以下、本発明の一実施形態に係る部品供給装置及び部品実装機について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向が左右方向(+Xが右、−Xが左)、Y方向が前後方向(+Yが前、−Yが後)、Z方向が上下方向(+Zが上、−Zが下)に各々相当する。
[部品実装機の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品供給装置2を備えた部品実装機1を概略的に示す図である。部品実装機1は、基板Pに部品を実装して実装基板を生産する装置である。部品実装機1は、部品が保持されたパレットを供給する部品供給装置2と、本体フレーム11と、移動フレーム12と、コンベア13と、ヘッド部14と、第1駆動機構15と、第2駆動機構16とを備える。
本体フレーム11は、部品実装機1を構成する各部が配置される構造体であり、X方向及びY方向の両方向と直交する方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア13は、X方向に延び、本体フレーム11に配置される。コンベア13は、基板PをX方向に搬送する。基板Pは、コンベア13上を搬送されて、所定の作業位置(基板P上に部品が実装される実装位置)に位置決めされるようになっている。
部品供給装置2は、コンベア13に対してY方向の一方向側(−Y側)に配置されている。部品供給装置2は、QFP(Quad Flat Package)やBGA(Ball Grid Array)等のパッケージ型の部品をパレットに保持された状態でヘッド部14に対して供給するものである。なお、部品実装機1は、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品をヘッド部14に対して供給する、テープフィーダー2Aを備えている。テープフィーダー2Aは、チップ部品を収納、保持したテープが巻回されたリールを備え、このリールから間欠的にテープを繰り出しながらヘッド部14に対して供給するものである。部品供給装置2の詳細については後述する。
移動フレーム12は、X方向に延び、本体フレーム11に、所定の移動方向(Y方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム12にヘッド部14が搭載されている。ヘッド部14は、X方向に移動可能となるように、移動フレーム12に搭載される。すなわち、ヘッド部14は、移動フレーム12の移動に伴ってY方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム12に沿ってX方向に移動可能である。ヘッド部14は、部品供給装置2及びテープフィーダー2Aとコンベア13により搬送された基板Pの所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給装置2及びテープフィーダー2Aから部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板P上に実装する。
ヘッド部14は、先端にそれぞれ部品吸着用のノズルを備える複数本の実装用ヘッドと、これら実装用ヘッドをヘッド部14に対して昇降(Z方向の移動)およびノズル中心軸回りに回転させるためのサーボモーターを駆動源とするヘッド駆動機構とを備える。各実装用ヘッドのノズルは、それぞれ電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、ノズルに負圧が供給されることで当該ノズルによる部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
第1駆動機構15は、本体フレーム11の+X側及び−X側の端部に配設される。第1駆動機構15は、移動フレーム12をY方向に移動させる機構である。第1駆動機構15は、例えば、駆動モーターと、Y方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム12に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構15は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム12をY方向に移動させる。
第2駆動機構16は、移動フレーム12に配設される。第2駆動機構16は、ヘッド部14を移動フレーム12に沿ったX方向に移動させる機構である。第2駆動機構16は、第1駆動機構15と同様に、例えば、駆動モーターと、X方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッド部14に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構16は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッド部14をX方向に移動させる。
[部品供給装置の構成]
図2は、部品供給装置2を概略的に示す図である。部品供給装置2は、部品が保持されたパレットをヘッド部14に供給することが可能に構成されている。また、部品供給装置2は、ヘッド部14に対する部品の供給後に部品切れとなったパレット(以下、「部品切れパレット」という)を回収することが可能である。更に、部品供給装置2は、部品切れとなった部品と同種の部品が保持された補給用のパレット(以下、「補給パレット」という)の補給が可能である。
部品供給装置2は、装置本体21と、パレット収容部22と、パレット補給回収部23と、パレット載置テーブル24(パレット載置部の一例)と、収容部移動機構25と、第1パレット移動部26と、テーブル移動機構27と、第2パレット移動部28と、を備える。
装置本体21は、パレット収容部22を収容可能な収容空間を有する筐体である。なお、装置本体21における+Y側の側面部は、テーブル支持部211に支持されたパレット載置テーブル24と、パレット収容部22との間でパレット60の移動が可能となるように、一部が切り欠かれている。また、装置本体21における−Y側の側面部は、パレット補給回収部23とパレット収容部22との間でパレット60の移動が可能となるように、一部が切り欠かれている。
更に、装置本体21における−Y側の側面部には、パレット収容部22の第1マガジン221及び第2マガジン222が通過可能な開口部が形成されており、この開口部を開閉する第1扉体212が設けられている。作業者は、第1扉体212を開放し、パレット収容部22から第1マガジン221又は第2マガジン222を引き出して、交換作業を行うことができる。
パレット収容部22は、パレット60をZ方向(上下方向)に複数並んだ状態で収容する構造体である。パレット収容部22は、Z方向に移動可能に装置本体21内に収容されている。本実施形態では、パレット収容部22は、Z方向に互いに隣接して配置された第1マガジン221と第2マガジン222とを含む。
第1マガジン221は、Y方向の両端が開口した箱形の構造体である。第1マガジン221のX方向の両側面には、パレット60をY方向に移動可能に支持する第1支持部221AがZ方向に並んで複数設けられている。第2マガジン222は、第1マガジン221と同様に、Y方向の両端が開口した箱形の構造体である。第2マガジン222のX方向の両側面には、パレット60をY方向に移動可能に支持する第2支持部222AがZ方向に並んで複数設けられている。
ここで、パレット収容部22に収容されるパレット60の構成を、図3を参照して説明する。図3は、パレット収容部22に収容されるパレット60を示す平面図である。パレット60には、複数の部品70が保持された少なくとも1つのトレイ61が載置されている。トレイ61は、平面視において長方形状をなしており、その上面に複数の部品収容部611がマトリクス状に設けられている。各部品収容部611には、それぞれ部品70が等間隔で収容されている。
パレット60は、平面視長方形状とされるとともに、四方が側壁に囲まれた浅皿であり、少なくとも1つのトレイ61を位置決めした状態で載置できるように構成されている。具体的には、トレイ61をパレット60の隅に押し付け、その周りに磁石からなる固定用部材62を沿わせてパレット60の内底面に磁力によって固定することにより、パレット60内にトレイ61を位置決めした状態で固定できるようになっている。
また、パレット60には、一方の長辺の側壁の中央部に平面視T字状の第1被係止部63が設けられ、他方の長辺の側壁の中央部に平面視T字状の第2被係止部64が設けられている。パレット60は、第1被係止部63が+Y側(前側)に向けられた姿勢で、第1マガジン221及び第2マガジン222内に収容されている。また、パレット60には、両短辺の側壁に、それぞれフランジ部65が設けられている。パレット60が後述する第1パレット移動部26によってパレット載置テーブル24上に移動される際には、第1被係止部63が第1パレットフック機構261に係止されるとともに、パレット60がフランジ部65を介して第1パレットレール264に沿って案内されるようになっている。また、パレット60が後述する第2パレット移動部28によってパレット補給回収部23に移動される際には、第2被係止部64が第2パレットフック機構281に係止されるとともに、パレット60がフランジ部65を介して第2パレットレール284に沿って案内される。
図2に示すように、収容部移動機構25は、装置本体21内においてパレット収容部22をZ方向に移動させる機構である。収容部移動機構25は、ボールねじ軸251と、ボールナット252と、駆動モーター253とを含む。ボールねじ軸251は、装置本体21内においてZ方向に延びるボールねじ軸である。ボールナット252は、ボールねじ軸251に螺合されている。駆動モーター253は、その出力軸がボールねじ軸251に接続されている。そして、ボールナット252には、パレット収容部22が取り付けられている。収容部移動機構25では、駆動モーター253が回転駆動すると、ボールねじ軸251に沿ってボールナット252が進退する。これにより、ボールナット252に取り付けられたパレット収容部22が、Z方向に移動する。
パレット補給回収部23は、装置本体21における−Y側の側面部から外方に突設される。パレット補給回収部23は、Y方向においてパレット収容部22を挟んでパレット載置テーブル24と対向するように、配置されている。また、パレット補給回収部23は、Z方向においてパレット載置テーブル24と同じ高さ位置となるように、配置されている。パレット補給回収部23は、パレット60を収容可能な収容空間を有し、当該収容空間内においてパレット60の補給及び回収が可能に構成されている。パレット補給回収部23において収容空間は、1枚のパレット60が収容可能な大きさに設定されている。また、パレット補給回収部23には、その収容空間を開閉する第2扉体231が設けられている。
部品供給装置2では、ヘッド部14への部品70の供給に伴って部品切れとなった部品切れパレットは、パレット収容部22を経由してパレット補給回収部23にて回収される。また、部品供給装置2では、パレット収容部22に補給するための補給パレットは、パレット補給回収部23を経由してパレット収容部22に補給される。
ここで、パレット補給回収部23を用いたパレット60の補給及び回収は、作業者によって行われる。つまり、作業者は、パレット収容部22に対してパレット60を補給する場合には、第2扉体231を開放し、補給パレットをパレット補給回収部23内に装填するという補給作業を行う。補給作業が終了すると、作業者は、第2扉体231を閉鎖し、パレット補給回収部23に近設される補給開始操作部232を操作する。補給開始操作部232は、補給作業によってパレット補給回収部23に収容された補給パレットの、パレット収容部22に対する補給開始が可能となったときに、作業者により操作される。一方、部品切れパレットがパレット収容部22からパレット補給回収部23内に回収された場合には、作業者は、第2扉体231を開放し、部品切れパレットをパレット補給回収部23から取り出すという回収作業を行う。回収作業が終了すると、作業者は、第2扉体231を閉鎖する。
パレット載置テーブル24は、装置本体21における+Y側の側面部から外方に突設されたテーブル支持部211に支持されている。パレット載置テーブル24は、Y方向においてパレット収容部22を挟んでパレット補給回収部23と対向するように、配置されている。パレット載置テーブル24は、パレット60を載置可能な平面視矩形状とされ、ヘッド部14へのパレット60の供給場となる。パレット載置テーブル24は、Y方向に移動可能にテーブル支持部211に支持されている。テーブル支持部211は、−Z側(下側)からパレット載置テーブル24を支持する。
次に、第1パレット移動部26について、図2に加えて図4を参照して説明する。図4は、第1パレット移動部26を示す平面図である。第1パレット移動部26は、パレット載置テーブル24におけるパレット載置面24Aに配設される。第1パレット移動部26は、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させるための機構である。第1パレット移動部26は、第1パレットフック機構261と、一対の第1フックレール262と、第1フック移動モーター263と、第1パレットレール264とを含む。
第1パレットレール264は、パレット載置テーブル24のパレット載置面24AにおけるX方向両端部に、Y方向に沿って延設されるレールである。第1パレットフック機構261は、パレット60の第1被係止部63を係止するように構成され、パレット載置面24A上を、Y方向に移動可能である。一対の第1フックレール262は、パレット載置面24A上のX方向における略中央位置において、Y方向に延設されるレールである。第1パレット移動部26では、第1フック移動モーター263の駆動力が第1パレットフック機構261に伝達される。第1フック移動モーター263が回転駆動すると、第1パレットフック機構261が一対の第1フックレール262に沿ってY方向に移動する。これにより、第1被係止部63が第1パレットフック機構261に係止されたパレット60が、第1パレットレール264に沿って、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間で移動する。
次に、テーブル移動機構27について、図2に加えて図5を参照して説明する。図5は、テーブル移動機構27を示す側面図である。テーブル支持部211のパレット載置テーブル24と対向する対向面には、Y方向に延びるテーブルレール211Aが設けられている。そして、テーブル支持部211の前記対向面には、パレット載置テーブル24をテーブルレール211Aに沿って移動させるためのテーブル移動機構27が設けられている。テーブル移動機構27は、パレット載置テーブル24とパレット収容部22との間でパレット60の移動が行われる位置と、パレット60のヘッド部14への供給位置と、の間でパレット載置テーブル24を移動させる。テーブル移動機構27は、テーブル移動ベルト271と、テーブル移動モーター272と、テーブル可動軸273と、テーブル可動部274とを含む。
テーブル可動軸273は、Y方向に延びる軸部である。テーブル可動部274は、テーブル可動軸273に移動可能に支持されており、その+Z側(上側)の端部がパレット載置テーブル24に取り付けられている。テーブル移動機構27では、テーブル移動ベルト271がテーブル移動モーター272に巻回されるとともにテーブル可動軸273の−Y側の端部に巻回されている。テーブル移動モーター272が回転駆動すると、テーブル可動軸273が回転し、テーブル可動部274がテーブル可動軸273に沿ってY方向に移動する。これにより、テーブル可動部274に固定されたパレット載置テーブル24が、テーブル支持部211上でY方向に移動する。
次に、第2パレット移動部28について、図2に加えて図6を参照して説明する。図6は、第2パレット移動部28を示す平面図である。第2パレット移動部28は、パレット補給回収部23におけるパレット載置面23Aに配設される。第2パレット移動部28は、パレット収容部22とパレット補給回収部23との間でパレット60を移動させるための機構である。第2パレット移動部28は、第2パレットフック機構281と、一対の第2フックレール282と、第2フック移動モーター283と、第2パレットレール284とを含む。
第2パレットレール284は、パレット補給回収部23のパレット載置面23AにおけるX方向両端部に、Y方向に沿って延設されるレールである。第2パレットフック機構281は、パレット60の第2被係止部64を係止するように構成され、パレット載置面23A上を、Y方向に移動可能である。一対の第2フックレール282は、パレット載置面23A上のX方向における略中央位置において、Y方向に延設されるレールである。第2パレット移動部28では、第2フック移動モーター283の駆動力が第2パレットフック機構281に伝達される。第2フック移動モーター283が回転駆動すると、第2パレットフック機構281が一対の第2フックレール282に沿ってY方向に移動する。これにより、第2被係止部64が第2パレットフック機構281に係止されたパレット60が、第2パレットレール284に沿って、パレット収容部22とパレット補給回収部23との間で移動する。
次に、部品供給装置2の電気的構成について説明する。図7は、部品供給装置2の電気的構成を示すブロック図である。部品供給装置2は、部品切れ判定部31と、品種切替え判定部32と、パレット検知部41と、第2扉体閉鎖検知部42と、部品切れパレット収容判定部43と、制御部50とを、更に備える。
部品切れ判定部31は、パレット収容部22に収容された一のパレット60が第1パレット移動部26によりパレット載置テーブル24に移動され、当該パレット載置テーブル24においてヘッド部14により一のパレット60上の部品70が取り出された後、当該一のパレット60における部品切れの発生を判定する。本実施形態では、部品切れ判定部31は、パレット載置テーブル24に載置された一のパレット60に保持される部品70の残数をカウントすることにより、当該一のパレット60における部品切れの発生を判定するように構成されている。部品切れ判定部31は、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60に部品切れが発生した場合、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60の部品切れに伴う交換要求を示す部品切れ交換要求情報を、後述の制御部50における第1情報受付部54に送信する。
品種切替え判定部32は、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60の部品の品種切替えの発生を判定する。本実施形態では、品種切替え判定部32は、部品実装機1における実装基板の生産の進行状況を把握することにより、部品の品種切替えの発生を判定する。品種切替え判定部32は、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60における部品70の品種切替えが発生した場合、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60における部品70の品種切替えに伴う交換要求を示す品種切替え交換要求情報を、後述の制御部50における第1情報受付部54に送信する。
本実施形態では、部品切れ判定部31により第1情報受付部54に送信される部品切れ交換要求情報と、品種切替え判定部32により第1情報受付部54に送信される品種切替え交換要求情報とによって、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60の交換要求を示すパレット交換要求情報が構成される。
パレット検知部41は、パレット補給回収部23のパレット載置面23Aに配設され、パレット補給回収部23に補給パレットが収容された場合に当該補給パレットを検知する検知センサである。第2扉体閉鎖検知部42は、パレット補給回収部23に設けられた第2扉体231の閉鎖を検知する検知センサである。パレット検知部41が補給パレットを検知し、且つ、第2扉体閉鎖検知部42が第2扉体231の閉鎖を検知すると、パレット収容部22に対する補給パレットがパレット補給回収部23に収容されたことを示す補給用パレット収容情報が、後述の制御部50における第2情報受付部55に送信される。
部品切れパレット収容判定部43は、パレット収容部22からパレット補給回収部23へ回収すべき部品切れパレットがパレット収容部22に収容されているかを判定する。部品切れパレット収容判定部43は、第1パレット移動部26によるパレット載置テーブル24からパレット収容部22への部品切れパレットの移動履歴に基づいて、部品切れパレットがパレット収容部22に収容されているかを判定する。部品切れパレット収容判定部43は、部品切れパレットがパレット収容部22に収容されていると判定すると、その部品切れパレットがパレット収容部22に収容されていることを示す部品切れパレット収容情報を、後述の制御部50における第2情報受付部55に送信する。
また、作業者によるパレット補給回収部23に対する補給パレットの補給作業が終了し、前述の補給開始操作部232が操作されると、パレット補給回収部23に収容された補給パレットのパレット収容部22に対する補給開始が可能であることを示す補給開始可能情報が、後述の制御部50における第2情報受付部55に送信される。
本実施形態では、パレット検知部41及び第2扉体閉鎖検知部42により第2情報受付部55に送信される補給用パレット収容情報と、部品切れパレット収容判定部43により第2情報受付部55に送信される部品切れパレット収容情報と、補給開始操作部232により第2情報受付部55に送信される補給開始可能情報とによって、パレット補給回収部23におけるパレットの補給及び回収の準備状況に関する補給回収準備情報が構成される。
制御部50は、部品供給装置2の動作を統括的に制御する。制御部50は、例えば制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)や一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の記憶装置が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、前記制御プログラムが読み出されることにより、部品供給装置2の動作を制御する。制御部50は、収容移動制御部51と、テーブル移動制御部52と、パレット移動制御部53と、第1情報受付部54と、第2情報受付部55とを含む。
収容移動制御部51は、収容部移動機構25を制御する。これにより、パレット収容部22のZ方向の移動動作が制御される。テーブル移動制御部52は、テーブル移動機構27を制御する。これにより、パレット載置テーブル24のY方向の移動動作が制御される。
第1情報受付部54は、部品切れ判定部31から送信される部品切れ交換要求情報と、品種切替え判定部32から送信される品種切替え交換要求情報とを含む、パレット交換要求情報を受付ける。第2情報受付部55は、パレット検知部41及び第2扉体閉鎖検知部42から送信される補給用パレット収容情報と、補給開始操作部232から送信される補給開始可能情報とを含む、補給回収準備情報を受付ける。
パレット移動制御部53は、第1情報受付部54によるパレット交換要求情報の受付けに応じて第1パレット移動部26を制御するとともに、第2情報受付部55による補給回収準備情報の受付けに応じて第2パレット移動部28を制御する。そして、パレット移動制御部53は、第1情報受付部54及び第2情報受付部55の各々における情報の受付タイミングに応じて、第1パレット移動部26及び第2パレット移動部28に対する制御の優先順位を切替える。
具体的には、パレット移動制御部53は、第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報又は品種切替え交換要求情報を受付けると、第1パレット交換制御と第2パレット交換制御とを実行する。第1パレット交換制御は、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60がパレット収容部22に移動するよう第1パレット移動部26を制御するパレット交換制御である。第2パレット交換制御は、パレット収容部22に収容されたパレット60がパレット載置テーブル24に移動するよう第1パレット移動部26を制御するパレット交換制御である。
また、パレット移動制御部53は、第2情報受付部55が補給用パレット収容情報及び補給開始可能情報を受付けると、パレット補給回収部23に収容された補給パレットがパレット収容部22に移動するよう第2パレット移動部28を制御するパレット補給制御を実行する。一方、パレット移動制御部53は、第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けると、パレット収容部22に収容された部品切れパレットがパレット補給回収部23に移動するよう第2パレット移動部28を制御するパレット回収制御を実行する。
次に、パレット移動制御部53による第1パレット移動部26及び第2パレット移動部28の制御について、部品供給装置2における第1乃至第3の制御動作を例示して、より詳しく説明する。
<第1の制御動作>
図8は、部品供給装置2における第1の制御動作を示すフローチャートである。図9及び図10は、第1の制御動作を説明するための図である。図9及び図10に示す例では、パレット収容部22の第1マガジン221には、同種の部品AA及び部品AAAと、同種の部品B及び部品BBとが保持された4枚のパレット60が予め収容されている。また、パレット収容部22の第2マガジン222には、同種の部品C、部品CC及び部品CCCと、同種の部品D及び部品DDとが保持された5枚のパレット60が予め収容されている。そして、第1マガジン221に収容されていた1枚のパレットがパレット載置テーブル24に載置され(図9に示す例では、パレット60Aが対応している)、そのパレットの部品がヘッド部14によって取り出されているものとする。このとき、第1マガジン221において、パレット載置テーブル24に載置されるパレットを支持していた支持部221Aは、空段となっている。
まず、ステップa1では、制御部50は、部品切れ判定部31から送信される部品切れ交換要求情報を、第1情報受付部54が受付けたか否かを判断する。第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けた場合にはステップa2に進む。一方、第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けていない場合にはステップa1を繰り返す。第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けた場合、図9(A)に示すように、パレット載置テーブル24には、部品切れとなった部品切れパレット60Aが載置されている。なお、図9(A)では、部品切れパレット60Aについては、部品が保持されていないことを示すように、部品の記載を削除している。
第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けていない状態で、ステップa1において第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けると、ステップa2においてパレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、第1パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第1パレット交換制御を実行すると、図9(A)に示すように、第1パレット移動部26によって、パレット載置テーブル24に載置された部品切れパレット60Aが、パレット収容部22の第1マガジン221における空段に移動される。
次に、ステップa3では、制御部50は、パレット検知部41及び第2扉体閉鎖検知部42から送信される補給用パレット収容情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けていない場合にはステップa4に進む。一方、第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けた場合にはステップa6に進む。
第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けていない場合、パレット補給回収部23に補給パレットが収容されていない状態であるので、パレット補給回収部23に対する作業者の補給作業が行われていないことになる。このような場合には、部品供給装置2の周辺に作業者がいないことが想定される。
第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けていない状態において、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、部品切れとなった部品Aと同種の部品AAを保持したパレット60がパレット載置テーブル24のパレット載置面24Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図9(B)参照)。そして、ステップa4においてパレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、第2パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第2パレット交換制御を実行すると、図9(B)に示すように、第1パレット移動部26によって、パレット収容部22に収容されたパレット60(部品AAを保持したパレット)が、パレット載置テーブル24に移動される。これにより、ステップa1において第1情報受付部54が受付けた部品切れ交換要求情報に応じて、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させることができる。
このように、第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けていない状態であって、部品供給装置2の周辺に作業者がいないことが想定される状態では、パレット移動制御部53は、第2パレット移動部28の制御よりも、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させる第1パレット移動部26の制御を優先して実行する。これにより、部品実装機1における部品の実装動作に無駄な待機時間が発生することを回避し、部品実装機1における実装基板の生産性が低下することを可及的に抑止することができる。
ステップa4においてパレット移動制御部53により第2パレット交換制御が実行された後、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aがパレット補給回収部23のパレット載置面23Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図9(C)参照)。そして、ステップa5においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット回収制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット回収制御を実行すると、図9(C)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aが、パレット補給回収部23に移動される。これにより、ステップa2においてパレット移動制御部53が実行した第1パレット交換制御によってパレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aを、パレット補給回収部23にて回収することができる。
一方、ステップa3において第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けた場合、図10(A)に示すように、パレット補給回収部23に補給パレット60Bが収容されている状態である。図10(A)に示す例では、部品Aを保持した補給パレット60Bがパレット補給回収部23に収容されている。このとき、補給開始操作部232が作業者により操作されていないので、作業者は、パレット補給回収部23に対する補給パレット60Bの補給作業中である。このような場合には、部品供給装置2の周辺に作業者はいるけれども、補給作業中であり、回収作業等の他の作業を行うことが困難な状態であると想定される。
第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けた状態において、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、部品切れとなった部品Aと同種の部品AAを保持したパレット60がパレット載置テーブル24のパレット載置面24Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図10(B)参照)。そして、ステップa6においてパレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、第2パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第2パレット交換制御を実行すると、図10(B)に示すように、第1パレット移動部26によって、パレット収容部22に収容されたパレット60(部品AAを保持したパレット)が、パレット載置テーブル24に移動される。これにより、ステップa1において第1情報受付部54が受付けた部品切れ交換要求情報に応じて、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させることができる。
このように、第2情報受付部55が補給用パレット収容情報を受付けた場合であって且つ補給開始可能情報を受付けていない状態で、第1情報受付部54がステップa1においてパレット交換要求情報(部品切れ交換要求情報)を受付けると、パレット移動制御部53は、第2パレット移動部28の制御よりも、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させる第1パレット移動部26の制御を優先して実行する。これにより、部品実装機1における部品の実装動作に無駄な待機時間が発生することを回避し、部品実装機1における実装基板の生産性が低下することを可及的に抑止することができる。
ステップa6においてパレット移動制御部53により第2パレット交換制御が実行された後、ステップa7において制御部50は、補給開始操作部232から送信される補給開始可能情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合にはステップa8に進む。一方、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けていない場合にはステップa7を繰り返す。すなわち、パレット移動制御部53は、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けるまで、ステップa8のパレット補給制御の実行を待機する。
第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた状態で、ステップa8においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット補給制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット補給制御を実行すると、第2パレット移動部28によって、パレット補給回収部23に収容された補給パレットが、パレット収容部22に移動される。これにより、パレット補給回収部23に収容された補給パレットを、パレット収容部22に対して補給することができる。
ステップa8においてパレット移動制御部53によりパレット補給制御が実行された後、ステップa5においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット回収制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット回収制御を実行すると、第2パレット移動部28によって、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aが、パレット補給回収部23に移動される。これにより、ステップa2においてパレット移動制御部53が実行した第1パレット交換制御によってパレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aを、パレット補給回収部23にて回収することができる。
<第2の制御動作>
図11は、部品供給装置2における第2の制御動作を示すフローチャートである。図12は、第2の制御動作を説明するための図である。図12に示す例では、パレット収容部22の第1マガジン221には、同種の部品B及び部品BBが保持された2枚のパレット60が予め収容され、部品切れパレット60Aが予め収容され、更には、部品切れパレットの回収に伴って1つの支持部221Aが空段となっている。また、パレット収容部22の第2マガジン222には、同種の部品C、部品CC及び部品CCCと、同種の部品D及び部品DDとが保持された5枚のパレット60が予め収容されている。そして、第1マガジン221に収容されていた、部品Aを保持したパレット60がパレット載置テーブル24に載置され、ヘッド部14によって部品Aが取り出されているものとする。このとき、第1マガジン221において、部品Aが保持されたパレット60を支持していた支持部221Aは、空段となっている。すなわち、第1マガジン221において2つの支持部221Aが空段となっている。
まず、ステップb1では、制御部50は、補給開始操作部232から送信される補給開始可能情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合にはステップb2に進む。一方、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けていない場合にはステップb1を繰り返す。すなわち、パレット移動制御部53は、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けるまで、ステップb2のパレット補給制御の実行を待機する。
第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合、図12(A)に示すように、補給開始操作部232が作業者によって操作され、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bのパレット収容部22に対する補給開始が可能な状態である。図12(A)に示す例では、部品AAを保持した補給パレット60Bがパレット補給回収部23に収容されている。このような状態では、部品供給装置2の周辺に作業者がいることが想定される。なお、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合には、それよりも前に第2情報受付部55は、補給用パレット収容情報を受付けている。
第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた状態において、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、補給パレット60Bを補給すべき支持部221Aの空段がパレット補給回収部23のパレット載置面23Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図12(B)参照)。そして、ステップb2においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット補給制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット補給制御を実行すると、図12(B)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bが、パレット収容部22に移動される。これにより、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bを、パレット収容部22に対して補給することができる。
第2情報受付部55により受付けられた補給用パレット収容情報及び補給開始可能情報に応じたパレット補給制御の実行後のステップb3において、制御部50は、パレット交換要求情報を第1情報受付部54が受付けたか否かを判断する。具体的には、制御部50は、部品切れ判定部31から送信される部品切れ交換要求情報、又は、品種切替え判定部32から送信される品種切替え交換要求情報を、第1情報受付部54が受付けたか否かを判断する。第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けた場合にはステップb4に進む。一方、第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けていない場合にはステップb8に進む。
以下の説明では、第1情報受付部54がパレット交換要求情報として部品切れ交換要求情報を受付けたものとする。第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けた状態では、図12(B)に示すように、パレット載置テーブル24には、部品切れパレット60Aが載置されている。このような状態で、ステップb4において制御部50は、部品切れパレット収容判定部43から送信される部品切れパレット収容情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けた場合にはステップb5に進む。一方、第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けていない場合にはステップb5を飛ばしてステップb6に進む。
第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けた場合、図12(B)に示すように、パレット収容部22には、部品切れパレット60Aが収容されている。このような状態で、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aがパレット補給回収部23のパレット載置面23Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図12(C)参照)。そして、ステップb5においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット回収制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット回収制御を実行すると、図12(C)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aが、パレット補給回収部23に移動される。これにより、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aを、パレット補給回収部23にて回収することができる。
第2情報受付部55により受付けられた部品切れパレット収容情報に応じたパレット回収制御の実行後のステップb6において、パレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、ステップb3において第1情報受付部54により受付けられたパレット交換要求情報に応じた第1パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第1パレット交換制御を実行すると、第1パレット移動部26によって、パレット載置テーブル24に載置された部品切れパレット60Aが、パレット収容部22に移動される。
次いで、ステップb7においてパレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、第2パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第2パレット交換制御を実行すると、第1パレット移動部26によって、パレット収容部22に収容されたパレット60が、パレット載置テーブル24に移動される。これにより、ステップb3において第1情報受付部54が受付けたパレット交換要求情報に応じて、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させることができる。
ステップb3において第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けていない状態で、ステップb8において制御部50は、部品切れパレット収容判定部43から送信される部品切れパレット収容情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けた場合にはステップb9に進む。一方、第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けていない場合にはステップb9を飛ばして制御動作を終了する。
ステップb9においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット回収制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット回収制御を実行すると、図12(C)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aが、パレット補給回収部23に移動される。これにより、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aを、パレット補給回収部23にて回収することができる。
以上説明したように、第2の制御動作では、パレット補給制御(ステップb2)の実行後において、第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けると、パレット移動制御部53は、第1パレット移動部26の制御による第1及び第2パレット交換制御よりも、第2パレット移動部28の制御によるパレット回収制御を優先して実行する。これにより、作業者は、パレット補給回収部23に対する補給パレットの補給作業に引き続いて、パレット補給回収部23からの部品切れパレットの回収作業を行うことができる。このため、作業者による補給作業後における回収作業までの無駄な待機時間の発生を回避することができる。従って、作業者による、パレット補給回収部23におけるパレット60の補給及び回収の作業の負荷を軽減することができる。
<第3の制御動作>
図13は、部品供給装置2における第3の制御動作を示すフローチャートである。図14は、第3の制御動作を説明するための図である。図14に示す例では、パレット収容部22の第1マガジン221には、同種の部品B及び部品BBが保持された2枚のパレット60が予め収容され、部品切れパレット60Aが予め収容され、更には、部品切れパレットの回収に伴って1つの支持部221Aが空段となっている。また、パレット収容部22の第2マガジン222には、同種の部品C、部品CC及び部品CCCと、同種の部品D及び部品DDとが保持された5枚のパレット60が予め収容されている。そして、第1マガジン221に収容されていた1枚のパレットがパレット載置テーブル24に載置され(図14に示す例では、パレット60Aが対応している)、そのパレットの部品がヘッド部14によって取り出されて部品切れの状態であるものとする。このとき、第1マガジン221において、パレット載置テーブル24に載置されるパレットを支持していた支持部221Aは、空段となっている。すなわち、第1マガジン221において2つの支持部221Aが空段となっている。
まず、ステップc1では、制御部50は、パレット交換要求情報を第1情報受付部54が受付けたか否かを判断する。具体的には、制御部50は、部品切れ判定部31から送信される部品切れ交換要求情報、又は、品種切替え判定部32から送信される品種切替え交換要求情報を、第1情報受付部54が受付けたか否かを判断する。第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けた場合にはステップc2に進む。一方、第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けていない場合にはステップc1を繰り返す。
以下の説明では、第1情報受付部54がパレット交換要求情報として部品切れ交換要求情報を受付けたものとする。第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けた状態では、図14(A)に示すように、パレット載置テーブル24には、部品Aが部品切れとなった部品切れパレット60Aが載置されている。このような状態で、ステップc2においてパレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、ステップc1において第1情報受付部54により受付けられたパレット交換要求情報に応じた第1パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第1パレット交換制御を実行すると、図14(A)に示すように、第1パレット移動部26によって、パレット載置テーブル24に載置された部品切れパレット60Aが、パレット収容部22に移動される。
第1情報受付部54により受付けられたパレット交換要求情報に応じた第1パレット交換制御の実行後のステップc3において、制御部50は、補給開始操作部232から送信される補給開始可能情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合にはステップc4に進む。一方、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けていない場合にはステップc4、ステップc5及びステップc6を飛ばしてステップc7に進む。
第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合、図14(A)に示すように、補給開始操作部232が作業者によって操作され、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bのパレット収容部22に対する補給開始が可能な状態である。図14(A)に示す例では、部品AAを保持した補給パレット60Bがパレット補給回収部23に収容されている。このような状態では、部品供給装置2の周辺に作業者がいることが想定される。なお、第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた場合には、それよりも前に第2情報受付部55は、補給用パレット収容情報を受付けている。
ステップc4において制御部50は、部品切れパレット収容判定部43から送信される部品切れパレット収容情報を、第2情報受付部55が受付けたか否かを判断する。第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けた場合にはステップc5に進む。一方、第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けていない場合にはステップc8に進む。
ステップc3において第2情報受付部55が補給開始可能情報を受付けた状態で、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、補給パレット60Bを補給すべき支持部221Aの空段がパレット補給回収部23のパレット載置面23Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図14(B)参照)。そして、ステップc5においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット補給制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット補給制御を実行すると、図14(B)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bが、パレット収容部22に移動される。これにより、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bを、パレット収容部22に対して補給することができる。
ステップc5におけるパレット移動制御部53によるパレット補給制御の実行後において、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aがパレット補給回収部23のパレット載置面23Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図14(C)参照)。そして、ステップc6においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット回収制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット回収制御を実行すると、図14(C)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aが、パレット補給回収部23に移動される。これにより、パレット収容部22に収容された部品切れパレット60Aを、パレット補給回収部23にて回収することができる。
第2情報受付部55により受付けられた部品切れパレット収容情報に応じたパレット回収制御の実行後のステップc7において、パレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、第2パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第2パレット交換制御を実行すると、第1パレット移動部26によって、パレット収容部22に収容されたパレット60が、パレット載置テーブル24に移動される。これにより、ステップc1において第1情報受付部54が受付けたパレット交換要求情報に応じて、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させることができる。
ステップc4において第2情報受付部55が部品切れパレット収容情報を受付けていない状態で、ステップc8においてパレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、第2パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第2パレット交換制御を実行すると、第1パレット移動部26によって、パレット収容部22に収容されたパレット60が、パレット載置テーブル24に移動される。次いで、ステップc9においてパレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、パレット補給制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット補給制御を実行すると、第2パレット移動部28によって、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bが、パレット収容部22に移動される。これにより、パレット補給回収部23に収容された補給パレット60Bを、パレット収容部22に対して補給することができる。
以上説明したように、第3の制御動作では、第1パレット交換制御(ステップc2)の実行後において、第2パレット交換制御の実行前に第2情報受付部55が補給開始可能情報及び部品切れパレット収容情報を受付けると、パレット移動制御部53は、第1パレット移動部26の制御による第2パレット交換制御よりも、第2パレット移動部28の制御によるパレット補給制御及びパレット回収制御を優先して実行する。これにより、作業者は、パレット補給回収部23に対する補給パレットの補給作業に引き続いて、パレット補給回収部23からの部品切れパレットの回収作業を行うことができる。このため、作業者による補給作業後における回収作業までの無駄な待機時間の発生を回避することができる。従って、作業者による、パレット補給回収部23におけるパレット60の補給及び回収の作業の負荷を軽減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る部品供給装置2は、パレット60のヘッド部14への供給動作と、パレット補給回収部23を用いたパレット60の補給及び回収動作とがパレット収容部22を介して行われる部品供給装置である。このような部品供給装置2において、第1情報受付部54が、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60の交換要求を示すパレット交換要求情報を受付ける。また、第2情報受付部55が、パレット補給回収部23におけるパレット60の補給及び回収の準備状況に関する補給回収準備情報を受付ける。そして、第1情報受付部54及び第2情報受付部55の各々における情報の受付タイミングに応じて、パレット移動制御部53は、第1パレット移動部26及び第2パレット移動部28に対する制御の優先順位を切替える。
これにより、作業者は、部品供給装置2によるヘッド部14への部品の供給に伴って部品切れパレットが発生する毎に、パレット補給回収部23に対する補給パレットの補給作業と、パレット補給回収部23からの部品切れパレットの回収作業とを行う必要がなくなる。このため、作業者は、部品供給装置2のもとに高頻度で行く必要がなくなる。従って、パレット60のヘッド部14への供給動作の停止時間を可及的に短くしつつ、作業者による、パレット補給回収部23におけるパレット60の補給及び回収の作業の負荷を軽減することが可能な部品供給装置とすることができる。
また、本実施形態に係る部品実装機1は、パレット60のヘッド部14への供給動作の停止時間を可及的に短くしつつ、作業者による、パレット補給回収部23におけるパレット60の補給作業及び回収作業の負荷の軽減が可能な部品供給装置2を備えている。このため、作業者による補給作業及び回収作業の効率化が図られ、ひいては、部品供給装置2からの部品の供給が停止される期間を可及的に短くすることができる。これにより、部品実装機1による実装基板の生産効率の低下を可及的に抑止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形実施形態を採ることができる。図15は、部品供給装置の変形例である部品供給装置2Aを示す図である。部品供給装置2Aは、パレット収容部22Aの構成が、上記の部品供給装置2のパレット収容部22と異なる。このこと以外は上記の部品供給装置2と同様に構成されているので、部品供給装置2Aの構成に関する詳細な説明は、省略する。
部品供給装置2Aのパレット収容部22Aは、残数が所定値以下の部品と同種の部品を保持した代替パレットを、予め収容するための予備収容空間223を有している。図15に示す例では、パレット収容部22Aを構成する第1マガジン221及び第2マガジン222のうち、第2マガジン222に予備収容空間223が形成されている。第2マガジン222の予備収容空間223では、支持部222Aがパレットを支持していない空段とされている。部品供給装置2Aにおいては、第2マガジン222の予備収容空間223内の空段とされた支持部222Aが、代替パレットを支持する支持部として機能する。
部品供給装置2Aにおいてパレット移動制御部53は、第1情報受付部54及び第2情報受付部55の各々が情報を受付けていない状態であるときに、パレット補給回収部23からパレット収容部22Aの予備収容空間223への、第2パレット移動部26による代替パレットの移動を許可する。
部品供給装置2Aにおける制御動作について、図16を参照して説明する。図16は、部品供給装置2Aにおける制御動作を説明するための図である。図16に示す例では、パレット収容部22の第1マガジン221には、同種の部品AA及び部品AAAと、同種の部品B及び部品BBとが保持された4枚のパレット60が予め収容されている。また、パレット収容部22の第2マガジン222には、同種の部品C、部品CC及び部品CCCが保持された3枚のパレット60が予め収容されている。更に第2マガジン222には、空段とされた2つの支持部222Aを含む予備収容空間223が形成されている。そして、図16(A)に示すように、第1マガジン221に収容されていた、部品Aを保持したパレット60がパレット載置テーブル24に載置され、ヘッド部14によって部品Aが取り出されているものとする。このとき、第1マガジン221において、部品Aが保持されたパレット60を支持していた支持部221Aは、空段となっている。
第1情報受付部54及び第2情報受付部55の各々が情報を受付けていない状態であるときに、作業者は、パレット補給回収部23に対して代替パレット60Cを補給する補給作業を行う。図16(B)に示す例では、部品Dを保持した代替パレット60Cがパレット補給回収部23に対して補給されている。
代替パレット60Cの補給作業が終了すると、作業者は、第2扉体231を閉鎖し、パレット補給回収部23に近設される補給開始操作部232を操作する(図16(B)参照)。作業者により補給開始操作部232が操作されると、当該補給開始操作部232から補給開始可能情報が送信される。
第2情報受付部55が補給開始操作部232から送信される補給開始可能情報を受付けると、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、代替パレット60Cを補給すべき予備収容空間223内の支持部222Aの空段がパレット補給回収部23のパレット載置面23Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図16(B)参照)。そして、パレット移動制御部53は、第2パレット移動部28を制御し、代替パレット60Cのパレット補給制御を実行する。パレット移動制御部53がパレット補給制御を実行すると、図16(B)に示すように、第2パレット移動部28によって、パレット補給回収部23に収容された代替パレット60Cが、パレット収容部22の予備収容空間223に移動される。これにより、パレット補給回収部23に収容された代替パレット60Cを、パレット収容部22の予備収容空間223に対して補給することができる。
部品供給装置2Aでは、パレット収容部22の予備収容空間223への代替パレット60Cの補給動作中において、第1情報受付部54がパレット交換要求情報を受付けると、代替パレット60Cの補給動作を中断し、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60の交換制御動作、及び、パレット補給回収部23を用いたパレット60の補給及び回収制御動作が実行される。部品供給装置2Aにおけるパレット60の交換制御動作及び補給回収制御動作は、上記の部品供給装置2における制御動作(第1乃至第3の制御動作)と同様である。
例えば、部品供給装置2Aにおいて、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60に部品切れが発生した場合の制御動作は、以下の通りである。この場合、図16(C)に示すように、パレット載置テーブル24には、部品切れパレット60Aが載置された状態となる。そして、第1情報受付部54が、部品切れ判定部31から送信される部品切れ交換要求情報を受付ける。
第1情報受付部54が部品切れ交換要求情報を受付けると、収容移動制御部51は収容部移動機構25を制御し、パレット収容部22の第1マガジン221における空段がパレット載置テーブル24のパレット載置面24Aと同じ高さ位置となるように、パレット収容部22をZ方向に移動させる(図16(C)参照)。そして、パレット移動制御部53は、第1パレット移動部26を制御し、ステップb3において第1情報受付部54により受付けられたパレット交換要求情報に応じた第1パレット交換制御を実行する。パレット移動制御部53が第1パレット交換制御を実行すると、図16(C)に示すように、第1パレット移動部26によって、パレット載置テーブル24に載置された部品切れパレット60Aが、パレット収容部22の第1マガジン221における空段に移動される。これにより、第1情報受付部54が受付けた部品切れ交換要求情報に応じて、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間で部品切れパレット60Aを移動させることができる。
部品供給装置2Aでは、パレット載置テーブル24に載置されたパレット60における部品切れや品種切替えに伴う、パレット補給回収部23に対するパレット60の補給作業及び回収作業が発生しない状態で、その待機時間を利用して作業者は、代替パレット60Cをパレット補給回収部23に対して補給する補給作業を行うことができる。そして、パレット移動制御部53における第2パレット移動部28の制御によって、パレット補給回収部23とパレット収容部22との間で代替パレット60Cを移動させることができる。これにより、パレット補給回収部23を介してパレット収容部22の予備収容空間223に代替パレット60Cを補給することができる。
また、上記の実施形態では、第1情報受付部54及び第2情報受付部55の各々における情報の受付タイミングに応じてパレット移動制御部53が、第1パレット移動部26及び第2パレット移動部28によるパレット60の移動動作を、自動的に制御する構成について説明した。部品供給装置2,2Aは、第1パレット移動部26及び第2パレット移動部28の、いずれの移動部の制御を優先して実行させるかを、作業者の指示に基づき切替え可能に構成されてもよい。このような構成では、使い勝手が良好な部品供給装置とすることができる。
以上説明した部品供給装置及び部品実装機は、本発明にかかる部品供給装置及び部品実装機の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。