[第1の形態]
図1に,本形態の画像形成装置1の概略構成を示す。画像形成装置1は,中間転写ベルト20を有する,いわゆるタンデム方式のカラープリンターである。中間転写ベルト20は導電性を有する無端状のベルト部材であり,その図1中両端部がローラー21,22によって支持されている。画像形成時には,図1中右側のローラー21が反時計回りに回転駆動される。これにより,中間転写ベルト20および図1中左側のローラー22はそれぞれ,図中に矢印で示す方向に従動回転する。
中間転写ベルト20のうち,図1中右側のローラー21に支持されている部分の外周面には,2次転写ローラー30が設けられている。2次転写ローラー30は,中間転写ベルト20へ向けて軸と垂直の方向(図1中左向き)に圧接されている。中間転写ベルト20と2次転写ローラー30とが接触している部分には,中間転写ベルト20上のトナー像を用紙Pに転写させる転写ニップN1が形成されている。2次転写ローラー30は,画像形成時には,回転する中間転写ベルト20への圧接による摩擦力によって従動回転する。
また,中間転写ベルト20のうち,図1中左側のローラー22に支持されている部分の外周面には,ベルトクリーナー31が設けられている。ベルトクリーナー31は,中間転写ベルト20の外周面に圧接されている。また,ベルトクリーナー31は,転写ニップN1において用紙Pに転写されなかった転写残トナーなどを回収することのできるものである。
中間転写ベルト20の図1中下部には左から右に向かって順に,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kが配置されている。画像形成部10Y,10M,10C,10Kはいずれも,該当色のトナー像を形成して中間転写ベルト20上に転写するためのものである。画像形成部10Y,10M,10C,10Kはいずれも,その構成は同じである。このため,図1では,画像形成部10Yによって代表して符号をつけている。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kは,円筒状の静電潜像担持体である感光体11,および,その周囲に配置された帯電器12,現像装置14,および感光体クリーナー16を有している。また,感光体11と中間転写ベルト20を挟んで対向する位置には,1次転写ローラー15が配置されている。さらに,各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kの図1中下方には,露光装置13が配置されている。
帯電器12は,感光体11の表面を均一に帯電させることのできるものである。露光装置13は,画像データに基づいたレーザー光を各感光体11の表面に照射し,静電潜像を形成することのできるものである。現像装置14は,収容しているトナーを感光体11の表面に付与することのできるものである。
1次転写ローラー15は,中間転写ベルト20へ向けて軸と垂直の方向(図1中下向き)に圧接されている。この圧接により,中間転写ベルト20と各感光体11とが接触している部分にはそれぞれ,各色の感光体11上のトナー像を中間転写ベルト20上に転写させる1次転写ニップが形成されている。感光体クリーナー16は,感光体11上から中間転写ベルト20上に転写されなかったトナーを回収するためのものである。
なお,図1では,帯電器12としてローラー形状をしたローラー帯電方式のものを示しているが,本発明はこれに限るものではない。コロナ放電方式の帯電チャージャー,ブレード状の帯電部材,またはブラシ状の帯電部材等を用いても良い。また,感光体クリーナー16として,板状でその一端部が感光体11の外周面に接触しているものを示しているが,本発明はこれに限るものではない。その他のクリーニング部材,例えば固定ブラシ,回転ブラシ,ローラーまたはそれらのうちの複数の部材を組み合わせたものを使用することができる。あるいは,感光体11上の未転写トナーを現像装置14により回収するクリーナーレス方式を採用すれば,感光体クリーナー16はなくてもよい。
また,中間転写ベルト20の図1中上方には,各色のトナーを収容したホッパー17Y,17M,17C,17Kが配置されている。これらに収容されている各色のトナーはそれぞれ,該当色の現像装置14へと適宜補給される。
画像形成装置1の下部には,着脱可能な給紙カセット51が装着されている。給紙カセット51の図1中右側より上方に向かっては,搬送経路50が設けられている。給紙カセット51は,複数枚の用紙Pを積載により載置することのできる載置部である。そして,給紙カセット51に載置されている用紙Pは,その最上部のものから1枚ずつ,給紙ローラー52の給紙動作によって搬送経路50に送り出されるようになっている。
また,給紙ローラー52により送り出された用紙Pの搬送経路50には,1対のレジストローラー53,転写ニップN1,定着装置40,排紙ローラー54がこの順で配置されている。搬送経路50のさらに下流側である画像形成装置1の上面には,排紙部55が設けられている。
レジストローラー53は,用紙Pを転写ニップN1へ送り出すタイミングを調整するためのものである。定着装置40は,定着ニップN2において用紙Pを加熱しつつ加圧することにより,用紙Pに転写されたトナー像の定着処理を行うためのものである。なお,本形態の画像形成装置1においては,給紙ローラー52,レジストローラー53等により,用紙Pを搬送経路50に沿って搬送する搬送部が構成されている。また,給紙ローラー52は,その搬送部のうち,搬送経路50の最も上流位置に位置している。
また,本形態の画像形成装置1は,操作部60を有している。操作部60は,ユーザーが画像形成装置1を操作するためのものであり,表示パネル61と入力部62とを有している。また,本形態の操作部60は,ユーザーが,給紙カセット51に載置されている用紙Pの種類を入力することができるものである。
すなわち,例えば,給紙カセット51に載置されている用紙Pが普通紙や再生紙等の通常用紙である場合には,ユーザーは,その通常用紙のサイズ等を操作部60により入力することができる。また,本形態の画像形成装置1は,通常用紙以外の特殊な用紙Pとして,封筒を用いることのできるものである。そして,給紙カセット51に用紙Pとして封筒が載置されている場合には,ユーザーは,その封筒の種類や坪量などを操作部60により入力することができる。
また,本形態の画像形成装置1は,搬送経路50における給紙ローラー52のすぐ下流の位置に,厚み出力部70を有している。図2は,給紙カセット51の斜視図である。本形態の厚み出力部70は,図2に示すように,用紙Pの厚みを検出することのできる第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73によって構成されている。第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73は,用紙Pの幅方向に並べて配置されている。具体的に,用紙Pの幅方向について,第1センサー71は中央に,第2センサー72は一端側に,第3センサー73は第2センサー72とは反対側である他端側に設けられている。
第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73はいずれも透過型の超音波センサーであり,それぞれ送信部71A,72A,73Aと受信部71B,72B,73Bとにより構成されている。そして,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73はそれぞれ,送信部71A,72A,73Aと受信部71B,72B,73Bとの間を検出位置とし,その検出位置を通過する用紙Pの厚みを検出することができる。これにより,厚み出力部70は,検出位置にて検出された用紙Pの厚みを出力することができる。
また,本形態の給紙カセット51には,図2に示すように,載置されている用紙Pの幅方向における一端を規制する第1規制板56および他端を規制する第2規制板57が設けられている。図3は,給紙カセット51の平面図である。本形態において,給紙カセット51の第1規制板56および第2規制板57は,図3に示すように,用紙Pのサイズに合わせて,用紙Pの幅方向にスライド移動することのできるものである。これにより,本形態の給紙カセット51は常に,用紙Pの幅方向における中央位置に,用紙Pの中央位置を合わせて載置することのできるものである。
さらに,図3に示すように,第2センサー72は,第1規制板56と,第1連結部58によって物理的に接続されている。また,第3センサー73は,第2規制板57と,第2連結部59によって物理的に接続されている。つまり,第2センサー72および第3センサー73はそれぞれ,第1規制板56および第2規制板57と連結されている。これにより,第2センサー72および第3センサー73はそれぞれ,第1規制板56および第2規制板57と連動して動作することができるようにされている。
また,第2センサー72は,用紙Pの幅方向における第1規制板56よりも内側が検出位置となるように設けられている。具体的に,第2センサー72は,その検出位置が常に,用紙Pの幅方向における第1規制板56側の端部付近になるように設けられている。さらに,第3センサー73は,用紙Pの幅方向における第2規制板57よりも内側が検出位置となるように設けられている。具体的に,第3センサー73は,その検出位置が常に,用紙Pの幅方向における第2規制板57側の端部付近になるように設けられている。
なお,第1センサー71については,第2センサー72および第3センサー73とは異なり,その検出位置が移動しないように固定されている。また,第1センサー71は,その検出位置が,用紙Pの幅方向における中央位置になるように固定されている。つまり,本形態の第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73はいずれも,搬送経路50上における,第1規制板56から第2規制板57までの間に対応する範囲内を検出位置としている。
次に,本形態の画像形成装置1による,通常の画像形成動作の一例について簡単に説明する。以下の説明は,給紙カセット51に載置されている用紙Pに,4色のトナーを用いてカラー画像を形成する場合における画像形成動作の一例である。
カラー画像の形成時には,まず,中間転写ベルト20および各色の感光体11はそれぞれ,図1に矢印で示す向きに所定の周速度で回転される。そして,感光体11の外周面は,帯電器12によりほぼ一様に帯電される。帯電された感光体11の外周面には,露光装置13によって画像データに応じた光が投射され,静電潜像が形成される。続いて,静電潜像は現像装置14によって現像され,感光体11上にはトナー像が形成される。
各感光体11上に形成されたトナー像は,1次転写ローラー15によって中間転写ベルト20上に転写(1次転写)される。これにより,中間転写ベルト20上には,イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像がこの順で重ね合わされる。そして,重ね合わされた4色のトナー像は,中間転写ベルト20の回転によって転写ニップN1に搬送される。中間転写ベルト20に転写されず,1次転写ローラー15を過ぎた後も感光体11上に残留している転写残トナーは,感光体クリーナー16によって掻き取られ,感光体11上から除去される。
一方,給紙カセット51に載置されている用紙Pは,最上部のものから1枚ずつ搬送経路50に引き出される。引き出された用紙Pは,搬送経路50に沿って転写ニップN1に搬送される。用紙Pの転写ニップN1への突入タイミングは,中間転写ベルト20上のトナー像の転写ニップN1への突入タイミングと一致するように,レジストローラー53によって微調整される。これにより,転写ニップN1において,重ね合わされた4色のトナー像が用紙Pに転写(2次転写)される。
トナー像が転写された用紙Pは,さらに搬送経路50の下流側へと搬送される。つまり,用紙Pは,定着装置40によってトナー像が定着された後,排紙ローラー54によって排紙部55に排出される。なお,転写ニップN1を通過した後も中間転写ベルト20上に残留する転写残トナーは,ベルトクリーナー31によって回収される。これにより,中間転写ベルト20上から除去される。
図4に,画像形成装置1の制御構成の概略を示す。画像形成装置1は,各部の制御を行うために,エンジン部2とコントローラー部3とを有している。エンジン部2は,全体の制御処理を行うCPU4と,本体に付属されている不揮発性メモリ5とを有している。
不揮発性メモリ5には,画像形成装置1の画像形成などを行うための各種の値が記憶されている。例えば,用紙Pや形成されたトナー像を搬送する速度であるシステム速度などの値が記憶されている。
CPU4は,不揮発性メモリ5に記憶されている値に基づいて,画像形成装置1の各部を制御する。例えば,各露光装置13による静電潜像の形成開始のタイミングを調整することにより,中間転写ベルト20上にズレのないカラートナー像を形成する。また画像形成部10Y,10M,10C,10Kにより画像を形成するタイミングと,給紙カセット51から用紙Pを給紙するタイミングとを調整することにより,これらの転写ニップN1への突入タイミングが合うように制御する。
さらに,本形態のCPU4は,給紙ローラー52により搬送経路50へと送り出された用紙Pが,封筒であるか否かを判定する封筒判定を実行する。封筒判定には,厚み出力部70が出力する出力値を用いる。また,CPU4は,ユーザーが操作部60によって入力した用紙Pの設定を把握することもできる。加えて,CPU4は,印刷モードを通常モードと封筒モードとの間で切り替えるモード変更を行いつつ,画像形成を行うことができる。
通常モードと封筒モードとでは,転写ニップN1における転写バイアスや定着装置40における加熱温度等が異なる値に設定されている。具体的に,通常モードにおいて,転写ニップN1における転写バイアスや定着装置40における加熱温度等は,通常用紙に適切に画像を形成することができる値に設定される。一方,封筒モードにおいて,転写ニップN1における転写バイアスや定着装置40における加熱温度等は,封筒に適切に画像を形成することができる値に設定される。
これら通常用紙および封筒のそれぞれに適した転写ニップN1における転写バイアスや定着装置40における加熱温度等は,予め画像形成装置1を用いた実験等によって取得され,不揮発性メモリ5に記憶されている。例えば,本形態の画像形成装置1では,封筒モードにおける定着装置40の加熱温度は,通常モードにおける定着装置40の加熱温度よりも高い温度に設定されている。封筒は一般的に,通常用紙よりも坪量が多く,トナー像を適切に定着させるために必要な熱量が多くなるからである。
エンジン部2は,画像形成装置1に含まれている各種ユニット6を制御するとともに,各種ユニット付属の不揮発性メモリ7の書き込みや読み出しを行う。各種ユニット6には例えば,イメージングユニットが含まれる。そして,各種ユニット付属の不揮発性メモリ7について,例えばイメージングユニットに付属のメモリには,そのイメージングユニットにより画像形成がなされた枚数などが記憶されている。
コントローラー部3は,外部のパソコンなどに接続されて指示入力を受けるものである。例えば,画像形成指令をパソコンから受信することにより,画像形成装置1には印刷ジョブが発生する。さらに,エンジン部2とコントローラー部3とで,ドットカウンタ値などの各種の情報がやりとりされる。
次に,封筒判定の方法について具体的に説明する。本形態の封筒判定では,厚み出力部70の出力値が,用紙Pの幅方向について異なる値であるとき,その用紙Pが封筒であると判定する。つまり,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値が異なっているとき,その用紙Pが封筒であると判定する。
一方,封筒判定では,厚み出力部70の出力値が,用紙Pの幅方向について同じ値であるとき,その用紙Pが封筒であるとは判定しない。つまり,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がすべて同じであるとき,その用紙Pが封筒であるとは判定しない。そして,本形態の封筒判定では,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がすべて同じ値であるとき,その用紙Pが封筒でないと推定するとともに,通常用紙であると推定する。
図5は,用紙Pが通常用紙NPである場合の厚み出力部70の出力値について説明するための図である。図5の上段には,通常用紙NPと,その搬送方向の下流に位置する厚み出力部70とを示している。図5に「n=1」で示すように,通常用紙NPは,1枚ずつ矢印の向きに搬送され,厚み出力部70の第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の各検出位置を通過する。
また,前述したように,用紙Pの幅方向について,第1センサー71は中央に,第2センサー72および第3センサー73はそれぞれ両端に設けられている。そして,図5に示すように,第1センサー71の検出位置は,幅方向における中央に定めた中央領域A1内に位置している。第2センサー72および第3センサー73の検出位置はそれぞれ,中央領域A1よりも幅方向における両外側に定めた第1端部領域A2および第2端部領域A3内に位置している。
また,図5の下段には,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73のそれぞれより検出して出力された出力値を順に示している。そして,図5に示すように,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値はいずれも,通常用紙NPの先端が検出位置に到達してから,後端が検出位置を通過するまでの間,「1」である。
つまり,通常用紙NPの先端が検出位置に到達してから,後端が検出位置を通過するまでの間の第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値はいずれも,その幅方向について同じである。よって,通常用紙NPが検出位置を通過している間の厚み出力部70の出力値からは,封筒でないと推定することができる。これにより,通常用紙NPであると推定することができる。すなわち,通常用紙NPである用紙Pが検出位置を通過したとしても,その用紙Pが封筒であると判定されることはない。
図6は,用紙Pが第1封筒EP1である場合の厚み出力部70の出力値について説明するための図である。第1封筒EP1は,図6の上段に示すように,サイドフラップSF同士が幅方向の中央で貼り合わせられているセンター貼りのものである。また,図6には,第1封筒EP1が,そのボトムフラップBFを先端側に,トップフラップTFを後端側に向けた状態で搬送されたときを示している。なお,図6に示す第1封筒EP1は,まだ,トップフラップTFが閉じられておらず,第1封筒EP1の開口が封止されていない状態である。
また,図6においても,下段に,第1封筒EP1が1枚ずつ搬送されたときの第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73のそれぞれの出力値を示している。なお,図6の上段の第1封筒EP1中に「n=1」で示すように,第1封筒EP1は,トップフラップTFの箇所では,1枚で構成されている。これに対し,第1封筒EP1は,トップフラップTFの箇所以外では,複数枚で構成されている。
具体的に,サイドフラップSFの箇所のうち,他方のサイドフラップSF,または,ボトムフラップBFのいずれとも重なっていない箇所では,「n=2」で示すように,2枚で構成されている。また,2枚のサイドフラップSFが重なり合っている箇所のうち,ボトムフラップBFと重なっていない箇所では,「n=3」で示すように,3枚で構成されている。さらに,ボトムフラップBFの箇所のうち,2枚のサイドフラップSFが重なり合っている箇所と重なっていない箇所では,「n=3」で示すように,3枚で構成されている。加えて,ボトムフラップBFと2枚のサイドフラップSFとが重なり合っている箇所では,「n=4」で示すように,4枚で構成されている。
このため,図6の下段に示すように,第1封筒EP1のトップフラップTF以外の箇所が検出位置を通過している間,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がすべて,同じ値になることはない。すなわち,第1封筒EP1のトップフラップTF以外の箇所が検出位置を通過している間,中央領域A1内の第1センサー71の出力値は,第1端部領域A2内の第2センサー72および第2端部領域A3内の第3センサー73の出力値よりも高い値となる。なお,第1封筒EP1のトップフラップTFの箇所が検出位置を通過している間には,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値はすべて,同じ値となる。
そして,第1封筒EP1がボトムフラップBFを先端側に向けた図6に示す状態で搬送されたとき,本形態の封筒判定では,第1封筒EP1の先端が厚み出力部70の検出位置に到達したときに,封筒であると判定することができる。
図7は,図6と同様,用紙Pがセンター貼りの第1封筒EP1である場合の厚み出力部70の出力値について説明するための図である。ただし,図7は,図6と異なり,第1封筒EP1が,トップフラップTFを先端側に向けて搬送されたときのものである。また,図7の第1封筒EP1中にも,各箇所にそれぞれ,重なりの枚数nを示している。
そして,図7に示すように,第1封筒EP1がトップフラップTFを先端側に向けて搬送されたとき,まず,トップフラップTFが第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の検出位置を通過する。このトップフラップTFが検出位置を通過している間,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値はすべて,同じ値である。よって,封筒判定では,トップフラップTFが検出位置を通過している間,封筒でないと推定するとともに,通常用紙であると推定される。つまり,トップフラップTFが検出位置を通過している間,封筒であると判定されることはない。
しかし,トップフラップTFが検出位置を通過した後には,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がすべて,同じ値になることはない。すなわち,トップフラップTFが検出位置を通過した後には,中央領域A1内の第1センサー71の出力値は,第1端部領域A2内の第2センサー72および第2端部領域A3内の第3センサー73の出力値よりも高い値となる。
よって,第1封筒EP1がトップフラップTFを先端側に向けた図7の状態で搬送されたとき,本形態の封筒判定では,サイドフラップSFが厚み出力部70の検出位置に到達したときに,封筒であると判定することができる。
図8は,用紙Pが第1封筒EP1とは異なる第2封筒EP2である場合の厚み出力部70の出力値について説明するための図である。第2封筒EP2は,図8の上段に示すように,サイドフラップSF同士が幅方向の端部で貼り合わせられているサイド貼りのものである。また,図8には,第2封筒EP2が,そのボトムフラップBFを先端側に,トップフラップTFを後端側に向けた状態で搬送されたときを示している。なお,図8に示す第2封筒EP2は,まだ,トップフラップTFが閉じられておらず,第2封筒EP2の開口が封止されていない状態である。また,図8の第2封筒EP2中にも,各箇所にそれぞれ,重なりの枚数nの値を示している。
そして,図8の下段に示すように,第2封筒EP2についても,トップフラップTF以外の箇所が検出位置を通過している間,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がすべて,同じ値になることはない。すなわち,第2封筒EP2のトップフラップTF以外の箇所が検出位置を通過している間,第1端部領域A2内の第2センサー72の出力値は,中央領域A1内の第1センサー71および第2端部領域A3内の第3センサー73の出力値よりも高い値となる。なお,第2封筒EP2のトップフラップTFの箇所が検出位置を通過している間には,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値はすべて,同じ値となる。
よって,第2封筒EP2がボトムフラップBFを先端側に向けた図8に示す状態で搬送されたとき,本形態の封筒判定では,第2封筒EP2の先端が厚み出力部70の検出位置に到達したときに,封筒であると判定することができる。
図9は,図8と同様,用紙Pがサイド貼りの第2封筒EP2である場合の厚み出力部70の出力値について説明するための図である。ただし,図9は,図8と異なり,第2封筒EP2が,トップフラップTFを先端側に向けて搬送されたときのものである。また,図9の第2封筒EP2中にも,各箇所にそれぞれ,重なりの枚数nを示している。
そして,図9に示すように,第2封筒EP2がトップフラップTFを先端側に向けて搬送されたとき,まず,トップフラップTFが第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の検出位置を通過する。このトップフラップTFが検出位置を通過している間,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値はすべて,同じ値である。よって,封筒判定では,トップフラップTFが検出位置を通過している間,封筒でないと推定するとともに,通常用紙であると推定される。つまり,トップフラップTFが検出位置を通過している間,封筒であると判定されることはない。
しかし,トップフラップTFが検出位置を通過した後には,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がすべて,同じ値になることはない。すなわち,トップフラップTFが検出位置を通過した後には,第2端部領域A3内の第3センサー73の出力値は,中央領域A1内の第1センサー71および第1端部領域A2内の第2センサー72の出力値よりも高い値となる。
よって,第2封筒EP2がトップフラップTFを先端側に向けた図9に示す状態で搬送されたとき,本形態の封筒判定では,サイドフラップSFが厚み出力部70の検出位置に到達したときに,封筒であると判定することができる。
このように,封筒は,貼り合わせ箇所が存在し,位置によって重なっている枚数が異なる。そして,用紙Pの幅方向における複数の検出位置についての厚み出力部70の出力値は,用紙Pが封筒である場合,重なり枚数が異なることに伴って,異なる値となる。よって,用紙Pが封筒である場合には,その封筒の後端が搬送によって厚み出力部70の検出位置を通過する前に,封筒であると判定することができることがわかる。
また,図5から図9には,先端領域HAを示している。先端領域HAは,用紙Pの搬送方向の先端を含むとともに,先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である。また,先端領域HAの長さは,搬送方向について,一般的な封筒のトップフラップTFの長さに,予め定めた余裕分を加えた長さとしている。
このため,本形態の封筒判定では,用紙Pが一般的な封筒である場合,遅くとも先端領域HAの後端側が厚み出力部70の検出位置を通過するときまでに,用紙Pが封筒であると厚み出力部70の出力値より判定することができる。これに対し,本形態の封筒判定によって封筒であると判定されることなく,用紙Pの先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過したとき,用紙Pが通常用紙であると判定することができる。
次に,本形態の画像形成装置1で行う,封筒判定を含む制御手順について,図10のフローチャートにより説明する。図10の制御手順は,画像形成装置1に印刷ジョブが発生したときに開始される。すなわち,印刷ジョブが発生したとき,まず,CPU4は,ユーザーが操作部60によって入力した用紙Pの情報である,設定用紙の確認を行う(S101)。つまり,給紙カセット51に載置されている用紙Pの設定が,通常用紙であるか封筒であるかを確認する。
次に,CPU4は,印刷モードを設定用紙に合わせたモードに設定する(S102)。具体的に,設定用紙が通常用紙である場合,印刷モードを通常モードに設定する。一方,設定用紙が封筒である場合,印刷モードを封筒モードに設定する。
続いて,CPU4は,給紙ローラー52に給紙動作を行わせ,給紙カセット51に載置されている用紙Pの搬送を開始させる(S103)。また,用紙Pの搬送を開始後,厚み出力部70に用紙Pの検出を開始させる(S104)。
次に,CPU4は,厚み出力部70の出力値に基づいて,封筒判定を行う(S105)。つまり,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値により,用紙Pが封筒であるか,通常用紙であると推定されるかを判定する。この封筒判定の具体的な判定方法については,前述した通りである。
そして,封筒判定(S105)により,封筒であると判定された場合(S105:YES),設定用紙が封筒であるか否かの判定を行う(S106)。封筒判定により搬送中の用紙Pが封筒であると判定され(S105:YES),設定用紙が封筒である場合(S106:YES),そのまま画像形成を続行し,図10のフローチャートを終了する。よって,封筒である用紙Pに適した印刷モードである封筒モードにより,画像形成を行うことができる。
一方,封筒判定により封筒であると判定されたにもかかわらず(S105:YES),設定用紙が通常用紙である場合(S106:NO),設定用紙が,実際に搬送されている用紙Pと異なっている状態である。このため,封筒判定により搬送中の用紙Pが封筒であると判定され(S105:YES),設定用紙が通常用紙である場合(S106:NO),用紙Pの搬送を停止する(S109)。
また,実際に搬送されている用紙Pが設定用紙と異なっていることをユーザーへ通知する(S110)。さらに,ユーザーに,印刷モードを変更するか否かの確認を行う(S111)。このユーザーへの通知(S110)および確認(S111)は,画像形成装置1の表示パネル61により行うことができる。
ユーザーが,操作部60により,印刷モードの変更を指示した場合(S111:YES),印刷モードを変更する(S112)。これにより,実際に搬送されている用紙Pに適した印刷モードに変更することができる。そして,搬送を再開する(S113)。よって,その実際に搬送されている用紙Pに適した印刷モードで画像形成を再開し,図10のフローチャートを終了する。
一方,ユーザーが,操作部60により,印刷モードを変更しない指示をした場合(S111:NO),ユーザーへ,処置方法を指示する(S114)。具体的には,給紙カセット51に載置されている用紙Pを,印刷モードに合った種類のものに差し替えるよう,ユーザーへ指示を行う。指示された処置をユーザーが完了したとき(S115:YES),再度,搬送を開始する(S103)。
また,封筒判定において封筒であると判定されず,通常用紙であると推定される場合(S105:NO),用紙Pの先端領域HAが,搬送により,厚み出力部70の検出位置を通過したか否かの判定を行う(S107)。用紙Pの先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過していない場合(S107:NO),再度,封筒判定を行う(S105)。つまり,封筒判定を,通常用紙であると推定される用紙Pの(S105:NO)先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過するまで行う(S107:NO)。
そして,封筒判定によって用紙Pが封筒であると判定されることなく(S105:NO),用紙Pの先端領域HAが検出位置を通過したとき(S107:YES),その用紙Pを通常用紙であると判定し,設定用紙が通常用紙であるか否かの判定を行う(S108)。つまり,本形態のCPU4は,遅くとも,用紙Pの先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過したときに,封筒判定(S105)を終了する。すなわち,本形態では,用紙Pの先端領域HAについての厚み出力部70の出力値により,封筒判定を行う。
さらに,設定用紙が通常用紙である場合(S108:YES),そのまま画像形成を続行し,図10のフローチャートを終了する。よって,通常用紙である用紙Pに適した印刷モードである通常モードにより,画像形成を行うことができる。
また,実際に搬送されている用紙Pが封筒であると判定されず(S105:NO),通常用紙であると判定されたにもかかわらず,設定用紙が封筒である場合(S108:NO),設定用紙が,実際に搬送されている用紙Pと異なっている状態である。よって,この場合(S108:NO),用紙Pの搬送を停止する(S109)。
さらに,実際に搬送されている用紙Pが設定用紙と異なっていることをユーザーへ通知するとともに(S110),ユーザーに印刷モードを変更するか否かの確認を行う(S111)。ユーザーが,操作部60により,印刷モードの変更を指示した場合(S111:YES),印刷モードを変更し(S112),搬送を再開する(S113)。これにより,実際に搬送されている用紙Pに適した印刷モードで画像形成を再開し,図10のフローチャートを終了する。
一方,ユーザーが,操作部60により,印刷モードを変更しない指示をした場合(S111:NO),ユーザーへ,処置方法を指示する(S114)。具体的には,給紙カセット51に載置されている用紙Pを,印刷モードに合った種類のものに差し替えるよう,ユーザーへ指示を行う。指示された処置をユーザーが完了したとき(S115:YES),再度,搬送を開始する(S103)。
上記のように,本形態の画像形成装置1は,印刷ジョブの実行時に,封筒判定を含む図10の制御手順を実行することで,実際に搬送されている用紙Pに対応した印刷モードで印刷ジョブを行うことができる。また,画像形成装置1では,用紙Pが封筒であるか通常用紙であるかの判別を,封筒判定によって早期に行うことができる。
なお,本形態では,先端領域HAを,封筒のトップフラップの長さを基に定めている。しかし,先端領域HAは,任意に定めることができる。また例えば,先端領域HAを特に定めることなく,用紙Pの搬送方向についてすべて,封筒判定を行うこととしてもよい。
ただし,給紙された用紙Pの先端が,搬送により転写ニップN1に到達するよりも前に,封筒判定を完了することが好ましい。用紙Pの先端が転写ニップN1を通過してしまった場合,すでに用紙Pへのトナー像の転写が開始されてしまっているからである。このため,先端領域HAの長さは,搬送経路50上における厚み出力部70の検出位置からレジストローラー53までの長さ以下の長さに定めることが好ましい。用紙Pの先端がレジストローラー53に到達する以前に封筒判定を完了することにより,印刷モードを変更する場合であっても,変更した印刷モードによって適切に画像形成を行うことができるからである。
また,厚み出力部70は,搬送経路50における上流側に設けられているほど好ましい。封筒判定を,用紙Pの搬送が開始された後,早期に行うことができるからである。このため,厚み出力部70の検出位置は,給紙ローラー52のすぐ下流の位置に設けられていることが好ましい。つまり,厚み出力部70は,搬送経路50上における給紙ローラー52の下流において,搬送経路50に設けられている複数の搬送ローラーや用紙検出センサーなどの用紙Pの搬送に関係する構成要素のうち,最も上流側に位置していることが好ましい。
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置1は,厚み出力部70を有している。厚み出力部70は,いずれも用紙Pの厚みの指標値を検出して出力することができる第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73により構成されている。第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73は,それぞれの検出位置が,用紙Pの幅方向に並ぶように設けられている。また,厚み出力部70は,搬送経路50上の転写ニップN1よりも上流に設けられている。そして,CPU4は,厚み出力部70の出力値により,用紙Pが封筒か否かを判定する封筒判定を行う。具体的に,封筒判定では,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値が異なる厚みを指標する値であるとき,用紙Pが封筒であると判定する。これにより,搬送されている用紙の種類を,その搬送の開始後,早期に判別することのできる画像形成装置が実現されている。
[第2の形態]
次に,第2の形態について説明する。本形態においても,画像形成装置の構成については,第1の形態と同様である。そして,本形態の画像形成装置は,第1の形態と異なり,印刷モードが搬送されている用紙に適したモードでない場合に,印刷モードを自動で変更することのできるものである。
本形態の画像形成装置1で行う,封筒判定を含む制御手順について,図11のフローチャートにより説明する。図11の制御手順についても,画像形成装置1に印刷ジョブが発生したときに開始される。すなわち,印刷ジョブが発生したとき,まず,CPU4は,設定用紙の確認を行い(S201),印刷モードを設定用紙に合わせたモードに設定する(S202)。また,CPU4は,給紙カセット51に載置されている用紙Pの搬送を開始し(S203),厚み出力部70に用紙Pの検出を開始させる(S204)。
次に,CPU4は,厚み出力部70の出力値に基づいて,封筒判定を行う(S205)。そして,封筒判定により封筒であると判定された場合(S205:YES),CPU4は,設定用紙が封筒であるか否かの判定を行う(S206)。封筒判定により搬送中の用紙Pが封筒であると判定され(S205:YES),設定用紙が封筒である場合(S206:YES),CPU4は,そのまま画像形成を続行し,図11のフローチャートを終了する。よって,封筒である用紙Pに適した印刷モードである封筒モードにより,画像形成を行うことができる。
一方,封筒判定により封筒であると判定されたにもかかわらず(S205:YES),設定用紙が通常用紙である場合(S206:NO),用紙Pの搬送を停止する(S209)。そして,CPU4は,印刷モードを変更し(S210),搬送を再開する(S211)。これにより,実際に搬送されている用紙Pに適した印刷モードで画像形成を再開し,図11のフローチャートを終了する。
また,CPU4は,封筒判定により封筒であると判定されない場合,封筒判定を,通常用紙であると推定される用紙Pの(S205:NO)先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過するまで行う(S207:NO)。そして,用紙Pが封筒であると判定されることなく(S205:NO),用紙Pの先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過したとき(S207:YES),その用紙Pを通常用紙であると判定し,設定用紙が通常用紙であるか否かの判定を行う(S208)。設定用紙が通常用紙である場合(S208:YES),CPU4は,そのまま画像形成を続行し,図11のフローチャートを終了する。よって,通常用紙である用紙Pに適した印刷モードである通常モードにより,画像形成を行うことができる。
また,実際に搬送されている用紙Pが封筒であると判定されず(S205:NO),通常用紙であると判定されたにもかかわらず,設定用紙が封筒である場合(S208:NO),設定用紙が,実際に搬送されている用紙Pと異なっている状態である。よって,この場合(S208:NO),CPU4は,用紙Pの搬送を停止する(S209)。そして,CPU4は,印刷モードを変更し(S210),搬送を再開する(S211)。これにより,実際に搬送されている用紙Pに適した印刷モードで画像形成を再開し,図11のフローチャートを終了する。
よって,本形態においても,上記のように,印刷ジョブの実行時に,封筒判定を含む図11の制御手順を実行することで,実際に搬送されている用紙Pに対応した印刷モードで印刷ジョブを行うことができる。また,画像形成装置1では,用紙Pが封筒である場合,封筒判定によって早期に,用紙Pが封筒であると判定することができる。
さらに,本形態では,印刷モードが,実際に搬送されている用紙Pに対応したモードでない場合に,印刷モードを,実際に搬送されている用紙Pに対応したモードに,自動で変更することができる。よって,本形態の画像形成装置1は,ユーザーの処置を待つことなく,適切に画像形成を行うことができる。
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置1についても,第1の形態と同様に,搬送されている用紙の種類を,その搬送の開始後,早期に判別することができる。さらに,本形態の画像形成装置1では,印刷モードが,実際に搬送されている用紙Pに対応したモードでない場合に,印刷モードを自動で,実際に搬送されている用紙Pに対応したモードに変更することができる。
[第3の形態]
次に,第3の形態について説明する。本形態においても,画像形成装置の構成については,上記の形態と同様である。そして,本形態の画像形成装置は,給紙された用紙が適切に搬送されていない不適切搬送状態であるときに,これを検知することができるものである。
図12に,搬送を開始された用紙Pが不適切搬送状態であるときの給紙カセット51の平面図を示す。図12に示す不適切搬送状態において,給紙によって搬送が開始された用紙Pは,その先端が,厚み出力部70の第3センサー73側に片寄る向きに傾斜している。このような不適切搬送状態のままでは,用紙Pが搬送経路50を適切に搬送されず,ジャムの原因となってしまうことがある。また,用紙Pが不適切搬送状態で転写ニップN1を通過した場合,用紙Pに対して画像が傾斜した状態で形成されてしまう。
そこで,本形態の画像形成装置1では,不適切搬送状態であるときに,これを検知することができるようにされている。また,不適切搬送状態であることの検知は,厚み出力部70の出力値により,CPU4が行う。
厚み出力部70の第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の各出力値は,検出位置に用紙Pがあるときと,用紙Pがないときとで異なる値である。よって,CPU4は,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の各出力値により,それぞれの検出位置に,用紙Pがあるか否かを判定することができる。
そして,本形態のCPU4は,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73のうち,用紙Pのありを示す出力値を出力するセンサーと,用紙Pのなしを示す出力値を出力するセンサーとが存在しているときに,不適切搬送状態を検知する。また,不適切搬送状態の検知手順について,図13のフローチャートにより説明する。本形態のCPU4は,図13の検知手順を,第1の形態または第2の形態の封筒判定に係る制御手順(図10または図11)と並行して実行する。
まず,給紙カセット51に載置されている用紙Pの搬送が開始され(S301),厚み出力部70による用紙Pの検出が開始されたとき(S302),本形態のCPU4は,不適切搬送状態であるか否かの判定を行う(S303)。すなわち,本形態のCPU4は,厚み出力部70より用紙Pのありを示す出力値と用紙Pのなしを示す出力値とが出力されているか否かを判定する(S303)。
厚み出力部70より用紙Pのなしを示す出力値のみが出力されているとき,または,用紙Pのありを示す出力値のみが出力されているとき(S303:NO),用紙Pの先端領域HAが,厚み出力部70の検出位置を通過したか否かを判定する(S304)。用紙Pの先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過していない場合(S304:NO),再度,不適切搬送状態であるか否かの判定を行う(S303)。つまり,不適切搬送状態であるか否かの判定を(S303),用紙Pの先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過するまで行う(S304:NO)。
厚み出力部70より,用紙Pのありを示す出力値と用紙Pのなしを示す出力値とが出力されることなく(S303:NO)先端領域HAが厚み出力部70の検出位置を通過したとき(S304:YES),図13のフローチャートを終了する。この場合,用紙Pが適切に搬送されているため,その用紙Pに,適切に画像形成を行うことができる。
一方,厚み出力部70より,用紙Pのありを示す出力値と用紙Pのなしを示す出力値とが出力されたとき(S303:YES),不適切搬送状態であることを検知する(S305)。そして,CPU4は,用紙Pの搬送を停止し(S306),ユーザーへ,処置方法を指示する(S307)。具体的には,不適切搬送状態である用紙Pを画像形成装置1の搬送経路50から除去するよう,ユーザーへ指示を行う。指示された処置をユーザーが完了したとき(S308:YES),再度,搬送を開始する(S301)。
よって,本形態の画像形成装置1では,用紙Pが不適切搬送状態である場合に,これを適切に検知することができる。これにより,適切に搬送されている状態の用紙Pについて,画像形成を行うことができる。
また,本形態においても,図13の不適切搬送状態の検知手順と並行して,第1の形態および第2の形態と同様,印刷ジョブの実行時に,封筒判定を含む制御手順(図10または図11)が実行される。このため,本形態においても,実際に搬送されている用紙Pに対応した印刷モードで印刷ジョブを行うことができるとともに,用紙Pが封筒である場合,封筒判定によって早期に,用紙Pが封筒であると判定することができる。
なお,本形態におけるCPU4は,封筒判定を,第1センサー71,第2センサー72,第3センサー73の出力値がいずれも,用紙Pのありを示す値であるときに行う。つまり,厚み出力部70より,用紙Pのありを示す出力値と用紙Pのなしを示す出力値とが出力されたときには,厚み出力部70の出力値が,用紙Pの幅方向について異なる値となっている。しかし,この場合には,封筒判定を行わずに,不適切搬送状態であることを検知する。
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置1についても,第1の形態または第2の形態と同様に,搬送されている用紙の種類を,その搬送の開始後,早期に判別することができる。さらに,本形態の画像形成装置1では,用紙Pが適切に搬送されていない不適切搬送状態であるときに,これを検知することができる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態では,給紙カセット51の第1規制板56と第2センサー72,第2規制板57と第3センサー73がそれぞれ,第1連結部58,第2連結部59によって連結されているものとして説明している。しかし,第1規制板56と第2センサー72,第2規制板57と第3センサー73との連結は,例えば,ラックアンドピニオンやリンクなどの機構によるものであってもよい。
また例えば,第2センサー72,第3センサー73の,第1規制板56,第2規制板57に連動した移動は,物理的な連結ではなく,制御によるものであってもよい。すなわち,図14に示すような構成であってもよい。図14には,第2センサー72,第3センサー73の,第1規制板56,第2規制板57に連動した移動を,制御によって行う場合の給紙カセット151を示す平面図である。
図14に示すように,給紙カセット151の第1規制板56および第2規制板57はともに,厚み出力部170には連結されていない。ただし,給紙カセット151には,第1規制板56および第2規制板57のそれぞれの位置を検出して出力するセンサーである規制位置出力部152が設けられている。さらに,図14の例のCPU4は,規制位置出力部152の出力値より,第1規制板56および第2規制板57のそれぞれの位置を把握することができる。
また,図14では,厚み出力部170が,第2センサー72および第3センサー73に接続された駆動部171を有している。駆動部171は,図14に矢印で示すように,第2センサー72および第3センサー73をそれぞれ,用紙Pの幅方向について移動させることのできるものである。なお,駆動部171による第2センサー72および第3センサー73の移動の制御については,CPU4がおこなう。
そして,図14において,駆動部171は,第2センサー72および第3センサー73の位置を,第1規制板56および第2規制板57のそれぞれの位置と連動して移動させることができる。よって,図14の構成においても,第2センサー72および第3センサー73の検出位置を常に,それぞれ用紙Pの幅方向の両端部付近に設定することができる。これにより,図14のような構成であっても,封筒判定を適切に行うことができる。
また例えば,上記の実施形態は,一般的なセンター貼りおよびサイド貼りの封筒を検出対象とした場合について具体的に説明している。つまり,上記の実施形態に係る厚み出力部70の検出位置は,一般的なセンター貼りおよびサイド貼りの封筒を適切に検出できるように設定されたものである。しかし,厚み出力部は,必ずしも,用紙Pの中央および両端部を検出位置とするものでなくてもよい。例えば,幅方向の中央または端部以外の位置でサイドフラップが貼り合わせられている封筒を検出対象とする場合には,その封筒のサイドフラップの貼り合わせ位置と,サイドフラップの貼り合わせ位置以外の位置とに合わせて検出位置を設定しておけばよい。また例えば,厚み出力部の検出位置は,用紙Pの中央および両端部に加え,その他の位置にも設けておいてもよい。
また例えば,厚み出力部は当然,用紙Pの厚みを指標する値を検出できるものであればよく,透過型の超音波センサーに限られるものではない。このため,例えば,反射型の変位センサーを厚み出力部として用いることもできる。また例えば,用紙Pを厚み方向に挟み込むローラー対と,そのローラー対の用紙Pの厚み方向における変位を検出する変位センサーとの組み合わせにより,厚み出力部を構成することもできる。ただし,反射型のセンサーでは,用紙Pが湾曲しているような場合に,その厚みを適切に検出することが困難である。また,用紙Pを挟み込むローラー対とローラー対の変位を検出するセンサーとの組み合わせにおいては,構成部材が多く,高価であるとともに,厚み出力部が画像形成装置内に占めるスペースが大きくなってしまう。よって,厚み出力部としては,透過型の超音波センサーを用いることが好ましいと考えられる。透過型の超音波センサーは,安価で小さなものであるとともに,用紙Pが湾曲等している場合にも,その厚みを適切に検出することができるからである。
また例えば,上記の実施形態では,画像形成装置1内部の給紙カセット51に載置された用紙Pについて封筒判定を行うものとして説明している。しかし,例えば,外部に露出した手差しトレイを有する画像形成装置においては,その手差しトレイに積載により載置された用紙Pについて封筒判定を行うこともできる。
また本発明は,カラープリンターに限らず,例えば,モノクロプリンターや公衆回線経由で印刷ジョブの送受信を行うような画像形成装置にも適用可能である。