JP2017189772A - 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明者らは、ピッチ系炭素短繊維から前記の異形物を除去するために、通常の篩による篩分を試みた。前記異形物は、その多くが比較的小さな粒子状であるために、細かい目開きの篩を用いる必要があった。しかしながら、細かい目開きの篩を用いた場合、異形物を除去することは可能であるが、目開きを通過するピッチ系炭素短繊維の平均繊維長が、用いる篩の目開きよりも「長い」ために、篩分に長時間を要した。また、篩にかける時間が長くなるほど、比較的長い繊維長の短繊維が篩の目を通過しやすくなることから、篩時間によって平均繊維長が変化する問題も生じていた。また、PAN系炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPと称することがある)から、PAN系炭素短繊維をリサイクルによって回収する場合も、篩分を行うが(特許文献3)、この場合も、リサイクルされたPAN系炭素短繊維に異形物が含まれるという問題があった。
従って、本発明の目的は、異形物を短時間で除去することのできる、炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維の製造方法を提供することである。更に、本発明の目的は、異形物を含まない炭素短繊維を提供することである。
本発明は、このような知見に基づくものである。
[1]粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする、炭素短繊維の篩分方法、
[2]前記篩の目開きの長方形の短辺(NS)の長さが、篩分される炭素繊維の平均繊維直径(D)の1.5〜3倍の範囲であり、且つ長方形の長辺(LS)の長さが、前記短辺の1.1〜25倍である、[1]に記載の炭素短繊維の篩分方法、[3]前記目開きが長方形である篩により篩分する段階の前及び/又は後に、目開きが正方形又は長方形の篩により篩分する1つ以上の段階を含む、[1]又は[2]に記載の炭素短繊維の篩分方法、
[4]粉砕炭素繊維を目開きが正方形である篩により篩分する第1篩分段階、及び目開きが長方形である篩により篩分する第2篩分段階を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭素短繊維の篩分方法、
[5]前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維である、[1]〜[4]のいずれかに記載の炭素短繊維の製造方法、
[6]前記ピッチ系炭素短繊維の炭素源が石油又は石炭である、[5]に記載のピッチ系炭素短繊維の篩分方法、
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維の製造方法、
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維のリサイクル方法、
[9]異形物を含有しない、平均繊維径aμmのピッチ系炭素短繊維であって、
前記異形物が、1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つの長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない異形物であることを特徴とする、ピッチ系炭素短繊維、又は
[10]前記ピッチ系炭素短繊維の炭素源が石油又は石炭である、[9]に記載のピッチ系炭素短繊維、
に関する。
炭素短繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、特に限定されないが、一般的には、平均繊維径(D)が、5μm〜30μmである。また、平均繊維長(L)が20μm〜6000μmであるが、20〜6000μm、より好ましくは40〜3000μm、更に好ましくは50〜1000μmである。また、平均繊維長が1mm以下をミルド、平均繊維長が1mmを超え100mm以下のものをチョップと称することがあり、本発明の篩分方法は、特にミルドの篩分方法として適している。
先端を針金で縛った試料を内径5mmのテフロン(登録商標)チューブに通し、エポキシ樹脂液を馴染ませて試料をチューブの中に引き込み、約110℃の乾燥機でおよそ1時間硬化させる。チューブを切断し、その中に入っていた部分をステンレス製、直径25mm、高さ30mmの包埋試料調整用型枠に固定後、エポキシ樹脂液を流し込み約110℃の乾燥機でおよそ2時間加熱硬化後、冷却して包埋試料を取り出す。包埋試料をリファインテック(株)社製ニューマックスポリッシャーHV APN−128B型研磨機で鏡面に研磨後、(株)ニレコ社製ルーゼックスIIIU画像解析装置で1ロット当り100〜130本の繊維直径を測定する。
30mLの三角フラスコにスポイトで1級試薬の流動パラフィン5mLを量り取り、ミクロスパチュラで試料を採取し前述した流動パラフィンに分散させる。該フラスコからマイクロピペットで300μLの分散液を量り取り、1枚目のスライドガラス上に落とし、2枚目のスライドガラス板を重ねて圧着させる。本ガラス板を(株)ニレコ社製ルーゼックスIIIU画像解析装置にセットし、1000〜1300本/ロットの測定本数で各々単繊維の繊維長を測定する。
また、長方形の目開きの長辺は、目標とする炭素短繊維の平均繊維長をbμmとした場合、0.4b〜bμmの範囲であってもよい。
具体的には、例えば、ピッチ系炭素短繊維の場合、異形物の多くは、図1Bに示すような、粒子状の炭素化物及び黒鉛化物、柱状の炭素化物及び黒鉛化物、又は屈曲した繊維状の炭素化物及び黒鉛化物などであり、溶融紡糸の不良によって生成されたものである。このような異形物は、従来、ピッチ系炭素短繊維の製品中に1質量%程度含まれていた。図1Aは、本発明の篩分方法により異形物を除去したピッチ系炭素短繊維であり、粒子状の炭素化物及び黒鉛化物、柱状の炭素化物及び黒鉛化物、又は屈曲した繊維状の炭素化物及び黒鉛化物が、除去されている。また、リサイクルの場合は、炭素繊維以外の異形物、例えば樹脂の破片、金属、及びゴムなどが含まれていることがあり、このような異形物を除くことができる。
前記異形物を含む炭素短繊維は、メカニカルシール又はブレーキパッドなどに用いた場合、シール性または摺動性等に悪影響を与えることがある。
具体的には、前記異形物を除去するためには、例えば平均繊維径が14.5μmのピッチ系炭素短繊維を溶融紡糸した場合、目開きが43.5μm(43.5μm×43.5μm)以下の目開きの篩を用いて、篩分する必要があった。しかしながら、目開きが43.5μm(43.5μm×43.5μm)の篩を用いると処理速度が極端に遅くなる。従って、目開きが43.5μm(43.5μm×43.5μm)以下の篩を用いて、前記異形物を除去することは、事実上不可能であった。
本発明の炭素短繊維の篩分方法は、粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする。
前記篩の目開きの長方形の短辺(NS)の長さは、例えば篩分される炭素繊維の平均繊維直径(D)の1.5〜3倍の範囲とすることができ、好ましくは2.0〜2.5倍の範囲である。1.5倍未満であると、篩分の処理速度が遅くなることがあり、3倍を超えると異形物の混入が多くなる。
また、前記篩の目開きの長方形の長辺(LS)の長さは、例えば長方形の短辺の1.1〜25倍の範囲とすることができ、好ましくは1.5〜10倍の範囲であり、より好ましくは2.0〜10倍の範囲である。1.1倍未満であると、篩分の処理速度が遅くなることがあり、25倍以上だと篩の目開きが狂う恐れがある(目ズレ)。
また、篩の目開きの長方形の長辺(LS)の長さは、目標の平均繊維長の0.4〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、0.5〜1.0倍の範囲が好ましい。
前記目開きが正方形である篩による篩分は、主として炭素短繊維の平均繊維長を制御するために行うものである。従って、長方形篩分段階の前に、少なくとも1つの正方形篩分段階を含むことが好ましい。すなわち、本発明の炭素短繊維の篩分方法は、例えば粉砕ピッチ繊維を目開きが正方形である篩により篩分する第1篩分段階、及び目開きが長方形である篩により篩分する第2篩分段階を含むことが好ましい。
また、ミルドは、長いピッチ繊維から直接調整することも可能であるが、チョップを更に粉砕するミリングによって、容易に調製することが可能である。例えば、ハンマーミルを用いて、ハンマーの回転速度、及びチョップの投入量等を調整することによって、ミルドの平均繊維長を制御することができる。
すなわち、本発明の篩分方法によってチョップ又はミルドの平均繊維長を調整し、更に前記異形物を除去することが可能である。
本発明の炭素短繊維の製造方法は、粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする。すなわち、本発明の炭素短繊維の製造方法は、前記炭素短繊維の篩分方法を用いるものである。
例えば、ピッチ系炭素短繊維の場合は、好ましくはピッチを溶融紡糸し、ピッチ繊維を得る溶融紡糸工程、前記ピッチ繊維を、100℃〜400℃の温度で不融化し、不融化ピッチ繊維を得る不融化工程、前記不融化ピッチ繊維を、不活性ガス雰囲気下で、600℃〜2000℃で焼成し、炭素化ピッチ繊維を得る炭素化焼成工程、前記炭素化ピッチ繊維を、粉砕する工程、及び得られた粉砕ピッチ繊維を篩分する工程、により製造することができる。
前記溶融紡糸工程における溶融紡糸方法は、特に限定されるものではなく、ピッチ系炭素短繊維の製造に使用される方法を用いることが可能であり、例えば遠心力を利用してノズルから溶融ピッチを出す遠心紡糸法、溶融ピッチを高温高速の空気と共に吹き出すメルトブロー法、メルトブロー法の高温高速空気を渦巻状とし、その旋回流で延伸する渦流法、エアーサッカーノズルに繊維を吸引して延伸し、その出口以降で集綿するエアーサッカー法等などを挙げることができる、
前記溶融紡糸工程によって得られた、ピッチ繊維マットは、公知の方法で不融化することができる。例えば、不融化はNO2、SO2、又はオゾンなどの酸化性ガスを含む空気雰囲気中、100〜400℃に加熱することにより行うことができる。
前記不融化工程で得られた不融化ピッチ繊維は、非酸化ガス雰囲気中(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、又はクリプトン)で、500℃〜2000℃に加熱することにより、焼成することができる。
前記炭素化ピッチ繊維は、公知の粉砕方法により粉砕することができる。具体的には、前記ピッチ系炭素短繊維の篩分方法の欄で記載した粉砕方法を用いることができる。粉砕工程は、通常は前記の炭素化焼成工程後に行うが、場合により不融化前にピッチ繊維を粉砕することも可能であり、不融化後に炭素化焼成工程により、焼成を実施することもできる。
ピッチ系炭素短繊維の製造における篩分工程は、前記のように炭素短繊維の篩分方法を用いるものである。篩分工程は、ピッチ繊維の粉砕後に行うことが可能であり、従って、不融化の前、炭素化焼成工程の後、又は黒鉛化焼成工程の前若しくは後に行うことも可能であり、複数の長方形篩分段階、及び/又は正方形篩分段階を行う場合は、それぞれの篩分段階を、不融化の前、炭素化焼成工程の後、又は黒鉛化焼成工程の前若しくは後に行うことも可能である。
ピッチ系炭素短繊維の製造は、粉砕工程及び篩分工程の間、篩分工程における篩分段階のいずれかの間、又は篩分工程の後に、前記炭素化ピッチ繊維を、減圧下または不活性ガス雰囲気下で、例えば2000℃〜3500℃で焼成し、黒鉛化ピッチ繊維を得る黒鉛化焼成工程を、更に含むことができる。
炭素化ピッチ繊維の黒鉛化は、公知の方法により行うことが可能であり、例えば、減圧下又は不活性ガス雰囲気中で、2000℃以上で行うことが可能であり、上限は3500℃以下が好ましい。また、不活性ガスとしてはアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素等をあげることができる。
本発明のピッチ系炭素短繊維は、異形物を含有しないピッチ系炭素短繊維であって、前記異形物が1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つ長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない異形物である。
本発明のピッチ系炭素短繊維は、限定されるものはないが、本発明のピッチ系炭素短繊維の篩分方法、又は前記のピッチ系炭素短繊維の製造方法によって、製造することが可能である。
本発明の炭素短繊維の篩分方法は、炭素短繊維のリサイクル方法に用いることができる。炭素短繊維は、コンクリート、各種プラスチック(樹脂)、及び合成ゴムなどとの複合材料の原料として用いられている。例えば、炭素繊維及び樹脂の複合材料、又は炭素繊維、樹脂、及び金属などの複合材料が、航空機の機体又は自動車の車体の材料として使用されている。最近、前記の複合材料から、炭素繊維及び樹脂を分離して、再利用するためにさまざまなリサイクル方法が開発されてきている。
本発明の炭素短繊維のリサイクル方法に用いる複合材料のリサイクル技術は、特に限定されるものではないが、例えば、真空熱分解、低温流体処理、高温流体処理、流動層処理、熱流体処理、常温溶解法、熱分解法、超臨界流体法、及び亜臨界流体法を挙げることができる。これらのリサイクル技術によって、複合材料を粉砕及び/又は溶解し、炭素短繊維を樹脂などから分離する。分離された炭素短繊維は、炭素短繊維以外に、樹脂の破片及び金属片などの異形物が含まれることがある。この異形物を本発明の炭素短繊維の篩分方法によって、除去することが可能である。
また、本発明のリサイクル方法によってリサイクルされる、炭素繊維の種類は特に限定されるものではないが、ピッチ系炭素短繊維、レーヨン系炭素短繊維、又はPAN系炭素短繊維を挙げることができる。
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長90μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
(1)炭素化ピッチ繊維の製造(溶融紡糸工程、不融化工程、及び炭素化焼成工程)
まず、石油ナフサを熱分解してエチレン、プロピレン等のオレフィン類を分取した残りの高沸点留分(いわゆるエチレンボトム油)を380℃で熱処理して320℃、10mmHg abs.で減圧蒸留し、炭素含有率94.5質量%、平均分子量620、軟化点(高架式フローテスター)170℃のピッチを得た。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
第1の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
次に、得られたミルドに、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
実施例1の(1)で得られた炭素化ピッチ繊維を用いて、粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程を実施した。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
次に、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。
得られたピッチ系炭素短繊維は、平均繊維径14.5μmであり、平均繊維長110μmであり、異形物を含まないものであった。
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
実施例1の(1)で得られた炭素化ピッチ繊維を用いて、粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程を実施した。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
第1の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
次に、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
実施例1の(1)で得られた炭素化ピッチ繊維を用いて、粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程を実施した。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
第1の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
次に、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。
本比較例では、長方形の目開きの篩に代えて、正方形の目開きの篩を用いて、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維から、異形物の除去を試みた。
前記第2の篩分段階おける長方形の目開きの篩に代えて、目開き34μm×34μmの篩を用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返し、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。実施例2における長方形の目開きの篩による処理速度と比較して、1/2〜1/3であった。
本比較例では、長方形の目開きの篩に代えて、正方形の目開きの篩を用いて、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維から、異形物の除去を試みた。
前記第2の篩分段階おける長方形の目開きの篩に代えて、目開き34μm×34μmの篩を用いたことを除いては、実施例3の操作を繰り返し、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。実施例3における長方形の目開きの篩による処理速度と比較して、1/2〜1/3であった。
本比較例では、長方形の目開きの篩に代えて、正方形の目開きの篩を用いて、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維から、異形物の除去を試みた。
前記第2の篩分段階おける長方形の目開きの篩に代えて、目開き34μm×34μmの篩を用いたことを除いては、実施例4の操作を繰り返し、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。実施例4における長方形の目開きの篩による処理速度と比較して、1/2〜1/3であった。
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長90μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例3の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例4の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
2・・・ピッチ系炭素短繊維;
3・・・長方形の目開きの長辺(LS);
4・・・長方形の目開きの短辺(NS);
5・・・正方形の目開きの一辺。
Claims (9)
- 粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする、炭素短繊維の篩分方法であって、
前記篩の目開きの長方形の短辺(NS)の長さが、篩分される炭素繊維の平均繊維径(D)の1.5〜3倍の範囲であり、且つ長方形の長辺(LS)の長さが、前記短辺の1.1〜25倍である、炭素短繊維の篩分方法。 - 前記目開きが長方形である篩により篩分する段階の前及び/又は後に、目開きが正方形又は長方形の篩により篩分する1つ以上の段階を含む、請求項1に記載の炭素短繊維の篩分方法。
- 粉砕炭素繊維を目開きが正方形である篩により篩分する第1篩分段階、及び目開きが長方形である篩により篩分する第2篩分段階を含む、請求項1又は2に記載の炭素短繊維の篩分方法。
- 前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維、レーヨン系、又はPAN系炭素繊維である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法。
- 前記ピッチ系炭素繊維の炭素源が石油又は石炭である、請求項4に記載の炭素短繊維の篩分方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維の製造方法。
- 炭素短繊維のリサイクル方法であって、(1)複合材料の粉砕及び/又は溶解工程、(2)炭素短繊維の分離工程、及び(3)炭素短繊維の篩分工程を含み、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法を、該(3)炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維のリサイクル方法。
- 異形物を含有しない、平均繊維径aμm及び平均繊維長20〜6000μmの炭素短繊維であって、前記異形物が、1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つの長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない異形物であることを特徴とする、炭素短繊維。
- 前記炭素短繊維がピッチ系炭素繊維である、請求項8に記載の炭素短繊維。
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恒川昌美: "ふるい分け・分級", 資源と素材, vol. 113, no. 12, JPN6018027466, 1997, pages 904 - 907, ISSN: 0003840903 * |
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Publication number | Publication date |
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JP6425770B2 (ja) | 2018-11-21 |
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