JPH05184311A - 炊飯用添加剤およびそれを用いる炊飯米麦の製造方法 - Google Patents

炊飯用添加剤およびそれを用いる炊飯米麦の製造方法

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JPH05184311A
JPH05184311A JP4005115A JP511592A JPH05184311A JP H05184311 A JPH05184311 A JP H05184311A JP 4005115 A JP4005115 A JP 4005115A JP 511592 A JP511592 A JP 511592A JP H05184311 A JPH05184311 A JP H05184311A
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JP
Japan
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rice
additive
cooking
barley
cooked
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JP4005115A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Shoji
龍市 庄司
Naoko Ujimaru
直子 氏丸
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】炊飯米麦に添加した物質を均一に分散させるこ
とができ、炊飯米全体において食感、食味等の風味が通
常の炊飯米に比べてほとんど遜色のない炊飯米麦を得る
ことができ炊飯用添加剤およびそれを用いる炊飯米麦の
製造方法を提供すること。 【構成】大部分がポーラスである食品材料、例えば乾燥
した米または大麦に、生米または生大麦を炊飯する際に
均一に分散させたい添加物質、例えば、澱粉質と結合し
生体消化管内における澱粉質の消化・吸収を遅延させる
作用を有する脂肪酸化合物が付着または含有されている
ことを特徴とする炊飯用添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炊飯用添加剤およびそれ
を用いる炊飯米麦の製造方法に関する。さらに詳しく
は、炊飯時に添加剤自体が破壊することにより炊飯釜中
に均一に分散できる炊飯用添加剤およびそれを用いる炊
飯米麦の製造方法に関するものである。さらにまた、本
発明は、炊飯米麦の全体を食感、食味等の風味も通常の
炊飯米に比べてほとんど遜色のない抗肥満性の米飯に改
質する効果を持つ炊飯用添加剤およびそれを用いる炊飯
米麦の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、主においしくない米や古米な
どの食味や食感を改良することを目的として、種々の米
飯の品質改良剤・改良法が検討されている。そのうち、
生米や生麦の表面に改良剤をコーティングする方法も数
多く知られている。例えば、特開昭60−118153
号公報においては、精米粒または精麦粒に栄養素を含有
または付着させさらに油脂類で被覆し、さらにでん粉類
を主成分とするコーティング剤で被覆する強化精米また
は精麦の精製法が開示され、また特開昭63−2672
46号公報においては、米粒をマルトシルサイクロデキ
ストリン(G2−CD)で被覆する等の手段により炊飯
米中にG2−CDを含有させる炊飯方法がある。また、
生の大麦や米の表面にカルシウム剤や油脂をコーティン
グした形態の米飯改良剤が市販されている。
【0003】だが、生米等に上述のように油脂等をコー
ティングした改良剤においては、そのまま添加しても粒
が残るため、配合物が均一に分散できず、洗米時から加
えて均一に混ぜてやらなければならず、洗米時にカルシ
ウムなどの配合物が流れるなどの問題があり、改良の余
地がある。
【0004】一方、近年、先進社会においては食生活の
豊潤化により、肥満症患者が急増している。米飯を主食
としているわが国においても例外ではなく大きな社会問
題となりつつある。このような状況下においてご飯をお
いしくしかも肥満を意識することなく食することができ
る形態が求められていた。
【0005】肥満の予防および肥満症の治療の手段とし
ては、従来は例えば摂取カロリーを低減させることが考
えられていた。しかしながら、摂取食物量を単に低減さ
せただけでは強い空腹感、飢餓感により長続きしない。
そこで、胃内に風船を留置したり胃容積を狭めるという
恒久的な処置や、食物繊維などの増量剤、増粘剤を摂取
する方法が同時にとられているが、これらの方法は副作
用などの問題があり好ましくないものであった。
【0006】近年の研究により、消化・吸収の穏やかな
糖質は消化・吸収の速やかなものと比べて肥満につなが
りにくいことが明らかになってきた(ジェンキンスら、
ジアメリカン ジャーナル オブ クリニカル ニュー
トゥリション 34、1981年3月、第362〜36
6頁[Jenkins,D.J.A.,et al.,
Am.J.Clin.Nutr.34:MARCH 1
981,pp.362−366])。従って、消化・吸
収の穏やかな糖質を含む食品を用いれば、効果的な肥満
の防止または改善が行われると考えられる。
【0007】また、このような食品を用いれば、摂取後
の血糖値が急速に上昇することを抑えられる(例えば、
ジェンキンスら、”ザ ディアベティック ダイエッ
ト、ダイエタリィ カルボヒドレート アンド ディフ
ァレンス イン ディゲスティビリティ”、ダイアベト
ロジア 23、第477〜484頁、1982年[Je
nkins,D.J.A.,et al.:The C
iabetic Diet,Dietary Carb
ohydrete and Differences
in Digestibility.Diabetlo
gia,23:477−484,(1982)]、コリ
アーら、”エフェクト オブ コインゲスッション オ
ブ ファット オン ザ メタボリック レスポンス
ツゥ スローリィ アンド ラッピッドリィ アブソー
ブド カルボヒドレートス”、ダイアベトロジア 2
6、第50〜54頁、1984年[Collier,e
t al.:Effect of co−ingest
ion of fat onthe metaboli
c responses to slowly and
rapidly absurbed carbohy
drates.Diabetologia,26:50
−54(1984)])ので、糖尿病患者の病態および
栄養の管理が容易になると考えられる。
【0008】本発明者らは抗肥満性を有する食品とし
て、消化・吸収速度の遅延化という点に着目し、鋭意研
究を行った結果、澱粉質に脂肪酸化合物を結合させる
と、澱粉質の消化・吸収が有意に緩やかになることを見
いだした。これは澱粉質中のアミロースの疎水性部分
が、脂肪酸化合物と複合体を形成し、加水や加熱による
構造変化を起こしにくくなるので、澱粉質が、アミラー
ゼなどの消化酵素の作用を受けにくくなるものと思われ
る。
【0009】しかしながら、水に分散、溶解しにくい脂
肪酸化合物をそのまま炊飯時に生米と共に添加する場
合、炊飯米全体に均一に分散しにくく、特定の部分にの
み脂肪酸化合物が固まってしまい、脂肪酸化合物特有の
苦みを呈し食感、食味の悪い炊飯米となってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、例
えば生体消化管内における澱粉質の消化・吸収を遅延さ
せる作用を有する脂肪酸化合物など、炊飯米麦に添加し
たい物質を均一に分散させることのできる炊飯用添加剤
およびそれを用いる炊飯米麦の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、大部分がポ
ーラスである食品材料に、炊飯米または炊飯大麦を製造
する際に添加される添加物質が付着または含有されてい
ることを特徴とする炊飯用添加剤により達成される。
【0012】前記添加物質は、好ましくは水に分散しに
くいもの、特に好ましくは脂肪酸化合物または脂肪酸化
合物を1成分とする混合物である。
【0013】前記脂肪酸化合物は前記食品材料に対し1
0〜80重量%であることが好ましい。
【0014】また、本発明の炊飯用添加剤における前記
食品材料は、乾燥した米または大麦であることが好まし
い。
【0015】そして本発明は、前記炊飯用添加剤を生米
または生大麦と共に添加し、その後炊飯を行うことを特
徴とする炊飯米麦の製造方法を包含する。
【0016】前記炊飯用添加剤が脂肪酸化合物を含有す
る炊飯用添加剤である場合は、脂肪酸化合物が生米また
は生大麦の全量に対し0.2〜2.3重量%となるよう
に前記炊飯用添加剤を添加し、その後炊飯を行うことが
好ましい。
【0017】まず、本発明の炊飯用添加剤について説明
する。
【0018】前記食品材料としては、大部分がポーラ
ス、すなわち、有孔の組織構造を有するものを用いる。
すなわち、急速に吸水し加熱に伴い急速に組織が破壊さ
れるように多孔性を有する食品材料であれば、炊飯によ
り、炊飯米全体に添加したい添加物質を分散させること
ができる。
【0019】上述のような食品材料としては具体的には
澱粉膨化菓子、カステラ、煎餅等が挙げられ、好ましく
は乾燥した米または大麦である。乾燥した米または大麦
は、適度にポーラスであり、炊飯する米麦と同じ由来の
ものであるので、炊飯された米飯の食味を損ねないもの
となる。
【0020】前記食品材料には、通常炊飯米飯の製造に
際し添加されるあらゆる添加物質を付着または含有させ
ることができる。そのような添加物質としては、例え
ば、味付け、風味の変化をつける目的で加えられるグル
タミン酸ナトリウム、蛋白加水分解物等の調味料や、香
料、栄養強化の目的で加えられるカルシウム塩、鉄等の
ミネラル、およびビタミン類、さらに、古米等の食感を
改良するために添加されるゼラチンや寒天等のゲル化剤
や食用油脂、そして、後述する生体消化管内での澱粉質
の消化・吸収を遅延させる効果を有する脂肪酸化合物、
その他炊飯時に生米や生麦と共に添加され得るあらゆる
物質が挙げられる。
【0021】本発明の炊飯用添加剤は、非常に分散性の
よいものであるので、前記添加物質が例えば食用油脂、
カルシウム塩、脂肪酸化合物等の、水に対する分散性が
悪いものである場合でも、良好に分散させることができ
る。
【0022】前記添加物質は単独あるいは2種以上を同
時に用いることもできる。また2種以上のものを用いる
場合は、あらかじめそれらを混合しておき同時に前記食
品材料に付着、含有させても、あるいは複数に分けて順
々に付着、含有させてもよく、適宜選択すればよい。例
えば、砂糖、しょう油等の水溶性の物質を前記食品材料
に付着または含有させた後、油脂等でコーティングした
形態とし、味付けと食感の向上を同時に行うこともでき
る。
【0023】ここで、前記添加物質が脂肪酸化合物であ
る場合について説明する。
【0024】本発明に用いられる脂肪酸化合物には、遊
離脂肪酸、脂肪酸塩あるいは脂肪酸エステル等が含まれ
る。脂肪酸エステルとしては、カルボン基を有する飽
和、または不飽和のアルキル化合物とアルコール性水酸
基を有する化合物(アルコール供与体)とがエステル結
合した物質をいう。これらの脂肪酸化合物の構成脂肪酸
としては、例えば、カプリル酸、ペランゴン酸、カプリ
ン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリ
スチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシ
ル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘ
ン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セ
トレイン酸、エルカ酸、プラジジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、アラキドン酸等のような炭素数8〜22のも
のが好ましい。
【0025】脂肪酸塩としては、上記のような脂肪酸の
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げ
られる。
【0026】また、脂肪酸エステルのアルコール供与体
としては、グリセリン、プロピレングリコールないしポ
リプロピレングリコール類、蔗糖およびマルトース等の
糖類、ソルビット、マンニット、エリトリット、アラビ
ット等の糖アルコール類、グリセロリン酸などがある。
なお、脂肪酸エステル化合物として具体的なものをいく
つか例示すると、例えば、デカグリセリルモノラウレー
ト、デカグリセリルモノミリステート、ヘキサグリセリ
ルモノステアレート、デカグリセリルモノステアレー
ト、モノグリセリルモノステアレート、デカグリセリル
ジステアレート、デカグリセリルトリステアレート、デ
カグリセリルモノオレエート、ヘキサグリセリルモノオ
レエート、デカグリセリルペンタオレエート等のグリセ
リン脂肪酸エステル類、蔗糖ステアレート、蔗糖オレエ
ート、蔗糖ラウレート、蔗糖ベヘネート等の蔗糖脂肪酸
エステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビ
タン脂肪酸エステル類、レシチン、リゾレシチン等が挙
げられる。なお、このような脂肪酸エステルのHLB
(Hydorophilic Lipophilic Balance)は、いずれの領
域のものを用いてもよい。
【0027】上述の脂肪酸化合物においては、単独また
は2種以上を混合して用いることもできる。
【0028】このような脂肪酸化合物は、以下のような
作用を発現する。すなわち、米粒の表面から浸透し、炊
飯による加熱によって澱粉質のアミロース部分と結合し
て複合体を形成し、これにより生体消化管内における澱
粉質の消化・吸収を遅延させる効果を発現する。
【0029】前記脂肪酸化合物は前記食品材料に対し1
0〜80重量%であることが好ましい。この割合が10
%未満であると抗肥満効果を出すための改質剤の使用量
が多くなり、炊飯された米麦の食味、食感を損ねてしま
う。また、80%を超えると粒子に対するコーティング
の量が多くなって、見栄えも悪くなり、均一に分散しに
くくなる。
【0030】なお、本発明において、「消化・吸収を遅
延させた」澱粉質とは、例えば、アミラーゼによる分解
が、通常の澱粉(未処理澱粉質)に対して95%以下、
より好ましくは85%以下に低減化されたものをいう。
【0031】次に、本発明の炊飯用添加剤の製造方法に
ついて説明する。
【0032】本発明の炊飯用添加剤は、例えば、前記食
品材料に前記添加物質を噴霧、塗布等により付着させた
り、あるいは、食品材料と添加物質をそのまままたは適
当な溶媒下で混合、浸漬して添加物質を含有させること
により製造することができ、食品材料と添加物質の種
類、性質等により、それらの手段を適宜選択すればよ
い。
【0033】前記食品材料が乾燥米あるいは乾燥した大
麦である場合は、生米または生大麦に添加物質を加え炊
飯を行い、その後乾燥することにより、または、生米ま
たは生大麦を炊飯後、炊飯米飯の表面に該添加物質を付
着または含有させ、その後乾燥することにより、あるい
は、生の米麦を水に数時間浸漬した後乾燥または水浸漬
せずに炊飯後続いて乾燥し、その表面に添加物質を付着
または含有させることにより炊飯用添加剤を得ることが
できる。
【0034】前述した生米または生大麦を炊飯する方法
としては、通常行われている炊飯方法に準じる。すなわ
ち原料米としての精白米、玄米または大麦を水洗し、普
通1時間程度、水中に浸漬した後に水切りして蒸煮、ま
たはそのまま炊飯する工程を指す。この場合、水切り後
の蒸煮は、たとえば連続式の業務用炊飯装置のようなも
のを使用して実施され、水切りせずにそのまま炊飯する
場合はたとえば家庭用の炊飯器やその大型のものなどが
用いられる。
【0035】炊飯米を乾燥する方法としては、凍結乾
燥、真空乾燥、通気乾燥など乾燥方法として通常利用さ
れている方法により行われるが、凍結乾燥による処理が
最も好ましい。炊飯米を凍結して米粒または麦粒の内部
で氷晶を大きく形成させた後乾燥することにより、粒子
内部がポーラスな構造になって、炊飯時に添加したとき
に吸水が速く加熱により急激に組織が破壊され、添加物
質を速やかに全体に分散する。
【0036】添加物質を生米または生大麦と共に炊飯前
に添加して、そのまま炊飯し、その後乾燥する場合は、
米麦を浸漬する水に添加物質を分散させ、そのまま炊飯
し、上記の通りに乾燥すればよい。また、添加物質を炊
飯した米麦または乾燥した米麦に付着または含有させる
場合には、添加物質を加熱により溶解あるいは水等の溶
媒に溶解して液状にし、その中に炊飯米麦または乾燥米
麦を浸漬、混合して取り出した物を乾燥する方法や粒子
に直接刷毛状物で塗布する方法、市販のコーティング装
置を用いて霧状に全体に噴霧するなどの方法をとること
ができる。
【0037】添加物質として脂肪酸化合物を主に用いる
場合は、脂肪酸化合物を加熱溶解あるいは水等に分散、
溶解させて液状とし、その中に乾燥した米麦を浸漬、混
合して取り出した物を乾燥する方法や粒子に直接刷毛状
物で塗布する方法や市販のコーティング装置を用いて霧
状に全体に噴霧する等の方法をとることができる。
【0038】なお、2種以上の添加物質を付着、含有す
る場合には、例えば、炊飯米に風味や食感の変化を付け
る目的で用いるゼラチンや寒天のようなゲル化剤や食用
油脂、グルタミン酸ナトリウムなどの各種調味料や香料
と、栄養補給の目的で用いるカルシウム塩等のミネラル
やビタミン類などを脂肪酸化合物等と一緒に添加した混
合物を調製し、前記したような種々の方法により乾燥米
または乾燥大麦に付着、含有させたり、または、前記各
物質を別々に調整したものを順々に付着、含有させれば
良い。
【0039】次に、本発明の炊飯用添加剤を用いる炊飯
米麦の製造方法について説明する。本発明の炊飯米麦
は、前記炊飯用添加剤を生米または生大麦と共に添加
し、その後炊飯を行うことにより、製造される。炊飯用
添加剤の添加時期は炊飯前であればよく、例えば生米飯
を水洗してから添加し生米麦と共に水浸漬して炊飯を行
ってもよく、あるいは水きりした後に加えてもよい。
【0040】前記炊飯方法は、前述した炊飯用添加剤の
製造における炊飯と同様、通常行われている炊飯方法に
準じる。
【0041】前記炊飯用添加剤は、炊飯により、ポーラ
スな組織構造を有する前記食品材料が急速に吸水し、続
いて加熱により、組織が急速に破壊され、炊飯が進む間
に炊飯米全体に均一に分散される。そのため、前記添加
物質がむらなく個々の炊飯米麦に添加される。
【0042】脂肪酸化合物を含む本発明の添加剤におい
て、上述した生体消化管内における澱粉質の消化・吸収
を遅延させる効果を充分に発現させるためには、生米ま
たは生大麦の全量に対する脂肪酸化合物の量が0.2〜
2.3重量%となるように添加することが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜2.0重量%である。添加量が
0.2%未満では、抗肥満効果が充分に発現せず、また
2.3%を越えると呈味性が悪くなってしまう。
【0043】本発明によって得られた炊飯用改質剤を添
加して炊飯した炊飯米は、添加物質が特定の場所に固ま
ってしまうことがないため、通常の炊飯米と同様におい
しく食することができる。
【0044】また炊飯用添加剤に付着、含有させる物質
として脂肪酸化合物を使用した場合は、米の澱粉質に脂
肪酸化合物が結合することにより、生体消化管内におけ
る消化・吸収が緩やかなものであり、嗜好性の良好な抗
肥満性食品として、あるいは糖尿病患者用食品として好
適に利用できる炊飯米麦となる。
【0045】なお、このように炊飯された米麦は、その
ままおいしく食すことができるのは勿論であるが、例え
ば、この炊飯米麦を水洗後凍結乾燥等の公知の手段を用
いて乾燥することにより、乾燥した米麦とし、お茶漬け
等としておいしく食することもできる。
【0046】次に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0047】
【実施例】
[実施例1]市販の標準米150gを水で洗米し、22
5mlの水を加え室温に30分浸漬放置後、炊飯器(げ
んきくん:サンヨー(株)製)にて炊飯した。得られた
炊飯米をアルミバットに厚さ1cm程度に広げて−40
℃の凍結庫で一昼夜放置後に凍結乾燥器(FD550:
EYELA製)に入れて凍結乾燥処理した。乾燥中の圧
力は0.5Torr以下に保った。最終乾燥品温は約5
0℃であった。
【0048】次に、脂肪酸化合物を含むコーティング液
を調製し、炊飯用添加剤を製造した。コーティング液
は、グリセリン脂肪酸エステル(エマルジーMS:理研
ビタミン(株)製)50gを200mlビーカーにと
り、80℃の温水中で加熱溶解した。この液を予め加温
しておいた市販のステンレス製噴霧器に入れて、固化し
ないようにもう一度80℃の温水中で加温し、先に製造
した乾燥米をトレー上で振動させながらこの液を噴霧し
てコーティングを行った。得られた炊飯用添加剤は、表
面がほぼ均一にグリセリン脂肪酸エステルにより被覆さ
れてつやがあり、乾燥米1g当たり0.4gのグリセリ
ン脂肪酸エステルがコーティングされていた。
【0049】次に、得られた炊飯用添加剤を使用して炊
飯を行った。
【0050】市販の標準米300gを水で洗米し、45
0mlの水を加え室温に30分浸漬放置後、先に作った
炊飯用改質剤を6.5g添加して炊飯器(げんきくん:
サンヨー(株)製)にて炊飯した。得られた炊飯米は、
良好な食感、食味を呈するものであり、脂肪酸化合物特
有の苦みもなく、通常の炊飯米と何ら遜色のないもので
あった。
【0051】さらに、前記炊飯器に入った炊飯米の上
部、中央部、底部の3つに分け、上部より4カ所、中央
部より4カ所、底部より4カ所から炊飯米を12gずつ
とり、それぞれ乾燥後に粉砕処理して、以下に示すよう
な方法に従い、豚すい臓アミラーゼ(PPA)による消
化性を調べた。なお、比較対照としては、脂肪酸化合物
を添加しない以外は上記と同様にして得られたものを用
いた。
【0052】その結果を下記に示す表1に示す。
【0053】
【表1】 表1より、PPA消化性は、本発明の炊飯米のどの部分
においてもほぼ同じ値を示し、これより、脂肪酸化合物
が炊飯米全体にむらなく分散していることが明らかとな
った。また、平均して比較対照の83%に低下してお
り、消化・吸収の遅延化が期待できるものであった。
【0054】<PPA消化性の測定>得られた炊飯米を
乾燥したものを平均粒径100μmとなるまで粉砕し、
得られた粉砕物を0.5gとり、これに50mMリン酸
緩衝液(pH6.9)49mlを加え、次いで37℃調
製した震盪恒温槽中で30分間放置した。PPA(シグ
マ社製)をリン酸緩衝液50μU/mlに希釈した酵素
液1mlを加え、反応を開始する。反応開始から0、2
0、40、60分後に反応液を0.2mlずつ各2本、
0.1N NaOH3.8mlを分注した試験管に入
れ、酵素反応を停止した。
【0055】PPAによる消化により生起した還元糖の
定量は、ソモギ−ネルソン法により行った。
【0056】[実施例2]市販の標準米150gと大麦
150gを水で洗米し、450mlの水を加え室温に3
0分浸漬放置後、炊飯器(げんきくん:サンヨー(株)
製)にて炊飯した。できた炊飯米麦をアルミバットに厚
さ1cm程度に広げて85℃で減圧乾燥処理した。
【0057】次に脂肪酸化合物を含むコーティング液を
調製した。液は、グリセリン脂肪酸エステル(エマルジ
ーMO:理研ビタミン(株)製)50gを200mlビ
ーカーにとり、80℃温水中で加熱溶解した。さらにこ
の液中にカードラン粉末4gと卵殻カルシウム末5gを
食感改良とカルシウム補給の目的で加えた。液を加温溶
解したままの状態で、前に処理した乾燥米麦を120g
加え撹拌混合して米麦の表面にコーティング液を付着さ
せた。取り出して粒子をなるべくバラバラな状態にして
冷却し目的の炊飯用改質剤を得た。得られた炊飯用改質
剤は、表面がほぼ均一に脂肪酸エステル混合物により被
覆されおり、乾燥米1g当たり0.8gのグリセリン脂
肪酸エステル混合物がコーティングされていた。
【0058】次にできた炊飯用改質剤を使用して炊飯を
行った。
【0059】市販の標準米300gを水で洗米し、45
0mlの水を加え室温に30分浸漬放置後、先に作った
炊飯用改質剤を7g添加し、炊飯器(げんきくん:サン
ヨー(株)製)にて炊飯した。得られた炊飯米は、良好
な食感、食味を呈するものであり、脂肪酸化合物特有の
苦みもなく、通常の炊飯米と何ら遜色のないものであっ
た。
【0060】さらに、前記炊飯器に入った炊飯米の上
部、中央部、底部の3つに分け、上部より4カ所、中央
部より4カ所、底部より4カ所から炊飯米を12gずつ
とり、それぞれ乾燥後に粉砕処理して、以下に示すよう
な方法に従い、豚すい臓アミラーゼ(PPA)による消
化性を調べた。なお、比較対照としては、脂肪酸化合物
を添加しない以外は上記と同様にして得られたものを用
いた。
【0061】その結果を下記に示す表2に示す。
【0062】
【表2】 表2より、PPA消化性は、本発明の炊飯米のどの部分
においてもほぼ同じ値を示し、これより、脂肪酸化合物
が炊飯米全体にむらなく分散していることが明らかとな
った。また、平均して比較対照の81%に低下してお
り、消化・吸収の遅延化が期待できるものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明の炊飯用添加剤は、内部がポーラ
スである組織構造を有する食品材料に添加物質を付着ま
たは含有されたものであるので、生米または生大麦と共
に添加し炊飯することにより、前記食品材料の組織構造
が急速に破壊され、これより添加物質を全体に均一に分
散させることができ、とくに脂肪酸化合物、油脂、カル
シウム等そのままでは水に分散しにくい物質を炊飯米麦
に添加したい場合に有用である。
【0064】本発明の炊飯用添加剤に付着、含有させる
物質として脂肪酸化合物を使用した場合は、米麦の澱粉
質に脂肪酸化合物が結合することにより、生体消化管内
における消化・吸収が緩やかなものであり、嗜好性の良
好な抗肥満性食品として、あるいは糖尿病患者用食品と
して好適に利用できる炊飯米麦を提供できる。
【0065】本発明によって得られた炊飯用改質剤を添
加して炊飯した炊飯米麦は、添加物質が特定の場所に固
まってしまうことがないため、通常の炊飯米麦と同様に
おいしく食することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大部分がポーラスである食品材料に、生米
    または生大麦を炊飯する際に添加される添加物質が付着
    または含有されていることを特徴とする炊飯用添加剤。
  2. 【請求項2】請求項1〜3記載の炊飯用添加剤を生米ま
    たは生大麦と共に添加し、その後炊飯を行うことを特徴
    とする炊飯米麦の製造方法。
JP4005115A 1992-01-14 1992-01-14 炊飯用添加剤およびそれを用いる炊飯米麦の製造方法 Pending JPH05184311A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09191839A (ja) * 1996-01-17 1997-07-29 Riken Vitamin Co Ltd 炊飯用油脂組成物

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