JP2017196775A - 建材用防湿フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
また、合成樹脂製基材層の一方の面側に蒸着層が積層され、合成樹脂製基材層の他方の面ないし蒸着層面の少なくともいずれかの面に、カップリング剤が添加された接着用プライマー層を設けることが提案されている(特許文献3参照)。しかし、依然として、さらなる性能の向上が望まれている。
第2のプライマー層、樹脂基材、無機層、および前記無機層上に直接形成された第1のプライマー層をこの順に備える建材用防湿フィルムであって、
前記第1のプライマー層が、主剤としてのポリオールと硬化剤との硬化物であり、
前記第2のプライマー層が、2液硬化型ウレタン樹脂層である、建材用防湿フィルムが提供される。
木質系基材と、
前記木質系基材の片面または両面に、上記の建材用防湿フィルムと
を備える、建材が提供される。
上記の建材と、
前記建材の片面または両面に化粧シートと
を備える、化粧板が提供される。
本発明による建材用防湿フィルムは、第2のプライマー層、樹脂基材、無機層、および無機層上に直接形成された第1のプライマー層をこの順に備える。このような建材用防湿フィルムは、防湿性が高く、第1および第2のプライマー層により被着体との密着性が高いため、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。
防湿フィルムの樹脂基材は、特に制限されず、従来公知の樹脂フィルムまたは樹脂シートを使用することができる。樹脂フィルムまたは樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂6、ポリアミド樹脂66、ポリアミド樹脂610、ポリアミド樹脂612、ポリアミド樹脂11、およびポリアミド樹脂12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのα−オレフィンの重合体等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
防湿フィルムの無機層は、無機物または無機酸化物の蒸着膜であることが好ましい。蒸着膜は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。防湿フィルムが無機層を有することで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を向上させることができる。
防湿フィルムの第1のプライマー層は、無機層上に直接形成され、無機層と被着体とを、接着剤層を介し貼着する際、十分な接着強度を得るために設けるものである。第1のプライマー層は、バリアコート層等の他の層を介さずに無機層上に直接形成されることで、無機層側の耐水性を向上させることができる。また、他の層を介しないため、一層減らすことでコストダウンにも繋がる。
防湿フィルムの第2のプライマー層は、樹脂基材の無機層と反対側に形成され、樹脂基材と被着体とを、接着剤層を介し貼着する際、十分な接着強度を得るために設けるものである。第2のプライマー層は、2液硬化型ウレタン樹脂層であり、その中でも、主剤としてウレタン樹脂とニトロセルロース系樹脂の混合樹脂と、硬化剤としてイソシアネート化合物とからなる2液硬化型ウレタン樹脂層の形成が特に好ましい。
本発明による建材は、木質系基材の片面または両面に上記建材用防湿フィルムを備えるものであり、建材用防湿フィルムと木質系基材との間に接着剤層を設けてもよい。このような建材は、防湿性が高く、防湿フィルムのプライマー層と、木質系基材やコンクリート等の被着体との密着性が高いため、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。
建材の木質系基材は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。木質系基材としては、例えば、合板、パーティクルボード(PB)、中密度繊維板(MDF)、および高密度繊維板(HDF)等が挙げられる。
建材の接着剤層は、特に限定されず、従来公知の建材用の接着剤を用いることができる。接着剤としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤等が挙げられる。上記の接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。その塗布量としては、0.1g/m2〜10g/m2(乾燥状態)位が好ましく、1g/m2〜5g/m2(乾燥状態)位がより好ましい。
本発明による化粧板は、上記建材の片面または両面に化粧シートを備えるものであり、建材と化粧シートとの間に接着剤層を設けてもよい。このような化粧板は、防湿性が高く、防湿フィルムのプライマー層と木質系基材との密着性が高いため、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り、床材等に好適に使用できる。
化粧板の化粧シートは、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。化粧シートとしては、例えば、木目模様からなる絵柄印刷が少なくとも施された紙基材や合成樹脂製基材からなる化粧シートが挙げられる。
樹脂基材である厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製PET−F)の片面に、真空蒸着により厚み10nmの酸化アルミニウム(アルミナ)膜を形成した。
主剤としてのアクリルポリオールおよびウレタン樹脂の混合樹脂(大日精化工業(株)製、商品名:セイカダインTS241プライマー)に硬化剤としての脂肪族エポキシ化合物(大日精化工業(株)製、商品名:セイカダインTS241硬化剤)を添加した第1のプライマー層用樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして防湿フィルムを作製した。
主剤としてのポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、商品名:クラレポリオールC−2090)に硬化剤としてのウレタンプレポリマー(大日精化工業(株)製、商品名:VM−D 硬化剤)を添加した第1のプライマー層用樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして防湿フィルムを作製した。
PETフィルムの無機層と反対側の面にコロナ処理放電を行わず、第2のプライマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして防湿フィルム(層構成:樹脂基材/無機層/第1のプライマー層)を作製した。
樹脂基材である厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製PET−F)の片面に、真空蒸着により厚み10nmの酸化アルミニウム(アルミナ)膜を形成した。続いて、PETフィルムの無機層(アルミナ膜)上に、ポリビニルアルコール溶液を乾燥後0.2g/m2となるようグラビア印刷法で塗布して、乾燥させて、ポリビニルアルコールを含む樹脂層(バリアコート層)を形成した。続いて、バリアコート層上に、主剤としてのポリエステル樹脂(大日精化工業(株)製、商品名:蒸着用プライマー PD−4 PET−2)に硬化剤としてのイソシアネート化合物(大日精化工業(株)製、商品名:VM−D 硬化剤)を添加した第1のプライマー層用樹脂組成物をグラビア印刷法にて塗布し、厚さ0.3μmの第1のプライマー層を形成して、防湿フィルム(層構成:樹脂基材/無機層/バリアコート層/第1のプライマー層)を得た。
PETフィルムの無機層と反対側の面にコロナ処理放電(放電量20W・分/m2)を施した後、第2のプライマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして防湿フィルム(層構成:(コロナ処理有り)樹脂基材/無機層/第1のプライマー層)を作製した。
PETフィルムの無機層と反対側の面にプラズマ処理放電(周波数13.56MHz、200W・m2・秒)を施した後、第2のプライマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして防湿フィルム(層構成:(プラズマ処理有り)樹脂基材/無機層/第1のプライマー層)を作製した。
上記の各実施例および比較例で作製した防湿シートを用いて、下記の測定および評価を行った。
水蒸気透過度測定装置(モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)3/33〕)を用いて、調湿側が無機層側となるように処理前の防湿フィルムをセットし、温度40℃湿度90%の条件にてJIS K 7126−2に準拠し、透湿度を測定した。
酢酸ビニル系接着剤(中央理科工業(株)製、BA−10/BA−11B)を防湿フィルムの無機層面側に塗工し、耐水PB(パーチクルボード)とラミネート後、1週間養生し、60℃湿度90%RH環境下1ヶ月後の剥離状態を評価した。密着性評価として、引張り試験機(エー・アンド・デー(株)製 テンシロン)を使用して剥離速度50mm/minの180度剥離試験を実施し、PB材料破壊、または接着剤の凝集破壊が生じた場合を合格(○)とし、無機層/第1のプライマー層の界面や第2のプライマー層/接着剤の界面、及びバリアコート/第1のプライマー界面で剥離が生じた場合を不合格(×)とした。
床施工用接着剤(コニシ製KU−928R−W)を防湿フィルム無機層と反対面(第1のプライマー面またはPET面)側に塗工し、パーチクルボード(PB)とラミネートした後、1週間養生し、60℃湿度90%RH環境下1ヶ月後の剥離常態を評価した。密着性評価として、引張り試験機(エー・アンド・デー(株)製 テンシロン)を使用して180度剥離試験を実施し、施工要接着剤の凝集破壊が生じた場合を合格(○)とし、PET/接着剤界面で剥離が生じた場合を不合格(×)とした。
酢酸ビニル系接着剤(中央理科工業(株)製、BA−10/BA−11B)を防湿フィルムの無機層面側に塗工し、耐水PB(パーチクルボード)とラミネート後、床施工用接着剤(コニシ(株)製、KU−928R−W)を防湿フィルムのPET面側に塗工し、PBとラミネートした後、1週間養生し、70℃温水に2時間浸漬させ、その後60℃で3時間乾燥させた後の2つのPBで挟まれたフィルム界面の剥離状態を評価した。貼り合せ辺の剥離が3分の1以下であった場合を合格(○)とし、貼り合せ辺の剥離が3分の1を超えていた場合を不合格(×)とした。
2 樹脂基材
3 無機層
4 第1のプライマー層
10 防湿フィルム
11 木質系基材
12 接着剤層
13 化粧シート
20 建材
30 化粧板
Claims (7)
- 第2のプライマー層、樹脂基材、無機層、および前記無機層上に直接形成された第1のプライマー層をこの順に備える建材用防湿フィルムであって、
前記第1のプライマー層が、主剤としてのポリオールと硬化剤との硬化物であり、
前記第2のプライマー層が、2液硬化型ウレタン樹脂層である、建材用防湿フィルム。 - 前記第1のプライマー層が、主剤としてのポリエステルポリオールと、硬化剤としてのウレタンプレポリマーとの硬化物である、請求項1に記載の建材用防湿フィルム。
- 前記第1のプライマー層が、主剤としてのアクリルポリオールおよびウレタン樹脂の混合樹脂と、硬化剤としてのエポキシ化合物との硬化物である、請求項1に記載の建材用防湿フィルム。
- 前記第1のプライマー層が、主剤としてのポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールと、硬化剤としてのウレタンプレポリマーとの硬化物である、請求項1に記載の建材用防湿フィルム。
- 前記無機層が、無機物または無機酸化物の蒸着膜である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建材用防湿フィルム。
- 木質系基材と、
前記木質系基材の片面または両面に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の建材用防湿フィルムと
を備える、建材。 - 請求項6に記載の建材と、
前記建材の片面または両面に化粧シートと
を備える、化粧板。
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