×:収縮不足(仕上がり外観が不良)
[製造例]
実施例及び比較例に使用したスチレン系樹脂は以下の方法で製造した。
L1:浸漬前の長さ、L2:浸漬後の長さ。
(15)臭気の判定方法
成形時、嗅覚で匂いを判定した。◎:感じない、○:微かに感じる、×:強く感じる
(16)金型の汚れ判定方法
150×50×2.5mmの短冊型の金型を使用して、樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物を、充填3.0秒で射出成形時にショートショットさせた。500ショットまで成形を繰り返し、金型のオイル付着(汚れ)度合いを目視で判定した。◎:付着が殆ど無い、○:付着が僅かにある、×:付着が激しい
(17)低温加工性の判定方法
(9)で得られた厚み250μのシートをバッチ式テンターで2軸に延伸した時の、延伸性を評価したもので、樹脂(a)のビカット軟化温度+25℃で加熱し、シート押出方向の直交方向に5倍、シート押出方向に3倍延伸した5枚のフィルムを測定し、低温加工性を判定した。なお、ビカット軟化温度+25℃が110℃を超えるものについては、110℃を加熱温度の上限として延伸した。
◎:破れが全くなく、延伸されたフィルムの有効部分(エッジ部を除く)の平均厚みに対する厚み斑が絶対値で10%未満に延伸出来た場合
○:破れが全くなく、やや不均一で平均厚みに対する厚み斑が絶対値で10〜30%の場合
×:破れがある場合、又は平均厚みに対する厚み斑が絶対値で30%超の場合
(18)実用収縮性の判定方法
アセプティック用PETボトルに水を入れてキャップをした後、フィルム(9)で得られた未処理のフィルムからPETボトル外周の1.06倍+のりしろ5mmの長さのフィルムを切り出し、これを封筒状にしてボトルにかぶせ、85℃の蒸気トンネルに10秒間通して装着し、下記の方法で判定した。
◎:非常に仕上がり外観が良い
○:仕上がり外観が良好
×:収縮不足(仕上がり外観が不良)
[製造例]
実施例及び比較例に使用したスチレン系樹脂は以下の方法で製造した。
まず、実施例及び比較例で用いた、樹脂(a)中のスチレンとアルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体及びビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなるブロック共重合体の樹脂(b)の製造方法について述べる。
◎樹脂(a)
表1にスチレンと脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の組成及び流動パラフィン添加量を示す。
◎樹脂(a)
表1にスチレンと脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の組成及び流動パラフィン添加量を示す。
なお、本発明で使用した(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体については、メタクリル酸ラウリル単品、メタクリル酸ラウリルとメタクリル酸トリデシルの混合品及びメタクリル酸ステアリルは、三菱ガス化学社製のLMA(GE−410)、SLMA(GE−420)、SMAを、また他の単量体は市販の試薬を使用した。
A2の樹脂は、次のようにして製造した。
A2の樹脂は、次のようにして製造した。
攪拌機を備えた完全混合型反応器(容量4リットル)と層流型反応器(容量2リットル)を2基直列に連結した重合装置に、スチレン87.7重量部、メタクリル酸ラウリル4.3重量部、エチルベンゼン8重量部、有機過酸化物は1,1ビス(t−ブチルバーオキシ)シクロヘキサン0.025重量部、流動パラフィン(エクソン・モービル社製、商品名プライムオールN382)3.0重量部の原料溶液を1リットル/hrの速度で供給し、完全混合反応器の反応温度110℃、層流型反応器の反応温度120℃〜140℃で重合を行なった。得られた重合溶液を2段ベント付き脱揮押出機に連続的に供給し、押出機の温度200〜240℃、1段ベント及び2段ベントを2.0kPaの減圧下で、未反応単量体、溶媒を回収し、樹脂を得た。単量体の重合率は75%で、流動パラフィンの脱揮時のロス率は25%であった。共重合体の組成はNMRで測定した。
樹脂A1、A3〜A13及びB1〜B3は、樹脂A2と同様に実施したが、表1の樹脂組成、分子量及び分子量分布を得るために、単量体の種類、単量体の比率、エチルベンゼンの量、重合温度等を適宜調整した。なお、樹脂A2以外の流動パラフィン入り樹脂は20mmφの2軸押出機で練り込んだ。表1の流動パラフィンの添加部数は樹脂(a)中の共重合体100重量部に対する添加量の割合で、樹脂の分析から求めた。
得られた樹脂A1〜A13は、メルトフローレートは3〜40g/10分の範囲内で、熱風ギヤーオーブン180℃、1時間の加熱減量から算出した揮発分は0.1重量%以下であった。また共重合体中のビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の残存量の調整は、単量体の重合率、押出機温度、真空度等の変更で行なった。樹脂A1〜A13及びB1〜B3の組成を表1に示す。
◎樹脂(b)
表2にビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1つの重合体ブロックと、共役ジエンを主体とする少なくとも1つの重合体ブロックを有するブロック共重合体を示す。ブロック共重合体はシクロヘキサン中でノルマルブチルリチウムを重合開始剤として重合することによって得た。また非線形ブロック共重合体はカップリング剤に四塩化珪素を用いた。
◎樹脂(b)
表2にビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1つの重合体ブロックと、共役ジエンを主体とする少なくとも1つの重合体ブロックを有するブロック共重合体を示す。ブロック共重合体はシクロヘキサン中でノルマルブチルリチウムを重合開始剤として重合することによって得た。また非線形ブロック共重合体はカップリング剤に四塩化珪素を用いた。
ブロック共重合体SB1は次のようにして製造した。
攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下でスチレン42.5重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.07重量部とn−ブチルリチウムの1/10モルのテトラメチルエチレンジアミンを添加し、76℃で30分間重合した後、更に1,3−ブタジエン15重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的に添加して75℃で40分間重合した。次にスチレン42.5重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的に添加
して75℃で30分間重合した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、脱溶媒してブロック共重合体を得た。
して75℃で30分間重合した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、脱溶媒してブロック共重合体を得た。
ブロック共重合体SB2〜SB7は、ブロック共重合体SB1と同様に実施したが、表2の共重合体組成、分子量及び分子量分布を得るために、単量体の種類、単量体の比率、重合開始剤量等を適宜調整した。
ブロック共重合体SB1〜SB7の樹脂の組成を表2に示す。
[実施例1〜15]、及び[比較例1〜10]
樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物のそれぞれに使用した樹脂の種類、混合比率及び上記物性の測定結果を表3〜4に示す。なお、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを組成物100重量部に対して、0.3重量部を加えた。
(実施例1〜15)
表3〜4より、印刷後の物性(引張弾性率、引張弾性率の保持率、引張破壊呼び歪、印刷後の引張破壊呼び歪の保持率、外観変化)、溶剤塗布後の透明性などの耐溶剤性(印刷性)、低温加工性、実用収縮性及び自然収縮率に優れている。
(比較例1)
実施例7と比較すると、樹脂(a)のビカット軟化温度と、樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物中のスチレン単量体の残存量が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)のビカット軟化温度77℃に対し、本比較例は100℃((メタ)アクリル酸アルキルエステル成分が少ない)と高く、特に低温加工性と実用収縮性に劣る。また実施例7のスチレン単量体の残存量0.02重量%に対し、本比較例は0.14重量%と多く、押出、成形時にスチレン臭が感じられ好ましくない。
(比較例2)
実施例2と比較すると、樹脂(a)中の流動パラフィンの含量が大きく異なる。実施例2の樹脂(a)の流動パラフィン3.0重量部に対し、本比較例は6.5重量部と多く、射出成形時の金型汚れが激しく好ましくない。
(比較例3)
実施例7と比較すると、樹脂(a)の重量平均分子量が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)の重量平均分子量35.4万に対して、本比較例は17.7万と低く、シャルピー衝撃強度が実施例7の24kJ/m2に対し、本比較例は10kJ/m2と劣る。また印刷前の引張破壊呼び歪が実施例7の64%に対し、本比較例は23%と劣る。
(比較例4)
実施例7と比較すると、樹脂(a)の重量平均分子量と、組成物中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の残存量が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)の重量平均分子量35.4万に対して、本比較例は57.2万と高く、特に溶剤塗布前後の透明性(曇度値が大きいほど悪い)、低温加工性、及び実用収縮性に劣る。また実施例7の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の残存量0.08重量%に対し、本比較例は1.18重量%と多く、押出、成形時に(メタ)アクリル酸アルキルエステル臭が感じられ好ましくない。
(比較例5)
実施例7と比較すると、樹脂(a)のビカット軟化温度が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)のビカット軟化温度76℃に対し、本比較例は51℃と非常に低く((メタ)アクリル酸アルキルエステル成分が多い)、特に印刷後の引張破壊呼び歪、印刷後の外観、溶剤塗布後の透明性、低温加工性、及び実用収縮性に劣る。
(比較例6)
実施例7と比較すると、樹脂(b)のビカット軟化温度が大きく異なる。実施例7の樹脂(b)のビカット軟化温度82℃に対し、本比較例は50℃(共役ジエン成分が多い)と低く、特に自然収縮率と溶剤塗布前の透明性に劣る。また樹脂(a)と樹脂(b)の屈折率の差が、実施例7の0.003に対し、本比較例は0.021と大きく、透明性に劣る。裏印刷の場合、透明性が劣ると印刷した絵文字等が見えにくくなり好ましくない。
(比較例7、8)
実施例8と比較すると、樹脂(a)中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの種類が異なる。実施例8のメタクリル酸ラウリル(アルキル基C12)とメタクリル酸トリデシル(アルキル基C13)に対し、比較例7はアクリル酸2−エチル−ヘキシル(アルキル基C8)を、比較例8はアクリル酸n−ブチル(アルキル基C4)を使用している。実施例8に対し、比較例7、8は、特に溶剤膨潤率、印刷後の引張破壊呼び歪、印刷後の外観、及び溶剤塗布後の透明性に劣る。
(比較例9)
実施例に対し、樹脂(a)のビカット軟化温度が92℃と高く、実施例に比し、低温加工性と実用収縮性に劣る。
(比較例10)
比較例8に比し、樹脂(a)と樹脂(b)の混合比率と75/25から50/50に変更した以外は同じである。実施例に比し、本比較例は比較例6、7と同様に、特に印刷後の引張破壊呼び歪、印刷後の外観、及び溶剤塗布後の透明性に劣る。
[実施例1〜15]、及び[比較例1〜10]
樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物のそれぞれに使用した樹脂の種類、混合比率及び上記物性の測定結果を表3〜4に示す。なお、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを組成物100重量部に対して、0.3重量部を加えた。
(実施例1〜15)
表3〜4より、印刷後の物性(引張弾性率、引張弾性率の保持率、引張破壊呼び歪、印刷後の引張破壊呼び歪の保持率、外観変化)、溶剤塗布後の透明性などの耐溶剤性(印刷性)、低温加工性、実用収縮性及び自然収縮率に優れている。
(比較例1)
実施例7と比較すると、樹脂(a)のビカット軟化温度と、樹脂(a)と樹脂(b)とからなる組成物中のスチレン単量体の残存量が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)のビカット軟化温度77℃に対し、本比較例は100℃((メタ)アクリル酸アルキルエステル成分が少ない)と高く、特に低温加工性と実用収縮性に劣る。また実施例7のスチレン単量体の残存量0.02重量%に対し、本比較例は0.14重量%と多く、押出、成形時にスチレン臭が感じられ好ましくない。
(比較例2)
実施例2と比較すると、樹脂(a)中の流動パラフィンの含量が大きく異なる。実施例2の樹脂(a)の流動パラフィン3.0重量部に対し、本比較例は6.5重量部と多く、射出成形時の金型汚れが激しく好ましくない。
(比較例3)
実施例7と比較すると、樹脂(a)の重量平均分子量が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)の重量平均分子量35.4万に対して、本比較例は17.7万と低く、シャルピー衝撃強度が実施例7の24kJ/m2に対し、本比較例は10kJ/m2と劣る。また印刷前の引張破壊呼び歪が実施例7の64%に対し、本比較例は23%と劣る。
(比較例4)
実施例7と比較すると、樹脂(a)の重量平均分子量と、組成物中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の残存量が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)の重量平均分子量35.4万に対して、本比較例は57.2万と高く、特に溶剤塗布前後の透明性(曇度値が大きいほど悪い)、低温加工性、及び実用収縮性に劣る。また実施例7の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の残存量0.08重量%に対し、本比較例は1.18重量%と多く、押出、成形時に(メタ)アクリル酸アルキルエステル臭が感じられ好ましくない。
(比較例5)
実施例7と比較すると、樹脂(a)のビカット軟化温度が大きく異なる。実施例7の樹脂(a)のビカット軟化温度76℃に対し、本比較例は51℃と非常に低く((メタ)アクリル酸アルキルエステル成分が多い)、特に印刷後の引張破壊呼び歪、印刷後の外観、溶剤塗布後の透明性、低温加工性、及び実用収縮性に劣る。
(比較例6)
実施例7と比較すると、樹脂(b)のビカット軟化温度が大きく異なる。実施例7の樹脂(b)のビカット軟化温度82℃に対し、本比較例は50℃(共役ジエン成分が多い)と低く、特に自然収縮率と溶剤塗布前の透明性に劣る。また樹脂(a)と樹脂(b)の屈折率の差が、実施例7の0.003に対し、本比較例は0.021と大きく、透明性に劣る。裏印刷の場合、透明性が劣ると印刷した絵文字等が見えにくくなり好ましくない。
(比較例7、8)
実施例8と比較すると、樹脂(a)中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの種類が異なる。実施例8のメタクリル酸ラウリル(アルキル基C12)とメタクリル酸トリデシル(アルキル基C13)に対し、比較例7はアクリル酸2−エチル−ヘキシル(アルキル基C8)を、比較例8はアクリル酸n−ブチル(アルキル基C4)を使用している。実施例8に対し、比較例7、8は、特に溶剤膨潤率、印刷後の引張破壊呼び歪、印刷後の外観、及び溶剤塗布後の透明性に劣る。
(比較例9)
実施例に対し、樹脂(a)のビカット軟化温度が92℃と高く、実施例に比し、低温加工性と実用収縮性に劣る。
(比較例10)
比較例8に比し、樹脂(a)と樹脂(b)の混合比率と75/25から50/50に変更した以外は同じである。実施例に比し、本比較例は比較例6、7と同様に、特に印刷後の引張破壊呼び歪、印刷後の外観、及び溶剤塗布後の透明性に劣る。
本発明の組成物は、低温加工性、油性インクでの印刷時の耐溶剤性に優れた、更には溶
剤接触後の物性低下が少なく、機械的強度に優れた特長を生かして、食品容器、食品飲料用容器等包装材料の熱収縮性フィルム用に、又はラッピングフィルム及び発泡容器等へのラミネートフィルム用途等に好適に利用できる。更には、本発明の組成物は、シートやフィルムあるいはこれらを加工してなる包装材料や容器のラベル材料以外に、射出成形やインジェクションブロー成形等からなる食品容器、日用品、雑貨、OA機器部品、弱電部品等に使用することができる。
剤接触後の物性低下が少なく、機械的強度に優れた特長を生かして、食品容器、食品飲料用容器等包装材料の熱収縮性フィルム用に、又はラッピングフィルム及び発泡容器等へのラミネートフィルム用途等に好適に利用できる。更には、本発明の組成物は、シートやフィルムあるいはこれらを加工してなる包装材料や容器のラベル材料以外に、射出成形やインジェクションブロー成形等からなる食品容器、日用品、雑貨、OA機器部品、弱電部品等に使用することができる。
Claims (18)
- ビニル芳香族炭化水素含量75〜95重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量25〜5重量%からなる共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.1〜5重量部添加してなり、且つビカット軟化温度が55〜88℃である樹脂(a)と、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体を主体として重合した重合体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素含量が60〜95重量%、共役ジエン誘導体含量が40〜5重量%よりなる樹脂(b)とを主体とし、両者の重量混合比率が0.10≦a/(a+b)≦0.95であることを特徴とするビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)をなすビニル芳香族炭化水素が、スチレン系誘導体化合物よりなり、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする請求項1に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)をなすスチレン系誘導体化合物が、スチレンよりなり、アルキル基の炭素数C12〜C18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシルより選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする請求項2に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)中の共重合体の重量平均分子量が20〜47万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.8で、且つZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量の比(Mz/Mw)が1.4〜3.6であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)中の共重合体のビニル芳香族炭化水素含量が83〜94重量%、アルキル基の炭素数C12〜C18の脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル含量が17〜6重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)のビカット軟化温度が、65〜83℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)中の共重合体100重量部に対し、流動パラフィンを0.5〜4重量部添加してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(b)をなすビニル芳香族炭化水素が、スチレンよりなり、共役ジエン系誘導体が1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)より選ばれる少なくとも1種の化合物よりなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(b)が、ビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックを少なくとも2個含み、該ブロックの数平均分子量が5000以上、該ブロック共重合体全体の数平均分子量が20000〜500000であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(b)のビカット軟化温度が、65〜93℃であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(b)のビニル芳香族炭化水素含量が68〜85重量%、共役ジエン系誘導体含量が32〜15重量%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物のビニル芳香族炭化水素単量体の残存量が0.1重量%以下で、且つ脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の残存量が1重量%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)と樹脂(b)からなる組成物の25℃の溶剤(酢酸エチル40重量%とイソプロピルアルコール60重量%)浸漬(10分間)で、溶剤膨潤率が6重量%未満であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)と樹脂(b)との重量混合比率が、0.35≦a/(a+b)≦0.90であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 樹脂(a)と樹脂(b)との屈折率の差が、絶対値で0.01以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム。
- 請求項16に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム層を、少なくとも1層有することを特徴とする多層フィルム。
- 請求項16に記載のビニル芳香族炭化水素系組成物からなるフィルム層をヨコ方向、及び/又はタテ方向に延伸してなる層を少なくとも1層有することを特徴とする多層フィルム。
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