JP6056596B2 - エジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、流体を減圧させるとともに、高速度で噴射される噴射流体の吸引作用によって流体を吸引するエジェクタに関する。
従来、特許文献1に、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用されて冷媒を減圧させる減圧装置が開示されている。
この特許文献1の減圧装置では、冷媒を旋回させる旋回空間を形成する本体部を有しており、旋回空間にて旋回する冷媒のうち旋回中心側の気相冷媒と液相冷媒が混合した気液混合状態の冷媒を、冷媒通路面積が最も縮小した最小通路面積部へ流入させて減圧させている。これにより、外気温の変化等によらず、最小通路面積部へ流入させる冷媒の状態を気液混合状態とし、減圧装置の下流側へ流出させる冷媒流量の変動を抑制している。
さらに、特許文献1には、この減圧装置をノズルとして用いて構成されたエジェクタについても記載されている。この種のエジェクタでは、ノズルから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって蒸発器から流出した気相冷媒を吸引し、昇圧部(ディフューザ部)にて噴射冷媒と吸引冷媒とを混合して昇圧させることができる。
従って、冷媒減圧手段としてエジェクタを備える冷凍サイクル装置(以下、エジェクタ式冷凍サイクルと記載する。)では、エジェクタの昇圧部における冷媒昇圧作用を利用して圧縮機の消費動力を低減させることができ、冷媒減圧手段として膨張弁等を備える通常の冷凍サイクル装置よりもサイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
特開2012−202653号公報
ところが、特許文献1に記載されたエジェクタを、エジェクタ式冷凍サイクルに適用すると、エジェクタから流出する冷媒流量の変動については抑制できるものの、エジェクタの昇圧部における冷媒昇圧量が所望の昇圧量よりも低くなってしまうことがあった。
そこで、本発明者らがその原因について調査したところ、特許文献1に記載されたエジェクタでは、ノズルの最小通路面積部へ流入する冷媒の状態が、気相冷媒と液相冷媒が不均質に混合した気液混合状態になっていることが原因であると判った。より詳細には、ノズルの最小通路面積部へ流入する冷媒の状態が、旋回流れの遠心力の作用によって、旋回中心側に気相冷媒が偏在し、外周側に液相冷媒が偏在した状態となっていることが原因であると判った。
その理由は、ノズルの最小通路面積部へ流入する冷媒のうち旋回中心側に気相冷媒が偏在していると、外周側に偏在する液相冷媒に沸騰核が供給されにくくなってしまい、外周側に偏在する液相冷媒に沸騰遅れが生じてしまうからである。そして、このような沸騰遅れは、ノズル効率を低下させて、エジェクタの昇圧部における冷媒昇圧性能を低下させてしまう。なお、ノズル効率とは、ノズルにおいて冷媒の圧力エネルギを運動エネルギに変換する際のエネルギ変換効率である。
上記点に鑑み、本発明では、ノズルにて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタのノズル効率の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明では、流体を旋回させる旋回空間(31c)を形成する旋回空間形成部材(31g)と、旋回空間(31c)から流出した流体を減圧させて流体噴射口(31b)から噴射するノズル(31)と、流体噴射口(31b)から噴射された高速度の噴射流体の吸引作用によって流体を吸引する流体吸引口(32a)、および噴射流体と流体吸引口(32a)から吸引された吸引流体との混合流体の速度エネルギを圧力エネルギに変換する昇圧部(32b)が形成されたボデー(32)とを備え、
ノズル(31)の流体通路には、流体通路面積が最も縮小した最小通路面積部(31d)、最小通路面積部(31d)から流体噴射口(31b)へ向かって流体通路面積を徐々に拡大させる末広部(31f)が形成されており、
さらに、ノズル(31)の流体通路のうち最小通路面積部(31d)よりも上流側に配置されて、旋回空間(31c)から最小通路面積部(31d)へ流入する流体の旋回方向の速度成分を低下させる旋回抑制手段(33、34)を備えるエジェクタを特徴としている。
これによれば、旋回空間(31c)にて流体を旋回させることによって、旋回空間(31c)の旋回中心側の流体圧力を、流体が減圧沸騰する(キャビテーションを生じる)圧力まで低下させることができる。そして、旋回空間(31c)の旋回中心側の流体をノズル(31)へ流入させることで、ノズル(31)にて気相流体と液相流体が混合した気液混合状態の流体を減圧させることができる。
さらに、旋回抑制手段(33、34)を備えているので、最小通路面積部(31d)へ流入する流体の旋回方向の速度成分を低下させることができる。これにより、最小通路面積部(31d)へ流入する流体の状態が、旋回流れの遠心力の作用によって、旋回中心側に気相流体が偏在し、外周側に液相流体が偏在した不均質な気液混合状態となってしまうことを抑制できる。
換言すると、最小通路面積部(31d)へ流入する流体の状態を気相流体と液相流体が均質に混合した気液混合状態に近づけることができ、流体中に沸騰遅れが生じてしまうことを抑制できる。従って、最小流路面積部()へ流入した直後の流体に閉塞(チョーキング)を生じさせて、流体の流速を二相音速以上となるまで加速し、さらに末広部(31f)にて超音速となった流体を加速することができる。
その結果、流体噴射口(31b)から噴射される流体の流速を効果的に増速させることができ、ノズル(31)にて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタのノズル効率の低下を抑制できる。延いては、ノズル(31)にて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタの昇圧部(32b)における流体昇圧性能の低下を抑制できる。
なお、気相流体と液相流体が均質に混合した気液混合状態とは、液相流体がノズル(31)の流体通路の一部(例えば、通路の内壁面側等)に偏在することなく液滴(液相流体の粒)となって、気相流体中に均質に分布している状態と定義することができる。また、気相流体と液相流体が均質に混合した気液混合状態では、液滴の流速が気相冷媒の流速に近づく。
また、請求項4に記載の発明では、流体を旋回させる旋回空間(31c)を形成する旋回空間形成部材(31g)と、旋回空間(31c)から流出した流体を減圧させて流体噴射口(31b)から噴射するノズル(31)と、流体噴射口(31b)から噴射された高速度の噴射流体の吸引作用によって流体を吸引する流体吸引口(32a)、および噴射流体と流体吸引口(32a)から吸引された吸引流体との混合流体の速度エネルギを圧力エネルギに変換する昇圧部(32b)が形成されたボデー(32)とを備え、
ノズル(31)の流体通路には、流体通路面積が最も縮小した最小通路面積部(31d)、最小通路面積部(31d)の下流側に設けられて流体の旋回方向の速度成分を低下させる旋回抑制空間(31h)、および旋回抑制空間(31h)の流体出口から流体噴射口(31b)へ向かって流体通路面積を徐々に拡大させる末広部(31f)が形成されているエジェクタを特徴としている。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様に、ノズル(31)にて気相流体と液相流体が混合した気液混合状態の流体を減圧させることができる。
さらに、ノズル(31)の流体通路に旋回抑制空間(31h)が形成されているので、旋回抑制空間(31h)内で、流体の旋回方向の速度成分を低下させ、流体の状態を気相流体と液相流体が均質に混合した気液混合状態に近づけることができる。従って、旋回抑制空間(31h)内の流体に閉塞を生じさせて、流体の流速を二相音速以上となるまで加速し、さらに末広部(31f)にて超音速となった流体を加速することができる。
その結果、請求項1に記載の発明と同様に、流体噴射口(31b)から噴射される流体の流速を効果的に増速させることができ、ノズル(31)にて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタのノズル効率の低下を抑制できる。延いては、ノズル(31)にて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタの昇圧部(32b)における流体昇圧性能の低下を抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態のエジェクタの軸方向断面図である。 図2のIII−III拡大断面図である。 第1実施形態のノズルの内部に形成された冷媒通路を流通する冷媒の圧力変化および流速変化を示すグラフである。 第2実施形態のエジェクタの軸方向断面図である。 図5のVI−VI拡大断面図である。 第3実施形態のエジェクタの軸方向断面図である。 第3実施形態のノズルの内部に形成された冷媒通路を流通する冷媒の圧力変化および流速変化を示すグラフである。 一般的な冷媒における密度比(ρL/ρg)を示すグラフである。
(第1実施形態)
図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態のエジェクタ13は、図1の全体構成図に示すように、冷媒減圧手段としてエジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置、すなわち、エジェクタ式冷凍サイクル10に適用されている。従って、本実施形態の冷媒は特許請求の範囲に記載された流体に対応している。さらに、このエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たす。
まず、エジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入して高圧冷媒となるまで昇圧して吐出するものである。具体的には、本実施形態の圧縮機11は、1つのハウジング内に固定容量型の圧縮機構11a、および圧縮機構11aを駆動する電動モータ11bを収容して構成された電動圧縮機である。
この圧縮機構11aとしては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用できる。また、電動モータ11bは、後述する制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。
圧縮機11の吐出口には、放熱器12の凝縮部12aの冷媒入口側が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12dにより送風される車室外空気(外気)を熱交換させることによって、高圧冷媒を放熱させて冷却する放熱用熱交換器である。
より具体的には、この放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧気相冷媒と冷却ファン12dから送風された外気とを熱交換させ、高圧気相冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮部12a、凝縮部12aから流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を蓄えるレシーバ部12b、およびレシーバ部12bから流出した液相冷媒と冷却ファン12dから送風される外気とを熱交換させ、液相冷媒を過冷却する過冷却部12cを有して構成される、いわゆるサブクール型の凝縮器である。
なお、このエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)等を採用してもよい。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
また、冷却ファン12dは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器12の過冷却部12cの冷媒出口側には、エジェクタ13のノズル31の冷媒流入口31aが接続されている。エジェクタ13は、放熱器12から流出した流体である冷媒を減圧させる減圧手段としての機能を果たすとともに、ノズル31から高速度で噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒を吸引(輸送)してサイクル内を循環させる冷媒循環手段(冷媒輸送手段)としての機能を果たすものである。
エジェクタ13の詳細構成については、図2、図3を用いて説明する。エジェクタ13は、図2に示すように、ノズル31およびボデー32を有して構成されている。まず、ノズル31は、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る略円筒状の金属(例えば、ステンレス合金)で形成されており、内部に流入した冷媒を等エントロピ的に減圧させて、冷媒流れ最下流側に設けられた冷媒噴射口31bから噴射するものである。
ノズル31の内部には、冷媒流入口31aから流入した冷媒を旋回させる旋回空間31c、並びに、旋回空間31cから流出した冷媒を減圧させる冷媒通路が形成されている。さらに、この冷媒通路には、冷媒通路面積が最も縮小した最小通路面積部31d、旋回空間31cから最小通路面積部31dへ向かって冷媒通路面積を徐々に縮小させる先細部31e、および最小通路面積部31dから冷媒噴射口31bへ向かって冷媒通路面積を徐々に拡大させる末広部31fが形成されている。
旋回空間31cは、ノズル31の冷媒流れ最上流側に設けられて、ノズル31の軸線方向と同軸上に延びる筒状部31gの内部に形成された円柱状の空間である。さらに、冷媒流入口31aと旋回空間31cとを接続する冷媒流入通路は、旋回空間31cの中心軸方向から見たときに旋回空間31cの内壁面の接線方向に延びている。
これにより、冷媒流入口31aから旋回空間31cへ流入した冷媒は、旋回空間31cの内壁面に沿って流れ、旋回空間31cの中心軸周りに旋回する。従って、筒状部31gは、特許請求の範囲に記載された旋回空間形成部材を構成しており、本実施形態では、旋回空間形成部材とノズルが一体的に形成されている。
ここで、旋回空間31c内で旋回する冷媒には遠心力が作用するので、旋回空間31c内では中心軸側の冷媒圧力が外周側の冷媒圧力よりも低下する。そこで、本実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転時に、旋回空間31c内の中心軸側の冷媒圧力を、飽和液相冷媒となる圧力、あるいは、冷媒が減圧沸騰する(キャビテーションを生じる)圧力まで低下させるようにしている。
このような旋回空間31c内の中心軸側の冷媒圧力の調整は、旋回空間31c内で旋回する冷媒の旋回流速を調整することによって実現することができる。さらに、旋回流速の調整は、例えば、冷媒流入通路の通路断面積と旋回空間31cの軸方向垂直断面積との面積比を調整すること等によって行うことができる。なお、本実施形態における旋回流速とは、旋回空間31cの最外周部近傍における冷媒の旋回方向の流速を意味している。
先細部31eは、旋回空間31cと同軸上に配置されて旋回空間31cから最小通路面積31dへ向かって冷媒通路面積を徐々に縮小させる円錐台状に形成されている。このため、最小通路面積31dには、旋回空間31cで旋回する冷媒の旋回中心側の気相冷媒と液相冷媒が混合した気液混合状態の冷媒が流入する。
末広部31fは、旋回空間31cおよび先細部31eと同軸上に配置されて最小通路面積31dから冷媒噴射口31bへ向かって冷媒通路面積を徐々に拡大させる円錐台状に形成されている。
さらに、本実施形態のノズル31の冷媒通路の内周壁面には、旋回空間31cから先細部31eを介して最小通路面積部31dへ流入する冷媒の旋回方向の速度成分を低下させる旋回抑制手段としての板状部材33が配置されている。この板状部材33は、図2、図3に示すように、ノズル31の軸線方向(旋回空間31cの中心軸方向)およびノズル31の径方向(旋回空間31cの径方向)に平行に広がっている。
そして、ノズル31の内部に形成された冷媒通路の内周壁面のうち、最小通路面積部31dよりも上流側(すなわち先細部31e内)に配置されている。また、板状部材33は、図3の拡大断面図に示すように、複数個(本実施形態では、8つ)設けられており、ノズル31の軸周りに等角度間隔で配置されている。
ここで、板状部材33は、冷媒の旋回方向の速度成分を低下させるためのものであって、冷媒の旋回方向の速度成分を完全に消滅させるためのものではない。そこで、本実施形態では、図3の拡大断面図に示すように、軸方向から見たときに、板状部材33の中心軸側の端部が、最小通路面積部31dの内周壁面と同等、あるいは最小通路面積部31dの内周壁面よりも外周側に位置付けられるようにしている。
次に、ボデー32は、略円筒状の金属(例えば、アルミニウム)で形成されており、内部にノズル31を支持固定する固定部材として機能するとともに、エジェクタ13の外殻を形成するものである。より具体的には、ノズル31は、ボデー32の長手方向一端側の内部に収容されるように圧入等によって固定されている。
また、ボデー32の外周側面のうち、ノズル31の外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル31の冷媒噴射口31bと連通するように設けられた冷媒吸引口32aが形成されている。この冷媒吸引口32aは、ノズル31の冷媒噴射口31bから噴射された噴射冷媒の吸引作用によって蒸発器16から流出した冷媒をエジェクタ13の内部へ吸引する貫通穴である。
従って、ボデー32の内部の冷媒吸引口32aの周辺には、冷媒を流入させる入口空間が形成され、ノズル31の先細り形状の先端部周辺の外周側とボデー32の内周側との間には、ボデー32の内部へ流入した吸引冷媒をディフューザ部32bへ導く吸引通路32cが形成されている。
吸引通路32cの冷媒通路面積は、冷媒流れ方向に向かって徐々に縮小している。これにより、本実施形態のエジェクタ13では、吸引通路32cを流通する吸引冷媒の流速を徐々に増速させて、ディフューザ部32bにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(混合損失)を減少させている。
ディフューザ部32bは、吸引通路32cの出口側に連続するように配置されて、冷媒通路面積が徐々に拡大するように形成されている。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する機能、すなわち、混合冷媒の流速を減速させて混合冷媒を昇圧させる昇圧部としての機能を果たす。
より具体的には、本実施形態のディフューザ部32bを形成するボデー32の内周壁面の壁面形状は、図2の軸方向断面に示すように、複数の曲線を組み合わせて形成されている。そして、ディフューザ部32bの冷媒通路断面積の広がり度合が冷媒流れ方向に向かって徐々に大きくなった後に再び小さくなっていることで、冷媒を等エントロピ的に昇圧させることができる。
エジェクタ13のディフューザ部32bの冷媒出口側には、図1に示すように、アキュムレータ14の冷媒流入口が接続されている。アキュムレータ14は、内部に流入した冷媒の気液を分離する気液分離手段である。さらに、本実施形態のアキュムレータ14は、サイクル内の余剰液相冷媒を蓄える貯液手段としての機能を果たす。
アキュムレータ14の液相冷媒流出口には、固定絞り15を介して、蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。固定絞り15は、アキュムレータ14から流出した液相冷媒を減圧させる減圧手段であり、具体的には、オリフィスあるいはキャピラリチューブ等を採用できる。
蒸発器16は、エジェクタ13および固定絞り15にて減圧された低圧冷媒と送風ファン16aから車室内へ送風される送風空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
送風ファン16aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。蒸発器16の出口側には、エジェクタ13の冷媒吸引口32aが接続されている。また、アキュムレータ14の気相冷媒流出口には、圧縮機11の吸入側が接続されている。
次に、図示しない制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上述の各種電気式のアクチュエータ11b、12d、16a等の作動を制御する。
制御装置には、車室内温度を検出する内気温センサ、外気温を検出する外気温センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、蒸発器16の吹出空気温度(蒸発器の温度)を検出する蒸発器温度センサ、放熱器12出口側冷媒の温度を検出する出口側温度センサおよび放熱器12出口側冷媒の圧力を検出する出口側圧力センサ等の空調制御用のセンサ群が接続され、これらのセンサ群の検出値が入力される。
さらに、制御装置の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が制御装置へ入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、車室内空調を行うことを要求する空調作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
なお、本実施形態の制御装置は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、制御装置のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。例えば、本実施形態では、圧縮機11の電動モータ11bの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が吐出能力制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の作動を説明する。まず、操作パネルの作動スイッチが投入(ON)されると、制御装置が圧縮機11の電動モータ11b、冷却ファン12d、送風ファン16a等を作動させる。これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。
圧縮機11から吐出された高温高圧状態の気相冷媒は、放熱器12の凝縮部12aへ流入し、冷却ファン12dから送風された送風空気(外気)と熱交換し、放熱して凝縮する。凝縮部12aにて放熱した冷媒は、レシーバ部12bにて気液分離される。レシーバ部12bにて気液分離された液相冷媒は、過冷却部12cにて冷却ファン12dから送風された送風空気と熱交換し、さらに放熱して過冷却液相冷媒となる。
放熱器12の過冷却部12cから流出した過冷却液相冷媒は、エジェクタ13のノズル31にて等エントロピ的に減圧されて噴射される。そして、ノズル31の冷媒噴射口31bから噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、蒸発器16から流出した冷媒が冷媒吸引口32aから吸引される。さらに、噴射冷媒と冷媒吸引口32aから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部32bへ流入する。
ディフューザ部32bでは冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ部32bから流出した冷媒は、アキュムレータ14へ流入して気液分離される。
アキュムレータ14にて分離された液相冷媒は、固定絞り15にて等エンタルピ的に減圧される。固定絞り15にて減圧された冷媒は、蒸発器16へ流入して、送風ファン16aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。一方、アキュムレータ14にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、以上の如く作動して、車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。さらに、このエジェクタ式冷凍サイクル10では、ディフューザ部32bにて昇圧された冷媒を圧縮機11に吸入させるので、圧縮機11の駆動動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
また、本実施形態のエジェクタ13のノズル31では、旋回空間31cにて冷媒を旋回させて、旋回空間31cの旋回中心側の冷媒圧力を、冷媒が減圧沸騰する(キャビテーションを生じる)圧力まで低下させている。そして、旋回空間31cの旋回中心側の冷媒をノズル31へ流入させることで、ノズル31にて気相冷媒と液相冷媒が混合した気液混合状態の冷媒を減圧させることができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ13は、旋回抑制手段としての板状部材33を備えているので、最小通路面積部31dへ流入する冷媒の旋回方向の速度成分を低下させることができる。これにより、最小通路面積部31dへ流入する冷媒の状態が、旋回流れの遠心力の作用によって、旋回中心側に気相冷媒が偏在し、外周側に液相冷媒が偏在した不均質な気液混合状態となってしまうことを抑制できる。
換言すると、最小通路面積部31dへ流入する冷媒の状態を気相冷媒と液相冷媒が均質に混合した気液混合状態に近づけることができ、冷媒中に沸騰遅れが生じてしまうことを抑制できる。従って、最小通路面積部31dへ流入した直後の冷媒に閉塞(チョーキング)を生じさせて、この冷媒の流速を超音速状態(二相音速以上の流速)となるまで加速し、さらに末広部31fにて超音速となった冷媒を加速することができる。
その結果、冷媒噴射口31bから噴射される冷媒の流速を効果的に増速させることができ、エジェクタ13のノズル効率の低下を抑制できる。そして、冷媒噴射口31bから噴射される冷媒の流速を増速させることによって、ディフューザ部32bにて圧力エネルギに変換される速度エネルギを増加させることができるので、エジェクタ13のディフューザ部32bにおける冷媒昇圧性能の低下を抑制することができる。つまり、エジェクタ式冷凍サイクル10のCOP向上効果を確実に得ることができる。
なお、気相冷媒と液相冷媒が均質に混合した気液混合状態とは、気相冷媒がノズル31の流体通路の一部に偏在することなく液滴(液相冷媒の粒)となって、気相冷媒中に均質に分布している状態と定義することができる。また、気相冷媒と液相冷媒が均質に混合した気液混合状態では、液滴の流速と気相冷媒の流速が同等となっている。
このことを、図4を用いてより詳細に説明する。なお、図4は、ノズル31の冷媒通路を流通する冷媒の圧力変化および流速変化を示すグラフである。また、図4の上段には、ノズル31の冷媒通路とこの冷媒通路を流通する冷媒との対応関係の明確化を図るため、ノズル31を模式的に図示している。
まず、旋回空間31cから流出した冷媒は、ノズル31の先細部31eへ流入し、先細部31eの冷媒通路面積の縮小に伴って、圧力を低下させながら亜音速状態(二相音速より低い流速)のまま加速する。
さらに、理想的な状態では、最小通路面積部31dへ流入したと同時に、冷媒に閉塞が生じ、冷媒が超音速状態(二相音速以上の流速)になるものとすると、理想的な状態では、図5の太破線で示すように、末広部31fでは冷媒通路面積の拡大に伴って、最小通路面積部31dへ流入した直後の冷媒の圧力が降下するものの、超音速状態となっている冷媒の流速をさらに加速することができる。
ところが、従来技術のように、最小通路面積部31dへ流入する冷媒の状態が不均質な気液混合状態となっていると、冷媒の沸騰が遅れてしまうので、最小通路面積部31dへ流入したと同時に冷媒を超音速状態とすることができない。このため、図5の一点鎖線で示すように、末広部31fに流入した冷媒に閉塞が生じるまでは、冷媒の圧力が降下しても、冷媒を加速することができない。
これに対して、本実施形態では、旋回抑制手段としての板状部材33を備えているので、最小通路面積部31dへ流入する冷媒を均質な気液混合状態に近づけることができ、最小通路面積部31dへ流入した後に、速やかに冷媒に閉塞を生じさせ、冷媒を超音速状態とすることができる。
従って、図5の太実線で示すように、末広部31fでは冷媒通路面積の拡大に伴って、最小通路面積部31dへ流入した直後の冷媒の圧力が降下するものの、最小通路面積部31dへ流入した後、速やかに超音速状態となった冷媒の流速を加速することができる。その結果、ノズル31にて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタ13のノズル効率の低下を抑制できる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、旋回抑制手段を板状部材33で構成した例を説明したが、本実施形態では、図5、図6に示すように、板状部材33に代えて、ノズル31の内部に形成された冷媒通路の内周面に形成された溝部34によって構成した例を説明する。なお、図5、図6は、それぞれ第1実施形態の図2、図3に対応する図面である。また、図5、図6では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
より具体的には、本実施形態の旋回抑制手段を構成する溝部34は、ノズル31の軸方向に延びる形状に形成されている。さらに、溝部34は、ノズル31の内部に形成された冷媒通路の内周壁面のうち、最小通路面積部31dよりも上流側(すなわち先細部31e内)から最小通路面積部31dよりも下流側(すなわち末広部31f内)へ至る範囲に形成されている。
また、溝部34は、図6の拡大断面図に示すように、複数個(本実施形態では、9つ)設けられており、ノズル31の軸周りに等角度間隔で配置されている。その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ13のノズル31においても、旋回抑制手段である溝部34によって最小通路面積部31dへ流入する冷媒の旋回方向の速度成分を低下させることができる。その結果、第1実施形態と同様に、エジェクタ13のノズル効率の低下を抑制することができる。延いては、ノズル31にて気液混合状態の冷媒を減圧させるエジェクタ13のディフューザ部32bにおける冷媒昇圧性能の低下を抑制することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図7に示すように、ノズル31の内部に形成された冷媒通路の最小通路面積31dの下流側に、旋回抑制空間31hを形成した例を説明する。この旋回抑制空間31hは、旋回空間31cおよび先細部31eと同軸上に配置されて、最小通路面積31dから末広部31fへ向かって冷媒通路面積を僅かに拡大させる円錐台状に形成されている。
具体的には、旋回抑制空間31hの軸方向断面における拡がり角度θは、以下数式F1を満たすように設定されている。
0<θ≦1.5°…(F1)
つまり、本実施形態の旋回抑制空間31hは、極めて円柱に近い形状の円錐台状に形成されている。従って、旋回抑制空間31hの軸方向断面における拡がり角度θは、末広部31fの軸方向断面における拡がり角度よりも小さい。
また、旋回抑制空間31hが形成される軸方向長さLは、最小通路面積部31dの相当直径をφとしたときに、以下数式F2を満たすように設定されている。
0.25×φ≦L≦10×φ…(F2)
その他のエジェクタ13およびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、第1実施形態と同様に、車室内へ送風される送風空気を冷却することができるとともに、サイクルのCOPを向上させることができる。
さらに、ノズル31の冷媒通路に旋回抑制空間31hが形成されているので、旋回抑制空間31h内で、冷媒の旋回方向の速度成分を低下させ、冷媒の状態を気相冷媒と液相冷媒が均質に混合した気液混合状態に近づけることができる。従って、旋回抑制空間31h内の冷媒に閉塞を生じさせて、冷媒の流速を二相音速以上となるまで加速し、末広部31fにて超音速となった流体をさらに加速することができる。
その結果、冷媒噴射口31bから噴射される冷媒の流速を効果的に増速させることができ、エジェクタ13のノズル効率の低下を抑制できる。延いては、エジェクタ13のディフューザ部32bにおける冷媒昇圧性能の低下を抑制することができ、エジェクタ式冷凍サイクル10のCOP向上効果を確実に得ることができる。
このことを、図8を用いて詳細に説明する。なお、図8は、第1実施形態の図4に対応する図面である。本実施形態のエジェクタ13では、第1、第2実施形態で説明した旋回抑制手段を備えていないので、最小通路面積部31dへ流入する冷媒の状態は、外周側に液相冷媒が偏在した不均質な気液混合状態となる。従って、本実施形態のノズル31では、最小通路面積部31dへ流入した直後の冷媒を超音速状態とすることができない。
これに対して、本実施形態のノズル31の冷媒通路には、最小通路面積部31dの下流側に旋回抑制空間31hが設けられているので、外周側(旋回抑制空間31hの内周壁面側)に偏在する液相冷媒が旋回抑制空間31hの内周壁面と摩擦することによって、冷媒の旋回方向の速度成分を低下させることができる。
これにより、旋回抑制空間31h内に流入した冷媒の状態を気相冷媒と液相冷媒が均質に混合した気液混合状態に近づけることができ、旋回抑制空間31h内にて冷媒に閉塞を生じさせて、冷媒を超音速状態とすることができる。さらに、旋回抑制空間31hは、その軸方向断面における拡がり角度θが極めて小さく形成されているので、旋回抑制空間31hでは、冷媒通路面積の拡大に伴う圧力低下が生じにくい。
従って、図8の太実線で示すように、末広部31fでは冷媒通路面積の拡大に伴って、最小通路面積部31dへ流入した直後の冷媒の圧力が降下するものの、旋回抑制空間31h内で超音速状態となった冷媒の流速を加速することができる。その結果、ノズル31にて気液混合状態の流体を減圧させるエジェクタ13のノズル効率の低下を抑制できる。
また、本発明者らの検討によれば、本実施形態の如く、旋回抑制空間31hが形成される軸方向長さLを、上記数式F2を満足するように設定することで、確実に不均質な気液混合状態を均質な気液混合状態となるまで旋回方向の速度成分を低下させることができ、旋回抑制空間31h内にて冷媒を確実に超音速状態にできることが判っている。
より詳細には、不均質な気液混合状態を均質な気液混合状態となるまで旋回方向の速度成分を低下させるために必要な旋回抑制空間31hの軸方向長さLは、冷媒の沸騰のし易さの指標として用いられる液相冷媒の密度ρLと気相冷媒の密度ρgとの密度比(ρL/ρg)と相関関係を有していることが判っている。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、一般的に用いられる冷媒の密度比の最小値(二酸化炭素の密度比)および最大値(R600aの密度比)に基づいて、上記数式F2に示す軸方向長さLの範囲を決定している。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の第1実施形態では、旋回抑制手段としての板状部材33を最小通路面積部31dよりも上流側に配置した例を説明したが、板状部材33の配置はこれに限定されない。例えば、少なくとも一部が最小通路面積部31dよりも上流側に配置されていれば、最小通路面積部31dよりも上流側から最小通路面積部31dよりも下流側へ至る範囲に配置されていてもよい。
また、第2実施形態では、旋回抑制手段としての溝部34を最小通路面積部31dよりも上流側から最小通路面積部31dよりも下流側へ至る範囲に形成した例を説明したが、溝部34を最小通路面積部31dよりも上流側のみに形成してもよい。さらに、板状部材33の板面、あるいは溝部34は、ノズル31の軸線に対して傾斜あるいは湾曲して配置されていてもよい。
(2)上述の第2実施形態では、円錐台状に形成された旋回抑制空間31hを採用した例を説明したが、旋回抑制空間31hは、旋回空間31cおよび先細部31eと同軸上に配置された円柱状に形成されていてもよい。換言すると、旋回抑制空間31hは、最小通路面積31dから末広部31fへ至る範囲の冷媒通路面積が一定となるように形成されていてもよい。
(3)上述の実施形態では、旋回空間形成部材である筒状部31gをノズル31に一体的に構成した例を説明したが、もちろん、筒状部31gをノズル31に対して別体で構成してもよい。
さらに、上述の実施形態では、筒状部31g内に形成される旋回空間31cの最外径を、最小通路面積部31dの直径よりも大きく形成している。従って、旋回空間31cの出口部と最小通路面積部31dとを接続するための冷媒通路として冷媒通路面積を徐々に縮小させる先細部31eが設けられている。
これに対して、旋回空間31cの最外径を最小通路面積部31dの直径と同等としても、旋回空間31c内の冷媒を充分に旋回させることができれば、先細部31eを廃止して、旋回空間31cの出口部を最小通路面積部31dとしてもよい。この場合は、旋回空間31cと旋回抑制空間31hが一体的に構成されることになるので、第3実施形態と同様に、エジェクタ13のノズル効率の低下を抑制できる。
(4)上述の実施形態では、エジェクタ13の出口側にアキュムレータ14が接続されたエジェクタ式冷凍サイクル10について説明したが、本発明のエジェクタの適用は、これに限定されない。
例えば、エジェクタの13のノズル31の上流側に放熱器12から流出した高圧冷媒の流れを分岐する分岐部を設け、分岐部にて分岐された一方の冷媒をノズル31へ流入させ、分岐部にて分岐された他方の冷媒を減圧手段を介して蒸発器16へ流入させるサイクル構成のエジェクタ式冷凍サイクルに適用してもよい。
(5)上述の実施形態では、車両用空調装置用のエジェクタ式冷凍サイクル10に、本発明のエジェクタを適用した例を説明したが、本発明のエジェクタの適用はこれに限定されない。据置型空調装置用あるいは冷温保存庫用のエジェクタ式冷凍サイクルに適用してもよいし、エジェクタ式冷凍サイクル以外に適用してもよい。
(6)上述の実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、放熱器12を冷媒と外気とを熱交換させる室外側熱交換器とし、蒸発器16を室内送風空気を冷却する利用側熱交換器として用いた例について説明したが、蒸発器16を外気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器とし、放熱器12を空気あるいは水等の被加熱流体を加熱する室内側熱交換器として用いるヒートポンプサイクルを構成してもよい。
13 エジェクタ
31 ノズル
31c 旋回空間
31d 最小通路面積部
31f 末広部
32 ボデー
32a 冷媒吸引口
32b ディフューザ部(昇圧部)
33 板状部材(旋回抑制手段)
34 溝部(旋回抑制手段)

Claims (8)

  1. 流体を旋回させる旋回空間(31c)を形成する旋回空間形成部材(31g)と、
    前記旋回空間(31c)から流出した流体を減圧させて流体噴射口(31b)から噴射するノズル(31)と、
    前記流体噴射口(31b)から噴射された高速度の噴射流体の吸引作用によって流体を吸引する流体吸引口(32a)、および前記噴射流体と前記流体吸引口(32a)から吸引された吸引流体との混合流体の速度エネルギを圧力エネルギに変換する昇圧部(32b)が形成されたボデー(32)とを備え、
    前記ノズル(31)の流体通路には、流体通路面積が最も縮小した最小通路面積部(31d)、前記最小通路面積部(31d)から前記流体噴射口(31b)へ向かって流体通路面積を徐々に拡大させる末広部(31f)が形成されており、
    さらに、前記ノズル(31)の流体通路のうち前記最小通路面積部(31d)よりも上流側に配置されて、前記旋回空間(31c)から前記最小通路面積部(31d)へ流入する流体の旋回方向の速度成分を低下させる旋回抑制手段(33、34)を備えることを特徴とするエジェクタ。
  2. 前記旋回抑制手段は、前記ノズル(31)の流体通路内に突出する板状部材(33)で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ。
  3. 前記旋回抑制手段は、前記ノズル(31)の流体通路の内周面に形成された溝部(34)によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ。
  4. 流体を旋回させる旋回空間(31c)を形成する旋回空間形成部材(31g)と、
    前記旋回空間(31c)から流出した流体を減圧させて流体噴射口(31b)から噴射するノズル(31)と、
    前記流体噴射口(31b)から噴射された高速度の噴射流体の吸引作用によって流体を吸引する流体吸引口(32a)、および前記噴射流体と前記流体吸引口(32a)から吸引された吸引流体との混合流体の速度エネルギを圧力エネルギに変換する昇圧部(32b)が形成されたボデー(32)とを備え、
    前記ノズル(31)の流体通路には、流体通路面積が最も縮小した最小通路面積部(31d)、前記最小通路面積部(31d)の下流側に設けられて流体の旋回方向の速度成分を低下させる旋回抑制空間(31h)、および前記旋回抑制空間(31h)の流体出口から前記流体噴射口(31b)へ向かって流体通路面積を徐々に拡大させる末広部(31f)が形成されていることを特徴とするエジェクタ。
  5. 前記旋回抑制空間(31h)は、前記ノズル(31)の中心軸に対して同軸上に配置されて流体流れ方向に向かって流体通路面積を徐々に拡大させる円錐台状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ。
  6. 前記旋回抑制空間(31h)の軸方向断面における拡がり角度をθとしたときに、
    0<θ≦1.5°
    となっていることを特徴とする請求項5に記載のエジェクタ。
  7. 前記旋回抑制空間(31h)は、前記ノズル(31)の中心軸に対して同軸上に配置された円柱状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ。
  8. 前記旋回抑制空間(31h)の軸方向長さをLとし、前記最小通路面積部(31d)の相当直径をφとしたときに、
    0.25×φ≦L≦10×φ
    となっていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタ。
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