JP2017199805A - 振り込み治具およびそれを用いた電子部品の製造方法 - Google Patents

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孝太郎 清水
Kotaro Shimizu
孝太郎 清水
和哉 佐々田
Kazuya Sasada
和哉 佐々田
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Abstract

【課題】振り込み治具と移載治具とが当接した場合にも、両者が強固に密着することを防止し、移載工程を実施することが困難になることや、両者を引き離す際に振り込み治具や移載治具が破損することのない振り込み治具および電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】主面10aに開口20aが臨むように配設された、電子部品素子11が振り込まれる複数の凹部20を備える振り込み治具10において、振り込み治具本体21と、振り込み治具本体の表面に配設されて振り込み治具10の主面10aを構成する、振り込み治具本体よりも粘着性の小さい材料からなるコーティング層22とを備えた構成とする。コーティング層を、フッ素化合物もしくはシリコン化合物を含む材料から構成する。
振り込み治具10の凹部20の深さ方向の寸法Dを、電子部品素子の第1の端面11aから第2の端面11bに向かう方向である長さ方向の寸法Lより大きくする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品素子の振り込み治具、および、電子部品の製造方法に関し、詳しくは、電子部品を製造する工程で、電子部品素子を整列させたり、移載したりする際などに用いられる振り込み治具、および、該振り込み治具を用いた電子部品の製造方法に関する。
例えば、表面実装型の積層セラミックコンデンサなどの電子部品は、電子部品素子の一方の端面に引き出された第1内部電極と導通する第1外部電極と、電子部品素子の他方の端面に引き出された第2内部電極と導通する第2外部電極とを、電子部品素子の端面に形成する工程を経て製造されている。
そして、電子部品素子に第1および第2外部電極を形成する方法として、例えば、特許文献1に記載されているような外部電極の形成方法が知られている。
この特許文献1の方法の場合、以下に説明する方法で、電子部品素子101に、焼成後に第1外部電極102a、第2外部電極102bとなる導電性ペースト130が付与されるように構成されている(図11参照)。
まず、図12(a)に示すように、電子部品素子(チップ)101を、ベッド112の表面に電子部品素子を整列させるための凹部111を有する案内板113を配設した振り込み治具110の、上記凹部111に振り込んで整列させる。それから、図12(b)に示すように、ベッド121の表面に、粘着材(シリコーンゴム)122を配設してなる移載治具120と、電子部品素子101とを圧接させ、電子部品素子101を粘着材122に粘着、保持させることにより、図12(c)に示すように、電子部品素子101を移載治具120に移載する。
そして、図13(a)、(b)に示すような手順で、電子部品素子101の一端側を外部電極形成用の導電性ペースト130に浸漬することにより、図13(c)に示すように、電子部品素子101の一端側に導電性ペースト、すなわち、焼成後に第1外部電極102aとなる導電性ペースト130を付与する。
次に、電子部品素子101に付与された導電性ペースト130を乾燥させた後、図14(a)、(b)に示すように、電子部品素子101を保持した移載治具を反転させた状態で、フィルム141の表面に熱発泡剥離粘着剤142を配設してなるシート140と、電子部品素子101の導電性ペースト130が付与された方の端面を圧接させる。それから図14(c)に示すように、シート140と移載治具120とを引き離すことにより、電子部品素子101をプレート140に移載する。
次に、図15(a)、(b)に示すような手順で、電子部品素子101の他端側を外部電極形成方の導電性ペースト130に浸漬することにより、図15(c)に示すように、電子部品素子101の他端側に導電性ペースト、すなわち、焼成後に第2外部電極102bとなる導電性ペースト130を付与する。
特開2007−266208号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法の場合、電子部品素子101を、移載治具に移載する際に、移載治具120と、振り込み治具110を近接させることが必要になる(図12(b))。
そして、このとき、電子部品素子101の長さ寸法が、凹部111の深さ寸法より十分に大きい場合には問題はないが、電子部品素子101の長さ寸法と、凹部111の深さ寸法との差が小さくなると、振り込み治具110の主面と、移載治具120を構成する粘着材122の主面とが当接するおそれが生じる。
そして、振り込み治具110の主面と、移載治具120を構成する粘着材122の主面とが当接すると、両者が強固に密着してしまい、電子部品素子101の移載工程を実施することが困難になったり、両者を無理に引き離そうとすると、振り込み治具110や移載治具120の粘着材122が破損したりするという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、振り込み治具の主面と、移載治具の主面とが当接した場合にも、振り込み治具の主面と、移載治具の主面とが強固に密着してしまうことを抑制、防止することが可能で、両者が強固に密着することに起因して、電子部品素子の移載工程を実施することが困難になったり、両者を引き離す際に、振り込み治具や移載治具が破損したりすることのない振り込み治具およびそれを用いた電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の振り込み治具は、
主面に開口し、それぞれに電子部品素子が振り込まれる複数の凹部を備える振り込み治具であって、
振り込み治具本体と、
前記振り込み治具本体の表面に配設されて前記主面を構成する、前記振り込み治具本体よりも粘着性の小さいコーティング層と
を備えていることを特徴としている。
本発明の振り込み治具において、前記コーティング層は、フッ素化合物もしくはシリコン化合物を含む材料から構成されていることが好ましい。
また、本発明の電子部品の製造方法は、
上記本発明の構成を備えた振り込み治具を準備する工程と、
粘着性と弾性を有する粘着弾性体から構成された主面を有する移載冶具を準備する工程と、
前記振り込み冶具の、前記凹部に電子部品素子を振り込む工程と、
前記移載治具の前記主面と、前記振り込み治具の前記主面とを対向させて、前記移載治具の主面と前記振り込み治具の主面どうしを当接させ、前記振り込み治具の前記凹部に振り込まれた前記電子部品素子を、前記移載治具の前記主面に粘着、保持させる工程と、
前記振り込み治具と前記移載治具とを引き離すことにより、前記電子部品素子を、前記振り込み治具から前記移載治具に移載する工程と
を備えていることを特徴としている。
また、本発明の電子部品の製造方法においては、前記粘着弾性体に保持された前記電子部品素子の所定領域を導電性ペーストに浸漬することにより、前記電子部品素子の前記所定領域に導電性ペーストを付与する工程をさらに備えていることが好ましい。
また、前記電子部品素子は、積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層を含む積層体であって、第1の主面および前記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面に直交する第1の端面および前記第1の端面と対向する第2の端面と、前記第1の端面に直交する第1の側面および前記第1の側面と対向する第2の側面とを備える直方体形状を有し、前記第1の主面から前記第2の主面に向かう方向が前記誘電体層および前記内部電極層の積層方向となり、かつ、前記複数の内部電極層が交互に前記第1の端面および第2の端面に引き出された構造を有し、
前記振り込み治具の前記凹部の、前記主面に直交する方向である深さ方向の寸法が、前記電子部品素子の前記第1の端面から前記第2の端面に向かう方向である長さ方向の寸法と同じか、または前記長さ方向の寸法より大きく、
前記電子部品素子が、前記凹部に、前記電子部品素子の前記長さ方向が、前記凹部の深さ方向に沿う姿勢で振り込まれるように構成されていること
が好ましい。
また、前記電子部品素子は、前記長さ方向の寸法が0.3〜1.5mm、前記第1の側面から前記第2の側面に向かう方向の寸法である幅方向の寸法が0.1〜0.7mm、前記第1の主面から前記第2の主面に向かう方向の寸法である厚さ方向の寸法が0.05〜0.5mmのものであることが好ましい。
本発明の振り込み治具は、振り込み治具本体と、振り込み治具本体の表面に配設されて、電子部品素子が振り込まれる凹部の開口が臨む主面を構成する、振り込み治具本体よりも粘着性の小さいコーティング層とを備えているので、振り込み治具の凹部に振り込まれた電子部品素子を移載治具に移載する際に、振り込み治具の主面と、移載治具の主面とが当接した場合にも、振り込み治具の主面と、移載治具の主面とが強固に密着してしまうことを防止することが可能になる。
その結果、振り込み治具の主面と、移載治具の主面とが強固に密着してしまうことに起因して、電子部品素子の移載工程を実施することが困難になったり、両者を引き離す際に、振り込み治具あるいは移載治具が破損したりすることのない振り込み治具を提供することが可能になる。
また、本発明の電子部品の製造方法は、上記本発明にかかる振り込み治具と、粘着性と弾性を有する粘着弾性体から構成された主面を有する貼り付け冶具を準備し、振り込み冶具の凹部に電子部品素子を振り込み、移載治具の主面と、振り込み治具の主面とを対向させて、移載治具の主面と振り込み治具の主面どうしを当接させ、振り込み治具の凹部に振り込まれた電子部品素子を、移載治具の粘着弾性体から構成された主面に粘着、保持させ、振り込み治具と移載治具とを引き離すことにより、電子部品素子を振り込み治具から移載治具に移載するようにしているので、振り込み治具の主面と、移載治具の主面とが強固に密着してしまうことを防止することが可能になる。その結果、振り込み治具の主面と移載治具の主面とが強固に密着してしまうことに起因して、電子部品素子の移載工程を実施することが困難になったり、両者を引き離す際に、振り込み治具や移載治具が破損したりすることを防止して、電子部品を効率よく製造することが可能になる。
本発明の実施形態にかかる振り込み治具を用いて製造される電子部品である積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図である。 図1のI−I線断面図である。 本発明の実施形態にかかる振り込み治具を移載治具とともに示す断面図であって、(a)は、ふりこみ治具を移載治具とともに示す正面断面図、(b)は振り込み治具の要部を拡大して示す図である。 本発明の実施形態にかかる振り込み治具の凹部に電子部品素子を振り込んだ状態を示す断面図である。 本発明の実施形態にかかる振り込み治具から移載治具に電子部品素子を移載するにあたって、移載治具の主面を振り込み治具の主面に圧接した状態を示す断面図である。 図5に示す状態から、振り込み治具と移載治具とを引き離して、電子部品素子を移載治具に移載した状態を示す図である。 本発明の実施形態にかかる電子部品の製造方法の一工程において、電子部品素子の第2の端面に導電性ペーストを付与する方法を示す図であって、(a)は電子部品素子を導電性ペーストに浸漬している状態を示し、(b)は電子部品素子を導電性ペーストに浸漬した後の状態を示す図である。 本発明の実施形態にかかる電子部品の製造方法の一工程において、電子部品素子に付与した導電性ペーストを乾燥させる工程を示す図である。 本発明の実施形態にかかる電子部品の製造方法の一工程において、電子部品素子を移載治具(第1の移載治具)から第2の移載治具に移載した状態を示す図である。 本発明の実施形態にかかる電子部品の製造方法の一工程において、第2の移載治具に移載した電子部品素子の第1の端面に導電性ペーストを導電性ペーストを付与する方法を示す図であって、(a)は電子部品素子を導電性ペーストに浸漬している状態を示し、(b)は電子部品素子を導電性ペーストに浸漬した後の状態を示す図である。 従来の外部電極形成方法により外部電極が形成されたチップ状電子部品を示す図である。 従来の外部電極形成方法のチップ供給貼り付け工程を示す図である。 従来の外部電極形成方法の第1電極塗布工程を示す図である。 従来の外部電極形成方法のチップ受け渡し工程を示す図である。 従来の外部電極形成方法の第2電極塗布工程を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態]
この実施形態では、図1および図2に示すように、誘電体層であるセラミック層1を介して、内部電極層2、詳しくは、第1内部電極層2a、および第2内部電極層2bが積層されてなる積層体である電子部品素子11と、電子部品素子11の第1の端面11aに引き出された第1内部電極層2aと導通する第1外部電極3aと、電子部品素子11の第2の端面11bに引き出された第2内部電極層2bと導通する第2外部電極3bとを備えた電子部品である積層セラミックコンデンサAを製造する場合に用いられる振り込み治具、およびそれを用いた積層セラミックコンデンサAの製造方法について説明する。
この実施形態の電子部品素子11は、さらに具体的には、積層された複数の誘電体層であるセラミック層1と複数の内部電極層、すなわち、第1内部電極層2a、および第2内部電極層2bを含む積層体であって、第1の端面11aおよび第1の端面11aと対向する第2の端面11bと、第1の主面11cおよび第1の主面11cと対向する第2の主面11dと、第1の主面11cに直交する第1の側面11eおよび第1の側面11eと対向する第2の側面11fとを備える直方体形状を有し、第1の主面11cから第2の主面11dに向かう方向がセラミック層1および内部電極層2a、2bの積層方向となり、かつ、複数の内部電極層2a、2bが交互に第1の端面11aおよび第2の端面11bに引き出された構造を有している。
そして、本発明の振り込み治具10およびそれを用いた電子部品の製造方法は、上述の電子部品素子11の、第1の端面11aから第2の端面11bに向かう方向の寸法である長さ方向の寸法(以下、単に「長さ」ともいう)Lが0.3〜1.5mm、第1の側面11eから第2の側面11fに向かう方向の寸法である幅方向の寸法(以下、「幅」ともいう)Wが0.1〜0.7mm、第1の主面11cから第2の主面11dに向かう方向の寸法である厚さ方向の寸法(以下、単に「厚さ」ともいう)Tが0.05〜0.5mmのものである場合に好ましく適用することができる。
具体的には、各部の寸法、すなわち、長さL、幅W、厚さTが、それぞれ、
(a)L:1.0mm、W:0.5mm、T:0.5mm、
(b)L:1.0mm、W:0.5mm、T:0.15mm、
(c)L:1.0mm、W:0.5mm、T:0.1mm
(d)L:1.0mm、W:0.5mm、T:0.08mm
の電子部品素子11が、本発明の振り込み治具およびそれを用いた電子部品の製造方法において好適に取り扱われる電子部品素子の例として挙げられる。
第1内部電極層2a、第2内部電極層2bとしては、Niを主成分とする電極材料からなるものが用いられている。また、第1内部電極層2aと第2内部電極層2bは、図2に示されているように、それぞれがセラミック層1を介して対向し、電子部品素子11の互いに対向する第1の端面11aと第2の端面11bのうちの異なる端面に交互に引き出されている。
そして、第1の端面11a引き出された第1内部電極層2aは、電子部品素子11の第1の端面11aに形成された第1外部電極3aに電気的に接続され、第2の端面11b引き出された第2内部電極層2bは、電子部品素子11の第2の端面11bに形成された第2外部電極3bに電気的に接続されている。
また、第1外部電極3aを構成する第1外部電極本体3a1、および、第2外部電極3bを構成する第2外部電極本体3b1は、CuもしくはNiを主成分とする焼結金属層から構成されており、第1外部電極本体3a1、第2外部電極本体3b1を覆うように、Niめっき層3a2、3b2、および、Snめっき層3a3、3b3がそれぞれ形成されている。
次に、本発明の実施形態にかかる振り込み治具、およびそれを用いて上述の積層セラミックコンデンサAを製造する方法について説明する。
<振り込み治具>
図3(a)は、本発明の実施形態にかかる振り込み治具を、第1の移載治具とともに示す正面断面図、図3(b)は振り込み治具の要部を拡大して示す図である。
この実施形態にかかる振り込み治具10は、それぞれに電子部品である積層セラミックコンデンサAを構成する電子部品素子11が振り込まれる複数の凹部20を備えており、凹部20は、その開口20aが振り込み治具10の主面10aに臨むように形成されている。また、開口部20aは、電子部品素子11の振り込みが促されるように、開口部20aの下側の領域に比べて平面面積が大きく形成されている。ただし、凹部20の具体的な構造については特別の制約はない。
また、この実施形態にかかる振り込み治具10は、板状の振り込み治具本体21と、振り込み治具本体21の表面に配設されて、上述の主面10aを構成するコーティング層22とを備えている。
上述の振り込み治具本体21は通常、必要な剛性を有する金属材料や、樹脂材料などから構成することができるが、本発明の振り込み治具10において具体的な構成材料の種類に特別の制約はない。
そして、コーティング層22は粘着性の小さい材料から構成されている。すなわち、コーティング層22は後述する、電子部品素子11を移載するための第1の移載治具(以下、単に「移載治具」ともいう)50の主面50aを構成する、粘着性と弾性を有する粘着弾性体52と密着することがないように、振り込み治具本体21よりも、移載治具50の粘着弾性体52との粘着性の小さい材料から構成されている。
これは、移載治具50の主面50aを構成する粘着弾性体52とコーティング層22とを互いに圧接した場合にも、容易に両者を剥離させて、粘着弾性体52とコーティング層22とにダメージを与えることなく、両者を引き離すことができるようにするためである。
コーティング層22は、例えば、フッ素化合物、あるいは、Si化合物を、溶射したり、スプレーして塗布した後、熱処理を行ったりすることにより形成することができる。
また、コーティング層22は、例えば、フッ素をプラズマ化して、振り込み治具本体の表面に堆積させることによっても形成することも可能である。
また、コーティング層22の振り込み治具本体21への密着は、振り込み治具本体21の表面を粗らしてアンカー効果を生じさせたり、分子間結合を生じさせたりする方法などによって実現することができる。
なお、コーティング層22は凹部20の内部に形成されていてもよい。また、コーティング層22の厚みは0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、硬度は、鉛筆硬度で9H以上であることが好ましい。
また、この実施形態にかかる振り込み治具10の凹部20は、その深さ方向の寸法(以下、「深さ」ともいう)Dが、振り込まれる電子部品素子11の長さLと同じか、わずかに大きく、例えば、0.1mm程度大きくなるように構成されている。すなわち、電子部品素子11が、その長さ方向が、凹部20の深さ方向に沿うような姿勢で凹部20に振り込まれた場合に、振り込み治具10の主面10aから電子部品素子11の上端部が突出することがないように構成されている。
なお、上述のように、振り込み治具10の凹部20の深さDを、電子部品素子11の長さLと同じか、長さLよりもわずかに大きくして、振り込み治具10の主面10aから電子部品素子11の上端部が突出しないようにすることにより、電子部品素子11を、振り込み治具10の平坦な主面10aを滑らかに移動させて、凹部20に効率よく振り込まれるようにすることが可能になる。
なお、振り込まれた電子部品素子11の上端が凹部20から突出していると、電子部品素子11が振り込み治具10の主面10aを移動する際に、振り込まれた電子部品素子11の突出している部分に妨げられて、振り込み治具10の凹部20への充填率の低下、振り込み治具10の主面10aへの電子部品素子11の停滞や残留を引き起こす場合がある。
また、電子部品素子11が薄く、扁平な形状を有するものである場合、機械的強度が必ずしも大きくないので、そのような電子部品素子11が振り込まれた電子部品素子11の突出部分に衝突すると、電子部品素子11が損傷するおそれがあるが、この実施形態の振り込み治具10の場合には、そのような不具合を回避することが可能になり、特に有意義である。
また、後述するように、本発明の電子部品の製造方法を実施する際に、振り込み治具10の凹部20に収容、保持された電子部品素子11は、移載治具50に移載される。そして、この移載治具50は、例えば、金属板からなるベース51に粘着性と弾性を有する粘着弾性体52を接合することにより形成されている。
また、移載治具50はヘッド53に保持されるように構成されている。
そして、この移載治具50を構成する粘着弾性体52として、シリコーンゴムが用いられている。電子部品素子11は、このシリコーンゴムからなる粘着弾性体52に粘着、保持されることで、振り込み治具10の凹部20から取り出され、例えば、次工程である導電性ペーストの塗布工程などに供給される。詳しくは、以下に説明する。
<振り込み治具を用いた電子部品の製造方法について>
次に、本発明の実施形態にかかる振り込み治具10を用いて上述の積層セラミックコンデンサAを製造する方法について説明する。なお、ここでは、電子部品素子11が、例えば、長さLが1.0mm、幅Wが0.5mm、厚さTが0.1mmの扁平な直方体形状のものである場合を例にとって説明する。
なお、図1および図2における電子部品素子11と、電子部品の製造方法を説明するのに用いた図3〜図11における電子部品素子11とは、長さL、幅W、厚さTの比などが異なっているが、図1および図2は、内部構造を理解しやすいように、電子部品素子11の厚さTを大きくして示したものであり、図3〜図11における電子部品素子11と、図1および2の電子部品素子11の基本的構造は同じである。
まず、上述の振り込み治具10を準備するとともに、電子部品素子11を移載するための治具として、上述の移載治具50を用意する。
そして、図4に示すように、振り込み冶具10の、凹部20に電子部品素子11を振り込む。なお、振り込み工程では、振り込み治具10を特に図示しないシェーカにセットして、所定の振動を加えながら電子部品素子11の振り込みを行う。なお、シェーカは、振り込み治具10を振動させながら、その主面10aの水平方向に対する角度、すなわち傾斜を所定の大きさ、所定の周期で変化させることができるように構成されている。
このとき、凹部20は、その深さDが、振り込まれる電子部品素子11の長さLよりわずかに大きく、電子部品素子11が振り込み治具10の主面10aから突出することがないため、扁平な形状を有している電子部品素子11は障害物のない主面10aを、転動することなく滑らかに移動して効率よく凹部20に振り込まれる。
なお、電子部品素子11の上端が凹部20から、振り込み治具10の主面10aよりも上方に突出していると、電子部品素子11が扁平な形状を有している場合、その突出部分により、電子部品素子11が振り込み治具10の主面10a上を移動することが広い範囲において妨げられ、効率よく凹部20に振り込むことができなくなる。また、振り込まれた電子部品素子11の突出している部分に衝突することにより、電子部品素子11が損傷する場合がある。また、振り込み治具10の主面10aでの電子部品素子11の流れが悪くなると、振り込みに時間を要し、タクト時間が長くなって生産性の低下を招くおそれがある。
それから、図5に示すように、移載治具50の、粘着弾性体52から構成された主面50aを、振り込み治具10の、粘着性の小さいコーティング層22から構成された主面10aと対向するように位置させ、移載治具50の主面50aと振り込み治具10の主面10aとを当接させる。このとき所定の押圧力を加えて、移載治具50の粘着弾性体52を弾性変形させ、粘着弾性体52の一部を、振り込み治具10の凹部20に入り込ませる。
これにより、弾性変形した粘着弾性体52が、凹部20に振り込まれた電子部品素子11の上端に当接し、電子部品素子11が移載治具50の粘着弾性体52の粘着力により、移載治具50の、粘着弾性体52から構成される主面50aに粘着した状態となる。
次に、図6に示すように、例えば、移載治具50を上方に移動させて、振り込み治具10と移載治具50とを引き離すことにより、電子部品素子11を、振り込み治具10から移載治具50に移し替える。
このとき、振り込み治具10のコーティング層22は、振り込み治具本体21よりも粘着性が小さいため、仮にコーティング層22が存在しない場合には、移載治具50の主面50aを構成する粘着弾性体51と振り込み治具10の主面、すなわち、振り込み治具本体21の表面とが密着し、振り込み治具10と移載治具50とを引き離すときに、粘着弾性体52がダメージを受けてしまうような場合にも、粘着弾性体52にダメージを与えることなく、振り込み治具10と移載治具50とを引き離すことが可能になる。なお、粘着弾性体52とコーティング層22とが剥離しやすいことから、コーティング層22がダメージを受けることもない。
それから、図7(a)、(b)に示すように、移載治具50の粘着弾性体52に第1の端面11aが保持された状態の電子部品素子11の第2の端面11bを含む端部を、テーブル60上に導電性ペースト61を展開させることにより形成した導電性ペースト層61aに浸漬し(図7(a)参照)、引き上げることで、電子部品素子11の第2の端面11b、すなわち、粘着弾性体52に保持されていない方の端面11bを含む端部に導電性ペースト61を付与する(図7(b)参照)。
なお、ここでは、テーブル60上に導電性ペースト61を展開させることにより形成した導電性ペースト層61aに電子部品素子11を所定領域を浸漬して導電性ペーストを付与するようにしているが、槽内に貯留した導電性ペーストに電子部品素子の所定領域を浸漬するように構成することも可能である。
そして、図8に示すように、移載治具50を反転させた状態で、付与した導電性ペースト61を乾燥させた後、図9に示すように、第2の移載治具70に移載する。
第2の移載治具70は、ベース71に第1の移載治具50を構成する粘着弾性体52よりも粘着力が大きい粘着弾性体72が貼り付けられた構造を有している。そして、図9に示すように、この第2の移載治具70を、乾燥が行われた状態の導電性ペースト61を備えた、電子部品素子11の第2の端面11b側に押し当てた後、第1の移載治具50と第2の移載治具70を引き離すことにより、電子部品素子11は、第1の移載治具50の粘着弾性体52から、第1の移載治具50を構成する粘着弾性体52よりも粘着力の大きい粘着弾性体72を備えた第2の移載治具70に移載される。
それから、図10(a)、(b)に示すように、第2の移載治具70の粘着弾性体72に保持された電子部品素子11の第1の端面11aを含む端部を、テーブル60上に導電性ペースト61を展開させることにより形成した導電性ペースト層61aに浸漬し(図10(a)参照)、引き上げることで、電子部品素子11の第1の端面11a、すなわち、粘着弾性体72に保持されていない方の端面11aを含む端部に導電性ペースト61を付与する(図10(b)参照)。
なお、ここでも、テーブル60上に導電性ペースト61を展開させることにより形成した導電性ペースト層61aに電子部品素子11を所定領域を浸漬して導電性ペーストを付与するようにしているが、槽内に貯留した導電性ペーストに電子部品素子の所定領域を浸漬するように構成することも可能である。
その後、付与した導電性ペースト61を乾燥させた後、電子部品素子11を第2の移載治具70からかき取る。
それから、導電性ペースト61の付与、乾燥が行われた電子部品素子を所定の条件で熱処理して焼き付けることにより、第1外部電極3aを構成する第1外部電極本体3a1および第2外部電極3bを構成する第2外部電極本体3b1を形成する(図2参照)。
そして、第1外部電極本体3a1および第2外部電極本体3b1上に、Niめっき、Snめっきの順でめっきを施して、Niめっき層3a2、3b2、および、Snめっき層3a3、3b3を形成することにより、図1および2に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサAが得られる。
上記実施形態では、振り込み治具の凹部の深さDを、電子部品素子の長さLと同じか、長さLよりも大きくした場合、すなわち、本発明がより有意義である場合を例にとって説明したが、振り込み治具の凹部の深さDが、電子部品素子の長さLがよりも小さい場合にも本発明の振り込み治具を用いることが可能である。
また、上記実施形態では、電子部品素子が扁平な直方体形状を有するものである場合を例にとって説明したが、厚さが厚くて、端面形状が正方形に近い形状の電子部品素子にも、本発明の振り込み治具を用いることが可能であり、電子部品素子を効率よく、確実に振り込むことができる。
さらに、上記実施形態では、積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明したが、本発明はチップ型のインダクタや抵抗、LC複合部品などを製造する場合にも適用することが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、振り込み治具の具体的な構成、例えば、凹部の具体的な形状や、配設態様などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 セラミック層
2 内部電極層
2a 第1内部電極層
2b 第2内部電極層
3a 第1外部電極
3b 第2外部電極
3a1 第1外部電極本体
3b1 第2外部電極本体
3a2、3b2 Niめっき層
3a3、3b3 Snめっき層
10 振り込み治具
10a 振り込み治具の主面
11 電子部品素子(積層体)
11a 第1の端面
11b 第2の端面
11c 第1の主面
11d 第2の主面
11e 第1の側面
11f 第2の側面
20 凹部
20a 凹部の開口
21 振り込み治具本体
22 コーティング層
50 第1の移載治具
50a 第1の移載治具の主面
51 ベース
52 粘着弾性体
53 ヘッド
60 テーブル
61 導電性ペースト
61a 導電性ペースト層
70 第2の移載治具
71 第2の移載治具のベース
72 第2の移載治具の粘着弾性体
A 電子部品(積層セラミックコンデンサ)
D 凹部の深さ方向の寸法
L 電子部品素子の長さ方向の寸法
W 電子部品素子の幅方向の寸法
T 電子部品素子の厚さ方向の寸法

Claims (6)

  1. 主面に開口し、それぞれに電子部品素子が振り込まれる複数の凹部を備える振り込み治具であって、
    振り込み治具本体と、
    前記振り込み治具本体の表面に配設されて前記主面を構成する、前記振り込み治具本体よりも粘着性の小さいコーティング層と
    を備えていることを特徴とする振り込み治具。
  2. 前記コーティング層は、フッ素化合物もしくはシリコン化合物を含む材料から構成されていることを特徴とする請求項1の振り込み冶具。
  3. 請求項1または2記載の振り込み治具を準備する工程と、
    粘着性と弾性を有する粘着弾性体から構成された主面を有する移載冶具を準備する工程と、
    前記振り込み冶具の、前記凹部に電子部品素子を振り込む工程と、
    前記移載治具の前記主面と、前記振り込み治具の前記主面とを対向させて、前記移載治具の主面と前記振り込み治具の主面どうしを当接させ、前記振り込み治具の前記凹部に振り込まれた前記電子部品素子を、前記移載治具の前記主面に粘着、保持させる工程と、
    前記振り込み治具と前記移載治具とを引き離すことにより、前記電子部品素子を、前記振り込み治具から前記移載治具に移載する工程と
    を備えていることを特徴とする電子部品の製造方法。
  4. 前記粘着弾性体に保持された前記電子部品素子の所定領域を導電性ペーストに浸漬することにより、前記電子部品素子の前記所定領域に導電性ペーストを付与する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項3記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記電子部品素子は、積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層を含む積層体であって、第1の主面および前記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面に直交する第1の端面および前記第1の端面と対向する第2の端面と、前記第1の端面に直交する第1の側面および前記第1の側面と対向する第2の側面とを備える直方体形状を有し、前記第1の主面から前記第2の主面に向かう方向が前記誘電体層および前記内部電極層の積層方向となり、かつ、前記複数の内部電極層が交互に前記第1の端面および第2の端面に引き出された構造を有し、
    前記振り込み治具の前記凹部の、前記主面に直交する方向である深さ方向の寸法が、前記電子部品素子の前記第1の端面から前記第2の端面に向かう方向である長さ方向の寸法と同じか、または前記長さ方向の寸法より大きく、
    前記電子部品素子が、前記凹部に、前記電子部品素子の前記長さ方向が、前記凹部の深さ方向に沿う姿勢で振り込まれるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記電子部品素子は、前記長さ方向の寸法が0.3〜1.5mm、前記第1の側面から前記第2の側面に向かう方向の寸法である幅方向の寸法が0.1〜0.7mm、前記第1の主面から前記第2の主面に向かう方向の寸法である厚さ方向の寸法が0.05〜0.5mmのものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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