JP2017209889A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】給排機構を備えないハンディ型の液体吐出装置において、意図しない位置への記録を防いで記録品質の低下を防ぐ。
【解決手段】液体吐出ヘッドの移動量を検出する移動量検出工程と、移動量に基づき基準位置からの吐出口の相対位置を算出する相対位置算出工程と、画像データと相対位置とに基づき、吐出口ごとにその対応する画素を決定する画素決定工程と、を実行した後に、液体吐出ヘッドの移動量を再度検出して相対位置を再算出し、吐出口ごとにその吐出口がその記録を行うべき位置にあるかを再判定する。
【選択図】図4
【解決手段】液体吐出ヘッドの移動量を検出する移動量検出工程と、移動量に基づき基準位置からの吐出口の相対位置を算出する相対位置算出工程と、画像データと相対位置とに基づき、吐出口ごとにその対応する画素を決定する画素決定工程と、を実行した後に、液体吐出ヘッドの移動量を再度検出して相対位置を再算出し、吐出口ごとにその吐出口がその記録を行うべき位置にあるかを再判定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、被記録媒体に液体を吐出して記録を行う液体吐出装置に関し、特に、被記録媒体を搬送するための機構を備えない液体吐出装置と、このような液体吐出装置による液体吐出方法とに関する。
家庭用のインクジェット記録装置などの液体吐出装置では、主として据え置いて使用されることを目的として、その装置において記録を行う位置にまで被記録媒体を搬送し、記録後の被記録媒体を排出する給排機構が設けられているのが一般的である。据え置いて使用されることを前提とした液体吐出装置は、据置型の液体吐出装置と呼ばれる。据置型の液体吐出装置は、情報処理装置によって被記録媒体でのレイアウトへの処理、変換された情報に基づいて、給排機構によって被記録媒体を搬送しつつ被記録媒体の全面に対して記録を行う。しかしながら、被記録媒体の給排機構を備える据置型の液体吐出装置は、その寸法が大きくなりがちであって携帯することが困難であり、任意の場所で使用する形態には適していない。
そこで、給排機構を備えない液体吐出装置であって、利用者が手に持って被記録媒体上で移動させることによりその被記録媒体に対する記録を行うことができる、ハンディ型の液体吐出装置が提案されている。利用者は、液体吐出装置の液体吐出ヘッドを被記録媒体の表面に近接させあるいは接触させ、そのまま液体吐出ヘッドを手で移動させることにより被記録媒体に対する走査を行う。この走査に応じて、液体吐出ヘッドから記録用の液体が吐出される。ハンディ型の液体吐出装置は、持ち運びが容易であり、小型、軽量、携帯性の面で据置型の液体吐出装置と比べて任意の場所で記録を行う使用形態に適している。
ハンディ型の液体吐出装置では、被記録媒体に対する液体吐出装置の移動方向が固定されておらず、記録の際の走査方向として任意の方向を取り得るため、ある瞬間において、次のタイミングで液体を吐出して記録を行うドットを特定することが困難となる。例えば液体吐出ヘッドがレール上を移動するような据置型の液体吐出装置では、レールに沿って液体吐出ヘッドが一直線に動くことがすでに分かっているので、記録するドットの位置と順序を予め一義的に決めることができる。これに対し、被記録媒体に対する走査方向が任意となる構成では、液体吐出ヘッドの現在の位置と進行方向を検出し、現在位置と記録すべきデータとを比較することによってはじめて、どのドットをこれから記録するのかが決まることになる(特許文献1)。このとき、液体吐出ヘッドの現在位置と進行方向を検出してから記録ドットを特定するなどの処理が発生するため、位置検出から記録までに時間差が生じる。この時間差は、液体吐出ヘッドの走査速度及び方向に応じ、本来、記録を行うべきドット位置と実際に記録が行われたドット位置とのずれをもたらす。このずれは、利用者による液体吐出装置の移動を補助し方向を誘導するような補助具、例えばローラなどが設けられていない場合に顕著になる。特許文献1に記載されたハンディ型の液体吐出装置では、液体吐出ヘッドの走査速度を検出したのち微分演算を行うことで液体吐出ヘッドの位置を予測し、記録を行うべきドット位置からのずれによる影響を補正している。
ハンディ型の液体吐出装置では、例えば利用者がフリーハンドで液体吐出ヘッドを走査するような場合には、液体吐出ヘッドの走査速度や進行方向が急激に変化することが起こり得る。そのような場合には、特許文献1で示された手法では記録位置のずれを十分に補正できない可能性があり、被記録媒体上の意図されない位置に液体が吐出されることとなり、記録品質の低下を招くことになる。
本発明の目的は、給排機構を備えないハンディ型の液体吐出装置であって、意図しない位置への記録を防いで記録品質の低下を防ぐことができる液体吐出装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、給排機構を備えないハンディ型の液体吐出装置による液体吐出方法であって、意図しない位置への記録を防いで記録品質の低下を防ぐことができる液体吐出方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、給排機構を備えないハンディ型の液体吐出装置による液体吐出方法であって、意図しない位置への記録を防いで記録品質の低下を防ぐことができる液体吐出方法を提供することにある。
本発明の液体吐出装置は、被記録媒体の被記録面に沿って移動させることにより画像データを被記録面に記録することが可能な液体吐出装置であって、液体を吐出する複数の吐出口を有する液体吐出ヘッドと、被記録媒体に設定されて吐出による記録の基準となる基準位置を算出する基準処理部と、液体吐出ヘッドの移動量を検出する移動量検出部と、移動量に基づき基準位置からの吐出口の相対位置を算出する位置計算部と、画像データと相対位置とに基づき、吐出口ごとにその吐出口に対応する画素を決定する吐出口制御部と、移動量の検出から吐出口ごとの対応する画素の決定までの処理を実行した後に、再度、移動量検出部によって移動量を検出させ、位置計算部に相対位置を算出させ、吐出口ごとにその吐出口がその記録を行うべき位置にあるかを吐出口制御部に再判定させる制御部と、を有する。
本発明の液体吐出方法は、液体を吐出する複数の吐出口を有する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置を使用し、被記録媒体の被記録面に沿って液体吐出装置を移動させながら画像データを被記録面に記録する液体吐出方法であって、被記録媒体に設定されて吐出による記録の基準となる基準位置を算出する工程と、液体吐出ヘッドの移動量を検出する工程と、移動量に基づき基準位置からの吐出口の相対位置を算出する工程と、画像データと相対位置とに基づき、吐出口ごとにその吐出口に対応する画素を決定する工程と、移動量を検出する工程、相対位置を算出する工程及び画素を決定する工程を実行した後に、移動量を再度検出して相対位置を算出し、吐出口ごとにその吐出口がその記録を行うべき位置にあるかを再判定する工程と、を有する。
本発明によれば、意図しない領域に液体が吐出されることを防ぐことができるため、記録品質の低下を軽減することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施の一形態の液体吐出装置を示しており、(a)は要部の外観を示す透視図であり、(b)はこの液体吐出装置の使用形態を示す図である。本実施形態の液体吐出装置は、給排機構を備えないハンディ型のものであり、大別すると、(b)に示すように、本体部60と、利用者の手62によって把持される把持部61とを備えている。利用者は、把持部61によってこの液体吐出装置を把持し、被記録媒体の被記録面上で被記録面に沿って、例えば図示S方向にこの液体吐出装置を動かす。液体吐出装置は、その移動方向や移動速度によらずに所望の記録が形成されるように、液体吐出装置の動きに応じた吐出制御を行って被記録面に対して液体を吐出して被記録媒体上に記録を形成する。
液体吐出装置の本体部60には、液体を吐出するための液体吐出ヘッド37が設けられるとともに、ここで述べたような吐出制御を行うためのセンサとして、読取り部4、距離検出部7、移動量検出部8及び傾き検出部9が設けられている。液体吐出ヘッド27には、液体を吐出する複数の吐出口が一列に設けられた吐出口列52が、被記録面に対向するように形成されている。図示したものでは、6列の吐出口列52が設けられている。読取り部4は、記録のための基準位置の生成の元になるデータとして、被記録媒体に予め設けられている基準位置マークなどを読取るものである。この読取り結果から、被記録媒体に対する液体吐出装置、具体的には各吐出口の相対的な位置を決定することができる。距離検出部7は、被記録媒体の被記録面と液体吐出ヘッド37との距離を検出するものである。距離は、例えば光学式あるいは超音波方式の距離検出方法によって検出することができるが、特定の検出方法に限定されるものではない。移動量検出部8は、液体吐出装置の移動量を検出するものであり、例えば、加速度センサあるいはイメージセンサの検出結果から移動量を検出するが、移動量の検出方法はこれらに限定されるものではない。傾き検出部9は、水平面、すなわち重力方向に垂直な面に対する液体吐出ヘッド37の傾きを検出するものである。
図2は、液体吐出ヘッド37からの液体の吐出を制御するために液体吐出装置の内部に設けられる回路の構成を示している。液体吐出装置における制御を行うためにCPU1が設けられており、CPU1はバス41に接続している。バス41には、さらに、位置計算部11、基準処理部12、IF(インタフェース)制御部13、読取り制御部14、画像処理部16、メモリコントローラ21,23、ヘッド制御部38、調停回路40及び入出力制御部42が接続している。調停回路40は、バス41に接続するこれらの各部の間でのバス41の使用権を調停するものであり、CPU1はバス41と調停回路40を介して統括的に液体吐出装置の制御を行うものであり、この液体吐出装置の全体に対する制御部として機能する。IF制御部13には、この液体吐出装置と外部の他の装置との接続に用いられるインタフェース(IF)3が、入出力部(I/O)2aを介して接続している。IF制御部13は、CPU1からの指示に基づき、IF3を介した外部装置との接続及び通信を制御する。IF3を介してこの液体吐出装置に接続される外部装置は例えば情報処理装置であるが、本実施形態の液体吐出装置はハンディ型であるため、外部装置として接続される情報処理装置の環境も様々であると予想される。このためIF3としては、有線接続によるものと無線接続によるものとのどちらも利用可能であり、また有線接続機能と無線接続機能の両方を有するものも使用可能である。さらに複数の接続形態を有するものであってもよい。
基準位置生成の元になるデータを読み取る上述した読取り部4は、入出力部2bを介して読取り制御部14に接続しており、CPU1からの指示に基づき、読取り制御部14によって制御される。上述の距離検出部7、移動量検出部8及び傾き検出部9は、入出力制御部42に接続しており、入出力制御部42には、さらに、表示部5及び操作部6が接続している。表示部5は、液晶パネルなどの表示器を備え、表示器における表示によって液体吐出装置の状態を利用者に通知するものである。また操作部6は、押しボタンなどの入力装置を備え、利用者による液体吐出装置の操作を可能とする。表示部5、操作部6、距離検出部7、移動量検出部8及び傾き検出部9は、CPU1からの指示に基づき、入出力制御部42によって制御される。
吐出口位置算出部11は、移動量検出部8での検出結果から得られたデータに基づいて、液体吐出ヘッド37における吐出口ごとにその吐出口の位置を算出する。基準処理部12は、被記録媒体の被記録面における記録位置の相対的な基準となる記録基準位置の処理を行う。基準処理部12での記録基準位置の生成の方法としては、読取り部4で取り込んだデータに基づいて生成する方法や、利用者が操作部6を介して指定した位置を基準位置とする方法があるが、特定の手法に限定されるものではない。画像処理部16には画像データ処理部15が設けられている。画像データ処理部15は、記録に用いる画像データを外部装置からIF3を介して取得し、その画像データに対し、状況に応じて最適な、あるいは利用者によって指定された画像処理を行う。メモリコントローラ21は入出力部2cを介して不揮発性メモリ22に接続し、メモリコントローラ23は入出力部2dを介して揮発性メモリ24に接続している。不揮発性メモリ22は、画像データや設定データといった情報を格納するものであって、メモリコントローラ21経由で読み書きされる。揮発性メモリ24は、処理データの一時格納先として使用されるものであって、メモリコントローラ23経由で読み書きされる。特に揮発性メモリ24は、被記録媒体の被記録面全体に対応して展開した画像データ24aを格納し、また、画像データ24aを構成する各画素について画素ごとに吐出済みか否かを示すテーブル24bを格納するために用いられる。以下の説明において、2次元に配置した点であってそれぞれが記録の最小単位となる点によって画像データが構成されているとして、この点のことを画素と呼ぶ。したがって被記録面への画像データの記録は、被記録面上で2次元に配置した仮想的な点である記録ドット位置に関し、記録ドット位置と画像データの画素とを1対1で対応させ、画素のデータに基づいて記録ドット位置に対して液体を吐出することである。
ヘッド制御部38は、液体を吐出して記録を行うために液体吐出ヘッド37に供給される記録データを生成して液体吐出ヘッド37を駆動するものであって、CPU1によって制御される。ヘッド制御部38は、吐出口制御部30、エネルギー制御部31、タイミング生成部32、ずれ量算出部33、マスクデータ処理部34、記録データ生成部35及びヘッド駆動部36を備えている。吐出口制御部30は、画像データの各画素を液体吐出ヘッド37のどの吐出口から吐出するかを状況に応じて制御する。タイミング生成部32は、吐出口からの液体の1回の吐出タイミングである記録タイミングを生成する。ずれ量算出部33は、液体吐出ヘッド37と被記録面との距離や、液体吐出ヘッド37の傾きに応じ、吐出口から吐出された液体が被記録媒体上で到達する位置(着弾位置という)についてのずれ量を算出する。エネルギー制御部31は、ずれ量算出部33などで得られた結果から、液体を吐出口から吐出する際の吐出エネルギーを制御する。マスクデータ処理部34は、被記録媒体における記録ドット位置のうち、既に液体吐出による記録を行った記録ドット位置に対して再度の液体の吐出を行わないようにするマスク処理を実行する。記録データ生成部35は、吐出口制御部30、エネルギー制御部31、タイミング生成部32、ずれ量算出部33及びマスクデータ処理部34からの情報に基づいて、液体吐出ヘッド37で出力するための記録データを生成する。生成された記録データは、液体吐出ヘッド37の各吐出口から液体を吐出するために液体吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動部36及び入出力部2eを経て、液体吐出ヘッド37に供給される。
ハンディ型の液体吐出装置では、一般に、液体吐出ヘッドの現在の位置を検出し、検出された位置に応じて画像データから記録データを生成し、この記録データに基づいて液体吐出ヘッドを駆動し、被記録媒体に対して吐出を行う。位置に応じた記録データの作成の処理を行っている間に、予期しない動きを液体吐出ヘッドが行った場合、被記録媒体上で本来吐出すべき位置とは異なる位置に液体の吐出が行われることとなり、記録品位の低下がもたらされる。そこで本実施形態の液体吐出ヘッドでは、液体吐出ヘッドの現在の位置を検出してから始まる処理に要する時間を考慮して、この処理が終わった時点(吐出を行う直前の時点)において液体吐出ヘッドの位置を再度検出する。そして再度の検出による位置が、吐出を行うべき位置であるかを判別する。この再度の判別を再判定と呼ぶ。再度の検出による位置が最初の検出した位置と異なる場合は、予期しない動きがあった場合であるので、そのまま吐出を続行すれば、記録品位の低下につながるおそれがある場合である。以下、本実施形態における液体吐出ヘッドの位置の再度の検出とそれに基づく再判定とについて、図3を用いて詳しく説明する。
本実施形態の液体吐出装置は、被記録媒体の被記録面に対して記録液などの液体を吐出することにより、被記録面に、例えば画像などの記録を形成する。ハンディ型の液体吐出装置では、給排機構を備える据置型の液体吐出装置とは異なり、これから記録を行うべき部分を広範囲では予測できないので、被記録媒体の被記録面の全面に対応する画像データ全体を予め揮発性メモリ24に展開しておく。画像データ全体を揮発性メモリ24に展開しておくことにより、利用者が液体吐出装置を動かすことによる走査がどのように変化しても対応できるようになる。そして、画像データに基づいて被記録媒体に記録を行うための基準位置を設定する。基準位置は、基準位置を判断するための情報を読取り部4によって読取り、その情報に基づいて基準処理部12において処理を行うことで決定される。その基準位置から見て各記録ドット位置がどの位置にあるのかについても、揮発性メモリ24に展開された画像データに基づいて管理する。このように情報を管理することで、液体吐出装置、具体的には液体吐出ヘッド27の位置が分かればその時点でどの画素のデータに基づいて吐出を行って記録を行うべきかが分かる。
しかしながら液体吐出装置、具体的には液体吐出ヘッドの各吐出口が被記録媒体上に想定される記録ドット位置の真上に来てはじめて記録を行う方式にしてしまうと、利用者は、画素の細かさと同等の走査精度で液体吐出装置を動かす必要が生じる。本実施形態では、その制限を緩和するために、記録ドット位置に対して液体を吐出する位置をその近傍領域に拡大して管理する。吐出口が近傍領域51内にあるということは、その吐出口が液体の吐出による記録を行うべき位置にあるということを意味することになる。図3は、液体吐出ヘッド37の吐出口53と被記録媒体の被記録面に設定される記録ドット位置との関係を示すことにより、記録ドット位置の近傍領域51も液体の吐出がなされ得る領域として管理する状態を示している。液体吐出ヘッド37は多数の吐出口が一列に配置した吐出口列52を備えているが、記録ドット位置の近傍領域51の上に吐出口列52内のある吐出口53が位置していることを各検出結果から判別した場合に、吐出のための処理を開始する。吐出のための処理には、吐出を行う画素を特定してその画素のための記録データを生成して液体吐出ヘッド37を駆動することなどが含まれる。吐出のための処理が即座に完了するのであれば、位置検出が行なわれた場所で吐出口53から液体を吐出することが可能であるが、実際には処理には少なからぬ時間がかかる。そのため、液体吐出ヘッド37の移動に伴い、位置検出が行われた場所と実際に液体を吐出するときの吐出口の位置との間にずれが生じる。このようなずれがあったとしても吐出時の吐出口の位置が、符号54で表されるように記録ドット位置の近傍領域51の内側に収まっていれば、液体吐出装置で想定する記録品位を保つことができる。しかしながら、吐出時の吐出口の位置が、符号55に示されるように近傍領域51の外側に位置することになると、すなわち、記録を行うべき位置以外の位置に吐出口があると、本来の記録ドット位置から離れた位置に対して液体が吐出されることとなる。これは想定しない場所への記録となって記録の乱れとなり、記録品質の低下を引き起こす。本実施形態の液体吐出装置は、吐出直前における吐出口の位置が、その吐出口によって液体が吐出されるべき画素に対応する記録ドット位置の近傍領域51の外側であるか内側であるかを判別することにより、記録品質が低下する状態であるかを再判定する。
このような再判定の結果、記録を行うべき位置以外の位置に吐出口があると判別したときは、その吐出口についての吐出の処理をスキップすることができる。あるいは、利用者による事前の設定、または、記録すべき画像データの内容に応じ、記録品質の低下を容認して吐出を行うか、それとも吐出の処理をスキップするのかを選択できるようにしてもよい。
図4は、本実施形態の液体吐出装置の動作を示している。記録開始の指令を受けると、液体吐出装置では、まずステップ101において、CPU1によりIF3で受信し画像データ処理部15で処理した画像データ全体を揮発性メモリ24に展開する。画像データ全体とは、被記録媒体の被記録面の全面に対応した画素からなるデータの全体であることを意味する。また揮発性メモリ24には、画像データの画素ごとにその画素についての記録が済んでいるかどうかを示す吐出済テーブルが設けられる。被記録面での記録ドット位置と画像データの画素とを1対1に対応させているので、この吐出済テーブルは、画像データを構成する各画素について画素ごとに吐出済みか否かを示すテーブル24bということになる。次に、ステップ102において、被記録媒体に例えば画像などの記録を行う位置を定めるために用いる基準位置を設定し、読取り部4及び基準処理部12を用いてその位置を取得する。以上が、被記録媒体に対する記録を行うための準備段階となる処理である。ここから、記録のための処理が開始し、利用者に対して走査、すなわち被記録媒体の被記録面に沿って液体吐出装置を移動させることを促す表示が表示部5に表示される。
記録のための処理が開始すると、ステップ103において、位置検出と記録のためのタイミングがタイミング生成部32において生成され、ステップ104において、このタイミングに基づいて、移動量検出部8が、液体吐出装置の位置に関する情報を取得する。次に位置計算部11が、ステップ105において、取得された位置情報と基準位置とを比較して、基準位置から見た各吐出口の相対位置を算出する。この相対位置に基づいて、ステップ106において、吐出口制御部30は、液体吐出ヘッド37に設けられた各吐出口53が被記録媒体上でのどの記録ドット位置に対応し、したがってどの画素に対応するかを決定する。そののちステップ107において、マスクデータ処理部34は、二重記録を防ぐために、揮発性メモリ24にある吐出済テーブルを参照して、吐出済の画素があった場合には画像データにおけるその画素のデータをマスクする。
本実施形態では、液体吐出装置が利用者の手によって保持されるものとしている。液体吐出装置が手によって保持される場合は、被記録媒体の被記録面と液体吐出装置との間の距離や傾き関係が安定しないことが想定されるので、距離や傾きに応じた補正を行うようにしてもよい。以下のステップ108〜110は、この補正のための処理である。ステップ108において、距離検出部7により、液体吐出ヘッド37と被記録面との間の距離を検出し、ステップ109において、傾き検出部9により、液体吐出ヘッド37の水平面に対する傾きを検出する。これらの情報を用いて、ステップ110において、ずれ量算出部33は、着弾位置のずれ量を算出する。この着弾位置のずれ量は、吐出口から被記録面に下した垂線の足の位置と、実際にその吐出口から吐出された液体が被記録面において到達する位置との間のずれの量ということになる。ステップ111においてエネルギー制御部31は、着弾位置のずれ量に基づいて吐出エネルギーを決定する。また場合によっては、ステップ112において吐出口制御部30は、吐出に用いる吐出口位置の補正を行う。ステップ108〜112の処理を実行することによって、吐出口から吐出される液体の着弾位置に対して液体吐出装置の姿勢などが与える影響が軽減される。ステップ105〜112の処理は、記録を行おうとする記録ドット位置と吐出口との関係が決まっていることが前提とするものであるから、液体吐出装置の位置情報を取得してからでないと行うことができない。また、これらの処理の実行にはある程度の時間が必要である。この処理を行っている間の液体吐出装置の移動量が無視できない場合には、これらの処理において前提とする吐出口位置と、吐出時における吐出口の実際の位置とが食い違うこととなり、図3を用いて説明したように記録品位の低下がもたらされることになる。
そこで本実施形態の液体吐出装置では、ステップ113において、移動量検出部8によって液体吐出装置の位置に関する情報を再度取得する。ステップ114において位置計算部11は、再度取得された位置情報に基づき、吐出口がまだ記録ドット位置の近傍領域51(図3参照)の内側に位置しているかどうかを判別する。この判別は吐出口単位で行われ、全ての吐出口が近傍領域51の外側にある場合には、処理はステップ103に戻る。少なくとも1つの吐出口が近傍領域51の内側にあるときには、この判別結果に基づき、ステップ115においてマスクデータ処理部34は、近傍領域51の外側に位置することとなった吐出口に対応する画素のデータをマスクする。その結果、近傍領域51の外側にある吐出口からは、液体の吐出が行われないようになる。その後、記録データ生成部35は、上記のようにして画素に対応付けられ、かつ、マスクされていない吐出口から液体を吐出するための記録データを生成する。この記録データを液体吐出ヘッド37に転送して液体吐出ヘッド37を駆動することにより、ステップ116において吐出が行われる。また、記録データの液体吐出ヘッド37への転送が完了したら、ステップ117において、マスクデータ処理部34は、転送された記録データに対応する画素が吐出済みであることを、揮発性メモリ24に保持されている吐出済テーブルに書き込む。ステップ103からステップ117までの処理が、1回の吐出タイミングでの吐出までの一連の処理となる。
ステップ117に引き続くステップ118において、画像データの全画素について記録が行われたかを判定し、未記録の画素がある場合にはステップ103に戻ることによって、吐出までの一連の処理を繰り返す。吐出口が記録ドット位置の近傍領域51を外れてしまってために記録がなされていない画素が残ることがある。そのような未記録の画素すなわち記録ドット位置が存在する場合にはその旨を表示部5に表示し、その記録ドット位置に対応する領域への再度の走査を利用者に促すようにする。再度の走査を促された利用者が、被記録媒体における未記録の記録ドット位置に対応する領域を狙って液体吐出装置を移動させることにより、上記の処理が繰り返され、結果として、未記録であった画素の記録も行われるようになる。これにより、被記録媒体の被記録面に、画像データの全面に対応する記録がなされることになる。
以上説明した本実施形態の液体吐出装置では、吐出を行う直前に吐出口位置の再判定を行うので、意図しない位置に吐出口があるときには吐出をスキップすることが可能となり、これにより、ずれによる記録品質の低下を軽減することができる。したがってこのハンディ型の液体吐出装置によれば、ずれが生じることを意識せずに液体吐出装置を走査することができる環境を利用者に提供することができる。
Claims (9)
- 被記録媒体の被記録面に沿って移動させることにより画像データを前記被記録面に記録することが可能な液体吐出装置であって、
液体を吐出する複数の吐出口を有する液体吐出ヘッドと、
前記被記録媒体に設定されて吐出による記録の基準となる基準位置を算出する基準処理部と、
前記液体吐出ヘッドの移動量を検出する移動量検出部と、
前記移動量に基づき前記基準位置からの前記吐出口の相対位置を算出する位置計算部と、
前記画像データと前記相対位置とに基づき、前記吐出口ごとに当該吐出口に対応する画素を決定する吐出口制御部と、
前記移動量の検出から前記吐出口ごとの対応する画素の決定までの処理を実行した後に、再度、前記移動量検出部によって前記移動量を検出させ、前記位置計算部に前記相対位置を算出させ、前記吐出口ごとに当該吐出口がその記録を行うべき位置にあるかを前記吐出口制御部に再判定させる制御部と、
を有する液体吐出装置。 - 前記制御部は、前記再判定により前記記録を行うべき位置以外の位置にあると判定された吐出口について、当該吐出口についての前記液体の吐出の処理をスキップさせる、請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記再判定により前記記録を行うべき位置にあると判定された吐出口について当該吐出口に対応する画素の画像データから吐出に用いる記録データを生成して前記液体吐出ヘッドに供給する記録データ生成部をさらに有する請求項1または2に記載の液体吐出装置。
- 前記液体吐出ヘッドから前記被記録面までの距離を検出する距離検出部と、
前記液体吐出ヘッドの傾きを検出する傾き検出部と、
前記距離及び前記傾きに基づいて、前記吐出口から吐出される液体が前記被記録面に到達する位置についてのずれ量を算出するずれ量算出部と、
をさらに備え、前記吐出口制御部は、前記ずれ量に基づく補正を行って前記吐出口ごとに当該吐出口に対応する画素を決定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 既に記録を行った画素に関して前記画像データをマスクし、再度の記録が行われないようにするマスクデータ処理部をさらに有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 液体を吐出する複数の吐出口を有する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置を使用し、被記録媒体の被記録面に沿って前記液体吐出装置を移動させながら画像データを前記被記録面に記録する液体吐出方法であって、
前記被記録媒体に設定されて吐出による記録の基準となる基準位置を算出する工程と、
前記液体吐出ヘッドの移動量を検出する工程と、
前記移動量に基づき前記基準位置からの前記吐出口の相対位置を算出する工程と、
前記画像データと前記相対位置とに基づき、前記吐出口ごとに当該吐出口に対応する画素を決定する工程と、
前記移動量を検出する工程、前記相対位置を算出する工程及び前記画素を決定する工程を実行した後に、前記移動量を再度検出して前記相対位置を算出し、前記吐出口ごとに当該吐出口がその記録を行うべき位置にあるかを再判定する工程と、
を有する液体吐出方法。 - 前記再判定する工程において前記記録を行うべき位置にあると判定された吐出口から、当該吐出口に対応する画素についての前記画像データに基づいて前記液体の吐出を行う工程をさらに有し、
前記再判定する工程により前記記録を行うべき位置以外の位置にあると判定された吐出口について、当該吐出口についての前記液体の吐出の処理をスキップする、請求項6に記載の液体吐出方法。 - 前記画像データに含まれるすべての画素の記録が行われるまで、前記移動量を検出する工程、前記相対位置を算出する工程、前記画素を決定する工程、前記再判定する工程及び前記吐出を行う工程を繰り返す、請求項7に記載の液体吐出方法。
- 前記液体吐出ヘッドから前記被記録面までの距離と、前記液体吐出ヘッドの傾きとに基づいて、前記吐出口から吐出される液体が前記被記録面に到達する位置についてのずれ量を算出するずれ量算出工程をさらに有し、
前記画素を決定する工程において、前記ずれ量に基づく補正を行って前記吐出口ごとに当該吐出口に対応する画素を決定する、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出方法。
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