JP6780567B2 - 気液分離器、および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒の気液を分離する気液分離器、およびこれを備える冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、エジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であるエジェクタ式冷凍サイクルに適用された気液分離器が開示されている。この特許文献1の気液分離器は、エジェクタ式冷凍サイクルにおいて、エジェクタから流出した冷媒の気液を分離し、分離された液相冷媒を蒸発器の入口側へ流出させ、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させている。
さらに、特許文献1の気液分離器は、エジェクタから流出した冷媒の気液を分離する冷媒気液分離部に加えて油分離部を有している。油分離部は、冷媒気液分離部にて分離された液相冷媒から圧縮機を潤滑するための冷凍機油を分離する部位である。また、特許文献1では、冷媒気液分離部および油分離部を螺旋状に湾曲させた二重管で形成することによって、気液分離器全体としての小型化を図ろうとしている。
より具体的には、二重管のうち冷媒気液分離部を形成する部位では、内側管の螺旋の中心軸外周側に、内側管の内外を連通させる複数の連通穴を形成している。そして、遠心力の作用によって内側管を流通する冷媒の気液を分離し、分離された液相冷媒を冷凍機油とともに複数の連通穴を介して、内側管と外側管との間の空間によって形成される油分離部側へ流出させている。
また、二重管のうち油分離部を形成する部位では、重力の作用によって液相冷媒から冷凍機油を分離している。そして、外側管に設けられた液相冷媒出口から液相冷媒を蒸発器の入口側へ流出させている。さらに、冷媒気液分離部にて分離された気相冷媒については、油分離部にて分離された冷凍機油とともに、内側管の冷媒流れ最下流側に設けられた気相冷媒出口から圧縮機の吸入側へ流出させている。
特開2007−322001号公報
ところで、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、冷媒として、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも小さい二酸化炭素(CO2)を採用している。このため、特許文献1の油分離部では、内側管と外側管との間の空間の下方側に冷凍機油を貯めている。そして、油分離部を形成する内側管の最下方部に、冷凍機油を気相冷媒側へ戻すオイル戻し穴を形成している。
このため、特許文献1の気液分離器を、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒を循環させる冷凍サイクル装置に適用すると、油分離部で分離された冷凍機油を圧縮機の吸入側へ戻すことができなくなってしまい、圧縮機の耐久寿命に悪影響を与えてしまうおそれがある。
本発明は、上記点に鑑み、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離可能な気液分離器を提供することを目的とする。
また、本発明は、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離可能な気液分離器を備える冷凍サイクル装置を提供することを別の目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明は、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒を循環させる冷凍サイクル装置(10)に適用されて、冷媒の気液を分離する気液分離器であって、
通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)と、本体部の少なくとも一部を収容するケース部(145)と、を備え、
本体部は、螺旋状に湾曲した螺旋状部(141)を有する管状部材で形成されて、遠心力の作用によって冷媒通路を流通する冷媒の気液を分離するものであり、本体部の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、本体部の螺旋の中心軸外周側には、本体部の内外を連通させる複数の連通穴(141a)が形成されており、ケース部の内部には、連通穴から流出した液相冷媒を貯える貯液空間(145a)が形成されており、ケース部には、貯液空間に貯えられた液相冷媒を流出させる液相冷媒出口(14b)が設けられており、
本体部のうち連通穴が形成された範囲の中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴の合計開口面積が、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴の合計開口面積よりも大きくなっており、
本体部には、貯液空間内の気相冷媒を流入させるガス戻し管(146)が接続されており、ガス戻し管は、螺旋状部の中心軸側にて鉛直方向に延びるように配置されており、ガス戻し管のガス入口(146a)は、複数の連通穴よりも上方側で開口している気液分離器である。
これによれば、液相冷媒の比重が冷凍機油の比重よりも大きいので、螺旋状部(141)の冷媒通路を流通する冷媒では、遠心力の作用によって螺旋の中心軸外周側に液相冷媒が分布しやすい。従って、本体部(140)にて分離された液相冷媒を、冷凍機油および気相冷媒に優先させて連通穴(141a)から貯液空間(145a)へ流出させることができる。
この際、中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴(141a)の合計開口面積が、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴(141a)の合計開口面積よりも大きくなっているので、連通穴(141a)を介して気相冷媒および冷凍機油が貯液空間(145a)へ流出してしまうことを効果的に抑制することができる。
より詳細には、本体部(140)の連通穴(141a)が形成された範囲の冷媒通路のうち中間部よりも上流側では、比較的乾き度の低い冷媒が流通する。このため、螺旋の中心軸外周側に分布する液相冷媒の量も多くなる。
従って、中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴(141a)の合計開口面積を比較的大きく設定しても、連通穴(141a)から気相冷媒および冷凍機油を流出させてしまうことなく、液相冷媒を流出させることができる。
さらに、本体部(140)の連通穴(141a)が形成された範囲の冷媒通路のうち中間部よりも下流側では、上流側の連通穴(141a)から液相冷媒が流出していくので、比較的乾き度の高い冷媒が流通する。このため、螺旋の中心軸外周側に分布する液相冷媒の量も少なくなる。
従って、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴(141a)の合計開口面積を比較的小さく設定しておくことで、連通穴(141a)から気相冷媒や冷凍機油を流出させてしまうことを抑制することができる。
その結果、貯液空間(145a)に貯えられた液相冷媒を液相冷媒出口(14b)から流出させることができる。さらに、貯液空間(145a)側へ流出しなかった気相冷媒および冷凍機油を気相冷媒出口(14c)から流出させることができる。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離可能な気液分離器を提供することができる。
また、請求項に記載の発明は、冷凍機油が混入された冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、放熱器(12)から流出した冷媒を減圧させるノズル部(13a)から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(13c)から冷媒を吸引し、噴射冷媒と冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させるエジェクタ(13)と、エジェクタから流出した冷媒の気液を分離し、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させる気液分離器(14)と、気液分離器にて分離された液相冷媒を蒸発させて、冷媒吸引口側へ流出させる蒸発器(15)と、を備え、
冷媒として、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きいものが採用されており、
気液分離器は、通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)、および本体部の少なくとも一部を収容するケース部(145)を有し、本体部は、螺旋状に湾曲した螺旋状部(141)を有する管状部材で形成されて、遠心力の作用によって冷媒通路を流通する冷媒の気液を分離するものであり、本体部の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、本体部の螺旋の中心軸外周側には、本体部の内外を連通させる複数の連通穴(141a)が形成されており、ケース部の内部には、連通穴から流出した液相冷媒を貯える貯液空間(145a)が形成されており、ケース部には、貯液空間に貯えられた液相冷媒を流出させる液相冷媒出口(14b)が設けられており、本体部のうち連通穴が設けられた範囲の中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴の合計開口面積が、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴の合計開口面積よりも大きくなっており、本体部には、貯液空間内の気相冷媒を流入させるガス戻し管(146)が接続されており、ガス戻し管は、螺旋状部の中心軸側にて鉛直方向に延びるように配置されており、ガス戻し管のガス入口(146a)は、複数の連通穴よりも上方側で開口している冷凍サイクル装置である。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様に、気液分離器(14)にて、冷媒の気液を分離する際に液相冷媒から冷凍機油を適切に分離することができる。
すなわち、請求項に記載の発明によれば、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離可能な気液分離器を備える冷凍サイクル装置を提供することができる。そして、分離された冷凍機油を気相冷媒とともに圧縮機(11)の吸入側へ戻すことで、圧縮機(11)の保護を図ることができる。
さらに、蒸発器(15)から流出した冷媒をエジェクタ(13)に吸引させるサイクル構成の冷凍サイクル装置(10)では、低負荷運転時等にエジェクタ(13)の吸引能力が低下しやすい。従って、この種の冷凍サイクル装置(10)において、気液分離器(14)にて液相冷媒から冷凍機油を適切に分離できることは、蒸発器(15)内に冷凍機油が滞留してしまうことを抑制できるという点で極めて有効である。
ここで、請求項に記載された本体部(140)のうち連通穴(141a)が設けられた範囲としては、本体部(140)のうち、冷媒流れ最上流側に配置された連通穴(141a)から冷媒流れ最下流側に配置された連通穴(141a)へ至る範囲と定義してもよい。
また、請求項に記載された液相冷媒出口(14b)は、液相冷媒のみを流出させる冷媒出口に限定されるものではなく、主に液相冷媒を流出させるために比較的乾き度の低い気液二相冷媒を流出させる冷媒出口も含まれる。
また、請求項に記載された気相冷媒出口(14c)は、気相冷媒のみを流出させる冷媒出口に限定されるものではなく、主に気相冷媒を流出させるために比較的乾き度の高い気液二相冷媒を流出させる冷媒出口も含まれる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の気液分離器の外観斜視図である。 第1実施形態の気液分離器の本体部を示す外観斜視図である。 第2実施形態の気液分離器の本体部を示す外観斜視図である。 第3実施形態の気液分離器の本体部を示す外観斜視図である。
以下に説明する第1〜第3実施形態のうち、第3実施形態が特許請求の範囲に記載した発明の実施形態であり、第1、2実施形態は、発明の前提として示す形態である。
(第1実施形態)
図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たす。従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の冷却対象流体は、送風空気である。
エジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、サイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
この冷凍機油としては、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(ポリアルキレングリコールオイル)が採用されている。従って、本実施形態では、冷媒として液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きいものが採用されている。
図1の全体構成図に示すエジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。より具体的には、本実施形態の圧縮機11は、1つのハウジング内に固定容量型の圧縮機構、および圧縮機構を駆動する電動モータを収容して構成された電動圧縮機である。
この圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。また、電動モータは、後述する空調制御装置20から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式のものを採用してもよい。
圧縮機11の吐出口には、放熱器12の冷媒入口側が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12aにより送風される車室外空気(外気)を熱交換させて、高圧冷媒を放熱させて冷却する放熱用熱交換器である。冷却ファン12aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器12の冷媒出口には、エジェクタ13のノズル部13aの入口側が接続されている。エジェクタ13は、放熱器12から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズル部13aを有し、冷媒減圧装置としての機能を果たす。さらに、エジェクタ13は、ノズル部13aの冷媒噴射口から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、外部から冷媒を吸引して循環させる冷媒循環装置としての機能を果たす。
これに加えて、エジェクタ13は、ノズル部13aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒との混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換し、混合冷媒を昇圧させるエネルギ変換装置としての機能を果たす。
より具体的には、エジェクタ13は、ノズル部13a、およびボデー部13bを有している。ノズル部13aは、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る略円筒状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)等で形成されている。ノズル部13aは、内部に形成された冷媒通路にて冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるものである。
ノズル部13aの内部に形成された冷媒通路には、通路断面積を最も縮小させる喉部、および喉部から冷媒を噴射する冷媒噴射口へ向かうに伴って通路断面積が徐々に拡大する末広部が形成されている。つまり、本実施形態のノズル部13aは、ラバールノズルとして構成されている。
さらに、本実施形態では、ノズル部13aとして、サイクルの通常運転時に冷媒噴射口から噴射される噴射冷媒の流速が音速以上となるように設定されたものが採用されている。もちろん、ノズル部13aを先細ノズルで構成してもよい。
ボデー部13bは、略円筒状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。ボデー部13bは、内部にノズル部13aを支持固定する固定部材として機能するとともに、エジェクタ13の外殻を形成するものである。より具体的には、ノズル部13aは、ボデー部13bの長手方向一端側の内部に収容されるように圧入にて固定されている。ボデー部13bは、樹脂にて形成されていてもよい。
ボデー部13bの外周面のうち、ノズル部13aの外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル部13aの冷媒噴射口と連通するように設けられた冷媒吸引口13cが形成されている。冷媒吸引口13cは、ノズル部13aから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって、後述する蒸発器15から流出した冷媒をエジェクタ13の内部へ吸引する貫通穴である。
ボデー部13bの内部には、冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒をノズル部13aの冷媒噴射口側へ導く吸引通路、および、吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部としてのディフューザ部13dが形成されている。
吸引通路は、ノズル部13aの先細り形状の先端部周辺の外周側とボデー部13bの内周側との間の空間に形成されており、吸引通路の冷媒通路面積は、冷媒流れ方向に向かって徐々に縮小している。これにより、吸引通路を流通する吸引冷媒の流速を徐々に増加させて、ディフューザ部13dにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(すなわち、混合損失)を減少させている。
ディフューザ部13dは、吸引通路の出口に連続するように配置された円錐台状の冷媒通路である。ディフューザ部13dでは、通路断面積が冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大する。ディフューザ部13dは、このような通路形状によって、混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換する。
より具体的には、本実施形態のディフューザ部13dを形成するボデー部13bの内周壁面の断面形状は、複数の曲線を組み合わせて形成されている。そして、ディフューザ部13dの冷媒通路断面積の広がり度合が冷媒流れ方向に向かって徐々に大きくなった後に再び小さくなっていることで、冷媒を等エントロピ的に昇圧させることができる。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転時にディフューザ部13dから流出する冷媒が気液二相冷媒となる。より具体的には、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転時にディフューザ部13dから流出する冷媒の乾き度が、0.4以上、かつ、0.8以下となるように冷媒が充填されている。
ディフューザ部13dの出口には、気液分離器14の冷媒入口14a側が接続されている。気液分離器14は、ディフューザ部13dから流出した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒を後述する蒸発器15の冷媒入口側へ流出させ、分離された気相冷媒を圧縮機11の吸入側へ流出させるものである。
気液分離器14の詳細構成については、図2、図3を用いて説明する。なお、図2等における上下の各矢印は、気液分離器14を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。気液分離器14は、図2に示すように、本体部140およびケース部145を有している。
本体部140は、図3に示すように、通路断面積が一定の冷媒通路を形成する金属製(本実施形態では、アルミニウム製)の管状部材で形成されている。本体部140の通路断面は、円形状である。本体部140は、円筒状に形成された上流側円筒部142、螺旋状に湾曲した螺旋状部141、円筒状に形成された下流側円筒部143に大別される。
螺旋状部141は、内部に形成された冷媒通路を流通する冷媒に遠心力を作用させることによって、冷媒の気液を分離する機能を果たす部位である。本実施形態では、充分な気液分離性能を確保するために螺旋状部141の巻き数を4巻きとしている。さらに、螺旋状部141の螺旋の中心軸外周側には、螺旋状部141の内外を連通させる複数(本実施形態では、8個)の連通穴141aが形成されている。
連通穴141aは、螺旋状部141内で分離された液相冷媒を螺旋状部141の外部(具体的には、後述する貯液空間145a)へ流出させるための液戻し穴である。それぞれの連通穴141aは、円形状に形成されている。それぞれの連通穴141aの中心は、螺旋の中心軸方向から見たときに、螺旋の中心軸周りに等角度間隔で配置されている。
さらに、本実施形態では、隣り合う連通穴141aのうち冷媒流れ下流側に配置された連通穴141aの開口面積が、冷媒流れ上流側に配置された連通穴141aの開口面積以下に設定されている。これにより、螺旋状部141のうち連通穴141aが形成された範囲の中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴141aの合計開口面積が、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴の合計開口面積よりも大きくなっている。
ここで、本体部140のうち複数の連通穴141aが形成された範囲とは、螺旋状部141のうち冷媒流れ最上流側に配置された連通穴141aから冷媒流れ最下流側に配置された連通穴141aへ至る範囲と定義することができる。さらに、中間部とは、当該範囲における冷媒流れ方向の中間部である。
さらに、図3からも理解されるように、複数の連通穴141aは、螺旋状部141の4巻き目(すなわち、冷媒流れ最下流側の1巻き)に形成されている。このため、全ての連通穴141aは、上流側円筒部142に設けられた冷媒入口14aよりも、下流側円筒部143に設けられた気相冷媒出口14cの近くに配置されている。
上流側円筒部142は、螺旋状部141の上方側に配置されており、ディフューザ部13dから流出した冷媒を流入させる冷媒入口14aを形成している。換言すると、気液分離器14では、本体部140の冷媒流れ最上流部に、気液分離対象となる冷媒を流入させる冷媒入口14aが設けられている。
さらに、上流側円筒部142の中心線は、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている。このため、冷媒入口14aは、ディフューザ部13dから流出した冷媒を螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流入させるように開口している。ここで、螺旋状部141の冷媒通路の中心線は、螺旋状部141の通路断面の重心点を結んだ線等で定義することができ、螺旋状に描かれる。
下流側円筒部143は、螺旋状部141の下方側に配置されており、圧縮機11の吸入側へ気相冷媒を流出させる気相冷媒出口14cを形成している。換言すると、気液分離器14では、本体部140の冷媒流れ最下流部に、本体部140の内部で分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口14cが設けられている。
さらに、下流側円筒部143の中心線は、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている。このため、気相冷媒出口14cは、分離された気相冷媒を螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流出させるように開口している。
次に、ケース部145は、図2に示すように、本体部140の少なくとも一部を収容する金属製(本実施形態では、アルミニウム製)の容器構造のものである。ケース部145の内部には、本体部140の一部を収容するとともに、螺旋状部141に形成された複数の連通穴141aから流出した液相冷媒を貯える貯液空間145aが形成されている。
貯液空間145aは、円柱状の空間であり、貯液空間145aの中心軸と螺旋状部141の螺旋の中心軸は、同軸上に配置されている。さらに、気液分離器14は、貯液空間145aの中心軸および螺旋状部141の螺旋の中心軸が、鉛直方向となるように配置されている。
そして、本体部140の上流側円筒部142は、ケース部145の上方側の側面から突出して冷媒入口14aを開口させている。本体部140の下流側円筒部143は、ケース部145の下方側の側面から突出して気相冷媒出口14cを開口させている。従って、気相冷媒出口14cは、冷媒入口14aよりも下方側で開口している。
さらに、ケース部145の貯液空間145aの底面であって、貯液空間145aの最下方部を形成する部位には、液相冷媒出口14bが形成されている。このため、液相冷媒出口14bは、貯液空間145a内に貯えられた液相冷媒の液面よりも下方側で開口している。気液分離器14の液相冷媒出口14bには、図1に示すように、蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。
蒸発器15は、内部へ流入した低圧冷媒と送風機15aから車室内へ向けて送風される送風空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。送風機15aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。蒸発器15の冷媒出口には、エジェクタ13の冷媒吸引口13c側が接続されている。
次に、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置20は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器11、12a、15a等の作動を制御する。
また、空調制御装置20には、車室内温度を検出する内気温センサ、外気温を検出する外気温センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、蒸発器15から吹き出される吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ等のセンサ群が接続され、これらの空調用センサ群の検出信号が入力される。
さらに、空調制御装置20の入力側には、図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が空調制御装置20へ入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、空調を行うことを要求する空調作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
なお、本実施形態の空調制御装置20は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、空調制御装置20のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。例えば、圧縮機11の作動を制御する構成が、吐出能力制御部を構成している。
次に、上記構成における本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動について説明する。操作パネルの空調作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置20が、圧縮機11、冷却ファン12a、送風機15a等を作動させる。
これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒は、放熱器12へ流入する。放熱器12へ流入した冷媒は、冷却ファン12aから送風された外気と熱交換し、冷却されて凝縮する。
放熱器12から流出した冷媒は、エジェクタ13のノズル部13aへ流入して等エントロピ的に減圧されて噴射される。そして、噴射冷媒の吸引作用によって、蒸発器15から流出した冷媒が、冷媒吸引口13cから吸引される。
ノズル部13aから噴射された噴射冷媒および冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部13dへ流入する。ディフューザ部13dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ部13dにて昇圧された気液二相状態の冷媒は、気液分離器14の冷媒入口14aへ流入する。
気液分離器14へ流入した気液二相状態の冷媒は、本体部140の螺旋状部141を流通する際に、遠心力の作用によって気液分離される。螺旋状部141で分離された液相冷媒は、連通穴141aを介して、ケース部145の貯液空間145a内へ流入する。貯液空間145aに貯えられた液相冷媒は、液相冷媒出口14bから流出する。また、螺旋状部141で分離された気相冷媒は、気相冷媒出口14cから流出する。
液相冷媒出口14bから流出した冷媒は、気液分離器14から蒸発器15へ至る冷媒流路を流通する際に圧力を低下させながら蒸発器15へ流入する。蒸発器15へ流入した冷媒は、送風機15aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。蒸発器15から流出した冷媒は、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される。気相冷媒出口14cから流出した気相冷媒は、圧縮機11へ吸入され再び圧縮される。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、以上の如く作動して、車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。
エジェクタ式冷凍サイクル10では、エジェクタ13のディフューザ部13dにて昇圧された冷媒を圧縮機11へ吸入させている。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10によれば、蒸発器における冷媒蒸発圧力と圧縮機吸入冷媒の圧力が略同等となる通常の冷凍サイクル装置よりも、圧縮機11の消費動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒を採用している。従って、気液分離器14の螺旋状部141の冷媒通路を流通する冷媒では、遠心力の作用によって螺旋の中心軸外周側に液相冷媒が分布しやすい。
これにより、螺旋状部141の冷媒通路内で分離された液相冷媒を、冷凍機油および気相冷媒に優先させて連通穴141aから貯液空間145aへ流出させることができる。このことは、液相冷媒と冷凍機油が互いに相溶性を有していても同様である。つまり、相溶性を有していても、遠心力の作用によって冷媒機油よりも液相冷媒の方が螺旋の中心軸外周側に分布しやすい。
この際、本実施形態の気液分離器14では、中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴141aの合計開口面積が、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴の合計開口面積よりも大きくなっているので、連通穴141aを介して気相冷媒や冷凍機油が流出してしまうことを効果的に抑制することができる。
より詳細には、本体部140の連通穴141aが形成された範囲の冷媒通路のうち中間部よりも上流側では、比較的乾き度の低い冷媒が流通する。このため、螺旋の中心軸外周側に分布する液相冷媒の量も多くなる。従って、中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴141aの合計開口面積を比較的大きく設定しても、連通穴141aから気相冷媒および冷凍機油を流出させてしまうことなく、液相冷媒を流出させることができる。
さらに、本体部140の連通穴141aが形成された範囲の冷媒通路のうち中間部よりも下流側では、中間部よりも冷媒流れ上流側に配置された連通穴141aから液相冷媒が流出していくので、比較的乾き度の高い冷媒が流通する。このため、螺旋の中心軸外周側に分布する液相冷媒の量も少なくなる。
従って、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴141aの合計開口面積を比較的小さく設定しておくことで、連通穴141aから気相冷媒や冷凍機油を流出させてしまうことを抑制することができる。その結果、貯液空間145aに貯えられた液相冷媒を液相冷媒出口14bから流出させることができる。さらに、貯液空間145a側へ流出しなかった気相冷媒および冷凍機油を気相冷媒出口14cから流出させることができる。
すなわち、本実施形態の気液分離器14によれば、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離することができる。さらに、適切に分離された冷凍機油を気相冷媒とともに圧縮機11の吸入側へ戻すことができるので、圧縮機11の保護を図ることができる。
また、本実施形態の気液分離器14では、液相冷媒出口14bがケース部145の貯液空間145aの底面を形成する部位に開口しているので、貯液空間145a内の気相冷媒が、液相冷媒に巻き込まれて、液相冷媒とともに液相冷媒出口14bから流出してしまう、いわゆる気相冷媒の噛み込みの発生を抑制することができる。
気相冷媒の噛み込みは、貯液空間145a内の圧力変動を招く原因となる。従って、気相冷媒の噛み込みの発生を抑制できることは、気液分離器14の気液分離性能を安定化させることができる点で有効である。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10のように、蒸発器15から流出した冷媒をエジェクタ13に吸引させるサイクル構成では、低負荷運転時等にエジェクタ13の吸引能力が低下しやすい。このため、エジェクタ式冷凍サイクル10では、気液分離器14にて液相冷媒から冷凍機油を適切に分離できることは、蒸発器15内に冷凍機油が滞留してしまうことを抑制できるという点で極めて有効である。
また、前述したエジェクタ13の昇圧作用によるCOP向上効果を充分に得るためには、エジェクタ13のディフューザ部13dの出口側と圧縮機11の吸入側との間に配置される気液分離器14にて冷媒に生じる圧力損失を低減させることが望ましい。
これに対して、本実施形態の気液分離器14では、上流側円筒部142の冷媒入口14aが、ディフューザ部13dから流出した冷媒を螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流入させるように開口している。従って、ディフューザ部13dから流出した冷媒を螺旋状部141へ滑らかに流入させることができ、冷媒を流入させる際に生じる圧力損失を低減させることができる。
さらに、気相冷媒出口14cの気相冷媒出口14cが、気相冷媒を螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流出させるように開口している。従って、螺旋状部141から冷媒を滑らかに流出させることができ、冷媒を流出させる際に生じる圧力損失を低減させることができる。
これに加えて、本体部140の通路断面積が一定に形成されているので、本体部140のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積が急激に変化して圧力損失が生じてしまうことを抑制することができる。従って、本実施形態の気液分離器14によれば、冷媒に生じる圧力損失を低減させて、エジェクタ式冷凍サイクル10のCOP向上効果を充分に得ることができる。
また、本実施形態の気液分離器14では、螺旋状部141を有しているので、螺旋状部141のうち複数の連通穴141aが形成さえた部位よりも上流側の巻き数を調整することによって、気液分離性能を調整することができる。
ここで、本発明者の検討によれば、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10のように、ディフューザ部13dの下流側に配置された気液分離器14にて分離された液相冷媒を蒸発器15へ流入させるサイクル構成では、負荷変動によらず蒸発器15へ適切な流量の冷媒を供給するために、ディフューザ部13dから流出する冷媒の乾き度を、0.4以上、かつ、0.8以下に設定しておくことが望ましい。より好ましくは、この乾き度を、0.5以上、かつ、0.7以下に設定しておくことが望ましい。
従って、エジェクタ式冷凍サイクル10に適用される気液分離器14では、冷媒入口14aへ流入する冷媒の乾き度が0.4以上、かつ、0.8以下の範囲で充分な気液分離性能を発揮するように、気液分離性能を調整しておくことによって、エジェクタ式冷凍サイクル10に充分な冷凍能力を発揮させることができる。
また、本実施形態では、全ての連通穴141aを、冷媒入口14aよりも気相冷媒出口14cの近くに配置しているので、連通穴141aから気相冷媒出口14cへ至る通路を流通する気相冷媒に生じる圧力損失をより一層抑制することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、複数の連通穴141aの開口面積を変化させた例を説明したが、本実施形態では、図4に示すように、隣り合う前記連通穴同士の間隔を変化させることによって、中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴141aの合計開口面積を、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴の合計開口面積よりも大きくした例を説明する。
なお、図4は、第1実施形態で説明した図3に対応する図面であって、図4では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
より具体的には、本実施形態では、複数の連通穴の141aの開口面積を全て同一に設定している。また、複数の連通穴141aの中心は、螺旋の中心軸方向から見たときに、螺旋の中心軸周りに等角度間隔に配置されていない。そして、隣り合う連通穴141a同士の間隔が、冷媒流れ下流側に配置されたものほど広くなっている。
その他の気液分離器14およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の気液分離器14においても、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態の気液分離器14に対して、図5に示すように、ガス戻し管146を追加した例を説明する。ガス戻し管146は、貯液空間145a内の気相冷媒を本体部140の冷媒通路内に戻すための管状部材である。ガス戻し管146は、本体部140と同種の金属で形成されている。
本実施形態のガス戻し管146は、本体部140の螺旋状部141の下流側(すなわち、下流側円筒部143)に接続されている。ガス戻し管146は、中心軸が鉛直方向に延びるように配置されている。このため、ガス戻し管146のガス入口146aは、全ての連通穴141aよりも上方側で開口している。
その他の気液分離器14およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の気液分離器14においても、液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒の気液を分離する際に、液相冷媒から冷凍機油を適切に分離することができる。
さらに、本実施形態の気液分離器14では、本体部140(具体的には、下流側円筒部143)にガス戻し管146が接続されているので、第1実施形態で説明した気相冷媒の噛み込みが生じてしまうことを効果的に抑制することができる。また、ガス入口146aが連通穴141aよりも上方側で開口しているので、連通穴141aから流出した液相冷媒が再びガス戻し管146へ流入してしまうことを抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)複数の連通穴141aの開口形状、数量、配置等は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。すなわち、中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴141aの合計開口面積を、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴141aの合計開口面積よりも大きくすることができれば、複数の連通穴141aの開口形状、数量、配置等は、適宜変更することができる。
また、上述の実施形態では、上流側円筒部142の中心線が、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている例を説明したが、上流側円筒部142の中心線の方向と螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向は、完全に一致している必要はない。
例えば、螺旋状部141の螺旋の中心軸方向から見たときに、上流側円筒部142の中心線が、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びていれば、同様の効果を得ることができる。このことは、下流側円筒部143の中心線についても同様である。
(2)エジェクタ式冷凍サイクル10を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、圧縮機11として、プーリ、ベルト等を介して車両走行用エンジンから伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。さらに、エンジン駆動式の圧縮機としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整可能な可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整可能な固定容量型圧縮機を採用することができる。
また、上述の実施形態では、放熱器12の詳細構成について言及していないが、放熱器12として、凝縮させた冷媒を蓄えるレシーバ部(換言すると、受液器)を有するレシーバ一体型の凝縮器を採用してもよい。さらに、レシーバ部から流出した液相冷媒を過冷却する過冷却部を有して構成される、いわゆるサブクール型の凝縮器を採用してもよい。
また、上述の実施形態に対して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入する冷媒流量を調整する流量調整機構を追加してもよい。このような流量調整機構としては、蒸発器15出口側冷媒(すなわち、冷媒吸引口13cから吸引される冷媒)の過熱度が、予め定めた基準過熱度に近づくように弁開度を変化させる温度式膨張弁等を採用することができる。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR134aを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒であれば、例えば、R1234yf、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
(3)上述の各実施形態では、本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用空調装置に適用したが、エジェクタ式冷凍サイクル10の適用はこれに限定されない。例えば、据置型空調装置、冷温保存庫、その他の冷却加熱装置等に適用してもよい。
(4)また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態で説明したガス戻し管146を、第2実施形態で説明した本体部140に接続してもよい。
さらに、本体部140のうち複数の連通穴141aが形成された範囲の中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する連通穴141aの合計開口面積が、中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する連通穴141aの合計開口面積よりも大きくなっていれば、連通穴141aの形状および数量は上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
10 エジェクタ式冷凍サイクル
14 気液分離器
140 本体部
14a 冷媒入口
14b 液相冷媒出口
14c 気相冷媒出口
141 連通穴
145 ケース部
145a 貯液空間
146 ガス戻し管

Claims (6)

  1. 液相となっている際の比重が冷凍機油の比重よりも大きい冷媒を循環させる冷凍サイクル装置(10)に適用されて、前記冷媒の気液を分離する気液分離器であって、
    通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)と、
    前記本体部の少なくとも一部を収容するケース部(145)と、を備え、
    前記本体部は、螺旋状に湾曲した螺旋状部(141)を有する管状部材で形成されて、遠心力の作用によって前記冷媒通路を流通する前記冷媒の気液を分離するものであり、
    前記本体部の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、
    前記本体部の螺旋の中心軸外周側には、前記本体部の内外を連通させる複数の連通穴(141a)が形成されており、
    前記ケース部の内部には、前記連通穴から流出した液相冷媒を貯える貯液空間(145a)が形成されており、
    前記ケース部には、前記貯液空間に貯えられた液相冷媒を流出させる液相冷媒出口(14b)が設けられており、
    前記本体部のうち前記複数の連通穴が形成された範囲の中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する前記連通穴の合計開口面積が、前記中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する前記連通穴の合計開口面積よりも大きくなっており、
    前記本体部には、前記貯液空間内の気相冷媒を流入させるガス戻し管(146)が接続されており、
    前記ガス戻し管は、前記螺旋状部の中心軸側にて鉛直方向に延びるように配置されており、
    前記ガス戻し管のガス入口(146a)は、前記複数の連通穴よりも上方側で開口している気液分離器。
  2. 隣り合う前記連通穴のうち冷媒流れ下流側に配置された連通穴の開口面積が、冷媒流れ上流側に配置された連通穴の開口面積よりも小さくなっている請求項1に記載の気液分離器。
  3. 隣り合う前記連通穴同士の間隔が、冷媒流れ下流側に配置されたものほど広くなっている請求項1に記載の気液分離器。
  4. 前記液相冷媒出口は、前記ケース部のうち前記貯液空間の底面を形成する部位に開口している請求項1ないし3のいずれか1つに記載の気液分離器。
  5. 前記冷媒通路に流入する前記冷媒は、乾き度が0.4以上、かつ、0.8以下の気液二相冷媒である請求項1ないしのいずれか1つに記載の気液分離器。
  6. 冷凍機油が混入された冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)から流出した冷媒を減圧させるノズル部(13a)から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(13c)から冷媒を吸引し、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させるエジェクタ(13)と、
    前記エジェクタから流出した冷媒の気液を分離し、分離された気相冷媒を前記圧縮機の吸入側へ流出させる気液分離器(14)と、
    前記気液分離器にて分離された液相冷媒を蒸発させて、前記冷媒吸引口側へ流出させる蒸発器(15)と、を備え、
    前記冷媒として、液相となっている際の比重が前記冷凍機油の比重よりも大きいものが採用されており、
    前記気液分離器は、
    通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)、および前記本体部の少なくとも一部を収容するケース部(145)を有し、
    前記本体部は、螺旋状に湾曲した螺旋状部(141)を有する管状部材で形成されて、遠心力の作用によって前記冷媒通路を流通する前記冷媒の気液を分離するものであり、
    前記本体部の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、
    前記本体部の螺旋の中心軸外周側には、前記本体部の内外を連通させる複数の連通穴(141a)が形成されており、
    前記ケース部の内部には、前記連通穴から流出した液相冷媒を貯える貯液空間(145a)が形成されており、
    前記ケース部には、前記貯液空間に貯えられた液相冷媒を流出させる液相冷媒出口(14b)が設けられており、
    前記本体部のうち前記複数の連通穴が形成された範囲の中間部よりも冷媒流れ上流側に開口する前記連通穴の合計開口面積が、前記中間部よりも冷媒流れ下流側に開口する前記連通穴の合計開口面積よりも大きくなっており、
    前記本体部には、前記貯液空間内の気相冷媒を流入させるガス戻し管(146)が接続されており、
    前記ガス戻し管は、前記螺旋状部の中心軸側にて鉛直方向に延びるように配置されており、
    前記ガス戻し管のガス入口(146a)は、前記複数の連通穴よりも上方側で開口している冷凍サイクル装置。
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