WO2017154603A1 - 蒸発器ユニット - Google Patents

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達博 鈴木
尾形 豪太
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    • F25B43/00Arrangements for separating or purifying gases or liquids; Arrangements for vaporising the residuum of liquid refrigerant, e.g. by heat

Abstract

蒸発器ユニットは、気液分離部(14、24)、貯液部(15)、エジェクタ(16)、減圧装置(19)、および蒸発器(17、18)を備える。気液分離部は冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する。貯液部は液相冷媒を貯留する。エジェクタは、ノズル部(16a)と、冷媒吸引口(16c)と、昇圧部(16d)と、が形成されたボデー部(16b)を有する。ノズル部は気相冷媒を含む冷媒を減圧させる。冷媒吸引口は、ノズル部から噴射される高速度の噴射冷媒の吸引作用によって冷媒を吸引冷媒として吸引する。昇圧部は、噴射冷媒と吸引冷媒とを混合させて昇圧させる。減圧装置は貯液部から流出した液相冷媒を減圧させる。蒸発器は、流出側熱交換部(17a、18a、17b)と吸引側熱交換部(18b)を有する。流出側熱交換部は、昇圧部から流出した冷媒を蒸発させる。吸引側熱交換部は、減圧装置にて減圧された冷媒を蒸発させて冷媒吸引口へ流入させる。

Description

蒸発器ユニット 関連出願の相互参照
 本出願は、当該開示内容が参照によって本出願に組み込まれた、2016年3月8日に出願された日本特許出願2016-044317号および2017年1月20日に出願された日本特許出願2017-008284号を基にしている。
 本開示は、エジェクタ式冷凍サイクルに用いられる蒸発器ユニットに関する。
 従来、エジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であるエジェクタ式冷凍サイクルが知られている。さらに、特許文献1には、エジェクタ式冷凍サイクルに適用される蒸発器ユニットが開示されている。この特許文献1の蒸発器ユニットは、冷媒の流れを分岐する分岐部、冷媒減圧機能等を果たすエジェクタ、冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる蒸発器を有している。分岐部、エジェクタ、蒸発器は一体化(ユニット化)されている。
 より具体的には、特許文献1の蒸発器ユニットでは、分岐部として円筒状に形成された遠心分離方式の気液分離部を備えている。そして、気液分離部内で放熱器から流出した冷媒に旋回流れを生じさせ、中心軸周辺の気液二相状態の冷媒をエジェクタのノズル部へ流入させる。さらに、気液分離部の外周側に偏在する液相冷媒を気液分離部の外周側面に形成されたオリフィスへ流入させる。
 また、特許文献1の蒸発器ユニットの蒸発器は、エジェクタから流出した冷媒を蒸発させる流出側熱交換部、およびオリフィスにて減圧された冷媒を蒸発させる吸引側熱交換部の2つの熱交換部に区画されている。そして、2つの熱交換部にて異なる温度帯で冷媒を蒸発させ、空気を順次冷却することによって、空気を効率的に冷却する。
 ここで、この種の蒸発器ユニットでは、冷媒蒸発温度の低くなる吸引側熱交換部に乾き度の低い冷媒を流入させることで、蒸発器ユニット全体としての冷却能力を向上させることができる。そこで、特許文献1の蒸発器ユニットでは、気液分離部内にノズル部へ液相冷媒が流入してしまうことを抑制する隔壁を配置し、液相冷媒をオリフィスへ流入させやすくして、蒸発器ユニット全体としての冷却能力を向上させようとしている。
特開2013-96581号公報
 しかしながら、本開示の発明者らの検討によれば、特許文献1のように気液分離部内に隔壁を配置しても、エジェクタ式冷凍サイクルの熱負荷が低下する低負荷運転時に、蒸発器ユニットにて充分な冷却能力を発揮できないことがあった。その理由は、低負荷運転時には、サイクルを循環する循環冷媒流量が減少してしまい、気液分離部内で分離される液相冷媒の量が減少してしまうからである。
 より詳細には、気液分離部内で分離される液相冷媒の量が減少してしまうと、気液分離部内の外周側に形成される液相冷媒の膜(すなわち、液膜)が薄くなってしまうので、オリフィスへ液相冷媒のみならず気相冷媒も流入してしまう。その結果、吸引側熱交換部に乾き度の低い冷媒を流入させることができず、蒸発器ユニット全体としての冷却能力が低下してしまう。
 本開示は、上記点に鑑み、エジェクタ式冷凍サイクルの負荷変動によらず、充分な冷却能力を発揮させることが可能な蒸発器ユニットを提供することを目的とする。
 本開示の蒸発器ユニットは、気液分離部、貯液部、エジェクタ、減圧装置、および蒸発器を備える。気液分離部は、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する。貯液部は、液相冷媒を貯留する。エジェクタは、ノズル部と、冷媒吸引口と、昇圧部と、が形成されたボデー部を有する。ノズル部は、気相冷媒を含む冷媒を減圧させる。冷媒吸引口は、ノズル部から噴射される高速度の噴射冷媒の吸引作用によって冷媒を吸引冷媒として吸引する。昇圧部は、噴射冷媒と吸引冷媒とを混合させて昇圧させる。減圧装置は、貯液部から流出した液相冷媒を減圧させる。蒸発器は、流出側熱交換部と吸引側熱交換部を有する。流出側熱交換部は、昇圧部から流出した冷媒を蒸発させる。吸引側熱交換部は、減圧装置にて減圧された冷媒を蒸発させて冷媒吸引口へ流入させる。
 本開示によれば、貯液部を設けることで、エジェクタ式冷凍サイクルの負荷変動によらず、貯液部に貯留された液相冷媒を減圧装置に流入させることができる。従って、吸引側熱交換部に比較的乾き度の低い冷媒を確実に流入させて、蒸発器ユニットに高い冷却性能を発揮させることができる。
 すなわち、適用されたエジェクタ式冷凍サイクルの負荷変動によらず、蒸発器ユニットにて充分な冷却能力を発揮させることができる。
 さらに、エジェクタのノズル部に気液分離部にて分離された気相冷媒を含む気液二相状態の冷媒を流入させることができるので、エジェクタの回収エネルギ量を増加させることができる。その結果、エジェクタの昇圧能力を向上させて、エジェクタ式冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
 本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの模式的な外観斜視図である。 図2のIII-III線における模式的な断面図である。 第1実施形態の気液分離部および貯液部の模式的な斜視図である。 第1実施形態の貯液部内に気相冷媒が存在する際の気液分離部および貯液部の内部を示す模式的な断面図である。 第1実施形態の理想的な通常運転時の気液分離部および貯液部の内部を示す模式的な断面図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの模式的な分解斜視図である。 第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第2実施形態の気液分離部および貯液部の模式的な斜視図である。 第3実施形態の気液分離部の模式的な断面図である。 第4実施形態の蒸発器ユニットの模式的な分解斜視図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第5実施形態の気液分離部および貯液部の模式的な断面図である。
 以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
 (第1実施形態)
 以下、図1~図8を用いて、第1実施形態を説明する。本実施形態の蒸発器ユニット30は、図1の全体構成図に示すように、エジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置、すなわちエジェクタ式冷凍サイクル10に適用されている。さらに、このエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、冷却対象空間である車室内へ送風される空気(送風空気)を冷却する。
 また、エジェクタ式冷凍サイクル10を循環する冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。エジェクタ式冷凍サイクル10は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。この冷媒には、圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
 エジェクタ式冷凍サイクル10の構成機器のうち、圧縮機11は、冷媒を吸入して高圧冷媒となるまで圧縮して吐出する。圧縮機11は、車両走行用の駆動力を出力するエンジン(内燃機関)とともにエンジンルーム内に配置されている。圧縮機11は、プーリ、ベルト等を介してエンジンから出力される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機である。
 より具体的には、本実施形態では、圧縮機11は、吐出容量を変化させることによって冷媒吐出能力を調整可能に構成された斜板式の可変容量型圧縮機である。この圧縮機11では、吐出容量を変化させるための図示しない吐出容量制御弁を有している。吐出容量制御弁は、後述する空調制御装置から出力される制御電流によって、その作動が制御される。
 圧縮機11の吐出口には、放熱器12の凝縮部12aの冷媒入口が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12dによって送風される車室外の空気(外気)を熱交換させることによって、高圧冷媒を放熱させて冷却する熱交換器である。放熱器12は、エンジンルーム内の車両前方側に配置されている。
 より具体的には、本実施形態の放熱器12は、凝縮部12a、レシーバ部12b、および過冷却部12cを有する、いわゆるサブクール型の凝縮器である。
 凝縮部12aは、圧縮機11から吐出された高圧気相冷媒と冷却ファン12dから送風された外気とを熱交換させ、高圧気相冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮用の熱交換部である。レシーバ部12bは、凝縮部12aから流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器である。過冷却部12cは、レシーバ部12bにて分離された液相冷媒と冷却ファン12dから送風される外気とを熱交換させ、液相冷媒を過冷却する過冷却用の熱交換部である。
 冷却ファン12dは電動式送風機であり、冷却ファン12dの回転数、換言すれば、冷却ファン12dにより送風される空気量は、空調制御装置から出力される制御電圧によって制御される。
 放熱器12の過冷却部12cの冷媒出口には、温度式膨張弁13の入口が接続されている。温度式膨張弁13は、放熱器12の過冷却部12cから流出した高圧液相冷媒を中間圧冷媒となるまで減圧させるとともに、サイクルを循環する循環冷媒流量を調整する流量調整装置である。さらに、本実施形態の温度式膨張弁13は、蒸発器ユニット30出口側冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように循環冷媒流量を調整する。
 温度式膨張弁13は、例えば、蒸発器ユニット30から流出した冷媒の温度および圧力に応じて変位する変位部材(ダイヤフラム)を有する感温部を備える。この場合、温度式膨張弁13の弁開度、換言すれば、温度式膨張弁13を通過する冷媒の流量は、この変位部材の変位に応じて蒸発器ユニット30出口側冷媒の過熱度が基準過熱度に近づくように機械的機構によって調整される。
 温度式膨張弁13の出口には、蒸発器ユニット30の冷媒流入口22aが接続されている。図1の一点鎖線で囲まれたサイクル構成機器は、図2の模式的な外観斜視図に示すように一体化(すなわち、ユニット化)されて、蒸発器ユニット30を構成している。
 より具体的には、蒸発器ユニット30は、互いに一体化(ユニット化)された、ジョイント部22、気液分離部14、貯液部15、エジェクタ16、風上側蒸発器17、風下側蒸発器18、キャピラリチューブ19、熱交換用通路21を有している。蒸発器ユニット30の詳細構成については、図1~図8を用いて説明する。なお、図2~図8における上下の各矢印は、蒸発器ユニット30を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。
 まず、蒸発器ユニット30を構成する各構成機器について説明する。ジョイント部22は、蒸発器ユニット30をエジェクタ式冷凍サイクル10に適用する際に、温度式膨張弁13の出口や圧縮機11の吸入口が接続される接続用部材である。ジョイント部22は、金属製(本実施形態では、アルミニウム合金製)のブロック部材で形成されている。
 ジョイント部22には、冷媒流入口22aおよび冷媒流出口22bが形成されている。冷媒流入口22aは、温度式膨張弁13にて減圧された中間圧冷媒を蒸発器ユニット30内に流入させる流入口である。冷媒流出口22bは、蒸発器ユニット30内の冷媒を圧縮機11の吸入口へ流出させる流出口である。換言すれば、冷媒流出口22bは蒸発器ユニット30から冷媒を流出させる流出口である。蒸発器ユニット30内の冷媒は、冷媒流出口22bを通って蒸発器ユニット30から流出して、圧縮機11の吸入口へ流入する。
 ジョイント部22の内部には、図3に示すように、冷媒流入口22aから流入した冷媒を気液分離部14へ導く導入通路22cが形成されている。図3は、導入通路22cを、気液分離部14の軸方向からみた模式的な拡大断面図である。
 気液分離部14は、ジョイント部22と同じ金属製で、略水平方向に延びる円筒状部材で形成されている。本実施形態の気液分離部14は、円柱状に形成された内部空間内に流入した冷媒を中心軸周りに旋回させ、遠心力の作用によって冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する遠心分離方式の気液分離部である。
 より詳細には、本実施形態では、ジョイント部22内の導入通路22cの形状を、図3に示すように、湾曲形状としている。これにより、気液分離部14へ流入する冷媒が気液分離部14の内部空間の外周壁面に沿って周方向に流入するようにして、気液分離部14内の冷媒を旋回させている。
 また、図4に示すように、気液分岐部14の軸方向一端部には、ジョイント部22の冷媒流入口22aから内部空間へ冷媒を流入させる入口部14aが形成されている。一方、気液分離部14の軸方向他端部には、気液分岐部14から冷媒を流出させる出口部14bが形成されている。
 さらに、気液分離部14の筒状側面には、旋回中心軸周りの周方向に延びる形状に開口するスリット穴14cが全周に亘って形成されている。このため、本実施形態の気液分離部14は、互いに同軸上に配置された同等の径の2つの円筒状部材によって形成されていると表現することもできる。
 ここで、前述の如く、本実施形態の気液分離部14は遠心分離方式なので、遠心力の作用によって、内部空間の外周側に、気相冷媒よりも密度の高い液相冷媒が偏在する。このため、スリット穴14cが周方向に延びる形状に開口していることで、スリット穴14cから液相冷媒を気相冷媒よりも優先的に流出させやすい。従って、このスリット穴14cは、分離された液相冷媒を流出させる液相冷媒出口である。
 さらに、スリット穴14cから液相冷媒を気相冷媒よりも優先的に流出させることができるので、出口部14bから比較的乾き度の高い気液二相状態の残余の冷媒を流出させることができる。つまり、本実施形態の気液分離部14では、温度式膨張弁13にて減圧された冷媒の流れを分岐することができるだけでなく、分岐されたそれぞれの冷媒の乾き度を調整することができる。乾き度とは、気相冷媒と液相冷媒との気液比率である。
 また、気液分離部14は、図4に示すように、図4に二点鎖線で示す貯液部15を貫通するように配置されている。より詳細には、気液分離部14は、スリット穴14cの形成された軸方向中央部が貯液部15内に収容された状態で、軸方向一端部(すなわち、入口部14a)、および軸方向他端部(すなわち、出口部14b)が貯液部15に固定されている。
 貯液部15は、気液分離部14にて分離されてスリット穴14cから流出した液相冷媒を貯留する冷媒容器である。貯液部15は、ジョイント部22と同じ金属製の有底筒状部材で形成されている。さらに、貯液部15は、図2、図7に示すように、風上側蒸発器17および風下側蒸発器18の外側面に沿って、略鉛直方向に延びる形状に形成されている。
 貯液部15には貯留された液相冷媒を流出させる液相冷媒出口が形成されており、この液相冷媒出口には、後述する風下側蒸発器18の吸引側熱交換部18bの入口が接続されている。
 ここで、気液分離部14からスリット穴14cを介して貯液部15へ流入する冷媒には、液相冷媒のみならず気相冷媒が含まれることもある。
 そこで、本実施形態では、スリット穴14cを介して貯液部15へ流入した気相冷媒や、もともと貯液部15に残留していた気相冷媒が、図5の破線矢印に示すように、スリット穴14cを介して気液分離部14へ戻る。気液分離部14へ流入した気相冷媒は、出口部14bを介して後述するエジェクタ16のノズル部16aへ流入する。
 このため、本実施形態のスリット穴14cの開口面積は、液相冷媒を気液分離部14から貯液部15へ流入させるだけでなく、貯液部15内の余剰の気相冷媒を貯液部15から気液分離部14へ戻すことができるように設定されている。なお、図5、図6では、図示の明確化のために液相冷媒を点ハッチングで示している。
 また、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転時に、吸引側熱交換部18bにて確実な冷凍能力を発揮させるためには、気液分離部14にて分離されて貯液部15へ流入する液相冷媒の流量が、貯液部15から吸引側熱交換部18bへ供給される液相冷媒の流量よりも多くなっていることが望ましい。
 このため、通常運転時の理想的な運転状態では、図6に示すように、貯液部15は満液となる。そして、気液分離部14にて分離された気相冷媒と余剰の液相冷媒が混じった気液二相状態の冷媒が、気液分離部14の出口部14bから流出する。
 貯液部15の冷媒出口には、図1に示すように、貯液部15から流出した液相冷媒を減圧させる減圧装置としてのキャピラリチューブ19の入口が接続されている。キャピラリチューブ19の出口には、風下側蒸発器18の吸引側熱交換部18bの入口が接続されている。
 一方、気液分離部14の出口部14bには、エジェクタ16のノズル部16aの入口が接続されている。エジェクタ16は、気液分離部14の出口部14bから流出した冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させる冷媒減圧装置である。さらに、エジェクタ16は、高速度で噴射される冷媒流の吸引作用によって冷媒を吸引して循環させる冷媒循環装置である。
 より具体的には、エジェクタ16は、ノズル部16aおよびボデー部16bを有している。ノズル部16aは、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る金属製の円筒状部材で形成されている。本実施形態では、ノズル部16aはステンレス製である。ノズル部16aは、内部に形成された冷媒通路(すなわち、絞り通路)にて冷媒を等エントロピ的に減圧させる。
 ノズル部16aの内部に形成された冷媒通路には、冷媒通路面積が最も縮小した喉部、および喉部から冷媒を噴射する冷媒噴射口へ向かって冷媒通路面積が徐々に拡大する末広部が形成されている。つまり、本実施形態のノズル部16aは、いわゆるラバールノズルである。
 さらに、本実施形態では、ノズル部16aは、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転時に、冷媒噴射口から噴射される噴射冷媒の流速が音速以上となるように設定されている。ノズル部16aは先細ノズルでであってもよい。
 ボデー部16bは、ジョイント部22等と同じ金属製の円筒状部材で形成されている。ボデー部16bは、エジェクタ16の外殻を形成するとともに、内部にノズル部16aを支持固定する固定部材である。より具体的には、ノズル部16aは、ボデー部16bの長手方向一端部の内部に収容されるように圧入にて固定されている。従って、ノズル部16aとボデー部16bとの固定部(圧入部)から冷媒が漏れることはない。
 また、ボデー部16bの外周面のうち、ノズル部16aの外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル部16aの冷媒噴射口と連通するように設けられた冷媒吸引口16cが形成されている。この冷媒吸引口16cは、ノズル部16aから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって、後述する風下側蒸発器18の吸引側熱交換部18bから流出した冷媒をエジェクタ16の内部へ吸引する貫通穴である。
 さらに、ボデー部16bの内部には、吸引通路、ディフューザ部16d等が形成されている。吸引通路は、冷媒吸引口16cから吸引された吸引冷媒をノズル部16aの冷媒噴射口へ導く冷媒通路である。ディフューザ部16dは、冷媒吸引口16cから吸引通路を介してエジェクタ16の内部へ流入した吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部である。
 吸引通路は、ノズル部16aの先細り形状の先端部周辺の外周側とボデー部16bの内周側との間の空間によって形成されており、吸引通路の冷媒通路面積は、冷媒流れ方向に向かって徐々に縮小している。これにより、吸引通路を流通する吸引冷媒の流速を徐々に増加させて、ディフューザ部16dにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(混合損失)を減少させている。
 ディフューザ部16dは、吸引通路の出口に連続するように配置されて、冷媒通路面積が徐々に拡大するように形成されている。これにより、ディフューザ部16dは、噴射冷媒と吸引冷媒とを混合させながら、その流速を減速させて噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力を上昇させる。すなわち、ディフューザ部16dは、混合冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する。
 より具体的には、本実施形態のディフューザ部16dを形成するボデー部16bの内周壁面の断面形状は、複数の曲線を組み合わせた形状となっている。そして、ディフューザ部16dの冷媒通路断面積の広がり度合が冷媒流れ方向に向かって徐々に大きくなった後に再び小さくなっていることで、冷媒を等エントロピ的に昇圧させることができる。
 ディフューザ部16dの出口には、図1に示すように、冷媒の流れを分岐する分岐部20が接続されている。分岐部20は、ディフューザ部16dから流出した流出冷媒の流れを2つの冷媒流れに分岐し、一方の冷媒流れを風上側蒸発器17の第1流出側熱交換部17aへ流入させ、他方の冷媒流れを風下側蒸発器18の第2流出側熱交換部18aへ流入させる。
 風上側蒸発器17および風下側蒸発器18は、いずれも送風ファン30aから車室内へ向けて送風された空気と冷媒とを熱交換させ、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって空気を冷却する蒸発器である。
 また、風上側蒸発器17は第1流出側熱交換部17aと第3流出側熱交換部17bとに区画されている。風下側蒸発器18は、第2流出側熱交換部18aと吸引側熱交換部18bとに区画されている。第1流出側熱交換部17a、第2流出側熱交換部18a、および第3流出側熱交換部17bは、エジェクタ16のディフューザ部16dから流出した冷媒を蒸発させる。吸引側熱交換部18bは、キャピラリチューブ19にて減圧された冷媒を蒸発させてエジェクタ16の冷媒吸引口16cへ流入させる。
 なお、第1、第2、第3流出側熱交換部17a、18a、17bは、いずれもディフューザ部16dから流出した冷媒を蒸発させる熱交換部である。従って、以下の説明では、これら3つの熱交換部を総称して流出側熱交換部と記載する場合がある。
 より具体的には、風上側蒸発器17には、第1流出側熱交換部17a、および第3流出側熱交換部17bが設けられている。風下側蒸発器18には、第2流出側熱交換部18a、および吸引側熱交換部18bが設けられている。
 第1流出側熱交換部17aは、分岐部20にて分岐された2つの冷媒流れのうちの一方を蒸発させる熱交換部である。第3流出側熱交換部17bは、第1流出側熱交換部17aから流出した冷媒と第2流出側熱交換部18aから流出した冷媒とを合流させた冷媒を蒸発させる熱交換部である。
 第2流出側熱交換部18aは、分岐部20にて分岐された2つの冷媒流れのうちの他方を蒸発させる熱交換部である。吸引側熱交換部18bは、キャピラリチューブ19にて減圧された冷媒を蒸発させる熱交換部である。吸引側熱交換部18bの冷媒出口には、エジェクタ16の冷媒吸引口16cが接続されている。
 風上側蒸発器17および風下側蒸発器18は、車室内へ送風される空気の流れ方向に対して直列的に配置されており、風下側蒸発器18は、風上側蒸発器17に対して空気の流れ方向の風下に配置されている。
 より具体的には、空気の流れ方向から見たときに、第1流出側熱交換部17aおよび第2流出側熱交換部18aは、少なくとも一部同士が重合するように配置されている。また、第3流出側熱交換部17bおよび吸引側熱交換部18bは、少なくとも一部同士が重合するように配置されている。
 送風ファン30aは、電動送風機であり、送風ファン30aの回転数、換言すれば、送風ファン30aにより送風される空気量は、空調制御装置から出力される制御電圧によって制御される。
 風上側蒸発器17の第3流出側熱交換部17bの冷媒出口には、熱交換用通路21の入口が接続されている。熱交換用通路21は、第3流出側熱交換部17bから流出した冷媒と貯液部15内の液相冷媒とを熱交換させる冷媒通路である。熱交換用通路21は、ジョイント部22等と同じ金属製の有底筒状部材で形成されている。
 熱交換用通路21は、図7に示すように、風上側蒸発器17および風下側蒸発器18の外側面に沿って、略鉛直方向に延びる形状に形成されている。さらに、熱交換用通路21は、熱交換用通路21を流通する冷媒と貯液部15内に貯留された液相冷媒との間の熱交換が可能となるように、貯液部15に隣接配置されている。
 熱交換用通路21の出口は、ジョイント部22に設けられた冷媒流出口22bに接続されている。さらに、ジョイント部22の冷媒流出口22bには、圧縮機11の吸入口が接続されている。
 次に、蒸発器ユニット30を構成する各構成機器の一体化について説明する。本実施形態の風上側蒸発器17および風下側蒸発器18は、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器で構成されている。従って、例えば、風下側蒸発器18は、図2、図7に示すように、複数の風下側チューブ81、一対の風下側タンク82、83等を有している。
 風下側チューブ81は、風下側蒸発器18にて蒸発させる冷媒、あるいは、風下側蒸発器18にて蒸発した冷媒を流通させる冷媒チューブである。風下側チューブ81は、伝熱性に優れる金属で形成されている。本実施形態では、風下側チューブ81は、エジェクタ16のボデー部16b等と同じアルミニウム合金で形成されている。
 さらに、本実施形態では、風下側チューブ81は、内部を流通する冷媒の流れ方向に垂直な断面において扁平形状を有する扁平チューブである。風下側チューブ81の内部を流れる冷媒の流れ方向は、風下側チューブ81の長手方向である。
 それぞれの風下側チューブ81は、外表面の平坦面(扁平面)同士が互いに平行となるように、一定の間隔を開けて積層配置されている。これにより、隣り合う風下側チューブ81同士の間に、車室内へ送風される空気が流通する空気通路が形成されている。つまり、風下側蒸発器18では、複数の風下側チューブ81が積層配置されることによって、冷媒と空気とを熱交換させる熱交換部(熱交換コア部)が形成されている。
 さらに、隣り合う風下側チューブ81同士の間に形成される空気通路には、冷媒と空気との熱交換を促進するフィン74が配置されている。フィン74は、風下側チューブ81と同じ材質の薄板材を波状に曲げ成形することによって形成されたコルゲートフィンである。なお、図2、図7では、図示の明確化のため、風下側チューブ81、風上側チューブ71、およびフィン74の一部のみを図示している。
 一対の風下側タンク82、83は、複数の風下側チューブ81の両端部に接続されて風下側チューブ81を流通する冷媒の集合あるいは分配を行う冷媒タンクである。以下の説明では、風下側タンクのうち鉛直方向上方側に配置されるものを上部風下側タンク82と称し、鉛直方向下方側に配置されるものを下部風下側タンク83と称する。
 風下側タンク82、83は、風下側チューブ81と同じ材質の有底筒状部材で形成されている。風下側タンク82、83は、風下側チューブ81の積層方向に延びる形状に形成されている。また、風下側タンク82、83の内部空間には、内部空間を区画する複数のセパレータが配置されている。
 風上側蒸発器17の基本的構成は、風下側蒸発器18と同様である。従って、風上側蒸発器17は、図7に示すように、複数の風上側チューブ71、一対の風上側タンク、およびフィン74等を有している。一対の風上側タンクは、具体的には、鉛直方向上方側に配置される上部風上側タンク72と鉛直方向下方側に配置される下部風上側タンク73である。上部風上側タンク72と下部風上側タンク73はそれぞれ、複数のセパレータにより内部が区画された内部空間を有している。
 さらに、本実施形態では、風上側蒸発器17の上部風上側タンク72および風下側蒸発器18の上部風下側タンク82の少なくとも一部同士を同一の部材で形成している。また、下部風上側タンク73および下部風下側タンク83の少なくとも一部同士を同一の部材で形成している。
 エジェクタ16は、収容タンク23の内部に収容されている。収容タンク23は、エジェクタ16、上部風上側タンク72および上部風下側タンク82と同じ材質で形成されている。収容タンク23は、上部風上側タンク72および上部風下側タンク82の長手方向と平行に延びる有底筒状部材で形成されている。収容タンク23は、上部風上側タンク72および上部風下側タンク82の間に、上部風上側タンク72および上部風下側タンク82の双方に接触するように配置されている。
 貯液部15は、風下側蒸発器18の一端側の側面に接触するように配置されている。風下側蒸発器18の一端側の側面とは、すなわち、エジェクタ16の冷媒流れ上流側の壁面である。同様に、熱交換用通路21は、貯液部15および風上側蒸発器17の一端側の側面に接触するように配置されている。ジョイント部22は、収容タンク23および熱交換用通路21の一端側の側面に接触するように配置されている。キャピラリチューブ19は、貯液部15の下方側に配置されている。
 そして、風上側チューブ71、風下側チューブ81、風上側タンク72、73、風下側タンク82、83、フィン74、セパレータ、エジェクタ16、収容タンク23、貯液部15、熱交換用通路21、ジョイント部22、キャピラリチューブ19等が、一体化されるように互いにろう付けされている(一体ろう付け)。
 これにより、本実施形態の蒸発器ユニット30では、ジョイント部22、気液分離部14、貯液部15、エジェクタ16、風上側蒸発器17、風下側蒸発器18、キャピラリチューブ19、熱交換用通路21が一体化されている。
 さらに、この一体ろう付けにより、収容タンク23内のエジェクタ16の外周壁面が、収容タンク23の内周壁面に接合される。これにより、収容タンク23は3つの部位に大別される。この3つの部位のうち、収容タンク23の一端部であって、エジェクタ16の冷媒流れ上流側の部位は、前述の気液分離部14を形成している。
 また、収容タンク23の軸方向中央部であって、エジェクタ16の外周側の部位は、エジェクタ16の外周側に冷媒吸引口16cに連通する吸引側空間を形成している。また、収容タンク23の他端部であって、エジェクタ16の冷媒流れ下流側に部位は、ディフューザ部16dから流出した冷媒を流入させる流出側空間を形成している。
 さらに、流出側空間は、上部風上側タンク72に形成された第1流出側熱交換部17a用の分配空間、および上部風下側タンク82に形成された第2流出側熱交換部18a用の分配空間に連通している。従って、本実施形態では、流出側空間を形成する収容タンク23の他端側の部位(他端部)が、分岐部20を形成している。
 つまり、本実施形態では、気液分離部14、収容タンク23、分岐部20が、1つの筒状部材によって、一体的に形成されている。
 次に、以上の如く一体化された蒸発器ユニット30内に形成される冷媒流路を、図7を用いて説明する。図7の太実線矢印に示すように、ジョイント部22の冷媒流入口22aから流入した冷媒は、収容タンク23の一端部に形成された気液分離部14へ流入する。気液分離部14へ流入した冷媒は、エジェクタ16のノズル部16aへ流入する気液二相状態の冷媒と、貯液部15へ流入する液相冷媒とに分流される。
 エジェクタ16のノズル部16aへ流入した冷媒は、冷媒吸引口16cから吸引された吸引冷媒と合流して、ディフューザ部16dから流出する。ディフューザ部16dから流出した冷媒は、収容タンク23の他端部に形成された分岐部20にて、風上側蒸発器17の上部風上側タンク72へ流入する冷媒流れと、風下側蒸発器18の上部風下側タンク82へ流入する冷媒とに分流される。
 風上側蒸発器17の上部風上側タンク72に流入した冷媒は、第1流出側熱交換部17aを構成する風上側チューブ71群を上方から下方へ流れて、下部風上側タンク73に流入する。一方、風下側蒸発器18の上部風下側タンク82に流入した冷媒は、第2流出側熱交換部18aを構成する風下側チューブ81群を上方から下方へ流れて、下部風下側タンク83に流入する。
 第1流出側熱交換部17aを構成する風上側チューブ71群から流出した冷媒と第2流出側熱交換部18aを構成する風下側チューブ81群から流出した冷媒は、風上側蒸発器17の下部風上側タンク73内で合流する。下部風上側タンク73内で合流した冷媒は、第3流出側熱交換部17bを構成する風上側チューブ71群を下方から上方へ流れて、上部風上側タンク72に流入する。
 第3流出側熱交換部17bから上部風上側タンク72に流入した冷媒は、熱交換用通路21の下方部位へ流入する。熱交換用通路21へ流入した冷媒は、熱交換用通路21を下方から上方へ流れて、ジョイント部22の冷媒流出口22bから流出する。
 一方、貯液部15に貯留された液相冷媒は、キャピラリチューブ19へ流入して減圧される。キャピラリチューブ19から流出した冷媒は、風下側蒸発器18の下部風下側タンク83に流入する。そして、吸引側熱交換部18bを構成する風下側チューブ81群を流れて、上部風下側タンク82に流入する。
 より詳細には、本実施形態では、風下側タンク82、83内にセパレータが配置されているので、図7に示すように、キャピラリチューブ19から下部風下側タンク83に流入した冷媒が下方から上方へ流れて上部風下側タンク82に流入する。上部風下側タンク82に流入した冷媒は当該タンク内を移動した後に上方から下方へ流れて下部風下側タンク83に流入する。下部風下側タンク83に流入した冷媒は当該タンク内を移動した後に、再び下方から上方へ流れて上部風下側タンク82に流入する。
 つまり、キャピラリチューブ19から下部風下側タンク83に流入した冷媒は、吸引側熱交換部18bにて、「N」の字を描くように、2回流れ方向を転向させて、上部風下側タンク82に流入する。そして、吸引側熱交換部18bから上部風下側タンク82に流入した冷媒は、収容タンク23の吸引側空間へ流入して、エジェクタ16の冷媒吸引口16cから吸引される。
 次に、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路により構成される。空調制御装置は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。各種制御対象機器は、例えば、圧縮機11、冷却ファン12d、および送風ファン30aである。
 空調制御装置の入力側には、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、蒸発器温度センサといった空調制御用のセンサ群が接続されている。そして、空調制御装置には、これらの空調制御用のセンサ群の検出値が入力される。
 内気センサは、車室内温度を検出する車室内温度検出部である。外気温センサは外気温を検出する外気温検出部である。日射センサは車室内の日射量を検出する日射量検出部である。蒸発器温度センサは蒸発器ユニット30から吹き出される吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発温度検出部である。
 なお、本実施形態の蒸発器温度センサは、具体的に、風下側蒸発器18の吸引側熱交換部18bを形成するフィン74の温度を検出している。蒸発器温度センサは、蒸発器ユニット30のその他の部位の温度を検出する温度検出部であってもよい。あるいは、蒸発器温度センサは、蒸発器ユニット30から流出する冷媒自体の温度を検出する温度検出部であってもよい。
 さらに、空調制御装置の入力側には、図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が空調制御装置へ入力される。各種操作スイッチは、例えば、空調を行うことを要求する空調作動スイッチや、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチである。
 なお、本実施形態の空調制御装置は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されている。空調制御装置のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。例えば、本実施形態では、圧縮機11の作動を制御する構成が、吐出能力制御部を構成している。
 本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動を、図8のモリエル線図を用いて説明する。まず、操作パネルの空調作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置が、ROMに予め記憶している空調制御プログラムを実行する。この空調制御プログラムにおける各制御ステップは、空調制御装置が有する機能実現部を構成している。
 この空調制御プログラムでは、上述した空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルからの操作信号に基づいて、車室内へ送風される空気の目標温度を決定する。この目標温度は、エジェクタ式冷凍サイクル10の熱負荷に相関を有する値である。そして、目標温度(すなわち、熱負荷)に応じて、圧縮機11、冷却ファン12d、送風ファン30a等の作動を制御する。これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。
 圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒(図8のa1点)は、放熱器12の凝縮部12aへ流入し、冷却ファン12dから送風された外気と熱交換し、放熱して凝縮する。凝縮部12aにて凝縮した冷媒は、レシーバ部12bにて気相冷媒と液相冷媒とに分離される。液相冷媒は、過冷却部12cにて冷却ファン12dから送風された外気と熱交換し、さらに放熱して過冷却液相冷媒となる(図8のa1点→b1点)。
 過冷却部12cから流出した過冷却液相冷媒は、温度式膨張弁13へ流入して等エンタルピ的に減圧されて中間圧冷媒となる(図8のb1点→c1点)。この際、温度式膨張弁13の弁開度は、蒸発器ユニット30出口側冷媒(図8のj1点)の過熱度が基準過熱度に近づくように調整される。
 温度式膨張弁13にて減圧された冷媒は、蒸発器ユニット30の冷媒流入口22aへ流入する。蒸発器ユニット30へ流入した冷媒は、収容タンク23の一端部に配置された気液分離部14にて分離される(図8のc1点→d1点、c1点→e1点)。
 気液分離部14にて分離された冷媒のうち軸中心付近の比較的乾き度の高い気液二相状態の冷媒(図8のd1点)は、エジェクタ16のノズル部16aへ流入して等エントロピ的に減圧されて噴射冷媒として噴射される(図8のd1点→f1点)。そして、この噴射冷媒の吸引作用によって、風下側蒸発器18の吸引側熱交換部18bから流出した冷媒(図8のn1点)が、エジェクタ16の冷媒吸引口16cから吸引冷媒として吸引される。
 噴射冷媒および吸引冷媒は、エジェクタ16のディフューザ部16dへ流入して合流する(図8のf1点→g1点、p1点→g1点)。
 ここで、本実施形態のエジェクタ16の吸引通路は、冷媒流れ方向に向かって通路断面積が徐々に縮小する形状に形成されている。このため、吸引通路を通過する吸引冷媒は、その圧力を低下させながら(図8のn1点→p1点)、流速を増加させる。これにより、吸引冷媒と噴射冷媒との速度差を縮小し、ディフューザ部16dにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(混合損失)を減少させている。
 ディフューザ部16dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する(図8のg1点→h1点)。
 ディフューザ部16dから流出した冷媒の流れは、収容タンク23の他端部によって形成される分岐部20にて2つの冷媒流れに分岐される。2つの冷媒流れはそれぞれ、互いに並列的に接続された風上側蒸発器17の第1流出側熱交換部17aおよび風下側蒸発器18の第2流出側熱交換部18aへ流入する。
 より詳細には、2つの冷媒流れの一方は、風上側蒸発器17の第1流出側熱交換部17aへ流入する。第1流出側熱交換部17aへ流入した冷媒は、送風ファン30aによって送風された空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風ファン30aによって送風された空気が冷却される。
 また、2つの冷媒流れの他方は、風下側蒸発器18の第2流出側熱交換部18aへ流入する。第2流出側熱交換部18aへ流入した冷媒は、第1流出側熱交換部17a通過後の空気から吸熱して蒸発する。これにより第1流出側熱交換部17a通過後の空気がさらに冷却される。
 第1流出側熱交換部17aおよび第2流出側熱交換部18aから流出した冷媒は、合流して風上側蒸発器17の第3流出側熱交換部17bへ流入する。第3流出側熱交換部17bへ流入した冷媒は、送風ファン30aによって送風された空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風ファン30aによって送風された空気が冷却される(図8のh1点→i1点)。
 第3流出側熱交換部17bから流出した冷媒は、熱交換用通路21へ流入する。熱交換用通路21へ流入した冷媒のエンタルピは、貯液部15に貯留された冷媒と熱交換することで上昇する(図8のi1点→j1点)。熱交換用通路21から流出した冷媒は、ジョイント部22の冷媒流出口22bから流出する。冷媒流出口22bから流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される(図8のj1点→a1点)。
 一方、気液分離部14にて分離された液相冷媒(図8のe1点)は、貯液部15へ流入する。貯液部15に貯留された冷媒のエンタルピは、熱交換用通路21を流通する冷媒と熱交換することで低下し、貯液部15に貯留された冷媒が過冷却液相冷媒となる(図8のe1点→k1点)。貯液部15から流出した過冷却液相冷媒は、キャピラリチューブ19にて等エンタルピ的に減圧されて低圧冷媒となる(図8のk1点→m1点)。
 キャピラリチューブ19にて減圧された低圧冷媒は、風下側蒸発器18の吸引側熱交換部18bへ流入する。吸引側熱交換部18bへ流入した低圧冷媒は、第1流出側熱交換部17aあるいは第3流出側熱交換部17b通過後の空気から吸熱して蒸発する(図8のm1点→n1点)。これにより第1流出側熱交換部17aの一部および第3流出側熱交換部17b通過後の空気がさらに冷却される。
 吸引側熱交換部18bから流出した冷媒は、前述の如く、エジェクタ16の冷媒吸引口16cから吸引される。
 以上の如く、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、蒸発器ユニット30にて、車室内へ送風される空気を冷却することができる。
 さらに、本実施形態の蒸発器ユニット30では、第3流出側熱交換部17b下流側の冷媒をジョイント部22の冷媒流出口22bから流出させるので、圧縮機11にエジェクタ16のディフューザ部16dにて昇圧された冷媒を吸入させることができる。
 従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、蒸発器における冷媒蒸発圧力と圧縮機の吸入冷媒の圧力が同等となる通常の冷凍サイクル装置よりも、圧縮機11の消費動力を低減させて、エジェクタ式冷凍サイクル10の成績係数(COP)を向上させることができる。
 また、本実施形態の蒸発器ユニット30では、流出側熱交換部17a、18a、17bにおける冷媒蒸発圧力をディフューザ部16dにて昇圧された冷媒圧力としている。さらに、エジェクタ16の冷媒吸引口16cに接続される吸引側熱交換部18bにおける冷媒蒸発圧力をノズル部16aにて減圧された直後の低い冷媒圧力としている。
 従って、空気の流れ方向から見たときに、第1流出側熱交換部17aと吸引側熱交換部18bが重合する領域、あるいは、第3流出側熱交換部17bと吸引側熱交換部18bが重合する領域では、各熱交換部における冷媒蒸発温度と空気との温度差を確保して、空気を効率的に冷却することができる。
 ここで、本実施形態のように、エジェクタ16を備える蒸発器ユニット30では、吸引側熱交換部18bに比較的乾き度の低い冷媒を流入させることで、蒸発器ユニット30全体としての冷却能力を向上させることができることが判っている。その理由は、吸引側熱交換部18bに比較的乾き度の低い冷媒を流入させることで、冷媒蒸発温度の低い吸引側熱交換部18bにて発揮される冷凍能力(図8のm1点とn1点とのエンタルピ差)を増大させることができるからである。
 さらに、エジェクタ16のノズル部16aに比較的乾き度の高い冷媒を流入させることで、サイクルのCOPを向上させやすいことが判っている。その理由は、ノズル部16aに乾き度の高い冷媒を流入させることで、モリエル線図上の等エントロピ線の傾きが緩やかになる。これにより、減圧膨張時に損失されるエネルギの回収量(以下、回収エネルギ量という)が増加し、ディフューザ部16dにおける冷媒昇圧能力を向上させることができるからである。
 なお、回収エネルギ量とは、エジェクタ16のノズル部16aにて冷媒を減圧させる際に生じる運動エネルギの損失のうち、冷媒吸引口16cから冷媒を吸引することによって回収されるエネルギ量である。この回収エネルギ量は、ノズル部16aへ流入する冷媒のエンタルピとノズル部16aから噴射された冷媒のエンタルピとのエンタルピ差で定義される。このエンタルピ差は、図8におけるd1点における比エンタルピとf1点における比エンタルピとの差に相当する。
 ところが、エジェクタ式冷凍サイクル10の熱負荷が低下する低負荷運転時には、エジェクタ式冷凍サイクル10を循環する循環冷媒流量が減少してしまうので、気液分離部14にて分離される液相冷媒の量も減少してしまう。このため、吸引側熱交換部18bに比較的乾き度の低い冷媒を流入させることができなくなってしまい、蒸発器ユニット30全体としての冷却能力が低下してしまうおそれがある。
 これに対して、本実施形態によれば、蒸発器ユニット30が貯液部15を備えているので、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動によらず、貯液部15に貯留された液相冷媒を減圧装置であるキャピラリチューブ19に流入させることができる。従って、吸引側熱交換部18bに比較的乾き度の低い冷媒を確実に流入させることができる。
 すなわち、本実施形態の蒸発器ユニット30によれば、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動によらず、蒸発器ユニット30全体として充分な冷却性能を発揮することができる。
 さらに、本実施形態の蒸発器ユニット30では、エジェクタ16のノズル部16aに気液分離部14から流出した比較的乾き度の高い気液二相状態の冷媒を流入させることができるので、エジェクタ16の回収エネルギ量を増加させることができる。従って、エジェクタ16の昇圧能力を向上させて、サイクルのCOPをより一層向上させることができる。
 これに加えて、貯液部15が蒸発器(具体的には、風上側蒸発器17と風下側蒸発器18)の外側面に沿って延びる形状に形成されて、風下側蒸発器18に一体化されている。従って、蒸発器ユニット30全体としての大型化を抑制しつつ貯液部15の内容積を十分に確保できるとともに、蒸発器ユニット30全体としての剛性を向上させることができる。
 また、本実施形態の蒸発器ユニット30では、エジェクタ16のノズル部16aに気液二相状態の冷媒を流入させることができる。従って、エジェクタ16のディフューザ部16dから流出する冷媒も比較的乾き度の高い気液二相冷媒となる。
 このため、ディフューザ部16dから流出した冷媒が流出側熱交換部17a、18a、17bを通過する際に生じる圧力損失が、大きくなりやすい。さらに、圧力損失が大きくなると、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の圧力が低下するため、エジェクタ16の昇圧作用によるCOP向上効果を得にくい。
 これに対して、本実施形態の蒸発器ユニット30によれば、風上側蒸発器17に設けられた第1流出側熱交換部17aおよび風下側蒸発器18に設けられた第2流出側熱交換部18aが、流出冷媒の流れに対して並列的に接続されており、流出冷媒を第1流出側熱交換部17aおよび第2流出側熱交換部18aの双方へ流入させることができる。
 従って、流出冷媒を第1流出側熱交換部17aおよび第2流出側熱交換部18aのいずれか一方に流通させる場合に対して、流出冷媒が流通する冷媒通路の通路断面積を拡大することができる。その結果、ディフューザ部16dから流出した冷媒が、流出側熱交換部17a、18a、17bを通過する際に生じる圧力損失を低減させることができる。
 また、本実施形態の蒸発器ユニット30では、気液分離部14は円筒状を有する遠心分離方式の部材であり、気液分離部14の側面に形成されたスリット穴14cが液相冷媒出口を形成している。従って、貯液部15へ液相冷媒を流入させるとともに、エジェクタ16のノズル部16aの入口へ比較的乾き度の高い気液二相状態の冷媒を流入させる気液分離部を容易に実現することができる。
 また、本実施形態の蒸発器ユニット30では、気液分離部14のスリット穴14cの開口面積が、貯液部15内の余剰の気相冷媒を貯液部15から気液分離部14へ戻すことができるように設定されている。これによれば、貯液部15内の気相冷媒をエジェクタ16のノズル部16aへ流入させることができるとともに、より一層確実に、吸引側熱交換部18bへ比較的乾き度の低い冷媒を流入させることができる。
 また、本実施形態の蒸発器ユニット30は、熱交換用通路21を備えているので、貯液部15に貯留された液相冷媒を過冷却することができる。従って、吸引側熱交換部18bへ流入する冷媒のエンタルピをより一層低下させ、吸引側熱交換部18bにて発揮される冷凍能力をより一層増大させることができる。
 さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10のサイクル構成では、熱交換用通路21を流通する冷媒流量がサイクルを循環する循環冷媒流量と等しくなる。これに対して、貯液部15へ流入する液相冷媒は、気液分離部14にて分岐された後の冷媒なので、循環冷媒流量よりも少なくなる。
 従って、通常の冷凍サイクル装置における内部熱交換器のように、圧縮機吸入冷媒と放熱器下流側冷媒とを熱交換させる場合に対して、圧縮機11に吸入される冷媒の過熱度が不必要に上昇してしまうことを抑制することができる。その結果、圧縮機11吐出冷媒の温度が異常上昇してしまうことも抑制することができる。
 さらに、貯液部15に貯留された冷媒が過冷却液相冷媒となるので、キャピラリチューブ19へ流入する冷媒の密度変化が小さくなる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10に負荷変動が生じても、キャピラリチューブ19の減圧特性(流量係数)が変化しにくく、キャピラリチューブ19の設定が容易となる。
 また、熱交換用通路21が蒸発器(具体的には、風上側蒸発器17)の外側面に沿って延びて、風上側蒸発器17に一体化されているので、蒸発器ユニット30全体としての大型化を抑制しつつも、蒸発器ユニット30全体としての剛性を向上させることができる。
  (第2実施形態)
 本実施形態では、第1実施形態に対して、図9に示すように、気液分離部14の構成が変更されている。なお、図9は、第1実施形態の説明で参照した図4に対応している。さらに、図9では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
 より具体的には、本実施形態のスリット穴14dは、周方向の一部において開口するように形成されている。その他の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
 さらに、本実施形態では、気液分離部14を単一の部材で構成できるので、蒸発器ユニット30の構造を簡素化させて生産性を向上させることができる。なお、本実施形態では、スリット穴14dを1つ形成しているが、スリット穴14dを複数形成してもよい。
 (第3実施形態)
 第1実施形態では、遠心分離方式の気液分離部14に代えて、図10に示すように、ジョイント部22内に気液分離部24を形成している。なお、図10は、第1実施形態の説明で参照した図3に対応している。
 より具体的には、本実施形態の気液分離部24は、ジョイント部22内の導入通路22cに形成された衝突部22dに、冷媒流入口22aから流出した冷媒を衝突させる。そして、速度の低下した冷媒のうち、密度の高い液相冷媒を重力の作用によって下方側に落下させることで、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する衝突方式の気液分離部である。
 このため、本実施形態の貯液部15は、ジョイント部22から流出した冷媒を貯留する。その他の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
 本実施形態では、第1実施形態で説明し収容タンク23の一端側の部位を単なる冷媒通路として利用することができる。従って、収容タンク23を単一の部材で構成できるので、蒸発器ユニット30の構造を簡素化させて生産性を向上させることができる。
 (第4実施形態)
 本実施形態では、第1実施形態に対して、蒸発器ユニット30内に形成される冷媒流路を、図11に示すように変更している。なお、図11は、第1実施形態の説明で参照した図7に対応する図面である。
 より具体的には、本実施形態では、第3流出側熱交換部17bから上部風上側タンク72へ流入した冷媒を、熱交換用通路21を通過させることなく、ジョイント部22の冷媒流出口22bから流出させる。さらに、吸引側熱交換部18bから上部風下側タンク82へ流入した冷媒を、熱交換用通路21の下方部位へ流入させる。そして、熱交換用通路21から流出した冷媒を、収容タンク23の吸引側空間へ流入させる。
 その他の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成は、第1実施形態と同様である。
 次に、実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動を、図12のモリエル線図を用いて説明する。なお、図12のモリエル線図では、第1実施形態の説明で参照した図8のモリエル線図とサイクル構成上同等の箇所の冷媒の状態を、図8と同一の符号(アルファベット)で示し、添字(数字)のみ変更している。
 本実施形態では、圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒(図12のa2点)が、第1実施形態と同様に、放熱器12にて放熱し、温度式膨張弁13にて中間圧冷媒となるまで減圧される(図12のa2点→b2点→c2点)。この際、温度式膨張弁13の弁開度は、蒸発器ユニット30出口側冷媒(図12のi2点)の過熱度が基準過熱度に近づくように調整される。
 温度式膨張弁13にて減圧された冷媒は、気液分離部14にて気相冷媒と液相冷媒とに分離される(図12のc2点→d2点、c2点→e2点)。気液分離部14にて分離された気液二相状態の冷媒(図12のd2点)は、第1実施形態と同様に、エジェクタ16のノズル部16aへ流入して噴射される。これにより、熱交換用通路21から流出した冷媒(図12のq2)が、エジェクタ16の冷媒吸引口16cから吸引される。
 一方、気液分離部14にて分離された液相冷媒(図12のe2点)は、貯液部15へ流入する。貯液部15に貯留された冷媒のエンタルピは、熱交換用通路21を流通する冷媒と熱交換することで低下し、貯液部15に貯留された冷媒は過冷却液相冷媒となる(図12のe2点→k2点)。この際、本実施形態では、吸引側熱交換部18bから流出した冷媒のエンタルピが熱交換用通路21にて上昇する(図12のn2点→q2点)。
 その他の作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動によらず、蒸発器ユニット30全体として充分な冷却性能を発揮することができる。
 (第5実施形態)
 本実施形態では、第1実施形態に対して、図13に示すように、気液分離部14の構成を変更している。図13は、第1実施形態の説明で参照した図5、図6に対応する図面である。
 具体的には、本実施形態の気液分離部14には、スリット穴14cよりも下流側の筒状側面に、ガス戻し穴13dが形成されている。ガス戻し穴13dは、気液分離部14の内外を貫通させて、貯液部15内の気相冷媒を気液分離部14の内部空間へ戻す。このガス戻し穴14dは、貯液部15内の気相冷媒を、気液分離部14のスリット穴14cよりも出口部14b側、すなわち、ノズル部16aの入口側へ導くように形成されている。換言すれば、ガス戻し穴14dは、筒状を有する気液分離部14の軸方向においてスリット穴14cと出口部14bとの間に位置しており、貯液部15内の気相冷媒をノズル部16aの入口側へ導く。
 その他の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の蒸発器ユニット30およびエジェクタ式冷凍サイクル10においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
 (他の実施形態)
 以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本開示の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本開示の範囲は、本開示における記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
 (1)上述の実施形態では、ジョイント部22、気液分離部14、貯液部15、エジェクタ16、風上側蒸発器17、風下側蒸発器18、キャピラリチューブ19、熱交換用通路21等を一体化させた蒸発器ユニット30について説明したが、本開示に係る蒸発器ユニット30は、これに限定されない。
 少なくとも、気液分離部14、貯液部15、エジェクタ16、風上側蒸発器17、風下側蒸発器18が一体化されていればよい。さらに、上記の構成機器に加えて、温度式膨張弁13を一体化させてもよい。また、減圧装置は、キャピラリチューブに限定されない。減圧装置は、オリフィスやノズルであってもよい。
 (2)上述の実施形態では、流出側熱交換部として、3つの熱交換部17a、18a、17bを設けた例を説明したが、蒸発器17、18における熱交換部の区画はこれに限定されない。例えば、風上側蒸発器17の全熱交換部を流出側熱交換部とし、風下側蒸発器18の全熱交換部を吸引側熱交換部としてもよい。
 (3)エジェクタ式冷凍サイクル10を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
 例えば、圧縮機11は、上述の実施形態ではエンジン駆動式の可変容量型圧縮機であるが、電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機であってもよい。さらに、圧縮機11は、固定容量型圧縮機構と電動モータとを備え、電力を供給されることによって作動する電動圧縮機であってもよい。電動圧縮機では、電動モータの回転数を調整することによって、冷媒吐出能力を制御することができる。
 また、放熱器12は、上述の実施形態ではサブクール型の熱交換器であったが、凝縮部12aのみからなる通常の放熱器であってもよい。さらに、放熱器12は、通常の放熱器と、この放熱器にて放熱した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰液相冷媒を蓄える受液器(レシーバ)と、を一体化したレシーバ一体型の凝縮器であってもよい。
 また、上述の実施形態では、通常の冷凍サイクル装置における内部熱交換器と同様に機能する構成として熱交換用通路21を追加しているが、熱交換用通路21は必須の構成ではない。従って、熱交換用通路21を廃止して、放熱器12出口側の高圧冷媒と圧縮機11吸入側の低圧冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を、蒸発器ユニット30の外部に追加してもよい。
 また、冷媒は、上述の実施形態ではR1234yfであったが、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、HFO-1234ze、HFO-1234zd等のその他の冷媒であってもよい。または、冷媒は、R1234yf、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、HFO-1234ze、HFO-1234zdのうち複数を混合させた混合冷媒であってもよい。
 (4)上述の実施形態では、本開示に係る蒸発器ユニット30を車両に搭載されるエジェクタ式冷凍サイクル10に適用している。しかしながら、蒸発器ユニット30は、車両用のエジェクタ式冷凍サイクルに限らず、定置用等のエジェクタ式冷凍サイクルに適用してもよい。
 (5)上記各実施形態に開示された事項は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。例えば、第2、第3実施形態で説明した気液分離部14、24を、第4実施形態で説明したサイクル構成を実現する蒸発器ユニット30に適用してもよい。第5実施形態で説明したガス戻し穴14dを、第2実施形態で説明した気液分離部14に形成してもよい。

 

Claims (10)

  1.  冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離部(14、24)と、
     前記液相冷媒を貯留する貯液部(15)と、
     前記気相冷媒を含む冷媒を減圧させるノズル部(16a)、並びに、前記ノズル部から噴射される高速度の噴射冷媒の吸引作用によって冷媒を吸引冷媒として吸引する冷媒吸引口(16c)および前記噴射冷媒と前記吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部(16d)が形成されたボデー部(16b)を有するエジェクタ(16)と、
     前記貯液部から流出した前記液相冷媒を減圧させる減圧装置(19)と、
     前記昇圧部から流出した冷媒を蒸発させる流出側熱交換部(17a、18a、17b)、および前記減圧装置にて減圧された冷媒を蒸発させて前記冷媒吸引口へ流入させる吸引側熱交換部(18b)を有する蒸発器(17、18)と、を備える蒸発器ユニット。
  2.  前記貯液部は、前記蒸発器の外側面に沿って延びる形状に形成されて、前記蒸発器に一体化されている請求項1に記載の蒸発器ユニット。
  3.  前記気液分離部(14)は、内部に流入した冷媒を旋回させて遠心力の作用によって当該冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する遠心分離方式の気液分離部である請求項1または2に記載の蒸発器ユニット。
  4.  前記気液分離部に形成された液相冷媒出口は、旋回中心軸周りの周方向に延びる形状に開口するスリット穴(14c、14d)である請求項3に記載の蒸発器ユニット。
  5.  前記気液分離部(24)は、衝突部(22d)に冷媒を衝突させて重力の作用によって当該冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する衝突方式の気液分離部である請求項1または2に記載の蒸発器ユニット。
  6.  前記貯液部内の前記気相冷媒を、前記ノズル部へ流入させる請求項1ないし5のいずれか1つに記載の蒸発器ユニット。
  7.  前記気液分離部には、前記貯液部内の前記気相冷媒を前記ノズル部へ導くガス戻し穴(14d)が形成されている請求項6に記載の蒸発器ユニット。
  8.  前記流出側熱交換部から流出した冷媒を流通させて、前記貯液部内の冷媒と熱交換させる熱交換用通路(21)を備える請求項1ないし7のいずれか1つに記載の蒸発器ユニット。
  9.  前記吸引側熱交換部から流出した冷媒を流通させて、前記貯液部内の冷媒と熱交換させる熱交換用通路(21)を備える請求項1ないし7のいずれか1つに記載の蒸発器ユニット。
  10.  前記熱交換用通路は、前記蒸発器の外側面に沿って延びる形状に形成されて前記貯液部に隣接配置されている請求項8または9に記載の蒸発器ユニット。

     
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