以下、本発明の一実施形態に係る部品供給装置及び部品実装機について図面に基づいて説明する。
[部品実装機の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品供給装置2を備えた部品実装機1を示す斜視図である。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。左右方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する前後方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する上下方向をZ軸方向とする。また、X軸方向において一方向となる左方向を「+X方向」と称し、X軸方向において一方向とは反対の他方向となる右方向を「−X方向」と称する。また、Y軸方向において一方向となる前方向(背面側から前面側に向かう方向)を「+Y方向」と称し、Y軸方向において一方向とは反対の他方向となる後方向(前面側から背面側に向かう方向)を「−Y方向」と称する。また、Z軸方向において一方向となる下方向を「+Z方向」と称し、Z軸方向において一方向とは反対の他方向となる上方向を「−Z方向」と称する。
部品実装機1は、部品がパレットに保持された状態で供給する部品供給装置2と、部品供給装置2により供給されたパレットに保持された部品を取り出し可能なヘッドユニット3と、ヘッドユニット3により取り出された部品が実装されるプリント配線板等の基板Pを搬送する基板搬送機構4とを備える。
基板搬送機構4は、基板Pを搬送する一対のベルトコンベア41を含む。一対のベルトコンベア41は、図1の右側(−X方向側)から基板Pを受け入れて所定の実装作業位置に搬送し、図略の保持装置により当該基板Pを保持する。そして、実装作業後、当該基板Pの保持を解除し、この基板Pを図1の左側(+X方向側)に搬出する。
部品供給装置2は、基板搬送機構4のY軸方向の一方向側(+Y方向側)に配置されている。部品供給装置2は、QFP(Quad Flat Package)やBGA(Ball Grid Array)等のパッケージ型の部品をパレットに保持された状態でヘッドユニット3に対して供給するものである。なお、部品実装機1は、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品をヘッドユニット3に対して供給する、図略のテープフィーダを備えている。テープフィーダは、チップ部品を収納、保持したテープが巻回されたリールを備え、このリールから間欠的にテープを繰り出しながらヘッドユニット3に対して供給するものである。部品供給装置2の詳細については後述する。
ヘッドユニット3は、部品供給装置2により供給されたパレットに保持された部品を取り出し可能に構成される。ヘッドユニット3は、図略のヘッドユニット駆動機構により一定の可動域内でX軸方向及びY軸方向に移動可能とされている。ヘッドユニット3は、先端にそれぞれ部品吸着用のノズルを備える複数本の実装用ヘッドと、これら実装用ヘッドをヘッドユニット3に対して昇降(Z軸方向の移動)およびノズル中心軸回りに回転させるためのサーボモータを駆動源とするヘッド駆動機構とを備える。各実装用ヘッドのノズルは、それぞれ電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、ノズルに負圧が供給されることで当該ノズルによる部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
[部品供給装置の構成]
(第1の実施形態)
図1及び図2を参照して、部品供給装置2について詳細に説明する。図2は、部品供給装置2を背面側から見た斜視図である。なお、部品供給装置2は、図中に示す+Y方向側が装置の前面側であり、−Y方向側が装置の背面側である。部品供給装置2は、パレットに保持された状態の部品をヘッドユニット3に供給するとともに、部品切れとなったパレット(以下、「部品切れパレット」という)を回収することが可能に構成されている。さらに、部品供給装置2は、部品切れとなった部品と同種の部品が保持された代替パレットの補給が可能であり、この補給された代替パレットをヘッドユニット3に供給することが可能である。
部品供給装置2は、フレーム21と、パレット収容部22と、パレット補給回収部23と、テーブル支持部25に支持された第1テーブル24(パレット載置部の一例)と、第1パレット移動部27(パレット移動部の一例)と、第2テーブル28と、第2パレット移動部29と、収容部移動機構30と、補給回収部移動機構31と、を備えている。
フレーム21は、移動用の車輪を備えた平面視略矩形状のベース部211と、ベース部211の右方端部(−X方向端部)に立設される柱状の第1支持構造体212と、ベース部211の前方端部(+Y方向端部)に立設される第2支持構造体213とを含む。第1支持構造体212は、後述のパレット収容部22及びパレット補給回収部23をZ軸方向(上下方向)に移動可能に支持するための構造体である。第1支持構造体212のベース部211からのZ軸方向の長さ(高さ)は、パレット収容部22のZ軸方向に沿った収容部移動領域と、パレット補給回収部23のZ軸方向に沿った補給回収部移動領域とが含まれる長さに、設定されている。第2支持構造体213は、後述の第1テーブル24を支持するテーブル支持部25と、第2テーブル28とを支持するための構造体である。第2支持構造体213のベース部211からのZ軸方向の長さ(高さ)は、図2に示すように、パレット収容部22及びパレット補給回収部23が−Z方向側(上方向側)の最端位置に停止した状態において、第2支持構造体213の−Z方向側端部に支持された第1テーブル24及び第2テーブル28が、Z軸方向に関してパレット補給回収部23よりも+Z方向側(下方向側)に位置するように、設定されている。なお、第2支持構造体213の−Z方向側端部は、テーブル支持部25に支持された第1テーブル24と、パレット収容部22及びパレット補給回収部23との間でパレットの移動が可能となるように、一部が切り欠かれている。
パレット収容部22は、パレットをZ軸方向(第1方向、上下方向)に複数並んだ状態で収容する構造体である。パレット収容部22は、Z軸方向に沿った収容部移動領域内で移動可能に第1支持構造体212に支持されている。本実施形態では、パレット収容部22は、Z軸方向に互いに独立して配置された第1収容部221と第2収容部222とを含む。パレット収容部22において、第1収容部221は、第2収容部222に対して、Z軸方向の−Z方向側(上方側)に配置されている。第1収容部221及び第2収容部222は、互いに独立して移動可能に第1支持構造体212に支持されている。なお、第1収容部221及び第2収容部222の第1支持構造体212による支持構造の詳細については、後述する。
図3は、パレット収容部22の第1収容部221及び第2収容部222を背面側から見た平面図である。第1収容部221は、第1マガジン221A(パレット支持構造体の一例)と、第1マガジン収容ハウジング221B(構造体収容ハウジングの一例)と、第1マガジン位置決め調整部221Cと、第1パレット移動規制部221Dとを含む。
第1マガジン221Aは、Y軸方向(第2方向、前後方向)の両端が開口した箱形の構造体である。第1マガジン221AのX軸方向の両側面には、パレット60をY軸方向(第2方向、前後方向)に移動可能に支持する第1支持部221AaがZ軸方向(第1方向、上下方向)に並んで複数設けられている。第1マガジン収容ハウジング221Bは、Y軸方向(第2方向、前後方向)の両端が開口した箱形の筐体である。第1マガジン収容ハウジング221Bは、第1マガジン221AをY軸方向の−Y方向側(後方向側)に引出し可能に収容する。第1マガジン位置決め調整部221Cは、第1マガジン収容ハウジング221BのZ軸方向の+Z方向側(下方向側)の底面における−Y方向側端部(後方端部)に設けられ、第1マガジン収容ハウジング221B内において第1マガジン221Aを位置決めするための部材である。第1パレット移動規制部221Dは、第1マガジン221A内において各第1支持部221Aaに支持された各パレット60が、Y軸方向の−Y方向側(後方向側)に移動することを規制する部材である。この第1パレット移動規制部221Dによって、第1マガジン221A内において各第1支持部221Aaに支持された各パレット60が、−Y方向側から落下することを防止することができる。
第2収容部222は、第2マガジン222A(パレット支持構造体の一例)と、第2マガジン収容ハウジング222B(構造体収容ハウジングの一例)と、第2マガジン位置決め調整部222Cと、第2パレット移動規制部222Dとを含む。第2収容部222の各構成要素は、第1収容部221と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ここで、第1収容部221及び第2収容部222に収容されるパレット60の構成を、図4を参照して説明する。図4は、第1収容部221及び第2収容部222に収容されるパレット60を示す平面図である。パレット60には、複数の部品70が保持された少なくとも1つのトレイ61が載置されている。トレイ61は、平面視において長方形状をなしており、その上面に複数の部品収容部611がマトリクス状に設けられている。各部品収容部611には、それぞれ部品70が等間隔で収容されている。
パレット60は、平面視長方形状とされるとともに、四方が側壁に囲まれた浅皿であり、少なくとも1つのトレイ61を位置決めした状態で載置できるように構成されている。具体的には、トレイ61をパレット60の隅に押し付け、その周りに磁石からなる固定用部材62を沿わせてパレット60の内底面に磁力によって固定することにより、パレット60内にトレイ61を位置決めした状態で固定できるようになっている。
また、パレット60には、一長辺の側壁の中央部に、平面視T字状の被係止部63が設けられている。パレット60は、被係止部63がY軸方向の+Y方向側(前方向側)に向けられた姿勢で、第1マガジン221A及び第2マガジン222A内に収容されている。また、パレット60には、両短辺の側壁に、それぞれフランジ部64が設けられている。パレット60が後述する第1パレット移動部27によって第1テーブル24上に移動される際には、被係止部63が第1パレットフック機構271に係止されるとともに、パレット60がフランジ部64を介して第1テーブルパレットレール241に沿って案内されるようになっている。また、パレット60が後述する第2パレット移動部29によって第2テーブル28上に移動される際には、被係止部63が第2パレットフック機構291に係止されるとともに、パレット60がフランジ部64を介して第2テーブルパレットレール281に沿って案内される。
図5は、部品供給装置2におけるパレット補給回収部23の近傍を拡大して示す斜視図である。パレット補給回収部23は、パレット収容部22のZ軸方向の+Z方向側(下方向側)に配置されている。パレット補給回収部23は、パレット60を収納可能な収納空間23A内においてパレット60の補給及び回収が可能に構成されている。パレット補給回収部23において、収納空間23Aは、1枚のパレット60が収納可能な大きさに設定されている。パレット補給回収部23は、パレット60が補給されるパレット補給位置を含むZ軸方向(第1方向、上下方向)に沿った補給回収部移動領域内で移動可能に第1支持構造体212に支持されている。なお、パレット補給回収部23の第1支持構造体212による支持構造の詳細については、後述する。
本実施形態では、パレット補給回収部23は、補給回収部本体231と補給回収部収容ハウジング232とを含む。パレット補給回収部23において、補給回収部本体231は、パレット60が載置される矩形板状の底面部を有する。補給回収部本体231の底面部には、X軸方向(左右方向)の両端部に、Y軸方向(前後方向)に延びる補給回収パレットレール231Aが設けられており、この補給回収パレットレール231Aに沿ってパレット60がY軸方向に移動可能とされる。また、補給回収部本体231の底面部には、−Y方向側端部(後方端部)にパレット位置決め調整部231Bが設けられており、このパレット位置決め調整部231Bによりパレット60が位置決めされる。パレット補給回収部23において、補給回収部収容ハウジング232は、Y軸方向(前後方向)の両端及びZ軸方向の−Z方向端(上方端)が開口した筐体である。補給回収部収容ハウジング232は、補給回収部本体231をY軸方向の−Y方向側(後方向側)に引出し可能に収容する。
図6は、部品供給装置2における第1テーブル24及び第2テーブル28の近傍を拡大して示す斜視図である。図7は、第1テーブル24の側面図である。図8は、部品供給装置2に備えられる収容部移動機構30及び補給回収部移動機構31を示す図である。第1テーブル24は、Y軸方向(前後方向)に関して、パレット収容部22及びパレット補給回収部23よりも+Y方向側(前方向側)に配置される。第1テーブル24は、パレット60を載置可能な平面視矩形状とされ、ヘッドユニット3への部品70の供給場となる。第1テーブル24は、Y軸方向に移動可能にテーブル支持部25に支持されている。テーブル支持部25は、平面視矩形状とされ、第2支持構造体213の−Z方向側端部(上方向側端部)に取り付けられている。テーブル支持部25は、Z軸方向の+Z方向側(下方向側)から第1テーブル24を支持する。
図7に示すように、テーブル支持部25の第1テーブル24と対向する対向面には、Y軸方向に延びるテーブルレール251が設けられている。そして、テーブル支持部25の前記対向面には、第1テーブル24をテーブルレール251に沿って移動させるためのテーブル移動機構26が設けられている。テーブル移動機構26は、テーブル移動ベルト261と、テーブル移動モータ262と、テーブル可動軸263と、テーブル可動部264とを含む。テーブル可動軸263は、Y軸方向に延びる軸部である。テーブル可動部264は、テーブル可動軸263に移動可能に支持されており、その−Z方向端部(上方向端部)が第1テーブル24に取り付けられている。テーブル移動機構26では、テーブル移動ベルト261がテーブル移動モータ262に巻回されるとともにテーブル可動軸263の−Y方向端部(後方向端部)に巻回されている。テーブル移動モータ262が回転駆動すると、テーブル可動軸263が回転し、テーブル可動部264がテーブル可動軸263に沿ってY軸方向に移動する。これにより、テーブル可動部264に固定された第1テーブル24が、テーブル支持部25上でY軸方向に移動する。
また、図6に示すように、第1テーブル24の第1テーブル面24Aには、X軸方向両端部に、Y軸方向に沿って延びる第1テーブルパレットレール241が設けられている。そして、第1テーブル24の第1テーブル面24Aには、パレット60を第1テーブルパレットレール241に沿って移動させるための第1パレット移動部27が設けられている。
第1パレット移動部27は、第1パレットフック機構271と、一対の第1フックレール272と、第1フック移動ベルト273と、第1フック移動モータ274とを含む。第1パレットフック機構271は、パレット60の被係止部63を係止するように構成され、第1テーブル24の第1テーブル面24A上を、Y軸方向に移動可能である。一対の第1フックレール272は、第1テーブル24の第1テーブル面24A上のX軸方向における略中央位置において、Y軸方向に延びるように設けられている。第1パレット移動部27では、第1フック移動ベルト273が第1フック移動モータ274に巻回されるとともに第1パレットフック機構271に接続されている。第1フック移動モータ274が回転駆動すると、第1パレットフック機構271が一対の第1フックレール272に沿ってY軸方向に移動する。これにより、被係止部63が第1パレットフック機構271に係止されたパレット60が、第1テーブルパレットレール241に沿って移動し、第1テーブル24に載置される。
第1パレット移動部27は、第1収容部221及び第2収容部222を含むパレット収容部22のZ軸方向に沿った収容部移動領域と、パレット補給回収部23のZ軸方向に沿った補給回収部移動領域R3との両領域に共通の領域内の所定の第1位置R12aと、当該第1位置R12aから+Y方向に離間した第1テーブル24上の第2位置R12aaとに、パレット60を移動させる。また、第1テーブル24は、前記第2位置R12aaと、当該第2位置R12aaから+Y方向に離間した位置であり且つパレット60に保持された部品70のヘッドユニット3への供給位置となる第3位置R12abとに、テーブル移動機構26によって移動される。すなわち、第1パレット移動部27は、Z軸方向に沿って移動し前記第1位置R12aに停止した、第1収容部221及び第2収容部222のいずれかの収容部、またはパレット補給回収部23と、前記第2位置R12aaに停止した第1テーブル24との間で、パレット60を移動させる。第1テーブル24は、第1パレット移動部27により前記第2位置R12aaに移動されたパレット60が載置される。
図6を参照して説明すると、第2テーブル28は、第1テーブル24に対してZ軸方向に離間して配置される。本実施形態では、第2テーブル28は、第1テーブル24に対して−Z方向に離間して配置される。第2テーブル28は、パレット60を載置可能な平面視矩形状とされる。第2テーブル28は、第2支持構造体213の−Z方向側の最端部に取り付けられている。第2テーブル28は、第1テーブル24上にてヘッドユニット3への供給前に、パレット補給回収部23に補給されたパレット60が一時的に載置される。また、第2テーブル28は、ヘッドユニット3への供給後に、第1テーブル24から回収された部品切れパレットが一時的に載置される。
第2テーブル28の第1テーブル24と対向する面とは反対の第2テーブル面28Aには、X軸方向両端部に、Y軸方向に沿って延びる第2テーブルパレットレール281が設けられている。そして、第2テーブル28の第2テーブル面28Aには、パレット60を第2テーブルパレットレール281に沿って移動させるための第2パレット移動部29が設けられている。
第2パレット移動部29は、第2パレットフック機構291と、一対の第2フックレール292と、第2フック移動ベルト293と、第2フック移動モータ294とを含む。第2パレットフック機構291は、パレット60の被係止部63を係止するように構成され、第2テーブル28の第2テーブル面28A上を、Y軸方向に移動可能である。一対の第2フックレール292は、第2テーブル28の第2テーブル面28A上のX軸方向における略中央位置において、Y軸方向に延びるように設けられている。第2パレット移動部29では、第2フック移動ベルト293が第2フック移動モータ294に巻回されるとともに第2パレットフック機構291に接続されている。第2フック移動モータ294が回転駆動すると、第2パレットフック機構291が一対の第2フックレール292に沿ってY軸方向に移動する。これにより、被係止部63が第2パレットフック機構291に係止されたパレット60が、第2テーブルパレットレール281に沿って移動し、第2テーブル28に載置される。
第2パレット移動部29は、前記第1位置R12aから−Z方向に離間した前記収容部移動領域内の第4位置R12bと、当該第4位置R12bよりも+Y方向側であり且つ前記第2位置R12aaから−Z方向に離間した第5位置R12baとに、パレット60を移動させる。また、第2テーブル28は、前記第5位置R12baに配置される。更に、パレット補給回収部23は、前記パレット補給位置R3aa、前記第1位置R12a及び前記第4位置R12bを含むZ軸方向に沿った補給回収部移動領域R3内で移動可能である。すなわち、第2パレット移動部29は、Z軸方向に沿って移動し前記第4位置R12bに停止した、第1収容部221及び第2収容部222のいずれかの収容部、またはパレット補給回収部23と、前記第5位置R12baに配置された第2テーブル28との間で、パレット60を移動させる。第2テーブル28は、第2パレット移動部29により前記第5位置R12baに移動されたパレット60が載置される。
本実施形態では、第2テーブル28は、1枚のパレット60が載置可能な必要最小限の大きさに形成されている。そして、第2テーブル28が配置される前記第5位置R12baは、Y軸方向において、パレット60のヘッドユニット3への供給位置となる第1テーブル24上の前記第3位置R12abから、−Y方向側に退避した位置に設定されている。これにより、前記第3位置R12abに停止した第1テーブル24上のパレット60に保持された部品70に対する、ヘッドユニット3の取り出し動作に、第2テーブル28が障害となることを防止することができる。
図8は、部品供給装置2に備えられる収容部移動機構30及び補給回収部移動機構31を示す図である。収容部移動機構30及び補給回収部移動機構31は、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aに配置されている。また、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aには、収容部移動機構30及び補給回収部移動機構31の移動対象となる、第1収容部221及び第2収容部222を含むパレット収容部22と、パレット補給回収部23とを支持するための支持構造が配置されている。
第1支持構造体212のフレーム支持面212Aは、平面視において、Z軸方向に長尺の矩形状とされ、X軸方向に垂直な+X方向側の側面である。フレーム支持面212Aには、第1収容部221、第2収容部222及びパレット補給回収部23を支持するための支持構造として、一対のフレームレール212Bと、第1収容部支持部材212Cと、第2収容部支持部材212Dと、補給回収部支持部材212Eとが配置されている。
一対のフレームレール212Bは、第1支持構造体212のフレーム支持面212A上のY軸方向における両端位置において、Z軸方向に延びるように設けられている。第1収容部支持部材212Cは、一対のフレームレール212Bに移動可能に取り付けられており、この第1収容部支持部材212Cに第1収容部221が固定される。第2収容部支持部材212Dは、一対のフレームレール212Bに移動可能に取り付けられており、この第2収容部支持部材212Dに第2収容部222が固定される。補給回収部支持部材212Eは、一対のフレームレール212Bに移動可能に取り付けられており、この補給回収部支持部材212Eにパレット補給回収部23が固定される。
収容部移動機構30は、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aに配置され、第1収容部221及び第2収容部222を含むパレット収容部22を、Z軸方向に沿った収容部移動領域内で移動させる機構である。収容部移動機構30は、第1移動機構301と第2移動機構302とを含む。
収容部移動機構30において、第1移動機構301は、第1収容部221をZ軸方向に移動させる機構である。第1移動機構301は、第1収容部221の第1マガジン221Aが第1マガジン収容ハウジング221Bから引出される第1マガジン引出し位置R1aa(第1引出し位置)を含む第1収容部移動領域R1(第1移動領域)内で、第1収容部221を移動させる。本実施形態では、第1マガジン引出し位置R1aaは、第1収容部移動領域R1における、+Z方向最端位置R1aよりも上方側(−Z方向側)に設定されている。また、収容部移動機構30において、第2移動機構302は、第2収容部222を第1収容部221とは独立してZ軸方向に移動させる機構である。第2移動機構302は、第2収容部222の第2マガジン222Aが第2マガジン収容ハウジング222Bから引出される第2マガジン引出し位置R2aa(第2引出し位置)を含む第2収容部移動領域R2(第2移動領域)内で、第2収容部222を移動させる。本実施形態では、第2マガジン引出し位置は、第2収容部移動領域R2における、+Z方向最端位置R2aに設定されている。なお、第1収容部移動領域R1の−Z方向最端位置と、第2収容部移動領域R2の+Z方向最端位置R2aとの間の領域全体が、第1収容部221及び第2収容部222を含むパレット収容部22の全体としての収容部移動領域となる。
収容部移動機構30の第1移動機構301及び第2移動機構302について、より詳細に説明する。
第1移動機構301は、第1ボールねじ軸301Aと、第1ボールナット301Bと、第1収容部移動モータ301Cとを含む。第1ボールねじ軸301Aは、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aにおいて、一対のフレームレール212Bのうちの+Y方向側のフレームレール212Bに対して−Y方向側に隣接して設けられ、Z軸方向に延びるボールねじ軸である。第1ボールナット301Bは、第1ボールねじ軸301Aに螺合されている。第1収容部移動モータ301Cは、その出力軸が第1ボールねじ軸301Aに接続されている。そして、第1ボールナット301Bには、第1収容部支持部材212Cに固定された第1収容部221が取り付けられている。第1移動機構301では、第1収容部移動モータ301Cが回転駆動すると、第1ボールねじ軸301Aに沿って第1ボールナット301Bが進退する。これにより、第1ボールナット301Bに取り付けられた第1収容部221が、第1収容部支持部材212Cを介して一対のフレームレール212Bに沿って、Z軸方向に移動する。
第2移動機構302は、第2ボールねじ軸302Aと、第2ボールナット302Bと、第2収容部移動モータ302Cとを含む。第2ボールねじ軸302Aは、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aにおいて、一対のフレームレール212Bのうちの−Y方向側のフレームレール212Bに対して+Y方向側に隣接して設けられ、Z軸方向に延びるボールねじ軸である。第2ボールナット302Bは、第2ボールねじ軸302Aに螺合されている。第2収容部移動モータ302Cは、その出力軸が第2ボールねじ軸302Aに接続されている。そして、第2ボールナット302Bには、第2収容部支持部材212Dに固定された第2収容部222が取り付けられている。第2移動機構302では、第2収容部移動モータ302Cが回転駆動すると、第2ボールねじ軸302Aに沿って第2ボールナット302Bが進退する。これにより、第2ボールナット302Bに取り付けられた第2収容部222が、第2収容部支持部材212Dを介して一対のフレームレール212Bに沿って、Z軸方向に移動する。
補給回収部移動機構31は、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aに配置され、パレット補給回収部23をZ軸方向に沿って移動させる機構である。補給回収部移動機構31は、パレット60が補給されるパレット補給位置R3aaを含む補給回収部移動領域R3内で、パレット収容部22とは独立して、パレット補給回収部23を移動させる。本実施形態では、パレット補給位置R3aaは、補給回収部移動領域R3における、+Z方向最端位置R3aに設定されている。
補給回収部移動機構31は、第3ボールねじ軸31Aと、第3ボールナット31Bと、補給回収部移動モータ31Cとを含む。第3ボールねじ軸31Aは、第1支持構造体212のフレーム支持面212Aにおいて、Y軸方向の中央位置に設けられ、Z軸方向に延びるボールねじ軸である。第3ボールナット31Bは、第3ボールねじ軸31Aに螺合されている。補給回収部移動モータ31Cは、その出力軸が第3ボールねじ軸31Aに接続されている。そして、第3ボールナット31Bには、補給回収部支持部材212Eに固定されたパレット補給回収部23が取り付けられている。補給回収部移動機構31では、補給回収部移動モータ31Cが回転駆動すると、第3ボールねじ軸31Aに沿って第3ボールナット31Bが進退する。これにより、第3ボールナット31Bに取り付けられたパレット補給回収部23が、補給回収部支持部材212Eを介して一対のフレームレール212Bに沿って、Z軸方向に移動する。
また、図2を参照して説明すると、部品供給装置2は、フレーム21のベース部211上に配置されるカバー体214を備える。カバー体214は、第1支持構造体212と、当該第1支持構造体212に支持されるパレット収容部22及びパレット補給回収部23とを覆うものであり、+Y方向側の端部が開口した箱形に形成される。
カバー体214の−Y方向側の側面には、第1収容部221の第1マガジン221Aが通過可能な開口部が形成されており、この開口部を開閉する第1扉体214Aが設けられている。第1扉体214Aは、Z軸方向において、第1収容部221の第1マガジン221Aが第1マガジン収容ハウジング221Bから引出される第1マガジン引出し位置R1aaに対応する位置に設けられている。また、カバー体214の−Y方向側の側面には、第2収容部222の第2マガジン222Aが通過可能な開口部が形成されており、この開口部を開閉する第2扉体214Bが設けられている。第2扉体214Bは、Z軸方向において、第2収容部222の第2マガジン222Aが第2マガジン収容ハウジング222Bから引出される第2マガジン引出し位置R2aaに対応する位置に設けられている。さらに、カバー体214の−Y方向側の側面には、パレット補給回収部23の補給回収部本体231を補給回収部収容ハウジング232から引出し可能な大きさの開口部が形成されており、この開口部を開閉する第3扉体214Cが設けられている。第3扉体214Cは、Z軸方向において、パレット補給回収部23にパレット60が補給されるパレット補給位置R3aaに対応する位置に設けられている。
図9は、部品供給装置2において第1収容部221の第1マガジン221Aの出し入れ時の動作を説明するための図である。部品実装機1における基板に対する部品70の実装作業状況に応じて作業者が、第1収容部221の第1マガジン221Aを交換する場合、部品供給装置2は次のように動作する。第1移動機構301は、第1収容部221をZ軸方向に移動させ、第1収容部移動領域R1内の第1マガジン引出し位置R1aa(Z軸方向において第1扉体214Aが配置されている位置)に停止させる。このとき、第2移動機構302及び補給回収部移動機構31は、Z軸方向において、第1マガジン引出し位置R1aaよりも+Z方向側の領域内で、第1収容部221とは独立して、第2収容部222及びパレット補給回収部23を移動させることができる。
第1収容部移動領域R1内の第1マガジン引出し位置R1aaに第1収容部221が停止されると、作業者は、第1扉体214Aを開放し、第1マガジン収容ハウジング221Bから第1マガジン221Aを引出して、交換作業を行うことができる。ここで、第1マガジン221Aには、複数のパレット60が収容されているので、作業者は、当該複数のパレット60をまとめて交換する交換作業を行うことができる。このため、作業者によるパレット60の交換作業の高効率化を図ることができる。
なお、図9に示すように、第1パレット移動部27により第2収容部222と第1テーブル24との間でパレット60の移動が行われる場合には、当該パレット60を支持する第2マガジン222Aにおける第2支持部222Aaが、パレット60の出し入れ位置に相当する前記第1位置R12aに配置されるように、第2移動機構302は第2収容部222を停止させる。
図10は、部品供給装置2において第2収容部222の第2マガジン222Aの出し入れ時の動作を説明するための図である。部品実装機1における基板に対する部品70の実装作業状況に応じて作業者が、第2収容部222の第2マガジン222Aを交換する場合、部品供給装置2は次のように動作する。第2移動機構302は、第2収容部222をZ軸方向に移動させ、第2収容部移動領域R2内の第2マガジン引出し位置R2aa(Z軸方向において第2扉体214Bが配置されている位置)に停止させる。このとき、第1移動機構301は、Z軸方向において、第2マガジン引出し位置R2aaよりも−Z方向側の領域内で、第2収容部222とは独立して、第1収容部221を移動させることができる。また、補給回収部移動機構31は、Z軸方向において、第2マガジン引出し位置R2aaよりも+Z方向側の領域内で、第2収容部222とは独立して、パレット補給回収部23を移動させることができる。
第2収容部移動領域R2内の第2マガジン引出し位置R2aaに第2収容部222が停止されると、作業者は、第2扉体214Bを開放し、第2マガジン収容ハウジング222Bから第2マガジン222Aを引出して、交換作業を行うことができる。ここで、第2マガジン222Aには、複数のパレット60が収容されているので、作業者は、当該複数のパレット60をまとめて交換する交換作業を行うことができる。このため、作業者によるパレット60の交換作業の高効率化を図ることができる。
なお、図10に示すように、第1パレット移動部27により第1収容部221と第1テーブル24との間でパレット60の移動が行われる場合には、当該パレット60を支持する第1マガジン221Aにおける第1支持部221Aaが、パレット60の出し入れ位置に相当する前記第1位置R12aに配置されるように、第1移動機構301は第1収容部221を停止させる。
本実施形態では、Z軸方向において、第1収容部移動領域R1内の第1マガジン引出し位置R1aa(Z軸方向において第1扉体214Aが配置されている位置)と、第2収容部移動領域R2内の第2マガジン引出し位置R2aa(Z軸方向において第2扉体214Bが配置されている位置)とは、前記第1位置R12aを挟んだ位置に設定されている。前記第1位置R12aは、上述の如く、第1パレット移動部27によりパレット収容部22と第1テーブル24との間でパレット60の移動が行われる場合の、パレット収容部22に対するパレット60の出し入れ位置に相当する。このような構成によって、第1収容部221及び第2収容部222のいずれか一方の収容部がマガジン引出し位置に停止し、作業者によってマガジンが引出されて、複数のパレット60をまとめて交換する交換作業が行われている間であっても、他方の収容部は、前記第1位置R12aを含む収容部移動領域内で移動可能である。従って、作業者による一方の収容部に対するパレット60の交換作業時に、他方の収容部と第1テーブル24との間において、第1パレット移動部27によるパレット60の移動を停止することなく継続して行うことができる。
さらに、Z軸方向において、第1収容部移動領域R1内の第1マガジン引出し位置R1aaと、第2収容部移動領域R2内の第2マガジン引出し位置R2aaとは、前記第4位置R12bを挟んだ位置に設定されていることが望ましい。前記第4位置R12bは、第2パレット移動部29によりパレット収容部22と第2テーブル28との間でパレット60の移動が行われる場合の、パレット収容部22に対するパレット60の出し入れ位置に相当する。このような構成によって、第1収容部221及び第2収容部222のいずれか一方の収容部がマガジン引出し位置に停止し、作業者によってマガジンが引出されて、複数のパレット60をまとめて交換する交換作業が行われている間であっても、他方の収容部は、前記第4位置R12bを含む収容部移動領域内で移動可能である。従って、作業者による一方の収容部に対するパレット60の交換作業時に、他方の収容部と第2テーブル28との間において、第2パレット移動部29によるパレット60の移動を停止することなく継続して行うことができる。
図11は、部品供給装置2においてパレット補給回収部23からのパレット60の出し入れ時の動作を説明するための図である。部品実装機1における基板に対する部品70の実装作業状況に応じて作業者が、パレット補給回収部23に新たなパレット60(部品切れとなる部品が保持された代替パレット)を補給する補給作業を行う場合、部品供給装置2は次のように動作する。補給回収部移動機構31は、パレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、補給回収部移動領域R3内のパレット補給位置R3aa(Z軸方向において第3扉体214Cが配置されている位置)に停止させる。このとき、第1移動機構301及び第2移動機構302は、Z軸方向において、パレット補給位置R3aaよりも−Z方向側の領域内で、パレット補給回収部23とは独立して、第1収容部221及び第2収容部222を移動させることができる。
補給回収部移動領域R3内のパレット補給位置R3aaにパレット補給回収部23が停止されると、作業者は、第3扉体214Cを開放し、補給回収部収容ハウジング232から補給回収部本体231を引出して、パレット補給回収部23に新たなパレット60を補給する補給作業を行うことができる。
なお、図11に示すように、第1パレット移動部27により第1収容部221と第1テーブル24との間でパレット60の移動が行われる場合には、当該パレット60を支持する第1マガジン221Aにおける第1支持部221Aaが、パレット60の出し入れ位置に相当する前記第1位置R12aに配置されるように、第1移動機構301は第1収容部221を停止させる。また、第1パレット移動部27により第2収容部222と第1テーブル24との間でパレット60の移動が行われる場合には、当該パレット60を支持する第2マガジン222Aにおける第2支持部222Aaが、パレット60の出し入れ位置に相当する前記第1位置R12aに配置されるように、第2移動機構302は第2収容部222を停止させる。
また、第1パレット移動部27により第1テーブル24からパレット補給回収部23に部品切れパレットが移動され、当該パレット補給回収部23に部品切れパレットが回収された場合、部品供給装置2は次のように動作する。補給回収部移動機構31は、部品切れパレットを回収したパレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、補給回収部移動領域R3内のパレット補給位置R3aaに停止させる。このとき、第1移動機構301及び第2移動機構302は、Z軸方向において、パレット補給位置R3aaよりも−Z方向側の領域内で、パレット補給回収部23とは独立して、第1収容部221及び第2収容部222を移動させることができる。
補給回収部移動領域R3内のパレット補給位置R3aaにパレット補給回収部23が停止されると、作業者は、第3扉体214Cを開放し、補給回収部収容ハウジング232から補給回収部本体231を引出して、パレット補給回収部23に回収された部品切れパレットを取り出すことができる。
本実施形態では、パレット補給回収部23に対して新たなパレット60が補給される、または、パレット補給回収部23に回収された部品切れパレットが取り出されるパレット補給位置R3aaが、パレット収容部22の移動領域となる収容部移動領域外に設定されている。このため、パレット補給回収部23がパレット補給位置R3aaに停止し、作業者によってパレット補給回収部23への補給作業またはパレット補給回収部23からの取り出し作業が行われている間であっても、パレット収容部22は収容部移動領域内で移動可能である。従って、作業者によるパレット60の補給作業時または取り出し作業時に、パレット収容部22と第1テーブル24との間において、第1パレット移動部27によるパレット60の移動を停止することなく継続して行うことができる。
上述の如く、本実施形態に係る部品供給装置2において、補給回収部移動機構31は、パレット補給回収部23を、パレット収容部22とは独立して移動させる。すなわち、収容部移動機構30によるパレット収容部22の移動動作と、補給回収部移動機構31によるパレット補給回収部23の移動動作とは、連動したものではない。このため、パレット補給回収部23の移動時に、収容部移動領域内の前記第1位置R12aに停止したパレット収容部22と第1テーブル24上の前記第2位置R12aaとの間において、第1パレット移動部27によるパレット60の移動を停止することなく継続して行うことができる。従って、部品実装機1のヘッドユニット3に対して部品70をパレット60に保持された状態で効率良く供給することができるとともに、部品切れパレットを効率良く回収することができる。
次に、部品供給装置2の電気的構成について説明する。図12は、部品供給装置2の電気的構成を示すブロック図である。部品供給装置2は、制御部40、操作部50、報知部51及び記憶部52を、更に備えている。
操作部50は、部品供給装置2の動作条件等に関する指示が作業者によって入力される部分である。操作部50は、例えばタッチパネルによって実現される。報知部51は、部品供給装置2の動作に関する情報を報知する部分である。報知部51は、例えば表示装置によって実現される。記憶部52は、部品供給装置2の動作に必要な情報を記憶する部分である。記憶部52は、例えば部品管理情報を記憶する。部品管理情報は、第1収容部221及び第2収容部222の収容部識別情報と、当該第1収容部221及び第2収容部222の各々に収容されたパレット60のパレット識別情報と、当該パレット60に保持された部品70の部品種及び部品数の情報を含む部品情報とが関連付けられた情報である。
制御部40は、部品供給装置2の動作を統括的に制御する。制御部40は、例えば制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)や一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の記憶装置が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、前記制御プログラムが読み出されることにより、部品供給装置2の動作を制御する。制御部40は、第1収容移動制御部401と、第2収容移動制御部402と、補給回収移動制御部403と、第1テーブル移動制御部404と、第1パレット移動制御部405と、第2パレット移動制御部406と、受付部407と、部品切れ判定部408と、を含む。
受付部407は、操作部50によって入力された、部品供給装置2の動作条件等に関する指示を受け付ける。この受付部407により受け付けられた指示に基づいて、部品供給装置2の動作が実行される。
第1収容移動制御部401は、収容部移動機構30の第1移動機構301を制御する。これにより、パレット収容部22における第1収容部221のZ軸方向の移動動作が制御される。第2収容移動制御部402は、収容部移動機構30の第2移動機構302を制御する。これにより、パレット収容部22における第2収容部222のZ軸方向の移動動作が制御される。補給回収移動制御部403は、補給回収部移動機構31を制御する。これにより、パレット補給回収部23のZ軸方向の移動動作が制御される。第1テーブル移動制御部404は、テーブル移動機構26を制御する。これにより、第1テーブル24の移動動作が制御される。第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御する。第2パレット移動制御部406は、第2パレット移動部29を制御する。
部品切れ判定部408は、パレット収容部22に収容された一のパレット60が第1パレット移動部27により第1テーブル24に移動され、当該第1テーブル24においてヘッドユニット3により一のパレット60上の部品70が取り出された後、当該一のパレット60における部品切れの発生を判定する。本実施形態では、部品切れ判定部408は、第1テーブル24に載置された一のパレット60に保持される部品70の残数をカウントすることにより、当該一のパレット60における部品切れの発生を判定するように構成されている。そして、報知部51は、部品切れ判定部408によりカウントされた部品残数が所定の閾値に達したときに、部品切れ警告情報を報知するように構成されている。
次に、部品供給装置2におけるパレット60の供給及び回収動作について説明する。図13A、図13B及び図13Cは、部品供給装置2におけるパレット60の供給及び回収動作の一例を示す図である。
受付部407により受け付けられた指示に基づいて、部品供給装置2におけるパレット60の供給及び回収動作が実行される。図13A、図13B及び図13Cに示す例では、第1収容部221には、互いに異種の部品A、部品B及び部品Cがそれぞれ保持された3枚のパレット60が予め収容されている。また、第2収容部222には、互いに異種の部品D、部品E及び部品Fがそれぞれ保持された3枚のパレット60が予め収容されている。そして、部品Aを供給する指示が、受付部407に受け付けられたものとする。
まず、制御部40は、記憶部51に記憶された部品管理情報に基づいて、部品Aが保持されたパレット60を収容する第1収容部221を特定し、第1収容移動制御部401に第1移動機構301の制御を開始させる。第1収容移動制御部401は、第1移動機構301を制御し、第1収容部221をZ軸方向に移動させ、前記第1位置R12aに停止させる。
第1収容部221が前記第1位置R12aに停止すると、第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御し、第1収容部221に収容された部品Aが保持されたパレット60を、第1テーブル24上の前記第2位置R12aaに移動させる。
パレット60が前記第2位置R12aaに移動されると、第1テーブル移動制御部404は、テーブル移動機構26を制御し、部品Aが保持されたパレット60が載置された第1テーブル24を、前記第3位置R12abに移動させる(図13A(1)参照)。これにより、部品Aが保持されたパレット60が、ヘッドユニット3に供給される。
パレット60がヘッドユニット3に供給されると、部品切れ判定部408は、パレット60上の部品Aの残数をカウントする。部品Aの残数が所定の閾値に達すると、報知部51は、部品切れ警告情報を報知する。部品切れ警告情報を認識した作業者は、第3扉体214Cを開放し、部品切れする部品Aと同種の部品AAが保持されたパレット60(以下、「代替パレット60」という)を、パレット補給回収部23に補給する補給作業を行う(図13A(1)参照)。
作業者による補給作業が完了し、第3扉体214Cが閉鎖されると、補給回収移動制御部403は、補給回収部移動機構31を制御し、パレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、前記第4位置R12bに停止させる(図13A(2)参照)。
パレット補給回収部23が前記第4位置R12bに停止すると、第2パレット移動制御部406は、第2パレット移動部29を制御し、パレット補給回収部23に補給された代替パレット60を、第2テーブル28に移動させる(図13A(3)参照)。これにより、代替パレット60のヘッドユニット3への供給前に、当該代替パレット60が一時的に第2テーブル28上に載置される。
部品切れ判定部408により第1テーブル24上のパレット60に部品切れが発生したと判定されると、補給回収移動制御部403は、補給回収部移動機構31を制御し、パレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、前記第1位置R12aに停止させる(図13B(4)参照)。
パレット補給回収部23が前記第1位置R12aに停止すると、第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御し、第1テーブル24上の部品切れパレット60を、パレット補給回収部23に移動させて回収させる(図13B(5)参照)。
パレット補給回収部23に部品切れパレット60が回収されると、補給回収移動制御部403は、補給回収部移動機構31を制御し、パレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、パレット補給位置R3aaに停止させる。さらに、第1収容移動制御部401は、第1移動機構301を制御し、第1収容部221をZ軸方向に移動させ、前記第4位置R12bに停止させる(図13B(6)参照)。
第1収容部221が前記第4位置R12bに停止すると、第2パレット移動制御部406は、第2パレット移動部29を制御し、一時的に第2テーブル28上に載置されていた代替パレット60を、第1収容部221の第1マガジン221Aにおける空段となった第1支持部221Aa(代替パレット60に保持される部品AAと同種の部品Aが保持されたパレット60が支持されていた支持部)に移動させる(図13B(6)参照)。
第1収容部221に代替パレット60が装填されると、第1収容移動制御部401は、第1移動機構301を制御し、第1収容部221をZ軸方向に移動させ、前記第1位置R12aに停止させる。
前記第1位置R12aに第1収容部221が停止すると、第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御し、第1収容部221に装填された代替パレット60を、第1テーブル24上の前記第2位置R12aaに移動させる(図13C(7)参照)。
代替パレット60が前記第2位置R12aaに移動されると、第1テーブル移動制御部404は、テーブル移動機構26を制御し、代替パレット60が載置された第1テーブル24を、前記第3位置R12abに移動させる(図13C(7)参照)。これにより、部品切れとなった部品Aと同種の部品AAが保持された代替パレット60が、ヘッドユニット3に供給される。
また、部品切れパレット60を回収したパレット補給回収部23がパレット補給位置R3aaに停止すると、作業者は、第3扉体214Cを開放し、部品切れパレット60のパレット補給回収部23からの取り出し作業を行う(図13C(7)参照)。部品切れパレット60の取り出し作業が完了すると、作業者は、部品切れの部品A及び供給中の部品AAと同種の部品が保持されたパレット60を代替パレットとして、パレット補給回収部23に補給する補給作業を行う。
パレット補給回収部23がパレット補給位置R3aaに停止し、作業者によってパレット補給回収部23への補給作業またはパレット補給回収部23からの取り出し作業が行われている間であっても、第1収容部221及び第2収容部222は移動可能であり、パレット収容部22(第1収容部221)と第1テーブル24との間において、第1パレット移動部27によるパレット60の移動が停止することなく継続して行われる(図13C(7)参照)。
このような部品供給装置2におけるパレット60の供給及び回収動作によって、部品実装機1のヘッドユニット3に対して部品をパレット60に保持された状態で効率良く供給することができるとともに、部品切れパレットを効率良く回収することができる。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の他の実施形態に係る部品供給装置2Aにおけるパレット60の供給及び回収動作の一例を示す図である。第2の実施形態に係る部品供給装置2Aは、上記の第1の実施形態に係る部品供給装置2が備えていた第2テーブル28、第2パレット移動部29及び第2パレット移動制御部406を備えていない。このこと以外は第1の実施形態に係る部品供給装置2と同様に構成されているので、第2の実施形態に係る部品供給装置2Aの構成に関する詳細な説明は、省略する。
第2の実施形態に係る部品供給装置2Aにおけるパレット60の供給及び回収動作について、図14を参照して説明する。
受付部407により受け付けられた指示に基づいて、部品供給装置2Aにおけるパレット60の供給及び回収動作が実行される。図14に示す例では、第1収容部221には、互いに異種の部品A、部品B及び部品Cがそれぞれ保持された3枚のパレット60が予め収容されている。また、第2収容部222には、部品Aと同種の部品AA、部品Bと同種の部品BB及び部品Cと同種の部品CCがそれぞれ保持された3枚のパレット60が予め収容されている。そして、部品Aを供給する指示が、受付部407に受け付けられたものとする。
まず、制御部40は、記憶部51に記憶された部品管理情報に基づいて、部品Aが保持されたパレット60を収容する第1収容部221を特定し、第1収容移動制御部401に第1移動機構301の制御を開始させる。第1収容移動制御部401は、第1移動機構301を制御し、第1収容部221をZ軸方向に移動させ、前記第1位置R12aに停止させる。
第1収容部221が前記第1位置R12aに停止すると、第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御し、第1収容部221に収容された部品Aが保持されたパレット60を、第1テーブル24上の前記第2位置R12aaに移動させる。
パレット60が前記第2位置R12aaに移動されると、第1テーブル移動制御部404は、テーブル移動機構26を制御し、部品Aが保持されたパレット60が載置された第1テーブル24を、前記第3位置R12abに移動させる。これにより、部品Aが保持されたパレット60が、ヘッドユニット3に供給される。
部品切れ判定部408により第1テーブル24上のパレット60に部品切れが発生したと判定されると、補給回収移動制御部403は、補給回収部移動機構31を制御し、パレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、前記第1位置R12aに停止させる(図14(1)参照)。
パレット補給回収部23が前記第1位置R12aに停止すると、第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御し、第1テーブル24上の部品切れパレット60を、パレット補給回収部23に移動させて回収させる。
パレット補給回収部23に部品切れパレット60が回収されると、補給回収移動制御部403は、補給回収部移動機構31を制御し、パレット補給回収部23をZ軸方向に移動させ、パレット補給位置R3aaに停止させる。さらに、第2収容移動制御部402は、第2移動機構302を制御し、第2収容部222をZ軸方向に移動させ、前記第1位置R12aに停止させる(図14(2)参照)。
前記第1位置R12aに第2収容部222が停止すると、第1パレット移動制御部405は、第1パレット移動部27を制御し、第2収容部222に収容されている部品AAが保持されたパレット60を、第1テーブル24上の前記第2位置R12aaに移動させる。
部品AAが保持されたパレット60が前記第2位置R12aaに移動されると、第1テーブル移動制御部404は、テーブル移動機構26を制御し、当該パレット60が載置された第1テーブル24を、前記第3位置R12abに移動させる(図14(2)参照)。これにより、部品切れとなった部品Aと同種の部品AAが保持された代替パレット60が、ヘッドユニット3に供給される。
また、部品切れパレット60を回収したパレット補給回収部23がパレット補給位置R3aaに停止すると、作業者は、第3扉体214Cを開放し、部品切れパレット60のパレット補給回収部23からの取り出し作業を行う(図14(2)参照)。部品切れパレット60の取り出し作業が完了すると、作業者は、部品切れの部品A及び供給中の部品AAと同種の部品AAAが保持されたパレット60を代替パレットとして、パレット補給回収部23に補給する補給作業を行う(図14(3)参照)。
パレット補給回収部23がパレット補給位置R3aaに停止し、作業者によってパレット補給回収部23への補給作業またはパレット補給回収部23からの取り出し作業が行われている間であっても、第1収容部221及び第2収容部222は移動可能であり、パレット収容部22(第2収容部222)と第1テーブル24との間において、第1パレット移動部27によるパレット60の移動が停止することなく継続して行われる(図14(3)参照)。
このような部品供給装置2Aにおけるパレット60の供給及び回収動作によって、部品実装機1のヘッドユニット3に対して部品をパレット60に保持された状態で効率良く供給することができるとともに、部品切れパレットを効率良く回収することができる。