JP2017205027A - 即席お茶漬けの製造方法 - Google Patents

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【課題】お湯をかけて復元させた際、液体の部分が低粘度で透明度が高く、米粒の形状もしっかり保たれているとともに食感においても適度な硬さともちもち感とを有しており、復元性も良好な凍結乾燥即席お茶漬けの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】原料米を加圧蒸煮して米粒の表面をα化する加圧蒸煮工程と、加圧蒸煮工程後の米粒と調味液とを混合するとともに加熱して該米粒の中心部までα化する加熱混合工程と、加熱混合工程後の米粒と調味液とを予備凍結し、さらに凍結乾燥する凍結乾燥工程とを順次設けてなる即席お茶漬けの製造方法である。加圧蒸煮工程と加熱混合工程との間に、加圧蒸煮工程後の米粒をさらにボイルするプレボイル工程を介在させてもよい。原料米は無洗米であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、お湯を注ぐだけで喫食することができる即席お茶漬けの製造方法に関し、詳しくは、凍結乾燥方法により凍結乾燥させた即席お茶漬けの製造方法に関する。
従来、凍結乾燥技術(フリーズドライ技術)を利用した米製品として即席粥や即席雑炊が知られている。例えば、特許文献1に記載の発明は、凍結乾燥粥の製造方法に関するものであり、洗浄した米を水に浸漬後、水切りし、6〜10倍の水と共に加熱し、α化させ粥状となったものを、特定の予備凍結条件下で予備凍結した後に凍結乾燥するというものである。特許文献1に記載の発明によれば、復元性が良好であるとともに、粥特有のとろみ(粘度)を有する即席粥を得ることができる。
一般に、粥や雑炊は米と異なり粘度が高く、凍結乾燥すると復元しにくいという問題があったところ、特許文献1に記載の発明は、かかる課題を解決するべく、復元性の向上と粥特有のとろみ(粘度)の確保とを両立させた点に特徴を有するものである(特許文献1、段落[0007]及び[0008]参照)。
特開平7−135915号公報 特開2012−161251号公報
しかしながら、上記のような即席粥や即席雑炊を対象とする方法を即席お茶漬けに適用した場合、以下のような問題があった。
第1に、お茶漬けは、性格上、粥や雑炊と異なり液体の部分(お茶やだし等の部分)が低粘度でさらさらとしており、透明度も高いことが求められることである。このため、粥特有のとろみ(粘度)を有することを主眼とする特許文献1に記載の発明は適用できないという問題があった。
第2に、喫食の際の米粒の見た目や食感について、粥や雑炊の場合はある程度型崩れしていたり、柔らかくなったりしていても問題はないが(むしろそのような状態が求められるともいえる)、お茶漬けの場合は、外観上も米粒が潰れずに形状がしっかりと保たれていること、また、食感においてもある程度の硬さが必要であること、さらに、もちもちとした食感も失われていないことが求められる点で粥や雑炊と相違していることが挙げられる。
第3に、手軽に食べられるインスタント食品という性格上、即席お茶漬けについても、お湯をかけると短時間で復元することが求められることである。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、(1)お湯をかけて復元させた際、液体の部分がさらさらとしていて粘度が低く、また、透明度も高く、(2)米粒の形状もしっかり保たれているとともに、食感においても適度な硬さともちもち感とを有しており、(3)復元性も良好な、凍結乾燥即席お茶漬けの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、原料米をそのまま炊飯するのではなく、予め加圧下で蒸煮したものを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、本発明は、下記の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする即席お茶漬けの製造方法である。
(a)原料米を加圧蒸煮して米粒の表面をα化する加圧蒸煮工程、
(b)前記加圧蒸煮工程後の米粒と調味液とを混合するとともに加熱して該米粒の中心部までα化する加熱混合工程、
(c)前記加熱混合工程後の米粒と調味液とを予備凍結し、さらに凍結乾燥する凍結乾燥工程。
ここで、加圧蒸煮工程においては米粒の表面のみがα化され、中心部は多孔質となることが電子顕微鏡写真により観察された。このα化された表面層の存在によって米粒に強靭性が付与され、これが後工程での米粒の割れや崩れを抑制することになる一方、中心部の多孔質が復元時の吸水性を良くすることになると推測される。なお、調味液と加熱混合する加熱混合工程において米粒の中心部までα化される。
原料米を加圧蒸煮する方法については、例えば特許文献2に記載されている方法を使用することができる。
但し、特許文献2に記載の発明は、いわゆる通常の炊飯米に復元させることを目的としたものであり、即席お茶漬けについてのものではない。特に、お湯をかけて復元させたときに液体の部分がさらさらしていて透明度が高いものでありながら良好な復元性も求められるという即席お茶漬け固有の課題との関連性については何ら開示されていない。本発明は、かかる即席お茶漬け固有の課題を解決した点に特徴を有するものである。
後述するとおり、本発明によって得られた即席お茶漬けは、お湯をかけて30秒ほどで復元するという極めて良好な復元性を有する。また、お湯をかけて復元させた際の液体の部分の粘度が低く、さらさらとしていて透明度も高いという特徴を有する。さらに、復元時において米粒の形状もしっかり保たれており、食感においても歯応えのある適度な硬さともちもちとした食感を有している。このため、即席お茶漬けに対する要求品質という点でも申し分がない。
本発明においては、加圧蒸煮工程と加熱混合工程との間に、加圧蒸煮工程後の米粒をさらにボイルするプレボイル工程を設け、該プレボイル工程を経た米粒と調味液とを加熱混合工程において加熱混合するようにしてもよい。プレボイル工程においては、加圧蒸煮工程後の米を十分な量の水とともにボイルすることが好ましい。
このように加圧蒸煮工程と加熱混合工程との間にプレボイル工程を設けた場合、α化を完成させるのに必要な加熱混合工程の時間を短縮することができるため、調味液との混合時における撹拌や他の具材等との物理的接触による米粒の割れや崩れを少なくすることができる。また、米粒内部や表面に付着したでん粉等の成分の調味液への溶出も減らせるため、復元後の液体の部分(調味液の部分)の粘度をさらに低くすることができ、溶液の透明感もさらに向上させることができる。
本発明に使用する原料米としては、予め糠を取り除いた無洗米が好ましい。無洗米を使用することで、以下のような大きな利点が得られる。まず、第1の利点として、原料米を予め水に浸漬する必要がないことが挙げられる。例えば、特許文献1では、洗米後、20℃の水に2時間お米を浸漬しており(段落[0012])、これが製造時間の短縮を図れない要因になっていたとともに、多量の水を使用する原因にもなっていた。これに対し、本発明では、原料米として無洗米を使用することで、洗米工程及び浸漬工程が不要となり、製造時間の短縮及び水の使用量の節減を図ることができる。
無洗米を使用する第2の利点として、通常の米を水に浸漬させた後に加圧蒸煮すると、その後に水と接触した際に米粒が勢いよく吸水し、米粒同士が結着してひとかたまりになってしまうという問題があり、これが加熱混合工程における調味液等との混合の際の障害になるという問題があった。これに対し、原料米として無洗米を使用すれば浸漬工程が不要となるので、加圧蒸煮工程を経て得られた加圧蒸煮済みの米(以下、本明細書において「プレスチーム米」という。)を次工程の加熱混合工程において調味液と混合させても、米粒同士の結着という問題が生じない。
本発明は、(1)お湯をかけて復元させた際、液体の部分の粘度が低く、さらさらとしていて透明度も高いお茶漬けを得ることができる、(2)米粒の形状がしっかり保たれているとともに食感においても適度な硬さともちもち感とを有している、(3)復元性も良好である、という効果を奏する。このため、即席お茶漬けとして好適な製品を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る凍結乾燥即席お茶漬けの製造方法は、原料米を加圧蒸煮して該原料米の表面をα化する加圧蒸煮工程と、前記加圧蒸煮工程後の米粒と調味液とを混合するとともに加熱して該米粒の中心部までα化する加熱混合工程と、前記加熱混合工程後の米粒と調味液とを予備凍結し、さらに凍結乾燥する凍結乾燥工程と、を順次設けてなるものである。 また、本発明は、加圧蒸煮工程と加熱混合工程との間に、加圧蒸煮工程後の米粒をさらにボイルするプレボイル工程を設けてなるものである。
以下、工程ごとに説明する。
《1》原料米
原料として使用する米の種類や銘柄は問わない。無洗米や精白米だけでなく、玄米や胚芽米であってもよい。また、米の種類もジャポニカ種(短粒米)に限らない。但し、原料米として無洗米を使用すれば、前述したような利点が得られるため好ましい。
《2》加圧蒸煮工程
加圧蒸煮工程において、原料米を加圧蒸煮する。具体的には、原料米を加圧状態で蒸煮してその表面のみをα化する。加圧蒸煮の具体的方法は特に問わないが、原料米を投入した密閉釜内に加圧水蒸気を吹き込んで蒸煮することが好ましい。一例として、特許文献2に記載されている方法及び装置を使用することができる。ここで、加圧蒸煮の具体的な条件は特に問わないが、圧力0.2〜0.4MPa、温度110〜130℃、時間1〜3分が好ましい。このような条件下で加圧蒸煮することで、原料米の表層のみがα化し、中心部は多孔質となったプレスチーム米を得ることができる。なお、加圧蒸煮工程後は単粒した方がその後の作業性がよい。
《3》加熱混合工程
上記のようにして得られたプレスチーム米を調味液と混合させるとともに加熱することにより、米粒の中心部までα化させる。調味液は、目的に応じて、各種液体調味、粉末調味に水を加えて調製する。液体調味、粉末調味としては適宜のものを使用することができるが、一例を挙げると、食塩、旨味調味料、お茶、砂糖、かつお節粉末、こんぶ粉末、しいたけエキスパウダー、酵母エキスパウダー、増粘剤、酸化防止剤等である。凍結乾燥後のブロック状態の保形性を高めるために適宜デキストリンや加工でん粉等を加えてもよい。お茶漬けには、一般に、お茶をベースにしたものとだしをベースにしたものとがあるが、本発明は、そのいずれであってもよいため、本明細書にいう「調味液」にはお茶のみの場合も含まれる。
これらの液体調味、粉末調味に水を加えて調味液を調整し、この調味液にさらにプレスチーム米を加えてニーダー等で加熱撹拌する。加熱条件の一例としては、90〜100℃で約5〜10分である。
ここでさらに具材を加えてもよい。具材としては目的に応じて好みのものを使用することができる。一例を挙げれば、鮭等の魚介類や野菜等である。なお、具材を投入するタイミングとしては、プレスチーム米と調味液とを加熱混合している最中でもよいし、加熱を停止した後でもよい。さらに、後述するとおり、プレスチーム米と調味液とを混合後、トレイに充填する際に具材と合わせてもよい。
《4》予備凍結工程
以上のようにして調製した混合済み材料をトレイに充填し、冷凍庫内で予備凍結する。具材を使用する場合は、このタイミングで各トレイに投入してもよい。予備凍結の方法及び条件は特に限定されず、常法のものを使用することができる。なお、トレイとして一食分の分量のものを使用すれば、お米や具材、調味液等がブロック状に一体化した一食分の即席お茶漬けを得ることができる。
《5》凍結乾燥工程
以上のようにして予備凍結させた後、減圧下で凍結乾燥させて、最終製品を得る。凍結乾燥の方法及び条件は特に限定されず、常法のものを使用することができる。
このようにして得られた凍結乾燥即席お茶漬けは、お米や具材、調味液等がブロック状に一体化されており、お湯を注ぐことにより30秒ほどで復元する。また、復元したときの調味液の部分の粘度が低く、さらさらとしていて、透明度も高いという特徴がある。さらに、米粒の形状がしっかり保たれており、かつ、食感においても適度な硬さともちもち感とを有しているという特徴がある。
《6》プレボイル工程
以上の実施形態では、加圧蒸煮工程において加圧蒸煮した原料米を加熱混合工程において調味液と加熱混合させるようにしているが、本発明においては、加圧蒸煮工程と加熱混合工程との間に、加圧蒸煮工程後の米粒をさらにボイルするプレボイル工程を設けて、プレボイル工程を経た米粒と調味液とを加熱混合工程において加熱混合するようにしてもよい。
プレボイル工程では、加圧蒸煮工程で得られたプレスチーム米を十分な量の水とともにボイルする。ボイルするための手段は特に問わない。寸胴鍋で行ってもよいし、ライスボイラーやロータリー式連続ボイル機を使用してもよい。プレボイル工程が終わった米は十分に液切りしておくことが好ましい。
このように加圧蒸煮工程と加熱混合工程との間にプレボイル工程を設けた場合は、α化を完成させるのに必要な加熱混合工程の時間を短縮することができる。このため、調味液との混合時における撹拌や他の具材等との物理的接触による米粒の割れや崩れを少なくすることができる。また、米粒内部や表面に付着したでん粉等の成分の調味液への溶出も減らせるため、復元後の液体の部分の粘度をさらに低くすることができ、透明感もさらに向上させることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[プレスチーム米の調製]
まず、実施例1・2で使用するプレスチーム米を準備した。具体的には、原料米として無洗米を用意し、これを4kgずつトレイに取り分けて、加圧スチーマーにより、圧力0.2MPa、温度120℃、時間1分という条件下で加圧蒸煮した。
このようにして得られたプレスチーム米を冷却し、解砕して(板状に固まった米を単粒化する)、一旦保管した。
[実施例1]
寸胴鍋に表1に記載の各種調味及び水を加え、そこにさらに上記のようにして準備したプレスチーム米270g(15食分)を加えて加熱混合した。そして、全体の温度を20分かけて95℃にした後、さらに8分間加熱した。次いで、一食分として100gずつトレイに充填し、冷凍庫で予備凍結させた後、凍結乾燥させた。
以上のようにして得られたものを実施例1とした。
[実施例2]
実施例2は、加圧蒸煮工程後、プレスチーム米をさらに十分な量の水とともにボイルするプレボイル工程を経た後、調味液と加熱混合する点で、実施例1と相違する。具体的には以下のとおりである。
まず、上記のように準備したプレスチーム米270g(15食分)を寸胴鍋にて水1,890g(原料米の約7倍の量の水)とともに95℃まで加熱し、約4分ボイルした。このようにしてボイル(プレボイル)した米を液切し、コンテナにとった(以下、これを「プレボイル米」という)。
一方、寸胴鍋に表1に記載の各種調味及び水を加えて加熱し、50℃達温後、そこにプレボイル米を加えてさらに7分間加熱混合し、80℃達温後、加熱を停止した。次いで、水50mlを補水するとともに、一食分として100gずつトレイに充填し、冷凍庫で予備凍結させた後、凍結乾燥させた。
以上のようにして得られたものを実施例2とした。
[比較例1]
比較例1は、原料米としてプレスチーム米に代えて通常の精白米を使用するとともに、それを加圧蒸煮せずに調味液とともに一から炊いた点で、実施例1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
原料米として精白米270g(15食分)を用意し、これを寸胴鍋にて、表1に記載の各種調味及び水とともに加熱混合した。そして、全体の温度を20分かけて95℃にした後、さらに8分間加熱した。次いで、一食分として100gずつトレイに充填し、冷凍庫で予備凍結させた後、凍結乾燥させた。
以上のようにして得られたものを比較例1とした。
[比較例2]
比較例2は、原料米としてプレスチーム米に代えて通常の精白米を使用した点は比較例1と同様であるが(したがって比較例2においても加圧蒸煮はしていない)、原料米を予め水でプレボイルした点が比較例1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
原料米として精白米270g(15食分)を用意し、これを寸胴鍋にて水1,890g(原料米の約7倍の量の水)とともに95℃まで加熱し、約4分ボイルした。このようにしてボイル(プレボイル)した米を液切し、コンテナにとった。
一方、寸胴鍋に表1に記載の各種調味及び水を加えて加熱し、50℃達温後、そこに上記のようにしてボイル(プレボイル)した米を加えてさらに7分間加熱混合し、80℃達温後、加熱を停止した。次いで、水50mlを補水するとともに、一食分として100gずつトレイに充填し、冷凍庫で予備凍結させた後、凍結乾燥させた。
以上のようにして得られたものを比較例2とした。
[評価]
実施例1・2及び比較例1・2をそれぞれ容器に入れ、お湯160mlを注いで復元させた。復元時間は30秒である。そして、「復元後の調味液の透明度」・「米粒感(外観)」・「硬さ(食感)」・「もちもち感(食感)」・「調味液の粘度」・「復元性」という各評価項目について官能評価した。官能評価は、9名のパネラーによって行い、いずれの評価項目についても比較例1をコントロール(すなわち評点5)として10段階で評価し、各評価項目の平均点の合計によって最終的な評価とした。各評価項目の具体的な評価基準は表2に記載のとおりである。
表1に示すとおり、実施例1・2は比較例1・2よりも合計値で上回っていた。また、実施例1と2とを比較すると、プレボイルを行う実施例2の方がプレボイルを行わない実施例1よりもすべての項目において評価が高かった。
さらに、実施例1・2及び比較例1・2について、[かさ比重]・[お米の沈み具合]・[濁度]についても調べた。
以下、それぞれについて説明する。
[かさ比重]
まず、かさ比重の測定方法は以下のとおりである。
前記のようにしてお湯160mlを注いで30秒間復元させたものを篩目12メッシュの篩に通し、篩目を通ったもの(12メッシュパスのもの)を集めた。それに250mlの水を万遍なく注いで調味を落とし、1分間静置して液切りした。次いで、100mlのかさ比重計測容器に入れて重量を測定した。
このようにして測定した実施例1・2及び比較例1・2の「1cc当たりのかさ比重」は表1のとおりである。
表1の「かさ比重」に示すとおり、加圧蒸煮を行った実施例1・2は、加圧蒸煮を行わなかった比較例1・2よりもかさ比重が小さくなることが分かった。
[お米の沈み具合]
次に、お米の沈み具合の測定方法は以下のとおりである。
前記のようにお湯160mlを注いで30秒間復元させたものを、300mlのメスシリンダーに移して1分間静置した。次いで、「メスシリンダーの底面から液面までの長さ(高さ)」と「同底面から固形面(沈殿した固形物の最上面)までの長さ(高さ)」とを計測した。そして、前者に対する後者の割合(%)を「お米の沈み具合」(固形割合)とした。
このようにして測定した実施例1・2及び比較例1・2の「お米の沈み具合」(固形割合)は表1のとおりである。
表1に示すとおり、加圧蒸煮を行った実施例1・2は、加圧蒸煮を行わなかった比較例1・2よりも「お米の沈み具合」(固形割合)の値が小さい。これは、加圧蒸煮を行った実施例1・2の方がお米が沈み、お茶漬け全体に占めるお米の固形割合が小さいことを意味する。つまり、実施例1・2においては、沈殿した固形分(お米)の上に十分な量の液体の層が形成され、これがご飯にお茶又はだしをかけた通常のお茶漬けのような外観を呈することになる。したがって、実施例1・2は、イメージ的にも通常のお茶漬けに合致し、見た目上もお茶漬けとして好ましいといえる。
[濁度]
さらに、濁度についても測定した。具体的な測定方法は以下のとおりである。
すなわち、前記のようにお湯160mlを注いで30秒間復元させたものを篩目12メッシュの篩に通し、篩目を通ったもの(12メッシュパスのもの)を希釈せずに濁度計にて測定した。
このようにして測定した実施例1・2及び比較例1・2の「濁度」は表1のとおりである。
表1に示すとおり、濁度については、プレボイルした実施例2の値が特に低かった(つまり透明度が高かった)。
これは以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、精白米は加熱すると、表面の傷からでん粉等の成分が溶出し、それが調味液を濁らせることになるのに対し、加圧蒸煮したプレスチーム米は崩れにくいため、それがでん粉等の成分の溶出を防ぎ、調味液の透明度を保つと考えられる。また、プレボイルする場合は、プレボイル工程において濁りの原因となる成分等が溶出し、その後の調味液との混合時にはそれらの溶出が少なくなっていると推測されるため、これが調味液の清澄さを保つことができる理由と考えられる。
Figure 2017205027
Figure 2017205027

Claims (3)

  1. 下記の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする即席お茶漬けの製造方法;
    (a)原料米を加圧蒸煮して米粒の表面をα化する加圧蒸煮工程、
    (b)前記加圧蒸煮工程後の米粒と調味液とを混合するとともに加熱して該米粒の中心部までα化する加熱混合工程、
    (c)前記加熱混合工程後の米粒と調味液とを予備凍結し、さらに凍結乾燥する凍結乾燥工程。
  2. 請求項1に記載の即席お茶漬けの製造方法において、
    前記加圧蒸煮工程と前記加熱混合工程との間に、加圧蒸煮工程後の米粒をさらにボイルするプレボイル工程を設け、該プレボイル工程を経た米粒と調味液とを加熱混合工程において加熱混合することを特徴とする即席お茶漬けの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の即席お茶漬けの製造方法において、
    前記原料米が無洗米であることを特徴とする即席お茶漬けの製造方法。
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