JPH0584045A - 抗肥満性乾燥米の製造方法 - Google Patents

抗肥満性乾燥米の製造方法

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JPH0584045A
JPH0584045A JP3248109A JP24810991A JPH0584045A JP H0584045 A JPH0584045 A JP H0584045A JP 3248109 A JP3248109 A JP 3248109A JP 24810991 A JP24810991 A JP 24810991A JP H0584045 A JPH0584045 A JP H0584045A
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rice
fatty acid
water
drying
obesity
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Ryuichi Shoji
龍市 庄司
Toshiki Kameyama
俊樹 亀山
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】湯戻りが速く、乾燥後のほぐれ性がよく、食
感、食味等の風味も通常の炊飯米に比べほとんど遜色の
ない、しかも生体消化管内における澱粉質の消化吸収を
遅延させた抗肥満性の米飯の製造方法を提供する。 【構成】下記に示す3つの工程からなる抗肥満性乾燥米
の製造方法。 (A)生米を炊飯する工程において、加熱前に生米に対
して0.2〜4.5重量%の脂肪酸化合物を添加する第
一工程、(B)炊飯して得られた米飯を水洗する第二工
程、(C)水洗した米飯を凍結乾燥する第三工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗肥満性乾燥米の製造方
法に関するものである。更に詳しくは、湯戻りが速く、
乾燥後のほぐれ性がよく、食感、食味等の風味も通常の
炊飯米に比べてほとんど遜色のない、抗肥満性乾燥米の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、通常の乾燥米を製造する方法
としては、α化した米を水分の高い状態にした後乾燥す
るなど種々の方法が知られている(特開昭61−209
558号公報、特開昭61−247348号公報)。こ
れらの方法で得られた乾燥米は、湯戻りが比較的速く、
乾燥後のほぐれ性や風味もかなり優れたものであるが、
通常の炊飯米と比べるとやはりほぐれ性や風味の点で劣
るものであった。
【0003】一方、近年、先進社会においては食生活の
豊潤化により、肥満性患者が急増している。米飯を主食
とする我が国においても例外ではなく、糖尿病、動脈硬
化症、心臓病など、肥満と関係の深い病気は増加の一途
をたどっており、大きな社会問題となりつつある。この
ような状況下においてご飯をおいしくしかも肥満を意識
することなく食することができる形態が求められてき
た。
【0004】肥満の予防および肥満症の治療の手段とし
ては、従来は例えば摂取カロリーを低減させることが考
えられていた。しかしながら、摂取食物量を単に低減さ
せただけでは強い空腹感、飢餓感により長続きしない。
そこで、胃内に風船を留置したり胃容積を狭めるという
恒久的な処置や、食物繊維などの増量剤、増粘剤を摂取
する方法が同時にとられているが、これらの方法は副作
用などの問題があり好ましくないものであった。
【0005】近年の研究により、消化・吸収の穏やかな
糖質は消化・吸収の速やかなものと比べて肥満につなが
りにくいことが明らかになってきた(ジェンキンスら、
ジアメリカン ジャーナル オブ クリニカル ニュー
トゥリション 34、1981年3月、第362〜36
6頁[Jenkins,D.J.A.,et al.,
Am.J.Clin.Nutr.34:MARCH 1
981,pp.362−366])。従って、消化・吸
収の穏やかな糖質を含む食品を用いれば、従来のような
低カロリー化によらなくとも、効果的な肥満の防止また
は改善が行われると考えられる。
【0006】また、このような食品を用いれば、摂取後
の血糖値が急速に上昇することを抑えられる(例えば、
ジェンキンスら、”ザ ディアベティック ダイエッ
ト、ダイエタリィ カルボヒドレート アンド ディフ
ァレンス イン ディゲスティビリティ”、ダイアベト
ロジア 23、第477〜484頁、1982年[Je
nkins,D.J.A.,et al.:The C
iabetic Diet,Dietary Carb
ohydrete and Differences
in Digestibility.Diabetlo
gia,23:477−484,(1982)]、コリ
アーら、”エフェクト オブ コインゲスッション オ
ブ ファット オン ザ メタボリック レスポンス
ツゥ スローリィ アンド ラッピッドリィ アブソー
ブド カルボヒドレートス”、ダイアベトロジア 2
6、第50〜54頁、1984年[Collier,e
t al.:Effect of co−ingest
ion of fat onthe metaboli
c responses to slowly and
rapidly absurbed carbohy
drates.Diabetologia,26:50
−54(1984)])ので、糖尿病患者の病態および
栄養の管理が容易になると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、お
茶漬けや粥状にして湯戻りが速く、乾燥後のほぐれ性が
良く、食感、食味等の風味も通常の炊飯米に比べてほと
んど遜色のない、しかも生体消化管内における澱粉質の
消化吸収を遅延させた抗肥満性の米飯の製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記に示す
3つの工程からなる抗肥満性乾燥米の製造方法により達
成される。
【0009】(A)生米を炊飯する工程において、加熱
前に生米に対して0.2〜4.5重量%の脂肪酸化合物
を添加する第一工程、(B)炊飯して得られた米飯を水
洗する第二工程、(C)水洗した該米飯を乾燥する第三
工程。
【0010】本発明はまた、前記第一工程における前記
脂肪酸化合物の添加量が生米に対して0.5〜2.0重
量%である抗肥満性乾燥米の製造方法を示すものであ
る。
【0011】本発明は更に、前記第三工程における乾燥
が凍結乾燥である抗肥満性乾燥米の製造方法を示す。
【0012】本発明はまた、前記第三工程における凍結
乾燥の初期凍結温度が−10℃〜−20℃である抗肥満
性乾燥米の製造方法を示すものである。
【0013】そして、本発明は、乾燥した米粒に前記脂
肪酸化合物が結合していることを特徴とする抗肥満性乾
燥米を包括する。
【0014】本発明における生米としては、市販の精白
米または玄米を用いることができる。そして、本発明に
おける生米を炊飯する第一工程とは、通常行われている
炊飯方法に準ずる。即ち、原料米としての精白米または
玄米を水洗し、普通1時間程度、水中に浸漬した後に水
きりして蒸煮、またはそのまま炊飯する工程を指す。こ
の場合、水きり後の蒸煮は、例えば連続式の業務用炊飯
装置のようなものを使用して実施され、水きりせずにそ
のまま炊飯する場合は例えば家庭用の炊飯器やその大型
のものが用いられる。
【0015】なお、炊飯前に、溶媒抽出処理や脂質分解
酵素処理等によって、原料米にもともと含まれる脂質成
分を除去(脱脂)しておくと、劣化防止及び後述する脂
肪酸化合物との複合体形成促進の観点から好ましい。
【0016】本発明に用いられる脂肪酸化合物には、遊
離脂肪酸、脂肪酸塩あるいは脂肪酸エステル等が含まれ
る。脂肪酸エステルとしては、カルボキシル基を有する
飽和または不飽和のアルキル化合物とアルコール性水酸
基を有する化合物(アルコール供与体)とがエステル結
合した物質をいう。これらの脂肪酸化合物の構成脂肪酸
としては、例えば、カプリル酸、ペランゴン酸、カプリ
ン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリ
スチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシ
ル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘ
ン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セ
トレイン酸、エルカ酸、プラジジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、アラキドン酸等のような炭素数8〜22のも
のが好ましい。
【0017】脂肪酸塩としては、上記のような脂肪酸の
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げら
れる。
【0018】また、脂肪酸エステルのアルコール供与体
としては、グリセリン、プロピレングリコールないしポ
リプロピレングリコール類、蔗糖およびマルトース等の
糖類、ソルビット、マンニット、エリトリット、アラビ
ット類の糖アルコール類、グリセロリン酸などがある。
なお、脂肪酸エステル化合物として具体的なものをいく
つか例示すると、例えば、デカグリセリルモノラウレー
ト、デカグリセリルモノミリステート、ヘキサグリセリ
ルモノステアレート、デカグリセリルモノステアレー
ト、モノグリセリルモノステアレート、デカグリセリル
ジステアレート、デカグリセリルトリステアレート、デ
カグリセリルモノオレエート、ヘキサグリセリルモノオ
レエート、デカグリセリルペンタオレエート等のグリセ
リン脂肪酸エステル類、蔗糖ステアレート、蔗糖オレエ
ート、蔗糖ラウレート、蔗糖ベヘネート等の蔗糖脂肪酸
エステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビ
タン脂肪酸エステル類、レシチン、リゾレシチン等が挙
げられる。なお、このような脂肪酸エステルのHLB
(Hydorophilic Lipophilic
Balance)は、いずれの領域のものを用いてもよ
い。
【0019】このような脂肪酸化合物は、以下のような
作用効果を発揮する。前記脂肪酸化合物は、米粒の表面
から米粒内へ浸透し、炊飯による加熱によって澱粉質の
アミロース部分と結合して複合体を形成し、これにより
生体消化管内における澱粉質の消化、吸収を遅延させる
効果を発現する。
【0020】なお、本発明において、「消化、吸収を遅
延させた」澱粉質とは、例えば、アミラーゼによる分解
が、通常の澱粉(未処理澱粉質)に対して95%以下、
より好ましくは85%以下に低減化されたものをいう。
【0021】上記の効果を充分に発現させるためには、
原料澱粉質である生米に対する脂肪酸化合物の添加量
は、0.2〜4.5重量%となるように添加することが
好ましく、より好ましくは0.5〜2.0重量%であ
る。添加量が0.2%未満では、抗肥満効果が充分に発
現せず、また4.5%を越えると呈味性が悪くなってし
まう。
【0022】なお、脂肪酸化合物の添加方法について
は、例えば、生米を水洗後に水中に浸漬しそのまま炊飯
する場合には、加熱前の適当な時期に水中にそのまま添
加すればよいし、洗米後に水きりして蒸煮するような場
合には、洗米に直接振りかけて均一になるようにかき混
ぜてもよいし、霧状に全体に噴霧する等の方法をとって
もよい。また、脂肪酸化合物がそのままでは水中に均一
に分散しにくかったり霧状に噴霧しにくいような場合に
は、例えば、乳化液状体や造粒体あるいはマイクロカプ
セルのような利用しやすい形態に加工して用いることも
可能である。
【0023】また、乾燥米に風味や食感の変化を付けた
い場合には、例えば、ゼラチンや寒天のようなゲル化剤
や食用油脂、グルタミン酸ナトリウム等の各種調味料や
香料等を脂肪酸化合物と共に添加することもできる。
【0024】次に、炊飯して得られた米飯を水洗する第
二工程について説明する。水洗は、湯または水で行い、
例えば、湯または水を蓄えた容器内に炊飯米をいれ軽く
撹拌する方法とか、ざる様の容器に炊飯米を入れた状態
で湯または水を直接シャワーする方法等をとることがで
きる。このように、炊飯後の米飯を水洗することによっ
て、炊飯によって米から一部溶出した澱粉質を除去し、
乾燥米のほぐれ性をよくすることができる。また、米の
澱粉質と結合していない余分な脂肪酸化合物を水洗によ
って除去することにより、乾燥米の呈味性がよくなる。
【0025】本発明で用いられる第三工程の乾燥処理
は、凍結乾燥、真空乾燥、通気乾燥等乾燥手段として通
常利用されている方法により行われるが、凍結乾燥によ
る処理が最も好ましい。炊飯米を凍結して米粒の内部で
氷を形成させた後乾燥することにより、米粒がポーラス
となり、得られる乾燥米が湯戻りのよいものとなる。
【0026】水洗後の炊飯米を水きりし、−10〜−5
0℃程度の温度条件で凍結する。この時、乾燥米の湯戻
りをよくするためには、乾燥米の組織構造をできるだけ
ポーラスにする必要があり、そのためには初期凍結温度
を−10〜−20℃にして緩慢な凍結条件で凍結するこ
とが好ましい。また、この条件下で初期凍結を実施する
場合には、1昼夜程度この条件下に放置したあと、−3
0℃以下の条件で完全な凍結状態にして、凍結乾燥器に
て常法により減圧で処理することが好ましい。なお、乾
燥米に調味料等を加えている場合は、添加による凝固点
降下を考慮して、更に低い温度条件で完全凍結すること
が好ましい。
【0027】そして、本発明の抗肥満性乾燥米は、米の
澱粉質に前記脂肪酸化合物が結合して複合体を形成して
いることを特徴とする。そのため生体消化管内における
消化、吸収が穏やかなものとなり、抗肥満性食品とし
て、あるいは、糖尿病患者用食品として好適に使用され
る。しかも湯戻りが速く、ほぐれ性のよいものであり、
適当な具を加えて粥、お茶漬け、雑炊、リゾット等に加
工しておいしく食することができる。
【0028】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0029】
【実施例】
[実施例1]<生米に対し0.53重量%の脂肪酸化合
物を加えた場合> 市販の標準米150gを水洗後炊飯釜に入れ、別に調整
した脂肪酸化合物を含む調整液150mlを加え、さら
に水を加え合計で240gになるようにした。調整液
は、グリセリン脂肪酸エステル(エマルジーMS:理研
ビタミン(株))750mgと蔗糖脂肪酸エステル(リ
ョートーS−1570:三菱化成(株))37.5mg
を水中に加え全体を150mlとして65℃のディスパ
ーザー(ヒスコトロン:(株)日音医理科器械製作所)
にて15000rpmにて10分間撹拌して調整した。
室温に30分間浸漬放置後、炊飯器(げんきくん:サン
ヨー(株))にて炊飯した。
【0030】炊きあがった米飯をボールにとり、65℃
の湯で一度水洗した後にざるにとり、再びボールにとっ
て15℃の水で水洗した。その後、水を切るためにざる
にあけて室温で1時間放置した。
【0031】得られた炊飯米をアルミバットに厚さ1c
m程度に広げて−15℃の凍結庫にて1昼夜放置して凍
結させ、さらに−40℃の凍結庫にて半日放置後に凍結
乾燥器(FD550:EYELA)にいれて凍結乾燥処
理した。乾燥中の圧力は0.5Torr以下に保った。
最終乾燥品温は約50℃であった。
【0032】得られた乾燥米は、ほぐれ性がよく、その
まま具とお湯をかけてお茶漬けとして食したところ、湯
戻りもよく、良好な食感、食味を呈するものであった。
【0033】さらに、得られた乾燥米を粉砕処理して、
以下に示すような方法に従い、豚すい臓アミラーゼ(P
PA)による消化性を調べた。なお、比較対象として
は、脂肪酸化合物を添加しない以外は上記と同様にして
得られたものを用いた。その結果、本乾燥米のPPA消
化性は、比較対象の84%に低下しており、消化、吸収
の遅延化が期待できるものであった。
【0034】<PPA消化性の測定>得られた乾燥米を
平均粒径100μmとなるまで粉砕し、得られた粉砕物
を0.5gとり、これに50mMリン酸緩衝液(pH
6.9)49mlを加え、次いで37℃の震盪恒温槽中
で30分間放置した。PPA(シグマ社製)をリン酸緩
衝液50μU/mlに希釈した酵素液1mlを加え、反
応を開始した。反応開始から0、20、40、60分後
に反応液を0.2mlずつ各2本、0.1N NaOH
3.8mlを分注した試験管に入れ、酵素反応を停止し
た。
【0035】PPAによる消化により生起した還元糖の
定量は、ソモギーネルソン法により行った。
【0036】[実施例2]<生米に対し1.0%の脂肪
酸化合物を加えた場合> 市販の標準米150gを水洗後炊飯釜に入れ、別に調整
した脂肪酸化合物を含む調整液150mlを加え、さら
に水を加え合計で240gになるようにした。調整液
は、グリセリン脂肪酸エステル(エマルジーMO:理研
ビタミン(株))1.5gと蔗糖脂肪酸エステル(リョ
ートーS−1670:三菱化成(株))30mgとゼラ
チン(F−2198:宮城化学工業(株))750mg
を水中に加え全体を150mlとして65℃でディスパ
ーザー(ヒスコトロン:(株)日音医理科器械製作所)
にて15000rpm、10分間撹拌して調整した。室
温に30分間浸漬放置後、炊飯器(げんきくん:サンヨ
ー(株))にて炊飯した。
【0037】炊きあがった米飯をボールにとり、65℃
の湯で一度水洗した後にざるにとり、再びボールにとっ
て15℃の水で水洗した。その後、水を切るためにざる
にあけて室温で1時間放置した。
【0038】得られた炊飯米をアルミバットに厚さ1c
m程度に広げて−20℃の凍結庫にて1昼夜放置して凍
結させ、さらに−40℃の凍結庫にて半日放置後に凍結
乾燥器(FD550:EYELA)にいれて凍結乾燥処
理した。乾燥中の圧力は0.5Torr以下に保った。
最終乾燥品温は約50℃であった。
【0039】得られた乾燥米は、ほぐれ性がよく、その
まま具とお湯をかけてお茶漬けとして食したところ、湯
戻りもよく、良好な食感、食味を呈するものであった。
【0040】さらに、得られた乾燥米を粉砕処理して、
実施例1と同様にして、豚すい臓アミラーゼ(PPA)
による消化性を調べた。なお、比較対象としては、脂肪
酸化合物を添加しない以外は上記と同様にして得られた
ものを用いた。その結果、本乾燥米のPPA消化性は、
比較対象の82%に低下しており、消化、吸収の遅延化
が期待できるものであった。
【0041】[実施例3]<生米に対し4.28%の脂
肪酸化合物を加えた場合> 市販の標準米150gを水洗後炊飯釜に入れ、別に調整
した脂肪酸化合物を含む調整液150mlを加え、さら
に水を加え合計で240gになるようにした。調整液
は、グリセリン脂肪酸エステル(エマルジーMS:理研
ビタミン(株))6.0gと蔗糖脂肪酸エステル(リョ
ートーS−1570:三菱化成(株))420mgを水
中に加え全体を150mlとして65℃でディスパーザ
ー(ヒスコトロン:(株)日音医理科器械製作所)にて
15000rpmにて10分間撹拌して調整した。室温
に30分間浸漬放置後、炊飯器(げんきくん:サンヨー
(株))にて炊飯した。
【0042】炊きあがった米飯をボールにとり、65℃
の湯で一度水洗した後にざるにとり、再びボールにとっ
て15℃の水で水洗した。その後、水を切るためにざる
にあけて室温で1時間放置した。
【0043】得られた炊飯米をアルミバットに厚さ1c
m程度に広げて−35℃の凍結庫にて1昼夜放置して凍
結させ、さらに−50℃の凍結庫にて半日放置後に凍結
乾燥器(FD550:EYELA)にいれて凍結乾燥処
理した。乾燥中の圧力は0.5Torr以下に保った。
最終乾燥品温は約50℃であった。
【0044】得られた乾燥米は、ほぐれ性がよく、その
まま具とお湯をかけてお茶漬けとして食したところ、湯
戻りもよく、食感は実施例1、2の乾燥米に比べやや固
めであるが、良好な食味を呈するものであった。
【0045】さらに、得られた乾燥米を粉砕処理して、
以下に示すような方法に従い、豚すい臓アミラーゼ(P
PA)による消化性を調べた。なお、比較対象として
は、脂肪酸化合物を添加しない以外は上記と同様にして
得られたものを用いた。その結果、本乾燥米のPPA消
化性は、比較対象の79%に低下しており、消化、吸収
の遅延化が期待できるものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られた乾燥
米は、湯戻りが速く、良好な食感、食味を呈するもので
あり、おいしく食することができる。
【0047】また、米の澱粉質に脂肪酸化合物が結合し
て複合体を形成しているため、本発明の乾燥米は生体消
化管内における消化、吸収が穏やかなものであり、嗜好
性の良好な抗肥満性食品として、あるいは糖尿病患者用
食品として好適に利用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示す3つの工程からなる抗肥満性乾
    燥米の製造方法。 (A)生米を炊飯する工程において、加熱前に生米に対
    して0.2〜4.5重量%の脂肪酸化合物を添加する第
    一工程、 (B)炊飯して得られた米飯を水洗する第二工程、 (C)水洗した米飯を乾燥する第三工程。
  2. 【請求項2】前記第一工程において、前記脂肪酸化合物
    の添加量が生米に対して0.5〜2.0重量%である請
    求項1記載の抗肥満性乾燥米の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第三工程における乾燥が凍結乾燥であ
    る請求項1又は2に記載の抗肥満性乾燥米の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第三工程における凍結乾燥の、初期凍
    結温度が−10℃〜−20℃である請求項1〜3のいず
    れかに記載の抗肥満性乾燥米の製造方法。
  5. 【請求項5】乾燥した米粒の澱粉質に前記脂肪酸化合物
    が結合していることを特徴とする抗肥満性乾燥米。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
    によって、乾燥した米粒の澱粉質に前記脂肪酸化合物が
    結合していることを特徴とする抗肥満性乾燥米。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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