JP2017198406A - 減圧装置および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍サイクル装置の負荷変動によらず、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制可能な減圧装置を提供する。【解決手段】減圧装置14の絞り通路142に、冷媒通路の通路断面積が最も縮小した喉部14b、喉部14bよりも冷媒流れ上流側の冷媒通路の通路断面積を下流側に向かって縮小させる先細テーパ部14c、喉部14bよりも冷媒流れ下流側の冷媒通路の通路断面積を下流側に向かって拡大させる末広テーパ部14dを形成する。さらに、減圧装置14に、圧縮機吐出冷媒から分離された冷凍機油を先細テーパ部14c内の中心軸側へ導く冷凍機油導入管143を設ける。これにより、冷凍機油の有する熱エネルギによって喉部14bの下流側にポテンシャルコアの発生を抑制し、冷媒流量の変動を抑制できる。【選択図】図2

Description

本発明は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用される減圧装置、およびこれを備える冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用される減圧装置が開示されている。この特許文献1の減圧装置は、放熱器から流出した過冷却液相冷媒を流入させる本体部を備えている。本体部の内部には、冷媒に旋回流れを生じさせる旋回空間が形成されている。さらに、本体部には、旋回中心側の冷媒を減圧させて流出させる絞り通路としての機能を果たす冷媒流出口が形成されている。
そして、特許文献1の減圧装置では、旋回空間にて液相冷媒を旋回させることによって、旋回中心側の冷媒圧力を、冷媒が減圧沸騰する圧力(すなわち、キャビテーションを生じる圧力)まで低下させている。これにより、旋回空間へ流入する冷媒の状態によらず、気液二相状態となった冷媒を確実に冷媒流出口へ流入させて、冷媒流出口から蒸発器側へ流出する冷媒流量の変動を抑制しようとしている。
特許第5640857号公報
ところが、特許文献1の減圧装置では、適用された冷凍サイクル装置の負荷変動によって、サイクルを循環する循環冷媒流量が変化すると、旋回空間内に生じるキャビテーションの量や、旋回中心軸側に柱状に形成される気相冷媒(以下、気柱と記載する。)の形状が変化してしまう。さらに、低負荷運転時には、循環冷媒流量が減少して旋回空間内の冷媒の旋回速度が低下してしまうので、気柱の形状が不安定となってしまう。
このため、特許文献1の減圧装置では、低負荷運転時に、冷媒流出口に流入する冷媒の状態が不安定となってしまい、冷媒流出口から流出する冷媒流量が変動してしまうおそれがある。換言すると、特許文献1の減圧装置では、低負荷運転時等に、冷媒流出口から流出する冷媒流量が、冷凍サイクル装置の熱負荷に応じた適切な冷媒流量に対して大きく変動してしまうおそれがある。
本発明は、上記点に鑑み、適用された冷凍サイクル装置の負荷変動によらず、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制可能な減圧装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、負荷変動によらず、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制可能な減圧装置を備える冷凍サイクル装置を提供することを第2の目的とする。
本発明は、以下に説明する解析的な知見に基づいて案出されたものである。本発明は、冷凍サイクル装置に適用される減圧装置において、冷媒の沸騰を促進することによって、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制するという新たな着眼に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明者らは、図4に示す減圧装置において、冷媒を減圧して流出させる絞り通路(342)に、高圧液相冷媒を流入させた際の冷媒の状態を可視化解析により確認した。この絞り通路(342)には、冷媒通路断面積が最も縮小した喉部(34b)、および喉部よりも下流側の冷媒通路の通路断面積を下流側に向かって拡大させる末広テーパ部(34d)が設けられている。
この可視化解析により、本発明者らは、喉部(34b)を通過した直後の冷媒のうち、絞り通路(342)の外周側の冷媒は、喉部(34b)の直後で沸騰を開始するものの、内周側の冷媒は液相状態のまま、棒状に絞り通路内を進行していくことを確認した。この棒状の液相冷媒は、いわゆるポテンシャルコアと呼ばれる冷媒流である。
ポテンシャルコアを形成する冷媒は、飽和液冷媒を液相のまま圧力低下させた状態になっているので、極めて気化しやすい不安定な状態になっている。従って、ポテンシャルコアの長さや径といった形状は、サイクルの負荷変動によって変化しやすい。
ところが、ポテンシャルコアの形状が変化すると、末広テーパ部(34d)の実質的な通路断面積が変化してしまうので、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を招きやすい。このことから、ポテンシャルコアの形状の変化を抑制することで、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制できることが理解される。
しかしながら、前述の如く、ポテンシャルコアを形成する冷媒は、極めて不安定な状態になっているので、ポテンシャルコアの形状の変化を抑制することは難しい。
そこで、請求項1に記載の発明は、冷凍機油が混入された冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(10、10a)に適用される減圧装置であって、
液相冷媒を流入させる流入空間(14a、24a)、および流入空間へ流入した冷媒を減圧して流出させる絞り通路(142、242)が形成された本体部(140、240)と、冷凍機油を本体部内へ導入させる冷凍機油導入部(143、243)と、を備え、
絞り通路には、冷媒通路の通路断面積が最も縮小した喉部(14b、24b)、および喉部よりも冷媒流れ下流側に配置されて下流側に向かうほど通路断面積が拡大する末広テーパ部(14d、24d)が設けられている。
これによれば、冷凍機油導入部(143、243)を備えているので、絞り通路(142、242)へ流入する冷媒に対して冷凍機油の有する熱エネルギを与えることができる。この熱エネルギによって、喉部(14b、24b)を通過した直後の冷媒の沸騰を促進して、ポテンシャルコアの発生を抑制することができる。
従って、冷凍サイクル装置(10、10a)の負荷変動によって、末広テーパ部(14d、24d)の実質的な通路断面積が変化してしまうことが無くなり、下流側へ流出させる冷媒流量を喉部(14b、24b)における冷媒通路断面積で決定することができる。つまり、本発明では、喉部(14b、24b)を通過した直後の冷媒の沸騰を促進し、ポテンシャルコア自体の発生を抑制することによって、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制することができる。
その結果、請求項1に記載の発明によれば、適用された冷凍サイクル装置(10、10a)の負荷変動によらず、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制可能な減圧装置を提供することができる。さらに、ポテンシャルコアの発生を抑制することで、冷媒の流れ形態を安定化させることができるので、冷媒が減圧装置(14、24)を通過する際に生じる騒音を抑制することもできる。
また、請求項7に記載の発明は、冷凍機油が混入された冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機の吐出冷媒から冷凍機油を分離する油分離器(12)と、吐出冷媒を放熱させる放熱器(13)と、放熱器から流出した冷媒を減圧させる減圧装置(14、24)と、減圧装置にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(15)と、を備え、
減圧装置は、放熱器から流出した冷媒を流入させる流入空間(14a、24a)、および流入空間内の冷媒を減圧して流出させる絞り通路(142、242)が形成された本体部(140、240)、並びに、油分離器にて分離された冷凍機油を流入空間内へ導入させる冷凍機油導入部(143、243)を有し、絞り通路には、冷媒通路の通路断面積が最も縮小した喉部(14b、24b)、および喉部よりも冷媒流れ下流側に配置されて下流側に向かうほど通路断面積が拡大する末広テーパ部(14d、24d)が設けられている冷凍サイクル装置である。
これによれば、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制可能な減圧装置(14、24)を備える冷凍サイクル装置を提供することができる。
また、冷凍機油導入部(143、243)が、吐出冷媒から分離された比較的高温の冷凍機油を導入させるので、絞り通路(142、242)へ流入する冷媒に対して冷凍機油の有する熱エネルギを効果的に与えることができる。さらに、放熱器(13)内に流入する冷凍機油の量を減少させることができるので、冷凍機油が放熱器(13)の冷媒流路に付着して放熱器(13)の熱交換性能を低下させてしまうことを抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第1実施形態の減圧装置の軸方向断面図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置における冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 比較例の絞り通路における冷媒の沸騰の状態を説明するための説明図である。 第1実施形態の減圧装置の絞り通路における冷媒の沸騰の状態を説明するための説明図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第2実施形態の減圧装置の軸方向断面図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。
(第1実施形態)
図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る減圧装置14を備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置10を、車両用空調装置に適用している。冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置において、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たす。従って、本実施形態の冷却対象流体は送風空気である。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。この冷凍機油としては、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(ポリアルキレングリコールオイル)が採用されている。また、冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
冷凍サイクル装置10の構成機器のうち、圧縮機11は、冷媒を吸入して高圧となるまで圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、車両走行用の駆動力を出力するエンジン(内燃機関)とともにエンジンルーム内に配置されている。さらに、圧縮機11は、プーリ、ベルト等を介してエンジンから出力される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機である。
より具体的には、本実施形態では、圧縮機11として、吐出容量を変化させることによって冷媒吐出能力を調整可能に構成された斜板式の可変容量型圧縮機を採用している。この圧縮機11では、吐出容量を変化させるための図示しない吐出容量制御弁を有している。吐出容量制御弁は、後述する空調制御装置から出力される制御電流によって、その作動が制御される。
圧縮機11の吐出口には、オイルセパレータ12の入口側が接続されている。オイルセパレータ12は、圧縮機11にて圧縮された高圧冷媒から冷凍機油を分離する油分離器である。本実施形態では、オイルセパレータ12として、上下方向に延びる筒状部材を有し、内部に形成された円柱状空間内で圧縮機11から吐出された冷媒を旋回させ、遠心力の作用によって気相冷媒と冷凍機油とを分離する遠心分離方式のものを採用している。
オイルセパレータ12の上方側には、冷凍機油が分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒流出口が設けられている。気相冷媒流出口には、放熱器13の凝縮部13aの冷媒入口側が接続されている。
オイルセパレータ12の下方側には、分離された冷凍機油を貯める貯油部、および貯油部に貯められた冷凍機油を流出させる2つの冷凍機油流出口が設けられている。2つの流出口のうちの一方には、オイル戻し通路12aが接続されており、他方には、バイパス通路12bが接続されている。
オイル戻し通路12aは、貯油部に貯められた冷凍機油を圧縮機11の吸入口側へ戻す冷凍機油通路である。オイル戻し通路12aは、固定絞りであるキャピラリチューブで形成されている。バイパス通路12bは、貯油部に貯められた冷凍機油を後述する減圧装置14の冷凍機油導入管143の入口側へ導く冷凍機油通路である。
放熱器13は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(具体的には、オイルセパレータ12にて冷凍機油が分離された高圧気相冷媒)と冷却ファン13dによって送風される車室外空気(すなわち、外気)とを熱交換させることによって、高圧冷媒を放熱させて冷却する熱交換器である。放熱器13は、エンジンルーム内の車両前方側に配置されている。
より具体的には、本実施形態の放熱器13は、凝縮部13a、レシーバ部13b、および過冷却部13cを有する、いわゆるサブクール型の凝縮器として構成されている。
凝縮部13aは、圧縮機11から吐出された高圧気相冷媒と冷却ファン13dから送風された外気とを熱交換させ、高圧気相冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮用の熱交換部である。レシーバ部13bは、凝縮部13aから流出した冷媒の気液を分離する気液分離器である。過冷却部13cは、レシーバ部13bにて分離された液相冷媒と冷却ファン13dから送風される外気とを熱交換させ、液相冷媒を過冷却する過冷却用の熱交換部である。
冷却ファン13dは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(すなわち、送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器13の過冷却部13cの冷媒出口には、減圧装置14の冷媒流入口141側が接続されている。減圧装置14は、放熱器13から流出した高圧冷媒を減圧させて、下流側へ流出させるものである。減圧装置14の具体的構成については、図2の断面図を用いて説明する。なお、図2における上下の各矢印は、減圧装置14を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。
減圧装置14は、内部に冷媒を流入させる流入空間14aを形成する本体部140を備えている。本体部140は、金属製(本実施形態では、アルミニウム合金製)の中空容器によって形成されている。流入空間14aは、略円柱状の回転体形状に形成されている。なお、回転体形状とは、平面図形を同一平面上の1つの直線(中心軸)の周りに回転させた際に形成される立体形状である。
さらに、本体部140には、冷媒流入口141、絞り通路142が形成されている。冷媒流入口141は、放熱器13から流出した冷媒を流入空間14a内へ流入させる流入口である。冷媒流入口141は、流入空間14aの中心軸方向からみたときに、冷媒を流入空間14aの外周側壁面の接線方向に流入させる。このため、流入空間14aへ流入した冷媒は、流入空間14a内で中心軸周りに旋回する。
本実施形態では、流入空間14a内の冷媒の旋回流速が、流入空間14aの旋回中心側の冷媒が減圧沸騰しない程度(すなわち、キャビテーションを生じない程度)の流速となるように、流入空間14aの外径、および冷媒流入口141の開口径を設定している。従って、冷凍サイクル装置10の通常運転時には、流入空間14a内の冷媒は、過冷却液相状態となっている。
絞り通路142は、流入空間14a内の冷媒を減圧して下流側へ流出させる冷媒通路である。絞り通路142は、2つの円錐台形状の頂部側同士を結合させた形状に形成されており、流入空間14aと同軸上に配置されている。さらに、絞り通路142には、喉部14b、先細テーパ部14c、末広テーパ部14dが設けられている。喉部14bは、絞り通路142のうち冷媒通路の通路断面積が最も縮小した部位である。
先細テーパ部14cは、喉部14bの冷媒流れ上流側に配置されて、冷媒流れ下流側に向かうほど通路断面積が縮小する冷媒通路である。つまり、先細テーパ部14cでは、流入空間14aから喉部14bへ至る冷媒通路の通路断面積を冷媒流れ下流側に向かって徐々に縮小させている。
末広テーパ部14dは、喉部14bの冷媒流れ下流側に配置されて、冷媒流れ下流側に向かうほど通路断面積が拡大する部位である。つまり、末広テーパ部14dでは、喉部14bから減圧装置14から冷媒を流出させる冷媒流出口144へ至る冷媒通路の通路断面積を冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大させている。
従って、本実施形態の絞り通路142では、いわゆるラバールノズルと同様に冷媒通路の通路断面積が変化する。さらに、本実施形態では、冷凍サイクル装置10の通常運転時に、冷媒流出口144から流出する冷媒の流速が音速以上となるように、絞り通路142の通路断面積を変化させている。
また、本実施形態の減圧装置14は、冷凍機油導入管143を備えている。冷凍機油導入管143は、前述したバイパス通路12bに接続されて、オイルセパレータ12にて分離された冷凍機油を、減圧装置14の本体部140内へ導入させる冷凍機油導入部である。
冷凍機油導入管143は、流入空間14aの中心軸と同軸上に配置されて、中心軸方向に延びる管状部材で形成されている。冷凍機油導入管143の冷凍機油出口は、先細テーパ部14c内で開口している。このため、冷凍機油導入管143から本体部140内へ流入する冷凍機油は、先細テーパ部14c内の中心軸側に導かれる。
減圧装置14の絞り通路142の冷媒流出口144には、図1に示すように、蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。蒸発器15は、減圧装置14にて減圧された低圧冷媒と送風ファン15aから車室内へ送風される送風空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
送風ファン15aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。蒸発器15の出口側には、圧縮機11の吸入側が接続されている。
次に、本実施形態の冷凍サイクル装置10の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。空調制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器11、13d、15a等の作動を制御する。
空調制御装置の入力側には、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、蒸発器温度センサといった空調制御用のセンサ群が接続されている。そして、空調制御装置には、これらの空調制御用のセンサ群の検出値が入力される。
内気センサは、車室内温度を検出する車室内温度検出部である。外気温センサは外気温を検出する外気温検出部である。日射センサは車室内の日射量を検出する日射量検出部である。蒸発器温度センサは蒸発器ユニット30から吹き出される吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発温度検出部である。
さらに、空調制御装置の入力側には、図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が空調制御装置へ入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、空調を行うことを要求する空調作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
なお、本実施形態の空調制御装置は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、空調制御装置のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。例えば、本実施形態では、圧縮機11の作動を制御する構成が、吐出能力制御部を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の冷凍サイクル装置10の作動を、図3のモリエル線図を用いて説明する。まず、操作パネルの空調作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置が、予め記憶している空調制御プログラムを実行する。この空調制御プログラムにおける各制御ステップは、空調制御装置が有する機能実現部を構成している。
空調制御プログラムでは、上述した空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルからの操作信号に基づいて、車室内へ送風される送風空気の目標温度を決定する。この目標温度は、冷凍サイクル装置10の熱負荷に相関を有する値である。そして、目標温度(すなわち、熱負荷)に応じて、圧縮機11、冷却ファン13d、送風ファン15a等の作動を制御する。これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。
圧縮機11から吐出された冷媒(図3のa3点)は、オイルセパレータ12へ流入する。オイルセパレータ12へ流入した冷媒は、冷凍機油が分離されて、放熱器13の凝縮部13aへ流入する。
放熱器13の凝縮部13aへ流入した冷媒は、冷却ファン13dから送風された送風空気(外気)と熱交換し、放熱して凝縮する。凝縮部13aにて放熱した冷媒は、レシーバ部13bにて気液分離される。レシーバ部13bにて気液分離された液相冷媒は、過冷却部13cにて冷却ファン13dから送風された送風空気と熱交換し、さらに放熱して過冷却液相状態となる(図3のa3点→b3点)。
過冷却液相状態となった冷媒は、減圧装置14の冷媒流入口141から流入空間14a内へ流入する。流入空間14a内へ流入した冷媒は、流入空間14a内を中心軸周りに旋回しながら絞り通路142へ流入する。さらに、絞り通路142内へ流入した冷媒は、冷凍機油導入管143を介して、減圧装置14内へ流入した冷凍機油と合流して減圧される(図3のb3点→c3点)。
この際、本実施形態の減圧装置14では、喉部14bにて冷媒にチョーキング(閉塞)を生じさせて冷媒を音速に到達させる。そして、末広テーパ部14dにて、冷媒を加速して冷媒流出口144から流出する冷媒の流速を音速以上となるようにしている。このため、絞り通路142の末広テーパ部14dでは、等エントロピ的に冷媒を減圧させることができる。
減圧装置14の絞り通路142にて減圧された冷媒は、冷媒流出口144から流出して、蒸発器15へ流入する。蒸発器15へ流入した冷媒は、送風ファン15aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図3のc3点→d3点)。これにより、車室内へ送風される送風空気が冷却される。蒸発器15から流出した冷媒は、圧縮機11に吸入されて、再び圧縮される(図3のd3点→a3点)。
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、上述の如く作動するので、蒸発器15にて冷媒に吸熱作用を発揮させて車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。
さらに、本実施形態の減圧装置14では、冷凍機油導入管143を備えているので、冷凍サイクル装置10の負荷変動によらず、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制することができる。その結果、冷凍サイクル装置10に安定した冷却能力を発揮させることができる。
このことをより詳細に説明する。本発明者らは、減圧装置14から流出する冷媒流量が、冷凍サイクル装置の熱負荷に応じた適切な冷媒流量に対して変動してしまう原因を確認するため、絞り通路に流入させた冷媒の可視化解析を行った。
この可視化解析に用いた比較用の減圧装置34は、図4に示すように、本実施形態の減圧装置14と同様の絞り通路342を有している。従って、絞り通路342にも、減圧装置14と同様に、先細テーパ部34c、喉部34b、末広テーパ部34dが形成されている。その一方で、比較用の減圧装置34は、冷凍機油導入管143に対応する構成を備えていない。
本発明者らの可視化解析によれば、比較例の減圧装置34では、図4の説明図に示すように、冷媒が沸騰することが確認された。
すなわち、絞り通路342の外周側の冷媒については、喉部34bが外周側の冷媒流れに剥離渦を生じさせるエッジとして機能するので、喉部34bを通過した直後に沸騰が開始することが確認された。一方、内周側(軸中心側)の冷媒は、沸騰を促進するきっかけとなる沸騰核等が存在しないため、液相状態のまま棒状に絞り通路342内を進行していくことが確認された。
この棒状の液相冷媒は、いわゆるポテンシャルコアと呼ばれる冷媒流である。ポテンシャルコアを形成する冷媒は、飽和液冷媒(図3のモリエル線図では、飽和点で表される冷媒)を、液相状態のまま圧力低下させた状態となっている。このため、ポテンシャルコアを形成する冷媒は、極めて気化しやすい不安定な状態となっている。
より詳細には、ポテンシャルコアでは、先端部の冷媒(図3のモリエル線図では、臨界点で表される冷媒)から沸騰を開始する。このため、ポテンシャルコアの先端部の冷媒は、飽和点における飽和冷媒温度から臨界点における飽和冷媒温度を減算した過熱度を有する不安定な状態になっている。従って、ポテンシャルコアの長さや径といった形状は、サイクルの負荷変動によって変化しやすい。
ところが、ポテンシャルコアの形状が変化すると、末広テーパ部34dの実質的な通路断面積が変化してしまうので、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を招きやすい。このことから、ポテンシャルコアの形状の変化を抑制することで、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制できることが理解される。
しかしながら、前述の如く、ポテンシャルコアを形成する冷媒は、極めて不安定な状態になっているので、ポテンシャルコアの形状の変化を抑制することは難しい。
これに対して、本実施形態の減圧装置14では、冷凍機油導入管143を備えているので、絞り通路142へ流入する冷媒に対して冷凍機油の有する熱エネルギを与えることができる。この熱エネルギによって、図5の説明図に示すように、喉部14bを通過した直後の軸中心側の冷媒の沸騰を促進して、ポテンシャルコアの発生を抑制することができる。
従って、冷凍サイクル装置10の負荷変動によって、末広テーパ部14dの実質的な通路断面積が変化してしまうことが無くなり、下流側へ流出させる冷媒流量を喉部14bにおける冷媒通路断面積で決定することができる。
つまり、本実施形態の減圧装置14では、ポテンシャルコアの形状の変化を抑制するのではなく、喉部14bを通過した直後の冷媒の沸騰を促進し、ポテンシャルコア自体の発生を抑制することができるので、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制することができる。
その結果、本実施形態の減圧装置14によれば、冷凍サイクル装置10の負荷変動によらず、下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制することができる。さらに、ポテンシャルコアの発生を抑制することで、冷媒の流れ形態を安定化させることができる。従って、冷媒が減圧装置14を通過する際に生じる騒音を抑制することができる。
また、本実施形態の減圧装置14では、冷凍機油導入管143が先細テーパ部14c内の中心軸側に冷凍機油を導入させるので、喉部14bの直後の中心軸側に生じるポテンシャルコアの発生を効果的に抑制することができる。より好ましくは、冷凍機油導入管143が喉部14bの直上の中心軸側に冷凍機油を導入させるようにすることで、より一層効果的にポテンシャルコアの発生を抑制することができる。
また、本実施形態の減圧装置14では、圧縮機11の吐出冷媒から分離された冷凍機油を減圧装置14の本体部140内へ導入させるので、圧縮機11から吐出された高温の冷凍機油を減圧装置14内へ導入させることができる。従って、高い熱エネルギによって、ポテンシャルコアの発生をより一層効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の減圧装置14では、流入空間14aにて冷媒を旋回させるので、旋回中心軸側の冷媒圧力が外周側の冷媒圧力よりも低下する。これにより、冷媒よりも比重の小さい冷凍機油が中心軸側に分布しやすい。従って、喉部14bの直後の中心軸側に生じるポテンシャルコアの発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、オイルセパレータ12にて分離された冷凍機油を減圧装置14の流入空間14a内へ導入させるので、放熱器13内に流入する冷凍機油の量を減少させることができる。これによれば、冷凍機油が放熱器13の冷媒流路に付着して放熱器13の熱交換性能を低下させてしまうことを抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、減圧装置の構成を変更することによって、図6の全体構成図に示すように、減圧装置24をエジェクタとして機能させている。さらに、この減圧装置24によって、エジェクタを備える冷凍サイクル装置であるエジェクタ式冷凍サイクル10aを構成した例を説明する。なお、図6では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
まず、図7を用いて、本実施形態の減圧装置24の詳細構成を説明する。図7に示すように、本実施形態の減圧装置24は、第1実施形態の減圧装置14と同様の本体部240、絞り通路242等を備えている。本体部240には、内部に冷媒を流入させる流入空間24aが形成されている。
また、絞り通路242には、第1実施形態の減圧装置14と同様に、喉部24b、先細テーパ部24c、末広テーパ部24dが設けられている。従って、本実施形態の絞り通路242の通路断面積も、ラバールノズルの通路断面積と同様に変化している。本実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10aの通常運転時に、冷媒流出口244から流出する冷媒の流速が音速以上となるように、絞り通路242の通路断面積を変化させている。
さらに、本実施形態の減圧装置24は、冷媒吸引口24eおよびディフューザ部24fが形成されたボデー部245を備えている。
冷媒吸引口24eは、絞り通路242の冷媒流出口244から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、蒸発器15から流出した冷媒を吸引して、ボデー部245の内部へ流入させる吸引口である。ディフューザ部24fは、噴射冷媒と冷媒吸引口24eから吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部である。
より具体的には、ボデー部245は、略円筒状の形状に形成され、その一端側に本体部240の外周側が圧入によって固定されている。冷媒吸引口24eは、本体部240および絞り通路242の外周側に配置されて、冷媒流出口244およびディフューザ部24fと連通するように設けられている。
このため、ボデー部245の内周面と本体部240の外周面との間およびボデー部245の内周面と絞り通路242の外周面との間に形成される空間は、冷媒吸引口24eからボデー部245の内部へ吸引された吸引冷媒をディフューザ部24f側へ導く吸引通路として機能する。
ディフューザ部24fは、絞り通路242の冷媒流出口244および冷媒吸引口24eの冷媒流れ下流側に配置されて、冷媒流れ下流側に向かって冷媒通路面積を拡大させる形状に形成されている。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒とを混合させながら混合冷媒の流速を減速させて昇圧させる作用、すなわち、混合冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する作用を果たす。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の減圧装置24は、ボデー部245を備えているので、冷媒減圧作用および冷媒循環作用の双方を発揮するエジェクタとして機能する。
次に、図6へ戻り、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10aの全体構成について説明する。本実施形態の放熱器13の冷媒出口には、減圧装置24の本体部240の冷媒流入口241側が接続されている。オイルセパレータ12のバイパス通路12bには、減圧装置24の冷凍機油導入管243の入口側が接続されている。減圧装置24のディフューザ部24fの出口には、アキュムレータ16の入口側が接続されている。
アキュムレータ16は、減圧装置24のディフューザ部24fから流出した冷媒の気液を分離する気液分離器である。アキュムレータ16の液相冷媒出口には、固定絞り17を介して、蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。固定絞り17は、アキュムレータ16から流出した液相冷媒を減圧させる減圧機構であり、具体的には、オリフィス、キャピラリチューブ等を採用できる。
蒸発器15の冷媒出口には、前述の如く、減圧装置24のボデー部245に形成された冷媒吸引口24e側が接続されている。一方、アキュムレータ16の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。その他のエジェクタ式冷凍サイクル10aの各構成機器は、第1実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10aの作動を、図8のモリエル線図を用いて説明する。なお、図8のモリエル線図では、図3のモリエル線図に対して、サイクル構成上同等あるいは対応する箇所の冷媒の状態を示すものについては、同一のアルファベットを用い、添字(数字)を変更して示している。
空調制御装置が空調制御プログラムを実行することによって圧縮機11が作動すると、圧縮機11から吐出された冷媒(図8のa8点)は、第1実施形態と同様に、オイルセパレータ12を介して、放熱器13へ流入して過冷却液相冷媒となる(図8のa8点→b8点)。放熱器13から流出した過冷却液相冷媒は、減圧装置24の絞り通路242にて等エントロピ的に減圧されて噴射される(図8のb8点→c8点)。
そして、絞り通路242から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、蒸発器15から流出した冷媒(図8のd8点)が、ボデー部245の冷媒吸引口24eから吸引される。絞り通路242から噴射された噴射冷媒および冷媒吸引口24eから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部24fへ流入して合流する(図8のc8点→e8点、d8点→e8点)。
ディフューザ部24fでは、冷媒通路断面積の拡大により、冷媒の運動エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒が混合されながら混合冷媒の圧力が上昇する(図8のe8点→f8点)。ディフューザ部24fから流出した冷媒はアキュムレータ16へ流入して気液分離される(図8のf8点→g8点、f8点→h8点)。
気液分離空間30fにて分離された液相冷媒は、固定絞り17にて減圧されて(図8のh8→i8点)、蒸発器15へ流入する。蒸発器15へ流入した冷媒は、送風ファン15aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図8のi8点→d8点)。これにより、送風空気が冷却される。一方、アキュムレータ16にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入され再び圧縮される(図8のg8点→a8点)。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10aは、以上の如く作動して、車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。
この際、エジェクタ式冷凍サイクル10aでは、減圧装置24のディフューザ部24fにて昇圧された冷媒を圧縮機11へ吸入させる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10aによれば、第1実施形態の冷凍サイクル装置10のように、蒸発器15における冷媒蒸発圧力と圧縮機11の吸入冷媒圧力が同等となる冷凍サイクル装置よりも、圧縮機11の消費動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、本実施形態の減圧装置24によれば、冷凍機油導入管243を備えているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。従って、絞り通路242の冷媒流出口244から噴射される冷媒流量の変動を抑制することができ、上述したCOP向上効果を確実かつ安定的に得ることができる。
また、本実施形態の減圧装置24では、第1実施形態と同様に、絞り通路242内のポテンシャルコアの発生を抑制することができるので、末広テーパ部24dの全域で、超音速となった冷媒を加速することができる。
これにより、絞り通路242にて冷媒の圧力エネルギを速度エネルギに変換する際のエネルギ変換効率(一般的なノズルにおけるノズル効率)を向上させることができる。従って、ディフューザ部24fにおける昇圧量を増大させて、より一層、COPの向上を図ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、減圧装置14の流入空間14aの中心軸および絞り通路142の中心軸を鉛直方向に配置した例を説明したが、中心軸の方向は鉛直方向に限定されない。
(2)冷凍サイクル装置10およびエジェクタ式冷凍サイクル10aの各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、エンジン駆動式の可変容量型圧縮機を採用した例を説明したが、圧縮機11はこれに限定されない。圧縮機11として、電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機を採用してもよい。さらに、固定容量型圧縮機構と電動モータとを備え、電力を供給されることによって作動する電動圧縮機を採用してもよい。電動圧縮機では、電動モータの回転数を調整することによって、冷媒吐出能力を制御することができる。
また、上述の実施形態では、オイルセパレータ12として、遠心分離方式のものを採用した例を説明したが、オイルセパレータ12はこれに限定されない。オイルセパレータ12として、衝突方式のものを採用してもよい。より具体的には、圧縮機吐出冷媒を衝突部に衝突させることによって速度低下させ、気相冷媒よりも比重の大きい冷凍機油を重力の作用によって下方側に落下させる方式のものを採用してもよい。
さらに、上述の実施形態では、オイルセパレータ12にて分離された冷凍機油をオイル戻し通路12aを介して圧縮機11の吸入口側へ戻すようにした例を説明したが、減圧装置14、24から下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制するために必須の構成ではない。
また、上述の実施形態では、放熱器13として、サブクール型凝縮器を採用した例を説明したが、放熱器13はこれに限定されない。例えば、放熱器13として、凝縮部13aとレシーバ部13bとを一体化させたレシーバ一体型の凝縮器を採用してもよい。さらに、放熱器13出口側から減圧装置14、24の冷媒流入口141、241へ至る高圧冷媒と圧縮機11吸入側の低圧冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を追加してもよい。
また、上述の実施形態で説明した冷凍サイクル装置10およびエジェクタ式冷凍サイクル10aに対して、減圧装置14、24の冷媒流入口141、241へ流入する冷媒流量を調整する流量調整機構を追加してもよい。この場合は、圧縮機11吸入冷媒あるいは蒸発器15出口側冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように、流量調整機構の作動を制御してもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR1234yfを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
(3)減圧装置24を用いて構成可能な冷凍サイクル装置は、第2実施形態で説明したエジェクタ式冷凍サイクル10aに限定されない。
例えば、放熱器13から流出した過冷却液相冷媒の流れを分岐する分岐部を追加し、分岐部にて分岐された一方の冷媒を減圧装置24の冷媒流入口241へ流入させ、分岐部にて分岐された他方の冷媒を固定絞りを介して蒸発器15へ流入させる。さらに、減圧装置24のディフューザ部24fの冷媒出口を圧縮機11の吸入口側を接続し、蒸発器15の冷媒出口を減圧装置24の冷媒吸引口24e側を接続するサイクル構成としてもよい。
(4)上述の第2実施形態では、減圧装置24の本体部240および絞り通路242として、第1実施形態で説明した減圧装置14と同様の形状のものを採用しているが、減圧装置24の本体部240および絞り通路242の形状はこれに限定されない。例えば、本体部240および絞り通路242の外観形状が略円錐台状に形成されていてもよい。
これにより、吸引通路の形状を、冷媒流れ下流側へ向かうほど通路断面積が縮小する形状とすることができる。従って、吸引通路からディフューザ部24fへ流入する吸引冷媒の流速を増速させて、ディフューザ部24fにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(混合損失)を低減させることができる。
(5)上述の実施形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置10およびエジェクタ式冷凍サイクル10aを、車両用空調装置に適用した例を説明したが、冷凍サイクル装置10の適用はこれに限定されない。例えば、据置型空調装置や冷凍冷蔵装置に適用してもよい。
(6)上述の実施形態では、放熱器13を冷媒と外気とを熱交換させる室外側熱交換器とし、蒸発器15を室内送風空気を冷却する利用側熱交換器として用いた例について説明したが、蒸発器15を外気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器とし、放熱器13空気あるいは水等の加熱対象流体を加熱する室内側熱交換器として用いるヒートポンプサイクルを構成してもよい。
10、10a 冷凍サイクル装置、エジェクタ式冷凍サイクル
11 圧縮機
12 オイルセパレータ(油分離器)
13 放熱器
14、24 減圧装置
15 蒸発器
142、242 絞り通路
14b、24b 喉部
14c、24c 先細テーパ部
14d、24d 末広テーパ部
143、243 冷凍機油導入管

Claims (7)

  1. 冷凍機油が混入された冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(10、10a)に適用される減圧装置であって、
    液相冷媒を流入させる流入空間(14a、24a)、および前記流入空間へ流入した冷媒を減圧して流出させる絞り通路(142、242)が形成された本体部(140、240)と、
    前記冷凍機油を前記本体部内へ導入させる冷凍機油導入部(143、243)と、を備え、
    前記絞り通路には、冷媒通路の通路断面積が最も縮小した喉部(14b、24b)、および前記喉部よりも冷媒流れ下流側に配置されて下流側に向かうほど通路断面積が拡大する末広テーパ部(14d、24d)が設けられている減圧装置。
  2. 前記絞り通路には、前記喉部よりも冷媒流れ上流側に配置されて下流側に向かうほど通路断面積が縮小する先細テーパ部(14c、24c)が設けられており、
    前記冷凍機油導入部は、前記冷凍機油を前記先細テーパ部内に導くものである請求項1に記載の減圧装置。
  3. 前記流入空間は、回転体形状に形成されており、
    前記冷凍機油導入部は、前記冷凍機油を前記流入空間の中心軸側に導くものである請求項1または2に記載の減圧装置。
  4. さらに、前記末広テーパ部から噴射される噴射冷媒によって冷媒を吸引する冷媒吸引口(24e)、および前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部(24f)が形成されたボデー部(245)を備える請求項1ないし3のいずれか1つに記載の減圧装置。
  5. 前記冷凍サイクル装置(10、10a)は、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)、および前記圧縮機の吐出冷媒から前記冷凍機油を分離する油分離器(12)を有し、
    前記冷凍機油導入部は、前記油分離器にて分離された冷凍機油を前記流入空間内へ導入するものである請求項1ないし4のいずれか1つに記載の減圧装置。
  6. 前記流入空間は、回転体形状に形成されており、内部へ流入した冷媒を中心軸周りに旋回させる空間である請求項1ないし5のいずれか1つに記載の減圧装置。
  7. 冷凍機油が混入された冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機の吐出冷媒から前記冷凍機油を分離する油分離器(12)と、
    前記吐出冷媒を放熱させる放熱器(13)と、
    前記放熱器から流出した冷媒を減圧させる減圧装置(14、24)と、
    前記減圧装置にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(15)と、を備え、
    前記減圧装置は、前記放熱器から流出した冷媒を流入させる流入空間(14a、24a)、および前記流入空間内の冷媒を減圧して流出させる絞り通路(142、242)が形成された本体部(140、240)、並びに、前記油分離器にて分離された冷凍機油を前記流入空間内へ導入させる冷凍機油導入部(143、243)を有し、
    前記絞り通路には、冷媒通路の通路断面積が最も縮小した喉部(14b、24b)、および前記喉部よりも冷媒流れ下流側に配置されて下流側に向かうほど通路断面積が拡大する末広テーパ部(14d、24d)が設けられている冷凍サイクル装置。
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