JP2009300027A - エジェクタおよびエジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

エジェクタおよびエジェクタ式冷凍サイクル Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成で、エジェクタのノズル効率ηnozを向上させて、COPを十分に向上できるエジェクタ式冷凍サイクルを提供する。
【解決手段】圧縮機11吐出冷媒の流れを分岐する圧縮機吐出分岐部12、および、分岐された極僅かの流量の気相冷媒をエジェクタ14のノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側へ導く注入配管143a、143bによって構成される気相冷媒注入手段を設けて、ノズル部141にて液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒を減圧膨張させる。これにより、簡素な構成で、エジェクタ14のノズル効率ηnozを向上でき、COPを十分に向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体減圧手段であるとともに運動量輸送式ポンプとして機能するエジェクタ、および、このエジェクタを備えるエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、流体減圧手段であるとともに運動量輸送式ポンプとして機能するエジェクタが知られている。この種のエジェクタでは、高圧流体を減圧膨張させるノズル部から噴射された高速度の噴射流体の圧力低下によって流体吸引口から流体を吸引して、昇圧部(ディフューザ部)にて噴射流体と吸引流体とを混合した混合流体の運動エネルギを圧力エネルギに変換することによって、混合流体を昇圧することができる。
例えば、特許文献1には、エジェクタを冷媒減圧手段として用いた蒸気圧縮式冷凍サイクルであるエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。この特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、上述のエジェクタの昇圧作用によって、圧縮機の駆動動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させている。
ところで、エジェクタのノズル部に液相流体を流入させると、ノズル部のノズル効率ηnozが低下することが知られている。その理由は、ノズル部の流体通路壁面近傍側における流体の流速と流体通路壁面から離れた中央側における流体の流速との間に流速差が生じ、液相冷媒が均質に沸騰しにくいからである。
なお、ノズル効率ηnozとは、ノズル部におけるエネルギ変換効率であり、具体的には以下式F1にて定義される。
ηnoz=(Vnoz2/2)/Δinoz…(F1)
ここで、Vnozは、噴射流体の流速であって、Δinozは単位重量あたりの冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させた際の比エンタルピの低下量、すなわち、ノズル部入口側流体のエンタルピと出口側流体の比エンタルピの差である。従って、ノズル部効率ηnoaが低下すると、エジェクタの昇圧量も低下してCOPが低下してしまう。
これに対して、例えば、特許文献2のエジェクタ式冷凍サイクルに適用されるエジェクタでは、ノズル部の冷媒通路内に2つの絞り部を設け、1段目の絞り部にて冷媒を気液二相状態として、2段目の絞り部にて気液二相状態の冷媒を減圧膨張させることで、ノズル効率ηnozの低下を抑制している。
また、例えば、特許文献3のエジェクタ式冷凍サイクルでは、放熱器からエジェクタのノズル部へ流入する冷媒を再加熱するヒータを設け、このヒータによってノズル部へ流入する冷媒のエンタルピを上昇させ、気液二相状態の冷媒をノズル部に流入させることで、ノズル効率ηnozの低下を抑制している。
特許第3322263号公報 特許第3603552号公報 特開2006−17444号公報
しかしながら、特許文献1のエジェクタでは、ノズル部の冷媒通路内に2つの絞り部を形成するため、冷媒通路の形状が複雑となる。エジェクタのノズル部を製造する際には、高い加工精度が要求されるため、冷媒通路の形状が複雑化するとエジェクタの製造コストの増加を招きやすい。
また、特許文献2のエジェクタ式冷凍サイクルでは、放熱器で放熱した冷媒を再加熱するので、蒸発器入口側冷媒のエンタルピが上昇してしまう。このため、蒸発器入口側と出口側の冷媒のエンタルピ差(冷凍能力)が低下してしまう分だけ、COPが低下してしまう。その結果、ノズル効率ηnozを向上させたことによるCOP向上効果を十分に得られない。
本発明は、上記点に鑑み、簡素な構成で、エジェクタのノズル効率ηnozを向上させて、COPを十分に向上できるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、簡素な構成で、ノズル効率ηnozを向上させることができ、エジェクタ式冷凍サイクルに適用した際に、COPを十分に向上できるエジェクタを提供することを第2の目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器(13)と、放熱器(13)にて放熱した液相冷媒を減圧膨張させるノズル部(141)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒を冷媒吸引口(142b)から吸引して、噴射冷媒と冷媒吸引口(142b)から吸引された吸引冷媒とを混合して昇圧させるエジェクタ(14)と、冷媒を蒸発させて、冷媒吸引口(142b)側へ流出させる吸引側蒸発器(17)とを備え、ノズル部(141)の冷媒通路には、液相冷媒を流入させるノズル流入口(141b)および冷媒通路の通路面積が最も縮小した喉部(141c)が形成されており、さらに、ノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入する気相冷媒注入手段(12、143a、143b)を備えるエジェクタ式冷凍サイクルを特徴とする。
これによれば、ノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入する気相冷媒注入手段(12、143a、143b)を備えているので、ノズル部(141)にて液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒を減圧膨張させることができる。従って、エジェクタ(14)のノズル効率ηnozを向上させることができる。
しかも、ノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入するという簡素な構成で、ノズル効率ηnozを向上させることができ、これによりCOPを低下させることもない。従って、簡素な構成で、エジェクタのノズル効率ηnozを向上させて、COPを十分に向上できるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することができる。
なお、「非平衡状態の冷媒」とは、液相冷媒内に気相冷媒を注入した際に、液相冷媒および気相冷媒が混在した状態から気相冷媒が全て液化してしまう状態までの間の状態を意味している。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、気相冷媒注入手段は、圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒の流れを分岐する圧縮機吐出側分岐部(12)、および、圧縮機吐出側分岐部(12)にて分岐された一方の冷媒をノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側へ導く注入配管(143a、143b)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、具体的に、圧縮機(11)から吐出された高圧気相冷媒を、ノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に注入することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、圧縮機吐出側分岐部(12)は、放熱器(13)へ流入する高圧冷媒の流れを分岐するように配置されていることを特徴とする。
これによれば、放熱器(13)を介してノズル流入口(141b)へ流入する液相冷媒よりも、放熱器(13)における圧力損失分だけ高い圧力の気相冷媒を注入することができるので、確実にノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入できる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、気相冷媒注入手段は、さらに、注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱する加熱手段(18)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、加熱手段(18)によって注入配管(143a、143b)を流通する気相冷媒を加熱することができるので、より一層、確実にノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入できる。
しかも、注入する気相冷媒は、ノズル流入口(141b)へ流入する液相冷媒に対して極僅かな流量とすればよいので、注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱しても、殆どCOPを低下させることがない。
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、圧縮機吐出側分岐部(12)は、放熱器(13)から流出した高圧冷媒の流れを分岐するように配置されており、気相冷媒注入手段は、さらに、注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱する加熱手段(18)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、加熱手段(18)によって注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱・蒸発させることができるので、圧縮機吐出側分岐部(12)を放熱器(13)の下流側に配置しても、確実にノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入できる。
しかも、注入する気相冷媒は、ノズル流入口(141b)へ流入する液相冷媒に対して極僅かな流量とすればよいので、注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱しても、殆どCOPを低下させることがない。
請求項6に記載の発明では、請求項2ないし5のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、注入配管(143a、143b)の少なくとも一部には、その内部を流通する冷媒と外部との熱交換を抑制する断熱部材(143c)が設けられていることを特徴とする。
これによれば、注入配管(143a、143b)を流通する気相冷媒が外部に放熱して凝縮してしまうことを抑制できるので、より一層、確実にノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入できる。
さらに、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、エジェクタ(14)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器(15)を備え、気液分離器(15)の液相冷媒出口は、吸引側蒸発器(17)入口側に接続され、気液分離器(15)の気相冷媒出口は、圧縮機(11)吸入側に接続されていてもよい。
また、請求項8に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、放熱器(13)から流出した冷媒の流れを分岐する放熱器流出側分岐部(19)を備え、放熱器流出側分岐部(19)の一方の冷媒出口は、ノズル流入口(141b)に接続され、放熱器流出側分岐部(19)の他方の冷媒出口は、冷媒を減圧膨張させる減圧手段(16)を介して、吸引側蒸発器(17)入口側に接続されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、液相流体を減圧膨張させるノズル部(141)と、ノズル部(141)から噴射する高速度の噴射流体の流れによって流体を吸引する流体吸引口(142b)、および、噴射冷媒と流体吸引口(142b)から吸引された吸引流体との混合流体を昇圧させる昇圧部(142f)が形成されたボデー部(142)とを備え、ノズル部(141)の流体通路には、液相流体を流入させるノズル流入口(141b)および通路面積が縮小した喉部(141c)が形成されており、さらに、ノズル部(141)の外部からノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側へ、ノズル流入口(141b)から流入した液相冷媒よりも圧力の高い気相流体を導く注入配管(143a、143b)を備えるエジェクタを特徴とする。
これによれば、ノズル流入口(141b)の下流側かつ喉部(141c)の上流側へ、ノズル流入口(141b)から流入した液相冷媒よりも圧力の高い気相流体を導く注入配管(143a、143b)を備えているので、ノズル部(141)にて液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒を減圧膨張させることができる。従って、エジェクタ(14)のノズル効率ηnozを向上させることができる。
しかも、注入配管(143a、143b)を備えるという簡素な構成で、ノズル効率ηnozを向上させることができ、エジェクタ式冷凍サイクルに適用した際にCOPを低下させることもない。従って、簡素な構成で、ノズル効率ηnozを向上させることができ、エジェクタ式冷凍サイクルに適用した際に、COPを十分に向上できるエジェクタを提供することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲に記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1、2により、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を、室内空調を行う定置型の空調装置に適用している。図1は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の全体構成図である。
エジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された圧縮機構11aを電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機である。圧縮機構11aとしては、具体的に、スクロール型、ローリングピストン型等の各種圧縮機構を採用できる。
電動モータ11bは、後述する空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機構11aの冷媒吐出能力が変更される。従って、電動モータ11bは、圧縮機構11aの冷媒吐出能力を変更する吐出能力変更手段を構成している。
圧縮機11の吐出口側には、圧縮機11から吐出された高圧気相冷媒の流れを分岐する圧縮機吐出側分岐部12が接続されている。この圧縮機吐出側分岐部12は、3つの流入出口を有する三方継手構造になっており、流入出口のうち1つを冷媒流入口とし、2つを冷媒流出口としたものである。
このような分岐部は、管径の異なる配管を接合して構成してもよいし、金属ブロックや樹脂ブロックに通路径の異なる複数の冷媒通路を設けて構成してもよい。さらに、圧縮機吐出側分岐部12の一方の冷媒流出口には、放熱器13が接続され、他方の冷媒流出口には、第1注入配管143aが接続されている。なお、この第1注入配管143aについては後述する。
さらに、圧縮機吐出側分岐部12は、冷媒流入口から流入した高圧気相冷媒のほぼ全ての流量を放熱器13側に流し、極僅かの流量を第1注入配管143a側へ流すように形成されている。具体的には、第1注入配管143a側へ流れる冷媒流量は、圧縮機吐出側分岐部12へ流入する冷媒の100分の1以下としている。
放熱器13は圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン13aにより送風される室外空気とを熱交換させることによって、高圧冷媒を放熱させて冷却する放熱用熱交換器である。冷却ファン13aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用し、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。従って、放熱器13は冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
放熱器13の出口側には、レシーバ13bが接続されている。このレシーバ13bは、放熱器13から流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を溜めておく高圧側の気液分離器である。なお、本実施形態では、放熱器13とレシーバ13bとを一体的に構成しているが、放熱器13とレシーバ13bとを別体に構成してもよい。
さらに、放熱器13として、冷媒を凝縮させる凝縮用熱交換部と、この凝縮用熱交換部からの冷媒を導入して冷媒の気液を分離するレシーバ部と、このレシーバ部からの飽和液相冷媒を過冷却する過冷却用熱交換部とを有する、いわゆるサブクールタイプの凝縮器を採用してもよい。
レシーバ13bの液相冷媒出口には、エジェクタ14のノズル部141が接続されている。エジェクタ14は、レシーバ13bから流出した液相冷媒を減圧する冷媒減圧手段の機能を果たすとともに、ノズル部141から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒の循環を行う運動量輸送式ポンプとしての機能を果たす。
ここで、図2によりエジェクタ14の詳細構成を説明する。なお、図2は、エジェクタ14の軸方向断面図である。本実施形態のエジェクタ14は、ノズル部141およびボデー部142等を有して構成される。まず、ノズル部141は、略円筒状の金属(例えば、真鍮、ステンレス合金)で形成されており、その内部に形成された冷媒通路の通路面積を小さく絞って、冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるものである。
また、この冷媒通路には、レシーバ13bから流出した液相冷媒を導く導入通路141a、導入通路141aから導入された液相冷媒を流入させるノズル流入口141b、通路面積が最も縮小した喉部141c、および、減圧膨張された冷媒を噴射する冷媒噴射口141dが形成されている。
そして、この冷媒通路の通路面積は、導入通路141aでは一定であり、ノズル流入口141bから喉部141cへ向かって徐々に縮小し、喉部141cから冷媒噴射口141dへ向かって徐々に拡大している。つまり、本実施形態のノズル部141は、いわゆるラバールノズルとして構成されている。
さらに、本実施形態では、この冷媒通路の内部に、第2注入配管143bを配置している。この第2注入配管143bの一端側は、エジェクタ14の外部にて前述の第1注入配管143aに接続され、他端側は、エジェクタ14の上流側から、冷媒通路のうちノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側の空間へ至るまで、ノズル部141の軸線と同軸状に延びるように配置されている。
これにより、冷媒通路のうちノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側の空間に、圧縮機吐出側分岐部12にて分岐された気相冷媒が導入(注入)される。従って、本実施形態では、圧縮機吐出側分岐部12と第1、第2注入配管143a、143bによって、気相冷媒注入手段が構成される。
ここで、第1、第2注入配管143a、143bについて説明する。前述の如く、第1注入配管143aには極僅かの流量の冷媒を流通させるため、本実施形態では、第1、第2注入配管143a、143bとして、管径の極めて細い配管を採用している。具体的には、第1、第2注入配管143a、143bとして、同一管径のキャピラリチューブを採用している。
さらに、この第1、第2注入配管143a、143bの外周には、その内部を流通する冷媒と外部との熱交換を抑制するための樹脂発泡材等からなる断熱部材143cが配置されている。なお、本実施形態では、第1、第2注入配管143a、143bを別部材として構成して、互いに接続する構成を採用しているが、もちろん、第1、第2注入配管143a、143bを一本の注入配管で構成してもよい。
次に、ボデー部142は、金属(例えば、アルミニウム)で形成された略円筒状あるいは角柱状のブロック部材142aと管状部材142cとを接続して構成されている。ブロック部材142aは、その内部にノズル部141が圧入などによって固定される固定部材としての機能を果たすとともに、冷媒吸引口142bが形成されるものである。
冷媒吸引口142bは、ブロック部材142a内に形成された内部空間と外部とを貫通するように設けられた貫通穴で、ノズル部141の冷媒噴射口141dと連通するように配置されている。そして、この冷媒吸引口142bから、後述する吸引側蒸発器17から流出した冷媒が吸引される。
管状部材142cの内部には、冷媒流れ方向に向かって、冷媒吸引口142bから吸引された吸引冷媒を流通させる吸引通路142d→ノズル部141の冷媒噴射口141dから噴射された噴射冷媒と吸引冷媒を混合する混合空間である混合部142e→混合冷媒の流速を減速して圧力を上昇させる昇圧部であるディフューザ部142fが、順に形成されている。
具体的には、吸引通路142dは、ノズル部141の先端形状に沿って先細るように、冷媒流れ方向に向かって徐々に冷媒通路面積が縮小するように形成されている。また、ディフューザ部142fは、冷媒流れ方向に向かって徐々に冷媒通路面積が拡大するように形成されている。これにより、ディフューザ部142fは、冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する作用を果たす。
エジェクタ14の出口側(具体的には、ディフューザ部142fの出口側)には、図1に示すように、アキュムレータ15が接続されている。アキュムレータ15は、エジェクタ14から流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を溜めておく低圧側の気液分離器である。
そして、アキュムレータ15の気相冷媒出口は、圧縮機11吸入側に接続され、液相冷媒出口は、減圧手段である固定絞り16を介して、吸引側蒸発器17の入口側に接続されている。この固定絞り16としては、オリフィスあるいはキャピラリチューブを採用できる。
吸引側蒸発器17は、ディフューザ部142fから流出した冷媒と送風ファン17aより送風された室内送風空気とを熱交換させることによって、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。送風ファン17aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。吸引側蒸発器17の出口側には、エジェクタ14の冷媒吸引口142bが接続されている。
図示しない空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上述の各種電気式のアクチュエータ11b、13a、17a等の作動を制御する。
また、空調制御装置には、外気温を検出する外気温センサ、室内温度を検出する内気温センサ等の図示しない各種センサ群の検出信号や、空調装置を作動させる作動スイッチ等が設けられた図示しない操作パネルの操作信号が入力される。
次に、上記構成における本実施形態の作動を説明する。操作パネルの作動スイッチが投入されると、空調制御装置が、上述の各種センサ群の検出信号を読み込み、各種アクチュエータ11b、13a、17a等の制御状態を決定し、決定した制御状態が得られるように各種アクチュエータに対して制御信号を出力する。
これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11から吐出された高温高圧状態の気相冷媒のほぼ全ての流量は、圧縮機吐出側分岐部12を介して放熱器13へ流入し、冷却ファン13aから送風された送風空気(外気)と熱交換して冷却されて凝縮する。放熱器13にて凝縮した高圧冷媒は、レシーバ13bにて気液分離される。
レシーバ13bで分離された液相冷媒は、エジェクタ14のノズル部141へ流入して、等エントロピ的に減圧膨張される。この際、圧縮機吐出側分岐部12にて分岐された極僅かの流量の気相冷媒が、第1、第2注入配管143a、143bを介して、ノズル部141の冷媒通路のうちノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側の空間に注入される。
従って、ノズル部141では、液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒を減圧膨張させる。そして、この減圧膨張時に冷媒の圧力エネルギが速度エネルギに変換され、ノズル部141の冷媒噴射口141dから冷媒が高速度の冷媒流となって噴射される。さらに、この噴射冷媒の吸引作用により、冷媒吸引口142bから吸引側蒸発器17流出冷媒が吸引される。
ノズル部141から噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口142bより吸引された吸引冷媒は、ノズル部141下流側の混合部142eにて混合されて、ディフューザ部142fへ流入する。ディフューザ部142fでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換されて冷媒の圧力が上昇する。
ディフューザ部142fから流出した冷媒は、アキュムレータ15に流入して気液分離される。アキュムレータ15の液相冷媒出口から流出した液相冷媒は、固定絞り16にてさらに等エンタルピ的に減圧膨張されて吸引側蒸発器17へ流入する。吸引側蒸発器17では、流入した低圧冷媒が送風ファン17aから送風された室内送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内送風空気が冷却される。
そして、吸引側蒸発器17から流出した気相冷媒は、冷媒吸引口142bからエジェクタ14内へ吸引される。一方、アキュムレータ15の気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入された再び圧縮される。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、上記の如く作動するので、混合部142eおよびディフューザ部142fにおける昇圧分だけ、吸引側蒸発器17における冷媒蒸発圧力よりも圧縮機11吸入冷媒圧力を上昇させることができる。これにより、圧縮機11の駆動動力を低減させて、COPを向上させることができる。さらに、エジェクタ14を採用しているので、以下のような優れた効果を発揮できる。
本実施形態のエジェクタ14では、ノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側に気相冷媒を注入する気相冷媒注入手段12、143a、143bを備えているので、ノズル部141にて液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒を減圧膨張させることができる。従って、エジェクタ14のノズル効率ηnozを、ノズル部141に液相冷媒のみを流入させる場合に対して向上させることができる。
このことを詳細に説明すると、液相冷媒内に極微量の気相冷媒を注入した場合、注入された気相冷媒の温度および圧力は、周囲の液相冷媒の温度および圧力に近づくように変化する。このため、注入された気相冷媒は徐々に液化していく。これに対して、本実施形態では、気相冷媒をノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側に注入するので、気相冷媒は液化する間もなく、注入された直後に喉部141cへ流入する。
つまり、注入された気相冷媒には液化する時間を与えられることなく、液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒が、喉部141cへ流入する。従って、本実施形態では、喉部141cに液相冷媒のみを流入させる場合に対して、注入された気相冷媒によって沸騰が促進され、エジェクタ14のノズル効率ηnozを向上させることができる。
しかも、圧縮機吐出側分岐部12および第1、第2注入配管143a、143bという簡素な構成で、気相冷媒注入手段を構成しているので、これによりCOPを低下させることがない。従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、簡素な構成で、エジェクタ14のノズル効率ηnozを向上させて、COPを十分に向上させることができる。
さらに、圧縮機吐出側分岐部12が、圧縮機11吐出側と放熱器13流入側との間に配置され、放熱器13へ流入する高圧冷媒の流れを分岐するように配置されているので、放熱器13を介してノズル流入口141bへ流入する液相冷媒よりも、注入する気相冷媒の圧力を高くすることができる。
その理由は、注入される気相冷媒の圧力が、放熱器13における圧力損失分だけノズル流入口141bへ流入する液相冷媒の圧力よりも高くなるからである。従って、確実にノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側に気相冷媒を注入できる。
さらに、第1、第2注入配管143a、143bの外周に、その内部を流通する冷媒と外部との熱交換を抑制するための断熱部材143cが配置されているので、第1、第2注入配管143a、143bを流通する気相冷媒が外部に放熱して圧力低下してしまうことを抑制できる。
従って、より一層、確実にノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側に気相冷媒を注入できる。もちろん、第1、第2注入配管143a、143bを流通する気相冷媒が外部に放熱してしまうおそれがなければ、断熱部材143cを廃止してもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、圧縮機11吐出側と放熱器13流入側との間に圧縮機吐出側分岐部12を配置した例を説明したが、本実施形態では、図3の全体構成図に示すように、放熱器13から流出した高圧冷媒の流れを分岐するように、圧縮機吐出側分岐部12を配置している。なお、図3では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面においても同様である。
さらに、第1、第2注入配管143a、143bを流通する冷媒を加熱する加熱手段としての電気ヒータ18を設けている。なお、電気ヒータ18は、空調制御装置から電力を供給させることで発熱するもので、PTC素子あるいはニクロム線等によって構成することができる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、電気ヒータ18によって、第1、第2注入配管143a、143bを流通する気相冷媒を加熱して、ノズル流入口141bへ流入する液相冷媒を蒸発させることができる。その結果、圧縮機吐出側分岐部12を放熱器13の下流側に配置しても、確実にノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側に気相冷媒を注入することができる。
しかも、第1、第2注入配管143a、143bを介して注入される気相冷媒は、ノズル流入口141bへ流入する液相冷媒に対して極僅かな流量なので、気相冷媒に加熱しても吸引側蒸発器17の冷凍能力は殆ど低下しない。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10のCOPについても殆ど低下しない。
その結果、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。もちろん、第1実施形態に対して、本実施形態と同様の電気ヒータ18を設けてもよい。
(第3実施形態)
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、第1実施形態に対して、図4の全体構成図に示すように、放熱器13のレシーバ13bから流出した液相冷媒の流れを分岐する放熱器流出側分岐部19、および、エジェクタ14のディフューザ部142fから流出した冷媒を蒸発させる流出側蒸発器17bを追加し、アキュムレータ15を廃止したサイクル構成としている。
具体的には、放熱器流出側分岐部19の基本的構成は、圧縮機吐出側分岐部12と同様であり、放熱器流出側分岐部19の一方の冷媒流出口には、放熱器流出側分岐部19とノズル部141側とを接続するノズル部側配管20aが接続されている。また、他方の冷媒流出口には、放熱器流出側分岐部19とエジェクタ14の冷媒吸引口142b側とを接続する吸引口側配管20bが接続されている。
流出側蒸発器17bは、ディフューザ部142fから流出した冷媒と送風ファン17aより送風された室内送風空気とを熱交換させることによって、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。流出側蒸発器17bの出口側には、圧縮機11の冷媒吸入口が接続されている。
次に、放熱器流出側分岐部19にて分岐された他方の冷媒が流れる吸引口側配管20bには、固定絞り16、吸引側蒸発器17が、冷媒流れの上流側からこの順で配置されている。また、本実施形態の吸引側蒸発器17では、固定絞り16にて減圧膨張された冷媒を、送風ファン17aから送風された流出側蒸発器17b通過後の室内送風空気とを熱交換させることによって、蒸発させている。
なお、本実施形態では、流出側蒸発器17bと吸引側蒸発器17とを室内送風空気の流れ方向に対して直列に配置している。従って、送風ファン17aにて送風された空気は、矢印100のように流れ、まず、流出側蒸発器17bにて冷却され、次に吸引側蒸発器17にて冷却されるようになっている。すなわち、流出側蒸発器17bと吸引側蒸発器17にて同一の冷却対象空間(室内)に送風される室内送風空気を冷却するようになっている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、圧縮機11から吐出された高温高圧状態の気相冷媒が、第1実施形態と同様に、レシーバ13bに流入して気液分離される。レシーバ13bで分離された液相冷媒は、放熱器流出側分岐部19へ流入して、ノズル部側配管20aへ流入する冷媒流れと吸引口側配管20bへ流入する冷媒流れとに分流される。
この際、ノズル部側配管20aへ流入する冷媒流量と吸引口側配管20bへ流入する冷媒流量との流量比は、エジェクタ14のノズル部141および固定絞り16の流量特性によって決定される。さらに、この流量比は双方の蒸発器17、17bにて適切な冷凍能力を発揮できる値になっている。
ノズル部側配管20aを介して、エジェクタ14のノズル部141へ流入した液相冷媒は、第1実施形態と同様に、第1、第2注入配管143a、143bを介して、ノズル部141の冷媒通路のうちノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側の空間に注入された気相冷媒と混在した状態で、等エントロピ的に減圧膨張される。
そして、冷媒噴射口141dから噴射された冷媒は、冷媒吸引口142bから吸引された吸引側蒸発器17流出冷媒と混合され、ディフューザ部142fにて昇圧されて、流出側蒸発器17bへ流入する。
流出側蒸発器17bでは、流入した低圧冷媒が送風ファン17aから送風された室内送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内送風空気が冷却される。流出側蒸発器17bから流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて、再び圧縮される。
一方、吸引口側配管20bに流入した冷媒流れは、固定絞り16で等エンタルピ的に減圧膨張されて、吸引側蒸発器17へ流入し、送風ファン17aから送風された流出側蒸発器17b通過後の室内送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内送風空気が、さらに冷却されて室内へ送風される。吸引側蒸発器17から流出した冷媒は、冷媒吸引口142bからエジェクタ14内へ吸引される。
以上の如く、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、送風ファン17aから送風された送風空気を流出側蒸発器17b→吸引側蒸発器17の順に通過させて同一の冷却対象空間を冷却できる。
この際、混合部142eおよびディフューザ部142fの昇圧作用によって流出側蒸発器17bの冷媒蒸発温度を吸引側蒸発器17の冷媒蒸発温度よりも上昇させることができるので、流出側蒸発器17bおよび吸引側蒸発器17の冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を確保して、効率的に送風空気を冷却できる。
さらに、第1実施形態と同様に、気相冷媒注入手段12、143a、143bの作用によって、ノズル部141にて液相冷媒および気相冷媒が混在した非平衡状態の冷媒を減圧膨張させることができる。従って、本実施形態のように放熱器流出側分岐部19を有するエジェクタ式冷凍サイクル10のサイクル構成であっても、第1実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、図5の全体構成図に示すように、第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10に対して、第2実施形態と同様に、放熱器13から流出した高圧冷媒の流れを分岐するように、圧縮機吐出側分岐部12を配置するとともに、第1、第2注入配管143a、143bを流通する冷媒を加熱する加熱手段としての電気ヒータ18を設けている。その他の構成は、第3実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させても、第2実施形態と同様に、確実にノズル流入口141bの下流側かつ喉部141cの上流側に気相冷媒を注入できるとともに、エジェクタ式冷凍サイクル10全体としても殆どCOPを低下させることがない。
なお、放熱器13から流出した高圧冷媒の流れを分岐するように、圧縮機吐出側分岐部12を配置する場合、図5に示すように、放熱器13のレシーバ13bの液相冷媒出口と放熱器流出側分岐部19との間に配置することが望ましい。もちろん、放熱器流出側分岐部19の下流側、すなわち、ノズル部側配管20aまたは吸引口側配管20bに配置してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上記の如く、本発明のエジェクタ14は、簡素な構成で、ノズル効率ηnozを向上させることができ、エジェクタ式冷凍サイクルに適用した際に、COPを十分に向上できるので、各種サイクル構成に適用できる。例えば、第3、第4実施形態の流出側蒸発器17bを廃止したエジェクタ式冷凍サイクルや、エジェクタ14の下流側に冷媒の流れを分岐する分岐部を配置したエジェクタ式冷凍サイクル等に適用してもよい。
(2)上述の各実施形態では、ノズル流入口141bへ流入する液相冷媒の質量流量に対して、第1、第2注入配管143a、143bを介して注入する気相冷媒の質量流量を極僅かな流量としているが、注入する気相冷媒の質量流量は、ノズル部141における冷媒の沸騰を促進できる程度の流量とすればよい。
従って、ノズル流入口141bへ流入する液相冷媒の質量流量に対して、第1、第2注入配管143a、143bを介して注入する気相冷媒の質量流量を1000分の1以下としてもよい。
(3)上述の各実施形態では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用した例を説明したが、冷媒の種類はこれに限定されない。例えば、炭化水素系冷媒を採用してもよい。
(4)上述の各実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、圧縮機11の形式はこれに限定されない。例えば、エンジン等を駆動源とするエンジン駆動式圧縮機を採用してもよい。また、圧縮機構として、固定容量型圧縮機構のみならず、可変容量型圧縮機構を採用してもよい。
(5)上述の各実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を定置型の空調装置に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、車両用空調装置等に適用してもよい。
(6)第3、第4実施形態では、流出側蒸発器17bおよび吸引側蒸発器17によって同一の空調対象空間(冷却対象空間)を冷却しているが、流出側蒸発器17bおよび吸引側蒸発器17によって異なる空調対象空間(冷却対象空間)を冷却するようにしてもよい。
(7)上述の各実施形態では、吸引側蒸発器17および流出側蒸発器17bを利用側熱交換器として構成し、放熱器13を大気側へ放熱する室外熱交換器として構成しているが、逆に、吸引側蒸発器17および流出側蒸発器17bを大気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、放熱器13を空気あるいは水等の熱交換対象流体を加熱する利用側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルとしてもよい。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態のエジェクタの断面図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。
符号の説明
11 圧縮機
12 圧縮機吐出側分岐部
13 放熱器
14 エジェクタ
15 アキュムレータ
16 固定絞り
17 吸引側蒸発器
18 電気ヒータ
19 放熱器流出側分岐部
141 ノズル部
141b ノズル流入口
141c 喉部
142 ボデー部
142b 冷媒吸引口
142f ディフューザ部
143a、143b 第1、第2注入配管
143c 断熱部材

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器(13)と、
    前記放熱器(13)にて放熱した液相冷媒を減圧膨張させるノズル部(141)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒を冷媒吸引口(142b)から吸引して、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口(142b)から吸引された吸引冷媒とを混合して昇圧させるエジェクタ(14)と、
    冷媒を蒸発させて、前記冷媒吸引口(142b)側へ流出させる吸引側蒸発器(17)とを備え、
    前記ノズル部(141)の冷媒通路には、前記液相冷媒を流入させるノズル流入口(141b)および前記冷媒通路の通路面積が最も縮小した喉部(141c)が形成されており、
    さらに、前記ノズル流入口(141b)の下流側かつ前記喉部(141c)の上流側に気相冷媒を注入する気相冷媒注入手段(12、143a、143b)を備えることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記気相冷媒注入手段は、前記圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒の流れを分岐する圧縮機吐出側分岐部(12)、および、前記圧縮機吐出側分岐部(12)にて分岐された一方の冷媒を前記ノズル流入口(141b)の下流側かつ前記喉部(141c)の上流側へ導く注入配管(143a、143b)を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記圧縮機吐出側分岐部(12)は、前記放熱器(13)へ流入する高圧冷媒の流れを分岐するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記気相冷媒注入手段は、さらに、前記注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱する加熱手段(18)を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記圧縮機吐出側分岐部(12)は、前記放熱器(13)から流出した高圧冷媒の流れを分岐するように配置されており、
    前記気相冷媒注入手段は、さらに、前記注入配管(143a、143b)を流通する冷媒を加熱する加熱手段(18)を有して構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  6. 前記注入配管(143a、143b)の少なくとも一部には、その内部を流通する冷媒と外部との熱交換を抑制する断熱部材(143c)が設けられていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  7. 前記エジェクタ(14)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器(15)を備え、
    前記気液分離器(15)の液相冷媒出口は、前記吸引側蒸発器(17)入口側に接続され、
    前記気液分離器(15)の気相冷媒出口は、前記圧縮機(11)吸入側に接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  8. 前記放熱器(13)から流出した冷媒の流れを分岐する放熱器流出側分岐部(19)を備え、
    前記放熱器流出側分岐部(19)の一方の冷媒出口は、前記ノズル流入口(141b)に接続され、
    前記放熱器流出側分岐部(19)の他方の冷媒出口は、冷媒を減圧膨張させる減圧手段(16)を介して、前記吸引側蒸発器(17)入口側に接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  9. 液相流体を減圧膨張させるノズル部(141)と、
    前記ノズル部(141)から噴射する高速度の噴射流体の流れによって流体を吸引する流体吸引口(142b)、および、前記噴射冷媒と前記流体吸引口(142b)から吸引された吸引流体との混合流体を昇圧させる昇圧部(142f)が形成されたボデー部(142)とを備え、
    前記ノズル部(141)の流体通路には、前記液相流体を流入させるノズル流入口(141b)および通路面積が縮小した喉部(141c)が形成されており、
    さらに、前記ノズル部(141)の外部から前記ノズル流入口(141b)の下流側かつ前記喉部(141c)の上流側へ、前記ノズル流入口(141b)から流入した液相冷媒よりも圧力の高い気相流体を導く注入配管(143a、143b)を備えることを特徴とするエジェクタ。
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